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sense of "Quiet"

ちょっと固いですが、経済や環境の問題がいよいよ目の前につきつけられている昨今、落ち着いてそれらについて考えてみることが必要だなと感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
グローバルでありながらローカル、パブリックでありながらパーソナルなこれらの問題について考えてみる時、まず大切なのは、世界や自分自身を静かに見つめる態度や時間だと思いませんか?
そんな時代のムードを反映しているかのような、最近話題の音楽をタップリと堪能できるイベントが開催されます。
ものすごく期待できます!

[Text:樋口亨]

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sense of "Quiet"

クワイエットな熱狂、心静かなフェスティバル。
時代の静寂に寄り添う新しい作曲のかたち、新しい音楽家を紹介する3日間。

国やジャンルをこえて注目されつつある<Quiet>な音楽家を紹介するコンサート。
ここ数年、ブラジルやアルゼンチン、そして日本で同時多発的に生まれ脚光を浴びつつある、静寂と寄り添うように存在する新しい音楽たち。2010年頃より<Quiet>、<静かなる音楽>というキーワードで自然発生的に呼ばれはじめ、紹介されるようになってきました。第一回目となる今回のコンサートは、このシーンを代表するアーティストが出演します。いずれも新奇さよりは普遍性に関心を寄せているようにみえる音楽家でありつつ、その時空を越えた時間感覚に、共通する新しさ、2012年の音楽表現がみられるはず。
ジャンルも国もこえて、それぞれ独自の道をすすみながら、いつかどこかで出会ってしまうであろう、そんな音楽家たちを一堂に集めたフェスティバルの開催です。


【公演情報】
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5/13(日) 鎌倉 浄土宗大本山 光明寺 大殿(国指定重要文化財)

<時間>
14:00開場/14:30開演

<料金>
5,500円/当日6,500円(全席自由/入場整理番号付き)

<出演>
Renato Motha & Patricia Lobato
 ヘナート・モタ / vocal, guitar
 パトリシア・ロバート / vocal, percussion
 沢田穣治 (Choro Club)/ contrabass
 Maya / harmonium, etc

東野珠実/ 笙・竽
 三浦礼美 / 笙
 中村華子 / 笙
 瀬藤康嗣 / 法螺貝
 演目: 「two3」(John Cage)、「調子」(雅楽古典曲)、他を予定

<会場>
鎌倉 浄土宗大本山 光明寺 大殿(国指定重要文化財)
神奈川県鎌倉市材木座6-17-19
JR横須賀線・江ノ島電鉄鎌倉駅から材木座海岸方面へ徒歩25分
または京浜急行バス「光明寺」下車徒歩すぐ

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5/15(火)・16(水) 東京 赤坂 草月ホール

<時間>
18:00開場/18:45開演

<料金>
各日とも前売7,000円 / 当日8,000円(全席指定)
2日間通し券 12,600円

<出演>
[ 5/15 ]
Carlos Aguirre / vocal, piano
 with: Quique Sinesi / 7 strings guitar, etc

青葉市子 / vocal, guitar

[ 5/16 ]
Renato Motha & Patricia Lobato
 ヘナート・モタ / vocal, guitar
 パトリシア・ロバート / vocal, percussion
 沢田穣治 (Choro Club)/ contrabass
 Maya / harmonium, etc

Quique Sinesi / 7 strings guitar, charango, etc
 guest: Carlos Aguirre / piano, vocal
※5/15とは別の演目を予定

<会場>
草月ホール
東京都港区赤坂7-2-21 草月会館内
03-3408-9113

東京メトロ半蔵門線・銀座線 青山一丁目駅4番出口より徒歩5分。 青山通り(246)を赤坂見附方面へ直進。カナダ大使館を越えてすぐ右手。
東京メトロ銀座線・丸の内線 赤坂見附駅A出口より徒歩5分。 青山通り(246)を青山1丁目/渋谷方面へ直進。

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【チケット予約】
NRTメール予約:info@nrt.jp
NRTのウェブサイトを必ずご確認の上、件名を「sense of Quiet申し込み」とし、必要事項(①お名前・フリガナ ②郵便番号・ご住所 ③電話番号 ④希望公演日/通し券の場合はその旨 ⑤希望枚数)を明記のうえ、上記のアドレスまでご送信ください。
※東京公演の「2日間通し券」はNRTのみでの受付となります。

e+  http://eplus.jp
ローソンチケット 0570-084-003  Lコード:73633
チケットぴあ 0570-02-9999  Pコード:166-355


【出演者プロフィール】
Renato Motha & Patricia Lobato (ヘナート・モタ&パトリシア・ロバート)
Renato Motha & Patricia Lobato
今もっとも良質で、洗練されたブラジル音楽を奏でるデュオ、ヘナート・モタ&パトリシア・ロバート。1999年にデュオ名義初となるアルバム『アンチーガス・カンチーガス』を発表、以来2011年までに6枚のアルバムをリリース(いずれもNRTより発売)。ミナス音楽特有の透明な空気感を湛えながら、ジョアン・ジルベルトの系譜を感じさせる正統派MPBアーティストとして現代屈指の人気・実力を誇る。
近年はオリジナル作品と並行して、インドのマントラを演奏するプロジェクトも同時進行。2007年作『サウンズ:平和のための揺らぎ』は「東京のほとんどのヨガ・スタジオに置かれる定番」(ソトコト誌)となり、東京のヨガ・シーンでもっともポピュラーなアーティストでもある。と同時に、2010年作『イン・マントラ』はJ-WAVE/月刊ラティーナ共催の<2010年ブラジル・ディスク大賞>関係者投票第2位に選出されるなど、幅広い支持を集める。2009年、2010年の来日公演も下記のような絶賛を受け、話題となる。

「天上の音楽と呼ぶものがあるとしたら、今、聞いているのがそれかもしれない。(中略)予備知識なしに聞いても、この音楽の美しさはたやすく伝わるものではないかとも思う。どこにも属さないがゆえに、誰でも、何かしら感じるものがある。そんな音楽があるとしたら、彼らのこの音楽こそ、それではないかと思う」
(高橋健太郎氏)

「頭のてっぺんから天空へとまっすぐに上ってゆくような透き通ったハイトーンボイスに、会場の誰もが陶然とし、浄化されてゆくように見える。(中略)サポート陣3人の抑制された演奏も、好ましい。ひとつひとつの楽器音、声がよく響き、混交して作りだす、甘美な宇宙的ハーモニーである。インドの哲学との出会いによって一層"ミナス性"があぶりだされた、見事なパフォーマンスだった。」
(朝日新聞コンサート評/松山晋也氏)

主に作曲を担当するヘナート・モタは、デビュー作の100万枚を超えるヒットでブラジルを代表するシンガーとなったマリア・ヒタにも楽曲を取り上げられるなど、コンポーザー/プロデューサーとしても数多くの仕事がある。日本のブラジル音楽シーンを代表するシンガー、chieの3rdアルバム『フロール・ヂ・ミン』(2010年)のプロデュースも手掛けている。
2012年には新作も予定している。リリース情報はこちら
「2009年光明寺のライブ映像」



Carlos Aguirre (カルロス・アギーレ)
Carlos Aguirre
アルゼンチン音楽を代表する孤高の存在にして生ける伝説。現代フォルクローレ・ムーヴメントの精神的な支柱として、厚い信頼と幅広い支持を得るコンポーザー/ピアニスト/シンガーそして詩人。フォルクローレなど自らの郷土の音楽に深く親しみながらも、キース・ジャレットやパット・メセニーなどのジャズにも影響を受け、80年代後半より音楽活動を始める。セッション・ピアニストとして頭角を現した後、2000年代に入り、自身のグループでの活動を開始。
現在は自然豊かなパラナを拠点に、都会の喧噪とコマーシャリズムから遠く離れ、河のほとりで創作活動を続ける傍ら、自身が主宰するレーベル「シャグラダ・メドラ」より「カルロス・アギーレ・グルーポ」名義で3枚、ソロ名義でピアノ作品を1枚リリースし、どれもが名作として大きな評価を得ている。特にグルーポ名義での作品は、全てに1つ1つ手描きの水彩画を封入するなど強い美意識とこだわりを感じさせ、もはや音楽を超えたアート作品の域に達している。
遂に2010年に待望の初来日を果たし、その人気に一気に火がついた。今年5年振りとなる新作『オリジャニア』をソロ名義でリリース。
http://carlosaguirre.com.ar/
http://www.inpartmaint.com (国内盤・ツアー問い合わせ先)
http://www.myspace.com/aguirrecarlos


青葉市子(あおばいちこ)
青葉市子
1990年 生まれる。
2007年 クラシックギターを弾き始める。
2008年 作品が生まれる。
2009年2月 青葉市子として初演奏。
2010年1月 1stアルバム「剃刀乙女」発売。
2010年7月 FUJI ROCK FESTIVAL '10に出演。
2011年1月 2ndアルバム「檻髪」発売。
2011年8月 SUMMER SONIC 2011に出演。
2012年1月 3rdアルバム「うたびこ」発売。
現在は東京都内を中心に精力的にライブ活動中。
http://www.ichikoaoba.info/
「ひかりのふるさと」



東野珠実/ 笙・竽 (Tamami Tono/ sho, u)
東野珠実
1989年より国立劇場主催公演に参加。雅楽古典から現代音楽にいたる様々なジャンルの創作・演奏に携わる異色の楽人。Yo-Yo MA主宰The Silk Road Project、CCMIX (Centre de Creation Musicale Iannis Xenakis in Paris)に招聘されるなど、国内外で活動。ISCM、ICMC、国立劇場作曲コンクール第一位・文化庁舞台芸術創作奨励特別賞、日本文化芸術奨励賞等、作曲および笙の演奏を通じ国内外にて受賞多数。HERMES Tokyo Opening、JAXA宇宙ダンスプロジェクト『HITEN』等で音楽担当。1999年より坂本龍一氏の作品録音に参加。その他参加CDはJohn Cage『Two3, Two4』全曲録音、『Scenes of Spirits』など。"Breathing Media Arts"、"From The Eurasian Edge"を展開。雅楽団体伶楽舎に所属。2011年に本人名義でのファーストアルバムとなる『ブリージング・メディア ~調子~』(坂本龍一プロデュース)をcommmonsよりリリース。
こちらで『ブリージング・メディア ~調子~』各曲90秒試聴できます。


Quique Sinesi (キケ・シネシ)
Quique Sinesi
「どれも驚くべきクオリティー(&技巧)の作品ばかりであり、フォルクローレ、タンゴ、ジャズ、クラシック等々が一体化した魔術的とも言うべき世界は、いわば "アルゼンチンのジスモンチ"といった趣」(松山晋也氏/ラティーナ2012年4月号)

1960年ブエノス・アイレス生まれ。アルゼンチンでもっとも重要なギタリストの1人と称され、タンゴとフォルクローレをベースに、ジャズ、即興、クラシック、ワールド・ミュージックなどの意匠を取り入れた演奏スタイルは唯一無二。7弦ギターをメインに、チャランゴ、ピッコロ・ギター、そしてアコースティック・ギターを自在に弾き、豊かなイマジネーションと、確かなテクニックに裏付けられたその音色は、瑞々しい情感と精緻な表現を併せ持つ。
14歳でプロとしての活動を始め、20代前半でバンドネオン奏者ディノ・サルーシ・カルテットのギタリストとしてヨーロッパ・ツアーに抜擢されて以降、アストル・ピアソラ・バンドのピアニストだったパブロ・シーグレル、そしてもちろんカルロス・アギーレなど、アルゼンチンから欧米まで多数の音楽家と共演し、作品を吹き込んできた。
ソロイストとしても、数々の大きな国際ギター・フェスティバルに参加。1989年発表の初ソロ・アルバム『Cielo Abierto』、98年の名作セカンド『Danza Sin Fin』を始め、これまでに5枚の作品を発表している。リーダー名義のコンサートとなる5月16日の公演で、日本で初めてその全貌が明らかになる。

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