Piano Lover
YAMAHA AvantGrand YAMAHA AvantGrand
守屋純子守屋純子
ピアニスト/コンポーザー/アレンジャー
2005年、ジャズの分野では最も権威のあるセロニアス・モンク・コンペティショ ン作曲部門で、東洋人としてまた、女性として初の優勝の栄誉に輝く。自身の音 楽活動のみならず数々のサポート演奏、楽曲提供や編曲、また音楽大学での講師 など多方面で目覚ましく活躍している。

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Vol.3 - ピアニスト守屋純子
-(クラシックからスタートされた守屋さんにとって、)グランドピアノの繊細なタッチ感やレスポンスは重要な位置を占めるかと思いますが、AvantGrandのアクションはいかがでしたか?
鍵盤を叩いた感じが、グランドピアノにすごく近いので、アコースティックのピアノの感じで弾けますね。これが今までの電子ピアノにはなかった特徴だと思います。どうしてもタッチが違いましたからね。

-グランドピアノの演奏感が再現されたAvantGrand。ペダルの感触はいかがでしたか?
例えばドビュッシーやショパンなどを弾くときに、弱音ペダルというのは絶対に必要になってくるものなんです。そのペダリングがグランドピアノと電子ピアノの一番の違いだと思うんですが、このAvantGrandは本当にグランドピアノに近いペダリングができますね。AvantGrandがグランドピアノの演奏感を追及しているというのがよく分かります。

-グランドピアノより軽量で、タッチはグランドピアノに近い。まさに家で弾くには最適なAvantGrandですが、家で練習する際の重要なポイントは?
AvantGrand
家で弾くのに気になるのが騒音問題。どうしても音を下げて練習しないといけないのは日本の住宅事情であればどんな人でも抱えている問題ですからね。サイレントピアノなどヘッドフォンをつけて聴くものはたくさんありますが、ヘッドフォンをつけた途端にたんなる「電子ピアノ」になってしまう。もちろんそれでも練習にはなりますが物足りないですよね。AvantGrandのすごいところは、ヘッドフォンをつけた時でも鍵盤の振動など演奏感のクオリティが保たれるので、タッチが変わらないところ。やはりクラシックでもジャズでも、タッチがピアノのすべてですから。同じ練習時間であれば、AvantGrandの方が効率もいいですよね。やっぱり楽器なので、いい音にこだわる、いいフォルムにこだわる、いいタッチにこだわるということはものすごい大事なことだと思います。たとえ弾くのが子供で、バイエルの初期だとしても同じ。電子ピアノといっても楽器なので、こだわりの部分に耳を傾けるというのはすごく大事なことだと思いますよ。

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-守屋さんご自身の音楽、ピアノに対するこだわりとは?
どんな楽器(ピアノも)でも音色が一番大事。それぞれの人が生まれついた声を持っていますよね。その声がなかなか変えられないのと同じで、ピアノや楽器の音色というのは努力してもなかなか変えられない。そこが(楽器の)面白いところでもあるけど。やはりよく喋る人の弾いているピアノはお喋りだし、割と寡黙な人の弾くピアノは寡黙に弾かれる。そして、普段はすごく寡黙な人なのに突然、絶叫系に弾く人もいて、それは絶叫系の方が本当の性格なんですよね(笑)。人間って性格はごまかすことができて、本当はおとなしい人なのに無理やり喋ったり、本当はお喋りなのに無理やりおとなしくしている人っているんですけど、楽器を弾いたら本当の姿が全部出るんです。だから楽器の方が正直。特にジャズは即興演奏なので、クラシック以上にその時考えていることが全部出ますね。すごく大袈裟に言うと、人間を磨かない限りいい音楽はできないんです。ジャズのいいフレーズとか、これやるとかっこいいとか、このテンションがかっこいいとかも大事なんですが、それだけでは人を感動させる音楽はできなくて、やはり普段その人が人生をどう考えているか、普段どんな芸術を見て感じているかが影響するんです。いい本を読む、いい人に会う、いい絵を見る、いい舞台を観る、いい音楽を聴く、音楽だけでなく社会に起きている色んないいコトと自分の関係との距離感を考えるということが全てその人の音に出るので、楽器って怖いですよね。その人が今どういう人生を歩んでいるのが、どういう人なのか、普段のお話ではごまかせても楽器はごまかせないので、そのコトを意識するのが私のこだわりですね。

-音楽大学での講師や小中高生のためのビッグバンドの指導なども行われていますが、人に教える際、心がけていることは?
若い人に常に言っていることは、ピアノというのは手段であって、その音楽を通して何が言いたいのか(ということ)。だから指だけ動いても仕方ないんですね。もちろん指が動くのは大事なことですが、その技術を使って何を表現したいのかということを常に意識して欲しい。指も動いて、強弱がついて、メリハリもついててすごいいい演奏なんですけど、中身が空っぽだと、何も感動しないということがあるんです。逆に特にジャズはなんですけど、すごい下手な演奏で、(例えばピアノを始めたばかりでまだ1曲しか弾けませんみたいなお父さんの演奏でも)“あ~この人本当にどうしても弾きたかったんだな”って伝わってきたり、にじみ出てくると、技術的にはつたなくても、私は感動しますね。音楽というのは最終的にはそれが大事だと思います。まぁプロでやるからには、つたない演奏では困るわけで、もちろんちゃんと弾けないといけませんけど(笑)。技術がすべてではなく、その奥にある“何を表現したいのか”を常に指導するようにしています。

-教育現場での悩みは何かありますか?
趣味でやっている人に教えていることも多いのですが、そういう人の家には、グランドピアノがないことが多いんです。一般の学生さんでも寮に住んでいたりするとグランドピアノがなかったり。そうすると教える場所にあるグランドピアノを弾いても、家で練習してきたものとタッチが違い過ぎて、家では弾けたのに、押しても押しても音が出ないという人が続出してしまうんです。そういう悩みはあります。そうすると、さっきの話に戻るんですが、AvantGrandのようにグランドピアノに近いタッチのものがあるとそういう悩みはなくなるかもしれないですね。
-大学でのジャズとの出会い。OL生活。海外留学。そしてコンペでの優勝。ご自身でこの半生を振り返り、人生において大切なこと、教訓などはありますか?
私の人生での一大決心は会社を辞めたことだと思うんですよね。海外留学やコンペの優勝は楽しいこと、プラスのことしかないですよね。やっぱり会社を辞めるということは、せっかく採用してくれた人たちに迷惑をかけるし、しかも、それなりの定期収入もなくなるので割とマイナス面も大きいことなんですよね。それでもどうして辞めたのかというと、やっぱり本当にピアノが好きで、音楽は自分がどうしてもやりたいということだったんですよね。今考えてみると、好きなことだけやってる人って実は世の中にすごく少ないんですよね。みんな会社とかで好きなことをやっているとは思いますけど、会社が100%好きだって言う人はあまり見たことがなくて。まぁ嫌々やっていることとか、嫌いな上司とかもいて、苦労していると思うんです(笑)私は今、演奏していること、色んな人に教えていること、それから作曲していること、音楽に関する記事を雑誌に書いていること、ビッグバンドを子供に教えていること、すべてが演奏ではないですけど、音楽に関することで全部仕事がなりたっているので、こんなにラッキーなことはないなぁと感謝しています。お金を得るためには多少は好きではないこと、嫌いな人とも付き合っていると思うんですが、私の場合、付き合っている生徒さんはピアノがやりたい人、一緒に演奏する人はジャズがやりたくてしょうがない人、とにかく気の合わない人に会ったことがないんです。会社の人には迷惑をお掛けしましたけど、あの頃会社を辞めたことによって、毎日好きなことができる。音楽だけでやっていこうという決断が本当によかったなと思います。楽しく音楽ができることが会社への恩返しだと思いますしね。
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-今までの経験を通して今後、どういった自分になっていくと思いますか?
-ピアノソロから、ピアノトリオ、カルテット、クインテット、セクステットもやりますし、オーケストラやビッグバンドもやってるので、この形態でないとやらないということはないんですね。楽器編成によって表現できることというが違うので、自分の演奏に関しては今まで通り、あらゆる編成でやりたいですね。いろんな編成で色んな可能性を試していきたいと思います。そしてもう一つ、私自身18歳でジャズと出会って、会社を辞めてからずっと仕事にしてきて、楽しい思いもしてきたし、美しいものも見てきたし、いい思いを沢山してきたと思うので、それを人に伝えていきたいっていうのもあるんです。自分だけ楽しければいいっていうのは勝手な話で(笑)ジャズってだんだん教育の意味では盛んになってきているんです。私が子供の頃にはビッグバンドなんて小中学校になかったし、大学にジャズ科なんてなかったですし。ところが今はそういうものが全てあるんですよね。なので、私が経験してきたことを次の世代の人だけでなく、今からピアノをはじめたい、という定年した人も含めて、“こんなに楽しいんだよ”っていうことは常に伝えていきたいですね。音楽なんて子供からやらないといけないなんていうのは大間違いで、実はいくつになってもやりたい時がやり時なんです。そういう事に関する本を出したら、学校とかカルチャースクールで“ジャズってこんなに楽しいんだよ”っていう話をしてくださいっていう講演の依頼も来るようになったんです。さっきも話したんですが、ピアノを弾くだけが全てではなくて、ピアノ、音楽は抽象表現なので、具体的にお話しするのも大事なこと。昨年もフランスで演奏したし、アメリカのモントレー・ジャズ・フェスティバルにも出たんですけど、やっぱり日本だけでやっていればいいということではないと思うんです。今グローバルな世界で、世界は一つなので(笑)、異国に行って演奏する、異国のミュージシャンと交流する、異国で日本のジャズはこういう感じなんだよっていうのを聞いてもらうのも大事なことですよね。



【守屋純子オーケストラ2010年定期公演】

【公演日】
2010年2月26日(金) 開場 18:30 / 開演 19:00

【会場】
日経ホール  地下鉄「大手町駅」下車C2b出口直結 日経ビル3F

【Member】
リズム:守屋純子(P, Arr)、納浩一(B)、大坂昌彦(Drs)
サックス:近藤和彦(AS, SS, FL)、緑川英徳(AS)、小池修(TS)、アン ディー・ウルフ(TS)、宮本大路(BS)
トランペット:エリック・ミヤシロ、木幡光邦、奥村晶、岡崎好朗
トロンボーン:片岡雄三、佐藤春樹、鹿内奏、山城純子(B-TB)

【入場料】
指定席\6,000 / 学生席\3,500(税込)
※未就学児入場不可 ※学生席は、当日開演時間の1時間前より当日券売場にて座席 指定券とお引換え下さい。
お引換えの際、お一人様ずつ学生証の提示が必要です。
※学生席は、チケットぴあのみでの販売です。

【主催】
守屋純子オーケストラ

【企画制作】
スパイスオブライフ

【運営】
サンライズプロモーション東京

【お問い合わせ】
0570-00-3337 サンライズプロモーション東京

詳細
佐山雅弘セレクトアルバム
Oscar Peterson / Night TrainKeith Jarrett / Facing You
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