toshiba pc review dynabookは音にこだわる
細部までこだわったデザインと使いやすさ、さらに「2年保証」というクオリティで長くつきあえるようになった新しいTシリーズ。
日本の老舗音響機器メーカー「オンキヨー」と共同開発したステレオスピーカーを搭載しており、音へのこだわりを感じます。日本のストリーミング放送黎明期から高音質のジャズ番組を配信してきたJJazz.Netがdynabook Tシリーズのサウンドを検証します。
文:岡村誠樹(JJazz.Net)
JJazz.Netは音を扱うメディアなので当然PCのクオリティにはこだわりたい。 メールやSNS、BLOG記事の作成はもちろん、ミュージシャンやレーベルから沢山届くCDの試聴や選曲、完成した番組のチェックまで基本的に全て担当ディレクターのPCで作業を行っています。近年はフィジカルなものよりも、国内外問わずデータで新譜音源が送られてくることが増えてきていますし、YouTubeやSoundCloudといったウェブコンテンツをチェックすることが本当に多いです。そういう意味でも我々にとってPCは、オールインワンでいかにストレスなく、トラブルなく使い続けられるのかということが重要で、仕事の効率や質に大きく影響します。

我々JJazz.Netのサービスは、高音質なサウンドによるストリーミング放送ですので、リスナーの皆さんにもwi-fiなど快適なネット環境とそれを実現できるPCクオリティを推奨しています。特にライブならではの臨場感を体感していただく番組「Jazz Today」では、拡張し、混在するジャズのイメージをとらえるライブシリーズとして、毎月様々なジャズライブを高音質でお届けしています。よく聴けば会場の広さやメンバーの位置、そして息遣いなども感じ取ることができます。そんなジャズライブの醍醐味を体験していただくためにも、PCには普段使いプラス・アルファのクオリティを求めたいものです。

JJazz.Netではこれまでにも様々なdynabookのサウンドレビューを行ってきましたが、今回レビューするのは「新dynabook Tシリーズ」。サウンドにもこだわりのある「新dynabook Tシリーズ」のクオリティーはどうなのでしょうか。
「新dynabook Tシリーズ」のサウンド機能
「新dynabook Tシリーズ」のサウンド機能をご紹介します。
◆オンキヨーと共同開発したステレオスピーカー
スピーカーユニットの設計や素材にもこだわり、低中域から高音域まで力強く、ダイナミックなサウンドを追及。音の広がりや明瞭度に優れた音質が楽しめます。また、チューニングの最適化により、自然な音場づくりを実現しています。

◆スピーカーユニットの詳細・特徴
トラック形状のボイスコイルを採用し、且つ従来であればウーファー用の設計にあたる4層仕様にすることで同サイズのマクロスピーカーを超える中低域を実現。ボイスコイル線材に純度の高い無酸素銅線を採用する事で、音の広がりや明瞭度の高い音質を実現しています。

実際に「新dynabook Tシリーズ」で音楽を聴いてみるとどうなのか?ジャズからロック、ポップスなど、幅広い作品を手掛けるプロ・レコーディング・エンジニアの檜谷 瞬六さんに、音質面を中心に検証してもらいました。
SOUND REVIEW by Shunroku Hitani
「dynabook T75」でジャズ作品をいくつか聴いてみました。
◆スピーカーのキャパシティに優れる
普段ノートPCのスピーカーから出る音というと、やはりボディの小ささから来るスピーカーや回路の非力さを感じてしまい、あまり音楽鑑賞向きのイメージはありませんが、この製品はそういったアナログ部分に重点を置いて開発しているということで、興味深くチェックさせていただきました。 何より良いと思ったのは、スピーカーそのもののキャパシティです。ノートPCのスピーカーとしては異例と言えるほどしっかりした音量で鳴らすことができます。普通は音量を上げていくと、かなり早い段階で歪み始めてしまうのですが、それがありません。試しにスピーカーの音量設定と再生に使用したiTunesの音量を最大まで上げてみましたが、それでも割れることはありませんでした。これは外付けのスピーカーをつけているのとあまり変わらないのではないでしょうか。ノートPCで音楽鑑賞する場合に一番ネックになるのは実はここです。気持ち良く聴ける音量まで上げると音はすでに歪んでしまっているという状態が多く、こればかりはデジタル領域で音をいじっても解決できないのですが、解消できているのは小型かつ優秀なスピーカーと回路を搭載できているおかげだと思います。

◆豊かな中低域の再生が実現
サウンドのバランス面でも、ノートPCが苦手としている豊かな中低域の再生が実現されています。その効果もあってか、シャリシャリした平面的な音像ではなく、しっかり音に立体感を感じられるサウンドになっています。あくまで小型ではありますが、スピーカーから再生される音がしていると言えると思います。スピーカーは本体の前面下部についているので、置き場所の材質による反射が多少音質に影響します。本体を持ち上げて聴いてみましたが、反射込みでチューニングされているようなので、音質的には木の机の上などがベストかもしれません。本体にインストールされていたDTS Soundの調整ソフトも使用してみましたが、イコライザーもナチュラルなので、これで少し調整したりするのもよいと思います。サラウンドモードも、自然なステレオイメージャーといった感じで、エンジニアの僕が聴いても気持ち悪い効果はなかったので、好みによってオンにしてみるのも良いのではないかと思います。

◆ヘッドホンでも整ったサウンドバランスと高い解像度を発揮
ヘッドホン端子も非常に整ったサウンドバランスと高い解像度を持っています。キャラクターとしては立ち上がりが速く低音がかなりしっかり出るので、使用するヘッドホンやイヤホンの種類によっては低音が多く感じるかもしれませんが、そこはイコライザーで調整してしまって問題ないでしょう。いずれにせよポテンシャルとしては十分と感じました。

「dynabook T75」で聴いたジャズ作品
僕がリファレンスにしているCDをいくつか再生してチェックしてみました。印象に残ったものをいくつかご紹介します。
まずエンジニアの名匠Al Schmitt氏の近年の代表作とも言えるPaul McCARTNEY『KISSES ON THE BOTTOM』。ナチュラルな音と最高級のリバーブによる音場がとても気持ち良いアルバムなのですが、その質感がとてもよくわかります。ボーカルのプレート・リバーブの感じなどしっかり聴き分けられますね。感心したのはピアノのサウンドの再生です。こういったコンプレッションされていない録音の場合、ピアノの強いタッチというのは結構しっかりしたスピーカーでも歪みが出てしまうことが少なくないのですが、弱いタッチから強いタッチまで録音のダイナミクスがしっかり再生されると思います。

Title : 『KISSES ON THE BOTTOM』
Artist : Paul McCARTNEY


次は、David Sanbornの『Songs From The Night Before』。こちらはスタジオ録音らしい、ワイドで立体的な音像のミックスになっているのですが、その立体感もちゃんと表現されています。パーカッションやサックスのサウンドなどは再生で色付けされてしまいやすいのですが、とてもナチュラルに再生できています。

Title : 『Songs From The Night Before』
Artist : David Sanborn


もう一つは、『Joe Henderson Big Band』。ビッグバンドがとても繊細に、ダイナミクスレンジが広く録音されています。こういった音源は小型のスピーカーだと小音量の部分がぼやけてしまったり大音量で飽和してしまったりしやすいのですが、そういったことがなくアンサンブルの感じを正しく再生できていると思いました。

Title : 『Big Band』
Artist : Joe Henderson

他にもピアノトリオやロックのCDなどをチェックしてみましたが、特に何かを強調したりせず正確なバランスの再生を目指してチューニングされているという印象です。ジャズは特に生楽器の自然な再生が求められるジャンルなので、こういった手軽なノートPCでちょっと音楽を聴いたりという時にこれくらいの音質で再生できるのならば有難いですね。

檜谷 瞬六(studio MSR)
檜谷 瞬六(ヒタニ・シュンロク) プロフィール
1977年生まれ埼玉県出身。学生ビッグバンドの名門早稲田大学ハイソサエティーオーケストラでサックス奏者、バンマスを務め数々の受賞に貢献。1999年単身ニューヨークに渡り、SAE New Yorkにてレコーディングを学ぶ。帰国後、2002年prime sound studio form設立に参加。2005年頃からメインエンジニアとして活動し、数々のプロジェクトに携わった後、2011年独立。現在はフリーランスエンジニアとして活動中。アコースティック録音の名手として知られ、数多くのジャズレコーディングを手掛けている他、TAKUYA(ex JUDY AND MARY),中田裕二、たむらぱん等のロック、ポップス系アーティストや、supercell,EGOIST,やなぎなぎ,fhána等のアニメ関係アーティスト、稲垣潤一、マリーン等の有名ベテランアーティストに至るまで幅広く手掛け、数多くのアーティスト、クリエイターからの信頼を得ている。近年はジャズプロジェクトやバンドのプロデュースも多く手掛けるなど、幅広く活動中。
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