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bar bossa vol.78:bar bossa

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vol.78 - お客様:永山マキさん(iima)

【テーマ:自分のラジオ番組『iimaな時間』でよく流した10曲】


いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今月はシンガー・ソング・ライターの永山マキさんをゲストにお迎えしました。


林;こんばんは。お久しぶりですね。


マキ;林さんお久しぶりです。やっと来れました!福岡に引っ越しちゃったので、なかなかこれなくて‥ 飲み物は...どうしようかな。あ!そうだ、あれ覚えてますか? 昔よく飲んでた、マンゴー色のカクテル! 「いつものあれ」とか通(ツウ)ぶってお願いしてましたが‥笑。言っちゃおう。「いつものあれ」をお願いします。


林;かしこまりました。懐かしいですね。モダーン今夜の頃ですから、10年以上前でしょうか。
はい、お待たせしました。どうぞ。では、簡単にマキさんのプロフィールを教えていただけますか。


マキ;私の家は、文京区で洋服の仕立て屋さん(テーラー) をしていました。祖母は民謡を歌っていましたし、父はJAZZが好きで針仕事をしていないときはいつもギターを弾いてました。音響にもこだわりをもっていて、家では大きいスピーカーから年中音楽が流れていました。


林;お父さんがギターを弾いてたんですか。なるほど。


マキ;父は、JAZZだけでなく、POPSもよく聴いていました。細野晴臣やユーミン、山下達郎など... その音にたくさんの刺激を受けました。そして私は4歳からエレクトーンを、6歳からピアノを習いました。


林;もう完全にミュージシャンへの道ですね。初めて買ったCDは?


マキ;細野晴臣の「銀河鉄道の夜」 サウンドトラックです。父が見せてくれたアニメーション映画の世界観と音楽がとても好きでお金をためて買いました。


林;おお、素晴らしいですね。中学に入ってからの音楽はどうでしたか。


マキ;中学から吹奏楽部に入りクラリネットをはじめました。その吹奏楽部はとても上手で、その界隈では少し有名でした。現代音楽をやることが多く、それを通じて自分の出す音が複雑なハーモニーの一部になることを経験しました。それがものすごく楽しくて無我夢中でした。人をまとめるのは下手でしたけど楽器はそれなりに上手かったのでコンダクターと部長を兼任。でも、当時は思春期真っ最中。女子社会の間でうまく仕事をこなすことが出来ず、人間関係にうんざりして、大好きだったはずの「音楽」に対しても同じような感情を抱くようになってしまいました。


林;なるほど。女の子のそういうの、難しいですよね。うまくこなせそうなのに意外と不器用なんですね。さて、高校ですが。


マキ;進学した高校で選んだのは「帰宅部」。何かに燃えることもなく、時間を持て余し、腐っていきました。そんな私とは裏腹に、中学・高校と楽しそうに吹奏楽を続けている弟の姿がとてもまぶしく映ったのを覚えています。ある時、家の近くの大通りを歩いていると、 心がザワめく懐かしい音楽が聞こえてきました。弟のマーチングバンドの行進に出くわしてしまったのです‥!

私は焦って、 追い抜かれないように早足でその場から逃げようとしたんですけど、彼らが目を輝かせながら音楽を楽しんでいる姿と、 全身で鳴らしている音の束を前にし、気づくと立ち止まり、そのまま動けない自分が。

彼らは私の前を通り過ぎていき、だんだん小さくなっていく。私は全身が震え、涙をこらえるのに必死でした。私は一体ここで何をしているんだろう...。大学に行ったら、バンドを作る。そしてもう一度、音楽をやる...!と心に誓いました。


林;そうだったんですか。かなり鬱屈してますね。想像では高校生くらいの頃からクラスでギター弾いて歌ったりしてたんだと思ってました。それは音楽への想いが純粋になりそうですね。さて大学ですがどうでしょうか。


マキ;大学に入ったらバンドは組もうと決めてはいましたが、もともとは文章を書くのが好きで、 作家を志し文芸学科に進みました。そして大学入学後に作ったのが「モダーン今夜」というバンド。吹奏楽部にいたものの、いわゆる「バンド」の経験はなく、楽器編成もどうしたらいいか全然わからない。管楽器は沢山いるものだと思っていたので、 結成当時は多い時で管楽器だけで5人、いや、もっといたかな、パーカッションも二人いるという、大所帯バンドになりました。音楽は身近にありましたし好きでしたが、音楽を仕事にしようとは全く思っていませんでした。

でもバンドをやっているうちにメンバーが、オリジナルやるべきじゃない?って言いだして。それまでコピーとかカバーとか、すでにあるものを演奏するということが当たり前だったので「自分でつくる」って発発想が全くなかったんです。それで、はじめて歌詞を書くようになって、それに曲をつけて、そのとき無心でつくってて、楽しくて、あっという間に時間が流れて...。

細胞すべてが喜んでる感覚を知ったのです。これまで音楽も文章も別々に考えていたけれど、その時「私がやりたい表現方法はこれだ‥!」って解ったんです。


林;そういえば文芸って言ってましたね。そうなんですか。すごく紆余曲折してますね。こういうの改めて本人から聞かないとわからないですね。もう最初から普通に歌詞も曲もあふれてきた人だと思ってました。さて。


マキ;都内のライブハウスに出演しているうちに、 デビューの話をいただき、インディースレーベルMOTELBLEからアルバムを出すように なりました。


林;僕がマキさんに出会ったのもその時期ですね。レーベルの人たちがうちの常連でしたから。デビュー後は一気に注目されましたよね。


マキ;デビュー後は本当に沢山のライブを経験しました。今までは雲の上の人だと思っていたアーティストと一緒のステージに立つようにもなりました。嬉しかったです。

新宿ゴールデン街で『黒猫船』というBARでママもはじめて(BARBOSSAのような素敵なBARではなくて、いわゆる「笑うセールスマン」の世界観でしたけど。笑)そこで弾き語りライブをしたりもしていました。音楽三昧な毎日でした。そのうちインディーズバンドの中でも少しずつ存在を知られるようになっていきチャートも上位をキープするようになり、またソロ活動もするようになっていきました。

活動を続けるにつれ、メンバーも、そして私も結婚したり、出産したり、人生の節目を迎えるようになりました。子育て時期に入り、だいぶマイペースな、 ゆるやかな活動になりましたね。


林;モダーン今夜は大所帯だから維持が難しいですよね。


マキ;娘が生後5ヶ月の時、震災が起こりました。オムツも水もお店から姿を消し、どうしようとオロオロしていると福岡の友達が、「うちにおいで!いつまででも居ていいけん」 と言ってくれました。それではじめて東京以外の場所、海や山の自然がすぐ近くにある福岡に惹かれて思い切って引っ越してみました。はじめはほとんど知り合いがいなかった福岡ですが今ではたくさんの友達ができました。

福岡に移ってからはギタリストのイシイタカユキとDUOで活動するようになり、2016年の秋にはiima(イーマ) というユニット名が決まりました。
2017年からはiimaでLOVE FMのラジオ番組を毎週担当しつつ制作活動を続け、2018年2月にようやくデビュー・ アルバムをリリースすることになりました。


林;引っ越してより本来のマキさんらしくなれた感じですよね。素晴らしいと思います。さて、これはみんなに質問しているのですが、これからの音楽はどうなると思いますか?


マキ;Jacob Collier等、今どんどん若い才能が出てきていていますね。簡単に宅録が出来たり、 YouTubeなどで作品を世界に発表できたりする環境がここ十数年でずいぶん整ってきたので、これまでとは違う音楽の進化や新しい出会いが楽しみです。販売方法もどんどんデジタル化していくでしょうが、一方で私はやはりCDやLPなど、 手に取れる素敵なデザインのものをよく購入しています。だからiimaのアルバムは、詩や音楽はもちろんですが、いつもそばに置いていただけるようデザインにもこだわりました。音楽は形がないのでダウンロード販売もありだとは思いますが、 私はそれだけじゃ不安なんです。

自分のMacにたくさん曲は入っていますが、 どういうわけかiPhoneやiPodと同期できなくなったりするし、やっぱり何か不具合があると嫌なので、 ちゃんと実物を持っていたいんです。飾りたくなる、 家に置いておきたくなるのは良質なデザインのものなので、 これからはパッケージデザインの進化も楽しみだなあと思ってます 。


林;なるほど。さて、これからはどうされるご予定でしょうか。


マキ;これから...そうですね。与えられたステージで全身全霊で歌うのみです。次のアルバムの構想はありますし、 早く2枚目の制作にも入りたいですね。そしてiimaで世界中をツアーしてみたいです。また絵本にも挑戦したいと思っています。


林;絵本って出すのすごく難しいらしいですよね。これからのマキさんの活躍、期待しております。それでは選曲にうつりますが、テーマは何でしょうか。


マキ;「自分のラジオ番組『iimaな時間』でよく流した10曲」です。2017年4月から、iimaのギター、イシイタカユキと共に福岡のLOVE FMで『iimaな時間』 というラジオ番組をさせていただき、こだわりの選曲をしております。そのなかでもよく流した良曲を選びました。


林;楽しみです。


01. Hideaway / Jacob Collier



02. Hajanga / Jacob Collier



マキ;1994年8月2日生まれ。ロンドンの音楽一家に生まれ育ち、16歳のときにアカペラや多重録音パフォーマンスをYouTubで配信し脚光を浴び、グラミー賞を受賞。現在23歳という...。私が去年最も聴いたアルバムは彼の『IN MY ROOM』という作品です。
そこからお気に入りの2曲「Hideaway」と「Hajanga」を紹介します。曲の展開も素晴らしくて、 いつでも楽園に連れて行ってくれるような曲です。彼の音楽が地球に生まれたことが嬉しい。


林;先日、現代の将棋の名人が昔の名人と戦ったら、必ず現代の名人が勝つという話を聞いたんですね。数学とかもそうらしいんです。音楽もそうなんだなあ、今までの音楽の歴史の全部の情報を知っていて、さらに才能がある音楽家であれば、すごい作品を作るんだなあってわかりました。


03. I'm All Over it / Jamie Cullum



マキ;同じくイギリスのシンガー、ピアニストであるJamie Cullumの作品を紹介したいです。リリースからしばらく経ちますが、 全く色褪せない。この曲をはじめて聴いた時のワクワク感はJacob Collierの時と同じでした。


林;いいですねえ。どうしてイギリスってこう良いアーティストが出てくるんでしょうか。


04. My Foolish Heart Gil Goldstein, Romero, Toninho / Infinite Love



マキ;この曲はBARBOSSAではじめて聴き、あまりにも美しくて、林さんに、この曲誰の作品ですか?と聴いてそのままレコード屋に走ったという思い出があります。
来たる2月22日には、 なんとこの作品に参加している憧れのギタリストROMERO LUBAMBOのライブで、 私達iimaがオープニングアクトさせていただくことに...。 人生ってわからないものですね。


林;おおお、ホメロと会えるんですね! 人生って面白いですね。


05. Animal Spirits / VULFPECK



マキ;2011年に結成されたアメリカのファンク・バンド。PVを見ると、音楽はとてもカッコイイのに全然カッコつけてない感じが素敵。音楽も活動方法も等身大で魅力的だと思います。ちなみに踊っているのがバンマスのJack Stratton。


林;ええ? これでPV、あってるの? ってチェックしなおしたくらい、ほんとカッコつけてないですね。でもカッコいいし、すごいです。


06. Table (Animation by Betsy Dadd) / Rachael Dadd



マキ;イギリスのアーティスト。歌詞や楽曲から垣間見える彼女の感性がとても好きです。音作りも、例えばこの曲はすごく遠くでドラムが鳴ってるのですがどうしてこうなったんだろう?って想像しながら聴くのも楽しいです。


林;本当ですね。確かにすごく遠くでドラムが鳴ってます。音の重ね方もいいですね。


07: Bizness / tUnE-yArDs



マキ;アメリカの女性ミュージシャン、メリル・ ガーバスによる音楽プロジェクト。一度聴いたら忘れられない、メリル・ガーバスの逞しい叫び声。そして実験的なサウンド。ベースラインがやたらとカッコイイし、ホーンアレンジも独特でとても刺激を受けます。


林;おお、女性なんですね。攻めてきますねえ。マキさん、こういうのお好きなんですね。


08: neuh / 宮内優里



マキ;『iimaな時間』では詩を読むコーナーがあるのですが詩に合わせてよく流させていただきました。宮内さんの音楽を流しながらの朗読、すっごく心地よいのです。自分の朗読がとても上手くなったように聞こえます。笑

iimaは数年前からカメラマンのいわいあやさんと一緒に様々な土地に訪れて、そこからインスパイアされた曲を作っています。 そしていわいさんが撮った写真や映像とコラボして「写真はうたう」というイベントを開催しています。その活動の中で宮内さんと共作させていただいたこともありました 。とても嬉しかったです。


林;ごめんなさい。そういうマキさんの活動、全然知らなくて。すごく面白そうですね。なんか、もっと簡単にマキさんの活動がわかるようなシステムを作っていただきたいです。


09: Miro una estrella / Mono Fontana



マキ;1959年、ブエノスアイレス生まれのキーボーディスト/ ピアニスト。本名フアン・カルロス・フォンタナ。 アルゼンチン音響シーンで活動する彼の曲はため息が出るほど美しく、 これもまた朗読コーナーでよく流させていただきました。
夜空の星を見る内容の詩にこの曲がぴったりだと思えて、あとでタイトルを調べてみたら、「彼は星を見る」というような意味でした。音楽は言葉よりも通じると改めて思いました。


林;ああ、モノ・フォンタナのこういう感じもお好きなんですね。ほんと、お話を聞かないとわからないものですね。美しいですよねえ。


10: 最終回のうた / iima



マキ;娘が小さいころ、絵本を読んであげると、最後のページで必ず泣いていました。どうやら物語が終わってしまうのが寂しいらしいのです。思い起こせば、 私もアニメやドラマの最終回を迎えると寂しい思いをしていました。でもその先が見れなくなるだけで、物語はまだ続いていく。そして私のストーリーに最終回がきても、世界はつづく。どうかしっかり生きてほしい。 そんなメッセージを込めて作った曲です。
...手前味噌なのですが、iimaのこの曲を最後に挙げたいです。

この作品は、南阿蘇村の震災復興イベントのためにKOO- KIの白川東一さんとコラボレーションしてつくりました。たくさんの方がシェアしてくださり、Facebookでの映像公開から1ヶ月で再生回数1万回を超えた作品です。この曲を聞いてシェアしてくださった方の中にはピアニストの林 正樹さんもいらして、お話しているうち、 レコーディングに参加してくだることになりました。 2月に発売されるiimaのアルバムでは、この「最終回のうた」 で林さんのすばらしいピアノをお聴きいただけます。


林;うわあ、すごく良いです。いつかあなたがしわっくちゃになったら私のことを思い出して、の辺りで涙腺がきました。いいですねえ。さて、マキさん、何か宣伝があるのではないでしょうか。


マキ;私、永山マキとギター・イシイタカユキとのDUOユニットiima[イーマ]デビュー・ アルバムを2月にリリースいたします。皆様是非よろしくお願いいたします。


林;みなさん、チェックしてくださ~い!↓


【iima[イーマ]待望のデビュー・アルバム『最終回のうた』2月2日発売!】



iima web
iima facebook
tsumikicode webshop


マキさん、お忙しいところどうもありがとうございました。
福岡に移住したの、いい選択でしたね。今後のご活躍も期待しております。

東京の雪、やっと溶け始めましたね。みなさんもいかがお過ごしでしょうか。
それではまたこちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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iima[イーマ]待望のデビュー・アルバム『最終回のうた』
2月2日発売!2800円(税別)
ライヴ会場、通販、ダウンロードでの販売

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■タイトル:『最終回のうた』
■アーティスト:iima
■発売日:2017年2月2日

購入はこちら

iimaデビュー・アルバム『最終回のうた』の特設サイト
http://www.iima-music.com/sp/


【今後のライブ予定】
2月2日(金)春待ち音楽会@佐賀CIEMA
時間:19:00開場/19:30開演
出演:iima(永山マキ×イシイタカユキ)/樽木栄一郎/ zerokichi
料金:予約3,000円/当日3,500円※ 別途1ドリンクオーダー
【予約窓口】0952-27-5116
info@yakuin-records.com
◎件名→2/2◎本文→名前・連絡先・予約人数


【iimaデビューアルバム『最終回のうた』 リリース記念LIVE】
<福岡公演>
日程:2月4日(日)
時間:14:00開場/15:00開演
料金:前売 3000円 当日3500円(共に+1d)(高校生以下半額 未就園児無料)
出演:iima(永山マキ・イシイタカユキ)
スペシャルゲスト 樽木栄一郎(vo.g)&zerokichi (uku)・いわいあや(写真)
会場:WEEKS GALLERY
福岡市中央区薬院1-8-8 WEEKS BLD 5F(1F・2F/B・B・B POTTERS)
【予約窓口】
ticket@tsumiki-code.com


<東京公演>
日程:2月12日(月・祝)
時間:12:00開場/13:00開演
金額:前売 3000円 当日3500円(共に+1d,1food)
(高校生以下半額 未就園児無料)
出演:iima(永山マキ・イシイタカユキ)
スペシャルゲスト 林正樹(pf)
会場:〒150-0034 東京都渋谷区代官山町1−1グラヴァ代官山
@Weekend Garage Tokyo
【予約窓口】
03-5428-5751(14:00〜18:00)
reserve@weekendgaragetokyo.jp

メールご予約方法
必要事項を明記の上、お申し込みください。
1.件名に公演日、iimaリリース記念ライブと明記の上、
2.お名前(代表者のフルネームをカタカナ表記を添えて)
3.お電話番号(当日ご連絡のつく番号をお願いします)
4.ご予約人数(高校生以下の場合はお知らせください)
5.遅れる場合はご来店予定時間
※ご予約申し込みメール受信後、 数日以内に受付確認のメールをお送り致します。
メール受信設定などでドメイン指定をされている方は、 ご確認をお願い致します。
確認次第、随時お席は押さえさせて頂きますが、 基本的には折り返しのメールにてご予約の完了となります。また店舗業務の関係上、 折り返しメールが遅れる場合がございます。予めご了承ください。
※ お席に限りがあるため予約キャンセルの場合は必ずご連絡を頂くようお願いいたします。
当日キャンセルの場合はキャンセル料チャージ全額分をご請求させて頂くことがございます。


【Romero Lubambo Japan Tour 2018】
Rio - New Orleans - Tokyo with Peter Martin 福岡公演
Special Opening Act - iima

ブラジリアン・ジャズを代表するミュージシャンとして、 ニューヨークの第一線を走り続けるギターの名手「ホメロ・ ルバンボ」が福岡初登場!!満を持して遂に決定しました。
ダイアン・リーブスBANDで数々のステージを共にしてきた、 ニューオーリンズにルーツを持つピアニスト、ピーター・ マーティンと共に、31回目の来日を果たします。ブラジル・ アメリカ・そして日本への想いが、 音になる瞬間をぜひ福岡でお楽しみください!
オープニングアクトには、LOVE FM「iimaな時間」(毎週火曜日20時から放送中) でもお馴染み、2018年2月に1st.アルバムをリリースの、 iima(イーマ)が登場します。 ギタリストのイシイさんヴォーカルの永山さんお二人が熱烈なホメ ロさんのファンでもあり、本企画が実現しました。

日程:2月22日(木)
時間:18:00開場/18:30開演
出演:Romero Lubambo,Peter Martin
Opening Act - iima(永山マキ・イシイタカユキ)
会場:大名スクエアーガーデン
福岡市中央区大名2-1-4 ステージ1西通り8階
※天神西通り「一風堂スタンド」 向かいSTEREOと同じビルです。
料金:前売 5,800円(1ドリンク別途500円)
当日 6,300円(1ドリンク別途500円)
【予約窓口】
電話:092-753-7447(大名スクエアーガーデン 12:00〜22:00)
web:http://sgarden.jp/contact.htm

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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
■品番:UICZ-1646

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【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

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「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪 ・vol.69 石亀政宏 ・vol.70 愛知アンディー有 ・vol.71 三原秀章 ・vol.72 キム・ジノン ・vol.73 花崎章 ・vol.74 洞澤徹 ・vol.75 太田美帆 ・vol.76 金野和磨 ・vol.77 林伸次


bar bossa information
林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

bar bossa
bar bossa
●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
お店の情報はこちら

bar bossa vol.77:bar bossa

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vol.77 - お客様:林伸次さん(bar bossa)


いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

あけましておめでとうございます。
今回は毎年恒例の、bar bossaの林伸次さんをお迎えしております。


林A;いらっしゃいませ。さっそくですがお飲み物はどうされますか?


林B;じゃあ、シャンパーニュをグラスでください。あ、bar bossaさん、シャンパーニュがグラスで1000円なんですね。安いですねえ。頑張ってますね。


林A;宣伝はやめてください。それでは2017年によく聞いた音楽の話をしていただきたいのですが。いかがですか?


林B;一番聞いたのはブックマークスですね。もうほんとこういう音楽が好きです。


林A;ブックマークスは洞澤さんにこちらでも出演していただきましたね。じゃあアルバムのダイジェストですが、聞いてみましょうか。


The Bookmarcs New album「BOOKMARC MUSIC」DIGEST



林B;いいですねえ。なんかのCMとかに使われたりしないのでしょうか。是非、これからも頑張ってほしいグループですね。


林A;さて、次はどういうのを聞きましたか?


林B;次はCHAIですね。名古屋出身のガールズバンドなのですが、「CHAIって何なの?」ってよく聞かれるので、ひとことで言いますと、「現代の少年ナイフかチボ・マット」です。最初から「海外で受ける可能性がある」というのも共通していますね。あと、ツイッターで、「CHAIが好き」と告白したところ、オシャレな友人知人からどんどん「いいよね!」とリプライが返ってきました。


林A;どんな人たちですか?


林B;例えばBEAMSの青野賢一さんとか、イラストレーターの松尾たいこさんとかですね。もう東京のオシャレ番長の二人が好きなわけです。まあ聞いてみましょうか。


CHAI「sayonara complex」



林B;あとはニカも良かったです。このJJazzにも出演していただいた金野さんにオススメしてもらったのですが、サチモスが売れるのなら、ニカも売れるべきです。


滲んだ - nica(Official Music Video)



林A;なるほど。さて、韓国はどうでしたか?


林B;ルシッド・フォールが新譜をだしましたね。なんかどんどん内省的になってます。なんとかして来日公演をしてほしいのですが、いかがでしょうか。


루시드 폴 Lucid Fall - 안녕, Salut, Official M/V



林A;林さんは南米音楽をよく聞くんですよね。


林B;もちろんです。去年の新譜、ギリギリ滑り込みの名盤が2枚です。カルロス・アギーレのカルマとジョアナ・ケイロス、ハファエル・マルチニ、ベルナルド・ハモスのジェストですね。なんと後者はアナログ・レコードが出てます。これは快挙ですよね。ジャケットが美しいです。


Voces de otra vida y otro lugar (Carlos Aguirre Trío) - Disco Calma



Joana Queiroz, Rafael Martini, Bernardo Ramos «GESTO»



林A;他はどんな音楽を聴いてましたか?


林B;正直に言いますと、基本的にアナログレコードしか買わないんです。だからどうしても「昔の音楽」になってしまいまして、今はカル・ジェイダーばかり買ってます。


林A;21世紀にカル・ジェイダー、全然オシャレじゃないですね。


林B;いいんです。もう自分が本当に聞きたい音楽を聴こうって決めてるんです。こういう音楽、最高ですよ。


Cal Tjader - Curtain Call



林A;なるほど。こういうの聞いてるんですね。ブロッサム・ディアリーの本を書きたいと言ってましたがどうなりましたか?


林B;いつか書いてみたいです。なんか思ったように、ブロッサムの情報が集まらないんです。もし僕が偉い作家先生なら、編集と取材のチームを作って、情報を集めるのですが、そんなことできないので... ブロッサムの43歳のころの映像でも見てください。


Blossom Dearie--My Gentleman Friend, Soon It's Gonna Rain, 1967 TV



2018年が始まりましたね。今年も良い音楽に出会えるといいですね。
それではまた来月もこちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
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【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

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「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪 ・vol.69 石亀政宏 ・vol.70 愛知アンディー有 ・vol.71 三原秀章 ・vol.72 キム・ジノン ・vol.73 花崎章 ・vol.74 洞澤徹 ・vol.75 太田美帆 ・vol.76 金野和磨


bar bossa information
林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

bar bossa
bar bossa
●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
お店の情報はこちら

bar bossa vol.76:bar bossa

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vol.76 - お客様:金野和磨さん(Gerbera Music Agency)

【テーマ:最近のオススメの日本人アーティスト】


いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今月はミュージシャンのエージェント会社 Gerbera Music Agencyの代表をしている金野和磨さんをお迎えしました。


林;こんばんは。早速ですがお飲物をおうかがいしますね。


金野;林さんの今日のオススメのワインをお願いします!甘口のものだと嬉しいです。


林;でしたら、今は南仏のミュスカがありますからそちらにしますね。さて、お生まれと小さい頃の音楽環境のことを教えていただけますか。


金野;1987年に宮城県の気仙沼で生まれました。住んでいる地域の周辺にライブハウスもありませんでしたし、習い事もサッカーでしたし、両親も音楽関係の仕事をしているわけではなかったので、小さいころは音楽と無縁な生活でした。両親がよくCDをレンタルしてカセットに入れていたので、自宅では流行りの音楽には触れていましたが。CDも中学に入るまで買いませんでした。


林;気仙沼ですか。畠山美由紀さんと同郷ですね。なるほど、金野さんの世代だとご両親がレンタルCD世代なんですね。その後はどうですか?


金野;中学に入ってからもサッカー三昧だったのですが、音楽に詳しい友人の影響で音楽を自分で聴くようになりました。当時はMD全盛期だったので、『俺ベスト』的なMDをつくって貸し借りしていましたね。1文字1文字楽曲タイトルを入れないといけなかったので、その作業がMDへの愛着に繋がっていた気がします。


林;確かにMDは文字を入力しましたね。懐かしい。最初に買ったCDは?


金野;初めてCDを買ったのは中学1,2年ごろに買ったBUMP OF CHICKENのメジャー1枚目のアルバム『jupiter』でした。このアルバムは当時友人・知人の間でものすごい人気でして。たぶん軽く30回は貸したと思います。最後の方はパッケージも歌詞カードもボロボロになっていて、ディスクも傷がついて再生できなくなっていました。BUMP OF CHICKENの人気の凄まじさを肌で感じましたね。


林;そうかあ、中学でBUMP OF CHICKENのCDを30回は貸すっていうのが、ほんと時代ですね。その後は?


金野;大学進学に合わせて上京したのですが、最初の住むことになった学生会館(いろんな大学の学生が住む男子寮みたいな施設)で知り合った友人に勧められて聴いたのがBLANKEY JET CITYやTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT、THE YELLOW MONKEYでした。


林;お、カッコいいですね。


金野;この3組は周りに合わせて当時の流行りの音楽しか聴いてこなかった自分にとってかなりの衝撃で、そこから初めて音楽を自分で掘るようになります。1950~60年代のロックンロールとか、グラムロックとか、パンクとか。グラムロックやパンクはファッションも特徴的だったので、音楽とファッションのカルチャーについても調べたりしていました。


林;やっぱりみんなそこを通りますよね。


金野;社会人になってからも音楽を自分で掘る楽しみみたいなものに取り憑かれていたんですが、このころ(2010年ごろ)からオリコンの上位がアイドルやジャニーズで埋め尽くされるようになりまして、良い音楽がこれだけ溢れているのになぜそれが反映されないのか疑問に思ったんです。今思うと音楽ビジネスのことを何も知らなかったからこんなこと言えたんだなと思いますが、当時は率直に「日本の音楽業界は終わってる」と思いました。なので、自分で変えてやろうと思い、新卒で入った会社から音楽サービスの会社に転職して音楽の仕事に携わるようになりました。


林;なるほど。今のお仕事はどうでしょうか? 良いことや悪いことなどがあれば教えていただけますでしょうか。


金野;天職だと思っています。やりがいしかないので一生続けたいです。「良いこと」はとんでもないライブに出会う機会が多いこと、自分たちのサポートしているアーティストやチームのメンバーが活躍しているさまを見ることなど、たくさんあります。一方、「悪いこと」は自分の力不足でアーティストが活動休止したり、自分たちのもとを離れてしまうときなどです。これはもう経験や知識を積んでいって減らしていくしかないと思っています。


林;これからの音楽はどうなると思いますか?


金野;まず音楽とリスナーを取り巻く環境の話ですが、主にSpotifyをはじめとしたストリーミングサービスのさらなる普及によって、これからプレイリストを通じて新しい音楽と出会う機会が増えていくと思います。伴って、プレイリストの楽曲を選ぶ「キュレーター」と呼ばれる人たちの存在感も増していくと思います。


林;なるほど。


金野;また、SpotifyやApple musicは海外のリスナーとの接点になりますので、これからそれらのサービスを通じて、国内アーティストの海外進出がより積極的になっていくのだろうと思います。ライブホール「Zepp」がマレーシアやシンガポールなどアジア各都市に展開されていくことをはじめ、環境も整備されていくと思いますし。

ただ1つ補足しておきたいのが、ストリーミングによってCDが急速に淘汰されていくようなイメージは持っていません。現在ストリーミングサービスにはサザンオールスターズやジャニーズの楽曲など、解禁されていない人気アーティストの楽曲がまだまだたくさんあり、普及が思うように進まない要因の1つになっています。これらの楽曲は今後のストリーミングサービスの成長に合わせて少しずつ解禁されていくとは思いますが。そういった事情があるため、ストリーミングの普及とCDの衰退は今後もゆるやかに進んでいくイメージを持っています。また、ハイレゾとアナログはストリーミングとシェアを食い合うようなイメージは持ってませんので、今後も堅調に売上を伸ばしていくんじゃないかなと思います。


林;さすがすごく具体的で面白いです。


金野;最後にアーティストを取り巻く環境については、これからはアーティストがセルフマネジメントするための会社をつくったり、自らマネージャーや宣伝担当者を雇って活動していくケースが増えていくのではないかと思っています。これまでアーティストがのし上がっていくには事務所やレコード会社に所属する以外に選択肢がなく、自らがリスクを取って主体的にチームを動かしていきたいタイプのアーティストにはフィットしないケースが少なからずありました。そうした背景があり、所属している事務所やレコード会社から独立して活動するアーティストが少しずつ増えてきています。僕個人としては、アーティストは自らプロジェクトの責任者として全ての意思決定と実行に主体的に関わっていくべきだと思っているので、この流れをエージェントとしてサポートしていきたいと思っています。

この件に関しては先日ブログを書いたので、ご興味ある方にはぜひご覧になっていただきたいです。

http://gerbera-music.agency/course-of-action-2017/


林;すごくよくわかりました。最前線でやられている金野さんならではのお言葉ですね。さて、今後はどうされる予定でしょうか?


金野;まず、音楽業界でやりたいことをやるためには兎にも角にも実績が必要なため、いま弊社でサポートしているクライアントアーティストが成功できるよう全力を尽くしていきます。「成功」というのは武道館での単独公演やホールツアーをイメージしています。


林;まずそこからということですね。


金野;実績ができ、自社の知名度が上がってからどうするかはまだ決めていないのですが、候補としては2つあります。1つはアーティストのエージェント会社として、クライアントアーティストがより成功しやすいような環境を整備していくこと。例えばレコーディングスタジオを持つとか、ライブ制作事業をはじめるとか、グッズ制作事業をはじめるとか、そういったイメージです。

もう1つは、アーティストが音楽活動をしやすくなるようなプラットフォームをつくること。例えば自主で活動するアーティストがチームをつくりやすくなるよう、クリエイター(デザイナー、映像作家、VJ、照明)をアーティストとマッチングさせるようなプラットフォームですね。この2つのうちどちらの方向に進むかはいま現在では検討もつきませんが、より日本のアーティストが活動しやすくなるような、音楽を続けやすくなるような事業をしたいです。


林;期待しております。それではみんなが待っている選曲ですが、テーマは僕から「最近のオススメの日本人アーティスト」でお願いしたいのですが、いかがでしょうか。


金野;では、8曲、おすすめしますね。


01. ここにしかないって言って / ものんくる



金野;いま知名度を上げている「日本語ポップス×ジャズの新感覚ユニット」です。ベースはポップスでありつつもジャズの要素が自然と溶け込んでいて、身体を揺らしたくなるリズム感、グルーヴ感があります。ものんくるに限らず、最近ポップスとジャズをかけ合わせたアーティストが少しずつ増えてきている気がします。


林;ものんくる、すごくいいですよね。吉田沙良さん、すごく可愛いですし。


02. めたもるセブン / けもの



金野;女性ジャズ・ヴォーカリスト青羊(あめ)によるソロ・ユニット。80年代のシティ・ポップが好きな方には特にフィットするかもしれません。今年7月にリリースされたアルバムのリード曲で衝撃を受けてすぐにアルバム買ってライブ行きましたがどちらも素晴らしかったです。


林;この人も、僕のTLでみんながよく話題にしていますね。声の耳ざわりもいいですよね。


03. 滲んだ / nica



金野;『Urban Jazzy Pop』を掲げている男女デュオ・バンド。キャッチコピー通り、都会的で心地よいサウンドとグルーヴ感が特徴です。夜終電なくして歩いて家まで帰らないといけなくなったときにコンビニで買った酒飲みながら聴きたいです。


林;金野さんのそのコピーが秀逸です! これ、金野さんにおすすめいただいて、すごく聞いています。すごく売れてほしいですね。


04. Gospel In Terminal / bonobos



金野;6月に彼らのBillboard公演を観て感動したのですが、2017年のbonobosはネオ・ソウルや現代ジャズのグルーヴを纏っており、控えめに言って極上です。無限に聴き続けられます。すでにご存じの方も多いバンドだと思いますが、今観ておくべきだと思います。


林;確かに、控えめに言って極上ですね。曲もすごくいいですよね。


05. Midnight Cruise / WONK



金野;昨年彗星のように現れた、東京発〈エクスペリメンタル・ソウル〉 バンド。ハイエイタス・カイヨーテに代表されるフューチャーソウル/R&Bをこれだけ高いレベルで表現している日本人バンドは他にいないのではないかと思います。最初聴いたときはそのよれたリズムに面食らったんですが、何回も聴いているとそれが気持ち良く感じてくるんですよね。


林;なんか変な表現ですけど、日本人じゃないみたいですね。カッコいいです。


06. my hawaii "Setsuna" live at FEVER 2016.05.09



金野;LAで活動する日本人ミュージシャン鹿野洋平を中心に結成された6人組バンド。彼らに出会うまではこういう土っぽさを感じるゆったりとした音楽に興味を持てないでいたんですが、昨年彼らのライブを観てその魅力に気づきました。音の響きや音色に圧倒的な豊かさを感じられて、ああ、こういう音楽の魅力ってこれだったんだと、しみじみ思いました。この日のmy hawaiiは僕にとって2016年のベストライブでした。


林;へええ、LAで結成で、ジャパン・ツアーなんですね。いいですねえ。


07: ROTH BART BARON "BEAR NIGHT" | FULL SET | Dec 20th 2016



金野;三船雅也(vocal/guitar)と中原鉄也(drums/piano)の二人組からなるインディフォークバンド。昨年『hoshioto』という、星空の綺麗な岡山の野外フェスで彼らのライブを初めて観たのですが、my hawaiiのライブを観たときに近い豊かさ、美しさを感じました。
my hawaiiはメロディとハーモニーの美しさが際立っているバンドだと思っているのですが、ROTH BART BARONは生命力、力強さを感じさせる壮大なサウンドスケープが最大の魅力だと思います。


林;インディーフォークなんですね。たしかに曲はフォークですね。もう全然知らない世界でした。


08: 4AM Mellow Diver(山中さわおRemix) / ArtTheaterGuild



金野;先日チームのメンバーがTwitterでシェアしたのを聴いて知ったバンドです。最近のバンドでthe pillowsやスピッツを想起させるようなバンドに出会うことってほとんどないんですが、このバンドには似た成分を感じました。一生聴けそうなポップス。実際、この楽曲は彼らに惚れ込んだthe pillowsのリーダー、山中さわおさんがリミックスを担当しているようです。


林;おお、いいですね。抑制した感じですが少しづつじわじわ心に響きますね。


●金野さんのtwitter
https://twitter.com/konno108/

●Gerbera Music Agency
http://gerbera-music.agency/


金野さん、お忙しいところどうもありがとうございました。
金野さんの今後のご活躍、期待しております。

みなさん、もうすっかり師走ですね。
街ではクリスマスソングが流れていますが、いい音楽は聴いていますか? 
それではまた来月もこちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
■品番:UICZ-1646

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【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

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「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪 ・vol.69 石亀政宏 ・vol.70 愛知アンディー有 ・vol.71 三原秀章 ・vol.72 キム・ジノン ・vol.73 花崎章 ・vol.74 洞澤徹 ・vol.75 太田美帆


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林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

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●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
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18:00~24:00 bar time
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bar bossa vol.75:bar bossa

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vol.75 - お客様:太田美帆さん(cantus)

【テーマ:参加した思い出曲と、沢山の人に聞いて欲しい現代の音楽家の曲】


いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今月はcantusの太田美帆さんをお迎えしました。


林;こんばんは。お飲物はどうされますか?


太田;ご飯は済ませてきたので、食後酒が飲みたいです。ボンボンさんのガトーショコラに合うのがいい。


林;でしたら、シャンパーニュ地方のフィーヌなんてどうでしょうか?


太田;それをお願いします。


林;では、こちらどうぞ。お生まれは東京ですよね。


太田;1978年広尾の日赤病院で生まれました。


林;小さい頃から音楽と関わってたんですよね。


太田;歌うことが好きだったので、母親に合唱団を探してもらって、小学校2年生の時に、東京少年少女合唱隊に入隊しました。
代々木上原に住んでいたので、スタジオのある新大久保へは新宿から乗り換え1回で行けました。親は単純にアクセス的に子供が一人で通えるということで選んだと思うんだけど、東京少年少女合唱隊は「プエリ・カントレス」(カトリック系世界児童合唱連盟)の日本支部で、ルネッセンスの楽曲を主なレパートリーとする合唱隊でした。そこで宗教音楽とラテン語の洗礼を浴びました。合唱隊は宗派問わず学校もバラバラの小学生が「歌いたい」という気持ちだけで繋がっている特別な空間。教会旋法の響きは子供ながらにエモくて、すっかりハマってしまいました。


林;なるほど、そうだったんですね。初めて買ったCDって何でしたか?


太田;高校までは合唱隊が忙しく、音楽は聴くものではなく「やるもの」だったんです。だからCDを買って音楽を聴くという行為に目覚めたのは高校になってから。
多分初めて買ったCDは下北のディスクユニオンで買ったドアーズの『The DOORS』。「The end」という曲が好きでした。周りはエアロスミスとかボン・ジョヴィとか聞いてたんだけどしっくりこなくてドアーズに行き着きました。


林;うーん、最初がドアーズですか。なんか都心の女の子って感じですねえ。合唱、どうでしたか?


太田;とにかく合唱隊が忙しかったです。先生には「習い事だと思うな。これは仕事です」と言われていたので子供なりにプライドを持ってやっていたつもり。そういう意味では合唱隊の子供たちは態度が大きくて、現場では鼻持ちならない存在だったと思います。合唱隊、学校、サントリーホール、スタジオの往復。学校には友達がいませんでした。クラスに好きな男の子がいたのだけが救いでした。


林;そんなに... そのまま中学高校と続いた感じでしょうか?


太田;中学時代はまだ合唱隊が忙しかったです。高校時代はクラブでハウスを浴びてました。主なテリトリーは表参道のMIX。愛車のBMXで弟とナイトクルージングしてました。好きな雑誌はスタジオボイス。


林;おお、らしくなってきましたねえ。その後は?


太田;高3の時、合唱隊時代の親友とSUS4という女子2人ユニットでメジャーデビューして芸能活動スタートしました。キャッチコピーは「チャペルから飛び出した少女達」(笑)。全く売れませんでした。でも二人で歌ってるだけで十分楽しかった。
22歳でSUS4は解散して私はソロアルバムをリリース。アレンジは全て音楽家の林正樹君にお願いしました。しかし残念ながら私の力不足で作品は全く話題になりませんでした。


林;あ、そのときに林正樹さんとやってるんですね。その後は?


太田;25歳で音楽家と結婚しました。教会音楽という自分のバックグラウンドを認めてくれる初めての人で、映画、アートあらゆることを教わりました。音楽活動は続けるというより個人的にはこれしか出来ないし一応天命だと思ってるから続けています。


林;そうなんですね。さて、これはみんなに聞いているのですが、これからの音楽はどうなると思いますか?


太田;いわゆるメジャーな音楽はよりショービズ化していくんだろうし、総合芸術、新オペラみたいな感覚になるのかなぁ?
私が好きな世界観の音楽、非大衆音楽は、よりライブであることが、必要とされていくと思います。普段音楽を全く聞かないので、配信とかのシステムはイマイチわかってないです。


林;あ、そうなんですね(笑)。これからのご予定は?


太田;先にも話したけど、私にとって音楽は聴くものではなく「やるもの」です。新しい取り組みとしては、聖歌隊CANTUSとは別に、即興に個性が見出せる歌い手を集めて新しいコーラスグループを作る予定です。それと同時にア・カペラ曲を作るのも楽しいので、作曲活動も続けると思います。


林;これからも楽しみですね。それではみんなが待っている選曲ですが、テーマは何でしょうか?


太田;本当に普段音楽を一切聞かないので、音楽を知らないんです。だから、オススメのあの曲というのが思いつかなくて、「参加した思い出曲と、沢山の人に聞いて欲しい現代の音楽家の曲」を連ねます。


林;美帆さんらしいですね。それでは1曲目は?


01. 秋のワルツ / 中島ノブユキ



太田;レコーディングしたのは早稲田のアバコだったと思います。「いつもみたいに歌って」と言われて家の鼻歌の延長で30分位で録音しました。言葉もその場で載せました。オノマトペなのでライブの時はいつも思いついた言葉で歌ってました。「声も楽器の一部だから突出しなくて良い」といつも言われてました。その感覚は今でも大切にしています。


林;良い曲ですよね。この曲のファン、すごく多いですよね。


02. Mio Pianto / 高木正勝



太田;高木君も私に勇気を与えてくれた一人。いつでも優しくて柔らかくて。でも音楽に対しては1音も妥協を許さない人でリハーサルもすごくするし、映像も素晴らしいし、同年代の音楽家で一番影響受けました。


林;リハーサルすごくするんですか。なんかイメージではパッとその場で録音って感じがしますが。


03.光 / haruka nakamura PIANO ENSEMBLE feat.CANTUS



太田;harukaは可愛い弟分という感じだったけど今では音楽という灯の青い部分を表現するパートナーに変わりました。このPV映像のライブをした5日後、私は第一子を出産しました。


林;有名な演奏ですよね。うわあ、やっぱり感動的ですね。え、5日後!


04. 光 / haruka nakamura PIANO ENSEMBLE



太田;8月にリリースされたharuka nakamura piano ensemble最後のアルバム「光」のPV。最初に紹介した光から5年経ってます。同じ曲がこう変化していく様を作品化していくケースはあんまりないんじゃないかなぁと思います。


林;面白いですね。こんな風に変化するんですね。


05. Hodie / CANTUS



太田;今年の5月にインパートメントから2枚目のアルバムをリリース出来ました。全曲宗教曲。私達の源を表現したアルバム。タイトルの「オディエ」とはラテン語で「今日」という意味です。1日で収録した「今日」に捧げた作品。


林;あ、やっぱり全曲宗教曲なんですね。「今日」に捧げるんですか。深い。


06. Rhye"Open"Cover / 坂本美雨+武田カオリ+太田美帆



太田;今年の6月に「人間の声」というテーマでライブを自主企画しました。色々あってイベント自体は中止になってしまったのだけど、参加メンバーだった美雨さんとカオリさんが協力してくれて急遽ア・カペラ ライブを敢行しました。その時の音源です。三人の母の歌。人生最大級のピンチを迎えたおかげで沢山の方の人間力に触れました。ありがたすぎて言葉にならない。


林;三人の母の歌ですか。うわあ、すごい演奏ですね。こんなのあったんですか。


07: Pendulum / 林正樹



太田;林君、通称リンちゃん。リンちゃんはSUS4の頃から一緒に演奏している大切な人。同い歳。高校生の頃から天才って呼ばれてました。当然天才だと思ってるけどこの人は誰よりもピアノを弾いてるし向き合っていると思います。この音源ではわたしは歌ってませんけど、この曲が好きすぎて、リンちゃんの福岡、岡山ツアーに付いて行って歌わせてもらいました。


林;林正樹さんとそんな長い付き合いだったんですね。それも知りませんでした。天才だと僕も思います。


08: Moments musicaux - Thème / 阿部海太郎



太田;海太郎君も同い歳。蜷川さんの劇判を歌わせてもらったり、CANTUSのアルバムにもミサ曲を委嘱してもらいました。海太郎君の和声に対する感覚は粋。歌いながら毎回「くぅ、洒落てるねー!」と唸ってしまいます。そして彼の話すフランス語の綺麗なこと。良い男。


林;あ、美帆さん、この方とも共演されてるんですね。なんか美帆さん、すごいなあ。


09: in aquascape / 坂本美雨



太田;美雨さんの歌声は天女みたいだなと思います。この曲はお父様が美雨さんのために書かれた曲。美雨さんの原点、そして終着点が詰まってる気がします。この曲から生きる糧を享受する人は少なくないと思います。音楽だけではなく色々な表現の仕方で愛を表すことが出来る人。


林;一度、bar bossaでも撮影でお会いしました。猫好きで、渋谷の野良猫にすごく反応してて、うわ、本気だと思いました。


10: 私の赤ちゃん / 七尾旅人



太田;クラシック上がりの所以かピアノを弾く人と縁が多いけど、旅人さんはギターを操る魔法使い。そしてメロディセンスは他の追随を許さない。音楽のためならいくらでも身を削る、その姿勢に毎回頭が下がります。一緒にVOICE!VOICE!VOICE!VOICE!VOICE!VOICE!VOICE! という声のバンドを組んでます。旅人さんの曲ではこの曲が一番好きです。


林;いい歌ですね。こういう歌ってあるんですね。すごいなあ。さて、10曲終わりましたが、美帆さん、何かこれは宣伝しておきたいことってありますか?


太田;インスタがいま楽しい。「ura.cantus」を覗いてもらえたら嬉しいです。
https://www.instagram.com/ura.cantus/


林;ライブよくやってますよね。みなさんも是非、チェックしてみてください!


美帆さん、お忙しいところ今回はどうもありがとうございました。
もう冬ですね。いい音楽は聴いていますか? 
それではまた来月こちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
■品番:UICZ-1646

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【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

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「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪 ・vol.69 石亀政宏 ・vol.70 愛知アンディー有 ・vol.71 三原秀章 ・vol.72 キム・ジノン ・vol.73 花崎章 ・vol.74 洞澤徹


bar bossa information
林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

bar bossa
bar bossa
●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
お店の情報はこちら

bar bossa vol.74:bar bossa

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vol.74 - お客様:洞澤徹さん(The Bookmarcs)

【テーマ:今昔の心踊るAOR曲10選】


いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今月は10月11日にデビューアルバムが発売されるThe Bookmarcsの洞澤徹さんをゲストにお迎えしました。


林;いらっしゃいませ。早速ですが、お飲物はどうされますか?


洞澤;モヒートをお願いします。


林;かしこまりました。では、お生まれと小さい頃の音楽環境を教えていただけますか?


洞澤;1971年に東京都日野市で生まれました。兄と姉がいて洋楽が好きだったので、その影響で洋楽を聴くようになりました。当時はノーランズとかABBAとかクイーンのレコードが家にあってよく聴いていました。楽器も兄が持っていたクラシックギターで遊んでいたのが始まりです。


林;なるほど。僕も69年生まれなのでその感じわかります。ギターもクラシックギターでしたよね。最初に買ったレコードは?


洞澤;自分で初めて買ったレコードはワム!の『ファンタスティック』(1983年)というアルバムです。町の小さなレコードショップで「ワム!」ありますか?と聞いたら「雅夢」を出された切ない思い出があります。


林;(笑)なるほど。12歳で洋楽なんですね。その後、中学にあがるとどうでしたでしょうか?


洞澤;中学でハードロックバンドを組みました。僕はギターを担当。ラウドネスとかアースシェイカーなどのコピーをしていました。ギターソロが難しくて、雑誌『プレイヤー』のTAB譜を見ながら必死にカセットテープを聴いて練習したのを覚えています。マイケル・シェンカーの「キャプテン・ネモ」という曲は今でも弾けると思います。


林;中学でバンドですか。東京はやっぱりすごいですね。ラウドネスやアースシェイカー、僕も高校の時、バンドでやりましたよ。


洞澤;当時の情報源はとにかくラジオで、ラジオ番組雑誌『FMステーション』は欠かさず読んでましたね。鈴木英人さんデザインの表紙が印象的でした。付録のカセットテープインデックスカードが嬉しかったのを覚えています。


林;やっぱり同世代だと「エアチェック」はしていますね。高校卒業後はやっぱりミュージシャン志望だったのでしょうか?


洞澤;ミュージシャン志望ということはまったくなくて、でも音楽は好きでしたからオリジナルのポップスバンドをやっていました。大学時代はとにかくバイトばっかりしていました。剣道をやっていたので道場で少年指導とか、パン工場や、コンビニなどなどとにかくたくさん。
音楽に触れるような仕事はしてなかったですね。音楽に関してはちょっとはすに構えているようなところがあって、大学の音楽サークルとかは意味もなく敬遠していたねじれた青年でした。


林;そうなんですか。中学の頃にバンドをやっていたのに意外ですね。


洞澤;大学の近くにジャニスという有名な貸レコ屋があったのでよく通っていました。ソフトロックのコーナーは棚借りしたり(棚に置いてあるソフトロックコーナーの端から端まで何度かに分けて全部借りる)してました。


林;ジャニスって確実に東京の音楽を変えていますよね。僕ももう少し後になってからですが、一時期通いました。The Bookmarcsはどういうきっかけで始められたんですか?


洞澤;今やっているThe Bookmarcsのスタイルは、僕がとあるイベントの打ち上げ会場でビートルズの「アクロス・ザ・ユニバース」を歌っている近藤くんを見て、声に惚れてナンパしたのがスタートです。僕は女性ボーカルユニットばかりやっていたので男性ボーカルユニットは新鮮でした。それからは、近藤くんの声質で歌ったら面白いだろうなという曲を作り続けています。


林;なるほど。男性ボーカルとの出会いっていうのが大きいんですね。録音でこだわられているところは?


洞澤;今は音楽の仕事を始めてから17年ほどですが、どんどんPCの性能が上がり音源も含めてほとんどPCで作れてしまうのでシンプルな仕事場になりつつあります。ただ、僕は打ち込みだけで成り立っているトラックがあまり好きではないので、ギターなど弾ける楽器はだいたい生で入れます。以前からコツコツ練習しているトランペットも最近は録音にちょいちょい使うようになりました。目下の目標はサックスも習得して一人多重録音でブラスセクションを入れるようになることです。


林;え、一人ブラスセクションですか。すごい野望ですね。さて、これはみんなに聞いているのですが、これからの音楽はどうなると思いますか?


洞澤;制作側の観点で言うと、プロとアマチュアの境がどんどん曖昧になってきてますね。みんなにチャンスがある分、職業作曲家みたいな立ち位置がだんだん難しくなってきています。サラリーマンの人も、他に職を持っている副業ミュージシャンもクオリティが高い人は本当にたくさんいて、PCやソフトの進歩でリリースレベルのものが誰でも作れるようになってきています。得意分野にフォーカスを絞れば、プロ混在でも誰でも勝負できるということです。音楽を職業としている身としては、面白くなりつつもいっそう緊張感が高まる昨今です。


林;なるほど。


洞澤;また、CDが売れないとか、配信では儲からないとか言われて久しいですが、これだけカジュアルに誰でもクオリティの高い動画制作が安価でできて世界に見せたがっている人がごまんといる状況を考えると、映像音楽という意味で決して音楽の需要がなくなっているのではなくむしろ高まっているのは明白です。素人だけど才能ある動画制作者とそこらへんでどう絡んでいけるかというのも地味な話ですがワクワクするとことです。


林;前向きでいいお話ですね。これからはどうされるご予定ですか?


洞澤;まずはThe Bookmarcsを世間に広めていきたいです。この音楽を絶対に待っててくれている人が大勢いると信じてます。仕事面では、映画音楽・映像音楽を今までよりもっともっとやっていきたいです。そのための準備もいろいろしてきましたし。
それと(気が多いのですが)面白い歌の人がいたら男女問わずどんどんプロデュースしたいですね。僕の周りの才能あるミュージシャンやデザイナーや写真家に協力してもらって僕ならではのプロデュースで打ち出していきたい思いはあります。


林;なるほど、楽しみですね。それではみんなが待っている選曲にうつりましょうか。テーマは何でしょうか?


洞澤;「今昔の心踊るAOR曲10選」です。


林;お、良いですねえ。ではいってみましょう。


01. On and on / Stephen Bishop



洞澤;The Bookmarcsを結成するときにまずこの曲が浮かんで、この柔らかなテイストで近藤くんの声質に合った曲を作ろうと思いました。大好きな曲は何かと聞かれたらまず答える曲です。アコースティックギターのアルペジオと右チャンネルから聴こえる浮遊感あるスティールギターがこの曲の世界観を作っています。


林;名曲ですよね。なるほどこの曲が最初のイメージですか。あ、確かにスティールギターが浮遊感を作ってるんですね。こういうのちゃんと言われないと僕みたいな素人のリスナーは気が付かないものですね。


02. Dondi / Ed Motta



洞澤;その名もずばりな『AOR』というアルバムからの1曲。相当マニアックな音楽ファンのエヂ・モッタならではのAOR曲。
イントロの艶っぽいギターフレーズからグッときますが、やっぱり16フィールのドラムグルーブに時折入る甘いブラスがたまりません。あと、この手の曲に欠かせないのがベースの手数少なめのどっしり感とたまに入るおかずのフレーズです。他にもエレピのグリッサンドとかブラスに重ねたフルートとか、各楽器のAORフレーズ図鑑みたいな曲です。


林;なるほど。プロはそういう聞き方をするんですね。エヂ・モッタはそういう聞き方をするとすごく面白いんですね。洞澤さんの聞き方が面白くなってきました。


03.Show You The Way / Thundercat



洞澤;ケニー・ロギンスとマイケル・マクドナルドをフィーチャーした僕にとってはボーカルヒーロー二人の完璧なバランスの曲。現在32歳のサンダーキャットが2人を起用するという流れがまず面白い。定番のオクターブユニゾンのパートが美しくてグッときますが、何と言っても後半のバースからのマイケル・マクドナルドの歌が最高です。かなり複雑なアレンジなのですが嫌味に聴こえないところがさすが。


林;アメリカってこういう風に世代間の受け渡しみたいなのが羨ましいですよね。そうかあ、これ確かにすごく複雑だけど嫌味に聞こえないって感じですね。ふむふむ。


04. Bags & Things / Dennis Lambert



洞澤;暖炉の写真のアルバムジャケそのままに、とっても温かみを感じる曲です。ワンコーラス50秒、全体でも3分弱と短い世界の中で、ストーリーのダイナミクスが感じられるところが良いですね。歌い出しの美声から心躍ります。2コーラス目のストリングスとともにリズム隊も静かに熱くなるところなんかはグッときます。


林;洞澤さん、本当に曲の構成の「どこが人の気持ちを揺り動かすのか」という個所をつかむのが上手いですね。ほんと、仰る通りです。


05. Toledo / Elvis Costello, Burt Bacharach



洞澤;僕にとって最高の大人の男性ボーカルユニットといったらこのコンビがまず浮かびます。なんかもう世界が違います。ここまでに成熟した音楽をいつかやりたいなぁ。何と言っても美メロに美声。必要最低限の音の厚みとアレンジ。イントロや間奏に入る柔らかでさりげないフリューゲルホルンの響きが大人の男の色っぽさを醸し出していて好きです。


林;この二人がやるって知った時、びっくりでしたよね。僕は実はかなり不安でしたが、こんなにはまるんですよね。


06. 私自身 / いしだあゆみ&ティン・パン・アレイ・ファミリー



洞澤;日本の曲からセレクト。『アワー・コネクション』というアルバムの1曲。このアルバムはどれも素晴らしいのですがYouTubeに上がっていたのはこの曲のみでした。何でしょうこのホッとする歌声。"語り"から歌に入る手法なんかは、AORとするのはかなり拡大解釈な気もしますが、何とも心躍る曲です。演奏がティン・パン・アレイ。鈴木茂さんのギターのグルーブも大好きだなぁ。シンセリードの使い方も個人的にツボです。


林;ごめんなさい。勉強不足で知りませんでした。すごくカッコいいですね。レコード見つけたら買ってみます。高そうですね。


07: Out Of The Past / The fifth avenue band Feat. KENNY ALTMAN & MICHAEL THOMPSO
N




洞澤;今回紹介しきれませんでしたが大好きなピーターゴールウェイが所属していたバンド。1枚目の『Fifth Avenue Band』も傑作だけど本作もAOR色が増してとても好み。アルバムが発売されたのが1990年なので、リズムやエレピの音色はもろに時代を反映してはいますが、譜割の少ないAメロのメロディの彷徨い方とサビに入った時の切なさの爆発感はこの上なく上質なAORです。


林;フィフスアベニューバンド、この流れだとすごく大好きそうですが、こっちのアルバムの方を選ぶのが洞澤さんですね。もうわかってきました(笑)。


08: Butterfly /Jason Mraz



洞澤;ジェイソン・ムラーズはAORの印象は正直なくて、この曲にしてもむしろファンクやソウルのイメージですが、僕からすればとてつもなく心躍るAORを感じるのがこの曲です。メロディはサビなどめちゃめちゃ歌謡な要素満載ですが、隙間の作り方とブラスの入り方がとってもセクシーでグッときます。歌い方やリズムの取り方は随分AORから遠いところにいるようにも思えるのに不思議です。


林;不勉強で、名前は聞いたことあったのですが、聞くのは初めてです。なんかすごくセクシーですね。うわあ、キャッチーで良いですねえ。


09: It's Not As Simple As That / Far Cry



洞澤;ドナルドフェイゲンを始め、スティーリー・ダン周りのミュージシャンが多数参加しているシンガーソングライターデュオFar Cryのアルバム『Far Cry』からの1曲。この曲以外にも美メロな曲が盛りだくさん。AORではおなじみのオクターブ重ねのコーラスが気持ちよい。この人たち、こんな名盤を出しているのにアルバムが1枚しかないというのが無念でならない。


林;これ、何かでジャケットだけは見たことあったのですが、こんなにカッコいいんですね。確かにスティーリー・ダンの香りはすごくしますが、これは洞澤さんの言うところの「オクターブ重ねのコーラス」のせいなのでしょうか。


10: When I'm With You / Marter



洞澤;最後に少し毛色の変わったものを。Marterという日本のアーティストなのですが、初め聴いたときは日本人とはにわかに信じがたいほど、声や歌い回し、グルーブが向こうのものでびっくりしました。これをAORというかは異論もありそうですが、このみぞおちのあたりにつき刺さるメロウなメロディラインとギターバッキングは、紛れもなく上質AORのそれだと思います。巷ではNeo Soulというジャンルに分類されているようです。


林;うわ、カッコいいですね。確かにこれはAORですね。日本人ですかあ、知りませんでした。すごく良い... さて、洞澤さん、この辺りでThe Bookmarcsのことをお話しいただけますか。


洞澤;10/11にフルアルバム「Bookmarc Music」がリリースされます。これまで配信リリースしてきた曲のリアレンジ・リミックスに新曲3曲を加えた渾身のアルバムになっていますので是非多くの人に聴いてもらいたいです。


【The Bookmarcs New album「BOOKMARC MUSIC」DIGEST】



林;アルバム、ほんと素晴らしいですね。今回の洞澤さんの選曲に「わかる!」と心震わせた方、たくさんいそうですが、これはThe Bookmarcsも是非、買ってほしいですね。


The Bookmarcs 
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洞澤さん、お忙しいところどうもありがとうございました。The Bookmarcs売れると良いですね。
みなさんも是非、チェックしてみてくださいね。


さて、もうすっかり秋が深くなってきましたね。
そろそろコートやクリスマスのことも考える季節ですが、良い音楽は聴いていますか? 
それではまた来月、こちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
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「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪 ・vol.69 石亀政宏 ・vol.70 愛知アンディー有 ・vol.71 三原秀章 ・vol.72 キム・ジノン ・vol.73 花崎章


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林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

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●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
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bar bossa vol.73:bar bossa

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vol.73 - お客様:花崎章さん

【テーマ:自分の人生の10曲】


いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今月は大和広告代表取締役の花崎章さんをゲストにお迎えしました。


林;いらっしゃいませ。早速ですがお飲み物はどういたしましょうか。


花崎;Nega Fuloでカイピリーニャをおねがいします。


林;ネガフロ、お好きなんですよね。かしこまりました。さて、お生まれと小さい頃の音楽の環境を教えていただけますか?


花崎;1969年。広島県の福山というところで生まれました。母親がクラシック好きで、とくに壮大なオーケストラものが大好物でした。胎教~乳幼児期まではよく聴いてたようですね。幼い頃ピアノを習ってましたが、リズムプログラムが使えるエレクトーンに俄然惹かれてしまい、途中からはヤマハエレクトーン教室に通ってました。


林;僕と同い年ですよね。ピアノからエレクトーン、わかります。最初のレコードは?


花崎;小学校時代はじめて買ったレコードは、たしかゴダイゴの「銀河鉄道999」だったと思います。


林;おっと、僕も999です。僕は映画のサントラでしたが。時代ですね。中学はどうでしたでしょうか。


花崎;中学に入学してからは洋楽をメインに聴くようになりました。FMをエアチェックして、気に入ったアーティストや楽曲を地元のレンタルレコード屋(YOU&I)で借りて、ライブラリを増やしていってましたね。当時はおおらかで、借りたレコードをそのまま近くのダイイチという地元の家電量販店に持ちこんで、友達と一緒に展示品のミニコンポでダビングしてそのまま当日返却させてもらってました。


林;ええ!


花崎;中学1から2年年頃はFMレコパルとFM STATION、その後高校生まではFM STATIONとFM Fanを愛読してました。鈴木英人さんのイラストを眺めては、アメリカ西海岸に自分が暮らしてるシーンなんかを妄想してたりしましたね。

中高生時代は、両親の会社の同僚の「関戸さん」というオーディオマニアの影響でハイファイオーディオに興味を持っていきました。自宅のオーディオルーム(納屋?)の屋根裏に吸音材詰めたり、扉に鉛入れたり、スピーカーの上にシーサーを置いたり、ウーファーとスコーカーとツイーターそれぞれに別のパワーアンプをかませて音の変化をよろこぶ。音楽ごとにカートリッジを替える。

そんな オーディオ変態の関戸さんの影響で、私は「ミノルムセン」というお店に出入りするようになりました。こうして私は中学生の分際で、おじさま達のじつに味わい深いオーディオ談義に触れる機会を得たのです。


林;林 なるほど。


花崎;このおかげでフュージョンへの興味が強くなってきました。カシオペアや松岡直也、渡辺貞夫、George Benson、Weather Report、Earl Klughなどをよく聴いてたと思います。 とくに重要なアーティストとの出会いはPaulinho da Costaですね。今考えると彼の「Sunrise」というアルバムがブラジルに興味を持つきっかけになりました。

とはいえ、基本は全米ポップチャートで、FM東京系列で放送されていたAmerican Top 40など聴きながら、徐々に好きなジャンルが絞り込まれていったように思います。当時はまだヒップホップがポップチャートに登場するのは稀でよく知りませんでしたが、RogerやCameoからファンク(ブラックミュージック)が好みの音楽だってことは高校生のときになんとなくわかってきました。


林;花崎さんの原体験で、オーディオでどう響くかって大きそうですね。さて高校を卒業してどうでしたか?


花崎;高校を卒業して東京に出てきました。志望大学には受からなかったんですが、もう気分が上京モードだったんですね。東京での浪人生活スタートです。

私が上京した1988年はちょうどJ-WAVEが開局した年でして、バイリンガルのMCと洗練された選曲で田舎者の私には衝撃でした。聴きまくってました。受験勉強どころではありません。とくに「サウージ サウダージ」はブラジル、中南米の音楽に本格的にのめり込むきっかけに。日曜日の夕方という時間帯も最高でしたね。


林;全く同じ時期に「サウージ サウダージ」聞きましたよ。


花崎;大学時代にはブラックミュージック界隈にハマりました。ちょうどニュージャックスイングとかニュースクールが流行っていて、やがて六本木に通うようになりました。Droopy Drawersやサーカスでよく踊ってましたね。帰りにはWinnersでお店でかかっていた曲を手に入れるのが定番コース。六本木までの定期が欲しくてバイト先も六本木にしちゃいました。

その後もっとラクに通えるバイト先を求めて、環八の近くにあったSomething Elseというライブレストランバーで働き始めました。ここでは毎日いろんなジャンルのバンドが入れ替わりでライブをやるお店で、バイトしながらいろんな音楽に触れられるいい職場でした。六本木より仕事ものんびりしてましたし。PAさんとも話す機会があって、あたらしい音楽について教えてもらえることもありました。

このお店でもやはりブラジリアンの魅力を再認識できましたね。出演者とオーディエンスとの濃密かつ独特な一体感がたまらないのです。まずはこのお店で知った音楽を千歳烏山のYou&Iで借りてみて、その中で本当に気に入った作品を少しずつ買い足していきました。当時の烏山You&Iには当時でいうところのワールドミュージックがなぜか充実していて、ほんとうに助かりました。


林;あの時期、レンタルCD店は本当に助かりましたよね。


花崎;社会人になって初めてのボーナスでターンテーブルとミキサーを買いました。ここから10年は給料の大半をレコードにつぎ込みました。

DMR,Record Finder,HotWax,El Sur,Ultraなどなどよく通ってましたが、そういえばBar Bossaのお店を知ったきっかけは、Mr.Bongoにあったフライヤーでしたね。以来20年林さんにはお世話になってます。


林;そうなんですよね。僕、Mr.Bongoに「フライヤーおいてください」って営業に行ったんです。それで来てくれたお客様、もしかして花崎さんだけなのかもです。でも今思うと、あの時、営業して良かったです。ところでこれからの音楽はどうなると思いますか?


花崎;未来読みというよりも希望を一言。新しい音楽との素敵な出会いが一人でも多くの人に一つでも多く訪れるようなディストリビューションを実現してほしい。個人的には、セレンディピティこそが音楽ファンにとって最大の醍醐味と思っています。


林;これからはどうされる予定でしょうか。


花崎;引き続き生きていきます。命あるかぎり。


林;生きましょう。さて花崎さんの選曲ですが、テーマは「自分の人生の10曲」ということですね。では行ってみましょう。


01. Mateo Stoneman / Sabor a Mi



花崎;なぜマテオのCDが我が家にあるのか?いつどのように知り、入手したのか?まったく記憶にございません。きっとどこかで酩酊ちゅうに聴き惚れたんでしょう。赤ワインでも飲みながらこの曲がかかったら、そりゃそうなるしかないですね。


林;あれ? 花崎さん、こういうロマンティックなのも聞くんですね。意外でした。


02. Lisa Ekdahl / I get a kick out of you



花崎;39:45あたり (※Spotifyでアルバムバージョンを聴くことができます。)
スウェーデンのブロッサム・ディアリー。と言われてるかどうかは知りませんが、とにかく彼女の声と歌い方はクセになります。
99年。東京での生活をひと区切りつけた私は、イタリアとフランスを2ヶ月間フラフラしていました。その道中、シチリア・パレルモのCDショップ店内でかかっていて即買いしましたね。そのショップの近所にある魚介の美味しいリストランテのおじさんを思い出します。


林;ああ、イタリア語を習って、ヨーロッパに行ってた時期ありましたね。なるほど、こういうの聞いてたんですか。


03. Maria Rita / Coracao a Batucar



花崎;ブラジルが誇る天才エリスとセーザル・カマルゴ・マリアーノの娘の彼女。いい曲はいっぱいありますけど、この曲のとくにライブDVD「O Samba em Min」でのパフォーマンスは観客との一体感、キーボードの渾身のソロなどなど身震いポイント多数。
CDじゃなく断然DVDがいいですね。CDは演奏終了後の観客の大合唱がカットされてます。


林;花崎さん、アナログレコードもDVDもスポティファイもYou&Iも全部、並列に使ってますね。僕としてはそれが花崎さんらしい感じがします。


04. Paulinho da costa / I'm going to Rio



花崎;オーディオ変態なおじさま方との交流のなかで、雑誌「オーディオアクセサリー」上のリファレンス音源として紹介された本作を発見。
ほのかに漂う程度のブラジル風味ですが、中学生(高校生かも)にはインパクト十分。いまに通じるブラジル音楽への入口になった、一生忘れられない作品です。当時発売された日本盤はパウリーニョ名義ではなくL.A.ザ・セッションというネーミングがじつに味わい深い。


林;10代にこれに出会ってるんですね。環境って本当に人によって違うものですね。


05. Guy / Groove me



花崎;いまやメガネ男子の私の知られざる過去といえば、元ダンサーだったってこと。
とくにニュージャックスウィングには格別の思い入れがありまして、テディ・ライリーには感謝してもしきれません。

バブルな六本木の夜にはNJSがいちばんハマります。しかし今あらためて観てみると...なんだかちょっと恥ずかしいな...


林;いやいや、同世代として全然恥ずかしくないですよ。やっぱりニュージャックスウィング、カッコいいです。キャッチーでクールですよね。これから何度も再評価くる音楽だと思います。


06. Roger / I want to be your man



花崎;高校生のころに聴き倒した曲です。たしか80年代から90年代にかけて何度かZappとして来日していて、2回ほど行きました。根っからのエンターテイナーですね。ロジャーとのコール&レスポンス、楽しかったなあ。

はじめて行ったZappのライブの帰り、一枚のフライヤーを受け取りました。これが、当時ディスコをたまり場に遊ぶ謎の集団Macro Clubに私が参加するきっかけになったのです。


林;ああ、僕もZapp好きでした。六本木で遊ぶ花崎さんが目に浮かびます。


07: De la Soul / Say No Go



花崎;ホール&オーツのわかりやすい元ネタで「あーヒップホップでこういうことなのね」ということを直感的にわからせてくれた曲です。ヒップホップなら断然ニュースクール。ニュースクールなら俄然デ・ラ・ソウルです。個人的に。クラブチッタ川崎のオールナイトイベントが懐かしい。


林;やっぱり同い年だとなにかと重なりますね。デ・ラ・ソウル、僕も大好きでした。


08: Luis Carlos Vinhas / Boss's Tres, Leny Andrade, Peru Ribeiro
Rio de Sol Maior- Rio- Coisas do Dia- Estamos Ai- Feitinho Pro Poeta- Garota de Ipanema




花崎;イパネマのヴィニシウスバーでルイス・カルロス・ヴィーニャス本人に会ったことがあります。たまたま宿泊したホテルの一階でパフォーマンスしていたミュージシャンに連れられていった彼のライブは素晴らしかった。ライブが終わると、とっても気さくに話してくれました。手売りのCDにサインもしてくれました。いい人でした。Gemini Vなどなど、彼がらみのメドレーは名演が多いですよね。


林;ルイス・カルロス・ヴィーニャスと話したことがある日本人って何人いるんでしょう。なんかいい人そうですね。


09: Marcos Valle / Nao pode ser



花崎;マルコス・ヴァーリが好きなもので、なにか選ばないわけにはいきません。
90年代後半にバールボッサによく来ていた東大軍団のひとり、◯◯君(不覚にも名前忘れちゃいました)とこの曲が好きだという話題で盛り上がったのを、なぜかよく覚えています。曲後半の空中自由に飛び回るような目眩く展開が気持ちいいですね。

そして同時に、林さんと一緒に◯◯君に会いに駒場祭に行ったことも思い出されます。あの日下北沢のカレー屋で汗噴き出して大爆笑された苦い思い出とともに。


林;それ、伊崎くんですね。東大法学部出て、東芝を辞めて、実家のお素麺の会社を継いでますね。このアルバムの最後の曲ですね。ほんと良い曲です。僕も確か一緒に盛り上がったの覚えています。さて、最後の曲ですが。


10: Jackie Paris&Anne Marie Moss / I believe in you/ You've made me so very happy



花崎;夫婦デュオ好き、ライブ好きの私としては選ばざるを得ないですね。
彼らやジャッキー&ロイのような夫婦デュオは、どんな曲を歌っても独特の親密感とか、多幸感を感じることができていいですね。どちらもおしどり夫婦だったに違いない。そのはずだ。たぶん。


林;なんか最後に含みがありますが、確かにこういう演奏、すごく多幸感ありますね。ライブ録音ならではです。


花崎さん、今回はお忙しいところどうもありがとうございました。誰にも選曲できない花崎さんならではの10曲でしたね。

花崎さんが代表を務める会社はこちらです。 
https://www.daiwa-ad.jp/


さて、みなさん、やっと9月になりましたがいかがですか。
まだまだ暑い日が続きますが、良い音楽を聴いて乗り越えましょう。
それではまた来月こちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
■品番:UICZ-1646

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【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

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「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪 ・vol.69 石亀政宏 ・vol.70 愛知アンディー有 ・vol.71 三原秀章 ・vol.72 キム・ジノン


bar bossa information
林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

bar bossa
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●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
お店の情報はこちら

bar bossa vol.72:bar bossa

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vol.72 - お客様:キム・ジノンさん
【テーマ:夏がやってくると思わず聞いてしまう散歩BGM10曲】



いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

어서오세요.
bar bossa에 오신걸 환영합니다.



今月は韓国人のキム・ジノンさんをお迎えしました。

이번달은 한국인 Jinon씨를 모셨습니다.


林;こんばんは。さて、お飲み物はどうされますか?

ジノン;ノンアルコールのモヒートをください。僕、下戸なのにバールに通ってて、たまに自分でも「やっぱり変だよな?!」と思ったりします(笑)。


하야시(이하 'H'): 안녕하세요. 음료는 어떤걸로 드릴까요?

Jinon(이하 'J'): 논알콜 모히토를 주세요. 저는 술을 마시지 못하는데도 바에 다니고 있어요. 가끔 스스로도 '역시 특이하구나'라고 생각하고는 합니다. (웃음)


林;いえいえ、大丈夫ですよ。さて、お生まれの年と場所を教えていただけますか?

ジノン;1979年、ソウル生まれです。ソウルの中でも一、二を争うほど物価が安くて、庶民的な街で、僕の勝手なイメージかもしれませんが、例えば東京だと墨田区と足立区が混ざってる感じでしょうか。実はいまもその辺で住んでますが、昔と比べても街の雰囲気ってあまり変わってないような気がします。そんな感じの街でごく普通の家庭で育ちました。


H: 아니에요, 괜찮습니다. 그럼, 언제 어디서 태어나셨는지 말씀해주시겠어요?

J: 1979년에 서울에서 태어났습니다. 서울에서도 1,2위를 다툴만큼 물가가 저렴하고 서민적인 동네로 제 마음대로 생각한 이미지일지도 모르겠지만 예를들어 도쿄라면 스미다구(墨田区)와 아다치구(足立区)가 섞여있는 분위기랄까요? 실은 지금도 그 근처에 살고 있는데 예전과 비교해봐도 동네 분위기가 그다지 변하지 않은 듯한 기분이 듭니다. 그런 동네의 극히 평범한 가정에서 자랐어요.


林;小さい頃の音楽環境はどんな感じでしたか?

ジノン;両親とも音楽は好きで、父親は若い頃ベースを弾いてバンド活動とかもやってたみたいです。たぶんプロ・ミュージシャンになろうと決めていたのでしょうが、なかなか実現できなかったみたいです。そういう影響もあって、小さい頃は父親の車に乗ったら、カーステレオからレッド・ツェッペリンやディープ・パープル、グランド・ファンク・レイルロードみたいな音楽が普通に流れてて、それをずっと聞いていました。好き嫌いはさておいて、ずっと繰り返して聞いていたら、やっぱり音楽って慣れてくるもので、それがだんだん好きになりました。


H: 어렸을적 음악 환경은 어떠셨나요?

J: 부모님께서도 음악을 좋아하셔서 아버지는 젊었을적에 베이스를 연주하며 밴드 활동도 하셨던듯 해요. 아마 프로 뮤지션이 되려고 하셨을텐데 잘 실현되지는 못했던 것 같습니다. 그런 영향도 있어서 어렸을 적에는 아버지 차를 타면 카스테레오에서 레드 제플린(Led Zeppelin), 딥 퍼플(Deep Purple), 그랜드 펑크 레일로드(Grand Funk Railroad) 같은 음악이 자주 나오고 있어서 그걸 계속 들었습니다. 호불호는 차치하고 역시 음악은 계속 반복해서 들으면 익숙해지는지 점점 좋아졌어요.


林;そうなんですか。それはすごく特殊な環境ですね。

ジノン;僕はひとりっ子なので、子どもの頃からずっとひとりで遊んでいました。当時は家で黄色いクマのぬいぐるみと遊ぶのが一番好きでした。たまに外で周りの女の子たちと遊んだこともあって、特にゴムとびが上手かったみたいです。うーん、「ゴムとびが上手いハードロック少年」という感じでしょうか(笑)。


H: 그러셨군요? 꽤 특수한 환경이었네요.

J: 저는 외동이라서 어렸을적부터 줄곧 혼자서 놀았습니다. 당시에는 집에 노란 곰돌이 인형하고 노는게 제일 좋았어요. 가끔 밖에서 동네 여자 아이들과 놀던 적도 있는듯해서 특히 고무줄 놀이를 잘했다고 합니다. 음, '고무줄 놀이를 잘하는 하드록 소년'이라는 느낌일까요? (웃음)


林;(笑)

ジノン;で、どうすれば、ひとりで遊んでも楽しくなれるんだろうといろいろと工夫してるうちに突然目に前に現れたのが父親が持っていたターンテーブルで、誰もいないときにこっそりとそこにあるレコードを1枚ずつ聞きました。小5、6の頃だと思いますが、その時、初めてあのカーステレオから流れてた音楽の実物(と言ってもレコードなんですが)に出会いました。レコード棚にはポップからクラシックまでありましたが、実際棚から引っ張り出して聞いて今でもはっきり覚えているのはレッド・ツェッペリ「III」と「IV」、ディープ・パープル「Made In Japan」、グランド・ファンク・レイルロード「Caught In The Act」、テッド・ニュージェント「Intensities In 10 Cities」、オールマン・ブラザーズ・バンド「フィルモア・イースト・ライヴ」、ピンク・フロイド「The Wall」でした。


H: (웃음)

J: 그래서, 어떻게하면 혼자 놀아도 재밌게 놀 수 있을까하고 이런저런 궁리를 하던 중에 갑자기 눈 앞에 나타난 것이 아버지가 가지고 계신 턴테이블인데요, 아무도 안 계실때 몰래 거기에 있는 레코드를 하나씩 들었습니다. 초등학교 5, 6학년때인것 같은데 그 때 처음으로 어렸을 적 카스테레오에서 흐르던 음악의 실물(이라고 해도 레코드지만요)과 만났습니다. 레코드 선반에는 팝부터 클래식까지 있었는데 실제로 꺼내들어서 지금도 확실히 기억하고 있는 것은 레드 제플린 'III', 'IV', 딥 퍼플 'Made In Japan', 그랜드 펑크 레일로드 'Caught In The Act', 테드 뉴전트 'Intensities In 10 Cities', 올맨 브라더스 밴드(Allman Brothers Band) 'Live At Fillmore East', 핑크 플로이드(Pink Floyd) 'The Wall' 이었습니다.


林;おおお、すごいですね。お父さんの趣味が想像できます。ジノンさんは楽器はやらなかったんですか?

ジノン;ピアノ教室は通いましたが、あまり楽器には興味がなかったみたいでバイエルだけ習ってやめてしまいました。僕ってやっぱり幼い頃からずっと聞くほうが好きなんでしょうね。


H: 오오~ 대단하네요. 아버님의 취미가 상상이 갑니다. Jinon씨는 악기는 다루지 않았나요?

J: 피아노 학원은 다녔는데 그다지 악기에는 관심이 없었는지 바이엘만 배우고 그만뒀어요. 저는 역시 어렸을때부터 줄곧 듣는 쪽을 좋아하나 보네요.


林;ああ、韓国でもやっぱりみんなピアノ教室に通うんですね。初めて買ったアルバムは何ですか?

ジノン;たぶん初めて買ったアルバムはディズニーの「リトル・マーメイド」のサントラだと思います。当時はウォークマンで音楽を聞いたので、カセットテープを買いました。小6か中1の頃だったのではないかと思います。あ、 小学校の時は光化門(クァンファムン)の周辺に大きな本屋や国立中央博物館があったので、毎週週末になるとひとりで遊びに行きました。博物館のオープン時間に入って(しかも子どもだから無料なんです)、誰もいない博物館を一回りして、そのまま本屋に行く感じでした。本屋を含めてその辺にいくつかのレコード屋さんがあったので、たぶんその辺で「リトル・マーメイド」のサントラを買ったのではないかと思います。


H: 아, 한국에서도 역시 다들 피아노 학원은 다니나보네요. 처음 산 앨범은 어떤건가요?

J: 아마 처음 산 앨범은 디즈니의 '인어공주' 사운드트랙인 것 같아요. 당시에는 워크맨으로 음악을 들었기 때문에 카세트 테입을 샀습니다. 초등학교 6학년이나 중학교 1학년때가 아닐까 하네요. 아, 초등학교때는 광화문 주변에 대형 서점과 국립중앙박물관이 있어서 매주 주말이 되면 혼자서 놀러 갔어요. 박물관 여는 시간에 들어가서(게다가 어린이라서 무료에요) 아무도 없는 박물관을 한바퀴 돌고나서 서점으로 가는식이었습니다. 서점을 포함해서 그 주변에 레코드 가게가 몇 곳 있어서 아마도 거기에서 '인어공주' 사운드트랙을 샀지 않았을까 하네요.


林;なるほど。韓国ではディズニーなんですね。中学、高校ではどうでしたか?

ジノン;中学は男子校だったのですが、不思議なことに学校の女性の先生に可愛がられた子でした。いまでも本当に理由はわかりません。で、その分、クラスメイトからは嫌われた存在でした。その理由は今は十分わかるような気がします。とにかく学校に行くのは全然楽しくない時期で、学校に行っても一言もしゃべらない日が多かったです。その時に友だちになってくれたのが音楽でした。ずっと好きなラジオ番組やカセットテープをイヤホンで聞きました。当時の韓国のアイドルとかもよく聞きましたが、H.O.TとかS.E.Sが出てくる前だったので、いまのK-POPのアイドルとはちょっと違う感じかもしれません。速いビートのダンス曲だとしてもレイブとかニュージャックスウィングみたいなスタイルが溶け込んだ音楽でした。あ、話がそれますが、中学の時の部活は「宇宙少年団」というところに入りました。なんかすごい名前ですよね。当時の僕はあまり地球が好きではなかったみたいです(笑)。


H: 그렇군요. 한국에서는 디즈니네요. 중학교, 고등학교 시절은 어땠나요?

J: 중학교는 남학교였는데요 신기하게도 학교의 여자 선생님들에게 귀여움을 받았던 아이였습니다. 지금도 정말 이유는 잘 모르겠어요. 그래서 그만큼 반 친구들로부터는 미움을 받았던 존재였습니다. 그 이유는 지금은 충분히 알 것 같은 기분이 들어요. 아무튼 학교에 가는게 전혀 재미있지 않았던 시기라서 학교에 가도 한 마디도 말을 안했던 날이 많았습니다. 그 때 친구가 되어준 것이 음악이었어요. 좋아하는 라디오 방송과 카세트 테입을 이어폰으로 계속 들었습니다. 당시 한국 아이돌 음악 같은 것도 자주 들었는데요 H.O.T나 S.E.S가 나오기 전이라서 지금의 K-POP 아이돌과는 약간은 다른 느낌일지도 모르겠어요. 빠른 비트의 댄스곡이라고 해도 레이브나 뉴잭스윙 같은 스타일이 녹아들어간 음악이었습니다. 아, 다른 이야기지만 중학교때 클럽 활동은 '우주소년단'이라는 곳에 들어갔습니다. 뭔가 굉장한 이름이네요. 당시 저는 지구를 별로 좋아하지 않았나봐요. (웃음)


林;(笑)

ジノン;そんな感じの中学時代だったのですが、不思議なことに高校に入ったらたくさん友だちができるようになりました。共学だったので(クラスは別々でした)、男女問わず「モテる子」が出てきて「そうか、僕はハズれだな」と思いました。自分でも「お前、その格好いったいなんなの?!」と思えるくらいもう本当にひどかったです(笑)。その時点でたぶん全世界共通だと思う「モテたい男の子たち」の「バンドやろうぜ~」が登場するわけですが、僕は楽器ができないので、「そっちからもハズれだ」とがっかりしたのは覚えてます。

学校にそのバンドの練習室があって、昼休みや放課後に練習室から漏れてくる 音を聞くのも楽しみでした。そのバンドは学校の文化祭では相当熱いプレイを連発していて、突然ステージで服を脱ぎだしたりしたので、僕は「うわ、すごいな~」とビックリした覚えがあります。その当時に「やっぱり僕って音楽を聞く側にいるのが似合うんだ」と思いました。


H: (웃음)

J: 중학교 때는 그랬는데요 신기하게도 고등학교에 들어가서는 친구들이 많이 생기게 되었습니다. 남녀공학이라서(학급은 따로따로였어요) 남녀 관계없이 인기있는 아이들이 등장해서 '그래, 나는 여기서는 탈락이구나'라는 생각을 했습니다. 저 스스로도 '너는 모양새가 대체 그게 뭐야?!"라는 생각이 들 정도로 정말 심각했어요 (웃음). 그 시점에서 아마도 전세계 공통이라고 생각이 드는 인기 없는 남자 아이들의 '밴드 만들자~'가 등장하게 되는데요, 저는 악기를 하지 못해서 '여기서도 탈락이네'라며 실망했던 기억이 있어요.

학교에 밴드의 연습실이 있어서 점심시간과 방과후에 연습실에서 새어나오는 음악을 듣는 것도 재미있었습니다. 학교 축제에서 꽤나 열정적인 연주를 연발하며 갑자기 무대에서 옷을 벗어버리거나해서 저는 '우와 굉장한데~'라며 놀랐던 기억이 있어요. 그 당시에 '역시 나는 음악을 듣는쪽에 있는게 어울리구나'라고 생각했습니다.


林;なるほど、韓国っぽいですね。

ジノン;そんなある日の夕方に突然「ジャズを聞いたらカッコよくなるかも。よし、ジャズを聞こう」と決めて、レコード屋のジャズ棚にあるものを買って聞きました。「ジャズ」という言葉だけを知っていたくらいだったので、何の情報もないままアルバムのジャケットのイメージに頼って買いました。その中で自分として当たりだったのはチャック・マンジョーネ、ル イ・アームストロング、パット・メセニー・グループ、ジャミロクワイ、ケニー・Gでした。その頃は学校で友だちと「お前、最近何聞いてるの?!」という自分が聞いているテープを互いに交換して聞くという遊びが楽しくて、アルバムを買うと次の日に学校に持って行きました。僕はジャズ以外だとプロディジーやアンダーワールドを持って行って、友だちからはメタリカ、メガデス、ニルヴァーナ、パール・ジャムのアルバムを借りて聞きました。


H: 그렇군요, 한국다운 이야기네요.

J: 그런 어느날 저녁, 갑자기 '재즈를 들으면 멋있어질지도 몰라. 그래, 재즈를 듣자!' 라고 마음을 정하고 레코드 가게의 재즈 코너에 있는 것들을 사서 들었습니다. '재즈'라는 단어만 알고 있던 정도라서 아무런 정보도 없는채로 앨범 자켓 이미지에 의지해서 샀어요. 그 때 저에게 합격이었던 것은 척 맨지오니(Chuck Mangione), 루이 암스트롱(Louis Armstrong), 팻 매스니 그룹(Pat Metheny Group), 자미로콰이(Jamiroquai), 케니 지(Kenny G)였습니다. 그 때는 친구와 '너 요즘 뭐 듣니?!'라며 자기가 듣고 있는 카세트 테잎을 서로 바꿔서 듣는게 재미있어서 앨범을 사면 다음날 학교에 들고 갔어요. 저는 재즈 이외로는 프로디지(The Prodigy)와 언더월드(Underworld)를 가져갔고 친구에게는 메탈리카(Metallica), 메가데스(Megadeth), 너바나(Nirvana), 펄 잼(Pearl Jam)의 앨범을 받아서 들었습니다.


林;ああ、ジノンさんの高校での雰囲気がわかってきました。

ジノン;そんなある日、その日もレコード屋に行ってジャズ棚からいろいろ捜していたら、1枚のCDが気になって買ってきました。帯に日本語で書いてあったので 、「なんか爽やかな感じの日本人4人組のバンドだな」と思って実際聞いたら「やっぱり爽やかだった」ので、好きになりました。それがカシオペアの「Photographs」というアルバムです。たぶん僕にとって「日本」というカテゴリーに限ったら、全ての始まりがこのカシオペアなのではないかと思います。そのくらい自分にとっては大きな存在です。すごく好きになって、特にドラムの神保彰さんはいまでも憧れの存在です。


H: 아, Jinon씨의 고등학교에서의 분위기가 이해되기 시작했어요.

J: 그런 어느날, 그 날도 레코드 가게에 가서 재즈 코너에서 이것저것 찾고 있던 중에 한 장의 CD가 궁금해져서 사왔습니다. 띠지에 일본어로 적혀있어서 '뭔가 상쾌한 느낌의 일본인 4인조 밴드구나'라고 생각하며 실제로 들어보니 역시나 상쾌해서 좋아하게 되었습니다. 그게 카시오페아(Casiopea)의 'Photographs'라는 앨범이에요. 아마 저에게는 '일본'이라는 카테고리만 놓고보면 모든것의 시작이 이 카시오페아가 아닐까 합니다. 그 정도로 저에게는 커다란 존재에요. 매우 좋아했는데 특히 드럼의 짐보 아키라(神保彰)씨는 지금도 동경의 대상입니다.


林;カシオペアに出会うんですね。

ジノン;当時、韓国ではパソコン通信というのが出始めた頃なので、小さい頃からパソコン好きだった僕はすぐハマるようになりました。いまとは違ってテキストだけの世界だったのですが、知らない人たちと電話ケーブルで繋がって話し合うことに衝撃を受けました。


H: 카시오페아와 만나는군요.

J: 당시 한국에는 PC통신이라는게 나오기 시작했던 시기로 어렸을때부터 컴퓨터를 좋아했던 저는 바로 푹 빠지게 되었습니다. 지금과는 다른 텍스트만의 세계였지만 모르는 사람들과 전화선으로 연결되어져서 이야기를 나누는 것에 충격을 받았어요.


林;ジノンさん、高校生でパソコン通信ってすごい...

ジノン;その頃、韓国では4つの会社がそのパソコン通信サービスを提供してまして、各々ジャズ・コミュニティがありました。それで、僕は「ここに入ったらもっといい情報があるかも」と思って、その中で2つのコミュニティに入りました。一つは「ブルーノート」で、もう一つはカシオペア、ザ・スクェア、プリズム、渡辺貞夫、渡辺香津美のような主に日本のジャズ・フュージョンを聞いてるコミュニティでした。

ジャズ・コミュニティってだいたい毎月「音楽感想会」というオフ会がありまして、場所は様々だったのですが、主にホンデにあるカフェ、バーを借りて、みんなが選曲したものを一緒に聞きました。あとは、ホンデって弘益大学校を略した言葉ですが、あの大学は多摩美のようにアート関連で有名だったので、学校の周りに美術予備校がたくさんありまして、そこを借りてみんなで聞いたりしました。うーん、僕もすごく勇気を出して初めてホンデに行ったわけですが、「やっぱり帰ろうか」と何度も思いながら、ドアの前でうろうろしていた覚えがあります。いざドアを開けて会場に入ったら、いままで見たこともないすごくオシャレなお兄さん、お姉さんたちが座っていて、「うわ、どうしよう!やっぱり帰ったほうがよかった」と共に「やっぱりジャズを聴くとカッコよくなるんだ」と思いましたが...(笑)。

僕が大学生だった頃には中学生も参加してましたが、僕が高校生だった当時は珍しく感じられたみたいで、僕が参加者のなかでは一番年下でした。末っ子の弟の感じで、すごく優しく接していただいたのはいまでもはっきり覚えています。それが確か高2か高3の頃で、そこでモダンジャズというスタイルを初めて聞きました。昔は音楽に関してわがままなところもありましたが、情報を吸収するスピードも速かったので、この時から音楽の幅が広くなりはじめました。


H: Jinon씨, 고등학생때 PC통신이라니 굉장하네요...

J: 그 때 한국에서는 네 곳의 회사가 그 PC통신 서비스를 제공하고 있었는데 각기 재즈 동호회가 있었습니다. 그래서 저는 '여기에 들어가면 좀 더 좋은 정보가 있을지도 모른다'고 생각해서 그 중에 두 곳의 동호회에 들어갔습니다. 하나는 이름도 '블루노트(Blue Note)'였고요, 다른 하나는 카시오페아, 더 스퀘어(The Square), 프리즘(Prism), 와타나베 사다오(渡辺貞夫), 와타나베 카즈미(渡辺香津美)와 같은 주로 일본의 재즈 퓨전을 듣는 동호회였어요.

재즈 동호회는 대체로 매월 '음악감상회(음감회)'라고 하는 오프라인 모임이 있었는데 장소는 다양했지만 주로 홍대에 있는 카페와 바를 빌려서 모두가 선곡해 온 것들을 함께 들었습니다. 그리고 홍대는 홍익대학교를 줄인 말인데요 그 학교가 타마 미술대학과 같이 미술 계열로 유명해서 학교 주변에 미술학원이 많이 있어서 거기를 빌려서 듣기도 했습니다. 음, 저도 꽤나 용기를 내서 처음으로 홍대에 갔는데 '역시 그냥 돌아갈까'하고 몇번이나 생각하면서 문 앞에서 왔다갔다한 기억이 있어요. 드디어 문을 열고 음감회 장소로 들어가니 지금까지 본 적도 없는 매우 세련된 형, 누나들이 앉아있어서 '우와 어떡하냐~! 역시 그냥 집에 가는게 좋았어'와 동시에 '역시 재즈를 들으면 멋져지는구나~'라는 생각을 했지만요...... (웃음)

몇년간 다녀보니 제가 대학생이던 시절에는 중학생들도 참가했지만요, 당시에는 고등학생도 드물게 느껴지던 시기였는지 제가 참석자들 사이에서는 가장 나이가 어렸습니다. 막내 동생과 같은 느낌으로 매우 다정하게 대해주신걸 지금도 잘 기억하고 있어요. 그게 아마도 고등학교 2학년인가 3학년때로 거기에서 모던재즈라는 스타일을 처음 들었습니다. 저는 어렸을 적에는 고집이 센 부분도 있었는데요 정보를 흡수하는 속도도 빨라서 그 때부터 음악의 폭이 넓어지기 시작했어요.


林;ジノンさんっていつも思うのですが、そういう時って積極的ですごく良いですよね。その後はどうされましたか?

ジノン;大学の頃もジャズ・コミュニティの音楽感想会に毎週行きました。ただ、何かが きっかけになって、聞いてる側ではなく、それを主宰する側のほうに移りました。うーん、大学に入って1年が経った頃で、やっぱり若くて生意気な自分がそこにいたわけで、結構みなさんに迷惑をかけたのではないかと思います。その経験から「やっぱり僕は前に立ってやっていくことよりも見えないところで自分がやるべきことをやったほうがいい」と思いました。それはいまでも変わりません。僕って成長が遅いですね(笑)。そして20~30代のいい年の大人が集まってたので、自然に「誰と誰が付き合う」ということもたくさんありました。そのお兄さん、お姉さんの恋愛話を隣で見ていたのもワクワク感満載の楽しい経験でした。


H: 항상 생각이 들지만 Jinon씨는 그러한 때에 적극적이라서 좋네요. 그 다음은 어떻게 되었나요?

J: 대학교 때도 재즈 동호회의 음감회에 매주 다녔습니다. 다만 어떤 계기로 듣는 쪽이 아니라 주최하는 쪽으로 움직이게 되었어요. 음, 대학교에 들어가서 1년이 지났을 때 쯤으로 역시나 어리고 주제를 모르는 저 자신이 거기에 있어서 꽤나 여러분들에게 민폐를 끼쳤지 않았을까 합니다. 그 경험으로부터 '역시 나는 앞에 서서 하는것보다도 보이지 않는 곳에서 내가 해야할 것을 하는편이 좋겠구나'라는 생각이 들었어요. 그건 지금도 변함없습니다. 저란 사람은 성장이 느리네요. (웃음) 아, 맞다. 역시 20~30대의 좋은 나이의 어른들이 모여있었기 때문에 자연스럽게 '누구랑 누가 사귄다'라는 일도 많이 있었어요. 그런 형, 누나들의 연애 이야기를 옆에서 보고 있던 것도 두근두근거리는 즐거운 경험이었습니다.


林;なんか想像できます。

ジノン;一応、学校ではコンピューターを学びましたが、数学と物理が苦手だったので、「あ、これ僕に合わないんだ」と思って、あまり勉強しませんでした。その代わりに、「カシオペアのアルバムのライナーノートに一体何が書いてあるんだろう」と思って日本語を勉強したり、ネットに繋げたら「今月は日本でどんな新譜が発売されたのかな」と調べたりしました。ちょうどその頃からADLIBやJAZZ LIFEのような日本の雑誌を読むようになりました。大学時代はとにかくたくさんの日本の雑誌を読みました。特にBRUTUSとかSTUDIO VOICEからすごく影響を受けたような気がします。あと、クラブとかDJ文化に興味があった頃はremixやGROOVEもよく読みましたし、美術手帖も面白かったです。学校よりも本屋やレコード屋や美術館が好きで、卒業するまではそういう生活の繰り返しでした。ジャズ・コミュニティの繋がりでいくつかの日本のフュージョン系のアルバムの韓国盤のライナーノートを書いたのも貴重な体験でした。いまは恥ずかしくて改めて読んだりしませんが...(笑)。


H: 뭔가 상상이 됩니다.

J: 일단 학교에서는 컴퓨터를 전공했는데요 수학과 물리를 못했기 때문에 '아, 이건 나한테는 맞지않나보다'라는 생각이 들어서 그다지 공부는 하지 않았어요. 그 대신에 '카시오페아 앨범의 라이너노트에 대체 뭐가 적혀있는걸까'라고 생각하면서 일본어를 공부하거나, 인터넷이 연결되면 '이번달은 일본에 어떤 신보가 발매되었을까'하며 찾아봤습니다. 딱 그 즈음부터 ADLIB과 JAZZ LIFE와 같은 일본 잡지를 읽게 되었습니다. 대학때는 아무튼지 일본 잡지를 많이 읽었어요. 특히 BRUTUS나 STUDIO VOICE로부터 큰 영향을 받은 듯 합니다. 그리고 클럽이나 DJ 문화에 관심이 있었을 때는 remix와 GROOVE도 자주 읽었고요, 미술수첩(美術手帖)도 재미있었어요. 학교보다도 서점과 레코드 가게와 미술관이 좋아서 졸업할때까지 그러한 생활의 반복이었습니다. 재즈 동호회의 인연으로 몇 가지 일본 퓨전 계열 앨범의 한국반 라이너 노트를 적은 것도 귀중한 경험이었습니다. 지금은 부끄러워서 다시 읽거나 하지는 않지만요...... (웃음)


林;ジノンさん、ライナーノート、書いてるんですね。日本に来たことを教えてもらえますか?

ジノン;大学2年生のとき、日比谷野外音楽堂でカシオペアのライブがあることを知って、初めて東京に行きました。僕は外国といっても日本とアメリカしか行ったことがないので、いまでもそんなに変わってないような気がしますが、やっぱり初めての外国ってすごく衝撃を受けますよね。もうあの松屋の紅ショウガから衝撃でした(笑)。にんじんだ~と思って食べたのに...


H: Jinon씨, 라이너 노트를 적으셨군요. 일본에 오시게 된 일도 말씀해주시겠어요?

J: 대학교 2학년때 히비야 야외음악당에서 카시오페아 라이브가 있다는걸 알고 처음으로 도쿄에 갔습니다. 저는 외국이라고해도 일본과 미국 밖에 가 본 적이 없어서 지금도 그렇게 다르지 않을 것 같은데요, 역시 처음 가는 외국은 상당한 충격을 받게되네요. 마츠야의 생강초절임부터 충격이었어요 (웃음). 당근이다~하면서 먹었는데 말이죠......


林;(笑)

ジノン;よく外国人が持っている「東京」のイメージがあると思いますが、僕の場合は「あ、その通りでした」と思うくらい自分の想像したイメージのままの風景が広がりました。あとは、渋谷のタワレコに行ったとき、「世の中にこんなにCDがあるのか」とビックリしたこともあって、「よし、いつか東京で住む!」と決めました(笑)。

大学を卒業して2年くらいソウルの小さなレコード会社で 働きましたがいろいろ大変だったこともあって、やっぱり自分には合わないんだと思い、「会社辞めよう」と決めました。で、「じゃ、次はどうするつもり?!」と自分に問いかけたら、「できれば東京で住んでみよう」という答えが出てきました。何の目的もなかったので、とりあえず日本語学校を通うことになりました。

西武新宿線と大江戸線の中井駅近くに主に韓国人の留学生が住んでいる寮みたいなところがありまして、そこで生活を始めました。机付きの2階建てベッド、テレビ、小さい冷蔵庫だけがあって、キッチン、風呂、トイレは共用でした。どうしてもその環境に慣れることができず、鬱陶しい気分になって学校以外の時間は何も言わずに部屋に籠ってしまいました。学校では 春と秋に1週間くらいの短い休みがあったのですが、その間、誰にも会わず、一言もしゃべらないまま過ごしました。たまに「日本語できないんだけど、東京で生活できるかな」という相談をされますが、僕の経験では一言も喋らないまま1週間の生活ができたので、なんとなく過ごせるのではないかと思います(笑)。

で、「このままだとちょっとまずいな〜」と思って、とにかく出かけようと決めて、授業のない週末は渋谷に行きました。中井から電車一本で行けるのは青山一丁目だったので、そこから渋谷まで歩いていきました。毎週通ってたので、ちょっとずつ違う道のほうに行ったりして、それが一つの楽しみでもありました。うーん、当時は骨董通りの周辺が好きでした。ブルーノー トやIDEEのお店の前で「うわ、気になるけど僕は入れないかも」と思ったり、「ミッドセンチュリーモダン?!なんかすごい名前だ」と思いながら歩きました。いざ渋谷に着くとだいたい同じルートを廻って、また青山一丁目まで歩いて帰る訳なんですが、HMV、DISK UNION、RECOFan、DMR、マンハッタン、CISCO、タワレコの順番で廻りました。で、そのお店の視聴機にある曲はすべて聞いた覚えがあります。やっぱりお店ごとに好みの音楽や集まってる人のスタイルが違って、楽しい経験でした。


H: (웃음)

J: 외국인들이 많이 가지고 있는 도쿄의 이미지가 있을텐데요 제 경우는 '아, 그대로였어요'라고 생각들 정도로 제가 상상한 이미지대로의 풍경이 펼쳐졌습니다. 그리고, 시부야의 타워레코드에 갔을 때 '세상에는 이렇게나 CD가 있구나'라고 놀라기도 해서 '그래, 언젠가 도쿄에서 살자' 하고 마음을 정했습니다. (웃음)

대학교를 졸업하고 2년 정도 서울의 작은 음반 회사에 다녔는데요 여러가지 힘든 일도 있어서 역시 저에게는 맞지 않는다고 생각해 '회사 그만두자'라고 결정했습니다. 그래서 '그럼 다음에는 어떡할거지?'라고 저에게 물어봤는데 '가능하면 도쿄에서 살아보자'라는 답이 나왔습니다. 아무 목적도 없어서 일단은 일본어학교에 다니기로 했어요.

세이부신주쿠선과 오오에도선의 나카이역 근처에 주로 한국 유학생들이 지내고 있는 기숙사 같은 곳이 있어서 거기에서 생활을 시작했습니다. 책상이 달린 2층 침대, TV, 작은 냉장고만 있었고 부엌, 욕실, 화장실은 공용이었어요. 아무래도 그런 환경에 익숙해지지 못해 기분이 우울해져서 학교 이외의 시간에는 아무 말도 하지 않을채 방에 틀어박혀 있었습니다. 학교에서는 봄과 가을에 일주일 정도의 짧은 방학이 있었는데요 그 동안에 누구랑도 만나지 않고 한 마디도 하지 않은채 지냈습니다. 가끔 '일본어를 못하는데 도쿄에서 생활이 가능할까?'라는 상의를 받는데요 제 경험으로는 한 마디도 이야기하지 않은채 일주일동안의 생활이 가능했기 때문에 어떻게든 지낼수 있지 않을까해요. (웃음)

그래서 이대로는 안되겠다고 생각하고 일단은 밖으로 나가자고 정해서 수업이 없는 주말에는 시부야에 갔어요. 나카이에서 지하철 한 대로 갈 수 있는 곳이 아오야마잇쵸메라서 거기에서 시부야까지 걸어갔습니다. 매주 다녀서 조금씩 다른길로 가는게 하나의 재미였기도 했어요. 음, 당시에는 콧토우도오리(骨董通り) 주변을 좋아했어요. 블루노트와 IDEE 앞에서 '우와 궁금하긴한데 들어가진 못하겠다'하거나 'Mid-Century MODERN?! 왠지 엄청난 이름이네'하면서 다녔어요. 시부야에 도착하면 대체로 비슷한 경로를 돌고서 다시 아오야마잇쵸메까지 걸어왔는데요, HMV, DISK UNION, RECOFan, DMR, Manhattan Records, CISCO, 타워레코드 순으로 돌았어요. 그래서 그 가게의 청음기에 있는 곡들은 전부 들은 기억이 있어요. 역시 매장별로 좋아하는 음악과 모이는 사람들의 스타일이 달라서 재미있는 경험이었습니다.


林;ああ、その頃、ジノンさんと僕、絶対にすれ違ってますね。

ジノン;ある日、その日も渋谷のレコード屋で掘っていたところ、1枚のCDに出会いました。そのCDには「FREE SOUL」って書いてあって、その言葉の響きやアートワークが気に入って買ってきました。で、実際聞いてみたら、いままで経験したことのない音楽だったので、「うわ、何これ?!」と驚きながら聞きました。そこで橋本徹さんのことを知って、それから橋本さんの選曲であったら、片っ端から買いました。

東京に留学しようと決めて当時選曲を提供して知り合った韓国の某緑茶カフェのチェーン店の担当者と話しあったことがあります。なぜか僕はそのとき「東京で選曲を学びたいです」って宣言したのですが、やっとその教科書的な存在に出会えた感じでした。あと、ちょうど沖野修也さんの「DJ選曲術」という本も読んでいた頃で、その両方の影響をすごく受けました。


H: 아, 그 시기에 분명 Jinon씨와 저는 서로 스쳐 지나갔겠네요.

J: 어느 날, 그날도 시부야의 레코드 가게에 음반을 찾고 있던 중에 한 장의 CD와 만났습니다. 그 CD에는 FREE SOUL이라고 적혀있어서 그 단어의 울림과 아트웍이 마음에 들어서 사왔습니다. 실제로 들어보니 지금까지 경험한 적이 없던 음악이어서 '우와 이건 뭐지?!'라고 놀라면서 들었습니다. 거기에서 하시모토 토오루(橋本徹)씨를 알게 되어서 그 다음부터 하시모토씨 선곡이 있으면 모조리 샀어요.

도쿄에서 유학하려고 정했을때 당시에 선곡을 제공하면서 알게된 한국의 모 녹차 카페 체인점의 담당자와 이야기를 나눈적이 있었어요. 무슨일인지 제가 그때 '도쿄에서 선곡을 배우고 싶어요'라고 했는데요 그때서야 교과서적인 존재를 만날 수 있었던 느낌이었습니다. 그리고, 마침 오키노 슈야(沖野修也)씨의 'DJ선곡술(DJ選曲術)'이라는 책을 읽고 있던 때로 그 양쪽의 영향을 많이 받았어요.


林;東京で選曲ですか。面白いですね。

ジノン;その頃、僕は青山ブックセンターやパルコ地下にあった本屋によく行きました。当時はパルコ地下にアプレミディのセレクトショップがあったので、そのお店でひとりで遊ぶのが楽しかったです。で、「そうだ、実際のカフェもあるんだ」とやっと気づいたのです(笑)。実際訪ねたのはもうすこし後の話になりますが。

うーん、元々は美術関連の大学院に行こうと決めて、わりと早めに日本語能力試験も合格しましたが、経済的なこともふくめていろいろ事情がありまして、留学生活は1年くらいにして韓国に帰りました。その後、韓国では美術関連の展示会の企画や作家のエージェンシーの会社で働きました。その会社でも メインではなくアシスタントでした。主に写真作家が多くて、毎週、仁寺洞(インサドン)にある貸しギャラリーに行って火曜は設営、水曜はオープニングレセプションの繰り返しでした。オープニングレセプションが終わったら夕食で必ずベトナム料理を食べていたような気がします。たまに「音楽も美術もちゃんと勉強してこなかったのに、こういう仕事やってて大丈夫なの?!」と自分に問いかけたりしましたが (笑)。でも、やっぱりやってるとだんだん慣れて行くんだと実感しました。オークションハウスとの仕事も自分には貴重な経験になりました。あと、その後オフィ スが北村(ブッチョン)のほうに移転したこともあって、夕暮れの頃、仕事を終えて音楽を聞きながら散歩するのが一番好きでした。ソウルに遊びにお越しいただく予定でしたら、ぜひその時間帯に歩いてみてください。

比較的に自由に仕事をしている感じだったし、日本の状況についての情報も必要だったので、僕は半年ずつソウルと東京で生活するようになりました。それで代々木にあるマンスリーマンションで過ごすことになりました。自分用のキッチン、風呂、トイレがあることを確認し、嬉しくて涙が出そうになりました(笑)。しかも歩いて渋谷まで行けますし。


H: 도쿄에서 선곡이에요? 재미있네요.

J: 그 시기에는 아오야마 북 센터와 파르코 지하에 있던 서점에 자주 갔었어요. 당시는 파르코 지하에 아프레미디의 셀렉트샵이 있어서 거기에서 혼자 노는게 재미었어요. 그래서 '맞다, 실제 카페도 있구나'하고 그제서야 눈치를 챘어요 (웃음). 실제로 방문한건 조금 더 나중의 이야기지만요.

음, 원래는 미술 관련 대학원에 가려고 하고 비교적 빨리 일본어능력시험도 합격했는데요 경제적인 부분도 포함해서 이런저런 사정이 있어서 유학 생활은 1년 정도로 하고 한국에 돌아왔습니다. 그 후, 한국에서는 미술 관련 전시회 기획과 작가의 에이전시를 하는 회사에서 근무했습니다. 거기에서도 메인이 아닌 어시스턴트였어요. 주로 사진 작가가 많아서 매주 인사동에 있는 갤러리에 가서 화요일은 설치, 수요일은 오프닝 리셉션의 반복이었습니다. 오프닝 리셉션이 끝나면 저녁으로 꼭 베트남 음식을 먹었던 기억이 있어요. 가끔 '음악도 미술도 제대로 배운건 아닌데 이런 일을 하고 있어도 되는건가?!'라고 저에게 물어보고는 했지만요 (웃음). 하지만 역시 직접 하면 점점 익숙해지는걸 실감했어요. 옥션 하우스와의 업무도 저에게는 귀중한 경험이 되었습니다. 그리고 나중에 사무실을 북촌쪽으로 이전하기도 해서 석양이 질 무렵에 일을 마치고 음악을 들으면서 산책하는게 제일 좋았습니다. 서울에 오실 예정이 있으면 꼭 그 시간에 걸어보세요.

비교적 자유롭게 일을 했었고 일본 상황에 대한 정보도 필요해서 저는 반년씩 서울과 도쿄에서 생활하게 되었습니다. 그래서 요요기에 있는 먼슬리맨션에서 지내게 되었어요. 제가 혼자 쓸 수 있는 부엌, 욕실, 화장실이 있는 것을 확인하고 기뻐서 눈물이 날 정도였습니다 (웃음). 게다가 걸어서 시부야까지 갈 수도 있고요.


林;そんなに渋谷が好きなんですね。なんか嬉しいです。

ジノン;そこで念願の「アプレミディ訪問」が実現されました!「やっぱり帰ろうか」と何度も思いながら、エレベーターの前でうろうろしてた覚えがありますが(笑)。すごく勇気を出してドアを開けた瞬間、「本当に世の中って音楽好きでオシャレでカッコイイ人はたくさんいるな」と改めて感じました。しかも韓国人は僕ひとりだったので、あっちこっちから聞こえてくる日本語の意味が全然わからなかったです。「うわ~、どうすればいいの?!」と思いながら、じっと座っていました(笑)。あとで、橋本さんからそこにいる方々を紹介していただいて、みなさんから音楽のことや東京のことを紹介していただいたりしました。すごくやさしい方々だなと思いました。そしたら、やっとお店の雰囲気が感じられたり、音楽が聞こえたりしました。気づいたら、もう朝になってしまって、家に帰りましたが、アプレミディの窓から見える公園通りの夜明けは格別でした。あ、あとで 橋本さんにお会いしたときに渋谷の穴場として紹介していただいたのがbar bossaでした。


H: 그렇게나 시부야를 좋아하시나 보네요. 왠지 기쁩니다.

J: 그때 오랜 소원이었던 아프레미디 방문이 실현되었습니다! '역시 집에 돌아가는게 좋을까'하고 몇 번이나 생각하면서 엘리베이턴 앞에서 왔다갔다 했던 기억이 있지만요 (웃음). 엄청 용기를 내어서 문을 연 순간 '정말 세상에는 음악을 좋아하고 세련되고 멋진 사람들이 많이 있구나'라고 새삼 느꼈습니다. 게다가 한국 사람은 저 혼자라서 여기저기에서 들려오는 일본어를 전혀 못 알아 들었어요. '우와 어떡하면 좋지?!'라고 생각하면서 가만히 앉아있었어요 (웃음). 나중에 하시모토씨께서 거기에 있는 분들을 소개해주셔서 그분들께 음악과 도쿄에 대한 것들을 소개받았습니다. 무척 다정한 분들이라고 생각했어요. 그러더니 겨우 가게 분위기가 느껴지거나 음악이 들리기 시작했습니다. 어느샌가 아침이 되어버려서 집에 들어왔는데요 아프레미디 창문에서 보이는 코우엔도오리(公園通り)의 새벽 풍경은 특별했습니다. 아, 나중에 하시모토씨를 뵈었을때 시부야의 숨겨진 명소로 소개받은 곳이 bar bossa였어요.


林;橋本さんからうちのこと、紹介してもらったんですよね。韓国と日本の音楽状況の違いとか似ているところの話を教えてもらえますか?

ジノン;最近、YouTubeで調べてみて感じたのは日本は様々な音楽がテレビ、ラジオ、本みたいにいろんな形で記録されていることでした。いまはなかなか再発できないレコードがあっても、その情報は必ずどこかで見つけることができるような気します。それが外国人からみて日本の音楽状況の一番の特徴なのではないかと思います。韓国の場合は一つの現象についての集中力が強く、なおかつ拡散の速度が速いのが特徴だと思います。たぶんいまのK-POPのアイドルがその証拠なのではないでしょうか。

あと、話がそれますが、韓国人と日本人の音楽について考えるときにいつも浮かんでくるのは「NHKのど自慢」です。韓国の国営放送のKBSで毎週日曜、午後12:10に「全国歌自慢(전국노래자랑)」という番組があることはご存知ですか?毎週各地の都市を巡回し、視聴者が参加して歌を歌う番組で、日本の演歌のような韓国のトロット歌手がゲストで出演します。ここまではほぼ一緒ですが、実際番組が始まると韓国と日本の空気感が全然違うんです。韓国の場合は主演者も観客もみんな歌って、踊って、とにかく自由です。たまには司会者も出演者と一緒に踊ります。日本の場合は出演者が歌っていると後ろに座ってる他の出演者は手拍子を打ったり、手を振ったりして、音だけが聞こえるので詳細はわからないですが、観客もその手拍子にあわせますよね。そのギャップが自分のなかでは興味深いテーマになります。たまに外国人ミュージシャンが韓国でライブが終わったあとに「韓国のお客さんは熱くて最高!」というふうに言ったと聞きますが、先ほどの話に通じることがあるかもしれないと思います。


H: 하시모토씨로부터 저희 가게를 소개 받으셨군요. 한국과 일본의 음악 정황의 차이나 비슷한 점에 대해서 알려 주시겠어요?

J: 요즘 유투브로 찾아보면서 느낀건 일본은 다양한 음악이 TV, 라디오, 책과 같은 여러 형태로 기록되어지고 있다는 것이었습니다. 가끔 지금은 재발매가 잘 안되고 있는 레코드가 있어도 그 정보가 반드시 어딘가에서 찾을 수 있을 것 같은 기분이 들어요. 그게 외국인이 봤을때 일본의 음악 환경의 가장 큰 특징이지 않을까 해요. 한국의 경우는 하나의 현상에 대한 집중력이 강하고 또한 확산 속도가 빠르다는게 특징인 것 같습니다. 아마 지금의 K-POP 아이돌이 그 증거가 아닐까요.

아, 다른 이야기인데요 한국인과 일본인의 음악에 대해 생각할때 항상 떠오르는 것이 'NHK 노도지만(のど自慢, 노래자랑)'이에요. 한국 국영방송인 KBS에서 매주 일요일 오후 12시 10분에 '전국노래자랑'이라는 프로그램이 있는걸 아시나요? 매주 각 지역의 도시를 순회하며 시청자가 참가해서 노래를 부르는 방송으로 일본의 엔카와 같은 한국의 트로트 가수가 초대가수로 출연합니다. 여기까지는 거의 같은데요 실제 방송이 시작되면 한국과 일본의 분위기가 전혀 달라요. 한국의 경우는 출연자도 관객도 모두 같이 부르고 춤추고 아무튼지 자유롭습니다. 가끔은 사회자도 출연자랑 같이 춤을 춰요. 일본의 경우는 출연자가 노래를 하고 있으면 뒷편에 앉아있는 다른 출연자들은 박자를 맞추면 박수를 치거나 손을 흔들거나 하고, 소리만 들려서 자세히는 모르겠지만 관객들도 그런 박수에 맞춰주잖아요. 그런 차이가 저에게는 꽤 흥미로운 테마가 됩니다. 가끔 외국 뮤지션이 한국에서 라이브를 마친 후에 '한국 관객은 열정적이여서 최고!'라고 이야기를 한다고 들었는데요 앞선 이야기와 통하는 부분이 있을지도 모를것 같아요.


林;韓国では観客も歌って踊るんですね。ブラジルと同じですね。アジアのラテンと言われる韓国らしい話しです。さて、これはみんなに聞いているのですが、これからの音楽はどうなると思いますか?

ジノン;そうですね。僕ってただのソウルに住んでる音楽好きの韓国人なので、これからの音楽の予想って僕にとってすごく大きい話だし、ちゃんとした予想ができる情報も持ってないですけど、確かに音楽はどんなカタチにしても残されるし、愛されると思います。いまはアナログとかカセットテープが再注目されてますが、CDとかデジタル音源とかライブのほうが盛り上がるかもしれないし、いままで見たこともない新しいカタチのものが登場するかもしれません。ただ、先ほど言ったようにいつの時代になっても様々な音楽の花が咲けるようにいろんな記録のカタチでいまの音楽を保存することが盛り上がるといいのではないかという希望はあります。そしたら、音楽はその時代の一番相応しく、みんなが愛するカタチで花を咲かせると思いますので。そういう意味では僕の世代でいま日本で活躍されてるJazz The New Chapterの柳樂光隆さん、Quiet Cornerの山本勇樹さん、音楽ライターの大石始さんのような方やJUHA、rompercicci、Bar Musicのようなお店は大好きですし、リスペクトしています。


H: 한국에서는 관객들도 노래하고 춤추나보네요. 브라질과 같네요. 아시아의 라틴이라고 불리는 한국다운 이야기에요. 그럼, 이건 모두에게 여쭤보는건데요 앞으로의 음악은 어떻게 될 것 같나요?

J: 저는 그냥 서울에 살고 있는 음악을 좋아하는 한국인이기 떄문에 앞으로의 음악에 대한 예상은 저에게 있어서는 매우 큰 이야기고 제대로된 예상을 할 수 있는 정보도 가지고 있지 않지만요. 확실히 음악은 어떤 형태로든지 남겨질거고 사랑 받을거라고 생각해요. 지금은 아날로그 레코드나 카세트 테입이 다시 주목받고 있지만 CD나 디지털 음원이나 라이브가 활성화될지도 모르고요, 지금까지 본 적이 없는 새로운 형태가 등장할지도 모르겠습니다. 다만, 방금전 이야기했듯이 어느 시대라도 다양한 음악의 꽃을 피울 수 있도록 다양한 기록의 형태로 지금의 음악을 보존하는 것이 활발해지면 좋겠다는 희망이 있어요. 그러면 음악은 그 시대에 가장 어울리고 모두가 사랑하는 형태로 꽃을 피울 수 있을거라고 생각해서요. 그런 의미로는 저희 세대에서 지금 일본에서 활약하고 있는 Jazz The New Chapter의 나기라 미츠타카(柳樂光隆)씨, Quiet Corner의 야마모토 유우키(山本勇樹)씨, 음악 작가인 오오이시 하지메(大石始)씨와 같은 분들과 JUHA, rompercicci, Bar Music과 같은 곳을 많이 좋아하고 존경하고 있어요.


林;ジノンさんらしい言葉ですね。最後に、これからはどうされるご予定ですか?

ジノン;ソウルと東京で僕より若い世代がわいわいしながら楽しく話しあってるところを見るたびにあの子たちが大人になる頃には韓国と日本がいまよりもっと仲良くなればいいなと思います。最近、両国のニュースをみたら、ハードル高すぎなのではないかと正直思ったこともありますが。

ただ、相手国についてまだ知らないことってたくさんあると思います。それを知っておいて、互いにわかりあったら、もうすこし仲良くなれるのではないかと思います。これからも韓国人と日本人の間に素敵な思い出がたくさんできればいいですね。

ということを考えながら、小さいことでも親しくなれるきっかけを作っていきたいと思います。まず、林さんとの韓国語や日本語の併記のブログがありますね。 最近は同じ感覚でbar bossaの韓国語のインスタグラムもやってますので、ぜひチェックしてみてください。
https://www.instagram.com/bar_bossa_seoul

あとは、日本のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、SNSなどでたくさんの情報が流れてくるので、このなかで韓国人が興味を持つようなものがあれば、それをまとめて韓国語で紹介しようと思い「東京茶飯事」というのを始めました。いまは主にニュースだけを紹介していますが、僕の選曲や東京を紹介する文章も書きたいと思いますので、よろしくお願いします!
https://twitter.com/tokyo_dabansa


H: Jinon씨다운 이야기네요. 끝으로 앞으로는 무얼 하실 예정인가요?

J: 서울과 도쿄에서 저보다 어린 세대의 젊은이들이 왁자지껄하면서 즐겁게 이야기를 나누는 모습을 볼때마다 저 친구들이 어른이 될 때에는 한국과 일본이 지금보다 좀 더 친해지면 좋겠다는 생각을 합니다. 요사이 양국의 뉴스를 보면 넘어야할 장벽이 너무 높지는 않을까라는 생각을 솔직히 한 적도 있지만요.

다만, 상대방 나라에 대해 아직 모르는 것도 많이 있을거라고 생각해요. 그걸 서로 알아두고 이해한다면 조금은 더 친해지지 않을까 해요. 앞으로도 한국인과 일본인 사이에 멋진 추억이 많이 생기면 좋겠네요.

그런 것들을 생각하면서 작은 것이라도 친해질 수 있는 계기를 만들어 가려고 합니다. 우선, 하야시씨와의 한국어와 일본어를 병기해서 올리는 블로그가 있네요. 요즘은 같은 형태로 bar bossa의 한국어 인스타그램도 하고 있으니 꼭 체크해주세요.
https://www.instagram.com/bar_bossa_seoul

그리고 일본의 TV, 라디오, 신문, 잡지, SNS 등에서 많은 정보가 나오고 있어서 그 중에서 한국 사람들이 관심을 가질만한 것이 있으면 그걸 모아서 한국어로 소개하자는 생각으로 '도쿄다반사'라는 것을 시작했습니다. 지금은 주로 뉴스만을 소개하고 있지만 제 선곡과 도쿄를 소개하는 글도 적어보려고 하고 있으니 잘 부탁드리겠습니다!
https://twitter.com/tokyo_dabansa



林;ああ、うちのお店のインスタグラムまですいません... それではみんなが待っている選曲ですが、テーマは何でしょうか?

ジノン;テーマは「夏がやってくると思わず聞いてしまう散歩BGM10曲」です。

林;これまたジノンさんらしいですね。楽しみです。


H: 아, 저희 가게 인스타그램까지 죄송합니다... 그럼 모두들 기다리고 있는 선곡인데요 테마는 어떤건가요?

J: 테마는 '여름이 찾아오면 듣게 되는 여름이 찾아오면 듣게 되는 산책 BGM 10곡' 이에요.

H: 이거 또한 Jinon씨답네요. 기대됩니다.


01. Eumir Deodato And Airto Moreira - Spirit of Summer



ジノン;朝早い仕事が多いので、誰もいない街を歩きながら聞くデオダートとアイアート・ モレイラのこの曲は格別です。初めて聞いたときに「夏の始まり」が感じられて好きになりました。見た目とは違って僕の夏の印象はこういう感じなんです。

林;この曲、すごく良いですよね。デオダートの胸を打つハーモニーとメロディーが最高です。


J: 아침 일찍 업무가 시작될 때가 많아서 아무도 없는 거리를 거닐면서 듣는 데오다토(Deodato)와 에알토 모레이라(Airto Moreira)의 이 곡은 각별합니다. 처음 들었을 때 '여름의 시작'이 느껴져서 좋아하게 되었어요. 보기와는 다르게 제 여름 이미지는 이런 느낌입니다.

H: 이 곡 너무 좋지요. 데오다토의 가슴을 울리는 하모니와 멜로디가 최고에요.


02. McCoy Tyner - Fly With The Wind



ジノン;東京で住んでいた頃はたまに出勤時間のときに丸の内や有楽町のようなオフィス街に行って、片手にコーヒーを持って爆音でマッコイ・タイナーを聞きながら歩くのが好きでした。たぶんそのとき「自由」を感じたかもしれません。あ、そういえば、取材でピアノのすぐ後ろ席で彼のライブをみたことがありますが、すごいパワーを持ってる人だなと改めて感じました。

林;ああ、ジノンさんってマッコイ・タイナーのこういうの好きなんですね。カッコいいですねえ。


J: 도쿄에서 지냈을 때는 출근 시간에 마루노우치와 유라쿠쵸 같은 사무실 밀집 지역에 가서 한 손에 커피를 들고 큰 볼륨으로 맥코이 타이너(McCoy Tyner)를 들으면서 거니는걸 좋아했어요. 아마도 그 때에 '자유'를 느꼈을지도 모르겠어요. 아, 그러고보니 취재로 피아노 바로 뒷자리에서 맥코이 타이너의 라이브를 본 적이 있는데요 엄청한 파워를 지닌 사람이구나하고 새삼 느끼게 되었습니다.

H: 아, Jinon씨는 맥코이 타이너의 이런 스타일을 좋아하시네요. 멋지네요.


03. Joe Bataan - When Sunny Gets Blue



ジノン;真夏の昼間、太陽が降り注ぎ、綺麗な青空が広がるとジョー・バターンの出番です。近くのコンビニで水を1つ買って、華やかなサウンドに身を任せて歩くと鬱陶しい気分もどこかに吹き飛びます。そういえば、ひとときFANIAやSALSOULばっかり聞いたことがあって、ラテン・サウンドにすぐ反応する自分にビックリした覚えがあります。昔、音楽感想会のときにラテンダンスのコミュニティと一緒にイベントをやったことがありまして、踊りもうまくないのに踊ってしまった(?)こともありましたが...(笑)。

林;ジノンさん、この辺り、好きなんですよね。さらに踊っちゃうんですね。意外です...(笑)


J: 한여름 낮 시간, 태양이 내리쬐고 아름다운 파란 하늘이 펼쳐지면 조 바탄(Joe Bataan)이 나올 때입니다. 근처 편의점에서 물 하나를 사고 화려한 사운드에 몸을 맡기고 걸으면 우울한 기분도 어디론가 날아가버려요. 그러고보니, 한때 FANIA와 SALSOUL만 들은 적이 있어서 라틴 사운드에 반응하는 저 자신에 놀랐던 기억이 있어요. 예전 음감회 때에 라틴 댄스 동호회와 함께 이벤트를 한 적이 있었는데 춤도 못추면서 춤까지 춰버렸던(?) 적도 있지만요... (웃음)

H: Jinon씨 이런 계열을 좋아하시네요. 게다가 춤까지 춰버리셨군요. 의외에요... (웃음)


04. Marcos Valle - Mais do Que Valsa



ジノン;ブラジルのミュージシャンのなかでソウルの街並に一番似合うのはたぶんマルコス・ ヴァーリなのではないかと思います。不思議なことにどこに行ってもぴったり合います。梅雨の時期はこの曲をよく聞きます。

林;ああ、ソウルの梅雨の時期にこれ、すごく納得です。すごくあいそうですね。


J: 브라질 뮤지션 중에서 서울의 거리와 가장 잘 어울리는건 아마도 마르코스 발레(Marcos Valle)가 아닐까 싶어요. 신기하게도 어디에 가더라도 딱 맞아떨어집니다. 장마철에는 이 곡을 자주 들어요.

H: 아, 서울의 장마철에는 이거군요, 매우 납득이 갑니다. 상당히 어울릴 듯 하네요.


05. Casiopea - Midnight Rendezvous



ジノン;この辺でカシオペア登場です。ファンの間では有名なMINT JAMSというアルバムのライブ映像で韓国のジャズ・コミュニティでは「お酒が進む曲」として愛されました(笑)。散歩BGMがパッと浮かんでこないときに聞きます。この間、村井邦彦さんの本を読んで、この時代のアルファレコードはすごいメンツが集まったんだと改めて感じました。同じレーベルのYMO、吉田美奈子、ハイ・ファイ・セットも僕の夏の定番です。

林;ああ、アルファレコードについてもジノンさん、語れるんですね。ジノンさんの力でカシオペア再評価ムーブメントが来ると良いのですが。


J: 이쯤에서 카시오페아 등장입니다. 팬들 사이에서는 유명한 MINT JAMS라는 앨범의 라이브 영상으로 한국의 재즈 동호회에서는 '술이 잘 넘어가는 곡'으로 사랑받았어요 (웃음). 산책 음악이 잘 떠오르지 않을때 듣습니다. 얼마전 무라이 쿠니히코(村井邦彦)씨의 책을 읽고서 이 시기의 알파 레코드는 엄청난 멤버들이 모였다는걸 새삼 느꼈습니다. 같은 레이블의 YMO, 요시다 미나코(吉田美奈子), 하이 파이 세트(Hi-Fi Set) 도 여름에 자주 들어요.

H: 아, 알파 레코드에 대해서도 Jinon씨 이야기를 할 수 있군요. Jinon씨의 힘으로 카시오페아 재평가 무브먼트가 오면 좋을텐데요.


06. Breakwater - Work It Out



ジノン;このBreakwaterのアルバムはフリー・ソウルにハマってたときに一番よく聞きました。僕にとってはまさにFree Soulそのもので、いつも真夏の夜にアプレミディの窓から見えてくる公園通りの風景を思い出します。

林;ジノンさんが描写してくれる東京ってすごく素敵ですね。嬉しい限りです。


J: 이 브레이크워터(Breakwater)의 앨범은 프리 소울에 빠졌을때 가장 자주 들었어요. 저에게는 프리 소울 그 자체로 언제나 여름밤 아프레미디의 창밖으로 보이는 코우엔도오리의 풍경이 떠오릅니다.

H: Jinon씨가 묘사해주는 도쿄는 정말 멋지네요. 기쁠따름입니다.


07: Small Circle of Friends (STUDIO75) - Summer Knows



ジノン;林さんもご存知のスモール・サークル・オブ・フレンズがSTUDIO75の名義で発売したアルバムからの曲です。一日中ずっと聞いても飽きないです。雨の日、青山通りの散歩BGMの中ではベスト1です!そういえば、初めてスモール・サークル・オブ・フレンズのアズマさん、サツキさんにお会いした場所も青山でした。

林;ジノンさんって、すごく内気そうに見えるのですが、そういう風にいろんな人と繫がっていきますよね。なんかジノンさんの人柄がよくあらわれています。


J: 하야시씨께서도 아시는 Small Circle Of Friends가 STUDIO75 명의로 발매한 앨범에서의 곡입니다. 하루종일 들어도 질리지 않아요. 비오는 날 아오야마 거리의 산책 BGM 중에서는 베스트 원 입니다! 그러고보니 처음 Small Circle Of Friends의 아즈마씨, 사츠키씨와 만난 장소도 아오야마였어요.

H: Jinon씨는 상당히 내성적인 것처럼 보이는데요 이렇게 다양한 사람들과 연결되고 있네요. Jinon씨의 인품이 잘 나타나고 있어요.


08: The Sullivans - Never Again



ジノン;本当に心地良いイントロですね。「世界イントロ大会」みたいなのがあれば、たぶん優勝候補ではないかと思います。ペイル・ファウンテンズやプリファブ・スプラウトに夢中になった頃、突然表れたこの曲にやられました。爽やかな散歩になれます。

林;いつも思うのですが、ジノンさんのその冗談のセンスって「いかにも韓国人」なのでしょうか、それとも「ジノン・オリジナル」なのでしょうか。たぶん後者ですよね。


J: 정말 기분 좋은 인트로네요. '세계 인트로 대회' 같은게 있으면 아마 우승 후보가 아닐까 합니다. 페일 파운틴즈(Pale Fountains)와 프리팹 스프라우트(Prefab Sprout)에 빠져있던때 갑자기 나타난 이 곡에 한 방 먹었습니다. 상쾌한 산책을 할 수 있어요.

H: 항상 생각하지만 Jinon씨의 이런 농담의 센스는 '역시나 한국 사람' 인걸까요? 아니면 'Jinon Original' 인걸까요? 아마도 후자겠죠.


09: Herbie Hancock - I Thought It Was You



ジノン;ハービー・ハンコックのダンサブルなナンバー!とても好きな曲です。笠井紀美子のヴァージョンもいいですが、やっぱり散歩のときはこの長いヴァージョンの方がぴったりです。代々木に住んでた頃にこの曲と共に夜の西新宿の高層ビル群のなかをよく歩きました。

林;なるほど。西新宿の夜にこれですか。ジノンさんの選曲と街散歩シリーズ良いですねえ。さあ次はラストですが。


J: 허비 행콕(Herbie Hancock)의 댄서블한 넘버! 너무 좋아하는 곡이에요. 카사이 키미코(笠井紀美子)의 버전도 좋지만 역시 산책에는 이 긴 버전쪽이 딱 맞아 떨어집니다. 요요기에서 지냈을 때 이 곡과 함께 밤의 니시신주쿠 고층 빌딩 숲 속을 자주 걸었어요.

H: 그렇군요. 니시신주쿠의 밤에 이건가요? Jinon씨의 선곡과 거리 산책 시리즈 좋네요. 자, 다음은 마지막 곡인데요.


10: Carla Bley and Steve Swallow - Lawns



ジノン;ラストはカーラ・ブレイです。彼女のSextetというアルバムに入っている曲で、韓国のジャズ・コミュニティの象徴みたいな曲がいくつかあって、その中の一つです。これはスティーブ・スワローとのライブの演奏ですが、この曲は韓国人の好みがすべて含まれているのではないかと思います。昔は夕暮れの頃にホンデを歩いたら露店でこれが流れていたので、よく立ち止まって聞いたりしました。何か素敵な時代だったですね。

林;韓国のジャズ・コミュニティでカーラ・ブレイが人気あるの、すごくわかるような気がします。日本人と韓国人の違いがここら辺にあるような気がします。韓国で詩人が地位が高いのと何か関係があるような気がしていますが。


J: 마지막 곡은 칼라 블레이(Carla Bley)에요. Sextet이라는 앨범에 있는 곡으로 한국 재즈동호회의 상징과 같은 곡이 몇 개 있는데 그 중에 하나에요. 이건 스티브 스왈로우(Steve Swallow)와의 라이브 연주인데요 이 곡은 한국 사람들이 좋아할만한 취향이 모두 담겨있지 않나 싶어요. 예전에는 석양이 질 무렵 홍대를 거닐면 노점에서 이 곡이 흐르고 있어서 자주 그 앞에 서서 듣고는 했습니다. 뭔가 멋진 시대였네요.

H: 한국의 재즈동호회에서 칼라 블레이가 인기가 있다는거, 잘 알 것 같은 기분이 듭니다. 일본인과 한국인의 차이가 이 부분에 있는 듯한 기분이 들어요. 한국에서 시인이 지위가 높다는 것과 뭔가 관계가 있을 듯 한 기분이 드는데요.


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●Jinon씨와의 왕복 편지 블로그는 여기에요.
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ジノンさん、お忙しいところ今回はどうもありがとうございました。ジノンさんの冗談のセンスが相変わらず爆発していますね。世界をフラットにするためこれからも一緒に動きましょう。

Jinon씨, 바쁘신 와중에 감사드립니다. Jinon씨의 농담 센스가 변함없이 폭발하고 있네요. 세계를 평등하게 만들기 위해 앞으로도 함께 움직이도록 해요.

みなさん、夏、いよいよ本格的ですね。夏バテなんかしていませんか? 良い音楽を聴いて乗り越えましょう。それではまた来月もこちらのお店でお待ちしております。

여러분, 드디어 본격적인 여름이네요. 여름을 타거나 하지는 않으신가요? 좋은 음악을 듣고서 이겨내도록 해요. 그럼 다음달에 다시 이 곳에서 기다리고 있겠습니다.

bar bossa 林伸次
시부야 bar bossa 하야시 신지


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
■品番:UICZ-1646

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【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

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「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪 ・vol.69 石亀政宏 ・vol.70 愛知アンディー有 ・vol.71 三原秀章


bar bossa information
林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

bar bossa
bar bossa
●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
お店の情報はこちら

bar bossa vol.71:bar bossa

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vol.71 - お客様:三原秀章さん(yama-bra会員no.167)
【テーマ:ミルトンから始まった音楽の旅路 10選】



いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今回はyama-bra会員no.167 三原秀章さんをゲストにお迎えしました。


林;こんばんは。早速ですが、お飲物はどうしましょうか?


三原;静かにサンバを聴きたい夜にオススメの飲み物を下さい。


林;良いですねえ。でしたらやっぱりカイピリーニャですね。


三原;お願いします。


林;さて、簡単なお生まれのことを。ええと三原くんは僕と同い年だから


三原;1969年ですね。東京で生まれました。父の仕事の関係で関東を転々とした後、小3から宮城県矢本町、中1から仙台市です。


林;あ、転校生だったんですね。では、小さい頃の音楽の話をお願いします。


三原;音楽が身近にある環境ではなかったです。数少ない音楽のエピソードをあげると、父が愛車フォルクスワーゲンでトリオ ロスパンチョスを好んで聴いていたこと。母が三味線を習っていて、一緒に稽古に行くと、時々ソノシートがおまけについた雑誌を買ってもらえるのが嬉しかったこと。それが音が鳴るものCD.LPが好きな私の原点かも知れません。あとは普通にテレビで歌謡曲を聞くぐらいでした。


林;お母さんが三味線を習っているって渋いですねえ。最初に買ったレコードは?


三原;はじめて買ったEPはゴダイゴの銀河鉄道999。ワクワクする曲調が好きだったのかな? ちなみに音楽の授業は嫌いでした。愛読書は少年ジャンプ。


林;え、999? 同じです。でも僕はサントラLPでした。さすが同い年ですね。では中学はどうでしたか?


三原;中学時代、MTVの放送が始まりまして、プロモーションビデオを見ることで、音楽が好きになりました。はじめて買ったLPは高橋幸宏の「僕、大丈夫!」アルバムタイトルとジャケットが気に入ったから選んだのでしょうか?YMOじゃないところがひねくれ者の自分らしいかなと思います。中2くらいからの愛読書は宝島。サブカルの洗礼を受けました。中3でアズテックカメラ、スミスなどネオアコが好きになって、デヴィッド・シルヴィアンがアイドル。ファッションに目覚めたのもこの頃でした。親にせがんで当時人気があったパーソンズの原色ド派手なピンク色のジャケットを買ってもらい着てました。


林;ああ、その辺りがやっぱり仙台って都会なんですね。仙台や札幌や博多で育った人ってすごくお洒落ですよね。高校はどうでしたか?


三原;高校時代は中学からの友人、坂井薫くんとつるんで洋服屋めぐり。そこでhip hopやレゲエ、J.B.などクラブミュージックに目覚めました。同級生たちはバンドブームだったのでBOOWYなどのコピーバンドをやってましたが、自分の趣味じゃなかったですし、楽器演奏は興味なかったです。高3くらいからクラブ、ディスコに通う毎日。幸か不幸か顔が広い仲間のおかげで全て顔パスでタダで遊べたのでした。そんな訳で道を踏み外してしまいました。外ではhip hopやJ.B.で踊り、家ではデヴィッド・シルヴィアンを聴くというのが自分らしい統一感の無さでしょうか(笑)愛読書はclub kingのフリーペーパーのdictionary、ソノシート付きの音楽雑誌techii。


林;なるほど。僕はバンド側でしたが、やっぱり違いますね。その後は?


三原;高校卒業後は浪人生活とは名ばかりの遊んで暮らす日々でした。親不孝者ですね。DJブームだったこともあり、自分にとって音楽は演奏するものではなくて、調べて、探して、聴くものでしたので、レコード屋に通う日々。今でもコンサートに一緒に行く友人、米地くんにニューオリンズやニューウェーブなど教えてもらって聴いてました。細野晴臣、ヤン富田、小西康晴。彼らがある意味で私の音楽の先生ですね。愛読書はミュージックマガジン。


林;ああ、僕もその時期からミュージックマガジンを読み始めました。レコファンに入ったきっかけは?


三原;友人が突然亡くなったショックから立ち直るため、そして遠距離恋愛の彼女がいたので東京へ。なんでレコファンで働くことになったのか?よくおぼえていませんが、たまたま求人情報がタイミングよくあり、契約社員として働きはじめることに。そこで林くんと出会いました。休憩時間にレコ屋に一緒に行ったりしてましたよね。当時の林くんは、下ジャージで上フェイクファーのコートのロンドンぽい格好をしていた印象が強いので、ネクタイ姿の林くんは違和感があります(笑)


林;あ、そうか(笑)。


三原;林くんがレコファンみんなのベスト盤を集めた文集を作ってくれたんですよね。後に多方面で活躍する人はバイタリティがあって、違うなと思います。その後ブラジルに行くからとレコードを何十枚ももらったんですよ。最近、林くんが録音してくれた20年前くらいのカセットテープを聴き直してみたら、ほとんどバール ボッサのコンピレーションCDと基本的には変わらない内容なんで驚きつつ笑っちゃいました、、林くんには、バール ボッサを渋谷で始めたことと、後に結婚される中島さんとつきあっていることを知った時と、二回驚かされました。


林;え、僕、そんな文集作ったんでしたっけ...


三原;えっ文集のこと忘れたの?(笑)
野球チームに入ったり、同僚の広木くんや松浦さんとしょっちゅう飲みに行ったり、好きな音楽が沢山聴けたレコファンは楽しい職場で辞める理由はなかったけど、東京の人混みが苦手だったのと、ずっと東京で暮らすつもりはなかったので、仙台に戻ることにしました。その時には仙台で中古レコード屋を始めたいと思ってました。ハワイにレコードを買い付けにいったりもしましたが、上手くいかず、その夢を諦め、今に至ります。現在、音楽は趣味です。10代から変わらないのは音楽が好きだってこと。この20年近くはブラジル、アルゼンチン音楽を主に聴く日々。
愛読書はケペル木村さん編集のフリーペーパーMPB。最近の愛読書はlatinaです。


林;さて、これからの音楽はどうなると思いますか?


三原;コンテンツとして、アナログとダウンロードのセットが音の良さ、コレクターズアイテムとしても最強だと思いますが、値段が少し高いのと今持っている大量のCDをLPで買い直すことは難しいから個人的にはCDを買い続けると思います。CDになれてしまいLPを裏返したりクリーニングするのが面倒に感じてしまいますし。

あとはアルバムジャケットのこだわりも大事だと思います。カルロス アギーレの一つとして同じものがないcremaや、植物の種が入っているrojoのアートワークは本当に驚きました。

それからメジャーからインディーズにあえて移り、新作CDをレコ屋で売らない。そしてクラウドファンディングでDVDを作ったりするクラムボンの活動は興味深いです。


林;なるほど。今でも買い続けている人ならではの意見、さすがです。これからの予定は?


三原;これからの予定は特にありませんが、yama-braのメンバーとして、1人でも多くの方にブラジルやアルゼンチンの音楽の素晴らしさを知ってもらえたらと思っています。あとは無人島に行く時に備えて、無人島ディスクの選定作業にいそしみたいです。あらためて私の音楽リスニング人生を振り返る機会をいただけて感謝します。ありがとうございました!


林;そんな三原くん、みずくさい... それではみんなが待っている選曲に移りますが、テーマは何でしょうか?


三原;「ミルトンから始まった音楽の旅路 10選」です。


林;おお、それは期待できますねえ。


01. milton nascimento / milagre dos peixes



三原;私が本格的にブラジル音楽の底なし沼にハマるきっかけはmiltonでした。ボサノヴァは多少聴いてましたが、今まで聴いてきたものにはないプログレ?宗教音楽的な音世界に衝撃を受けました。novelliの普通じゃないベースラインが肝なのかな?当時はネット環境もなくフリーペーパーMPBを読みつつ、レーベル買いをしたり、手探り状態でいろいろと聴いていました。


林;ブラジルはミルトンからだったんですね。確かにミルトンは他にはない世界観があって、はまると出てこれなくなりますね。


02. renato braz.monica salmaso



三原;miltonのCDを買うために通うようになった新星堂カルチェ5仙台店のワールド担当の笠原さんにmiltonが好きならと勧められたのがrenatoとmonicaでした。その凡そ10年後の2008年にrenatoのコンサートを笠原さんと一緒に観れたのは嬉しかった。素晴らしい歌声を持つ2人ですが、eduardo gudinのグループがキャリアのスタートだったはずです。いつか共演アルバムを作って欲しいです。


林;うわ、三原くんとはレコファン以来、全然音楽の話をしていないのに、同じところを好きになってるんですね。グヂン周辺、モニカも良いですよね。


03. roda de samba sururu na roda



三原;新星堂にはサンバのCDも沢山あり、いろいろと聴くうちに好きになったsururu na roda。林くんが働いていたシェラスコのお店バッカーナにレコファンの皆さんと遊びに行ったときに演奏してたのがnilze.silvio carvalho兄妹だったと後に知った時は驚きました。この映像にはサンバの神が宿っています。名曲espelho美しいメロディのコーラスがたまりません。ちなみにバッカーナが作ったnilze達も参加したCDを探しています。余分に持っている方がいたら、是非お譲り下さい!


林;あ、そうか。レコファンをやめた後に僕はバッカーナで働いたから、その時、レコファンのみんなが来てくれたんですよね。僕はこの左から3番目で歌っているニルゼと仲良くなって、ブラジルではニルゼのお家で居候しました。そのCDを持っている人は是非、お声をかけてください!


04. puente celeste / milonga del bicho feo



三原;yama-braのメンバーになったある日の打ち上げの時に、会長がpuente celesteの新譜の話をしていて、その時が音響派以来アルゼンチン音楽を再認識した最初です。その後carlos aguirreやaca seca trioなどを聴きアルゼンチン音楽の底なし沼にもハマってしまいました。今一番コンサートが観たい凄腕メンバーが揃ったグループです。


林;というか、僕は三原くんがヤマブラ・メンバーだって聞いて、びっくりましたが、みんなアルゼンチンに流れましたよね。


05. marcelo camelo / teo e a gaivota



三原;marcelo cameloもまたyama-bra会長がブログで絶賛しているのを読み、好きになったミュージシャンです。ブラジル音楽の要素があまりないロックだけど、よじれて、もたった音にだるそうに美しいメロディを歌うmarceloの音楽は最高です。ブラジルならではの観客の熱狂の合唱が鳥肌ものです。


林;みんな歌ってますねえ。確かによじれて、もたった音にだるそうに美しいメロディです。


06. roberta sa.chico buarque / mambembe



三原;この曲の歌詞の乗せ方リズム感が凄いです。サンバやショーロをベースとしたchicoの作品は美しい名曲の宝庫です。roberta saの歌の上手さとキュートさmarcello goncalvesのギターのグルーヴも素晴らしい。大好きな曲です。ほんとブラジルはギター王国ですね。


林;うーん、良いですねえ。ホベルタ・サー、ブラジル人女性のすごく可愛い感じが出てて良いですねえ。シコもいいし、ギター一本でこのグルーヴもすごいです。


07: esperanza spalding / us



三原;私のアイドルesperanza。彼女のベース、歌声が大好きです。この時のツアーで最初に演奏していたのがこの曲。メンバー紹介から始まるのも珍しいし、こんなにかっこいいメンバー紹介は、ちょっと聴いたことがないです。当時、小学生だった娘と行った忘れられないコンサート。esperanzaの良さがわかる小学生って我が子ながらすごいなと思い嬉しかったです。


林;三原くん、エスペランサ、好きなんですよね。わかります。娘さんと行ったんですね。それは良いですねえ。


08: GUIRO / いそしぎ



三原;仙台のレコード屋さんvolume1(ver)に通うようになって知ったグループです。このお店は店長さんのチョイスが素晴らしいんです。最近はネットで買ってばかりでしたが、やっぱりレコ屋は楽しいです。。ちなみにこの曲は2007年発売の1stアルバムから。私は、ほとんど歌詞カードを見ない人間ですけど、断片的に聴こえる歌詞がすごくいいんです。昨年末久しぶりの新譜ABBAUが出ましたが、これまた傑作です。


林;へええ。すごく良いですね。レコード屋さんでの出会い、最近は少なくなってきましたが、やっぱりいいものですね。


09: itibere zwarg&grupo / festa no cariri



三原;itibereはhermeto pascoalの音楽を次世代の若者たちに伝える活動をしています。一風変わってますが、ブラジル北東部のルーツに根ざした童心を忘れない自由な音楽です。ドライブしながら大音量で聴くとゴキゲンです。今年、観たhermetoのコンサートは音楽をする&聴く喜びに溢れていました。


林;ああ、三原くん、エルメート好きそうですね。うーん、カッコいいですね。


10: tatiana parra.vardan ovsepian / choro meu



三原;ラストはこれです。今まで沢山の素晴らしいコンサートをyama-braで観ましたが、ベスト3に入ると思います。tatianaのハイトーンボイス、vardanのピアノの美しさ、会場の雰囲気、全てがよかったです。このpvでvardanが着ているシャツに似たものをyama-braメンバーで着て2人を出迎えたら、とても喜んでくれたんですよ。


林;そんなシャツの演出まで... ヤマブラ、楽しそうです。


三原;私はライブに行くより、CD.LPを買って聴くのが好きだったのですが、改めて10選したものを見るとライブ作品が多いのが面白いですね。若い時は、ロックのギターソロやジャズのアドリブソロなんて必要ないって思ってましたが、年を重ねて趣味、趣向が変わったのかもしれないですね。


林;確かに音楽の趣味って年齢で変わっていきますね。これからもまた変わるかもしれないと思うと楽しみです。


三原くん、お忙しいところどうもありがとうございました。


三原秀章 Twitter

yama-bra web


もうすっかり夏の気配がしていますね。みなさん良い音楽は聞いていますか? 
それではまた来月こちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
■品番:UICZ-1646

アマゾン詳細ページへ


【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

barbossa_cover450.jpg

■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

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「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪 ・vol.69 石亀政宏 ・vol.70 愛知アンディー有


bar bossa information
林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

bar bossa
bar bossa
●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
お店の情報はこちら

bar bossa vol.70:bar bossa

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vol.70 - お客様:愛知アンディー有さん(LONG WALK COFFEE)
【テーマ:ウチ(LONG WALK COFFEE)をキッカケにJAZZをもっと知りたい聴きたいと思ってくれる方に僕が薦めたい10曲】



いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今月はゲストにLONG WALK COFFEEの愛知アンディー有さんをお迎えしました。


林;いらっしゃいませ。早速ですがお飲物はどうしましょうか。


アンディー;いつもは最初はビールと言うてしまうのですが、折角のbossaさんなので、軽めのフルーティーな赤ワインでオススメをください。


林;かしこまりました。でしたらロワールのヴァランセイなんてどうでしょうか。ガメイとピノ・ノワールでかなり可愛い感じです。


アンディー;その可愛いので。


林;アンディさん、最初沖縄の人なのかなとか思ったのですが、ハーフなんですよね。お生まれと小さい頃に聴いていた音楽なんかを教えてもらえますか?


アンディー;1985年、大阪の豊中市生まれです。父がスコットランド人でかなりの幅広い音楽好きなのですが、小学4年くらいまでは影響を受けることもなくただのサッカー少年でした。音楽で最初に好きになったグループはB'zで、当時アニメやドラマの主題歌にもなったりしていて、コンサートに行きたくなりチケットをとる為にファンクラブに入会し人生初のコンサートは小学生5年生で母とB'zを見に行きました。


林;B'zを小学5年生、やっぱりお若いですねえ。中学生になるとどうでしょうか?


アンディー;中学生になると1つ上の兄と兄の友達がギターをやりだして洋楽や邦楽のロックを聴きだし、自分も影響を受け始めます。洋楽はちょうど『NEVER MIND』が出て10周年で、よくロッキンオンやレコードコレクターなどの雑誌の表紙になっていたNIRVANA、そして邦楽は当時はガレージロックとかも知らなかったですが、売れてるバンドの中では雰囲気があきらかに異質に見えたミッシェルガンエレファントなどをよく聴いていました。


林;ミッシェルガンエレファント、カッコいいですよね。アンディーさんは楽器はしなかったんですか?


アンディー;この頃ギターを始めました。中2の時です。とにかくNIRVANAにハマりにはまり、唯一のオフィシャルVHS『LIVE TONIGHT SOLD OUT』は毎日見てました。まだ当たり前ですがYouTubeなどはないので動いて演奏しているのが見れる唯一だったのでひたすら見すぎて他のも欲しくなり小遣いやバイト代は海賊版のNIRVANAのVHSやCDに消えていくばかりでした、中3の頃に同級生とNIRVANAオンリーのコピーバンドを組みます。ここから27歳くらいまでバンドをずっとやってしまうことになります(笑)。


林;中3の時にNIRVANAのコピーバンドですか。やっぱりお父さんから教わった英語が生きたんですね。


アンディー;いや、僕、英語しゃべれないので。


林;そうなんですか。ええと、高校はどうでしょうか。


アンディー;サッカーは中学までは続けていたのですが高校はもちろん帰宅部、寝ても覚めてもバンド。音楽な青春でした、父が持っていた昔の音楽のCDやカセットテープを借りたり貰ったりしてリアルタイムで見てきたライブの話も聞いたり知識も増え続け色々な年代やジャンルを好きになり、分かったのが姿勢にPUNKをかんじるものが好きだと気づきました。新しい年代の音よりも昔の音楽のほうが好きだなというのもこの頃に思うようになります。


林;アンディーさんの世代だとNIRVANAからパンクへさかのぼる感じなんですね。そして?


アンディー;もちろん10代まではTHEナントカみたいなガレージ再ブームもちゃんと聴いたりはしてましたが。バンドの方は無事にコピーバンドは卒業して高2の頃からオリジナルをやりだして外の小さいライブハウスなどに出るようになります、最初はドラムのやつの家がすごい田舎でドラムキッドも持っていたのでアンプとかも家に置いてラジカセにマイク繋いだりして家で練習していましが(笑)オリジナルをやりだして週一回はスタジオに入るようになるので週末はだいたいバンドでスタジオみたいな高校生活でした、ナントカ卒業できるくらいしか勉強もしないくらい音楽にヤラれてました。


林;おお、すごく良いですねえ。高校卒業後は?


アンディー;高校卒業後は大学には行かずに喫茶店やカフェ、ライブハウスを掛け持ちでアルバイトをしながらバンド活動を続けました、これが26歳くらいまで続くのですが色々なことでバンドが解散となり、刺激を求めて26歳フリーター1人上京します(笑)。


林;お、何か始まりそうですね。


アンディー;東京で仲良くなった男友達と呑みやライブに遊びにいってばかりでバンドは結局、元々やっていたやつをもう一度やろうとなって東京大阪も行き来しながらやってました。この頃にその友達と行ったイヴェントでお互い知り合いが出ていたから来たという今の嫁と出会いました。音楽が好きで同い年で同じくギターをやっててバンドもやってるとのことで連絡をとったり会ったりしてるうちに付き合いだします。当時彼女は西荻窪に住んでて、好きな店があるから行こうと連れて行かれたお店がJUHAでした。


林;あ、ここでJUHAさんが、出てきましたね。


アンディー;お店はもちろん、店主の大場さんの雰囲気もすごくかっこよくてレコードにそれまでは興味はなかったのですが彼女もプレーヤーをもっていてレコードを聴いてたりしたので興味をもち始めます。そこでまたレコードで買い出すなら折角なのでJUHAで聴いたような今まで自分が通ってきていないJAZZにハマろうと思い、そこから現在に至るまでは殆どJAZZを中心にアナログレコードで買うというスタイルになりました。


林;なるほど。そういう経緯でしたか。


アンディー;そして上京1年半目にして今の嫁との間に(当時はもちろん彼女)第一子を授かります。僕はフリーター、嫁は大学にまだ行ってる学生ということもあり話し合いの末、連れて帰阪します。そこから飲食店で契約社員で働いたり、珈琲会社で営業の仕事をやったりしながらたまに東京に遊びにいっては東京はJUHAを筆頭にロンパーチッチやトムネコゴなどに行き、東京には僕たち世代に近い人がやってる良い店がたくさんあるのに大阪はホントにあまりないなと思い、飲食業や珈琲が好きということから昔から何となくバンドやらなくなったらいつか店とかやりたいなとか思っていたりしたのを31歳になる年の30歳の時にほとんど遊びで不動産屋とか見てた延長からホントにだんだんその気になってきて今の場所で決めてしまい仕事も辞めると行ってお店を始めてしまいました。ほんと半分はヤケクソというか勢いです(笑)。


林;いや、勢いって大切ですよね。


アンディー;お金の面では僕が大学に行かなかったので親が大学行くように自分に貯めてくれていた貯金があったのと居抜きの物件だったのである程度リフォームはしましたが初期費用を抑えれたのと、あと、少し両方の親から借りたりでお店ができたのはすごくラッキーだと思います。


林;これはみんなに聞いているのですが、これからの音楽はどうなると思いますか?


アンディー;これからの音楽のことは僕にはまったくわからないですが店をこういう形で始めて、ウチをキッカケにJAZZに興味が出たとか僕との会話で勉強になります、なんていう方もいらっしゃるので常に音楽はもちろん多方面にアンテナは張っておかないとな、と思います。けどホント逆に勉強させてもらってますという感じになることもたくさんありますね。


林;なるほど。これからはどうされる予定ですか?


アンディー;もうただ地道に店を潰さないように家族と生活していけて好きなレコードも買えるように日々コツコツ、という感じです。もっともっと音楽を知りたい聴きたいというのが店をやりながらできればこれ以上はないかと。


林;なんかすごくリアルな予定ですね(笑)。さて、みんなが待っている選曲ですが、まずテーマは何でしょうか?


アンディー;テーマは『ウチ(LONG WALK COFFEE)をキッカケにJAZZをもっと知りたい聴きたいと思ってくれる方に僕が薦めたい10曲』です。


林;良いですねえ。それでは聞いてみましょうか。


01. Chet Baker - Summer Sketch



アンディー;チェットはJAZZが好きになり誰かにハマろうと思って最初に好きになったし今でも一番好きですね。店のレコードの中でも一番持っていて(多分50枚くらい)1曲なんてとても選べないのですが聴いたことない方に聴かすなら唄ってるものか後期の枯れまくった頃かもと悩んだのですが初めて聴くとなれば初期のラス・フリーマンとやってる頃のこの曲が良いと思います。なんかジブリで使われてそうな世界観ですよね、この曲。


林;え、ジブリで使われてそうですか? それがよくわからないですが(笑)


02. Art Pepper - Everything Happens To Me



アンディー;アート・ペッパーも大好きでよく初期がいいと言われていて、僕はどちらも好きですがあえていうなら後期派です。このロードゲームのこの曲の力強く説得力あるアートがなんとも涙ちょちょぎれてしまいます。ウインタームーンしかり後期のアートにはずれなし!と言いたくなります。


林;ああ、アンディーさん、こういう感じなんですね。こう言ってしまうと怒られるかもですが、すごくお洒落なんですね。


03. Night Lights - Gerry Mulligan



アンディー;イントロ数秒でヤラれます。アルバム全曲名曲なのですがアート・ファーマーのチェットかと思わせるような泣きの枯れにジム・ホールのギターももちろん、マリガンはこの曲ではバリトンじゃなくピアノでしかもすごく良いメロディー。嫌いな人はいないだろうと思われる名曲ですよね。


林;仰る通りですね。ほんと嫌いな人はいないと思います。


04. Bill Evans - Loose Blues



アンディー;エヴァンスは店を始めてからかけやすいのもありたくさん聴いてるうちにハマりました。トリオはもちろん、デュオやソロ、ヴォーカルとの共演と良いものがホント多いですがなかでもこのインタープレイのやつが凄い好きです。フレディー・ハバードとのやつもよいのですが、ズート・シムズとのこの曲が特に好きです。ズートもエヴァンスにもってかれて普段のスイング感もありながら熱いようで冷めた感じになっているのがなんともいえず良いですね。


林;ああ、やっぱりすごくクールな中に抑えた情熱みたいなのが好きなんですね。アンディーさんの趣味がわかってきました。


05. Jazz Men Detroit(ケニークラーク)- Afternoon in Paris



アンディー;ジョン・ルイスの名曲ですがこのメンツでやったやつがサイコーです。ケニー・バレル、トミー・フラナガン、ポール・チェンバース、そしてなんというてもペッパー・アダムスが本当に良い!チェットの『CHET』もいいプレイしてますがこれでペッパー・アダムスにハマってしまいました。ジャケットもなんか可愛くてよいです◎


林;なるほど。やっぱり品が良いですね。アンディーさん、ロックやってたんですよね?


06. JOHN LEWIS - Little girl blue



アンディー;5の流れでそのままジョン・ルイス。JUHAマスターからの受け売りでそのまま受けてハマってしまいました、このアルバムはホント店でよくかけてますし雰囲気も固すぎず緩すぎずでちょうどよいです。なかでもこの曲にはピンと張った何かが緩まっていくような解放感みたいなものを感じられて好きです。


林;おお、すごく良いですね。確かにカフェでこれかかっているとすごく良いかもです。


07: Miles Davis Sextet - On Green Dolphin Street



アンディー;JAZZを聴きたいけどホント何も知らないんだー、みたいな方なら100%これから聴いたらと思うくらいの入門編だと思うのですが今でもやっぱりかけた瞬間トリハダたっちゃう時ありますね(笑)『1958MILES』はホント全曲名曲なのですがなかでも一発目のこの曲ははずせません、エヴァンス先生も爆発しております。


林;良いですねえ。確かにジャズのカッコよさみたいなのがわかりやすく伝わりそうです。でもほんとアンディーさん、選曲が意外と(ごめんなさい)品が良いんですね。


08: Zoot Sims - Come rain or come shine



アンディー;安定のズート・シムズ。ホントいつの時代のものを聴いてもハズレなしなのですが、バッキー・ピザレリとやってる何枚か持ってるものは全部好きです。ニルヴァーナのこの曲には名曲をさらに名曲にといった文句の付け所なしの説得力ある名演奏だと思います、このアルバムで言えばバディー・リッチが唄ってる曲やラスト曲のバッキー・ピザレリ1人の「SEND IN THE CLOWNS」も大好きです。


林;原曲、すごく好きなのですが、良い演奏ですねえ。震えますね。


09: Nat King Cole - Call the Police



アンディー;これもJUHAパイセンの受け売りをそのまま受けてハマりました、『Early 1940's』という2枚組のLPがとても良く、これだけでもナット・キング・コールで充分お腹いっぱいになれる内容です。中でもこの曲にはノセられてしまいますね。


林;楽しいですねえ。こういうのかかっているカフェ、すごくカッコいいですね。


10: Tom Waits - Grapefruit Moon



アンディー;ラストはトム・ウェイツ、もう昔から大好きで初期の5枚くらいまではJAZZではないですがジャジーな雰囲気で聴いてもらいアーティストです。ウチに貼ってるポスターもチェットとトム・ウェイツなのです。店主トム・ウェイツの話をされると喜びますので是非とも振って頂いけたら(笑)映画とかに出てるトム・ウェイツのもオススメしたいのたくさんありますよ!


林;なるほど。トム・ウェイツがアンディーさんのスターなんですね。なんか全部が理解できました。


アンディーさん今回はお忙しいところ、どうもありがとうございました。
みなさん、是非、LONG WALK COFFEEさんに行ってみてくださいね。アンディーさん、すごく魅力的な方ですよ!


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もうすっかり初夏な気分ですね。暑い日に振り回されずに、良い音楽を聴いてみたいものですね。
それではまた来月、こちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
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【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
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その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪 ・vol.69 石亀政宏


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林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

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●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
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bar bossa vol.69:bar bossa

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vol.69 - お客様:石亀政宏さん(夜長茶廊)
【テーマ:これまでの人生でターニングポイントとなった10曲】



いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今月は鳥取の夜長茶廊の石亀政宏さんをゲストに迎えました。


林;いらっしゃいませ。こんばんは。早速ですがお飲み物はどうされますか?


石亀;カイピリーニャを甘めでお願いします!


林;甘めですね。かしこまりました。では簡単なプロフィールと小さい頃の音楽環境を教えていただけますでしょうか。


石亀;鳥取県中部にある倉吉市、1977年生まれです。三人兄弟の長男。
オールディーズが好きな父の影響で、昔の英語のヒット曲が好きな幼少時代でした。その中でもビートルズは確か編修盤のテープだったと思いますが、特に繰り返し聴いていたのを覚えています。「ラブミードゥ」とか、「チケットトゥザライド」とか。あとは家にあったレコード棚の中から、キャロル・キングとか、ニール・ヤングとか、ウェス・モンゴメリーとか、なんだろう? という感じで聴いていたのを覚えてます。


林;うわ、良いですねえ。最初に買ったレコードは?


石亀;こづかいを貯めて初めて買ったのはブルーハーツのシングルテープでした。A面が「電光石火」B面が「ラブレター」でした。 どっちも格好良かったなあ、擦り切れるまで聴きました。初めて買ったアルバムは、すこしうろ覚えですがパーソンズ『ノーモアティアーズ』だったと思います。


林;ブルーハーツとパーソンズ、わかります。その後は?


石亀;中学高校と陸上部に入って長距離を走っていました。高校の時に仲の良かった1つ上の先輩・島田さんがメタルやオルタナ・グランジが好きで、お互いの持ってるCDの貸し借りをしたり、ダビングテープやラジオ録音のテープや衛星放送の音楽番組のビデオを交換したりして熱心に聴いてました。

当時の鳥取には外資系のレコード店はもちろん、新星堂や山野楽器のような国内の販売店も無く。町の小さなCD屋さんの品揃えに頼るしかなかったんです。もちろんインターネットも無く。なので本当に欲しかったレッチリやニルヴァーナ、パールジャムやスマパン、ウィーザーなどのCDは殆ど手に入りません。逆に品揃えがとっても充実していたヘヴィーメタルは、メタリカやメガデスに始まり、古いのから速いのから遅くて重いのまで。日本からブラジル、北欧まで色々聴いてました。

『音楽っていろいろ有るよなあ』 と初めて思ったのはメタルがキッカケです。一口にジャンル括りしてあっても、こんなに細分化され多種多様に好みが分かれるものかと思い知らされました。なので未だに音楽ジャンルの話題になると僕は真っ先にヘヴィーメタルの事を考えます。


林;最初はメタルなんですね。意外ですが、でもメタルへの取り組み方が石亀さんらしいような。


石亀;ラジオから知る音楽も凄く貴重でした。当時特に好きだったのはNHK- FMカヒミカリィさんの「ミュージックパイロット」というラジオ。ネオアコを中心にジャズ、フレンチやブラジル音楽まで。ジョアン・ジルベルトやゲンズブールを初めて知ったのも、ファンタスティック・サムシングやアップルズ・イン・ステレオを知ったのも、このラジオがきっかけでした。 録音したテープを捨てずに未だに残しています。自分でテープ編修し始めたのもこの頃だったと記憶しています。


林;ラジオ、大きいですね。


石亀;上京し都内の大学に入り、すぐに音楽サークルに入りました。 音楽サークルと言っても演奏する訳でなく、リスニングサークルです。好きな音楽の情報交換したり、時々都内の小さなクラブを借りてイベントをしてました。新宿のジャム、下北沢のナイヤビンギやベースメントバー、池尻大橋のカヴァー、渋谷のエッジエンド、ナッツ、宙。 吉祥寺のフォースフロア。高円寺のマーブルトロン。恵比寿のエンジョイハウス、カラーズ。 沢山の場所にお世話になりました。今突然思い出したんですが、そういえば夏合宿もしました。夏、オフシーズンにスキー場の宿泊所を借り切って、全て機材を持ち込んで朝から順番でDJしたり、バーベキューをしたり、だらだらと花火をしたり。体育界ノリが無く、フラットでゆるくって、楽しかったです。
その時にサークルの枠を飛び越えて仲良くなった友人に、 現在になっても濃く繋がれている人が多く嬉しく思います。その後、音楽関連の仕事を続けている方が多い事にも、改めて考えるととっても感慨深いですね。


林;リスニングサークルってあるんですね。知りませんでした。いやあ、でも色んなお店の名前が圧巻です。ユニオンにはいつごろ?


石亀;ディスクユニオンにアルバイトで入ったのはその後のことです。 当時は【お茶の水明大前店】という名前の古いビルの3階、ジャズフロアに入社しました。レコードフロアからスタートし、何年かして新品のCDを扱うフロアに移りました。担当していたスタッフの退職がきっかけでブラジル音楽の小さなコーナーの管理を任され、聴き進めるうちにすっかりのめり込んでしまいました。

当時関連の再発シリーズが新譜として並んでいたこともあり、ムジカ・ロコムンドはもう擦り切れるくらい読み込みました。 その時廃盤になっていたタイトルは近所のジャニスで借りたりして、気になった音源を毎日夢中で聴き進めました。今ふりかえると、この時の小さなブラジルCDコーナーが、数年後から退社するまで働いた新宿本館のラテン・ブラジルフロアに移るきっかけだったと思います。


林;なるほど。


石亀;ディスクユニオンに入って強烈に感じたのは、聴けば聴くほど、知れば知るほどに裾野が広がっていく音楽の底知れない楽しさ。例えば古巣であるラテンブラジルフロアであれば、古いキューバのレコードから最新のブラジル新譜まで、どっちを向いてもまだ知らない音にあふれている事に身震いする思いでした 。

そして今まさに生まれつつある音のなんと多い事! 特にブラジル新譜のリリースタイトルの多さは凄まじいものがありました。それをお客様とシェアする事の楽しさを知りましたし、伝える事の難しさも同時に感じました。『これ良いですよね』のその先、オススメの作法のようなもの。そして、この音をまだ全く聴いた事の無い人にどう伝えれば興味を持ってもらえるだろう?と考え続ける事。すこし飛躍するようですが、今のお店をやる時に凄く役に立つ経験だったと思っています 。


林;これを読んでいる方も石亀さんの接客を覚えている方、多そうですね。お店を始めるきっかけは?


石亀;大学に入ったのをきっかけに上京しましたが、故郷の鳥取にはいつか帰るつもりでいました。帰るとして、さて仕事をどうするか?妻と2人でいつかはお店をやりたいね、と話していましたので帰鳥したタイミングで直ぐに物件探しを始めました。ずっとお店を出したいと思っていた場所をどうしてもお借りする事が出来ず頓挫。その後現在の物件と偶然巡り会うまで結局9ヶ月かかりました。


林;9ヶ月は長いですね。でも良い出会いでしたね。お店のコンセプトは?


石亀;場を拓くとして、コーヒーを出そうと決めてました。でも今のように『インドカレーの食べられる喫茶店』をしようとは思ってもいませんでした。鳥取は水が美味しいんです。野菜も米も魚もお肉も、どれも新鮮で美味しい。ということはここに住む人が、お家で食べている毎日の御飯もおいしいんです。その中で、お店として何を出せば喜んでもらえるか? とあれこれ考え、僕達2人が毎日でも食べたいインドカレーを出す事に決めました。ボツになった案だと、僕が作ったチャーハンをメニューに入れることまで考えてました。

ここに居ますという場を持てたことで思うのは、楽しく繋がってくれる人のなんと多い事。きっかけはなんでも良くって。コーヒーでも、音楽でも、インドカレーでも、それが猫でも、マラソンでも。楽しく繋がってくれた人に、できるだけ大事に答えたい。というのが4年半お店をやって素直に思うところです。


林;地震はどうでしたでしょうか。


石亀;いやあ恐ろしかったです。でもその後ビックリするくらい沢山の方に助けて頂きました。涙が出るくらい嬉しかったです。鳥取は大丈夫だろうと何故か勝手にたかをくくっていました。でも日本という小さな島国には、数多くの断層があるんですから、絶対安全な場所なんてもしかしたら無いのかも、というのが今の正直な気持ちです。その中で先の地震では幸いけがをする人も殆どおらず、これは自然に守られているのかな、とも感じました。ただ夜長茶廊のある、倉吉旧市街の古い町並みはこの数年で多少の様変わりを余儀なくされるだろうと思います。


林;これからの音楽、どうなると石亀さんは思いますか?


石亀;夜長茶廊の音楽会、という名前でアーティストを招いて何度かライヴをする機会を持てました。正直言って、僕はそれまで熱心なライヴファンでは無かったんです。ライヴアルバムより断然スタジオ録音盤が好きでした。一部のサンバの録音を除き愛聴盤も数えるほどでした。

夜長茶廊は小さなお店なので、もしPAを使っても最小限程度。 至近距離で奏でられるほぼ生音に近い音楽は、それぞれ鳥肌の立つような体験でした。その場に来て下さった方が何かを持ち帰る事が出来るような、ささやかだけれど日常に新しくリズムが出るような濃い時間。

音楽がどうなるのか?というのはとっても難しいお題ですが、アナログは必ず残ると思っています。 そこには体験が多く含まれると思うからです。


林;アナログ、残ってほしいですよね。今後はどうされる予定ですか?


石亀;コーヒーと音楽とインドカレーのお店、夜長茶廊。 今後は音楽について楽しみを増やそうと思っています!


林;期待しております。それではみんなが待っている選曲なのですが、まずテーマをいただけますでしょうか。


石亀;「これまでの人生でターニングポイントとなった10曲」です。


林;おお、面白そうですね。


01. Weezer - Undone -- The Sweater Song



石亀;有島博志さんのグランジ特集のラジオで『Buddy Holly』を聴いたのがきっかけでウィーザーを知りました。高3の冬、大学受験の宿代を浮かせて広島駅前のヴァージンメガストアでファーストを購入。 何てちょうどいい僕のための音楽を発見したんだろう、と思ったのを覚えています。うーん、はずかしいですね!


林;「何てちょうどいい僕のための音楽」って素晴らしいフレーズですね。僕もいつか使わせてください(笑)


02. The Apples In Stereo - Tidal Wave



石亀;他のサークルの熱の入った新入生勧誘合戦を尻目に、ポータブルのプレーヤーでやる気無くアップルズや、かせきさいだぁの7インチのレコードをかけていたのが印象的で、"ラヴドルフィン" と言う名前のリスニングサークルに入りました。 現在は屋久島にて【一湊珈琲焙煎所】を営む高田さんは、サークルの創設メンバーで2つ上の先輩です。


林;屋久島でそんなお店があるんですね。これは興味津々です。


03. Nina Simone - Little Girl Blue



石亀;沢山コンピレーションを聴きました。ジャズだとJazz Juice、Blue Brake Beats、Talkin Jazz。Acid Jazzにも夢中でした。「Mood Indigo」 が欲しくて買ったニーナ・シモンのファーストでしたが、この曲が本当にショックで、数え切れないくらい繰り返し聴いたのを覚えています。モダンジャズと括られるものの幅広さも知りました。


林;うわあ、すごい良い曲ですね。明日、買います!


04. Pharaoh Sanders - Love in Us All



石亀;竹村延和さんが初期remixで紹介されてたのがきっかけで、当時ずっと探していました。レコードで手に入れたときの嬉しさは今でも覚えてます。Joe Bonnerのアタックの強いピアノは今聴いてもゾクゾクします 。


林;カッコいいですねえ。ここまで聞いてきて石亀さんの趣味が完璧に把握できました。混沌の中に光る純粋さのような感じですよね。


05. Wayne Shorter feat. Milton Nascimento - Ponta De Areia



石亀;ミルトン・ナシメントに出逢ってなければ、ブラジル音楽にここまでのめり込む事もなかったかも知れません。どこか土の匂いのする不思議な声の魅力、おおらかなスケール感。この後、クルビ・ダ・エスキーナの作品群をはじめミナスの音楽を貪るように聴きました。


林;このアルバムでブラジルに転んだ人、全世界に多そうですね。


06. Elis Regina & Tom Jobim - Aguas de Março



石亀;オリジナルテイクの圧倒的な空気感は本当にショックでした。数々のカバーがありますがチボ・マットのカバー(『SUGAR WATER EP』 SIDE B収録)は好きで良く聴いてました。この動くエリス&トムも楽しそうで良いですね!


林;今でこそ普通に感じますが、ミラクルな演奏ですよね。


07: Maria Rita - Feliz



石亀;現行のブラジル音楽に強く惹かれるきっかけに、マリア・ヒタの存在が大きかったです。彼女にピントが合った事で、気になるアーティストがキラ星のように増えて行きました。その可能性には、もう目が眩むような想いがしたのを覚えています。最新のライヴ盤も素晴らしかったです。


林;なるほどなるほど。でもこのマリア・ヒタ、可愛いですね。


08: Guinga - Cheio de Dedos



石亀;一番好きなガット奏者は?と聞かれたらギンガと答えます。参加ゲストも豪華なファーストより。こうやってリンクを探してみると以前にも増してオフィシャルで音がアップされていて正直驚いています。YouTubeあなどれないですね。


林;ああ、一番がギンガなんですね。もうすごく納得です。良いですよねえ。


09: Emilio Morales - Las perlas de tu boca



石亀;キューバ音楽にも好きな作品がどんどん増えました。 エミリオ・モラレスのアルバム『Con cierto tumbao』は上品すぎず、かといって激しすぎず、ちょうど良い塩梅で愛聴しています。


林;あの新宿のフロアは本当に日本の音楽を豊かにしていると思います。エミリオ・モラレス、チェックしてみます。


10: Paloma - Aca Seca Trío



石亀;ラテンブラジルフロアに勤めた最後の4年位(2009年~13年)、アルゼンチンから届く新譜への注目度が、急激に高まって来たのを今でも覚えています。アンドレス・ベエウサエルトのソロ作『Dos Rios』は個人的にも愛聴していて、昨年は岡山・蔭凉寺(いんりょうじ)にて遂に、アカセカトリオでもライヴを観ることができました。素晴らしい体験でした。


林;石亀さん、聞き方の筋が通ってて、すごくバランス良いですね。鳥取の方が羨ましいです。


石亀さん、今回はお忙しいところ、どうもありがとうございました。鳥取の近くにお住まいの方はもちろん、旅行で行かれる方は是非、夜長茶廊さんに行ってみてください。


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GW真っ只中ですね。休んでいますか? 良い音楽を聴いていますか? 
それではまた来月、こちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
■品番:UICZ-1646

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【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

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「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪


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林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

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18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
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