Piano Lover
YAMAHA AvantGrand YAMAHA AvantGrand
守屋純子林正樹
ピアニスト/コンポーザー/アレンジャー
自己のユニット「KOKOPELLI」「West/Rock/Woods」や「小松亮太&ザ・タンギスツ」、「Salle Gaveau」など多数のユニットで活躍する注目の若手ピアニスト。 リーダー及び参加アルバムも多数あり、自己のユニットで聴かれるその作曲、編曲能力は各界で高く評価されている。

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Vol.4 - ピアニスト林正樹
-AvantGrandを弾かれてみていかがでしたか?
アップライトピアノだと、タッチが軽く感じたりうまく連打ができなかったりしますし、電子ピアノだと、アコースティックピアノのイメージと同じように弾いてしまい、余計な力が入って指が痛くなってしまうことがあります。でも、AvantGrandだとタッチがグランドピアノと同じで表現したい音が出せるので、余計な力が入ることなく指を痛める心配もないので良いですね。グランドピアノの代用というより、”AvantGrand”という新しいジャンルが生まれそうな気がしますね。

-AvantGrandは、どういった方に相応しいと思われますか?
趣味でやっている人にはもちろん、本格的にピアノをやっていきたいという人には特に最適。ピアノはタッチが本当に重要なので、どんなに音色の良いピアノで練習しても、(音が良ければ気持ちいいかもしれないですが、)楽器が変わると弾けなくなってしまうんですよね。(ピアニストは、)色んな会場で演奏する時に、その会場のピアノのタッチにすぐ合わせないといけないので、ちゃんとしたタッチで練習しておかないと対応出来なくなってしまうんです。アップライトピアノだと、ちゃんと整備されてタッチのこともちゃんとしてあれば良いと思うんですが、ピアノによってはタッチが軽かったりするので、それに慣れてしまうと危険だと思うんです。多分ダイナミクスだったらアップライトピアノより、このAvantGrandの方が出るような気がします。すごい微妙なタッチでピアニッシモも出るし、なかなかアップライトピアノでタッチのコントロールって難しいんですよ。

-自宅ではどういう環境で練習していますか?
AvantGrand
YAMAHAのC3というグランドピアノを弾いていますが、(ご近所の迷惑を考えて)夜9時くらいまでしか弾くことができないんですよね。夜中に曲が浮かんできたら、近所に聞こえないようなすごい小さい音で弾いてメモを取っています(笑)住宅事情もあって、そういう所がグランドピアノの難しい所ですね。でもAvantGrandだとヘッドフォンをしながらグランドピアノのタッチ感で弾けるから良いですね。

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-ご自身の音楽に対するこだわりは?
あまりジャンルにこだわらないです。ジャンルって言葉をあまり使いたくないんです。自分の事をジャズ・ピアニストだとは思っているんですけど、多くの人がイメージするようなジャズではなくて、色んな音楽から吸収して自分にしかできない新しい音楽をやっているつもりです。

-菊池成孔さんによるストレンジ・オーケストラ「ペペ・トルメント・アスカラール(以下:ペペ)」でも重要な位置を占めている林さんですが、このグループで意識されていることは?
曲にもよるんですけど、普通は土台をベースに任せたりするんです。でもタンゴなどはピアノとベースで同時に土台を作るんです。ペペの場合も曲によっては同じようなことがあって、ピアノとベースで土台を支えたり、フロント的な役割でアドリブ・ソロをやらせてもらったりしています。『僕がペペの中で重要な位置にある』とは思っていなくて、11人みんな平等に重要だと思っています。自分が憧れていた、尊敬しているミュージシャンの人と共演できていることは、音楽やってプロになって良かったなと思うことの1つですね。また、僕が菊池さんに対して音楽的だけでなく、人間的にも魅力を感じているんです。でも菊池さんが考えているアイデアを言われるままではなく、菊池さんにも発信できるようなアプローチはないのか考えたりしています。ペペはラテン的なリズムと現代の音楽の要素が入っていて、他ではやっちゃいけないような前衛的なアプローチとかも許されるので、何も考えず自分たちの好きなことをやっていいんだという場所。オーチャード・ホールでこんなことやっていいの?ということもできましたし(笑)(ペペに参加して、)自分のやっていることに自信が生まれてきましたね。

-即興の場合とテーマなどを弾く場合、それぞれどういうことを意識されていますか?
例えばジャズの場合の即興って、ある程度ルールの上での即興なので、制限された即興なんですよね。本当に何の決め事もない完全な即興の場合は、次に何をやろうとかなるべく余計なことを考えないで、出来るだけ自分の出した音や誰かが出した音を聞いてインスピレーションを受けたものを次に自分が出したり、(敢えて)出さなかったり。テーマを弾くときは、この先に弾くべき音が決まっているので、それを一番いい“唄い方”で出せるようにします。思考能力はだいぶ違いますね。即興の時の方が、その場の雰囲気とかお客さんの反応とかを意識してしまう瞬間に音がつながらなくなってしまったりするので、奥が深いですね。でも、完全に即興のみという演奏は少ないです。マニアックになってしまうし、自己満足になってしまうんですよね。それを楽しみにしてくれている場合はうまくいったりするんですけど(笑)なので、即興というと、ミュージシャンによっても捉え方は違うと思います。本当に完全な即興ができるとしたら、ジャンルとかもなくなると思うので、絵やダンスなど、即興ができる人が集まると、何の境界線もなくなると思います。
-林さんが思うピアノの魅力を教えて下さい。
ピアノって、力を抜いてうまく出来た時はいい音が出るし、自分が無理して弾くと筋肉痛になるんですよね。ピアノに「力が入ってるよ」、「ヘタクソ」って言われてるみたい(笑)奥が深いです。本当に集中している時はピアノの響きの先まで聴けますね。特にソロライブをやっている時は、一番頭に音が入ってきますね。
あと、話が少しそれるかもしれませんが、昔、風邪を引いててもピアノを弾くと治ったこともあるんです。最近治んないけど(笑)ピアノって不思議ですね。
AvantGrand

-今後やっていきたいことは?
僕が見ている譜面って完全にオタマジャクシ(=音符)が書いている訳ではないんです。なので、自分が作っている曲を譜面におこして、オタマジャクシ(=音符)で表現して、ピアノをやっている人に弾いてもらいたいです。即興で弾くものって音符にするのにすごい労力が必要なんですが、きっと書けるハズなので、チャレンジしていきたいですね。

-最後に音楽以外で好きなものあれば教えて下さい。
趣味をやる時間があまりなくて・・・。一時期、写真だったり、そば打ちをしたりしていました。最近は家で煮詰まった時など、ミルでコーヒーを淹れるといい気分転換になりますね。一回、フライパンで豆を煎ったら筋肉痛になるし、飲んでみたら(煎り方に)ムラがあるからか、あまり美味しくなかったです(笑)。

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Oscar Peterson / Night TrainKeith Jarrett / Facing You
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