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DJ大塚広子インタビュー

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Jazzを中心とした幅広い選曲で知られ、
最近はジャズ喫茶や老舗ジャズクラブ等、リアルジャズシーンでも活躍する女性DJ、大塚広子さん。

この度自身がプロデュースするレーベルを立ち上げ、第一弾となるコンピレーションをリリースされました。
日本の新世代ジャズを切り取った、ありそうでなかった内容です。
メールインタビューでは、このコンピレーション、そして日本の新世代ジャズについてお伺いしました。

2015年1月度のPIT INN「Entertainment Nightly」ではゲストとして大塚さんが登場します。
そちらも是非お聴き下さい。

PIT INN「Entertainment Nightly」 (配信期間:2015年1月7日~2015年2月4日)
http://www.jjazz.net/programs/pit-inn/


【大塚広子インタビュー】

Q. まさに今の日本の新しいジャズシーンを捉えたセレクション!
これまでにない一味違うジャズコンピですが、どういうテーマでコンパイルされたのですか?

[大塚広子]
振り返ってみれば今まで日本のジャズ・レーベルのコンパイルMIX CDを出し、その中で過去から今にかけて時代を追ってジャズを勉強させてもらったように思います。この作品が私の10作目になりますが、今回は初心に戻って自分の手で曲を選ぼうと決めました。それと同時に、私のライフワークになっている音源追求のなかで、いま新しいジャズが面白い!という結果に至りました。昔は過去のレコードを探して聴いてプレイしての繰り返しでしたが、最近はミュージシャンとの共演が多くなったこともあり、今の音楽についての感動がすごく大きくて。そんな今起こっていることを、もっともっとたくさんの人に聞いてもらいたいという動機からです。


Q. 未発表曲が数曲ありますが特にオススメの曲があれば教えて下さい。

[大塚広子]
丈青、秋田ゴールドマン、FUYUのデ・ラ・ソウル「Stakes Is High」のカヴァー、丈青、日野"JINO"賢二、FUYUのロイ・ハーグローヴ「Strasbourg / St. Denis」のカヴァー。この二つはライヴ録音の未発表音源でおすすめです。
ほかにも私の大好きな70年代のレコードで、フリージャズ・サックス奏者ジョー・マクフィーの一曲をサイケ・ファンク風に9人ユニットでカヴァーしています。このエネルギーは凄まじくてかっこいいです!どれも私のDJプレイと同じテイストのカヴァー・セレクトで妥協ない選曲ができました。


Q. 大塚さんがプロデュースされた新ユニットRM jazz legacyについて教えて下さい。

[大塚広子]
この作品をつくるにあたって一つの課題がありまして...。単にコンピレーションとしての作品にすることもできましたが、私の過去の作品やDJプレイと同じコンセプトしたかったので、ブラック・ミュージックに共通するグルーヴ感がどうしても必要でそれが大きな課題でした。今回の選曲で多く関わってくれたベーシストの守家巧さんとの話のなかで、この私の課題と彼の音楽性も近いことがわかり、新たな音楽をつくることになりました。
ミュージシャン選定から楽曲のディテールに至るまで意見を出し合って、たとえば、D'Angelo「Spanish Joint」のリズムパターンに、Donald Fagenの『Nightfly 』の雰囲気を重ねたら・・。ジャズ・ミュージシャンの高い技量を活かして、例えばロイ・ハーグローヴ、例えば、ロニー・リストン・スミスのようにサウンド重視にしてみたら・・。という話の結果、人選は存在感あるフロント、類家心平。確実な技量のキーボーディスト坪口昌恭。HipHop以降のクラブシーンでのファーストコール・ドラマー、mabanua。在米10年以上の経験でゴスペル、R&Bシーンを知るギタリスト、田中"TAK"拓也。あったらいいなと思っていた日本発のグルーヴィー・サウンドが出来上がりました。


Q. 新世代ジャズが注目を集めていますが、日本の新世代のジャズを現場で観ていて感じることとは?

[大塚広子]
今まで自分が聴いてきた過去のジャンルの影響をバックグラウンドとして持つミュージシャンが増えてきていることに気づくようになりました。同じように同世代の柳樂光隆さんの監修した21世紀のジャズをフォーカスした「Jazz The New Chaper」といったガイドブックの動きもあり、レコードの聴き方と同じように等身大で今の音楽を聴くことができるようになったのも自分の実感としてあります。ミュージシャンも複数バンドを持ちいろんなジャンルをフレキシブルに行き来するような傾向があるように思います。


Q. 最近注目しているジャズミュージシャンとは?

[大塚広子]
すでに注目されてる若手ドラマー、石若駿がキーボーディスト&ビートメイカーのAaron Choulaiと組んでいるユニット。フィジカルなリズムと若い世代らしい斬新なビートミュージックに期待です。あとはいままで日本ではあまり取り上げられていなかった男性ヴォーカルのジャンルで、河合卓人。グレゴリー・ポーターのようなソウル/ジャズ系にもハマる才能があってこれから楽しみです。


Q. 大塚さんプロデュースの新レーベル"KeyofLIFE+"でやりたい事、
また今後の予定あれば教えて下さい。

[大塚広子]
これらの15曲はたくさん方との出会いで知ることができましたし、そして本作に入れられなかった素晴らしい音楽もまだまだたくさんあります。さらに新しい音楽を入れて今を奏でるmixガイド・シリーズとして広めていけたらと思います。
12/26渋谷THE ROOM、12/27御茶ノ水cafe 104.5 で、リリースパーティー。2/3 ARK HILLS cafe、2/22 六本木アルフィーで、RM jazz legacy の初ライヴを予定しています。

これからも新しい音楽も一緒に楽しめるような提案をしていきたいと思いますので皆様よろしくお願いします!


ありがとうございました。


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【DJ大塚広子プロデュース 次世代ジャズ・コンピレーション】

■タイトル:『PIECE THE NEXT』
■Produce & Director:大塚広子(Hiroko Otsuka)
■発売日:2014年12月17日
■レーベル: Key of Life+
■製品番号:KOL1

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日本の新世代ジャズをいち早く取り上げた大塚広子新レーベル・キー・オブ・ライフ・プラス第一弾。未発表曲や自らの楽曲提供&プロデュース曲を含めた現在とこれからのJAPAN GUIDE。


[収録曲]

1 GL/JM / 類家心平 4 Piece Band
2 Tokyo Confidential / 挾間美帆 m_unit
3 Rockin' In Rhythm / Orquesta Libre + Suga Dairo + RONxII 
4 Shakey Jake / Takumi Moriya Black Nation
5 Regular / Yasei Collective feat.Shane Endsley (tp) Ben Wendel (ts) from Kneebody
6 Heavy Seas (Live) / Rumba On The Corner
7 grmethod / Kinetic(千葉広樹,服部正嗣)
8 Do Good/ Yasei Collective
9 Stakes Is High / JOSEI ACOUSTIC PIANO TRIO(丈青,秋田ゴールドマン,FUYU)
10 Ameeta / Bennetrhodes(佐野観)
11 Night Flight / RM jazz legacy(類家心平,(tp)守家巧(b),坪口昌恭(p),mabanua(ds),田中 "TAK" 拓也(g))
12 明日への光 / オンセン・トリオ (岩見継吾,栗田妙子,池澤龍作)
13 Rock Out / 西山瞳・トリオ"パララックス"
14 Strasbourg / St. Denis / element3(丈青,日野"JINO"賢二,FUYU)
15 Park / 橋爪亮督グループ


[収録曲の参加ミュージシャン]
丈青、日野"JINO"賢二、秋田ゴールドマン、FUYU、岩見継吾、栗田妙子、池澤龍作、千葉広樹、服部正嗣、類家心平、ハクエイキム、吉岡大輔、鉄井孝司、挟間美帆、スガダイロー、芳垣安洋、青木タイセイ、塩谷博之、藤原大輔、渡辺隆雄、ギデオン・ジュークス、高良久美子、鈴木正人、椎谷求、岡部洋一、スガダイロー、RON×II、坪口昌恭、守家巧、pepe福本、城戸絋志、沼 直也、mabanua、田中TAK拓也、佐野観、橋爪亮督、市野元彦、織原良次、橋本学、佐藤浩一、西山 瞳、坂崎 拓也、清水 勇博、馬場 孝喜、ヤセイコレクティブ (松下マサナオ/中西道彦/斎藤拓郎/別所和洋)、Kneebody(Shane Endsley/Ben Wendel)


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大塚広子 (DJ/ライター)

2004年以降、ワン&オンリーな"JAZZのグルーヴ"を起こすDJとして年間160回以上のDJ経験を積んできた。徹底したアナログ・レコードの音源追求から生まれる説得力、繊細かつ大胆なプレイで多くの音楽好きを唸らせている。渋谷の老舗クラブTheRoomにて13年目に突入した人気イベント「CHAMP」など日本中のパーティーに出演。また音楽評論家やミュージシャンを巻き込んだライブハウスやジャズ喫茶でのイベント・プロデュースなど、世代やジャンルの垣根を越えたその柔軟なセンスで音楽の様々な楽しみ方を提示している。日本のジャズ・レーベルである、「トリオ」(ART UNION)、「somethin'else」(EMI MusicJapan)、「DIW」(DISK UNION)、「VENUS」(Venus Record)のMIXCDと、スウェーデン・ジャズを中心とした、スパイス・オブ・ライフ・レーベルのコンパイル作品「Music For Reading」(ディスクユニオン)を発売。過去リリースCDの売上数は延べ1万枚を超える。2010年、スペインでのDJ招聘、「FUJI ROCK FESTIVAL2010」の出場。2012年、老舗ライヴハウス新宿PIT INNのDJ導入を提案し、菊地成孔と共演(TBSラジオ出演)。BLUE NOTE TOKYOにて日野皓正らとの共演。総動員数3万人に及ぶアジア最大級のジャズ・フェスティバル「東京ジャズ2012」にDJとして初の出演。2013年、ニューヨークでののDJ招聘等。「JAZZ JAPAN」等の雑誌でのアーティストインタビュー、レビュー執筆の他、web連載、ディスク・ガイドブックやCDライナー執筆など音楽ライターしても活躍中

大塚広子 Official Site

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