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bar bossa vol.81(最終回):bar bossa

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vol.81 - お客様:三枝伸太郎さん

【テーマ:自分に影響を与えた10曲】


いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今月はピアニストの三枝伸太郎さんをゲストに迎えました。


林;こんばんは。早速ですがお飲み物はどうされますか?


三枝;ちょっと個性的な感じの面白い赤ワインをお願いします。


林;かしこまりました。でしたら、アンジュ・ヴィラージュはいかがでしょうか。白檀の香りがしますよ。


三枝;ではそれを。


林;ではこちらになります。三枝さんの簡単なプロフィールと小さい頃の音楽環境を教えていただけますか?


三枝;1985年生まれ、母親の実家近くの病院で生まれたので、一応大阪生まれということになりますが、家は横浜にあったので、生まれてすぐ横浜に帰ってきて、ほぼ横浜育ちですね。母親がピアノの先生をしていたので、自然とピアノには触れていました。練習は嫌いだけど人前で弾くのは好き、という子供だったみたいです。小学校五年生の時に親の転勤で札幌に引っ越しをすることになり、札幌でピアノを習っていた先生が田代慎之介さんというピアニストなのですが、ハンガリーのリスト音楽院で勉強された方で、ベラ・バルトークという作曲家の作品を得意にされていて、そこで僕もバルトークの音楽をたくさん弾くようになって、これは今まで聞いたことがないしかっこいいぞ、と、改めて音楽の魅力というものを感じました。


林;なるほど、お母さんがピアノの先生だったんですね。初めて買ったCDは?


三枝;小学校の時は学校でとんねるず が流行っていて(仮面ノリダーとか)、初めて買ったのはとんねるず のCDだったのですが(笑)、それはノーカウントとすると、最初に買った記憶があるのは矢野顕子さんの「スーパーフォークソング」だったと思います。多分テレビで矢野さんの曲が流れていて、CDショップとかでなんとなく手に取ったのだと思いますが、記憶があんまり。。。今でも矢野顕子さんの中ではこのアルバムが一番好きです。学校ではみんなミスチルとかゆずのシングルを聞いていて、僕は全く意味がわからなかったという記憶があります。ダサいな、と感じたとかじゃなくて、意味がわからない、みたいな感じで、自分がおかしいのかも、と思っていました。(ちなみにこれは高校卒業するくらいまでそうで、みんなが好きなものなんだから良さが分からないってことはないはずだし、頑張って聞こう、と思って、テレビの歌番組とかもきちんとチェックしていました。)


林;そういう環境だとミスチルやゆず、分からないのかもですね。その後は?


三枝;そのうち色々音楽を聴くようになるのですが、The Residentsというバンドがあって、音楽もですがビジュアルがかなり強烈でそれにはまってしまって、そこから急激にアヴァンギャルドよりなものを聴くようになりました。当時札幌には個性的なレコードショップが何件かあって、一番覚えているのはMONTONSONというノイズミュージックと現代音楽を主に扱っていた店なんですが、そこで色々聞かせてもらって、一時期はノイズミュージックばっかり聞いていたりとか。。いわゆる現代音楽みたいなものもたくさん聞きました。

同時にジャズも好きで、ビル・エヴァンスのCDを聞きながら見よう見まねで真似してみたりとかやってました。高校受験を機に横浜に帰ってくることになって、都内の高校を受験しようと思って調べていると、青山学院の付属高校にはモダンジャズ部というのがあるのを知って、そこを受けました。後から聞くと、矢野顕子さんとか桑田佳祐さんとかはそこの出身らしく、結構歴史のある部活だったらしいのですが、僕が入学したころには実質はただの軽音楽部になっていて、みんなMr.Bigとかをやっているような感じでがっかりした記憶があります。でも一応在籍はしていて、ロックって、あんまりキーボーディストは目立たなくて困るので、色々自分で探して友達にプレゼンして、かっこいいオルガンソロがあるディープパープルとか、イエスとかの曲を混ぜてもらってやっていました。あとはブラバンの人たちと一緒に、ちょっとジャズっぽい、当時流行ってたエゴラッピンとかオレンジペコーとかをやったりして。


林;そこ、有名な部ですよね。そんな感じなんですね。さて、高校の後はどういう展開になったでしょうか?


三枝;高校に入ってから作曲の勉強を始めて、大学は青山に行かずに音大の作曲学科に行くことになりました。作曲を学んでいたのですが、同時にピアノも弾いていたし、もし音楽でうまくいかなかったら普通に就職活動しよう、くらいに思っていたのですが、ある時、先輩の紹介でバンドネオン奏者の早川純さんのグループに入ることになって、アルゼンチンタンゴという音楽に出会いました。そのグループで扱っていたのは、タンゴの中でもかなりモダンなもの、ピアソラよりも新しいもの、という感じで、ピアソラ、モサリーニ、ロビーラ、ディエゴスキッシのアレンジなんかもありました。その後、早川さんの師匠にあたる小松亮太さんの現場にも行くようになって、小松さんはタンゴ への愛がとても深い方で、タンゴって何、みたいなことをしばらくみっちり教えて頂きました。

あとは、のちにサンダンス映画祭で短編部門のグランプリを取ることになる長久允くんっていう高校の同級生がいて、彼が映画を撮りたいっていうことで連絡をくれて、映画音楽を初めて作ってみたりとかして、その繋がりで演劇やダンス、映画のための音楽も少しずつ作って行くことになりました。


林;そういう形でタンゴに出会ったんですね。


三枝;大学院まで行かせてもらって、いろんな現場で勉強もしながら、仲間がやっているバンドにも参加したりしながら、のんびりとやっていたのですが、自分のバンドをやりたいな、という思いはずっとあって。アルゼンチンタンゴを演奏する機会がたくさんあったんですが、でも自分はジャズも好きだし、ブラジル音楽も好きだし、映画音楽も書いていたし、好きなものを全部ひっくるめてやれるような音楽を目指してて、キップ・ハンラハンのビューティフルスカーズってバンドとか、ピアソラのコンフントヌエベってバンドとか、要するに大編成のバンドがやりたかったので、実際に動き出すのは大変だなあと思って足踏みしていたのですが、当時よく共演していた沖増菜摘さんというヴァイオリニストが、いいからとりあえずやってみろ、という風に言ってくれて、自分のバンドを作ることになりました。

これは現在でも続いているのですが、まずはピアノ、バイオリン、チェロのトリオ、のちにピアノ+バンドネオン+弦楽四重奏、やがて現在の形の、ピアノ+バンドネオン+弦楽四重奏+ベース+パーカッション+ボーカル、という形に、少しずつ増やして行く形で活動してます。三枝伸太郎 Orquesta de la Esperanzaというグループです。





ピアノもひいて、自分で譜面も書く、メンバーも集める、みたいなことが最近は多いです。映画や舞台の音楽の仕事でもそうだし、歌手のサポートをする、みたいなコンサートでも、そういう形で参加することが多いです。必要に迫られれば、指揮みたいなことも最近はします。けど難しいです。


林;大編成のバンドがやりたいって、現代だとすごくレアな発想ですよね。三枝さん独特ですね。さて、これはみんなに聞いているのですが、これからの音楽はどうなると思いますか?


三枝;これからの音楽がどうなるか、というような大きな話は自分にはなかなかできません。僕はまだ配信では一曲も音楽を買ったことがなく、ずっとCDを買い続けています。けど、仕事の資料集めとかの関係で、今年に入ってからApple Musicを使い始めました。使ってみると確かに便利で、これはCDも買わなくなりそうだな、という気はします。便利になることは悪ではないので、この流れは止められないだろうとは思いますが。

僕がなんとなく思うのは、音楽って、ほかの五感と組み合わさったときに印象がより強くなるっていう気がしていて、例えばその音楽を聞いていた時の季節だったり、パッケージのアートワークとか紙の手触りとか、時間が経ってボロボロになって行く感じだったり、よく行っていたレコードショップへの道のりだったり、あるいは誰から借りたCDだとか、そういう物と一緒になって記憶してたりするのが、フィジカルの良さだとは思うので、そういう配信技術が削ぎ落としている無駄な部分、みたいなものをどうやって残して行くか、みたいな努力は必要かなと思います。まあみんなが言っているような話だとは思いますが。。。

逆に、若い人たちがそういう要素をどこから感じているのかってことは気になります。

あとは、PAの技術の進歩についてはすごく興味があります。僕のバンドはいつもPAを入れずに、完全に生音でやる事が多いのですが、メリットとデメリットがあって、メリットはダイナミクスレンジの広さ、音色のゆたかさ、デメリットは音量の限界やバランスの調整が難しい事、など。僕のバンドでやっている音楽はクラシック音楽みたいな繊細さも、ポップスのような迫力やノリも両方欲しいので、やがて技術的に、どちらもできるようになるといいなあ、と思っています。


林;配信、買ったことないんですか... さて、今後の予定は?


三枝;今年3月に小田朋美さんとのデュオのアルバムを出しました。そしてこの秋にはOrquesta de la Esperanzaの2枚目のアルバムを録音します。曲がまだ二曲くらい足りてなくて、書かなきゃ。。な感じです。ホドロフスキーの最近の映画、「リアリティのダンス」「エンドレス・ポエトリー」の二本にすごく感動して、私小説的なんだけどすごく外に開かれている、みたいな組曲を書きたいなと思ってずっと作っています。人の一生を花の成長になぞらえています。しかし僕は今33で、そのあとのことは分からないので、途中からいきなりフィクションになって行く、みたいな構成になっていて、種があって、芽が出て、花が咲く、そこまではいいんだけど、そのあとは鳥になって、宇宙に行って星になって。。。みたいな。

あと、アコーディオンを手に入れる予定があって、アコーディオン始めようと思ってます。ここ数年、日本のシャンソンの女王と言われる越路吹雪さんにまつわるコンサートに関わって、演奏したりアレンジしたり音楽監督みたいなことをやっているのですが、去年、越路さんの事務所を整理していたら、古いアコーディオンが出てきて、越路さんの旦那さんであり音楽監督であった内藤法美さんの遺品だったんです。事務所の方が、自分で直すなら弾いてもいいよ、と言ってくださって。これも何かの縁だと思うので、練習して、やがて人前で演奏できるようになりたいな、と思っています。

決まっていない予定としては、もっと大きな規模のものをやってみたいです。オーケストラもそうだし、舞台作品みたいなものも作ってみたいです。あとは「忘れないと誓った僕がいた」という作品以降長編映画はやっていないので、映画音楽もやりたいです。フェデリコモンポウという作曲家の自作自演のレコーディングが好きで、自分もそろそろソロピアノをやろうかな、という気持ちもあります。とはいえ、思わぬ方向に行く方が面白い人生だとも思うし、今までもそうだったので、変な出会いがあるといいな、と思っています。


林;33歳から新しい楽器を始めるっていいですね。今後も期待しております。それでは選曲ですが、テーマは?


三枝;「自分に影響を与えた10曲」です。肌触りとか、嗅覚とか、そういう感覚に働きかけて来る音楽が好きです。そんな10曲。


林;いいですねえ。面白そうです。


01. Akiko Yano - Super Folk Song - 3. Someday
https://youtu.be/8ZOhp8x9T8U


三枝;ピアノの弾き語りというジャンルで、圧倒的に一番好きなのが矢野顕子さんです。いつ聞いても打ちのめされます。だいたい原曲より先にこのアルバムのバージョンを聴いていて、のちに原曲を聴いてハッとしたりしていました。リハーモナイズの思想とはかくあるべき、という意味でも素晴らしいです。


林;これ、僕はもちろん原曲が先で、矢野顕子ヴァージョンが後だったので、すごく驚きました。素晴らしいですよね。


02. Bill Evans - Symbiosis 2nd Movement (Largo - Andante - Maestoso - Largo) - A



三枝;クラウスオガーマンはとても好きなアレンジャーですが、作曲も素晴らしい。手に入らないアルバムも多いので全てを聴いている訳ではないのですが、聴いた中ではこれが一番好きです。二楽章が特に。トリオとオーケストラでクラシックの曲をやっているアルバムも素晴らしくて、エヴァンスとオガーマンで10枚くらい作ってほしかった、と思います。


林;いやほんと、10枚くらい作ってほしかったですね。激しく同意です!


03. Fred Frith Iva Bittova Pavel Fajt Morning Song



三枝;中学の時すごく聴いていたチェコのシンガーソングライターのイヴァビドヴァ。ヴァイオリンやヴィオラを弾き語りするアーティスト。歌声だけでなく、ヴォイスパフォーマンスとしていろんな表現をする人で、しかし常にナチュラルに音楽、というのが素晴らしいです。また元々女優さんですごく美人なのもポイントです。フレッドフリスのドキュメンタリーからのワンシーン。ほっこりします。


林;これ、中学の時ですか。早熟すぎです! でもカッコいいですね。


04. Morton Feldman - For John Cage



三枝;大学の時ずっと聴いていたフェルドマン。ビロードの絨毯をずっと撫でている様な音楽。フェルドマンは、特に後期は長い曲が多く、中には五時間以上かかる曲もあって、演奏者がオムツをつけて演奏したりもするそうです。。触覚的、という言葉が一番似合う音楽だと思います。こういうゾクゾクする響きを自分の音楽でも出したいです。


林;おお、ビロードの絨毯をずっと撫でている様な音楽ですか。すごい表現ですね。


05. Astor Piazzolla - Musica popular contemporanea de la ciudad de Buenos Aires (Vol. 1)



三枝;ブエノスアイレス市の現代ポビュラー音楽、という変なタイトルのアルバム(ちなみに二枚あります。これは一枚目)。
一曲目の弦のトゥッティからもう痺れます。タンゴの弦楽器奏者にしか出せないビブラートというのがあるとずっと思っています。一曲目のタイトル「ドブレアーの悲しみ」のドブレアーとはバンドネオンの有名なブランドの名前だそうです。僕のバンドの楽器編成はこのバンドをモデルにしています。


林;うわ、すごい切ない良い曲ですね。タンゴの弦楽器奏者にしか出せないビブラートですか。そういうのあるんですね。


06. Maria de Buenos Aires ? Astor Piazzolla & Horacio



三枝;ピアソラがオラシオフェレールと一緒に作ったオペラ。アメリータバルタール、地獄から呼んでいるような声。こういう舞台作品をいつか作ってみたいです。


林;もちろん日本語オペラですよね。三枝さん的世界観のオペラ、すごく面白そうです!


07: Mompou: Damunt de tu, nomes les flors.



三枝;スペインの作曲家、フェデリコ・モンポウの自演。間奏が素晴らしい。死の匂いが漂って来るようでゾクゾクします。モンポウには、自作自演のソロピアノ集が4枚あり、どれも素晴らしいです。よく聞くと、楽譜と違うことを平然と弾いていたりして、クラシックだって結局のところは自由なものなんだということを再認識させられます。録音技術が発明される前の作曲家の自作自演はどうだったんだろう、とか想像すると楽しいです。


林;モンポウ自演好きな人、僕の周りにすごく多いです。クラシックの本来の自由さって僕もよく気になるテーマです。その辺りのこと、もっと知りたいです。


08: CINEMA PARADISO -LOVE THEME -Hamilton de Holanda e Andre Mehmari



三枝;アンドレ・メマーリというブラジルのピアニスト。大好きで、来日の際にはよく観にいっているのですが、凄すぎて、年下だと思うとゾッとします。うますぎて鼻につく、というような側面がないこともないですが、タッチの正確さ、ダイナミクスと音色のコントロール、ブラジル音楽ならではのグルーヴ、など、どれを取っても完璧。


林;ああ、三枝さん、メマーリ好きなんですね。すごくわかります。


09: he Residents - One-Minute Movies



三枝;小学校高学年の時はまっていたバンド。PVが変すぎて痺れます。去年二度目の来日をして、やっと生で観れたのですが、もう明らかにおじいちゃんになっていて、こんな変な事を40年以上もやり続けるってすげえなあ、と思いました。音楽的には初期の頃の感じが好きですが。


林;変ですね。こういうのに三枝さん、痺れるんですね...


10: くるり - 琥珀色の街、上海蟹の朝 / Quruli - Amber Colored City, The Morning of The Shanghai Crab (Japanese ver.)



三枝;最近のヒット。スタンディングで盛り上がるような音楽にずっと憧れがありますが、自分がやるのは中々難しいなあ、と感じています。ブラックミュージックのフィールに日本語を普通に乗せるのって結構難しいんだろうなあと思いますが、これはすごくうまくいっていると感じます。


林;クラシックを勉強してきた人にとってポップ・ミュージックって難しいらしいですね。くるり、素晴らしいです。では、最後に三枝さんと小田朋美さんのアルバムについて教えていただけますか?


三枝;日本語って、しゃべるときは普通にみんなしゃべるのに、歌うと急にみんな変な発音になるのはなんでだろう、と常々思っていて、あとは、桜が舞い散ったりとか、会いたいけど会えないとか、じゃなくて、もっと大人がちゃんと共感できる言葉で歌モノを作りたいなあ、という事で、小田朋美さんという天才アーティストとデュオでアルバムを作りました。テクストとして、主に戦後の文芸詩を扱っています。と、書くとお堅く感じられそうですが、茨木のり子や萩原朔太郎のような先人たちから、僕と同じ1980年代生まれの詩人の三角みづ紀さんや映画監督の長久允くん、まで、あとは僕と小田さんの作詞が一曲ずつ、という感じで、時代やジャンルを超えて同じ言葉を使っていて、それが今の歌モノとして聞 こえる、ということが新鮮に感じられるようなアルバムになりました。皆様ぜひ聞いてみてください。






『わたしが一番きれいだったとき / 三枝伸太郎&小田朋美』

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■タイトル:『わたしが一番きれいだったとき』
■アーティスト:三枝伸太郎&小田朋美
■発売日:2018年3月21日
■レーベル: OTTAVA Records
■品番:OTVA-0022

アマゾン詳細ページへ


http://shintaromieda.jugem.jp
三枝伸太郎Twitter


三枝さん、お忙しいところどうもありがとうございました。
このアルバム、本当に素晴らしいです。
三枝さんのこれまでの音楽体験のことを知ると、もっと楽しめますね。みなさんも是非。

GW真っただ中ですが、みなさん良い音楽は聴いてますか? 良い音楽を。
bar bossa 林伸次


この連載は今回で終了となります。
いつも楽しんで下さった皆さん、そして林さん、長い間ありがとうございました!



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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
■品番:UICZ-1646

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【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

アマゾン詳細ページへ


「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪 ・vol.69 石亀政宏 ・vol.70 愛知アンディー有 ・vol.71 三原秀章 ・vol.72 キム・ジノン ・vol.73 花崎章 ・vol.74 洞澤徹 ・vol.75 太田美帆 ・vol.76 金野和磨 ・vol.77 林伸次 ・vol.78 永山マキ ・vol.79 脇田洋二 ・vol.80 三橋有


bar bossa information
林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

bar bossa
bar bossa
●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
お店の情報はこちら

bar bossa vol.80:bar bossa

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vol.80 - お客様:三橋有さん(nisica)

【テーマ:アナログ盤で聴きたい「nisica × Quiet Corner」が選ぶおすすめ曲】


いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今月はnisicaの三橋有さんをゲストに迎えました。


林;いらっしゃいませ。早速ですがお飲物はどういたしましょうか?


三橋;林さんのオススメの白ワインをお願いします。


林;そうですね。でしたらしっかりした南仏のシャルドネをお出ししますね。さて、お生まれと小さい頃の音楽環境を教えていただけますか?


三橋;1975年生まれで、出身は東京の祖師谷大蔵です。母親の影響が強いと思います。小さい頃から、家ではチェット・ベイカーやヘレン・メレルから、ビートルズ、ストーンズ、矢沢永吉、研ナオコまで、色々な音楽が流れていました。ちなみに小学生の時は、研ナオコが好きでした


林;おお! 最初からカッコいいですね。研ナオコいいですよね。その後は?


三橋;中学生になって、パンクにはまりました。それは、音楽はもちろんなんですが、ファッションとしてのパンクにも惹かれました。あと、好きな女の子に、よくカセットテープを作っていました。ビートルズの後にカーリーサイモンとか入れたりして、特に「Yes It Is」 から、「Nobody Does It Better」への流れが気に入って、女の子にイチオシしていました。全くモテませんでしたが...。


林;もう予想通りの中学生ですね。モテませんでしたか(笑)。高校は?


三橋;高校生の頃は、帰宅部だったので、とにかくアルバイト漬けで、原宿とか渋谷によく買い物に出かけていました。洋服屋に行って、レコード屋に行ってという、そんな毎日でした。
あとこの時期は、フリー・ソウルとか藤原ヒロシにかなり影響を受けていました。特に、藤原ヒロシは中学生の頃から影響を受けていましたね。宝島やキューティーの雑誌も、穴が空くぐらい読みこんでいました。発売日の前日は、楽しみで眠れなかったです。


林;もう典型的な世田谷おしゃれさんですね。地方出身の僕としては羨ましいです。高校卒業後は?


三橋;高校を卒業してから、文化服装学園に入ったんですが、どうしても馴染めずに1週間で行かなくなって...その後、辞めてしまいました(笑)。それから、色んなアルバイトして過ごしていました。そういえば、六本木のWAVEでもアルバイトしていました。


林;え、六本木WAVE経験者なんですね。王道中の王道ですね。nisicaは?


三橋;nisica は2000年に、宇賀村英明という友人と始めました。ずっと二人でやっていますね。彼とは、たまたま原宿のお店でその人と出会ったのがきっかけで、趣味も合ったし仲良くなって。それから、二人で何かやりたいって話になって、それで少しお金を貯めて、nisicaを立ち上げました。ちなみに、最初は、"HOME MADE"というブランド名でした。トニー・ジョー・ホワイトの「Home Made Icecream」という曲が大好きで、そこからとったんです。


【Tony Joe White - Homemade Ice Cream】



林;なるほどです。さて、これはみんなに聞いているのですが、これからの音楽はどうなると思いますか?


三橋;これからの音楽は、良いものであれば残ると思います。音楽なので、音源が良いのは当たり前ですが、例えばデザインが良いとか、所有して手元に置いておきたいとか...そういう本当に良いと思えるもの、他に替えがきかないものが残っていくと考えています。
だから、そういう意味では、やっぱりアナログ盤が一番魅力があって、ずっと残っていくフォーマットだと思います。実は、僕、配信で音源を買ったこと、一度もないので(笑)。


林;僕も配信、まだ買ったことないです(笑)。


三橋;今回、クワイエット・コーナーの山本勇樹くんと一緒に作った、「nisica × Quiet Corner」 のCDも、ありがたいことにしっかり売れているし、きちんとしたものを作れば、届く人には届くんだと、改めて実感しました。


林;これからはどうされるご予定ですか? 


三橋;これからも、コツコツとnisicaをしっかりやるだけですね。僕はこれしかできないですから。洋服以外だと、今回、山本くんと物を作ってみて、趣味も合うし、考え方も近いのが再確認できたので、今後も一緒に何かやっていきたいです。
あと、人に喜んでもらいたいというか、昔はそういう風に思わなかったんですが、今は自分が楽しいというより、人が喜んでいるのを見る方が楽しいので、これからも、そういう仕事がしたいし、何か人の役に立つことをしたいなと思います。


林;素敵な言葉をありがとうございます。それではみんなが待っている選曲に移りたいのですが、テーマは何でしょうか?


三橋;アナログ盤で聴きたい「nisica × Quiet Corner」が選ぶおすすめ曲。


林;おお、期待します。


01. The Unthanks "What Can a Song Do to You?"



三橋 アンサンクスはUKのフォーク・グループで、ロバート・ワイアットのカヴァー集を出していたり、どの作品も素晴らしいのですが、これは今年になって発売されたモーリー・ドレイクの楽曲集です。モーリーはニック・ドレイクのお母さんですね。これはモノクロのジャケット・デザインが良いのでぜひアナログ盤で。


林;ロバート・ワイアット、ニック・ドレイクの母をカヴァー、もう文句なしのセンスですね。朗読も素敵です。


02. Hem "Tourniquet"



三橋;ヘムはアメリカのカントリー系のグループなのですが、ジャズとかポップス、クラシックの要素が絶妙に入っていて、とても個性的な音楽を作っています。この曲は2013年に、彼ら自身のレーベルから発売された作品で、実は初めてのアナログなんです。ジャケットは人のシルエットに地図を描いているのですが、CDサイズだと気がつかないほど、繊細なデザインなんです。


林;僕、カントリー、全く聞かないのですが、すごく良いですね。うわあ、こういうのあるんですね。


03. Bedouine "One of These Days"



三橋;僕と山本くんが大好きなマシュー.E.ホワイトというシンガー・ソングライターがいて、彼女は彼のレーベルから、今年デビューしたばかりの新人です。歌声もルックスも、70年代のシンガー・ソングライターのような雰囲気で、やっぱりこういうのは針を落として聴きたくなりますね。


林;確かに70年代だけど、今の音で良いですねえ。


04. Daniel Martin Moore "Turned Over To Dream"



三橋;アメリカのシンガー・ソングライターです。マイルドな歌声が好みで、サウンドもシンプルだけど洗練されていて、なかなかこういう絶妙なバランスを持った人はいません。これも発売されたばかりの新作で、クローバーを散りばめたジャケット・デザインが素敵です。


林;シンプルですね。これ、ジャケットがすごく良いですね。


05. William Fizsimmons "Nothing Can Be Changed"



三橋;こちらも僕と山本くんの大好きなシンガー・ソングライターです。こういうシンプルでフォーキーな雰囲気に惹かれますね。この曲は2年前に出たもので、CDだと2枚のミニ・アルバムなんですけど、アナログ盤はそれらが1枚にまとめられて、しかもジャケット・デザインが特別仕様になっています。これは絶対にアナログ盤で欲しくなります。今、フィッツシモンズの来日を、本気で山本くんと計画しています。


林;おおお、すごい胸にせまる曲ですね。是非、来日公演、頑張ってください!


06. Emilana Torrini "Nothing Brings Me Down"



三橋;これは2005年に出た作品で、当時もアナログ盤が出ていたんですけど、買いそびれてしまって。だからずっと廃盤で手に入りにくかったんですけど、最近、再発されました。2000年代のアナログはプレス数も少ないから、見つけたら買うようにしています。エミリアーナ・トリーニはジャケット含め、この曲は入っている『Fisherman's Woman』がベストだと思っています。


林;やっと知っている名前が。いやあ、今回、三橋さんの世界観が伝わりますね。


07: Cass Mccombs "Opposite House"



三橋;こちらもアメリカですが、よりメロウでリズムもタイトだし、70年代の西海岸のAORを彷彿させます。アナログ盤は2枚組で、赤茶色のマーブル・コーティングされたカラー・ヴィニールなんです。こういうのはCDだと絶対に味わえない魅力ですね。


林;おお、こんな感じでAORよりになると、かなり反応してしまいます。良いですねえ。


08: Dakota Suite & Quentin Sirjacq "In The Stillness Of This Night"



三橋;つい先日まで来日公演を行っていた、フランス人のピアニストと、イギリス人のシンガー・ソングライターです。これもレコード盤がすごくて、白いクリア・ヴィニール仕様なんです。クリスマスの作品なので、内容とデザインがマッチしている最良の形だと思います。こういうのを手に取ると「いい仕事しているな」と思いますね。


林;三橋さん、音楽もモノのデザインも語れる珍しいタイプですね。意外といないですよね。思いつくところでは他には青野賢一さんくらいでしょうか。


09: Stacey Kent "Double Rainbow "



三橋;最近、オーケストレーションが入っているジャズをよく聴いていまして、そういうタイミングで大好きなステイシー・ケントの新作が届きました。このアナログ盤は2枚組で、重量盤だから、まず音質が抜群にいいんです。スピーカーで鳴らすと、ふわっと包み込まれる感じ。Bar bossaのBGMにも合うと思いますよ。


林;おおお、確かにうちにぴったりですね。アナログもあるし、買います! 


10: Diana Panton "In a World of My Own"



三橋;彼女も、10月に来日していて観に行ってきました。アットホームなステージで良かったです。最近、新作が発売されましたが、こちらはその一つ前に出た子守歌のアルバムからで、ブックレットが絵本のようなイラスト集になっているんです。だからアナログのサイズだと本当に絵本のような体裁で、思わず誰かにプレゼントしたくなるような、僕はこういう物をもっているだけでワクワクしてしまいます。


林;うわ、最後に、良いですね。可愛いですね。


三橋さんが選曲したCD、こちらに詳しい情報があります。
『nisica × Quiet Corner : fabric 01』発売記念鼎談


nisica


三橋さん、お忙しいところどうもありがとうございました。
山本さんとの独特の世界観、今後の展開も期待しております。

桜も散ってしまいましたが、春まっさかりですね。良い音楽は聴いていますか? 
それでは来月もこちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
■品番:UICZ-1646

アマゾン詳細ページへ


【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

barbossa_cover450.jpg

■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

アマゾン詳細ページへ


「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪 ・vol.69 石亀政宏 ・vol.70 愛知アンディー有 ・vol.71 三原秀章 ・vol.72 キム・ジノン ・vol.73 花崎章 ・vol.74 洞澤徹 ・vol.75 太田美帆 ・vol.76 金野和磨 ・vol.77 林伸次 ・vol.78 永山マキ ・vol.79 脇田洋二


bar bossa information
林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

bar bossa
bar bossa
●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
お店の情報はこちら

bar bossa vol.79:bar bossa

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vol.79 - お客様:脇田洋二さん

【テーマ:近頃気になる10人の女性たち ~冬から春へ~】


いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今月は広告・デザイン会社に勤務する音楽リスナーの脇田洋二さんをお迎えしました。


林;こんばんは。さて、早速ですがお飲物はどうされますか?


脇田;爽やかめの赤ワインでおすすめがあればお願いします。


林;でしたら、最近おすすめの南フランスのピノ・ノワールがあるのでそちらにしますね。さて、簡単なプロフィールを教えていただけますか?


脇田;1962年に本州最南端にある和歌山県の潮岬という所で生まれました。潮岬には3歳までいて、その後父の転勤に伴って、広島、千葉、和歌山、大阪と住み、大学は仙台、就職してからは横浜、札幌、兵庫県の西宮、東京、その後は横浜市内をウロウロ、数えてみたら16回引っ越しを経験しています。会社も3つめだし、転校生の人生ですね。でもおかげで知らない人と話すのもわりと平気ですし、いろいろな街に土地勘があるので便利です。


林;そんなにいろんな場所を! 人生観、変わりそうですね。さて小さい頃の音楽環境は?


脇田;11歳年の離れた兄(1951年生まれ)がいて、兄がかけるビートルズの曲や60年代のロックサウンドを幼児期にさんざん浴びていたみたいです。テレビに映るグループサウンズのバンドの真似をして兄貴のエレキを抱えている3歳頃の写真があります。

これは千葉に住んでいた小学生の頃のことですが、当時東京の大学に通っていた兄の部屋に潜り込んでこっそり棚のレコードを聴いていて、その中に1枚、ジャケットになぜか裸の外国人のお姉さん2人が写っているレコードがあってですね......まあ小学生の男子なら手に取りますよね(笑)。で、聴いてみたら、びっくり。どの曲もどの曲も全部メロディを知っている。それはビートルズの曲をオーケストラがイージーリスニング風にカバーしたアルバムだったんですけど、子守歌がわりに聴かされて耳に歌が刷り込まれていたのだから当然ですよね。


林;なるほど、1951年生まれのお兄さんだと、東京の大学でオーケストラがビートルズをカバーしたアルバムを持ってるんですね。時代ですねえ。


脇田;それで俄然ビートルズに興味が湧き、LPレコードが欲しいと思っていたら、兄貴がその年のクリスマスプレゼントに青盤を買って来てくれました。でも、青盤って後期中心のベスト盤で1曲目がストロベリー・フィールズ・フォーエバーなんですよね。子供には難解で最初に聴いた時はショックでした(笑)。その後は急速にマニア化していって、近所のレコード屋だけでは飽き足らなくなり、千葉から当時秋葉原にあった石丸電気のレコード館や西新宿のお店に海賊盤を探しに行ったり、ビートルズ映画の4本立てを有楽町の映画館に見に行ったり。それが小学校6年生とか中学1年生のことですから、ちょっと異常な少年ですよね(笑)。当時から小遣いやお年玉は、ほぼ100%音楽関係に遣っていました。これ、40年経った今もあまり変わっていません(笑)。


林;(笑)最初に買ったレコードは?


脇田;カーペンターズの『イエスタデイ・ワンスモア』です。父が気象観測の仕事をしていて、小笠原諸島の父島や南鳥島の測候所に単身赴任していたんですが、父島に小学5年生の時に行った時、島のとあるご家庭で「今アメリカで流行っている曲」と聴かせてもらいました。小笠原は当時アメリカから返還されて間がなかったので、米国の音楽がリアルタイムで入ってきていました。素敵なメロディにやられ、家に帰って近所のレコード屋さんで注文しました。


林;妻も脇田さんと同世代ですが、小学生の時カーペンターズのファンだったみたいです。その後は?


脇田;その後、中学2年で千葉から和歌山市に引っ越しますが、いろいろあって音楽にますますのめり込んでいきます。そんな頃、同級生のお父さんが近所でレコード屋を開業して、ヒマさえあれば店に行きレジ横のプレーヤーでいろいろ試聴させてもらいました。もうお亡くなりになりましたが僕の音楽人生の恩人の一人です。


林;昔のレコード屋さんって、新品をお店でも試聴させてくれましたよね。


脇田;前の千葉の学校の友達とは「交換テープ」なるミックステープのやりとりをしていました。FM局の番組からエアチェック(録音)した曲やレコードからダビングした曲の合間にコメントを入れて仮想ラジオ番組のナビゲーター気取りでした。その頃は、渋谷陽一さんのFM音楽番組が好きで、音楽雑誌も「ミュージックライフ」「音楽専科」やエフエム雑誌などを毎号隅から隅まで読んでいました。

中学高校時代には、ビートルズだけでなく、10CCやジェフ・ベック、YESやピンクフロイド、ディープ・パープルをはじめブリティッシュ・ロックをひと通り聴いた後、ドゥービーブラザーズやそこから派生してスティーリー・ダンなど。渡辺貞夫さんの和歌山公演を聴きに行ってフュージョンやジャズにも興味が出始めた頃ですね。当時流行っていた日本の人たちも聴いてました。例えばツイストやChar、柳ジョージ&レイニーウッド、クリエイション、チューリップなど。あと好きだったのはジュリーと庄野真代かな、あの頃の日本の人だと。


林;なるほど、すごくよくわかります。


脇田;高校卒業と同時に大阪に引っ越して1年受験浪人をしていましたが、心の中ではLPコーナーとかダンとか当時梅田にあったレコード屋が近くなって喜んでいました。大学は仙台ですけど、ステレオを持って行かなかったので下宿にはラジカセだけ。自然に流行り物の音楽をラジオで聴くのが中心になりました。でもたまにバイト代が入ると、背伸びして仙台の駅前にあったジャズ喫茶や国分町のジャズバーなどに通ったり、ソニー・ロリンズやMJQ、ケニー・ドリュー・トリオなどジャズのアーティストが仙台に来ると公演を聴きに行ったりしていました。


林;仙台ってバー文化が素晴らしいってよく聞きます。MJQも見てるんですね。


脇田;大学卒業後は、東京の会社に就職しますが、最初のボーナスをはたいてCDプレーヤーのステレオセットを買い、音楽熱が再燃しました。それから30年、現在に至るという感じです。聴く音楽はロック&ポップスからシンガー・ソングライターもの、ソウル、ファンク、ジャズなど欧米の洋楽中心でしたが、2011年の震災の前後に、たまたまミルトン・ナシメントの『トラヴェシア』をFMで聴いて魂を抜かれ(笑)、突如として南米音楽の魅力に目覚めました。それからは関連の本を読みあさり(林さんのボサノヴァの本も読みました)、試聴会やトークショーに出かけたりして猛烈な勢いで知識を吸収しました。今はブラジルやアルゼンチンの新しい音楽と最近のジャズにハマりっぱなしです。聴く傾向としては広く浅く、古いものより新譜、伝統的なものより都会的なものが好きです。生まれは、けっこうな田舎なんですけどね(笑)。


林;え、僕の本読んでくれたんですか。ありがとうございます。


脇田;遊びでバンドを組んだり、宅録にハマった時期もありましたが、基本的には「聴き専」ですね。音楽を仕事にすることは考えたことがありませんでした。「働く」ということに対して必要以上に身構えるところがあって...嫌いになりたくなかったのかも。音楽を心の避難場所として大切に考えていたのかもしれません。でも今は、好きな音楽に関連する仕事も何かできたら幸せかもと思います。


林;音楽を心の避難所って表現、いいですね。わかります。音楽を仕事に、これからでも出来ると思います。そんなにお金は入ってこないと思いますが。あと、これ、みんなに聞いているのですが、これからの音楽はどうなると思いますか?


脇田;どうなるんでしょうね。自分も以前のようにCDを月に何十枚も買うということはなくなり、Spotifyなどで試聴して、好きなものがあるとCDで買い、さらに良ければ保存用にアナログレコードという感じになりつつあります。カタチがないと不安な昭和世代のせいか、いまだにフィジカルで買いたい方です。ネット上で「CDは消えゆくメディア」とか言う人がいると、「愛がないなぁ」と心の中でdisってます(笑)。

まあ、メディアがどうなるかはともかく、今は古今東西の音楽を自由に聴ける時代になりましたよね。逆に言えば音楽の作り手も直接世界中のリスナーに作品を届けられるようになったわけで、これまで以上に世界中の様々な音楽が互いに刺激し合って面白いものが生まれていくのではないでしょうか。マーケットも国を超えて広がるし、質の高い音楽を創り、届けるための努力をちゃんとしているアーティストにとっては、いい時代になると思います。


林;なるほど。努力をしているアーティストにとってはいい時代、ってほんとそうですね。さて、これからのご予定は?


脇田;会社員として定年までカウントダウンに入ったのですが、年金もなかなか出そうにないし(笑)、どのみち一生働かないといけないので、何をやって生き延びていくか、まさに今あれこれ考えているところです。表現・制作にかかわる仕事をしていますが、それだけやっていては疲弊するので、今年からは個人的な創作活動もやっていきたいと思います。それは音楽かもしれないし、絵や文章、本をつくることかもしれません。林さんの、あのレコード・ジャケットのイラストシリーズにも大いに刺激されています。ともかく残された人生、これからはできる限り「魂が喜ぶこと」を選んでやっていきたいですね。


林;魂、喜びたいですね。さて、みんなが待っている選曲ですが、テーマは何ですか?


脇田;基本的に歌モノが好きで、とくに女性ボーカルものは昔から大好物。今日は最近聴いている中から、おすすめの女性シンガーやソングライターをセレクトしてみました。題して『近頃気になる10人の女性たち ~冬から春へ~』です。寒い季節に似合う静かで暗めの曲から、だんだん明るくなって最後には春が来ます(笑)。


林;おおお、いいですねえ。それでは1曲目は?


レベッカ・マーティン
01. Rebecca Martin / On a Sunday Morning



脇田;アメリカのシンガー・ソングライターですが、メロディラインが良くて、声に癖になる味があります。ギジェルモ・クレインとの共作『The Upstate Project』は、2017年の個人的ベストアルバムに選んだくらいよく聴いていて、めちゃ中毒性が高いです。これはそのアルバムの収録曲で、少し前の映像。ベースはラリー・グレナディアですね。


林;うーん、沁みますねえ。やっぱり声ですよね。


ジェニフェル・ソウザ
02. Jennifer Souza Ao Vivo Com Marcus Abjaud - Retiro



脇田;アルバム『Impossivel Breve』の噂は聞いていたのですが、ちゃんと聴いたのが去年で...そしたら曲とボーカルの素晴らしさにビックリしてしまって。その頃にちょうど来日したので見に行きました。ブラジル・ミナスのアーティストですが、欧米のロックやフォーク、ジャズの影響も感じられますし、幅広いジャンルの音楽ファンに響く音かと。


林;脇田さん、こういうライブ、必ず足を運ばれてますね。ちなみにブラジル人女性って、この声のパターン、多いですよね。前から謎です。


リサ・パピノー
03. Jun Miyake feat. Lisa Papineau - tHe heRe aNd after



脇田;三宅純さんの近年の作品がすごく好きで、彼女はシンガーとして参加しているんですけど、その存在感というかボーカルが生みだす世界観に強烈に引き込まれます。ライブも見ましたが、すごい歌手だと思います。これは2008年のアルバム『Stolen Moments』に入っている曲で、彼女の特徴がよく出ているので選びました。


林;ああ、脇田さん、三宅純、お好きそうですね。これ、カッコいいですねえ。


メロディ・ガルドー
04. Melody Gardot - Baby I'm A Fool (Live Faddergalan 2009)



脇田;2009年の映像なのですが、翌年に初来日したときの渋谷クアトロでのライブが強烈に印象的だったので選びました。最近はより小さな声で囁くように歌うスタイルになっていて、これまた繊細で素晴らしいです。最近ライブアルバムも出ましたね。一瞬にして彼女の世界に引き込まれるライブは多くの人に体験してもらいたいです。


林;確かに引き込まれますね。脇田さん、これもクアトロ行ってるんですね。すごい...


マシャ・ガリビアン
05. Macha Gharibian - Saskatchewan



脇田;フランスのジャズ・ピアニスト&シンガー・ソングライター。たまたま見つけたアルバム『Trans Extended』が良くて、詳しいプロフィールはわかりませんが、アルメニアとかそちらの方にルーツがありそうです。ジャズと東欧の民族音楽が融合した感じの面白い曲ですよね。これはインストですが、ボーカルも味があっていいです。Twitterでつぶやいたらフォローしてくれたので、よかったらチェックしてあげてください。


林;うわ、すごくカッコいい! 東欧ルーツ系の音ですね。ツイッターでフォローしてくれたんですか。インターネットすごい...


エスペランサ・スポルディング
06. Esperanza Spalding BLACK GOLD- OFFICIAL



脇田;もう、この姐さんには一生ついていくと決めたので(笑)。2011年、ブルーノート東京で行われた初来日公演では、演出上ステージにソファが置かれていて、その真下で見たのが一生の自慢です(笑)。香りを嗅げそうな至近距離だったんですが意外に無臭でした。どうでもいいですね。


林;(笑)。エスペランサの香り、確かに気になります。結構、高そうな香水使ってそうですが違うんですか。ほんと、素敵ですよね。


ヴィトリア・マルドナード
07: Vitoria Maldonado - Pura energia



脇田;最近はジャズシンガーとしてロン・カーターとアルバムを出していますが、元々はバークリー音大出身のブラジリアン・ソングライターです。2011年のアルバム『O que está acontecendo comigo』は、ゆったりとしたテンポの美メロ揃いで、捨て曲なし。でもDVD付で5,000円以上もしたせいか知ってる人少ない...でも絶対好きになる人いるはずなので再発希望。


林;ロン・カーターとのアルバムがあるんですか。DVD付きで5000円で脇田さん、買う人なんですね。そっちが気になります...


カミラ・メサ
08: Camila Meza / Traces Live



脇田;この人も、初来日ライブを見に行きました。ボーカルも曲も素晴らしかったのですが、何よりギタリストとしての腕前には目を見張りました。エスペランサがベースの天才ならこの人はギターの達人。今年は新譜が出ますね。


林;え、こういうのも初来日ライブ、行ってるんですか。そっちが気になります。可愛くて楽器がうまいって最高ですよね。


ヴァネッサ・モレノ
09: Serena do Olhar - Vanessa Moreno



脇田;ミナスの音楽も好きですが、サンパウロあたりの都会的なサウンドも大好物です。この曲が入ったアルバムも去年によく聴きました。華やかなボーカルも素敵だし、曲も多彩。コンポーザーとしても素晴らしいです。


林;うわあ、いいですねえ。というか脇田さん、ほんとチェックしてるんですね。お金、大変じゃないですか?


リヴィア・ネストロフスキー
10: Lívia Nestrovski e Arthur Nestrovski - Pós Você e Eu



脇田;この人もサンパウロかな? お父上であるマエストロ、アルチュール・ネストロフスキーのギターと共演したアルバムの一曲目です。リヴィア・ネストロフスキーの声には、品の良さが感じられ、それでいて伸びやか。彼女の素直な歌声を聴くと、気持ちがパッと明るくなりますね。生で聴いてみたいアーティストの一人です。


林;確かに、素直で品の良さを感じますね。春ですね。脇田さん、ほんと、是非、音楽の仕事やってほしいです。今回、実感しました。


脇田洋二
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脇田さん、お忙しいところどうもありがとうございました。いや是非、何か音楽の仕事始めてください。海外のアーティストを招致するのとかどうですか? それにあわせて、コンピCDとか、期待しております。

もう春ですね。花粉が始まっているかとは思いますが、もう桜が近づいていますね。
いい音楽、聴いてますか? それではまた来月、こちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
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【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
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その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
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「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪 ・vol.69 石亀政宏 ・vol.70 愛知アンディー有 ・vol.71 三原秀章 ・vol.72 キム・ジノン ・vol.73 花崎章 ・vol.74 洞澤徹 ・vol.75 太田美帆 ・vol.76 金野和磨 ・vol.77 林伸次 ・vol.78 永山マキ


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林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
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連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

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bar bossa vol.78:bar bossa

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vol.78 - お客様:永山マキさん(iima)

【テーマ:自分のラジオ番組『iimaな時間』でよく流した10曲】


いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今月はシンガー・ソング・ライターの永山マキさんをゲストにお迎えしました。


林;こんばんは。お久しぶりですね。


マキ;林さんお久しぶりです。やっと来れました!福岡に引っ越しちゃったので、なかなかこれなくて‥ 飲み物は...どうしようかな。あ!そうだ、あれ覚えてますか? 昔よく飲んでた、マンゴー色のカクテル! 「いつものあれ」とか通(ツウ)ぶってお願いしてましたが‥笑。言っちゃおう。「いつものあれ」をお願いします。


林;かしこまりました。懐かしいですね。モダーン今夜の頃ですから、10年以上前でしょうか。
はい、お待たせしました。どうぞ。では、簡単にマキさんのプロフィールを教えていただけますか。


マキ;私の家は、文京区で洋服の仕立て屋さん(テーラー) をしていました。祖母は民謡を歌っていましたし、父はJAZZが好きで針仕事をしていないときはいつもギターを弾いてました。音響にもこだわりをもっていて、家では大きいスピーカーから年中音楽が流れていました。


林;お父さんがギターを弾いてたんですか。なるほど。


マキ;父は、JAZZだけでなく、POPSもよく聴いていました。細野晴臣やユーミン、山下達郎など... その音にたくさんの刺激を受けました。そして私は4歳からエレクトーンを、6歳からピアノを習いました。


林;もう完全にミュージシャンへの道ですね。初めて買ったCDは?


マキ;細野晴臣の「銀河鉄道の夜」 サウンドトラックです。父が見せてくれたアニメーション映画の世界観と音楽がとても好きでお金をためて買いました。


林;おお、素晴らしいですね。中学に入ってからの音楽はどうでしたか。


マキ;中学から吹奏楽部に入りクラリネットをはじめました。その吹奏楽部はとても上手で、その界隈では少し有名でした。現代音楽をやることが多く、それを通じて自分の出す音が複雑なハーモニーの一部になることを経験しました。それがものすごく楽しくて無我夢中でした。人をまとめるのは下手でしたけど楽器はそれなりに上手かったのでコンダクターと部長を兼任。でも、当時は思春期真っ最中。女子社会の間でうまく仕事をこなすことが出来ず、人間関係にうんざりして、大好きだったはずの「音楽」に対しても同じような感情を抱くようになってしまいました。


林;なるほど。女の子のそういうの、難しいですよね。うまくこなせそうなのに意外と不器用なんですね。さて、高校ですが。


マキ;進学した高校で選んだのは「帰宅部」。何かに燃えることもなく、時間を持て余し、腐っていきました。そんな私とは裏腹に、中学・高校と楽しそうに吹奏楽を続けている弟の姿がとてもまぶしく映ったのを覚えています。ある時、家の近くの大通りを歩いていると、 心がザワめく懐かしい音楽が聞こえてきました。弟のマーチングバンドの行進に出くわしてしまったのです‥!

私は焦って、 追い抜かれないように早足でその場から逃げようとしたんですけど、彼らが目を輝かせながら音楽を楽しんでいる姿と、 全身で鳴らしている音の束を前にし、気づくと立ち止まり、そのまま動けない自分が。

彼らは私の前を通り過ぎていき、だんだん小さくなっていく。私は全身が震え、涙をこらえるのに必死でした。私は一体ここで何をしているんだろう...。大学に行ったら、バンドを作る。そしてもう一度、音楽をやる...!と心に誓いました。


林;そうだったんですか。かなり鬱屈してますね。想像では高校生くらいの頃からクラスでギター弾いて歌ったりしてたんだと思ってました。それは音楽への想いが純粋になりそうですね。さて大学ですがどうでしょうか。


マキ;大学に入ったらバンドは組もうと決めてはいましたが、もともとは文章を書くのが好きで、 作家を志し文芸学科に進みました。そして大学入学後に作ったのが「モダーン今夜」というバンド。吹奏楽部にいたものの、いわゆる「バンド」の経験はなく、楽器編成もどうしたらいいか全然わからない。管楽器は沢山いるものだと思っていたので、 結成当時は多い時で管楽器だけで5人、いや、もっといたかな、パーカッションも二人いるという、大所帯バンドになりました。音楽は身近にありましたし好きでしたが、音楽を仕事にしようとは全く思っていませんでした。

でもバンドをやっているうちにメンバーが、オリジナルやるべきじゃない?って言いだして。それまでコピーとかカバーとか、すでにあるものを演奏するということが当たり前だったので「自分でつくる」って発発想が全くなかったんです。それで、はじめて歌詞を書くようになって、それに曲をつけて、そのとき無心でつくってて、楽しくて、あっという間に時間が流れて...。

細胞すべてが喜んでる感覚を知ったのです。これまで音楽も文章も別々に考えていたけれど、その時「私がやりたい表現方法はこれだ‥!」って解ったんです。


林;そういえば文芸って言ってましたね。そうなんですか。すごく紆余曲折してますね。こういうの改めて本人から聞かないとわからないですね。もう最初から普通に歌詞も曲もあふれてきた人だと思ってました。さて。


マキ;都内のライブハウスに出演しているうちに、 デビューの話をいただき、インディースレーベルMOTELBLEからアルバムを出すように なりました。


林;僕がマキさんに出会ったのもその時期ですね。レーベルの人たちがうちの常連でしたから。デビュー後は一気に注目されましたよね。


マキ;デビュー後は本当に沢山のライブを経験しました。今までは雲の上の人だと思っていたアーティストと一緒のステージに立つようにもなりました。嬉しかったです。

新宿ゴールデン街で『黒猫船』というBARでママもはじめて(BARBOSSAのような素敵なBARではなくて、いわゆる「笑うセールスマン」の世界観でしたけど。笑)そこで弾き語りライブをしたりもしていました。音楽三昧な毎日でした。そのうちインディーズバンドの中でも少しずつ存在を知られるようになっていきチャートも上位をキープするようになり、またソロ活動もするようになっていきました。

活動を続けるにつれ、メンバーも、そして私も結婚したり、出産したり、人生の節目を迎えるようになりました。子育て時期に入り、だいぶマイペースな、 ゆるやかな活動になりましたね。


林;モダーン今夜は大所帯だから維持が難しいですよね。


マキ;娘が生後5ヶ月の時、震災が起こりました。オムツも水もお店から姿を消し、どうしようとオロオロしていると福岡の友達が、「うちにおいで!いつまででも居ていいけん」 と言ってくれました。それではじめて東京以外の場所、海や山の自然がすぐ近くにある福岡に惹かれて思い切って引っ越してみました。はじめはほとんど知り合いがいなかった福岡ですが今ではたくさんの友達ができました。

福岡に移ってからはギタリストのイシイタカユキとDUOで活動するようになり、2016年の秋にはiima(イーマ) というユニット名が決まりました。
2017年からはiimaでLOVE FMのラジオ番組を毎週担当しつつ制作活動を続け、2018年2月にようやくデビュー・ アルバムをリリースすることになりました。


林;引っ越してより本来のマキさんらしくなれた感じですよね。素晴らしいと思います。さて、これはみんなに質問しているのですが、これからの音楽はどうなると思いますか?


マキ;Jacob Collier等、今どんどん若い才能が出てきていていますね。簡単に宅録が出来たり、 YouTubeなどで作品を世界に発表できたりする環境がここ十数年でずいぶん整ってきたので、これまでとは違う音楽の進化や新しい出会いが楽しみです。販売方法もどんどんデジタル化していくでしょうが、一方で私はやはりCDやLPなど、 手に取れる素敵なデザインのものをよく購入しています。だからiimaのアルバムは、詩や音楽はもちろんですが、いつもそばに置いていただけるようデザインにもこだわりました。音楽は形がないのでダウンロード販売もありだとは思いますが、 私はそれだけじゃ不安なんです。

自分のMacにたくさん曲は入っていますが、 どういうわけかiPhoneやiPodと同期できなくなったりするし、やっぱり何か不具合があると嫌なので、 ちゃんと実物を持っていたいんです。飾りたくなる、 家に置いておきたくなるのは良質なデザインのものなので、 これからはパッケージデザインの進化も楽しみだなあと思ってます 。


林;なるほど。さて、これからはどうされるご予定でしょうか。


マキ;これから...そうですね。与えられたステージで全身全霊で歌うのみです。次のアルバムの構想はありますし、 早く2枚目の制作にも入りたいですね。そしてiimaで世界中をツアーしてみたいです。また絵本にも挑戦したいと思っています。


林;絵本って出すのすごく難しいらしいですよね。これからのマキさんの活躍、期待しております。それでは選曲にうつりますが、テーマは何でしょうか。


マキ;「自分のラジオ番組『iimaな時間』でよく流した10曲」です。2017年4月から、iimaのギター、イシイタカユキと共に福岡のLOVE FMで『iimaな時間』 というラジオ番組をさせていただき、こだわりの選曲をしております。そのなかでもよく流した良曲を選びました。


林;楽しみです。


01. Hideaway / Jacob Collier



02. Hajanga / Jacob Collier



マキ;1994年8月2日生まれ。ロンドンの音楽一家に生まれ育ち、16歳のときにアカペラや多重録音パフォーマンスをYouTubで配信し脚光を浴び、グラミー賞を受賞。現在23歳という...。私が去年最も聴いたアルバムは彼の『IN MY ROOM』という作品です。
そこからお気に入りの2曲「Hideaway」と「Hajanga」を紹介します。曲の展開も素晴らしくて、 いつでも楽園に連れて行ってくれるような曲です。彼の音楽が地球に生まれたことが嬉しい。


林;先日、現代の将棋の名人が昔の名人と戦ったら、必ず現代の名人が勝つという話を聞いたんですね。数学とかもそうらしいんです。音楽もそうなんだなあ、今までの音楽の歴史の全部の情報を知っていて、さらに才能がある音楽家であれば、すごい作品を作るんだなあってわかりました。


03. I'm All Over it / Jamie Cullum



マキ;同じくイギリスのシンガー、ピアニストであるJamie Cullumの作品を紹介したいです。リリースからしばらく経ちますが、 全く色褪せない。この曲をはじめて聴いた時のワクワク感はJacob Collierの時と同じでした。


林;いいですねえ。どうしてイギリスってこう良いアーティストが出てくるんでしょうか。


04. My Foolish Heart Gil Goldstein, Romero, Toninho / Infinite Love



マキ;この曲はBARBOSSAではじめて聴き、あまりにも美しくて、林さんに、この曲誰の作品ですか?と聴いてそのままレコード屋に走ったという思い出があります。
来たる2月22日には、 なんとこの作品に参加している憧れのギタリストROMERO LUBAMBOのライブで、 私達iimaがオープニングアクトさせていただくことに...。 人生ってわからないものですね。


林;おおお、ホメロと会えるんですね! 人生って面白いですね。


05. Animal Spirits / VULFPECK



マキ;2011年に結成されたアメリカのファンク・バンド。PVを見ると、音楽はとてもカッコイイのに全然カッコつけてない感じが素敵。音楽も活動方法も等身大で魅力的だと思います。ちなみに踊っているのがバンマスのJack Stratton。


林;ええ? これでPV、あってるの? ってチェックしなおしたくらい、ほんとカッコつけてないですね。でもカッコいいし、すごいです。


06. Table (Animation by Betsy Dadd) / Rachael Dadd



マキ;イギリスのアーティスト。歌詞や楽曲から垣間見える彼女の感性がとても好きです。音作りも、例えばこの曲はすごく遠くでドラムが鳴ってるのですがどうしてこうなったんだろう?って想像しながら聴くのも楽しいです。


林;本当ですね。確かにすごく遠くでドラムが鳴ってます。音の重ね方もいいですね。


07: Bizness / tUnE-yArDs



マキ;アメリカの女性ミュージシャン、メリル・ ガーバスによる音楽プロジェクト。一度聴いたら忘れられない、メリル・ガーバスの逞しい叫び声。そして実験的なサウンド。ベースラインがやたらとカッコイイし、ホーンアレンジも独特でとても刺激を受けます。


林;おお、女性なんですね。攻めてきますねえ。マキさん、こういうのお好きなんですね。


08: neuh / 宮内優里



マキ;『iimaな時間』では詩を読むコーナーがあるのですが詩に合わせてよく流させていただきました。宮内さんの音楽を流しながらの朗読、すっごく心地よいのです。自分の朗読がとても上手くなったように聞こえます。笑

iimaは数年前からカメラマンのいわいあやさんと一緒に様々な土地に訪れて、そこからインスパイアされた曲を作っています。 そしていわいさんが撮った写真や映像とコラボして「写真はうたう」というイベントを開催しています。その活動の中で宮内さんと共作させていただいたこともありました 。とても嬉しかったです。


林;ごめんなさい。そういうマキさんの活動、全然知らなくて。すごく面白そうですね。なんか、もっと簡単にマキさんの活動がわかるようなシステムを作っていただきたいです。


09: Miro una estrella / Mono Fontana



マキ;1959年、ブエノスアイレス生まれのキーボーディスト/ ピアニスト。本名フアン・カルロス・フォンタナ。 アルゼンチン音響シーンで活動する彼の曲はため息が出るほど美しく、 これもまた朗読コーナーでよく流させていただきました。
夜空の星を見る内容の詩にこの曲がぴったりだと思えて、あとでタイトルを調べてみたら、「彼は星を見る」というような意味でした。音楽は言葉よりも通じると改めて思いました。


林;ああ、モノ・フォンタナのこういう感じもお好きなんですね。ほんと、お話を聞かないとわからないものですね。美しいですよねえ。


10: 最終回のうた / iima



マキ;娘が小さいころ、絵本を読んであげると、最後のページで必ず泣いていました。どうやら物語が終わってしまうのが寂しいらしいのです。思い起こせば、 私もアニメやドラマの最終回を迎えると寂しい思いをしていました。でもその先が見れなくなるだけで、物語はまだ続いていく。そして私のストーリーに最終回がきても、世界はつづく。どうかしっかり生きてほしい。 そんなメッセージを込めて作った曲です。
...手前味噌なのですが、iimaのこの曲を最後に挙げたいです。

この作品は、南阿蘇村の震災復興イベントのためにKOO- KIの白川東一さんとコラボレーションしてつくりました。たくさんの方がシェアしてくださり、Facebookでの映像公開から1ヶ月で再生回数1万回を超えた作品です。この曲を聞いてシェアしてくださった方の中にはピアニストの林 正樹さんもいらして、お話しているうち、 レコーディングに参加してくだることになりました。 2月に発売されるiimaのアルバムでは、この「最終回のうた」 で林さんのすばらしいピアノをお聴きいただけます。


林;うわあ、すごく良いです。いつかあなたがしわっくちゃになったら私のことを思い出して、の辺りで涙腺がきました。いいですねえ。さて、マキさん、何か宣伝があるのではないでしょうか。


マキ;私、永山マキとギター・イシイタカユキとのDUOユニットiima[イーマ]デビュー・ アルバムを2月にリリースいたします。皆様是非よろしくお願いいたします。


林;みなさん、チェックしてくださ~い!↓


【iima[イーマ]待望のデビュー・アルバム『最終回のうた』2月2日発売!】



iima web
iima facebook
tsumikicode webshop


マキさん、お忙しいところどうもありがとうございました。
福岡に移住したの、いい選択でしたね。今後のご活躍も期待しております。

東京の雪、やっと溶け始めましたね。みなさんもいかがお過ごしでしょうか。
それではまたこちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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iima[イーマ]待望のデビュー・アルバム『最終回のうた』
2月2日発売!2800円(税別)
ライヴ会場、通販、ダウンロードでの販売

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■タイトル:『最終回のうた』
■アーティスト:iima
■発売日:2017年2月2日

購入はこちら

iimaデビュー・アルバム『最終回のうた』の特設サイト
http://www.iima-music.com/sp/


【今後のライブ予定】
2月2日(金)春待ち音楽会@佐賀CIEMA
時間:19:00開場/19:30開演
出演:iima(永山マキ×イシイタカユキ)/樽木栄一郎/ zerokichi
料金:予約3,000円/当日3,500円※ 別途1ドリンクオーダー
【予約窓口】0952-27-5116
info@yakuin-records.com
◎件名→2/2◎本文→名前・連絡先・予約人数


【iimaデビューアルバム『最終回のうた』 リリース記念LIVE】
<福岡公演>
日程:2月4日(日)
時間:14:00開場/15:00開演
料金:前売 3000円 当日3500円(共に+1d)(高校生以下半額 未就園児無料)
出演:iima(永山マキ・イシイタカユキ)
スペシャルゲスト 樽木栄一郎(vo.g)&zerokichi (uku)・いわいあや(写真)
会場:WEEKS GALLERY
福岡市中央区薬院1-8-8 WEEKS BLD 5F(1F・2F/B・B・B POTTERS)
【予約窓口】
ticket@tsumiki-code.com


<東京公演>
日程:2月12日(月・祝)
時間:12:00開場/13:00開演
金額:前売 3000円 当日3500円(共に+1d,1food)
(高校生以下半額 未就園児無料)
出演:iima(永山マキ・イシイタカユキ)
スペシャルゲスト 林正樹(pf)
会場:〒150-0034 東京都渋谷区代官山町1−1グラヴァ代官山
@Weekend Garage Tokyo
【予約窓口】
03-5428-5751(14:00〜18:00)
reserve@weekendgaragetokyo.jp

メールご予約方法
必要事項を明記の上、お申し込みください。
1.件名に公演日、iimaリリース記念ライブと明記の上、
2.お名前(代表者のフルネームをカタカナ表記を添えて)
3.お電話番号(当日ご連絡のつく番号をお願いします)
4.ご予約人数(高校生以下の場合はお知らせください)
5.遅れる場合はご来店予定時間
※ご予約申し込みメール受信後、 数日以内に受付確認のメールをお送り致します。
メール受信設定などでドメイン指定をされている方は、 ご確認をお願い致します。
確認次第、随時お席は押さえさせて頂きますが、 基本的には折り返しのメールにてご予約の完了となります。また店舗業務の関係上、 折り返しメールが遅れる場合がございます。予めご了承ください。
※ お席に限りがあるため予約キャンセルの場合は必ずご連絡を頂くようお願いいたします。
当日キャンセルの場合はキャンセル料チャージ全額分をご請求させて頂くことがございます。


【Romero Lubambo Japan Tour 2018】
Rio - New Orleans - Tokyo with Peter Martin 福岡公演
Special Opening Act - iima

ブラジリアン・ジャズを代表するミュージシャンとして、 ニューヨークの第一線を走り続けるギターの名手「ホメロ・ ルバンボ」が福岡初登場!!満を持して遂に決定しました。
ダイアン・リーブスBANDで数々のステージを共にしてきた、 ニューオーリンズにルーツを持つピアニスト、ピーター・ マーティンと共に、31回目の来日を果たします。ブラジル・ アメリカ・そして日本への想いが、 音になる瞬間をぜひ福岡でお楽しみください!
オープニングアクトには、LOVE FM「iimaな時間」(毎週火曜日20時から放送中) でもお馴染み、2018年2月に1st.アルバムをリリースの、 iima(イーマ)が登場します。 ギタリストのイシイさんヴォーカルの永山さんお二人が熱烈なホメ ロさんのファンでもあり、本企画が実現しました。

日程:2月22日(木)
時間:18:00開場/18:30開演
出演:Romero Lubambo,Peter Martin
Opening Act - iima(永山マキ・イシイタカユキ)
会場:大名スクエアーガーデン
福岡市中央区大名2-1-4 ステージ1西通り8階
※天神西通り「一風堂スタンド」 向かいSTEREOと同じビルです。
料金:前売 5,800円(1ドリンク別途500円)
当日 6,300円(1ドリンク別途500円)
【予約窓口】
電話:092-753-7447(大名スクエアーガーデン 12:00〜22:00)
web:http://sgarden.jp/contact.htm

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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
■品番:UICZ-1646

アマゾン詳細ページへ


【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

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「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪 ・vol.69 石亀政宏 ・vol.70 愛知アンディー有 ・vol.71 三原秀章 ・vol.72 キム・ジノン ・vol.73 花崎章 ・vol.74 洞澤徹 ・vol.75 太田美帆 ・vol.76 金野和磨 ・vol.77 林伸次


bar bossa information
林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

bar bossa
bar bossa
●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
お店の情報はこちら

bar bossa vol.77:bar bossa

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vol.77 - お客様:林伸次さん(bar bossa)


いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

あけましておめでとうございます。
今回は毎年恒例の、bar bossaの林伸次さんをお迎えしております。


林A;いらっしゃいませ。さっそくですがお飲み物はどうされますか?


林B;じゃあ、シャンパーニュをグラスでください。あ、bar bossaさん、シャンパーニュがグラスで1000円なんですね。安いですねえ。頑張ってますね。


林A;宣伝はやめてください。それでは2017年によく聞いた音楽の話をしていただきたいのですが。いかがですか?


林B;一番聞いたのはブックマークスですね。もうほんとこういう音楽が好きです。


林A;ブックマークスは洞澤さんにこちらでも出演していただきましたね。じゃあアルバムのダイジェストですが、聞いてみましょうか。


The Bookmarcs New album「BOOKMARC MUSIC」DIGEST



林B;いいですねえ。なんかのCMとかに使われたりしないのでしょうか。是非、これからも頑張ってほしいグループですね。


林A;さて、次はどういうのを聞きましたか?


林B;次はCHAIですね。名古屋出身のガールズバンドなのですが、「CHAIって何なの?」ってよく聞かれるので、ひとことで言いますと、「現代の少年ナイフかチボ・マット」です。最初から「海外で受ける可能性がある」というのも共通していますね。あと、ツイッターで、「CHAIが好き」と告白したところ、オシャレな友人知人からどんどん「いいよね!」とリプライが返ってきました。


林A;どんな人たちですか?


林B;例えばBEAMSの青野賢一さんとか、イラストレーターの松尾たいこさんとかですね。もう東京のオシャレ番長の二人が好きなわけです。まあ聞いてみましょうか。


CHAI「sayonara complex」



林B;あとはニカも良かったです。このJJazzにも出演していただいた金野さんにオススメしてもらったのですが、サチモスが売れるのなら、ニカも売れるべきです。


滲んだ - nica(Official Music Video)



林A;なるほど。さて、韓国はどうでしたか?


林B;ルシッド・フォールが新譜をだしましたね。なんかどんどん内省的になってます。なんとかして来日公演をしてほしいのですが、いかがでしょうか。


루시드 폴 Lucid Fall - 안녕, Salut, Official M/V



林A;林さんは南米音楽をよく聞くんですよね。


林B;もちろんです。去年の新譜、ギリギリ滑り込みの名盤が2枚です。カルロス・アギーレのカルマとジョアナ・ケイロス、ハファエル・マルチニ、ベルナルド・ハモスのジェストですね。なんと後者はアナログ・レコードが出てます。これは快挙ですよね。ジャケットが美しいです。


Voces de otra vida y otro lugar (Carlos Aguirre Trío) - Disco Calma



Joana Queiroz, Rafael Martini, Bernardo Ramos «GESTO»



林A;他はどんな音楽を聴いてましたか?


林B;正直に言いますと、基本的にアナログレコードしか買わないんです。だからどうしても「昔の音楽」になってしまいまして、今はカル・ジェイダーばかり買ってます。


林A;21世紀にカル・ジェイダー、全然オシャレじゃないですね。


林B;いいんです。もう自分が本当に聞きたい音楽を聴こうって決めてるんです。こういう音楽、最高ですよ。


Cal Tjader - Curtain Call



林A;なるほど。こういうの聞いてるんですね。ブロッサム・ディアリーの本を書きたいと言ってましたがどうなりましたか?


林B;いつか書いてみたいです。なんか思ったように、ブロッサムの情報が集まらないんです。もし僕が偉い作家先生なら、編集と取材のチームを作って、情報を集めるのですが、そんなことできないので... ブロッサムの43歳のころの映像でも見てください。


Blossom Dearie--My Gentleman Friend, Soon It's Gonna Rain, 1967 TV



2018年が始まりましたね。今年も良い音楽に出会えるといいですね。
それではまた来月もこちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
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6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
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楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


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bar bossa information
林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

bar bossa
bar bossa
●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
お店の情報はこちら

bar bossa vol.76:bar bossa

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vol.76 - お客様:金野和磨さん(Gerbera Music Agency)

【テーマ:最近のオススメの日本人アーティスト】


いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今月はミュージシャンのエージェント会社 Gerbera Music Agencyの代表をしている金野和磨さんをお迎えしました。


林;こんばんは。早速ですがお飲物をおうかがいしますね。


金野;林さんの今日のオススメのワインをお願いします!甘口のものだと嬉しいです。


林;でしたら、今は南仏のミュスカがありますからそちらにしますね。さて、お生まれと小さい頃の音楽環境のことを教えていただけますか。


金野;1987年に宮城県の気仙沼で生まれました。住んでいる地域の周辺にライブハウスもありませんでしたし、習い事もサッカーでしたし、両親も音楽関係の仕事をしているわけではなかったので、小さいころは音楽と無縁な生活でした。両親がよくCDをレンタルしてカセットに入れていたので、自宅では流行りの音楽には触れていましたが。CDも中学に入るまで買いませんでした。


林;気仙沼ですか。畠山美由紀さんと同郷ですね。なるほど、金野さんの世代だとご両親がレンタルCD世代なんですね。その後はどうですか?


金野;中学に入ってからもサッカー三昧だったのですが、音楽に詳しい友人の影響で音楽を自分で聴くようになりました。当時はMD全盛期だったので、『俺ベスト』的なMDをつくって貸し借りしていましたね。1文字1文字楽曲タイトルを入れないといけなかったので、その作業がMDへの愛着に繋がっていた気がします。


林;確かにMDは文字を入力しましたね。懐かしい。最初に買ったCDは?


金野;初めてCDを買ったのは中学1,2年ごろに買ったBUMP OF CHICKENのメジャー1枚目のアルバム『jupiter』でした。このアルバムは当時友人・知人の間でものすごい人気でして。たぶん軽く30回は貸したと思います。最後の方はパッケージも歌詞カードもボロボロになっていて、ディスクも傷がついて再生できなくなっていました。BUMP OF CHICKENの人気の凄まじさを肌で感じましたね。


林;そうかあ、中学でBUMP OF CHICKENのCDを30回は貸すっていうのが、ほんと時代ですね。その後は?


金野;大学進学に合わせて上京したのですが、最初の住むことになった学生会館(いろんな大学の学生が住む男子寮みたいな施設)で知り合った友人に勧められて聴いたのがBLANKEY JET CITYやTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT、THE YELLOW MONKEYでした。


林;お、カッコいいですね。


金野;この3組は周りに合わせて当時の流行りの音楽しか聴いてこなかった自分にとってかなりの衝撃で、そこから初めて音楽を自分で掘るようになります。1950~60年代のロックンロールとか、グラムロックとか、パンクとか。グラムロックやパンクはファッションも特徴的だったので、音楽とファッションのカルチャーについても調べたりしていました。


林;やっぱりみんなそこを通りますよね。


金野;社会人になってからも音楽を自分で掘る楽しみみたいなものに取り憑かれていたんですが、このころ(2010年ごろ)からオリコンの上位がアイドルやジャニーズで埋め尽くされるようになりまして、良い音楽がこれだけ溢れているのになぜそれが反映されないのか疑問に思ったんです。今思うと音楽ビジネスのことを何も知らなかったからこんなこと言えたんだなと思いますが、当時は率直に「日本の音楽業界は終わってる」と思いました。なので、自分で変えてやろうと思い、新卒で入った会社から音楽サービスの会社に転職して音楽の仕事に携わるようになりました。


林;なるほど。今のお仕事はどうでしょうか? 良いことや悪いことなどがあれば教えていただけますでしょうか。


金野;天職だと思っています。やりがいしかないので一生続けたいです。「良いこと」はとんでもないライブに出会う機会が多いこと、自分たちのサポートしているアーティストやチームのメンバーが活躍しているさまを見ることなど、たくさんあります。一方、「悪いこと」は自分の力不足でアーティストが活動休止したり、自分たちのもとを離れてしまうときなどです。これはもう経験や知識を積んでいって減らしていくしかないと思っています。


林;これからの音楽はどうなると思いますか?


金野;まず音楽とリスナーを取り巻く環境の話ですが、主にSpotifyをはじめとしたストリーミングサービスのさらなる普及によって、これからプレイリストを通じて新しい音楽と出会う機会が増えていくと思います。伴って、プレイリストの楽曲を選ぶ「キュレーター」と呼ばれる人たちの存在感も増していくと思います。


林;なるほど。


金野;また、SpotifyやApple musicは海外のリスナーとの接点になりますので、これからそれらのサービスを通じて、国内アーティストの海外進出がより積極的になっていくのだろうと思います。ライブホール「Zepp」がマレーシアやシンガポールなどアジア各都市に展開されていくことをはじめ、環境も整備されていくと思いますし。

ただ1つ補足しておきたいのが、ストリーミングによってCDが急速に淘汰されていくようなイメージは持っていません。現在ストリーミングサービスにはサザンオールスターズやジャニーズの楽曲など、解禁されていない人気アーティストの楽曲がまだまだたくさんあり、普及が思うように進まない要因の1つになっています。これらの楽曲は今後のストリーミングサービスの成長に合わせて少しずつ解禁されていくとは思いますが。そういった事情があるため、ストリーミングの普及とCDの衰退は今後もゆるやかに進んでいくイメージを持っています。また、ハイレゾとアナログはストリーミングとシェアを食い合うようなイメージは持ってませんので、今後も堅調に売上を伸ばしていくんじゃないかなと思います。


林;さすがすごく具体的で面白いです。


金野;最後にアーティストを取り巻く環境については、これからはアーティストがセルフマネジメントするための会社をつくったり、自らマネージャーや宣伝担当者を雇って活動していくケースが増えていくのではないかと思っています。これまでアーティストがのし上がっていくには事務所やレコード会社に所属する以外に選択肢がなく、自らがリスクを取って主体的にチームを動かしていきたいタイプのアーティストにはフィットしないケースが少なからずありました。そうした背景があり、所属している事務所やレコード会社から独立して活動するアーティストが少しずつ増えてきています。僕個人としては、アーティストは自らプロジェクトの責任者として全ての意思決定と実行に主体的に関わっていくべきだと思っているので、この流れをエージェントとしてサポートしていきたいと思っています。

この件に関しては先日ブログを書いたので、ご興味ある方にはぜひご覧になっていただきたいです。

http://gerbera-music.agency/course-of-action-2017/


林;すごくよくわかりました。最前線でやられている金野さんならではのお言葉ですね。さて、今後はどうされる予定でしょうか?


金野;まず、音楽業界でやりたいことをやるためには兎にも角にも実績が必要なため、いま弊社でサポートしているクライアントアーティストが成功できるよう全力を尽くしていきます。「成功」というのは武道館での単独公演やホールツアーをイメージしています。


林;まずそこからということですね。


金野;実績ができ、自社の知名度が上がってからどうするかはまだ決めていないのですが、候補としては2つあります。1つはアーティストのエージェント会社として、クライアントアーティストがより成功しやすいような環境を整備していくこと。例えばレコーディングスタジオを持つとか、ライブ制作事業をはじめるとか、グッズ制作事業をはじめるとか、そういったイメージです。

もう1つは、アーティストが音楽活動をしやすくなるようなプラットフォームをつくること。例えば自主で活動するアーティストがチームをつくりやすくなるよう、クリエイター(デザイナー、映像作家、VJ、照明)をアーティストとマッチングさせるようなプラットフォームですね。この2つのうちどちらの方向に進むかはいま現在では検討もつきませんが、より日本のアーティストが活動しやすくなるような、音楽を続けやすくなるような事業をしたいです。


林;期待しております。それではみんなが待っている選曲ですが、テーマは僕から「最近のオススメの日本人アーティスト」でお願いしたいのですが、いかがでしょうか。


金野;では、8曲、おすすめしますね。


01. ここにしかないって言って / ものんくる



金野;いま知名度を上げている「日本語ポップス×ジャズの新感覚ユニット」です。ベースはポップスでありつつもジャズの要素が自然と溶け込んでいて、身体を揺らしたくなるリズム感、グルーヴ感があります。ものんくるに限らず、最近ポップスとジャズをかけ合わせたアーティストが少しずつ増えてきている気がします。


林;ものんくる、すごくいいですよね。吉田沙良さん、すごく可愛いですし。


02. めたもるセブン / けもの



金野;女性ジャズ・ヴォーカリスト青羊(あめ)によるソロ・ユニット。80年代のシティ・ポップが好きな方には特にフィットするかもしれません。今年7月にリリースされたアルバムのリード曲で衝撃を受けてすぐにアルバム買ってライブ行きましたがどちらも素晴らしかったです。


林;この人も、僕のTLでみんながよく話題にしていますね。声の耳ざわりもいいですよね。


03. 滲んだ / nica



金野;『Urban Jazzy Pop』を掲げている男女デュオ・バンド。キャッチコピー通り、都会的で心地よいサウンドとグルーヴ感が特徴です。夜終電なくして歩いて家まで帰らないといけなくなったときにコンビニで買った酒飲みながら聴きたいです。


林;金野さんのそのコピーが秀逸です! これ、金野さんにおすすめいただいて、すごく聞いています。すごく売れてほしいですね。


04. Gospel In Terminal / bonobos



金野;6月に彼らのBillboard公演を観て感動したのですが、2017年のbonobosはネオ・ソウルや現代ジャズのグルーヴを纏っており、控えめに言って極上です。無限に聴き続けられます。すでにご存じの方も多いバンドだと思いますが、今観ておくべきだと思います。


林;確かに、控えめに言って極上ですね。曲もすごくいいですよね。


05. Midnight Cruise / WONK



金野;昨年彗星のように現れた、東京発〈エクスペリメンタル・ソウル〉 バンド。ハイエイタス・カイヨーテに代表されるフューチャーソウル/R&Bをこれだけ高いレベルで表現している日本人バンドは他にいないのではないかと思います。最初聴いたときはそのよれたリズムに面食らったんですが、何回も聴いているとそれが気持ち良く感じてくるんですよね。


林;なんか変な表現ですけど、日本人じゃないみたいですね。カッコいいです。


06. my hawaii "Setsuna" live at FEVER 2016.05.09



金野;LAで活動する日本人ミュージシャン鹿野洋平を中心に結成された6人組バンド。彼らに出会うまではこういう土っぽさを感じるゆったりとした音楽に興味を持てないでいたんですが、昨年彼らのライブを観てその魅力に気づきました。音の響きや音色に圧倒的な豊かさを感じられて、ああ、こういう音楽の魅力ってこれだったんだと、しみじみ思いました。この日のmy hawaiiは僕にとって2016年のベストライブでした。


林;へええ、LAで結成で、ジャパン・ツアーなんですね。いいですねえ。


07: ROTH BART BARON "BEAR NIGHT" | FULL SET | Dec 20th 2016



金野;三船雅也(vocal/guitar)と中原鉄也(drums/piano)の二人組からなるインディフォークバンド。昨年『hoshioto』という、星空の綺麗な岡山の野外フェスで彼らのライブを初めて観たのですが、my hawaiiのライブを観たときに近い豊かさ、美しさを感じました。
my hawaiiはメロディとハーモニーの美しさが際立っているバンドだと思っているのですが、ROTH BART BARONは生命力、力強さを感じさせる壮大なサウンドスケープが最大の魅力だと思います。


林;インディーフォークなんですね。たしかに曲はフォークですね。もう全然知らない世界でした。


08: 4AM Mellow Diver(山中さわおRemix) / ArtTheaterGuild



金野;先日チームのメンバーがTwitterでシェアしたのを聴いて知ったバンドです。最近のバンドでthe pillowsやスピッツを想起させるようなバンドに出会うことってほとんどないんですが、このバンドには似た成分を感じました。一生聴けそうなポップス。実際、この楽曲は彼らに惚れ込んだthe pillowsのリーダー、山中さわおさんがリミックスを担当しているようです。


林;おお、いいですね。抑制した感じですが少しづつじわじわ心に響きますね。


●金野さんのtwitter
https://twitter.com/konno108/

●Gerbera Music Agency
http://gerbera-music.agency/


金野さん、お忙しいところどうもありがとうございました。
金野さんの今後のご活躍、期待しております。

みなさん、もうすっかり師走ですね。
街ではクリスマスソングが流れていますが、いい音楽は聴いていますか? 
それではまた来月もこちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
■品番:UICZ-1646

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【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

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「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪 ・vol.69 石亀政宏 ・vol.70 愛知アンディー有 ・vol.71 三原秀章 ・vol.72 キム・ジノン ・vol.73 花崎章 ・vol.74 洞澤徹 ・vol.75 太田美帆


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林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

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bar bossa vol.75:bar bossa

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vol.75 - お客様:太田美帆さん(cantus)

【テーマ:参加した思い出曲と、沢山の人に聞いて欲しい現代の音楽家の曲】


いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今月はcantusの太田美帆さんをお迎えしました。


林;こんばんは。お飲物はどうされますか?


太田;ご飯は済ませてきたので、食後酒が飲みたいです。ボンボンさんのガトーショコラに合うのがいい。


林;でしたら、シャンパーニュ地方のフィーヌなんてどうでしょうか?


太田;それをお願いします。


林;では、こちらどうぞ。お生まれは東京ですよね。


太田;1978年広尾の日赤病院で生まれました。


林;小さい頃から音楽と関わってたんですよね。


太田;歌うことが好きだったので、母親に合唱団を探してもらって、小学校2年生の時に、東京少年少女合唱隊に入隊しました。
代々木上原に住んでいたので、スタジオのある新大久保へは新宿から乗り換え1回で行けました。親は単純にアクセス的に子供が一人で通えるということで選んだと思うんだけど、東京少年少女合唱隊は「プエリ・カントレス」(カトリック系世界児童合唱連盟)の日本支部で、ルネッセンスの楽曲を主なレパートリーとする合唱隊でした。そこで宗教音楽とラテン語の洗礼を浴びました。合唱隊は宗派問わず学校もバラバラの小学生が「歌いたい」という気持ちだけで繋がっている特別な空間。教会旋法の響きは子供ながらにエモくて、すっかりハマってしまいました。


林;なるほど、そうだったんですね。初めて買ったCDって何でしたか?


太田;高校までは合唱隊が忙しく、音楽は聴くものではなく「やるもの」だったんです。だからCDを買って音楽を聴くという行為に目覚めたのは高校になってから。
多分初めて買ったCDは下北のディスクユニオンで買ったドアーズの『The DOORS』。「The end」という曲が好きでした。周りはエアロスミスとかボン・ジョヴィとか聞いてたんだけどしっくりこなくてドアーズに行き着きました。


林;うーん、最初がドアーズですか。なんか都心の女の子って感じですねえ。合唱、どうでしたか?


太田;とにかく合唱隊が忙しかったです。先生には「習い事だと思うな。これは仕事です」と言われていたので子供なりにプライドを持ってやっていたつもり。そういう意味では合唱隊の子供たちは態度が大きくて、現場では鼻持ちならない存在だったと思います。合唱隊、学校、サントリーホール、スタジオの往復。学校には友達がいませんでした。クラスに好きな男の子がいたのだけが救いでした。


林;そんなに... そのまま中学高校と続いた感じでしょうか?


太田;中学時代はまだ合唱隊が忙しかったです。高校時代はクラブでハウスを浴びてました。主なテリトリーは表参道のMIX。愛車のBMXで弟とナイトクルージングしてました。好きな雑誌はスタジオボイス。


林;おお、らしくなってきましたねえ。その後は?


太田;高3の時、合唱隊時代の親友とSUS4という女子2人ユニットでメジャーデビューして芸能活動スタートしました。キャッチコピーは「チャペルから飛び出した少女達」(笑)。全く売れませんでした。でも二人で歌ってるだけで十分楽しかった。
22歳でSUS4は解散して私はソロアルバムをリリース。アレンジは全て音楽家の林正樹君にお願いしました。しかし残念ながら私の力不足で作品は全く話題になりませんでした。


林;あ、そのときに林正樹さんとやってるんですね。その後は?


太田;25歳で音楽家と結婚しました。教会音楽という自分のバックグラウンドを認めてくれる初めての人で、映画、アートあらゆることを教わりました。音楽活動は続けるというより個人的にはこれしか出来ないし一応天命だと思ってるから続けています。


林;そうなんですね。さて、これはみんなに聞いているのですが、これからの音楽はどうなると思いますか?


太田;いわゆるメジャーな音楽はよりショービズ化していくんだろうし、総合芸術、新オペラみたいな感覚になるのかなぁ?
私が好きな世界観の音楽、非大衆音楽は、よりライブであることが、必要とされていくと思います。普段音楽を全く聞かないので、配信とかのシステムはイマイチわかってないです。


林;あ、そうなんですね(笑)。これからのご予定は?


太田;先にも話したけど、私にとって音楽は聴くものではなく「やるもの」です。新しい取り組みとしては、聖歌隊CANTUSとは別に、即興に個性が見出せる歌い手を集めて新しいコーラスグループを作る予定です。それと同時にア・カペラ曲を作るのも楽しいので、作曲活動も続けると思います。


林;これからも楽しみですね。それではみんなが待っている選曲ですが、テーマは何でしょうか?


太田;本当に普段音楽を一切聞かないので、音楽を知らないんです。だから、オススメのあの曲というのが思いつかなくて、「参加した思い出曲と、沢山の人に聞いて欲しい現代の音楽家の曲」を連ねます。


林;美帆さんらしいですね。それでは1曲目は?


01. 秋のワルツ / 中島ノブユキ



太田;レコーディングしたのは早稲田のアバコだったと思います。「いつもみたいに歌って」と言われて家の鼻歌の延長で30分位で録音しました。言葉もその場で載せました。オノマトペなのでライブの時はいつも思いついた言葉で歌ってました。「声も楽器の一部だから突出しなくて良い」といつも言われてました。その感覚は今でも大切にしています。


林;良い曲ですよね。この曲のファン、すごく多いですよね。


02. Mio Pianto / 高木正勝



太田;高木君も私に勇気を与えてくれた一人。いつでも優しくて柔らかくて。でも音楽に対しては1音も妥協を許さない人でリハーサルもすごくするし、映像も素晴らしいし、同年代の音楽家で一番影響受けました。


林;リハーサルすごくするんですか。なんかイメージではパッとその場で録音って感じがしますが。


03.光 / haruka nakamura PIANO ENSEMBLE feat.CANTUS



太田;harukaは可愛い弟分という感じだったけど今では音楽という灯の青い部分を表現するパートナーに変わりました。このPV映像のライブをした5日後、私は第一子を出産しました。


林;有名な演奏ですよね。うわあ、やっぱり感動的ですね。え、5日後!


04. 光 / haruka nakamura PIANO ENSEMBLE



太田;8月にリリースされたharuka nakamura piano ensemble最後のアルバム「光」のPV。最初に紹介した光から5年経ってます。同じ曲がこう変化していく様を作品化していくケースはあんまりないんじゃないかなぁと思います。


林;面白いですね。こんな風に変化するんですね。


05. Hodie / CANTUS



太田;今年の5月にインパートメントから2枚目のアルバムをリリース出来ました。全曲宗教曲。私達の源を表現したアルバム。タイトルの「オディエ」とはラテン語で「今日」という意味です。1日で収録した「今日」に捧げた作品。


林;あ、やっぱり全曲宗教曲なんですね。「今日」に捧げるんですか。深い。


06. Rhye"Open"Cover / 坂本美雨+武田カオリ+太田美帆



太田;今年の6月に「人間の声」というテーマでライブを自主企画しました。色々あってイベント自体は中止になってしまったのだけど、参加メンバーだった美雨さんとカオリさんが協力してくれて急遽ア・カペラ ライブを敢行しました。その時の音源です。三人の母の歌。人生最大級のピンチを迎えたおかげで沢山の方の人間力に触れました。ありがたすぎて言葉にならない。


林;三人の母の歌ですか。うわあ、すごい演奏ですね。こんなのあったんですか。


07: Pendulum / 林正樹



太田;林君、通称リンちゃん。リンちゃんはSUS4の頃から一緒に演奏している大切な人。同い歳。高校生の頃から天才って呼ばれてました。当然天才だと思ってるけどこの人は誰よりもピアノを弾いてるし向き合っていると思います。この音源ではわたしは歌ってませんけど、この曲が好きすぎて、リンちゃんの福岡、岡山ツアーに付いて行って歌わせてもらいました。


林;林正樹さんとそんな長い付き合いだったんですね。それも知りませんでした。天才だと僕も思います。


08: Moments musicaux - Thème / 阿部海太郎



太田;海太郎君も同い歳。蜷川さんの劇判を歌わせてもらったり、CANTUSのアルバムにもミサ曲を委嘱してもらいました。海太郎君の和声に対する感覚は粋。歌いながら毎回「くぅ、洒落てるねー!」と唸ってしまいます。そして彼の話すフランス語の綺麗なこと。良い男。


林;あ、美帆さん、この方とも共演されてるんですね。なんか美帆さん、すごいなあ。


09: in aquascape / 坂本美雨



太田;美雨さんの歌声は天女みたいだなと思います。この曲はお父様が美雨さんのために書かれた曲。美雨さんの原点、そして終着点が詰まってる気がします。この曲から生きる糧を享受する人は少なくないと思います。音楽だけではなく色々な表現の仕方で愛を表すことが出来る人。


林;一度、bar bossaでも撮影でお会いしました。猫好きで、渋谷の野良猫にすごく反応してて、うわ、本気だと思いました。


10: 私の赤ちゃん / 七尾旅人



太田;クラシック上がりの所以かピアノを弾く人と縁が多いけど、旅人さんはギターを操る魔法使い。そしてメロディセンスは他の追随を許さない。音楽のためならいくらでも身を削る、その姿勢に毎回頭が下がります。一緒にVOICE!VOICE!VOICE!VOICE!VOICE!VOICE!VOICE! という声のバンドを組んでます。旅人さんの曲ではこの曲が一番好きです。


林;いい歌ですね。こういう歌ってあるんですね。すごいなあ。さて、10曲終わりましたが、美帆さん、何かこれは宣伝しておきたいことってありますか?


太田;インスタがいま楽しい。「ura.cantus」を覗いてもらえたら嬉しいです。
https://www.instagram.com/ura.cantus/


林;ライブよくやってますよね。みなさんも是非、チェックしてみてください!


美帆さん、お忙しいところ今回はどうもありがとうございました。
もう冬ですね。いい音楽は聴いていますか? 
それではまた来月こちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
■品番:UICZ-1646

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【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

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「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪 ・vol.69 石亀政宏 ・vol.70 愛知アンディー有 ・vol.71 三原秀章 ・vol.72 キム・ジノン ・vol.73 花崎章 ・vol.74 洞澤徹


bar bossa information
林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

bar bossa
bar bossa
●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
お店の情報はこちら

bar bossa vol.74:bar bossa

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vol.74 - お客様:洞澤徹さん(The Bookmarcs)

【テーマ:今昔の心踊るAOR曲10選】


いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今月は10月11日にデビューアルバムが発売されるThe Bookmarcsの洞澤徹さんをゲストにお迎えしました。


林;いらっしゃいませ。早速ですが、お飲物はどうされますか?


洞澤;モヒートをお願いします。


林;かしこまりました。では、お生まれと小さい頃の音楽環境を教えていただけますか?


洞澤;1971年に東京都日野市で生まれました。兄と姉がいて洋楽が好きだったので、その影響で洋楽を聴くようになりました。当時はノーランズとかABBAとかクイーンのレコードが家にあってよく聴いていました。楽器も兄が持っていたクラシックギターで遊んでいたのが始まりです。


林;なるほど。僕も69年生まれなのでその感じわかります。ギターもクラシックギターでしたよね。最初に買ったレコードは?


洞澤;自分で初めて買ったレコードはワム!の『ファンタスティック』(1983年)というアルバムです。町の小さなレコードショップで「ワム!」ありますか?と聞いたら「雅夢」を出された切ない思い出があります。


林;(笑)なるほど。12歳で洋楽なんですね。その後、中学にあがるとどうでしたでしょうか?


洞澤;中学でハードロックバンドを組みました。僕はギターを担当。ラウドネスとかアースシェイカーなどのコピーをしていました。ギターソロが難しくて、雑誌『プレイヤー』のTAB譜を見ながら必死にカセットテープを聴いて練習したのを覚えています。マイケル・シェンカーの「キャプテン・ネモ」という曲は今でも弾けると思います。


林;中学でバンドですか。東京はやっぱりすごいですね。ラウドネスやアースシェイカー、僕も高校の時、バンドでやりましたよ。


洞澤;当時の情報源はとにかくラジオで、ラジオ番組雑誌『FMステーション』は欠かさず読んでましたね。鈴木英人さんデザインの表紙が印象的でした。付録のカセットテープインデックスカードが嬉しかったのを覚えています。


林;やっぱり同世代だと「エアチェック」はしていますね。高校卒業後はやっぱりミュージシャン志望だったのでしょうか?


洞澤;ミュージシャン志望ということはまったくなくて、でも音楽は好きでしたからオリジナルのポップスバンドをやっていました。大学時代はとにかくバイトばっかりしていました。剣道をやっていたので道場で少年指導とか、パン工場や、コンビニなどなどとにかくたくさん。
音楽に触れるような仕事はしてなかったですね。音楽に関してはちょっとはすに構えているようなところがあって、大学の音楽サークルとかは意味もなく敬遠していたねじれた青年でした。


林;そうなんですか。中学の頃にバンドをやっていたのに意外ですね。


洞澤;大学の近くにジャニスという有名な貸レコ屋があったのでよく通っていました。ソフトロックのコーナーは棚借りしたり(棚に置いてあるソフトロックコーナーの端から端まで何度かに分けて全部借りる)してました。


林;ジャニスって確実に東京の音楽を変えていますよね。僕ももう少し後になってからですが、一時期通いました。The Bookmarcsはどういうきっかけで始められたんですか?


洞澤;今やっているThe Bookmarcsのスタイルは、僕がとあるイベントの打ち上げ会場でビートルズの「アクロス・ザ・ユニバース」を歌っている近藤くんを見て、声に惚れてナンパしたのがスタートです。僕は女性ボーカルユニットばかりやっていたので男性ボーカルユニットは新鮮でした。それからは、近藤くんの声質で歌ったら面白いだろうなという曲を作り続けています。


林;なるほど。男性ボーカルとの出会いっていうのが大きいんですね。録音でこだわられているところは?


洞澤;今は音楽の仕事を始めてから17年ほどですが、どんどんPCの性能が上がり音源も含めてほとんどPCで作れてしまうのでシンプルな仕事場になりつつあります。ただ、僕は打ち込みだけで成り立っているトラックがあまり好きではないので、ギターなど弾ける楽器はだいたい生で入れます。以前からコツコツ練習しているトランペットも最近は録音にちょいちょい使うようになりました。目下の目標はサックスも習得して一人多重録音でブラスセクションを入れるようになることです。


林;え、一人ブラスセクションですか。すごい野望ですね。さて、これはみんなに聞いているのですが、これからの音楽はどうなると思いますか?


洞澤;制作側の観点で言うと、プロとアマチュアの境がどんどん曖昧になってきてますね。みんなにチャンスがある分、職業作曲家みたいな立ち位置がだんだん難しくなってきています。サラリーマンの人も、他に職を持っている副業ミュージシャンもクオリティが高い人は本当にたくさんいて、PCやソフトの進歩でリリースレベルのものが誰でも作れるようになってきています。得意分野にフォーカスを絞れば、プロ混在でも誰でも勝負できるということです。音楽を職業としている身としては、面白くなりつつもいっそう緊張感が高まる昨今です。


林;なるほど。


洞澤;また、CDが売れないとか、配信では儲からないとか言われて久しいですが、これだけカジュアルに誰でもクオリティの高い動画制作が安価でできて世界に見せたがっている人がごまんといる状況を考えると、映像音楽という意味で決して音楽の需要がなくなっているのではなくむしろ高まっているのは明白です。素人だけど才能ある動画制作者とそこらへんでどう絡んでいけるかというのも地味な話ですがワクワクするとことです。


林;前向きでいいお話ですね。これからはどうされるご予定ですか?


洞澤;まずはThe Bookmarcsを世間に広めていきたいです。この音楽を絶対に待っててくれている人が大勢いると信じてます。仕事面では、映画音楽・映像音楽を今までよりもっともっとやっていきたいです。そのための準備もいろいろしてきましたし。
それと(気が多いのですが)面白い歌の人がいたら男女問わずどんどんプロデュースしたいですね。僕の周りの才能あるミュージシャンやデザイナーや写真家に協力してもらって僕ならではのプロデュースで打ち出していきたい思いはあります。


林;なるほど、楽しみですね。それではみんなが待っている選曲にうつりましょうか。テーマは何でしょうか?


洞澤;「今昔の心踊るAOR曲10選」です。


林;お、良いですねえ。ではいってみましょう。


01. On and on / Stephen Bishop



洞澤;The Bookmarcsを結成するときにまずこの曲が浮かんで、この柔らかなテイストで近藤くんの声質に合った曲を作ろうと思いました。大好きな曲は何かと聞かれたらまず答える曲です。アコースティックギターのアルペジオと右チャンネルから聴こえる浮遊感あるスティールギターがこの曲の世界観を作っています。


林;名曲ですよね。なるほどこの曲が最初のイメージですか。あ、確かにスティールギターが浮遊感を作ってるんですね。こういうのちゃんと言われないと僕みたいな素人のリスナーは気が付かないものですね。


02. Dondi / Ed Motta



洞澤;その名もずばりな『AOR』というアルバムからの1曲。相当マニアックな音楽ファンのエヂ・モッタならではのAOR曲。
イントロの艶っぽいギターフレーズからグッときますが、やっぱり16フィールのドラムグルーブに時折入る甘いブラスがたまりません。あと、この手の曲に欠かせないのがベースの手数少なめのどっしり感とたまに入るおかずのフレーズです。他にもエレピのグリッサンドとかブラスに重ねたフルートとか、各楽器のAORフレーズ図鑑みたいな曲です。


林;なるほど。プロはそういう聞き方をするんですね。エヂ・モッタはそういう聞き方をするとすごく面白いんですね。洞澤さんの聞き方が面白くなってきました。


03.Show You The Way / Thundercat



洞澤;ケニー・ロギンスとマイケル・マクドナルドをフィーチャーした僕にとってはボーカルヒーロー二人の完璧なバランスの曲。現在32歳のサンダーキャットが2人を起用するという流れがまず面白い。定番のオクターブユニゾンのパートが美しくてグッときますが、何と言っても後半のバースからのマイケル・マクドナルドの歌が最高です。かなり複雑なアレンジなのですが嫌味に聴こえないところがさすが。


林;アメリカってこういう風に世代間の受け渡しみたいなのが羨ましいですよね。そうかあ、これ確かにすごく複雑だけど嫌味に聞こえないって感じですね。ふむふむ。


04. Bags & Things / Dennis Lambert



洞澤;暖炉の写真のアルバムジャケそのままに、とっても温かみを感じる曲です。ワンコーラス50秒、全体でも3分弱と短い世界の中で、ストーリーのダイナミクスが感じられるところが良いですね。歌い出しの美声から心躍ります。2コーラス目のストリングスとともにリズム隊も静かに熱くなるところなんかはグッときます。


林;洞澤さん、本当に曲の構成の「どこが人の気持ちを揺り動かすのか」という個所をつかむのが上手いですね。ほんと、仰る通りです。


05. Toledo / Elvis Costello, Burt Bacharach



洞澤;僕にとって最高の大人の男性ボーカルユニットといったらこのコンビがまず浮かびます。なんかもう世界が違います。ここまでに成熟した音楽をいつかやりたいなぁ。何と言っても美メロに美声。必要最低限の音の厚みとアレンジ。イントロや間奏に入る柔らかでさりげないフリューゲルホルンの響きが大人の男の色っぽさを醸し出していて好きです。


林;この二人がやるって知った時、びっくりでしたよね。僕は実はかなり不安でしたが、こんなにはまるんですよね。


06. 私自身 / いしだあゆみ&ティン・パン・アレイ・ファミリー



洞澤;日本の曲からセレクト。『アワー・コネクション』というアルバムの1曲。このアルバムはどれも素晴らしいのですがYouTubeに上がっていたのはこの曲のみでした。何でしょうこのホッとする歌声。"語り"から歌に入る手法なんかは、AORとするのはかなり拡大解釈な気もしますが、何とも心躍る曲です。演奏がティン・パン・アレイ。鈴木茂さんのギターのグルーブも大好きだなぁ。シンセリードの使い方も個人的にツボです。


林;ごめんなさい。勉強不足で知りませんでした。すごくカッコいいですね。レコード見つけたら買ってみます。高そうですね。


07: Out Of The Past / The fifth avenue band Feat. KENNY ALTMAN & MICHAEL THOMPSO
N




洞澤;今回紹介しきれませんでしたが大好きなピーターゴールウェイが所属していたバンド。1枚目の『Fifth Avenue Band』も傑作だけど本作もAOR色が増してとても好み。アルバムが発売されたのが1990年なので、リズムやエレピの音色はもろに時代を反映してはいますが、譜割の少ないAメロのメロディの彷徨い方とサビに入った時の切なさの爆発感はこの上なく上質なAORです。


林;フィフスアベニューバンド、この流れだとすごく大好きそうですが、こっちのアルバムの方を選ぶのが洞澤さんですね。もうわかってきました(笑)。


08: Butterfly /Jason Mraz



洞澤;ジェイソン・ムラーズはAORの印象は正直なくて、この曲にしてもむしろファンクやソウルのイメージですが、僕からすればとてつもなく心躍るAORを感じるのがこの曲です。メロディはサビなどめちゃめちゃ歌謡な要素満載ですが、隙間の作り方とブラスの入り方がとってもセクシーでグッときます。歌い方やリズムの取り方は随分AORから遠いところにいるようにも思えるのに不思議です。


林;不勉強で、名前は聞いたことあったのですが、聞くのは初めてです。なんかすごくセクシーですね。うわあ、キャッチーで良いですねえ。


09: It's Not As Simple As That / Far Cry



洞澤;ドナルドフェイゲンを始め、スティーリー・ダン周りのミュージシャンが多数参加しているシンガーソングライターデュオFar Cryのアルバム『Far Cry』からの1曲。この曲以外にも美メロな曲が盛りだくさん。AORではおなじみのオクターブ重ねのコーラスが気持ちよい。この人たち、こんな名盤を出しているのにアルバムが1枚しかないというのが無念でならない。


林;これ、何かでジャケットだけは見たことあったのですが、こんなにカッコいいんですね。確かにスティーリー・ダンの香りはすごくしますが、これは洞澤さんの言うところの「オクターブ重ねのコーラス」のせいなのでしょうか。


10: When I'm With You / Marter



洞澤;最後に少し毛色の変わったものを。Marterという日本のアーティストなのですが、初め聴いたときは日本人とはにわかに信じがたいほど、声や歌い回し、グルーブが向こうのものでびっくりしました。これをAORというかは異論もありそうですが、このみぞおちのあたりにつき刺さるメロウなメロディラインとギターバッキングは、紛れもなく上質AORのそれだと思います。巷ではNeo Soulというジャンルに分類されているようです。


林;うわ、カッコいいですね。確かにこれはAORですね。日本人ですかあ、知りませんでした。すごく良い... さて、洞澤さん、この辺りでThe Bookmarcsのことをお話しいただけますか。


洞澤;10/11にフルアルバム「Bookmarc Music」がリリースされます。これまで配信リリースしてきた曲のリアレンジ・リミックスに新曲3曲を加えた渾身のアルバムになっていますので是非多くの人に聴いてもらいたいです。


【The Bookmarcs New album「BOOKMARC MUSIC」DIGEST】



林;アルバム、ほんと素晴らしいですね。今回の洞澤さんの選曲に「わかる!」と心震わせた方、たくさんいそうですが、これはThe Bookmarcsも是非、買ってほしいですね。


The Bookmarcs 
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洞澤さん、お忙しいところどうもありがとうございました。The Bookmarcs売れると良いですね。
みなさんも是非、チェックしてみてくださいね。


さて、もうすっかり秋が深くなってきましたね。
そろそろコートやクリスマスのことも考える季節ですが、良い音楽は聴いていますか? 
それではまた来月、こちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
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【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

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「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪 ・vol.69 石亀政宏 ・vol.70 愛知アンディー有 ・vol.71 三原秀章 ・vol.72 キム・ジノン ・vol.73 花崎章


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林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

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●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
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bar bossa vol.73:bar bossa

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vol.73 - お客様:花崎章さん

【テーマ:自分の人生の10曲】


いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今月は大和広告代表取締役の花崎章さんをゲストにお迎えしました。


林;いらっしゃいませ。早速ですがお飲み物はどういたしましょうか。


花崎;Nega Fuloでカイピリーニャをおねがいします。


林;ネガフロ、お好きなんですよね。かしこまりました。さて、お生まれと小さい頃の音楽の環境を教えていただけますか?


花崎;1969年。広島県の福山というところで生まれました。母親がクラシック好きで、とくに壮大なオーケストラものが大好物でした。胎教~乳幼児期まではよく聴いてたようですね。幼い頃ピアノを習ってましたが、リズムプログラムが使えるエレクトーンに俄然惹かれてしまい、途中からはヤマハエレクトーン教室に通ってました。


林;僕と同い年ですよね。ピアノからエレクトーン、わかります。最初のレコードは?


花崎;小学校時代はじめて買ったレコードは、たしかゴダイゴの「銀河鉄道999」だったと思います。


林;おっと、僕も999です。僕は映画のサントラでしたが。時代ですね。中学はどうでしたでしょうか。


花崎;中学に入学してからは洋楽をメインに聴くようになりました。FMをエアチェックして、気に入ったアーティストや楽曲を地元のレンタルレコード屋(YOU&I)で借りて、ライブラリを増やしていってましたね。当時はおおらかで、借りたレコードをそのまま近くのダイイチという地元の家電量販店に持ちこんで、友達と一緒に展示品のミニコンポでダビングしてそのまま当日返却させてもらってました。


林;ええ!


花崎;中学1から2年年頃はFMレコパルとFM STATION、その後高校生まではFM STATIONとFM Fanを愛読してました。鈴木英人さんのイラストを眺めては、アメリカ西海岸に自分が暮らしてるシーンなんかを妄想してたりしましたね。

中高生時代は、両親の会社の同僚の「関戸さん」というオーディオマニアの影響でハイファイオーディオに興味を持っていきました。自宅のオーディオルーム(納屋?)の屋根裏に吸音材詰めたり、扉に鉛入れたり、スピーカーの上にシーサーを置いたり、ウーファーとスコーカーとツイーターそれぞれに別のパワーアンプをかませて音の変化をよろこぶ。音楽ごとにカートリッジを替える。

そんな オーディオ変態の関戸さんの影響で、私は「ミノルムセン」というお店に出入りするようになりました。こうして私は中学生の分際で、おじさま達のじつに味わい深いオーディオ談義に触れる機会を得たのです。


林;林 なるほど。


花崎;このおかげでフュージョンへの興味が強くなってきました。カシオペアや松岡直也、渡辺貞夫、George Benson、Weather Report、Earl Klughなどをよく聴いてたと思います。 とくに重要なアーティストとの出会いはPaulinho da Costaですね。今考えると彼の「Sunrise」というアルバムがブラジルに興味を持つきっかけになりました。

とはいえ、基本は全米ポップチャートで、FM東京系列で放送されていたAmerican Top 40など聴きながら、徐々に好きなジャンルが絞り込まれていったように思います。当時はまだヒップホップがポップチャートに登場するのは稀でよく知りませんでしたが、RogerやCameoからファンク(ブラックミュージック)が好みの音楽だってことは高校生のときになんとなくわかってきました。


林;花崎さんの原体験で、オーディオでどう響くかって大きそうですね。さて高校を卒業してどうでしたか?


花崎;高校を卒業して東京に出てきました。志望大学には受からなかったんですが、もう気分が上京モードだったんですね。東京での浪人生活スタートです。

私が上京した1988年はちょうどJ-WAVEが開局した年でして、バイリンガルのMCと洗練された選曲で田舎者の私には衝撃でした。聴きまくってました。受験勉強どころではありません。とくに「サウージ サウダージ」はブラジル、中南米の音楽に本格的にのめり込むきっかけに。日曜日の夕方という時間帯も最高でしたね。


林;全く同じ時期に「サウージ サウダージ」聞きましたよ。


花崎;大学時代にはブラックミュージック界隈にハマりました。ちょうどニュージャックスイングとかニュースクールが流行っていて、やがて六本木に通うようになりました。Droopy Drawersやサーカスでよく踊ってましたね。帰りにはWinnersでお店でかかっていた曲を手に入れるのが定番コース。六本木までの定期が欲しくてバイト先も六本木にしちゃいました。

その後もっとラクに通えるバイト先を求めて、環八の近くにあったSomething Elseというライブレストランバーで働き始めました。ここでは毎日いろんなジャンルのバンドが入れ替わりでライブをやるお店で、バイトしながらいろんな音楽に触れられるいい職場でした。六本木より仕事ものんびりしてましたし。PAさんとも話す機会があって、あたらしい音楽について教えてもらえることもありました。

このお店でもやはりブラジリアンの魅力を再認識できましたね。出演者とオーディエンスとの濃密かつ独特な一体感がたまらないのです。まずはこのお店で知った音楽を千歳烏山のYou&Iで借りてみて、その中で本当に気に入った作品を少しずつ買い足していきました。当時の烏山You&Iには当時でいうところのワールドミュージックがなぜか充実していて、ほんとうに助かりました。


林;あの時期、レンタルCD店は本当に助かりましたよね。


花崎;社会人になって初めてのボーナスでターンテーブルとミキサーを買いました。ここから10年は給料の大半をレコードにつぎ込みました。

DMR,Record Finder,HotWax,El Sur,Ultraなどなどよく通ってましたが、そういえばBar Bossaのお店を知ったきっかけは、Mr.Bongoにあったフライヤーでしたね。以来20年林さんにはお世話になってます。


林;そうなんですよね。僕、Mr.Bongoに「フライヤーおいてください」って営業に行ったんです。それで来てくれたお客様、もしかして花崎さんだけなのかもです。でも今思うと、あの時、営業して良かったです。ところでこれからの音楽はどうなると思いますか?


花崎;未来読みというよりも希望を一言。新しい音楽との素敵な出会いが一人でも多くの人に一つでも多く訪れるようなディストリビューションを実現してほしい。個人的には、セレンディピティこそが音楽ファンにとって最大の醍醐味と思っています。


林;これからはどうされる予定でしょうか。


花崎;引き続き生きていきます。命あるかぎり。


林;生きましょう。さて花崎さんの選曲ですが、テーマは「自分の人生の10曲」ということですね。では行ってみましょう。


01. Mateo Stoneman / Sabor a Mi



花崎;なぜマテオのCDが我が家にあるのか?いつどのように知り、入手したのか?まったく記憶にございません。きっとどこかで酩酊ちゅうに聴き惚れたんでしょう。赤ワインでも飲みながらこの曲がかかったら、そりゃそうなるしかないですね。


林;あれ? 花崎さん、こういうロマンティックなのも聞くんですね。意外でした。


02. Lisa Ekdahl / I get a kick out of you



花崎;39:45あたり (※Spotifyでアルバムバージョンを聴くことができます。)
スウェーデンのブロッサム・ディアリー。と言われてるかどうかは知りませんが、とにかく彼女の声と歌い方はクセになります。
99年。東京での生活をひと区切りつけた私は、イタリアとフランスを2ヶ月間フラフラしていました。その道中、シチリア・パレルモのCDショップ店内でかかっていて即買いしましたね。そのショップの近所にある魚介の美味しいリストランテのおじさんを思い出します。


林;ああ、イタリア語を習って、ヨーロッパに行ってた時期ありましたね。なるほど、こういうの聞いてたんですか。


03. Maria Rita / Coracao a Batucar



花崎;ブラジルが誇る天才エリスとセーザル・カマルゴ・マリアーノの娘の彼女。いい曲はいっぱいありますけど、この曲のとくにライブDVD「O Samba em Min」でのパフォーマンスは観客との一体感、キーボードの渾身のソロなどなど身震いポイント多数。
CDじゃなく断然DVDがいいですね。CDは演奏終了後の観客の大合唱がカットされてます。


林;花崎さん、アナログレコードもDVDもスポティファイもYou&Iも全部、並列に使ってますね。僕としてはそれが花崎さんらしい感じがします。


04. Paulinho da costa / I'm going to Rio



花崎;オーディオ変態なおじさま方との交流のなかで、雑誌「オーディオアクセサリー」上のリファレンス音源として紹介された本作を発見。
ほのかに漂う程度のブラジル風味ですが、中学生(高校生かも)にはインパクト十分。いまに通じるブラジル音楽への入口になった、一生忘れられない作品です。当時発売された日本盤はパウリーニョ名義ではなくL.A.ザ・セッションというネーミングがじつに味わい深い。


林;10代にこれに出会ってるんですね。環境って本当に人によって違うものですね。


05. Guy / Groove me



花崎;いまやメガネ男子の私の知られざる過去といえば、元ダンサーだったってこと。
とくにニュージャックスウィングには格別の思い入れがありまして、テディ・ライリーには感謝してもしきれません。

バブルな六本木の夜にはNJSがいちばんハマります。しかし今あらためて観てみると...なんだかちょっと恥ずかしいな...


林;いやいや、同世代として全然恥ずかしくないですよ。やっぱりニュージャックスウィング、カッコいいです。キャッチーでクールですよね。これから何度も再評価くる音楽だと思います。


06. Roger / I want to be your man



花崎;高校生のころに聴き倒した曲です。たしか80年代から90年代にかけて何度かZappとして来日していて、2回ほど行きました。根っからのエンターテイナーですね。ロジャーとのコール&レスポンス、楽しかったなあ。

はじめて行ったZappのライブの帰り、一枚のフライヤーを受け取りました。これが、当時ディスコをたまり場に遊ぶ謎の集団Macro Clubに私が参加するきっかけになったのです。


林;ああ、僕もZapp好きでした。六本木で遊ぶ花崎さんが目に浮かびます。


07: De la Soul / Say No Go



花崎;ホール&オーツのわかりやすい元ネタで「あーヒップホップでこういうことなのね」ということを直感的にわからせてくれた曲です。ヒップホップなら断然ニュースクール。ニュースクールなら俄然デ・ラ・ソウルです。個人的に。クラブチッタ川崎のオールナイトイベントが懐かしい。


林;やっぱり同い年だとなにかと重なりますね。デ・ラ・ソウル、僕も大好きでした。


08: Luis Carlos Vinhas / Boss's Tres, Leny Andrade, Peru Ribeiro
Rio de Sol Maior- Rio- Coisas do Dia- Estamos Ai- Feitinho Pro Poeta- Garota de Ipanema




花崎;イパネマのヴィニシウスバーでルイス・カルロス・ヴィーニャス本人に会ったことがあります。たまたま宿泊したホテルの一階でパフォーマンスしていたミュージシャンに連れられていった彼のライブは素晴らしかった。ライブが終わると、とっても気さくに話してくれました。手売りのCDにサインもしてくれました。いい人でした。Gemini Vなどなど、彼がらみのメドレーは名演が多いですよね。


林;ルイス・カルロス・ヴィーニャスと話したことがある日本人って何人いるんでしょう。なんかいい人そうですね。


09: Marcos Valle / Nao pode ser



花崎;マルコス・ヴァーリが好きなもので、なにか選ばないわけにはいきません。
90年代後半にバールボッサによく来ていた東大軍団のひとり、◯◯君(不覚にも名前忘れちゃいました)とこの曲が好きだという話題で盛り上がったのを、なぜかよく覚えています。曲後半の空中自由に飛び回るような目眩く展開が気持ちいいですね。

そして同時に、林さんと一緒に◯◯君に会いに駒場祭に行ったことも思い出されます。あの日下北沢のカレー屋で汗噴き出して大爆笑された苦い思い出とともに。


林;それ、伊崎くんですね。東大法学部出て、東芝を辞めて、実家のお素麺の会社を継いでますね。このアルバムの最後の曲ですね。ほんと良い曲です。僕も確か一緒に盛り上がったの覚えています。さて、最後の曲ですが。


10: Jackie Paris&Anne Marie Moss / I believe in you/ You've made me so very happy



花崎;夫婦デュオ好き、ライブ好きの私としては選ばざるを得ないですね。
彼らやジャッキー&ロイのような夫婦デュオは、どんな曲を歌っても独特の親密感とか、多幸感を感じることができていいですね。どちらもおしどり夫婦だったに違いない。そのはずだ。たぶん。


林;なんか最後に含みがありますが、確かにこういう演奏、すごく多幸感ありますね。ライブ録音ならではです。


花崎さん、今回はお忙しいところどうもありがとうございました。誰にも選曲できない花崎さんならではの10曲でしたね。

花崎さんが代表を務める会社はこちらです。 
https://www.daiwa-ad.jp/


さて、みなさん、やっと9月になりましたがいかがですか。
まだまだ暑い日が続きますが、良い音楽を聴いて乗り越えましょう。
それではまた来月こちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
■品番:UICZ-1646

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【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

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「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦 ・vol.63 花田勝暁 ・vol.64 宮川泰幸 ・vol.65 林伸次 ・vol.66 高原一実 ・vol.67 松岡祐子 ・vol.68 宿口豪 ・vol.69 石亀政宏 ・vol.70 愛知アンディー有 ・vol.71 三原秀章 ・vol.72 キム・ジノン


bar bossa information
林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

bar bossa
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●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
お店の情報はこちら

bar bossa vol.72:bar bossa

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vol.72 - お客様:キム・ジノンさん
【テーマ:夏がやってくると思わず聞いてしまう散歩BGM10曲】



いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

어서오세요.
bar bossa에 오신걸 환영합니다.



今月は韓国人のキム・ジノンさんをお迎えしました。

이번달은 한국인 Jinon씨를 모셨습니다.


林;こんばんは。さて、お飲み物はどうされますか?

ジノン;ノンアルコールのモヒートをください。僕、下戸なのにバールに通ってて、たまに自分でも「やっぱり変だよな?!」と思ったりします(笑)。


하야시(이하 'H'): 안녕하세요. 음료는 어떤걸로 드릴까요?

Jinon(이하 'J'): 논알콜 모히토를 주세요. 저는 술을 마시지 못하는데도 바에 다니고 있어요. 가끔 스스로도 '역시 특이하구나'라고 생각하고는 합니다. (웃음)


林;いえいえ、大丈夫ですよ。さて、お生まれの年と場所を教えていただけますか?

ジノン;1979年、ソウル生まれです。ソウルの中でも一、二を争うほど物価が安くて、庶民的な街で、僕の勝手なイメージかもしれませんが、例えば東京だと墨田区と足立区が混ざってる感じでしょうか。実はいまもその辺で住んでますが、昔と比べても街の雰囲気ってあまり変わってないような気がします。そんな感じの街でごく普通の家庭で育ちました。


H: 아니에요, 괜찮습니다. 그럼, 언제 어디서 태어나셨는지 말씀해주시겠어요?

J: 1979년에 서울에서 태어났습니다. 서울에서도 1,2위를 다툴만큼 물가가 저렴하고 서민적인 동네로 제 마음대로 생각한 이미지일지도 모르겠지만 예를들어 도쿄라면 스미다구(墨田区)와 아다치구(足立区)가 섞여있는 분위기랄까요? 실은 지금도 그 근처에 살고 있는데 예전과 비교해봐도 동네 분위기가 그다지 변하지 않은 듯한 기분이 듭니다. 그런 동네의 극히 평범한 가정에서 자랐어요.


林;小さい頃の音楽環境はどんな感じでしたか?

ジノン;両親とも音楽は好きで、父親は若い頃ベースを弾いてバンド活動とかもやってたみたいです。たぶんプロ・ミュージシャンになろうと決めていたのでしょうが、なかなか実現できなかったみたいです。そういう影響もあって、小さい頃は父親の車に乗ったら、カーステレオからレッド・ツェッペリンやディープ・パープル、グランド・ファンク・レイルロードみたいな音楽が普通に流れてて、それをずっと聞いていました。好き嫌いはさておいて、ずっと繰り返して聞いていたら、やっぱり音楽って慣れてくるもので、それがだんだん好きになりました。


H: 어렸을적 음악 환경은 어떠셨나요?

J: 부모님께서도 음악을 좋아하셔서 아버지는 젊었을적에 베이스를 연주하며 밴드 활동도 하셨던듯 해요. 아마 프로 뮤지션이 되려고 하셨을텐데 잘 실현되지는 못했던 것 같습니다. 그런 영향도 있어서 어렸을 적에는 아버지 차를 타면 카스테레오에서 레드 제플린(Led Zeppelin), 딥 퍼플(Deep Purple), 그랜드 펑크 레일로드(Grand Funk Railroad) 같은 음악이 자주 나오고 있어서 그걸 계속 들었습니다. 호불호는 차치하고 역시 음악은 계속 반복해서 들으면 익숙해지는지 점점 좋아졌어요.


林;そうなんですか。それはすごく特殊な環境ですね。

ジノン;僕はひとりっ子なので、子どもの頃からずっとひとりで遊んでいました。当時は家で黄色いクマのぬいぐるみと遊ぶのが一番好きでした。たまに外で周りの女の子たちと遊んだこともあって、特にゴムとびが上手かったみたいです。うーん、「ゴムとびが上手いハードロック少年」という感じでしょうか(笑)。


H: 그러셨군요? 꽤 특수한 환경이었네요.

J: 저는 외동이라서 어렸을적부터 줄곧 혼자서 놀았습니다. 당시에는 집에 노란 곰돌이 인형하고 노는게 제일 좋았어요. 가끔 밖에서 동네 여자 아이들과 놀던 적도 있는듯해서 특히 고무줄 놀이를 잘했다고 합니다. 음, '고무줄 놀이를 잘하는 하드록 소년'이라는 느낌일까요? (웃음)


林;(笑)

ジノン;で、どうすれば、ひとりで遊んでも楽しくなれるんだろうといろいろと工夫してるうちに突然目に前に現れたのが父親が持っていたターンテーブルで、誰もいないときにこっそりとそこにあるレコードを1枚ずつ聞きました。小5、6の頃だと思いますが、その時、初めてあのカーステレオから流れてた音楽の実物(と言ってもレコードなんですが)に出会いました。レコード棚にはポップからクラシックまでありましたが、実際棚から引っ張り出して聞いて今でもはっきり覚えているのはレッド・ツェッペリ「III」と「IV」、ディープ・パープル「Made In Japan」、グランド・ファンク・レイルロード「Caught In The Act」、テッド・ニュージェント「Intensities In 10 Cities」、オールマン・ブラザーズ・バンド「フィルモア・イースト・ライヴ」、ピンク・フロイド「The Wall」でした。


H: (웃음)

J: 그래서, 어떻게하면 혼자 놀아도 재밌게 놀 수 있을까하고 이런저런 궁리를 하던 중에 갑자기 눈 앞에 나타난 것이 아버지가 가지고 계신 턴테이블인데요, 아무도 안 계실때 몰래 거기에 있는 레코드를 하나씩 들었습니다. 초등학교 5, 6학년때인것 같은데 그 때 처음으로 어렸을 적 카스테레오에서 흐르던 음악의 실물(이라고 해도 레코드지만요)과 만났습니다. 레코드 선반에는 팝부터 클래식까지 있었는데 실제로 꺼내들어서 지금도 확실히 기억하고 있는 것은 레드 제플린 'III', 'IV', 딥 퍼플 'Made In Japan', 그랜드 펑크 레일로드 'Caught In The Act', 테드 뉴전트 'Intensities In 10 Cities', 올맨 브라더스 밴드(Allman Brothers Band) 'Live At Fillmore East', 핑크 플로이드(Pink Floyd) 'The Wall' 이었습니다.


林;おおお、すごいですね。お父さんの趣味が想像できます。ジノンさんは楽器はやらなかったんですか?

ジノン;ピアノ教室は通いましたが、あまり楽器には興味がなかったみたいでバイエルだけ習ってやめてしまいました。僕ってやっぱり幼い頃からずっと聞くほうが好きなんでしょうね。


H: 오오~ 대단하네요. 아버님의 취미가 상상이 갑니다. Jinon씨는 악기는 다루지 않았나요?

J: 피아노 학원은 다녔는데 그다지 악기에는 관심이 없었는지 바이엘만 배우고 그만뒀어요. 저는 역시 어렸을때부터 줄곧 듣는 쪽을 좋아하나 보네요.


林;ああ、韓国でもやっぱりみんなピアノ教室に通うんですね。初めて買ったアルバムは何ですか?

ジノン;たぶん初めて買ったアルバムはディズニーの「リトル・マーメイド」のサントラだと思います。当時はウォークマンで音楽を聞いたので、カセットテープを買いました。小6か中1の頃だったのではないかと思います。あ、 小学校の時は光化門(クァンファムン)の周辺に大きな本屋や国立中央博物館があったので、毎週週末になるとひとりで遊びに行きました。博物館のオープン時間に入って(しかも子どもだから無料なんです)、誰もいない博物館を一回りして、そのまま本屋に行く感じでした。本屋を含めてその辺にいくつかのレコード屋さんがあったので、たぶんその辺で「リトル・マーメイド」のサントラを買ったのではないかと思います。


H: 아, 한국에서도 역시 다들 피아노 학원은 다니나보네요. 처음 산 앨범은 어떤건가요?

J: 아마 처음 산 앨범은 디즈니의 '인어공주' 사운드트랙인 것 같아요. 당시에는 워크맨으로 음악을 들었기 때문에 카세트 테입을 샀습니다. 초등학교 6학년이나 중학교 1학년때가 아닐까 하네요. 아, 초등학교때는 광화문 주변에 대형 서점과 국립중앙박물관이 있어서 매주 주말이 되면 혼자서 놀러 갔어요. 박물관 여는 시간에 들어가서(게다가 어린이라서 무료에요) 아무도 없는 박물관을 한바퀴 돌고나서 서점으로 가는식이었습니다. 서점을 포함해서 그 주변에 레코드 가게가 몇 곳 있어서 아마도 거기에서 '인어공주' 사운드트랙을 샀지 않았을까 하네요.


林;なるほど。韓国ではディズニーなんですね。中学、高校ではどうでしたか?

ジノン;中学は男子校だったのですが、不思議なことに学校の女性の先生に可愛がられた子でした。いまでも本当に理由はわかりません。で、その分、クラスメイトからは嫌われた存在でした。その理由は今は十分わかるような気がします。とにかく学校に行くのは全然楽しくない時期で、学校に行っても一言もしゃべらない日が多かったです。その時に友だちになってくれたのが音楽でした。ずっと好きなラジオ番組やカセットテープをイヤホンで聞きました。当時の韓国のアイドルとかもよく聞きましたが、H.O.TとかS.E.Sが出てくる前だったので、いまのK-POPのアイドルとはちょっと違う感じかもしれません。速いビートのダンス曲だとしてもレイブとかニュージャックスウィングみたいなスタイルが溶け込んだ音楽でした。あ、話がそれますが、中学の時の部活は「宇宙少年団」というところに入りました。なんかすごい名前ですよね。当時の僕はあまり地球が好きではなかったみたいです(笑)。


H: 그렇군요. 한국에서는 디즈니네요. 중학교, 고등학교 시절은 어땠나요?

J: 중학교는 남학교였는데요 신기하게도 학교의 여자 선생님들에게 귀여움을 받았던 아이였습니다. 지금도 정말 이유는 잘 모르겠어요. 그래서 그만큼 반 친구들로부터는 미움을 받았던 존재였습니다. 그 이유는 지금은 충분히 알 것 같은 기분이 들어요. 아무튼 학교에 가는게 전혀 재미있지 않았던 시기라서 학교에 가도 한 마디도 말을 안했던 날이 많았습니다. 그 때 친구가 되어준 것이 음악이었어요. 좋아하는 라디오 방송과 카세트 테입을 이어폰으로 계속 들었습니다. 당시 한국 아이돌 음악 같은 것도 자주 들었는데요 H.O.T나 S.E.S가 나오기 전이라서 지금의 K-POP 아이돌과는 약간은 다른 느낌일지도 모르겠어요. 빠른 비트의 댄스곡이라고 해도 레이브나 뉴잭스윙 같은 스타일이 녹아들어간 음악이었습니다. 아, 다른 이야기지만 중학교때 클럽 활동은 '우주소년단'이라는 곳에 들어갔습니다. 뭔가 굉장한 이름이네요. 당시 저는 지구를 별로 좋아하지 않았나봐요. (웃음)


林;(笑)

ジノン;そんな感じの中学時代だったのですが、不思議なことに高校に入ったらたくさん友だちができるようになりました。共学だったので(クラスは別々でした)、男女問わず「モテる子」が出てきて「そうか、僕はハズれだな」と思いました。自分でも「お前、その格好いったいなんなの?!」と思えるくらいもう本当にひどかったです(笑)。その時点でたぶん全世界共通だと思う「モテたい男の子たち」の「バンドやろうぜ~」が登場するわけですが、僕は楽器ができないので、「そっちからもハズれだ」とがっかりしたのは覚えてます。

学校にそのバンドの練習室があって、昼休みや放課後に練習室から漏れてくる 音を聞くのも楽しみでした。そのバンドは学校の文化祭では相当熱いプレイを連発していて、突然ステージで服を脱ぎだしたりしたので、僕は「うわ、すごいな~」とビックリした覚えがあります。その当時に「やっぱり僕って音楽を聞く側にいるのが似合うんだ」と思いました。


H: (웃음)

J: 중학교 때는 그랬는데요 신기하게도 고등학교에 들어가서는 친구들이 많이 생기게 되었습니다. 남녀공학이라서(학급은 따로따로였어요) 남녀 관계없이 인기있는 아이들이 등장해서 '그래, 나는 여기서는 탈락이구나'라는 생각을 했습니다. 저 스스로도 '너는 모양새가 대체 그게 뭐야?!"라는 생각이 들 정도로 정말 심각했어요 (웃음). 그 시점에서 아마도 전세계 공통이라고 생각이 드는 인기 없는 남자 아이들의 '밴드 만들자~'가 등장하게 되는데요, 저는 악기를 하지 못해서 '여기서도 탈락이네'라며 실망했던 기억이 있어요.

학교에 밴드의 연습실이 있어서 점심시간과 방과후에 연습실에서 새어나오는 음악을 듣는 것도 재미있었습니다. 학교 축제에서 꽤나 열정적인 연주를 연발하며 갑자기 무대에서 옷을 벗어버리거나해서 저는 '우와 굉장한데~'라며 놀랐던 기억이 있어요. 그 당시에 '역시 나는 음악을 듣는쪽에 있는게 어울리구나'라고 생각했습니다.


林;なるほど、韓国っぽいですね。

ジノン;そんなある日の夕方に突然「ジャズを聞いたらカッコよくなるかも。よし、ジャズを聞こう」と決めて、レコード屋のジャズ棚にあるものを買って聞きました。「ジャズ」という言葉だけを知っていたくらいだったので、何の情報もないままアルバムのジャケットのイメージに頼って買いました。その中で自分として当たりだったのはチャック・マンジョーネ、ル イ・アームストロング、パット・メセニー・グループ、ジャミロクワイ、ケニー・Gでした。その頃は学校で友だちと「お前、最近何聞いてるの?!」という自分が聞いているテープを互いに交換して聞くという遊びが楽しくて、アルバムを買うと次の日に学校に持って行きました。僕はジャズ以外だとプロディジーやアンダーワールドを持って行って、友だちからはメタリカ、メガデス、ニルヴァーナ、パール・ジャムのアルバムを借りて聞きました。


H: 그렇군요, 한국다운 이야기네요.

J: 그런 어느날 저녁, 갑자기 '재즈를 들으면 멋있어질지도 몰라. 그래, 재즈를 듣자!' 라고 마음을 정하고 레코드 가게의 재즈 코너에 있는 것들을 사서 들었습니다. '재즈'라는 단어만 알고 있던 정도라서 아무런 정보도 없는채로 앨범 자켓 이미지에 의지해서 샀어요. 그 때 저에게 합격이었던 것은 척 맨지오니(Chuck Mangione), 루이 암스트롱(Louis Armstrong), 팻 매스니 그룹(Pat Metheny Group), 자미로콰이(Jamiroquai), 케니 지(Kenny G)였습니다. 그 때는 친구와 '너 요즘 뭐 듣니?!'라며 자기가 듣고 있는 카세트 테잎을 서로 바꿔서 듣는게 재미있어서 앨범을 사면 다음날 학교에 들고 갔어요. 저는 재즈 이외로는 프로디지(The Prodigy)와 언더월드(Underworld)를 가져갔고 친구에게는 메탈리카(Metallica), 메가데스(Megadeth), 너바나(Nirvana), 펄 잼(Pearl Jam)의 앨범을 받아서 들었습니다.


林;ああ、ジノンさんの高校での雰囲気がわかってきました。

ジノン;そんなある日、その日もレコード屋に行ってジャズ棚からいろいろ捜していたら、1枚のCDが気になって買ってきました。帯に日本語で書いてあったので 、「なんか爽やかな感じの日本人4人組のバンドだな」と思って実際聞いたら「やっぱり爽やかだった」ので、好きになりました。それがカシオペアの「Photographs」というアルバムです。たぶん僕にとって「日本」というカテゴリーに限ったら、全ての始まりがこのカシオペアなのではないかと思います。そのくらい自分にとっては大きな存在です。すごく好きになって、特にドラムの神保彰さんはいまでも憧れの存在です。


H: 아, Jinon씨의 고등학교에서의 분위기가 이해되기 시작했어요.

J: 그런 어느날, 그 날도 레코드 가게에 가서 재즈 코너에서 이것저것 찾고 있던 중에 한 장의 CD가 궁금해져서 사왔습니다. 띠지에 일본어로 적혀있어서 '뭔가 상쾌한 느낌의 일본인 4인조 밴드구나'라고 생각하며 실제로 들어보니 역시나 상쾌해서 좋아하게 되었습니다. 그게 카시오페아(Casiopea)의 'Photographs'라는 앨범이에요. 아마 저에게는 '일본'이라는 카테고리만 놓고보면 모든것의 시작이 이 카시오페아가 아닐까 합니다. 그 정도로 저에게는 커다란 존재에요. 매우 좋아했는데 특히 드럼의 짐보 아키라(神保彰)씨는 지금도 동경의 대상입니다.


林;カシオペアに出会うんですね。

ジノン;当時、韓国ではパソコン通信というのが出始めた頃なので、小さい頃からパソコン好きだった僕はすぐハマるようになりました。いまとは違ってテキストだけの世界だったのですが、知らない人たちと電話ケーブルで繋がって話し合うことに衝撃を受けました。


H: 카시오페아와 만나는군요.

J: 당시 한국에는 PC통신이라는게 나오기 시작했던 시기로 어렸을때부터 컴퓨터를 좋아했던 저는 바로 푹 빠지게 되었습니다. 지금과는 다른 텍스트만의 세계였지만 모르는 사람들과 전화선으로 연결되어져서 이야기를 나누는 것에 충격을 받았어요.


林;ジノンさん、高校生でパソコン通信ってすごい...

ジノン;その頃、韓国では4つの会社がそのパソコン通信サービスを提供してまして、各々ジャズ・コミュニティがありました。それで、僕は「ここに入ったらもっといい情報があるかも」と思って、その中で2つのコミュニティに入りました。一つは「ブルーノート」で、もう一つはカシオペア、ザ・スクェア、プリズム、渡辺貞夫、渡辺香津美のような主に日本のジャズ・フュージョンを聞いてるコミュニティでした。

ジャズ・コミュニティってだいたい毎月「音楽感想会」というオフ会がありまして、場所は様々だったのですが、主にホンデにあるカフェ、バーを借りて、みんなが選曲したものを一緒に聞きました。あとは、ホンデって弘益大学校を略した言葉ですが、あの大学は多摩美のようにアート関連で有名だったので、学校の周りに美術予備校がたくさんありまして、そこを借りてみんなで聞いたりしました。うーん、僕もすごく勇気を出して初めてホンデに行ったわけですが、「やっぱり帰ろうか」と何度も思いながら、ドアの前でうろうろしていた覚えがあります。いざドアを開けて会場に入ったら、いままで見たこともないすごくオシャレなお兄さん、お姉さんたちが座っていて、「うわ、どうしよう!やっぱり帰ったほうがよかった」と共に「やっぱりジャズを聴くとカッコよくなるんだ」と思いましたが...(笑)。

僕が大学生だった頃には中学生も参加してましたが、僕が高校生だった当時は珍しく感じられたみたいで、僕が参加者のなかでは一番年下でした。末っ子の弟の感じで、すごく優しく接していただいたのはいまでもはっきり覚えています。それが確か高2か高3の頃で、そこでモダンジャズというスタイルを初めて聞きました。昔は音楽に関してわがままなところもありましたが、情報を吸収するスピードも速かったので、この時から音楽の幅が広くなりはじめました。


H: Jinon씨, 고등학생때 PC통신이라니 굉장하네요...

J: 그 때 한국에서는 네 곳의 회사가 그 PC통신 서비스를 제공하고 있었는데 각기 재즈 동호회가 있었습니다. 그래서 저는 '여기에 들어가면 좀 더 좋은 정보가 있을지도 모른다'고 생각해서 그 중에 두 곳의 동호회에 들어갔습니다. 하나는 이름도 '블루노트(Blue Note)'였고요, 다른 하나는 카시오페아, 더 스퀘어(The Square), 프리즘(Prism), 와타나베 사다오(渡辺貞夫), 와타나베 카즈미(渡辺香津美)와 같은 주로 일본의 재즈 퓨전을 듣는 동호회였어요.

재즈 동호회는 대체로 매월 '음악감상회(음감회)'라고 하는 오프라인 모임이 있었는데 장소는 다양했지만 주로 홍대에 있는 카페와 바를 빌려서 모두가 선곡해 온 것들을 함께 들었습니다. 그리고 홍대는 홍익대학교를 줄인 말인데요 그 학교가 타마 미술대학과 같이 미술 계열로 유명해서 학교 주변에 미술학원이 많이 있어서 거기를 빌려서 듣기도 했습니다. 음, 저도 꽤나 용기를 내서 처음으로 홍대에 갔는데 '역시 그냥 돌아갈까'하고 몇번이나 생각하면서 문 앞에서 왔다갔다한 기억이 있어요. 드디어 문을 열고 음감회 장소로 들어가니 지금까지 본 적도 없는 매우 세련된 형, 누나들이 앉아있어서 '우와 어떡하냐~! 역시 그냥 집에 가는게 좋았어'와 동시에 '역시 재즈를 들으면 멋져지는구나~'라는 생각을 했지만요...... (웃음)

몇년간 다녀보니 제가 대학생이던 시절에는 중학생들도 참가했지만요, 당시에는 고등학생도 드물게 느껴지던 시기였는지 제가 참석자들 사이에서는 가장 나이가 어렸습니다. 막내 동생과 같은 느낌으로 매우 다정하게 대해주신걸 지금도 잘 기억하고 있어요. 그게 아마도 고등학교 2학년인가 3학년때로 거기에서 모던재즈라는 스타일을 처음 들었습니다. 저는 어렸을 적에는 고집이 센 부분도 있었는데요 정보를 흡수하는 속도도 빨라서 그 때부터 음악의 폭이 넓어지기 시작했어요.


林;ジノンさんっていつも思うのですが、そういう時って積極的ですごく良いですよね。その後はどうされましたか?

ジノン;大学の頃もジャズ・コミュニティの音楽感想会に毎週行きました。ただ、何かが きっかけになって、聞いてる側ではなく、それを主宰する側のほうに移りました。うーん、大学に入って1年が経った頃で、やっぱり若くて生意気な自分がそこにいたわけで、結構みなさんに迷惑をかけたのではないかと思います。その経験から「やっぱり僕は前に立ってやっていくことよりも見えないところで自分がやるべきことをやったほうがいい」と思いました。それはいまでも変わりません。僕って成長が遅いですね(笑)。そして20~30代のいい年の大人が集まってたので、自然に「誰と誰が付き合う」ということもたくさんありました。そのお兄さん、お姉さんの恋愛話を隣で見ていたのもワクワク感満載の楽しい経験でした。


H: 항상 생각이 들지만 Jinon씨는 그러한 때에 적극적이라서 좋네요. 그 다음은 어떻게 되었나요?

J: 대학교 때도 재즈 동호회의 음감회에 매주 다녔습니다. 다만 어떤 계기로 듣는 쪽이 아니라 주최하는 쪽으로 움직이게 되었어요. 음, 대학교에 들어가서 1년이 지났을 때 쯤으로 역시나 어리고 주제를 모르는 저 자신이 거기에 있어서 꽤나 여러분들에게 민폐를 끼쳤지 않았을까 합니다. 그 경험으로부터 '역시 나는 앞에 서서 하는것보다도 보이지 않는 곳에서 내가 해야할 것을 하는편이 좋겠구나'라는 생각이 들었어요. 그건 지금도 변함없습니다. 저란 사람은 성장이 느리네요. (웃음) 아, 맞다. 역시 20~30대의 좋은 나이의 어른들이 모여있었기 때문에 자연스럽게 '누구랑 누가 사귄다'라는 일도 많이 있었어요. 그런 형, 누나들의 연애 이야기를 옆에서 보고 있던 것도 두근두근거리는 즐거운 경험이었습니다.


林;なんか想像できます。

ジノン;一応、学校ではコンピューターを学びましたが、数学と物理が苦手だったので、「あ、これ僕に合わないんだ」と思って、あまり勉強しませんでした。その代わりに、「カシオペアのアルバムのライナーノートに一体何が書いてあるんだろう」と思って日本語を勉強したり、ネットに繋げたら「今月は日本でどんな新譜が発売されたのかな」と調べたりしました。ちょうどその頃からADLIBやJAZZ LIFEのような日本の雑誌を読むようになりました。大学時代はとにかくたくさんの日本の雑誌を読みました。特にBRUTUSとかSTUDIO VOICEからすごく影響を受けたような気がします。あと、クラブとかDJ文化に興味があった頃はremixやGROOVEもよく読みましたし、美術手帖も面白かったです。学校よりも本屋やレコード屋や美術館が好きで、卒業するまではそういう生活の繰り返しでした。ジャズ・コミュニティの繋がりでいくつかの日本のフュージョン系のアルバムの韓国盤のライナーノートを書いたのも貴重な体験でした。いまは恥ずかしくて改めて読んだりしませんが...(笑)。


H: 뭔가 상상이 됩니다.

J: 일단 학교에서는 컴퓨터를 전공했는데요 수학과 물리를 못했기 때문에 '아, 이건 나한테는 맞지않나보다'라는 생각이 들어서 그다지 공부는 하지 않았어요. 그 대신에 '카시오페아 앨범의 라이너노트에 대체 뭐가 적혀있는걸까'라고 생각하면서 일본어를 공부하거나, 인터넷이 연결되면 '이번달은 일본에 어떤 신보가 발매되었을까'하며 찾아봤습니다. 딱 그 즈음부터 ADLIB과 JAZZ LIFE와 같은 일본 잡지를 읽게 되었습니다. 대학때는 아무튼지 일본 잡지를 많이 읽었어요. 특히 BRUTUS나 STUDIO VOICE로부터 큰 영향을 받은 듯 합니다. 그리고 클럽이나 DJ 문화에 관심이 있었을 때는 remix와 GROOVE도 자주 읽었고요, 미술수첩(美術手帖)도 재미있었어요. 학교보다도 서점과 레코드 가게와 미술관이 좋아서 졸업할때까지 그러한 생활의 반복이었습니다. 재즈 동호회의 인연으로 몇 가지 일본 퓨전 계열 앨범의 한국반 라이너 노트를 적은 것도 귀중한 경험이었습니다. 지금은 부끄러워서 다시 읽거나 하지는 않지만요...... (웃음)


林;ジノンさん、ライナーノート、書いてるんですね。日本に来たことを教えてもらえますか?

ジノン;大学2年生のとき、日比谷野外音楽堂でカシオペアのライブがあることを知って、初めて東京に行きました。僕は外国といっても日本とアメリカしか行ったことがないので、いまでもそんなに変わってないような気がしますが、やっぱり初めての外国ってすごく衝撃を受けますよね。もうあの松屋の紅ショウガから衝撃でした(笑)。にんじんだ~と思って食べたのに...


H: Jinon씨, 라이너 노트를 적으셨군요. 일본에 오시게 된 일도 말씀해주시겠어요?

J: 대학교 2학년때 히비야 야외음악당에서 카시오페아 라이브가 있다는걸 알고 처음으로 도쿄에 갔습니다. 저는 외국이라고해도 일본과 미국 밖에 가 본 적이 없어서 지금도 그렇게 다르지 않을 것 같은데요, 역시 처음 가는 외국은 상당한 충격을 받게되네요. 마츠야의 생강초절임부터 충격이었어요 (웃음). 당근이다~하면서 먹었는데 말이죠......


林;(笑)

ジノン;よく外国人が持っている「東京」のイメージがあると思いますが、僕の場合は「あ、その通りでした」と思うくらい自分の想像したイメージのままの風景が広がりました。あとは、渋谷のタワレコに行ったとき、「世の中にこんなにCDがあるのか」とビックリしたこともあって、「よし、いつか東京で住む!」と決めました(笑)。

大学を卒業して2年くらいソウルの小さなレコード会社で 働きましたがいろいろ大変だったこともあって、やっぱり自分には合わないんだと思い、「会社辞めよう」と決めました。で、「じゃ、次はどうするつもり?!」と自分に問いかけたら、「できれば東京で住んでみよう」という答えが出てきました。何の目的もなかったので、とりあえず日本語学校を通うことになりました。

西武新宿線と大江戸線の中井駅近くに主に韓国人の留学生が住んでいる寮みたいなところがありまして、そこで生活を始めました。机付きの2階建てベッド、テレビ、小さい冷蔵庫だけがあって、キッチン、風呂、トイレは共用でした。どうしてもその環境に慣れることができず、鬱陶しい気分になって学校以外の時間は何も言わずに部屋に籠ってしまいました。学校では 春と秋に1週間くらいの短い休みがあったのですが、その間、誰にも会わず、一言もしゃべらないまま過ごしました。たまに「日本語できないんだけど、東京で生活できるかな」という相談をされますが、僕の経験では一言も喋らないまま1週間の生活ができたので、なんとなく過ごせるのではないかと思います(笑)。

で、「このままだとちょっとまずいな〜」と思って、とにかく出かけようと決めて、授業のない週末は渋谷に行きました。中井から電車一本で行けるのは青山一丁目だったので、そこから渋谷まで歩いていきました。毎週通ってたので、ちょっとずつ違う道のほうに行ったりして、それが一つの楽しみでもありました。うーん、当時は骨董通りの周辺が好きでした。ブルーノー トやIDEEのお店の前で「うわ、気になるけど僕は入れないかも」と思ったり、「ミッドセンチュリーモダン?!なんかすごい名前だ」と思いながら歩きました。いざ渋谷に着くとだいたい同じルートを廻って、また青山一丁目まで歩いて帰る訳なんですが、HMV、DISK UNION、RECOFan、DMR、マンハッタン、CISCO、タワレコの順番で廻りました。で、そのお店の視聴機にある曲はすべて聞いた覚えがあります。やっぱりお店ごとに好みの音楽や集まってる人のスタイルが違って、楽しい経験でした。


H: (웃음)

J: 외국인들이 많이 가지고 있는 도쿄의 이미지가 있을텐데요 제 경우는 '아, 그대로였어요'라고 생각들 정도로 제가 상상한 이미지대로의 풍경이 펼쳐졌습니다. 그리고, 시부야의 타워레코드에 갔을 때 '세상에는 이렇게나 CD가 있구나'라고 놀라기도 해서 '그래, 언젠가 도쿄에서 살자' 하고 마음을 정했습니다. (웃음)

대학교를 졸업하고 2년 정도 서울의 작은 음반 회사에 다녔는데요 여러가지 힘든 일도 있어서 역시 저에게는 맞지 않는다고 생각해 '회사 그만두자'라고 결정했습니다. 그래서 '그럼 다음에는 어떡할거지?'라고 저에게 물어봤는데 '가능하면 도쿄에서 살아보자'라는 답이 나왔습니다. 아무 목적도 없어서 일단은 일본어학교에 다니기로 했어요.

세이부신주쿠선과 오오에도선의 나카이역 근처에 주로 한국 유학생들이 지내고 있는 기숙사 같은 곳이 있어서 거기에서 생활을 시작했습니다. 책상이 달린 2층 침대, TV, 작은 냉장고만 있었고 부엌, 욕실, 화장실은 공용이었어요. 아무래도 그런 환경에 익숙해지지 못해 기분이 우울해져서 학교 이외의 시간에는 아무 말도 하지 않을채 방에 틀어박혀 있었습니다. 학교에서는 봄과 가을에 일주일 정도의 짧은 방학이 있었는데요 그 동안에 누구랑도 만나지 않고 한 마디도 하지 않은채 지냈습니다. 가끔 '일본어를 못하는데 도쿄에서 생활이 가능할까?'라는 상의를 받는데요 제 경험으로는 한 마디도 이야기하지 않은채 일주일동안의 생활이 가능했기 때문에 어떻게든 지낼수 있지 않을까해요. (웃음)

그래서 이대로는 안되겠다고 생각하고 일단은 밖으로 나가자고 정해서 수업이 없는 주말에는 시부야에 갔어요. 나카이에서 지하철 한 대로 갈 수 있는 곳이 아오야마잇쵸메라서 거기에서 시부야까지 걸어갔습니다. 매주 다녀서 조금씩 다른길로 가는게 하나의 재미였기도 했어요. 음, 당시에는 콧토우도오리(骨董通り) 주변을 좋아했어요. 블루노트와 IDEE 앞에서 '우와 궁금하긴한데 들어가진 못하겠다'하거나 'Mid-Century MODERN?! 왠지 엄청난 이름이네'하면서 다녔어요. 시부야에 도착하면 대체로 비슷한 경로를 돌고서 다시 아오야마잇쵸메까지 걸어왔는데요, HMV, DISK UNION, RECOFan, DMR, Manhattan Records, CISCO, 타워레코드 순으로 돌았어요. 그래서 그 가게의 청음기에 있는 곡들은 전부 들은 기억이 있어요. 역시 매장별로 좋아하는 음악과 모이는 사람들의 스타일이 달라서 재미있는 경험이었습니다.


林;ああ、その頃、ジノンさんと僕、絶対にすれ違ってますね。

ジノン;ある日、その日も渋谷のレコード屋で掘っていたところ、1枚のCDに出会いました。そのCDには「FREE SOUL」って書いてあって、その言葉の響きやアートワークが気に入って買ってきました。で、実際聞いてみたら、いままで経験したことのない音楽だったので、「うわ、何これ?!」と驚きながら聞きました。そこで橋本徹さんのことを知って、それから橋本さんの選曲であったら、片っ端から買いました。

東京に留学しようと決めて当時選曲を提供して知り合った韓国の某緑茶カフェのチェーン店の担当者と話しあったことがあります。なぜか僕はそのとき「東京で選曲を学びたいです」って宣言したのですが、やっとその教科書的な存在に出会えた感じでした。あと、ちょうど沖野修也さんの「DJ選曲術」という本も読んでいた頃で、その両方の影響をすごく受けました。


H: 아, 그 시기에 분명 Jinon씨와 저는 서로 스쳐 지나갔겠네요.

J: 어느 날, 그날도 시부야의 레코드 가게에 음반을 찾고 있던 중에 한 장의 CD와 만났습니다. 그 CD에는 FREE SOUL이라고 적혀있어서 그 단어의 울림과 아트웍이 마음에 들어서 사왔습니다. 실제로 들어보니 지금까지 경험한 적이 없던 음악이어서 '우와 이건 뭐지?!'라고 놀라면서 들었습니다. 거기에서 하시모토 토오루(橋本徹)씨를 알게 되어서 그 다음부터 하시모토씨 선곡이 있으면 모조리 샀어요.

도쿄에서 유학하려고 정했을때 당시에 선곡을 제공하면서 알게된 한국의 모 녹차 카페 체인점의 담당자와 이야기를 나눈적이 있었어요. 무슨일인지 제가 그때 '도쿄에서 선곡을 배우고 싶어요'라고 했는데요 그때서야 교과서적인 존재를 만날 수 있었던 느낌이었습니다. 그리고, 마침 오키노 슈야(沖野修也)씨의 'DJ선곡술(DJ選曲術)'이라는 책을 읽고 있던 때로 그 양쪽의 영향을 많이 받았어요.


林;東京で選曲ですか。面白いですね。

ジノン;その頃、僕は青山ブックセンターやパルコ地下にあった本屋によく行きました。当時はパルコ地下にアプレミディのセレクトショップがあったので、そのお店でひとりで遊ぶのが楽しかったです。で、「そうだ、実際のカフェもあるんだ」とやっと気づいたのです(笑)。実際訪ねたのはもうすこし後の話になりますが。

うーん、元々は美術関連の大学院に行こうと決めて、わりと早めに日本語能力試験も合格しましたが、経済的なこともふくめていろいろ事情がありまして、留学生活は1年くらいにして韓国に帰りました。その後、韓国では美術関連の展示会の企画や作家のエージェンシーの会社で働きました。その会社でも メインではなくアシスタントでした。主に写真作家が多くて、毎週、仁寺洞(インサドン)にある貸しギャラリーに行って火曜は設営、水曜はオープニングレセプションの繰り返しでした。オープニングレセプションが終わったら夕食で必ずベトナム料理を食べていたような気がします。たまに「音楽も美術もちゃんと勉強してこなかったのに、こういう仕事やってて大丈夫なの?!」と自分に問いかけたりしましたが (笑)。でも、やっぱりやってるとだんだん慣れて行くんだと実感しました。オークションハウスとの仕事も自分には貴重な経験になりました。あと、その後オフィ スが北村(ブッチョン)のほうに移転したこともあって、夕暮れの頃、仕事を終えて音楽を聞きながら散歩するのが一番好きでした。ソウルに遊びにお越しいただく予定でしたら、ぜひその時間帯に歩いてみてください。

比較的に自由に仕事をしている感じだったし、日本の状況についての情報も必要だったので、僕は半年ずつソウルと東京で生活するようになりました。それで代々木にあるマンスリーマンションで過ごすことになりました。自分用のキッチン、風呂、トイレがあることを確認し、嬉しくて涙が出そうになりました(笑)。しかも歩いて渋谷まで行けますし。


H: 도쿄에서 선곡이에요? 재미있네요.

J: 그 시기에는 아오야마 북 센터와 파르코 지하에 있던 서점에 자주 갔었어요. 당시는 파르코 지하에 아프레미디의 셀렉트샵이 있어서 거기에서 혼자 노는게 재미었어요. 그래서 '맞다, 실제 카페도 있구나'하고 그제서야 눈치를 챘어요 (웃음). 실제로 방문한건 조금 더 나중의 이야기지만요.

음, 원래는 미술 관련 대학원에 가려고 하고 비교적 빨리 일본어능력시험도 합격했는데요 경제적인 부분도 포함해서 이런저런 사정이 있어서 유학 생활은 1년 정도로 하고 한국에 돌아왔습니다. 그 후, 한국에서는 미술 관련 전시회 기획과 작가의 에이전시를 하는 회사에서 근무했습니다. 거기에서도 메인이 아닌 어시스턴트였어요. 주로 사진 작가가 많아서 매주 인사동에 있는 갤러리에 가서 화요일은 설치, 수요일은 오프닝 리셉션의 반복이었습니다. 오프닝 리셉션이 끝나면 저녁으로 꼭 베트남 음식을 먹었던 기억이 있어요. 가끔 '음악도 미술도 제대로 배운건 아닌데 이런 일을 하고 있어도 되는건가?!'라고 저에게 물어보고는 했지만요 (웃음). 하지만 역시 직접 하면 점점 익숙해지는걸 실감했어요. 옥션 하우스와의 업무도 저에게는 귀중한 경험이 되었습니다. 그리고 나중에 사무실을 북촌쪽으로 이전하기도 해서 석양이 질 무렵에 일을 마치고 음악을 들으면서 산책하는게 제일 좋았습니다. 서울에 오실 예정이 있으면 꼭 그 시간에 걸어보세요.

비교적 자유롭게 일을 했었고 일본 상황에 대한 정보도 필요해서 저는 반년씩 서울과 도쿄에서 생활하게 되었습니다. 그래서 요요기에 있는 먼슬리맨션에서 지내게 되었어요. 제가 혼자 쓸 수 있는 부엌, 욕실, 화장실이 있는 것을 확인하고 기뻐서 눈물이 날 정도였습니다 (웃음). 게다가 걸어서 시부야까지 갈 수도 있고요.


林;そんなに渋谷が好きなんですね。なんか嬉しいです。

ジノン;そこで念願の「アプレミディ訪問」が実現されました!「やっぱり帰ろうか」と何度も思いながら、エレベーターの前でうろうろしてた覚えがありますが(笑)。すごく勇気を出してドアを開けた瞬間、「本当に世の中って音楽好きでオシャレでカッコイイ人はたくさんいるな」と改めて感じました。しかも韓国人は僕ひとりだったので、あっちこっちから聞こえてくる日本語の意味が全然わからなかったです。「うわ~、どうすればいいの?!」と思いながら、じっと座っていました(笑)。あとで、橋本さんからそこにいる方々を紹介していただいて、みなさんから音楽のことや東京のことを紹介していただいたりしました。すごくやさしい方々だなと思いました。そしたら、やっとお店の雰囲気が感じられたり、音楽が聞こえたりしました。気づいたら、もう朝になってしまって、家に帰りましたが、アプレミディの窓から見える公園通りの夜明けは格別でした。あ、あとで 橋本さんにお会いしたときに渋谷の穴場として紹介していただいたのがbar bossaでした。


H: 그렇게나 시부야를 좋아하시나 보네요. 왠지 기쁩니다.

J: 그때 오랜 소원이었던 아프레미디 방문이 실현되었습니다! '역시 집에 돌아가는게 좋을까'하고 몇 번이나 생각하면서 엘리베이턴 앞에서 왔다갔다 했던 기억이 있지만요 (웃음). 엄청 용기를 내어서 문을 연 순간 '정말 세상에는 음악을 좋아하고 세련되고 멋진 사람들이 많이 있구나'라고 새삼 느꼈습니다. 게다가 한국 사람은 저 혼자라서 여기저기에서 들려오는 일본어를 전혀 못 알아 들었어요. '우와 어떡하면 좋지?!'라고 생각하면서 가만히 앉아있었어요 (웃음). 나중에 하시모토씨께서 거기에 있는 분들을 소개해주셔서 그분들께 음악과 도쿄에 대한 것들을 소개받았습니다. 무척 다정한 분들이라고 생각했어요. 그러더니 겨우 가게 분위기가 느껴지거나 음악이 들리기 시작했습니다. 어느샌가 아침이 되어버려서 집에 들어왔는데요 아프레미디 창문에서 보이는 코우엔도오리(公園通り)의 새벽 풍경은 특별했습니다. 아, 나중에 하시모토씨를 뵈었을때 시부야의 숨겨진 명소로 소개받은 곳이 bar bossa였어요.


林;橋本さんからうちのこと、紹介してもらったんですよね。韓国と日本の音楽状況の違いとか似ているところの話を教えてもらえますか?

ジノン;最近、YouTubeで調べてみて感じたのは日本は様々な音楽がテレビ、ラジオ、本みたいにいろんな形で記録されていることでした。いまはなかなか再発できないレコードがあっても、その情報は必ずどこかで見つけることができるような気します。それが外国人からみて日本の音楽状況の一番の特徴なのではないかと思います。韓国の場合は一つの現象についての集中力が強く、なおかつ拡散の速度が速いのが特徴だと思います。たぶんいまのK-POPのアイドルがその証拠なのではないでしょうか。

あと、話がそれますが、韓国人と日本人の音楽について考えるときにいつも浮かんでくるのは「NHKのど自慢」です。韓国の国営放送のKBSで毎週日曜、午後12:10に「全国歌自慢(전국노래자랑)」という番組があることはご存知ですか?毎週各地の都市を巡回し、視聴者が参加して歌を歌う番組で、日本の演歌のような韓国のトロット歌手がゲストで出演します。ここまではほぼ一緒ですが、実際番組が始まると韓国と日本の空気感が全然違うんです。韓国の場合は主演者も観客もみんな歌って、踊って、とにかく自由です。たまには司会者も出演者と一緒に踊ります。日本の場合は出演者が歌っていると後ろに座ってる他の出演者は手拍子を打ったり、手を振ったりして、音だけが聞こえるので詳細はわからないですが、観客もその手拍子にあわせますよね。そのギャップが自分のなかでは興味深いテーマになります。たまに外国人ミュージシャンが韓国でライブが終わったあとに「韓国のお客さんは熱くて最高!」というふうに言ったと聞きますが、先ほどの話に通じることがあるかもしれないと思います。


H: 하시모토씨로부터 저희 가게를 소개 받으셨군요. 한국과 일본의 음악 정황의 차이나 비슷한 점에 대해서 알려 주시겠어요?

J: 요즘 유투브로 찾아보면서 느낀건 일본은 다양한 음악이 TV, 라디오, 책과 같은 여러 형태로 기록되어지고 있다는 것이었습니다. 가끔 지금은 재발매가 잘 안되고 있는 레코드가 있어도 그 정보가 반드시 어딘가에서 찾을 수 있을 것 같은 기분이 들어요. 그게 외국인이 봤을때 일본의 음악 환경의 가장 큰 특징이지 않을까 해요. 한국의 경우는 하나의 현상에 대한 집중력이 강하고 또한 확산 속도가 빠르다는게 특징인 것 같습니다. 아마 지금의 K-POP 아이돌이 그 증거가 아닐까요.

아, 다른 이야기인데요 한국인과 일본인의 음악에 대해 생각할때 항상 떠오르는 것이 'NHK 노도지만(のど自慢, 노래자랑)'이에요. 한국 국영방송인 KBS에서 매주 일요일 오후 12시 10분에 '전국노래자랑'이라는 프로그램이 있는걸 아시나요? 매주 각 지역의 도시를 순회하며 시청자가 참가해서 노래를 부르는 방송으로 일본의 엔카와 같은 한국의 트로트 가수가 초대가수로 출연합니다. 여기까지는 거의 같은데요 실제 방송이 시작되면 한국과 일본의 분위기가 전혀 달라요. 한국의 경우는 출연자도 관객도 모두 같이 부르고 춤추고 아무튼지 자유롭습니다. 가끔은 사회자도 출연자랑 같이 춤을 춰요. 일본의 경우는 출연자가 노래를 하고 있으면 뒷편에 앉아있는 다른 출연자들은 박자를 맞추면 박수를 치거나 손을 흔들거나 하고, 소리만 들려서 자세히는 모르겠지만 관객들도 그런 박수에 맞춰주잖아요. 그런 차이가 저에게는 꽤 흥미로운 테마가 됩니다. 가끔 외국 뮤지션이 한국에서 라이브를 마친 후에 '한국 관객은 열정적이여서 최고!'라고 이야기를 한다고 들었는데요 앞선 이야기와 통하는 부분이 있을지도 모를것 같아요.


林;韓国では観客も歌って踊るんですね。ブラジルと同じですね。アジアのラテンと言われる韓国らしい話しです。さて、これはみんなに聞いているのですが、これからの音楽はどうなると思いますか?

ジノン;そうですね。僕ってただのソウルに住んでる音楽好きの韓国人なので、これからの音楽の予想って僕にとってすごく大きい話だし、ちゃんとした予想ができる情報も持ってないですけど、確かに音楽はどんなカタチにしても残されるし、愛されると思います。いまはアナログとかカセットテープが再注目されてますが、CDとかデジタル音源とかライブのほうが盛り上がるかもしれないし、いままで見たこともない新しいカタチのものが登場するかもしれません。ただ、先ほど言ったようにいつの時代になっても様々な音楽の花が咲けるようにいろんな記録のカタチでいまの音楽を保存することが盛り上がるといいのではないかという希望はあります。そしたら、音楽はその時代の一番相応しく、みんなが愛するカタチで花を咲かせると思いますので。そういう意味では僕の世代でいま日本で活躍されてるJazz The New Chapterの柳樂光隆さん、Quiet Cornerの山本勇樹さん、音楽ライターの大石始さんのような方やJUHA、rompercicci、Bar Musicのようなお店は大好きですし、リスペクトしています。


H: 한국에서는 관객들도 노래하고 춤추나보네요. 브라질과 같네요. 아시아의 라틴이라고 불리는 한국다운 이야기에요. 그럼, 이건 모두에게 여쭤보는건데요 앞으로의 음악은 어떻게 될 것 같나요?

J: 저는 그냥 서울에 살고 있는 음악을 좋아하는 한국인이기 떄문에 앞으로의 음악에 대한 예상은 저에게 있어서는 매우 큰 이야기고 제대로된 예상을 할 수 있는 정보도 가지고 있지 않지만요. 확실히 음악은 어떤 형태로든지 남겨질거고 사랑 받을거라고 생각해요. 지금은 아날로그 레코드나 카세트 테입이 다시 주목받고 있지만 CD나 디지털 음원이나 라이브가 활성화될지도 모르고요, 지금까지 본 적이 없는 새로운 형태가 등장할지도 모르겠습니다. 다만, 방금전 이야기했듯이 어느 시대라도 다양한 음악의 꽃을 피울 수 있도록 다양한 기록의 형태로 지금의 음악을 보존하는 것이 활발해지면 좋겠다는 희망이 있어요. 그러면 음악은 그 시대에 가장 어울리고 모두가 사랑하는 형태로 꽃을 피울 수 있을거라고 생각해서요. 그런 의미로는 저희 세대에서 지금 일본에서 활약하고 있는 Jazz The New Chapter의 나기라 미츠타카(柳樂光隆)씨, Quiet Corner의 야마모토 유우키(山本勇樹)씨, 음악 작가인 오오이시 하지메(大石始)씨와 같은 분들과 JUHA, rompercicci, Bar Music과 같은 곳을 많이 좋아하고 존경하고 있어요.


林;ジノンさんらしい言葉ですね。最後に、これからはどうされるご予定ですか?

ジノン;ソウルと東京で僕より若い世代がわいわいしながら楽しく話しあってるところを見るたびにあの子たちが大人になる頃には韓国と日本がいまよりもっと仲良くなればいいなと思います。最近、両国のニュースをみたら、ハードル高すぎなのではないかと正直思ったこともありますが。

ただ、相手国についてまだ知らないことってたくさんあると思います。それを知っておいて、互いにわかりあったら、もうすこし仲良くなれるのではないかと思います。これからも韓国人と日本人の間に素敵な思い出がたくさんできればいいですね。

ということを考えながら、小さいことでも親しくなれるきっかけを作っていきたいと思います。まず、林さんとの韓国語や日本語の併記のブログがありますね。 最近は同じ感覚でbar bossaの韓国語のインスタグラムもやってますので、ぜひチェックしてみてください。
https://www.instagram.com/bar_bossa_seoul

あとは、日本のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、SNSなどでたくさんの情報が流れてくるので、このなかで韓国人が興味を持つようなものがあれば、それをまとめて韓国語で紹介しようと思い「東京茶飯事」というのを始めました。いまは主にニュースだけを紹介していますが、僕の選曲や東京を紹介する文章も書きたいと思いますので、よろしくお願いします!
https://twitter.com/tokyo_dabansa


H: Jinon씨다운 이야기네요. 끝으로 앞으로는 무얼 하실 예정인가요?

J: 서울과 도쿄에서 저보다 어린 세대의 젊은이들이 왁자지껄하면서 즐겁게 이야기를 나누는 모습을 볼때마다 저 친구들이 어른이 될 때에는 한국과 일본이 지금보다 좀 더 친해지면 좋겠다는 생각을 합니다. 요사이 양국의 뉴스를 보면 넘어야할 장벽이 너무 높지는 않을까라는 생각을 솔직히 한 적도 있지만요.

다만, 상대방 나라에 대해 아직 모르는 것도 많이 있을거라고 생각해요. 그걸 서로 알아두고 이해한다면 조금은 더 친해지지 않을까 해요. 앞으로도 한국인과 일본인 사이에 멋진 추억이 많이 생기면 좋겠네요.

그런 것들을 생각하면서 작은 것이라도 친해질 수 있는 계기를 만들어 가려고 합니다. 우선, 하야시씨와의 한국어와 일본어를 병기해서 올리는 블로그가 있네요. 요즘은 같은 형태로 bar bossa의 한국어 인스타그램도 하고 있으니 꼭 체크해주세요.
https://www.instagram.com/bar_bossa_seoul

그리고 일본의 TV, 라디오, 신문, 잡지, SNS 등에서 많은 정보가 나오고 있어서 그 중에서 한국 사람들이 관심을 가질만한 것이 있으면 그걸 모아서 한국어로 소개하자는 생각으로 '도쿄다반사'라는 것을 시작했습니다. 지금은 주로 뉴스만을 소개하고 있지만 제 선곡과 도쿄를 소개하는 글도 적어보려고 하고 있으니 잘 부탁드리겠습니다!
https://twitter.com/tokyo_dabansa



林;ああ、うちのお店のインスタグラムまですいません... それではみんなが待っている選曲ですが、テーマは何でしょうか?

ジノン;テーマは「夏がやってくると思わず聞いてしまう散歩BGM10曲」です。

林;これまたジノンさんらしいですね。楽しみです。


H: 아, 저희 가게 인스타그램까지 죄송합니다... 그럼 모두들 기다리고 있는 선곡인데요 테마는 어떤건가요?

J: 테마는 '여름이 찾아오면 듣게 되는 여름이 찾아오면 듣게 되는 산책 BGM 10곡' 이에요.

H: 이거 또한 Jinon씨답네요. 기대됩니다.


01. Eumir Deodato And Airto Moreira - Spirit of Summer



ジノン;朝早い仕事が多いので、誰もいない街を歩きながら聞くデオダートとアイアート・ モレイラのこの曲は格別です。初めて聞いたときに「夏の始まり」が感じられて好きになりました。見た目とは違って僕の夏の印象はこういう感じなんです。

林;この曲、すごく良いですよね。デオダートの胸を打つハーモニーとメロディーが最高です。


J: 아침 일찍 업무가 시작될 때가 많아서 아무도 없는 거리를 거닐면서 듣는 데오다토(Deodato)와 에알토 모레이라(Airto Moreira)의 이 곡은 각별합니다. 처음 들었을 때 '여름의 시작'이 느껴져서 좋아하게 되었어요. 보기와는 다르게 제 여름 이미지는 이런 느낌입니다.

H: 이 곡 너무 좋지요. 데오다토의 가슴을 울리는 하모니와 멜로디가 최고에요.


02. McCoy Tyner - Fly With The Wind



ジノン;東京で住んでいた頃はたまに出勤時間のときに丸の内や有楽町のようなオフィス街に行って、片手にコーヒーを持って爆音でマッコイ・タイナーを聞きながら歩くのが好きでした。たぶんそのとき「自由」を感じたかもしれません。あ、そういえば、取材でピアノのすぐ後ろ席で彼のライブをみたことがありますが、すごいパワーを持ってる人だなと改めて感じました。

林;ああ、ジノンさんってマッコイ・タイナーのこういうの好きなんですね。カッコいいですねえ。


J: 도쿄에서 지냈을 때는 출근 시간에 마루노우치와 유라쿠쵸 같은 사무실 밀집 지역에 가서 한 손에 커피를 들고 큰 볼륨으로 맥코이 타이너(McCoy Tyner)를 들으면서 거니는걸 좋아했어요. 아마도 그 때에 '자유'를 느꼈을지도 모르겠어요. 아, 그러고보니 취재로 피아노 바로 뒷자리에서 맥코이 타이너의 라이브를 본 적이 있는데요 엄청한 파워를 지닌 사람이구나하고 새삼 느끼게 되었습니다.

H: 아, Jinon씨는 맥코이 타이너의 이런 스타일을 좋아하시네요. 멋지네요.


03. Joe Bataan - When Sunny Gets Blue



ジノン;真夏の昼間、太陽が降り注ぎ、綺麗な青空が広がるとジョー・バターンの出番です。近くのコンビニで水を1つ買って、華やかなサウンドに身を任せて歩くと鬱陶しい気分もどこかに吹き飛びます。そういえば、ひとときFANIAやSALSOULばっかり聞いたことがあって、ラテン・サウンドにすぐ反応する自分にビックリした覚えがあります。昔、音楽感想会のときにラテンダンスのコミュニティと一緒にイベントをやったことがありまして、踊りもうまくないのに踊ってしまった(?)こともありましたが...(笑)。

林;ジノンさん、この辺り、好きなんですよね。さらに踊っちゃうんですね。意外です...(笑)


J: 한여름 낮 시간, 태양이 내리쬐고 아름다운 파란 하늘이 펼쳐지면 조 바탄(Joe Bataan)이 나올 때입니다. 근처 편의점에서 물 하나를 사고 화려한 사운드에 몸을 맡기고 걸으면 우울한 기분도 어디론가 날아가버려요. 그러고보니, 한때 FANIA와 SALSOUL만 들은 적이 있어서 라틴 사운드에 반응하는 저 자신에 놀랐던 기억이 있어요. 예전 음감회 때에 라틴 댄스 동호회와 함께 이벤트를 한 적이 있었는데 춤도 못추면서 춤까지 춰버렸던(?) 적도 있지만요... (웃음)

H: Jinon씨 이런 계열을 좋아하시네요. 게다가 춤까지 춰버리셨군요. 의외에요... (웃음)


04. Marcos Valle - Mais do Que Valsa



ジノン;ブラジルのミュージシャンのなかでソウルの街並に一番似合うのはたぶんマルコス・ ヴァーリなのではないかと思います。不思議なことにどこに行ってもぴったり合います。梅雨の時期はこの曲をよく聞きます。

林;ああ、ソウルの梅雨の時期にこれ、すごく納得です。すごくあいそうですね。


J: 브라질 뮤지션 중에서 서울의 거리와 가장 잘 어울리는건 아마도 마르코스 발레(Marcos Valle)가 아닐까 싶어요. 신기하게도 어디에 가더라도 딱 맞아떨어집니다. 장마철에는 이 곡을 자주 들어요.

H: 아, 서울의 장마철에는 이거군요, 매우 납득이 갑니다. 상당히 어울릴 듯 하네요.


05. Casiopea - Midnight Rendezvous



ジノン;この辺でカシオペア登場です。ファンの間では有名なMINT JAMSというアルバムのライブ映像で韓国のジャズ・コミュニティでは「お酒が進む曲」として愛されました(笑)。散歩BGMがパッと浮かんでこないときに聞きます。この間、村井邦彦さんの本を読んで、この時代のアルファレコードはすごいメンツが集まったんだと改めて感じました。同じレーベルのYMO、吉田美奈子、ハイ・ファイ・セットも僕の夏の定番です。

林;ああ、アルファレコードについてもジノンさん、語れるんですね。ジノンさんの力でカシオペア再評価ムーブメントが来ると良いのですが。


J: 이쯤에서 카시오페아 등장입니다. 팬들 사이에서는 유명한 MINT JAMS라는 앨범의 라이브 영상으로 한국의 재즈 동호회에서는 '술이 잘 넘어가는 곡'으로 사랑받았어요 (웃음). 산책 음악이 잘 떠오르지 않을때 듣습니다. 얼마전 무라이 쿠니히코(村井邦彦)씨의 책을 읽고서 이 시기의 알파 레코드는 엄청난 멤버들이 모였다는걸 새삼 느꼈습니다. 같은 레이블의 YMO, 요시다 미나코(吉田美奈子), 하이 파이 세트(Hi-Fi Set) 도 여름에 자주 들어요.

H: 아, 알파 레코드에 대해서도 Jinon씨 이야기를 할 수 있군요. Jinon씨의 힘으로 카시오페아 재평가 무브먼트가 오면 좋을텐데요.


06. Breakwater - Work It Out



ジノン;このBreakwaterのアルバムはフリー・ソウルにハマってたときに一番よく聞きました。僕にとってはまさにFree Soulそのもので、いつも真夏の夜にアプレミディの窓から見えてくる公園通りの風景を思い出します。

林;ジノンさんが描写してくれる東京ってすごく素敵ですね。嬉しい限りです。


J: 이 브레이크워터(Breakwater)의 앨범은 프리 소울에 빠졌을때 가장 자주 들었어요. 저에게는 프리 소울 그 자체로 언제나 여름밤 아프레미디의 창밖으로 보이는 코우엔도오리의 풍경이 떠오릅니다.

H: Jinon씨가 묘사해주는 도쿄는 정말 멋지네요. 기쁠따름입니다.


07: Small Circle of Friends (STUDIO75) - Summer Knows



ジノン;林さんもご存知のスモール・サークル・オブ・フレンズがSTUDIO75の名義で発売したアルバムからの曲です。一日中ずっと聞いても飽きないです。雨の日、青山通りの散歩BGMの中ではベスト1です!そういえば、初めてスモール・サークル・オブ・フレンズのアズマさん、サツキさんにお会いした場所も青山でした。

林;ジノンさんって、すごく内気そうに見えるのですが、そういう風にいろんな人と繫がっていきますよね。なんかジノンさんの人柄がよくあらわれています。


J: 하야시씨께서도 아시는 Small Circle Of Friends가 STUDIO75 명의로 발매한 앨범에서의 곡입니다. 하루종일 들어도 질리지 않아요. 비오는 날 아오야마 거리의 산책 BGM 중에서는 베스트 원 입니다! 그러고보니 처음 Small Circle Of Friends의 아즈마씨, 사츠키씨와 만난 장소도 아오야마였어요.

H: Jinon씨는 상당히 내성적인 것처럼 보이는데요 이렇게 다양한 사람들과 연결되고 있네요. Jinon씨의 인품이 잘 나타나고 있어요.


08: The Sullivans - Never Again



ジノン;本当に心地良いイントロですね。「世界イントロ大会」みたいなのがあれば、たぶん優勝候補ではないかと思います。ペイル・ファウンテンズやプリファブ・スプラウトに夢中になった頃、突然表れたこの曲にやられました。爽やかな散歩になれます。

林;いつも思うのですが、ジノンさんのその冗談のセンスって「いかにも韓国人」なのでしょうか、それとも「ジノン・オリジナル」なのでしょうか。たぶん後者ですよね。


J: 정말 기분 좋은 인트로네요. '세계 인트로 대회' 같은게 있으면 아마 우승 후보가 아닐까 합니다. 페일 파운틴즈(Pale Fountains)와 프리팹 스프라우트(Prefab Sprout)에 빠져있던때 갑자기 나타난 이 곡에 한 방 먹었습니다. 상쾌한 산책을 할 수 있어요.

H: 항상 생각하지만 Jinon씨의 이런 농담의 센스는 '역시나 한국 사람' 인걸까요? 아니면 'Jinon Original' 인걸까요? 아마도 후자겠죠.


09: Herbie Hancock - I Thought It Was You



ジノン;ハービー・ハンコックのダンサブルなナンバー!とても好きな曲です。笠井紀美子のヴァージョンもいいですが、やっぱり散歩のときはこの長いヴァージョンの方がぴったりです。代々木に住んでた頃にこの曲と共に夜の西新宿の高層ビル群のなかをよく歩きました。

林;なるほど。西新宿の夜にこれですか。ジノンさんの選曲と街散歩シリーズ良いですねえ。さあ次はラストですが。


J: 허비 행콕(Herbie Hancock)의 댄서블한 넘버! 너무 좋아하는 곡이에요. 카사이 키미코(笠井紀美子)의 버전도 좋지만 역시 산책에는 이 긴 버전쪽이 딱 맞아 떨어집니다. 요요기에서 지냈을 때 이 곡과 함께 밤의 니시신주쿠 고층 빌딩 숲 속을 자주 걸었어요.

H: 그렇군요. 니시신주쿠의 밤에 이건가요? Jinon씨의 선곡과 거리 산책 시리즈 좋네요. 자, 다음은 마지막 곡인데요.


10: Carla Bley and Steve Swallow - Lawns



ジノン;ラストはカーラ・ブレイです。彼女のSextetというアルバムに入っている曲で、韓国のジャズ・コミュニティの象徴みたいな曲がいくつかあって、その中の一つです。これはスティーブ・スワローとのライブの演奏ですが、この曲は韓国人の好みがすべて含まれているのではないかと思います。昔は夕暮れの頃にホンデを歩いたら露店でこれが流れていたので、よく立ち止まって聞いたりしました。何か素敵な時代だったですね。

林;韓国のジャズ・コミュニティでカーラ・ブレイが人気あるの、すごくわかるような気がします。日本人と韓国人の違いがここら辺にあるような気がします。韓国で詩人が地位が高いのと何か関係があるような気がしていますが。


J: 마지막 곡은 칼라 블레이(Carla Bley)에요. Sextet이라는 앨범에 있는 곡으로 한국 재즈동호회의 상징과 같은 곡이 몇 개 있는데 그 중에 하나에요. 이건 스티브 스왈로우(Steve Swallow)와의 라이브 연주인데요 이 곡은 한국 사람들이 좋아할만한 취향이 모두 담겨있지 않나 싶어요. 예전에는 석양이 질 무렵 홍대를 거닐면 노점에서 이 곡이 흐르고 있어서 자주 그 앞에 서서 듣고는 했습니다. 뭔가 멋진 시대였네요.

H: 한국의 재즈동호회에서 칼라 블레이가 인기가 있다는거, 잘 알 것 같은 기분이 듭니다. 일본인과 한국인의 차이가 이 부분에 있는 듯한 기분이 들어요. 한국에서 시인이 지위가 높다는 것과 뭔가 관계가 있을 듯 한 기분이 드는데요.


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ジノンさん、お忙しいところ今回はどうもありがとうございました。ジノンさんの冗談のセンスが相変わらず爆発していますね。世界をフラットにするためこれからも一緒に動きましょう。

Jinon씨, 바쁘신 와중에 감사드립니다. Jinon씨의 농담 센스가 변함없이 폭발하고 있네요. 세계를 평등하게 만들기 위해 앞으로도 함께 움직이도록 해요.

みなさん、夏、いよいよ本格的ですね。夏バテなんかしていませんか? 良い音楽を聴いて乗り越えましょう。それではまた来月もこちらのお店でお待ちしております。

여러분, 드디어 본격적인 여름이네요. 여름을 타거나 하지는 않으신가요? 좋은 음악을 듣고서 이겨내도록 해요. 그럼 다음달에 다시 이 곳에서 기다리고 있겠습니다.

bar bossa 林伸次
시부야 bar bossa 하야시 신지


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
■品番:UICZ-1646

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【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

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「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

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林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

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