Piano Lover
YAMAHA AvantGrand YAMAHA AvantGrand
佐山雅弘 佐山雅弘
ピアニスト・作曲家・編曲家

国立音楽大学作曲科在学中より音楽活動を開始。美しさと激しさが渾然となったピアノプレイと共に、作・編曲家、音楽監督としての活躍も高い評価を受けている。

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Vol.1 - ピアニスト佐山雅弘
AvantGrandの大きな特長のひとつにタッチ感の調節ができるということがあります。つまり、自分で調律師のように微妙な調整ができるんです。
そうなんだ。センサーによるデジタル処理でタッチ感度が変えられるんだね。鍵盤を自分の好みの深さに調節できるのなら、そんな良いことはないですね。ピッチに関しては調律師いらずだし。調律ってね調律の他に”調整”と”整調”っていうのがあるの。そこでね、タッチ感とか深さっていうのをやるんだけど、それが機能としてついてるってのはすごいね。よく作ったもんだね。

-このAvantGrandのようにタッチが良いと曲や演奏にも影響しますか?
もちろんしますね。曲もそうだけどアドリブの場合は、リリース感ってあるんだよね。リバーブが”ぽぉーん”とあったり、リバーブのようにフィジカルにリリース感があって、リリース感が落ち着いて次のフレーズにいくから、ゆったりしたアドリブになるの。
優雅な感じに、「タン・・・、そうですか・・・」と、「そうですか」の“か”まで余韻を持って間を空けて会話をするような感じにできるし楽しいですよ。

-AvantGrandはアコースティック・ピアノの繊細なタッチ感とレスポンス、そしてペダルの操作感も非常に高いクオリティーで再現されているのですが、その辺りはいかがですか?
ペダル良かったですよ。オン・オフじゃないのね。今までのデジタルピアノはペダルをのばすか、のばさないか、なんだけど、ハーフペダルとか。後、それこそ質感にこだわっているみたいだから、ふかーく踏むと、ちょっと重いの。浅く踏むと軽くって。あれどうしてるのかな?

-これはペダルの構造にこだわることで、グランドピアノにおけるペダルの加重変化まで再現しているんですよ。
科学使ってるんだね(笑)

-そうなんです。さらに「タクタイル・レスポンスシステム」によって、アコースティック・ピアノを弾く時に感じる自然な振動を再現しているのですが、タッチなどの演奏感が良いということはもちろん演奏に影響してきますよね?
あるでしょうね。さっき生演奏しましたが、演奏良かったでしょ?なんかね、違和感なく自分の曲に入れましたね。

-AvantGrandを実際弾かれた感想をお聞かせ下さい。
これはね、便利といったら悪いけど、よくぞここまでって感じ。やっぱり技術ってすごいね。
医学と楽器技術って日本が誇れるものだね。
ここまできたらね、全国のライブハウスに置いて使ってもらいたいよね。
これを置いておくと、ライブをやらなくてもパーティーの時なんか誰かピアノを弾ける人いるでしょ。お店にピアノがあるってことは素晴らしい事だから。そういう意味で広まって欲しいですね。

もっとAvantGrandの世界を聴いてみたいあなたに
やはり調律大事よね。
- pianoによっては、やはりタッチの趣が違うものですか?
もう全然、ひとつずつ違いますね。YAMAHAにCFⅢSっていうすごい名器があるんだけど、もちろんYAMAHAのC7とかもすごく良いんですけど、そのCFⅢSってのはもうすごく良くて、あっという間に広がって。割と全国にあるんだけど、そのピアノがあると安心する。でもやっぱり微妙に個体差があって個性がある。でもハズレはない。それはすごいことで、海外のメーカーはハズレも多いんだよね。

- そう考えると日本のクオリティーは高いんですね。
そうそう。CFⅢSとかすごいですよ。
でもそれでもやっぱり、空気感や会場とのバランスの兼ね合いもあるし、製品が一緒でも一つとして同じピアノはないとおもいます。
やはり調律師大事よね。普段からメンテナンスして。日本は優秀ですよ。地方に行っても地元の調律師がいるもんね。その人が暮らせるだけの文化的な背景がその土地にあるってことでしょ。日本全国に調律師がいるってことはすごいですよ。
-音楽以外にこだわっていることや興味を持っていること何かありますか?
最近好きなのは芝居かな?昔はかったるくて嫌いだったんだけど(笑)友人に役者とかが多いから付き合いで行ってる内になんとなく楽しみ方が分かってきて、それで割と行くようになって。行くようになると面白くなって参加させてって言って一緒にやったり(笑)
AvantGrand

-えっ?演じられているんですか?
いや演じるまではまだいかないんだけど(笑)役者では頼みませんって(笑)
要するに「舞台にのって芝居に合わせて音楽をやるという」というものを作りたいと思ってくれる人がいて。こういうコラボレーション面白いよね。

-見ているものに音をつける作業ってやりがいありそうですよね?
楽しい、楽しい。今、絵本の朗読でスライドを映して勝手に音楽つけるというのをやってるんだけど、それは面白いですね。音楽で全然意味変わってくるし、それを聴いて読み方も変わってくる。でも芝居の場合は行き先が決まっているから固定化せざるを得ないよね。そこをどうしていくのか、クラシック化するのか。そんなしばりも面白いかと思ってますね。

-今おっしゃった絵本以外に落語とのコラボレートもされてますが、ジャズと何か共通点あるのですか?
芸能として似てるのは”お客さんによって変わる”ということですね。演目も内容も時間も全て合わせられる。落語家なんてすごいですよ。「えーっと」ってこう見渡して、その会場の雰囲気やこの街はどんな所って様子みながら“あれやろう”って。高座上がってから「まいどー」って枕ふりながらネタを何にしようか考えてる。すごいですよ。

-結局、落語もスタンダードなものをやっているわけですよね?
そうそう。スタンダードなものがいっぱい入ってて、様子をみて見合ったものを出してきて、そこに見合ったようにアレンジしながらやる。これまるっきりジャズだよね。ただ、落語はソロでジャズはアンサンブルなので、あらかじめやる曲とかアレンジは決まっていたりもするけども。
今、正蔵さんとやっているのは”ソロ・ソロ”だから、そういう意味でも丁々発止で面白いわけよ。からみの出し物も作ったのよ。“サッチモ物語”という台本作ってスタンドアップでね。それがすごく良くて。今は早く新しいオリジナルを作りたいですね。

-それは楽しみですね。他にもジャズとのコラボレーション、いろいろ出来そうですね。
そうなんですよね。ジャズっていうのはアドリブ。アドリブしないっていうこともアドリブのうちですから。だからジャズから見ると何でも出来る。オーケストラとやったり、今度は映画音楽をやるんですけども、それもジャズの中の一形態としてやると、割と捉えられえるのね。ロマン派バリバリのシューマンみたいなのはダメだけど(笑)。それ以外だったらね。それこそ絵本とやろうが、落語とやろうが”語りのあるジャズだ”と思ってやれば僕は成立すると思ってるし、実際成立してるからね。

-どうもありがとうございました。
佐山雅弘セレクトアルバム
Oscar Peterson / Night TrainKeith Jarrett / Facing You
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