Piano Lover
YAMAHA AvantGrand YAMAHA AvantGrand
守屋純子野崎良太
サウンドプロデューサー/リミキサー/ミュージシャン/DJ
2003年、特定のメンバーを持たない自由なミュージック・プロジェクトJazztronikとしてメジャー・デビュー。クラブ・フィールドを中心に国内外で活躍している。また野崎良太名義でピアノ・ソロ作品もリリース。日本が世界に誇るクリエイターの一人である。

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Vol.6 - 野崎良太
‐野崎さんならどんな時にこのAvantGrandを弾いてみたいですか?
自宅だと今は朝の10時から夜の8時までしかピアノを弾くことができないので、(音が調節できたり、ヘッドフォンをして弾く事ができるこのAvantGrandなら)夜8時以降も確実に弾いてみたくなりますね。寝てる時以外は音楽漬けの生活をしているので、夜中にCDを聴いたり、楽譜見ながらアレ?って気になった部分を弾いてみようと思った時、ピアノの方がキーボードよりも確かめやすいんです。だから、夜に弾けるのはいいですね。それともう一つ、(キーボードでもやろうと思えばできるんですが、)キーボードだとあまりにもタッチが違いすぎるので、AvantGrandで是非試してみたいのが、自分の演奏をMIDIで録ること。そうすれば、自分の悪い癖が分かると思うんです。特にメトロノームに合わせて正確な(タイミング)のを弾いた時に、自分でも分からない癖があるんですよね。僕いまそれを直そうとしてて。なのでMIDIに録って数字で見てみたいですね(笑)科学トレーニングです(笑)
AvantGrand

‐シンセサイザーでは物足りないと思う部分は?
シンセサイザーのタッチに関してはもともと違うものなので気にはならないんですが、一番許せないのは、“ピアノ鍵盤タッチ仕様”みたいなものを売りにしていて、いざ弾いてみたら全然(ピアノの鍵盤のタッチとは)違うという代物。何でそんなキャッチコピーにしたんだろう?って思いますね。

‐AvantGrandはどういった方に適していると思いますか?

やっぱり第一には、グランドピアノが欲しいけど、置く場所がない、音が出せないという方ですよね。

ピアノがハイブリッドになるということ >>>

‐ピアノの前に座りたいと思う時はどんな時ですか?
もう“座りたいと思う”とかではなく、機械的に座っています(笑)。なるべく1日のうちに各時代の作曲家の曲を弾くって決めているので、モタモタしていると夜の8時になっちゃうんですよ(笑)その間に他の仕事もあるので、何も思わず、習慣として座っていますね。
平均律(バッハ)から、シューベルト、ブラームス、ラヴェルなど、クラシックの曲を弾いてから指の練習(ハノンとコルトー)をするんです。最初に指の練習をするとイヤになっちゃうから(笑)

‐野崎さんが作られている楽曲からは、クラシックを弾かれる姿が結びつかなかったのですが。
それよく言われるんです。そのうち(クラシックに関する作品も)出てくるんじゃないですか(笑)。クラシックは昔から作曲の先生について習ってきたんですけど、それでも知らないことだらけなんですよ。今だにしょっちゅう本を買って読んで、楽譜見て・・・とかやってるんですけど、それでも全然知らなかったことだらけ。でも、本を読むよりその人の作品を弾いちゃう方が早いんですよ。そうすると頭に入ってくるし、本の内容も分かってくるんです。本だけ読んでると分かんなくて・・・。ただでさえ難しいのに、本書いている人って、難しそうに書くのが俺ちょっとエライみたいな所あるでしょ?(笑)僕バルトークという作曲家すごく好きなんですけど、彼に関して出てる本も難しいんですよね。やっぱり弾かないと分からない。弾いてみると共感できるんです。そう考えるとピアノは色んな時代の曲を家で弾いて体感できるから好きなのかもしれない。例えばバイオリンとかだと、再現する時にもう一人伴奏する人がいないといけないですからね。

‐ダンスミュージックを作る時と、ピアノソロを作る時に野崎さんの中で住み分けはあるんですか?
これは全くないんですよね。なかなか周りの人には理解してもらえないんですけど(笑)僕の家に来る人は不思議だって言うんです。例えば、お昼の3時、4時くらいから夜の8時までピアノの練習をして、その後レコードを選んでDJに行ったりしているんですよ。僕の中ではすごく普通で、「何でですか?」って(人に聞かれても)説明できないんですよね。僕の中では同じ音楽という括りの中のものなんです。作り方はもちろん違いますけどね。
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‐その話の延長でいうと、DJとミュージシャン、相対するところもあるかと思いますが、どちらも行き来する野崎さんはどのようにお考えですか?
一番良いのは、DJも音楽が好きだったら楽器をやってみる。ミュージシャンもDJがかけているような洗練されたものをもっと聴いた方がいいと思いますね。僕はDJもミュージシャンも知り合いが多いので(そのことは普段から)よく言っています。今の日本って、DJとミュージシャンがあまり結びついていないんですが、海外って、もっと生活に音楽が密着していて結びつきが強いと思います。
DJはミュージシャンに対してのリスペクトがある人が結構多いし、ライブに足を運ぶ人も多いので、どちらかというとミュージシャンの方がもっと視野を広げた方が良いかなって思いますね。何でかって言うと、ミュージシャン・ミュージシャンしている人達の作っている音楽で、今、面白いものって正直日本からはあまり生まれていないような気がするんです。70年代から80年代半ばくらいまでの日本のミュージシャンが作り出した音楽って、世界に誇れる音楽が沢山あったと思うんです。その当時って、ミュージシャンはいわゆるライブハウスに集まっているミュージシャンだけじゃなくて、周りに色んな面白い人たちが沢山いたはずなんですよ。違う立場の色んな人がいて、「コレ聴いてみなよ」とか色々(情報交換が)あったと思うんです。例えばピアノだけを一所懸命に弾いている人に無理やりダンスミュージックを聴けとは言わないですけど、たまにはちょっと近しい友達が聴いている音楽を聴いてみると、自分の音楽性を広げる意味でもすごい良い事だと思うので、それはやってみるといいかもしれませんね。

‐常に変化していくJazztronikですが、今後挑戦していきたいことは何ですか?
そもそもこんなに続くとは思っていなかったんですが、ここまで続いたからにはどこの国でも“自分の音楽はコレです!”っていうものが演奏できるプロジェクトではありたいと思います。ジャンルや国境を越えていければいいですね。

‐創作活動をするにおいてインスピレーションや発想はどんな所から得ていますか?
最近だと「ディスカバリーチャンネル」ですね(笑)。ドキュメンタリーとかでも意外と面白い曲が使われてたりとか、こんなシーンにこんな音楽のせたら面白いんじゃないかなって考えたりしてますね。後は映画をずっとつけているんです。音を消して。本にのめり込む、映画にのめり込むというのは現実逃避型らしいんですが(笑)たまに音を出してこんなシーンにこんな音楽がかかるんだ面白いな、とかそんなことでもインスピレーションが湧くことがありますね。

‐音楽以外で好きなこと、こだわっていることありますか?
料理はこだわりますね。作るのは好きなんですけど、後片付けは嫌いです(笑)正月に一番こだわったのは“お雑煮”。黄金のダシを取ろうと思って、年末の仕事で行った北海道の札幌市場ですごい高価な昆布を買いました(笑)美味しくできました。音楽やっている人に料理好きな人は多いと思いますよ。
あと、楽器と関係した機械いじりは好きですね。シンセサイザーの音作りはめちゃめちゃ詳しいです(笑)このページを読んでいる人の中に、シンセの音作りをしている人が何人いるか分からないですけど、一通りアウトボードで音作りを覚えた人が、ソフトシンセを使って欲しいですね。そうした方が楽しいから!っていうのは事ある毎によく言っています。

‐どうもありがとうございました。


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