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今回「AIRPORT」(放送期間:2015.2/18-3/18)では、
東京生まれ現在パリ在住のアーティスト、マイア・バルーをフィーチャー。
彼女は昨年、日本の伝承歌、民謡と最新型のエレクトロサウンドをハイブリッドにミックスしたニューアルバム『KODAMA』をリリースしました。今、国という枠組みを超えボーダレスに活動するアーティストの一人。

そんなマイア・バルーと共振し合うアーティストとして同一ライン上に上がってきたアーティストはラッパーのShing02。日本と海外を行き来するアーティスト同士、今の時代に感じていることをざっくばらんに語ってもらいました。



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Shing02:マイアは今回のアルバムを作るにあたり古くから日本に残る民謡をアレンジして歌ってるけど、現代の日本語の使われ方についてはどう思ってる?例えばポップスや演歌やラップ・・・言葉がありふれてるよね。そんな中で自分はどういう風に日本語を使って、どういう風に意識してる?


マイア・バルー:私がやっている民謡に関しては、もともとは昔の日本語や方言で書かれてて。日本語のサウンドって独特で面白いなって思う。擬音語とか、とても音楽的じゃない?今回のアルバムにはそういう歌もあって。「ソーラン節」「津軽じょんがら節」とか。けど、今の日本語の使われ方といっても、すっごく進化しているから知らないことが多いかな。


Shing02:変化が速いよね?


マイア・バルー:今はインターネットとかツイッターとか、インスタントに伝えるようになっているじゃない。でも歌の歌詞って真逆というか、ひとつのフレーズ、ひとつの詞でどれだけの想像力を働かせられるかがポイントで、歌の強さってそこだと思う。喋れば長くかかることを、歌では伝えられると思う。ラップはメロディーにのっからないからまたちょっと違うよね?


Shing02:そうだね。でも逆に、そうやって歌える人が、ラッパーはある意味羨ましいと思ってる。小節稼げるしね(笑)。そういう音楽的な違いはあって言葉数は違っても結局ストーリーテリングだと思うんだよね。シンプルなものやディープなもの、込めるものによるけどね。きちんとヒップホップの文化わかってやっている人は、自分はジャーナリストくらいの気分でやってると思うから。で、最近ますますテクノロジーが溢れてきていることとか、コミュニケーションが手短に効率よくなってるのは、英語でもそうだしね。でも、その中でミスコミュニケーションが生まれたり、人がくっついて離れることも珍しくないわけで。そういう中から新しい言語体系が生まれてきていて。実際にヒップホップはストリートのスラング文化で、ある意味「暗号」。それは方言とかも一緒で。言葉の縄張りだと思う。そしてそういうものがメインストリームに使われていくようになる。初めは馬鹿にしたりふざけて言ってることが、いつのまにか辞書に載るような言葉になっちゃう。そういったアンダーグラウンドから吸い上げられていくボキャブラリーっていうものもあるから一概に言葉を崩したり曲げたり好き勝手やることが駄目かっていうと、違って、実は今までもずーっとそうやって変化してきたのかもしれない。ただ、加速しているってことと、テクノロジーのヘルプのおかげってこと。それによって人間味が失われているから危惧しているだけであって。頼りすぎてきちんと会話できないとか、使い分けができなくなることとか、ね。


マイア・バルー:そういうのは怖いとこだよね。


Shing02:だからそういう意味では言葉を大切にしたいって気持ちもわからなくはない。特に日本語って、目上、タメ口、喋り方とか、使い分けを気にするよね。僕たちはたまたま日本を出たり入ったりする視点を持ち合わせているけれど、外から見たら、日本語がいかに繊細で、暗黙なルールがあるか分かる。でも中にいると気が付かないよね?


マイア・バルー:日本語はね、なにが独特かって曖昧な言葉だって思う。「いいえ」って言葉使わないよね。「う~ん」って言ったりして、それって言葉なの?って思うもの。「いいえ」って使わない言葉どころか、NOとすら言わない民族であって、文化なんだなって。


Shing02:いわゆる「和を以て貴しとなす」っていうのが根底にある民族で、それが裏目に出ることも多々あるけれど、どちらかというと文化の礎になってると思う。迷惑とか礼儀とかを重んじているよね。使う言葉も、基本的に相手を思いやっている言葉が多い。


マイア・バルー:民族性が出てるよね。


Shing02:そう。だって国境が地続きではなく、ひとつの言語しか喋ってない国って、あまりないじゃない?それが教育とかメディアとかにも影響していると思うんです。大半の人達はそのルールの中で、日本という考え方の中で、使っている。中にいると外国のことは拒絶しているというか、通用しないじゃない。


マイア・バルー:必要ないもんね。外の文化が。


Shing02:そう。必要ないって言える立場でもあるよね。けれど、実際にはこれだけ人も物量も情報も行き来してるから、そうも言ってられない。


マイア・バルー:どの国もそうだけど、他国ともコミュニケートしていかなきゃいけないよね。


Shing02:抱えている問題は同じだったりするわけだから、他の国のアドバイスを聞いてもいいよね。だからまだ言語的に鎖国っていう部分はあって、自国の言語と文化を大切にすることは良いことだと思うけれど、言葉というよりは考え方をオープンにしてもいいのかなとは思う。


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Shing02:マイアは個人的にはどうやってサバイブしていきたい?音楽をやっていく身として。


マイア・バルー:業界のことは無視できないし、音楽はひとりじゃできないけれど、好きなことするのは大事。そこで、やりたいことをどれだけ今の時代の流れに乗せていけるかは大きな課題かな。
今の自分の方向性・・・日本の民謡をモダンにアレンジっていうのは大変なチョイスをしたなと思うけれど。


Shing02:いや、僕は最高だと思うけどね。人がしないことをするっていうのは。


マイア・バルー:うん、でも浸透するには時間かかるじゃない?辛抱強くいくっきゃないかな。


Shing02:時間をかけていいものを作る事自体が、大事なことになってきたよね。


マイア・バルー:インスタントにできちゃう時代だからこそね。あとは、ライブでどれだけ見せていけるかに力を入れていきたい。


Shing02:僕は大きな矛盾を抱えていると思うけれど、これだけ情報がボーダレスになって、一瞬で伝えることができて交流が生まれていい面もたくさんある時代の中で、アーティストの死活問題として、自分の付加価値をキープするということは大事。わざわざお金を払って聴いてもらうためには、結局人と同じことじゃなく個性がないと本末転倒だと思うから。やりたいことをやり続けることはシンプルだけど、一番ラディカルな行為なんじゃないかと。アップ&ダウンある中でも自分の信念を形に落とし込んでゆくというか。色んなテーマがあって、皆様々な事を言いたいと思うけれど、アーティストの仕事ってなんでもかんでも答えを提供する事じゃなくて、どちらかというとヒントをあげる立場というか。ちょっとずつヒントをドロップして、そこにたどり着かせるほうが喜びが多いと思う。そうじゃないと成長がないからね。


マイア・バルー:ひとりひとり感じ方が違うわけで、なるべく自由に感じてほしいよね。


Shing02:僕も色んなことをクリエイトしている友達が沢山いるから、自分は音楽を作ってるからといってスペシャルとは思わない。そういう人たちと繋がって意識を変えたり高めたりしたいと常に思っているよ。



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このトークセッションの続きは「AIRPORT」(放送期間:2015.2/18-3/18)で聴くことができます。
是非そちらもチェックして下さい。

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【Shing02】
環太平洋を拠点に活動するMC / プロデューサー。これまでに「絵夢詩ノススメ」「緑黄色人種」「400」「歪曲」を発表し、発案したfaderboardを取り入れたKosmic Renaissanceなど、国内外のコラボレーションをこなす。世界中のプロデューサーやミュージシャンとの競演を重ねながら、現代音楽としてのヒップホップを体現する。近年はミックスCD「FTTB」「LIVE FROM ANNEN ANNEX」シリーズを発表、DJ $HINとアルバム「1200 Ways」をリリースし、日本語盤の「有事通信」も控えている。2014年には「Bustin'」を監督、公開し、2015年は短編四作目となる「The Divider」が控えている。Shing02 Official Site


Virtuoso / Shing02 x DJ BAKU x Reatmo



次世代コンテンツコンソーシアム VIVIFY プロジェクト第1弾360°動画閲覧アプリ "Q" リリース。
Shing02・DJ BAKU・REATMOによる新曲『Virtuoso』を 360°バーチャルリアリティーMVで収録。
「Q」とは? 次世代コンテンツコンソーシアム「VIVIFY(ヴィヴィファイ)」が第1弾企画として、理化学研究所所属の社会神経科学者"藤井直敬博士"とのコラボレーションによる 360°VR(ヴァーチャルリアリティー:仮想現実)体験できるiPhone用アプリケーション。詳しくは、http://vivify-technology.com/



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【マイア・バルー】
東京生まれ、パリ育ちのシンガー&マルチミュージシャン。仏人の歌手の父と江戸っ子の母の下、小さい頃から世界中を巡り様々な音楽を吸収。ブラジル漫遊中に聴いた音色に感銘を受けたのをきっかけにフルートを始め、独自のスタイル獲得する。音楽活動は東京で始まり、ロック、アフリカ、ブラジル系、DJやダンサーやシャンソン歌手の伴奏などジャンル問わずにセッションを重ねる。 18歳の頃、ネオちんどんバンド、「かぼちゃ商会」と運命的な出会いをし急遽サックスを独習、担当した。 その後「ちんどんブラス金魚」のメンバーとしてサックスとフルートを演奏、かつ作曲と編曲を手がける。 2005年より『CABARET SHINJUKU』(日本の個性派ミュージシャンをフランスに 紹介し日仏音楽の橋渡しをするイベント)のプロデューサーを務め、 参加アーティスト大集合の初プロデュースオムニバスアルバム、 "KUSAMAKURA"がフランス、カナダ、日本で発売。 坂本龍一のレーベル、『コモンズ』からオムニバスアルバム"にほんのうた"に参加。 2007年春からAbu(e.bass)と駒澤れお(African percussion)と共に主に歌手としてソロ活動を開始し。 2009年にはJ-WAVE/TOKIO HOT 100 awards,EARTH DAY TOKYO、FUJI ROCK などに出演。 2010年、佐藤タイジ[THEATRE BROOK]をプロデューサーに迎えたアルバム「地球をとってよ!」が全国発売&配信開始。また、イベント「地球をとってよ!」はOKI、ダブルフェイマス、Shing02、Buffalo Daughterらを迎えて続けられた。パルコのコーポレートキャンペーン「Love human」に出演し、パルコ劇場での初のホールコンサートはSOLD OUT。清水靖晃、 Arto Lindsay、Cyro Baptista, Kip Hanrahanなど世界の巨匠とライブやコラボレートをする。 2011年よりフランスに拠点を移しMartin Meissonnier氏をプロデューサーに迎え日本の民謡と電子音をミックスした新しいプロジェクトを開始。新譜"KODAMA"はイギリス、フランス、日本でリリース。アコースティック/エレクトロバンドと共にヨーロッパ中心に活躍中。マイア・バルー Official Site


ニューアルバム『KODAMA』
伝統音楽をパーカッシヴなエレクトロ・サウンドでシャッフルさせ、時空を越えて響かせるハイブリッドな音。ピエール・バルーを父に持つマイアのフランス最新録音。プロデュースはマルタン・メソニエ。日本先行発売。

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アマゾン詳細ページへ

■タイトル:『KOTODAMA』
■発売日:2014年12月3日
■レーベル: コアポート
■製品番号:RPOP-10007


【マイア・バルー LIVE情報】
ニューアルバム『KODAMA』リリース・イベント
MAIA BAROUH LIVE

■2015年4月2日(木) 渋谷WWW
  OPEN 18:30 /START 19:30
  CHARGE ADV.\4,000 / DOOR. \4,500 (共にドリンク代別)
■出演
  マイア・バルー (vocal, flute)
  ミン・ファン (keyboard)
  アントニー・フレノー (drums)
  駒澤れお (percussion)
  ミッシェル・ミチナ (chorus)
■チケットご予約 2014年12月6日(土)より
  チケットぴあ (http://t.pia.jp/) 0570-02-9999 (Pコード:248-763)
  ローソンチケット (http://l-tike.com) (Lコード:71703)
  イープラス (http://eplus.jp/) PC・携帯共通
■お問い合わせ
  渋谷WWW  tel.03-5458-7685 (http://www-shibuya.jp)
  コアポート  tel.042-328-2160 (平日12:00-18:00)
■主催:コアポート/協力:ラミュゼ、ニキータプラス

AIRPORT特別企画 Verano de Argentina 選曲:栗本斉:AIRPORT

いつか訪れてみたい国、南米・アルゼンチン。
日本の裏側から届く繊細で心地よい音楽を通し、その土地にも心惹かれています。

世界中の音楽をご紹介している番組「AIRPORT」では、
「カルロス・アギーレ」「キケ・シネシ」「bar buenos aires」「sense of "Quiet" 」等、
アルゼンチンをキーワードに広がるミュージシャンや音楽を数多く取り上げてきましたが、
今回の「AIRPORT」(2013.8/21-9/18)では、夏の特別企画として
「Verano de Argentina(アルゼンチンの夏)」をテーマにお送りします。


選曲は「新しいアルゼンチン音楽」を紹介するディスクガイド、
『アルゼンチン音楽手帖』を今年6月に発売された、旅&音楽ライターの栗本斉さん。

酷暑の日本をエスケープして、風通しの良いアルゼンチンの音風景をお楽しみ下さい。

[Text:岡村誠樹]


【JJazz.Net AIRPORT特別企画 "Verano de Argentina(=アルゼンチンの夏)" 選曲:栗本斉】


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M1:「Entre A Terra E A Agua / Andres Beeuwsaert」

Cruces


Cruces ~交差する旅と映像の記憶~ / Andres Beeuwsaert

リリース:2012年12月12日
celeste
製品番号:CMYK6300

















M2:「Peces de luz / Carlos Aguirre」
Orillania


Orillania / Carlos Aguirre

リリース:2012年2月19日
Rip Curl Recordings / Inpartmaint inc.
製品番号:RCIP0171

















M3:「Tus Canciones / Lisandro Aristimuno」
39°


39° / Lisandro Aristimuno

リリース:2007年7月15日
BEANS RECORDS
製品番号:BNSCD738

















M4.「Pasarero / Aca Seca Trio」
AVENIDO


AVENIDO / Aca Seca Trio

リリース:2007年6月8日
オーマガトキ
製品番号:OMCX1169

















M5. 「Aguas Claras / Alejandro Franov」
Opsigno


Opsigno / Alejandro Franov

リリース:2013年7月17日
Nature Bliss
製品番号:NBCD043

















M6.「つばめ / Liliana Herrero」
Confesion Del Viento


Confesion Del Viento / Liliana Herrero

リリース:2005年5月25日
オーマガトキ
製品番号:OMCX1129

















M7:「Terruno (大地の恵み) / Quique Sinesi」
Cuentos De Un Pueblo Escondido


Cuentos De Un Pueblo Escondido / Quique Sinesi

リリース:2012年7月26日
Rip Curl Recordings / Inpartmaint inc.
製品番号:RCIP0174

















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栗本斉著『アルゼンチン音楽手帖』

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世界初!21世紀以降の「新しいアルゼンチン音楽」を紹介するディスクガイド。
フォルクローレ、ジャズから、タンゴ、音響派、エレクトロニカにいたるまで、
洗練されたセレクトで、ジャンルを超えたラインナップ約250枚を厳選。

◆コラム
「素晴らしきメランコリーのアルゼンチンをたずねて三千里」 橋本徹(SUBURBIA)
「大自然、街並み、そして人と食からこころ豊かになる情景の国」 中村真理子(HUMMOCK Cafe)

「私が選ぶアルゼンチン音楽ベスト3」
岩川光 勝井祐二 北村聡 Saigenji 鈴木亜紀 藤本一馬 伊藤亮介 江利川侑介
ケペル木村 鈴木惣一朗 鈴木多依子 DJShhhhh 成田佳洋 松山晋也 山本勇樹

「アルゼンチンのファッションと音楽のコラボレーション」竹本祐三子(H.P.France)


■タイトル:『アルゼンチン音楽手帖』
■アーティスト:栗本斉
■発売日:2013年6月7日
■出版社: DU BOOKS

amazon link


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【栗本斉 Kurimoto Hitoshi】(旅&音楽ライター / 選曲家)

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レコード会社勤務中の90年代初頭から、DJ,音楽ライターとして活動。2005年からラテンアメリカの音楽を求めて中南米を旅する。2年間で、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、チリ、ボリビア、ペルー、エクアドル、コロンビア、ベネズエラ、トリニダード・トバゴ、パナマ、メキシコ、キューバの、合計14カ国周遊。帰国後は、とくに魅了されたアルゼンチン音楽を中心に、ラテンやワールドミュージックについての執筆・選曲・CD企画、ラジオの旅番組の構成選曲、雑誌やウェブでの紀行文執筆、アルゼンチン文化に関する講演、ビルボードライブ東京&大阪のブッキングなど幅広く活動中。2013年2月より沖縄県糸満市在住。最新著書は『アルゼンチン音楽手帖』(DU BOOKS)。


Blog:旅とリズム http://blog.livedoor.jp/tabi_rhythm/
Twitter: @tabirhythm
Facebook: http://www.facebook.com/hitoshi.kurimoto
Facebookページ:http://www.facebook.com/tabirhythm

今回「AIRPORT」(放送期間:2012.4/18-5/16)では、『OKI meets 大城美佐子 / 北と南』を特集。

そのトンコリ奏者のOKIさんと、昨年『アイヌ影絵プロジェクト』で共演を果たしたガムラン奏者、
川村亘平斎(TAIKUH JIKANG)さんとの公開MAILが届きました。

北海道と沖縄程も離れていない(笑)
北と(ちょっと)南でやりとりされたお二人のメールを覗いてみてください。


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- 川村亘平斎

- OKI


OKIさん
こんにちは。昨年末、日高地方に伝わる半神半人のスーパーヒーロー
「アイヌラックル」の物語を影絵にするプロジェクト「アイヌ影絵」。
OKIさんやマレウレウの人達、影絵演出家のラリーとの1ヶ月の旭川制作、なかなか楽しかったですね。


アイヌにはたくさんの物語が残ってるけど、今回は王道中の王道、ポロオイナ。
スペクタクル感では一番かな。映画で作ったら400億円はかかるでしょう。


当麻の公民館、めちゃくちゃ寒い体育館に巨大なスクリーンを吊っての影絵リハーサル。
僕らは毎日材料調達と称してのhomac(北海道のホームセンター)通いで遅刻。


ホームセンター、ホーマックね。影絵は映画と違ってホームセンターで全てまかなえるところが省エネですね。


homacについては地元の人よりも詳しくなっちゃったかもしれません。あと相当量のジンギスカンも食べました。


ラリーを含めて君たちは夜な夜なうまいもの巡りをしていたようですが、一回しか誘ってくれませんでしたね(笑)


夜降る雪がキラキラと輝く事や-1℃が暖かい事なんて、
東京生まれの僕には現地に行ってみないと全く想像もつかない事で、一ヶ月で一生分の雪を見た気がします。


あのあと-30度とかになってました。


影絵のデザインの時、OKIさんのアイヌ模様の描き方に対する考えとか、
カムイ(アイヌの神様)の目鼻立ち(鼻はそんなに尖ってないんだけど低くないとか)に対する着眼点が印象的でした。
「この土地に住んでる人だ!」
僕はそういう事にとても反応するのですが、OKIさんとのデザイン作業でそれをとても強く思いました。

バリの人達がバリの事を語るのと同様に、OKIさん達がアイヌの伝承やその生き様を語る事って、
今の日本ではなかなか見つけられないリアリティで、その土地に住んで、その土地の食べ物を食べて、
その土地の歌を歌う事の大切さを思います。


今までアイヌの創作は日本人(?)プロデュースが多くて、それらはやっぱり視点が違うから、
アイヌのヴァイブスとずれることが多かったけど。ポロオイナはこちら側の視点は生かせたと思うよ。
次のヴァージョンではもっと深く勉強して、よりオリジナルな世界観を出したいですね。


アイヌ影絵の打ち合わせで、OKIさんが言っていた「極東感」って言葉が僕の中ではとても腑に落ちて
今もたまに考えたりします。
僕から見ると北海道、アイヌの土地や人は日本の一部だと勝手に思っていたところがありましたが、
ユーラシア大陸の極東って見方をすると、よりアイヌの音楽や模様の有り様がわかる事があります。
それはアイヌ文化が西のヨーロッパ、ひいてはアフリカにも繋がっていく
ユーラシア大陸の広大な流れの一部にある事を感じられるからなのかもしれません。

僕自身もインドネシアのガムランや影絵を使って沖縄、台湾、フィリピン、インドネシア、インド、
そしてアフリカと繋がっていく海の極東/日本を作品にしてきたのですが、
南北のルートこそ違いますがOKIさんもこの国から繋がっていく広い世界を同じように
見ているんじゃないか、と思っています。


日本人は無意識にアメリカ向きのメンタリティです。ヨーロッパというのもあるけどね。
台湾もブラジルもマリは「その他」でくくられている。世界同時発売、全くの嘘っぱちです。
ミャンマーでは絶対売ってないもの。

極東アジアと言えば最大の都市はハバロフスク。北海道のほぼ真西、飛行機なら札幌から一時間半。
そんな近いところに極東のアマゾンと言われるタイガの森がある。広葉樹林と針葉樹林の混ざった広大な土地だ。
頂点にいる動物は虎です。そんなことイッテQのイモトでも行かない限り誰も知らない。

サハリンのユジノサハリンスクなら一時間。国後島なら立った17キロ。
国境の存在と国同士の利害関係で、近い土地が地球の裏側のように遠く感じるようになっています。

音楽で言えば「その他」は面白い。もちろんマイケルジャクソンはすごいと思ってるけどね。
レコーディング技術でいえばビートルズはものすごい。
でも限られた機材で最高の音を作ったリーペリーはかなり原住民的だ。
ビートルズにしたってすごい機材というよりハサミとセロテープでやってる。
そういうシンプルなのが好きなんだ。


OKIさんと大城美佐子さんの「北と南」 ゆるゆると聞かせてもらいました 
あの旭川のキラキラした冬とまぶしい夏の沖縄を感じられる素敵なアルバムですね。


沖縄の音楽をマイナスー30°で凍らして、解凍して発売しました。


極東アジアからグルーッと地球を一周して再び極東の南の島にたどり着く。
沖縄の歌を心地よく聞かせてもらえる「固み節/かたみぶし」/「南洋浜千鳥」、
dubの要素が見事に絡んだ「恋語れ/くいかたれ」、ポップな「レッドおじさん」、表題曲「北と南」など
アイヌと沖縄だけにとどまらない風通しの良さ。


沖縄音楽なんだけど聞き込んで行くうちに外国の音楽のように聞こえて来たよ。
一曲目の固み節が好きです。

震災以降初のアルバムリリースだったので下手な物作ったら金持ち原子力村に負けてしまうという危機感はありました。
つべこべ言わないで核発電はもう終了にしてほしい。人間には物欲、食欲、性欲など様々な欲があるけれど、
「権力」さえ握れば全てが手に入る。権力を持った人間の断末魔の叫びを早く聞きたい。一歩ずつ進んでいこうよ。

権力者は何しでかすかわからないから現実から目をそらせてはいけない。
電気を独占している奴らが「電気がないとあなたたちの生活困るでしょ?」っていう話を納得してはいけない。
テレビ漬けだとつい納得してしまうんだ。残念ながら洗脳されている人は多い。

もしこのままずるずると権力者の好きな世界ができてしまったら
それは僕たち一般の人間がお人好しで受動的でバカだったということになる。


影絵の制作の時もそうでしたが、OKIさんはアイヌに伝わる「北」の楽器トンコリを使って、
レゲエや沖縄の歌など「南」の音楽との活動がとても素晴らしいですが、
自分のアイヌ音楽と他の南の音楽をどんな風に感じてるんですか?


リズムの海に溺れそうな感じ。


今年のアイヌ影絵、またご一緒出来るのを楽しみにしています


これから20分長いヴァージョンの制作あるからこんどはジンギスカン腹一杯食わせろ。


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【OKI(オキ)】
アサンカラ(旭川)アイヌの血を引く、カラフト・アイヌの伝統弦楽器「トンコリ」の奏者。アイヌの伝統を軸足に斬新なサウンド作りで独自の音楽スタイルを切り拓き、知られざるアイヌ音楽の魅力を国内外に知らしめてきた稀有なミュージシャン/プロデューサー。
ソロ活動および、トンコリをメインにしたダブバンドOKI DUB AINU BANDでこれまでアジア、ヨーロッパ、北南米など世界各地をツアー。2011年は、ランキン・タクシー & ダブアイヌバンド名義で発表した反核ソング「誰にも見えない、匂いもない 2011」が各国のメディアで紹介され話題に。またカナダの先住民系ダンサーとのコラボ舞台「ススリウカ The Willow Bridge」の日本公演(2012年/カナダ公演)、影絵作家ラリー・リードとの新作影絵「アイヌ影絵」公演など幅広く活動。2012年は沖縄民謡の唄者・大城美佐子との共作アルバム「北と南」のリリース、また夏にはアイヌの女性ヴォーカルユニットMAREWREW(マレウレウ)のプロデュース作が発売予定。2013年にはOKIのドキュメンタリー映画「DUB AINU」(仮題/企画・製作 シネグリーオ)が公開予定。


OKI Official Site


北と南


北と南 / OKI meets 大城美佐子

リリース:2012年3月14日
Tuff Beats
製品番号:UBCA1026

















【OKI LIVE情報】
5/24(木) 東京 吉祥寺 Baobab (OKI tonkori solo)
5/26(土) 山梨 道志村 Natural High! (OKI DUB AINU BAND)

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【川村亘平斎(TAIKUH JIKANG)】
ガムラン奏者/影絵デザイン/イラストレーター
インドネシアの青銅打楽器「ガムラン」を中心とした音楽活動をはじめ、影絵、イラストや絵本/漫画の制作など多方面に活躍する芸術家。音楽と影絵とVJの融合を見事に果たし、各方面から絶賛されているソロユニットTAIKUH JIKANGを中心に、 朝崎郁恵(奄美唄者)UA,OKI,永積タカシ(ハナレグミ)、原田郁子(クラムボン)、YOSHIMI(BOREDOMS/OOIOO),「CUDAMANI(バリガムラン)」など数多くのアーティストとの共演や、「ウロツテノヤ子」,[ooioo]「ALAYAVIJANA」等のBANDに参加,FUJIROCK FES,奄美日食音楽祭,SENCE OF WONDER他国内外のFESに出演する。
フェスティバルトーキョー2011 飴屋法水演出「じ め ん」(出演・ガムラン指導)、アニメーション映画「蛍火の杜へ」(音楽参加)、バリドキュメンタリー映画「タクスゥ~魂の踊り子」(絵・音楽監修)、劇団ひまわり「モモ」(影絵演出・製作)、にしすがも創造舎「青い鳥」(影絵演出)アイヌ影絵(影絵デザイン)他、バリのヴォイスアンサンブル「ケチャッ」や影絵のワークショップ、自身の町内会の子供達にガムラン演奏を指導し夏祭りで演奏する等、社会と関わり続ける『芸能』を目指している。


川村亘平斎 Site


滞空時間


滞空時間 / TAIKUH JIKANG

リリース:2011年6月26日
Nesia Records
製品番号:NESIA001

















【TAIKUH JIKANG LIVE情報】
TAIKUH JIKANG・・・ガムランと影絵を使ったユニット。7月にインドネシア/マレーシアの東南アジアツアー決定。

日程会場:5/08(火) @風土カフェ&バー「山羊に、聞く?」
タイトル:「NESIANIGHT VOL,4
木津茂理×TAIKUH JIKANG APA KABAR? JOGED AKITA! (秋田音頭よ、こんにちは!)」
出  演:TAIKUH JIKANG、木津茂理
時  間:19:00open 20:00start
料  金:前売¥2,500/当日¥3,000(1ドリンク別)

★予約★
Tel: 03-6809-0584( 15:00~23:00)
Mail: info@yagiii.com
Web: http://yagiii.com/?page_id=1235

風土カフェ&バー「山羊に、聞く?」


日程会場:6/5(火) @渋谷WWW
タイトル:「スワッテダブリュー」
出  演:U-zhaan(タブラソロ)、TAIKUH JIKANG(ガムラン+影絵)
時  間:19:00open 19:30start
料  金:前売¥3,300/当日¥3,800(180名限定/ドリンク代別途)

渋谷WWW

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【アイヌ影絵】
http://www.p3.org/aas/

川村亘平斎の似顔絵影絵千人斬り。
インドネシアの芸能を中心に幅広く活動し、近年影絵アーティストとしても高い評価を受けている川村亘平斎が
新しいインスタレーションプロジェクトを始動させました。
オーダー受けたお客さんの影絵人形をその場で制作、作って飾って影絵空間を構築していきます。
持ち帰ってもらった人形は、川村亘平斎の影絵展にて集結、みんなの影絵人形で曼陀羅を作ります。
目指せ1000人影絵、目指せ影絵仙人。
4/11の吉祥寺アムリタ食堂よりいよいよスタート!

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AIRPORT特別企画 feat bar buenos aires:AIRPORT

近年音楽ファンの間で静かに注目を集めているのが、
カルロス・アギーレに代表されるアルゼンチン周辺の音楽。

クラシックやフォルクローレ、そしてECMの諸作品を連想させる、
特別な響きを内包したような洗練されたサウンドに魅せられた方も少なくありません。

その静かなムーブメントを牽引する存在となったのが、アルゼンチン至高の音楽家
カルロス・アギーレが描く音像風景と共鳴する世界の美しい音楽を集めた選曲会bar buenos aires

今回はそのbar buenos aires(吉本宏 山本勇樹 河野洋志)選曲/対談による特別企画。
「AIRPORT feat bar buenos aires」(放送期間:2012.1/18-2/15)と題しお送りします。

静かで美しい音楽を愛する想いが波紋のように広がり、
カルロス・アギーレ奇跡の来日、そしてCDリリースへ。
まさに音楽への情熱と音楽が持つチカラを感じずにはいられません。

繊細でいてメランコリック。
bar buenos airesによる、静かなる音風景をお楽しみ下さい。

[Text:岡村誠樹]


【JJazz.Net AIRPORT feat bar buenos aires 楽曲レビュー】


選曲:吉本 宏

M1:「Los Tres Deseos De Siempre / Carlos Aguirre Grupo」

Crema


Crema / Carlos Aguirre Grupo

リリース:2010年8月27日
Rip Curl Recordings / Inpartmaint inc.
製品番号:RCIP0144

カルロス・アギーレの描く音像風景と共鳴する選曲会bar buenos airesをはじめるきっかけとなった1曲で、彼のファースト・アルバム『Crema』のオープニングに収められています。雄大なパラナ河の流れや、草原を渡る風、草木にしたたる雫を音楽に映したような、カルロス・アギーレ・グルーポの目指す音の世界が美しくデリケイトに描かれています。遠いアルゼンチンの地にこんなにも繊細な音楽があったことに僕たちは感動し、この音楽をみんなで共有したいという想いでこの選曲会を始めました。実際にこの曲をかけていると、多くの人たちに「これは誰の曲ですか」とたずねられました。言葉を超えた、音楽のみが伝えることのできる感情をこの曲は持っていると思います。




M2:「Fix The Stars / Girl With The Gun」
Girl With The Gun


Girl With The Gun / Girl With The Gun

リリース:2010年7月22日
YACCA / Inpartment Inc.
製品番号:YAIP-6020

bar buenos airesは、単にアルゼンチンの音楽だけを紹介する選曲会ではありません。南イタリアのレッチェを中心に活動するマティルデとアンドレアによるユニットも、カルロス・アギーレのような繊細な音楽を奏でています。国もジャンルも異なる楽曲が、カルロス・アギーレの音楽からつながっていくことはとても自然なことでした。それは、僕たちがジャンルに関係なく自由に音楽を聴いているからだと思います。後で気づいたのですが、流れ星への願いについて歌ったカルロス・アギーレの曲から、偶然にも"星"でつながっていました。




M3:「Madrugada / Andres Beeuwsaert」
Dos Rios


Dos Rios / Andres Beeuwsaert

リリース:2010年6月19日
Distribuidora Sur
製品番号:NSB-5211

アンドレス・ベエウサエルトは、カルロス・アギーレと並びbar buenos airesの世界観を象徴するアルゼンチンのアーティストです。アカ・セカ・トリオのピアニストであり、2009年にリリースした初めてのソロ・アルバム『Dos Rios』は、未知なる心の内面を探求するような幽玄の美が宿っています。その透明感のあるピアノの音色や深遠なたたずまいは、ヨーロッパを代表する名門ジャズ・レーベルのECMの諸作にも通じる響きがあります。こうして、自然につながっていく音楽を聴いていると、目を閉じるだけで世界を旅しているような気分にさせてくれます。




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選曲:山本勇樹

M4.「Ma-Ma Fc / Ballake Sissoko & Vincent Segal 」
Chamber Music


Chamber Music / Ballake Sissoko 、 Vincent Segal

リリース:2011年3月13日
Plankton
製品番号:VIVO-257

世界中の美しい音楽をあつめるbar buenos airesには民族楽器の崇高な響きは欠かせません。アルゼンチンにもアレハンドロ・フラノフやサンティアゴ・ヴァスケスのように土着的でありながら洗練的な要素も兼ねそなえたアーティストが数多く存在しますが、彼らが奏でるシタールやムビラ、アルパといった倍音を含んだ音を聴いていると自然と心が穏やかに鎮まります。西アフリカのコラ奏者バラケ・シソコと、フランスのチェロ奏者ヴァンサン・セガールの共演盤を聴いていても同様な気持ちになります。それに反復的なリズムやエレガントな室内楽アレンジはエレクトロニカやアンビエントとも意外な相性のよさをみせてくれます。



M5. 「Portrait For Frazer / The Durutti Column」
Lc


Lc / The Durutti Column

リリース:2011年9月14日
VIVID
製品番号:VSCD-9713

フリー・ペーパー「素晴らしきメランコリーの世界」のbar buenos aires特集号で、吉本さんが「キケ・シネシの陽炎のような弦の響きからドゥルッティ・コラムへのつながりは、淡い水彩画のようにデリケイトな中間色が美しく混ざりあう...」と書いていたように、ヴィニー・ライリーとキケ・シネシは儚くも繊細な心情風景を描くギタリストとして互いにサウンドを超えた部分でも共鳴をしているかもしれません。同じようにパット・メセニー、ライアン・フランチェスコーニ、ブルース・コバーン、藤本一馬なども同じ感覚で語ることができる素晴らしいギタリストたちです。選曲会でも彼らの楽曲を自由につないでbbaらしい音の風景を描けるように心がけています。






M6.「San Solomon / Balmorhea」
Chill-Out Mellow Beats~Harmonie du soir


Chill-Out Mellow Beats~Harmonie du soir / V.A

リリース:2010年7月22日
Rip Curl Recordings / Inpartmaint inc.
製品番号:RCIP-0145

僕たちが目指すbar buenos airesの音空間を見事に表現している楽曲はいくつも存在しますが、中でもこれは奇跡の楽曲といってもいいかもしれません。ビル・エヴァンス「Children' Play」のイントロを彷彿させる海辺のノスタジックなフィールド・レコーディングから、クロノス・クァルテットのようなたおやかなストリングスの調べは何度聴いても心震えますし、以前、選曲会で流していたらその美しいサウンドに反応した女性たちがブースに集まってきたこともありました。ちなみに、このバルモレイのアルバム『Rivers Arms』の素敵なジャケット・デザインはbar buenos airesの第2回選曲会のフライヤーのモティーフにもなりました。




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選曲:河野洋志

M9:「LA GLORIA ERES TU / Jose Antonio Mendez」
フィーリンの誕生


フィーリンの誕生 / Jose Antonio Mendez

リリース:2007年9月16日
EL SUR RECORDS
製品番号:ELSURRECORDS001

bar buenos aires選曲会の定番曲でもあるキューバの伝説的シンガー、ホセ・アントニオ・メンデスによる50年代半ばの音源です。アフリカ伝来の黒人音楽やスペイン伝来の白人音楽の混血でもあるキューバ伝統音楽に、ナット・キング・コールに代表される北米のジャズ・ヴォーカルの要素が交わることによって1940年代後半に誕生した極上のモダン・キューバ歌謡音楽 "フィーリン"。その立役者であるホセ・アントニオ・メンデスの残したサウンドは、時間も空間も超えた"洗練"という言葉がぴったりな響きでした。蒸し暑いハバナの夜、青白い電球の下、港町のホテルを舞台にした大人の恋の駆け引きの行方は・・・・なんて古き良きハリウッド映画のような風景に一瞬にして染め上げるトロバドールの恋のうたは、禁欲的ともいえるアギーレさんの音楽にどこか漂う無垢でロマンティックな感覚にもつながっていると思えてなりません。




M10:「Alesund / Sun Kil Moon
Admiral Fell Promises


Admiral Fell Promises / Sun Kil Moon

リリース:2010年7月28日
Art Union Records
製品番号:ARTB-005

アギーレさんが来日された時、東京では車で移動する機会が多く個人的に自分が日常的に聞いている音源を車の中でかけていたのですが、その中でも「これは誰? 素晴らしいですね」という反応があったのがこの曲でした。所謂ポスト・ロック~スロウ・コアと呼ばれるジャンルで紹介される事が多いサンフランシスコのRed House Paintersというバンドの中心人物マーク・コズレックによるソロユニット。音と音の隙間、弦の響き、その一音に宿る静寂の美しさを描いたような弾き語りは、アギーレさんにはジョージ・ウィンストンなどの作品のリリースで知られる「Windam Hill Records」の音源に聞こえたようです。そういった意味でも"すべての美しい音楽が宇宙を超えて繋がっている"bar buenos airesの選曲ポリシーにも共鳴した曲と言えます。




M11:「Cancion / Ceci Elias & Pablo Gimenez」
美しき音楽のある風景~素晴らしきメランコリーのアルゼンチン


美しき音楽のある風景~素晴らしきメランコリーのアルゼンチン / V.A

リリース:2010年5月9日
Apres-midi Records
製品番号:RCIP-0140

ブエノスアイレス在住のセシ・エリアスによる浮遊感あふれる一曲。bar buenos airesの物語にはいくつもの偶然(必然?)や奇跡的な巡りあわせがあったのですが、彼女とのめぐり逢いもまさにそれを象徴するものでした。もともと吉本さんが何気なくマイ・スペースで発見し、その音楽にいたく感激したことからネット経由での交流がスタート。私がブエノスアイレスを訪れることが決まった時も、「だったら家に遊びに来れば?」という感じで気さくに家にも招いてくれた彼女。カルロス・アギーレの大ファンでもあったことから、一緒にアギーレさんのライヴにも行ったのでした。その会場で出会った方から「彼女はブエノスアイレスで最も有名なモダン・ダンサーのひとりなのよ。知らなかったの?」と言われてびっくり。ミュージシャンだとばかり思っていた彼女は実は著名な舞踏家だったのです。彼女の音楽が想起させるシネマティックな感覚は、専業音楽家ではない彼女の自由で軽やかな感性から生まれていたのかもしれません

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【吉本 宏】
SUBURBIA〜Café Après-midiプロダクツでの執筆や、usen for Café Après-midiの選曲、MUZAKや澤野工房、セレスト、Spice of Life、disques dessineeのCDのライナー・ノーツなどを手がける音楽文筆家。2010年より山本勇樹氏、河野洋志氏と共にbar buenos airesを主宰。2007年には、アントニオ・カルロス・ジョビンの生誕80周年を機にリオデジャネイロを訪れ、映画「This is BOSSA NOVA」のパンフレットのためのカルロス・リラへのインタヴューなどを行う。2009年には、イタリアの才能あるシンガー・ソングライター、ジョルジオ・トゥマの国内盤、2010年には、カルロス・アギーレの初めての国内盤のライナー・ノーツを手がけ、彼らの瑞々しい音楽の魅力を紹介した。


【山本勇樹】
HMV渋谷店のワールド/ジャズ・バイヤーを歴任後、現在はHMV本社でワールド/ジャズを担当。『From Melancholy Garden』、『The Sunshine』、『Sunny Side Lovers』といった良質な音楽をあつめたCDの選曲を手がけ、2010年より音楽文筆家、吉本宏氏、河野洋志氏と共にbar buenos airesを主宰。HMVが季刊で制作するフリー・ペーパー「Quiet Corner」の発行人でもある


【河野洋志】
心のアーティストはアレックス・チルトン、ポール・ウェスターバーグ、ジョナサン・リッチマン。2010年"静かなる音楽ムーヴメント"の発信源でもある。HMV渋谷店伝説のコーナー「山ブラ+素晴らしきメランコリーの世界」をスタートさせ、カルロス・アギーレに会うためにアルゼンチンへと旅立ち、国内リリースと初来日を実現させた立役者。


「Bar Buenos Aires -Dedicated To Carlos Aguirre / V.A」
Bar Buenos Aires -Dedicated To Carlos Aguirre


Bar Buenos Aires -Dedicated To Carlos Aguirre / V.A

リリース:2011年11月10日
Rip Curl Recordings / Inpartmaint inc.
製品番号:RCIP-0165

















bar buenos aires OFFICIAL SITE


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2月中旬には待望の、カルロス・アギーレ最新作『オリジャニア』が発売予定とのこと!
どのような音世界が繰り広げられているのか非常に楽しみです。

また、bar buenos aires選曲会は隔月の第2水曜日、SARAVAH東京で開催中。
静かなる音楽が誘う、幻想的な音空間を体感してみては?

bar buenos aires vol.17

<日時>
2012/3/14(水)
20:00~23:00

<場所>
サラヴァ東京
〒150-0046 東京都渋谷区松濤1丁目29-1 渋谷クロスロードビル B1

<料金>
レギュラー・チャージ:1000円

<選曲>
選曲:吉本宏、山本勇樹、河野洋志

AIRPORT特別企画 Moreno Veloso × Saigenji 対談[BAHIA⇔TOKYO]:AIRPORT

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カエターノ・ヴェローゾのDNAを受け継ぐブラジル音楽界のサラブレッドであり、
コンポーザー/プロデューサーとしても活躍しているブラジル・ネオ新世代のキーマン、モレーノ・ヴェローゾが来日。
東北から沖縄まで、全国9都市10公演に及ぶ日本ツアーは各地とも大盛況のうちに終了しました。


今回の番組「AIRPORT」(放送期間:2011.11/16-12/21)では、
そのモレーノ・ヴェローゾ、そしてツアーで共演も果たしたSaigenjiとの対談の模様をお届けしています。
ジャパンツアーの感想から影響を受けた音楽、そして現在家族と共に暮らすバイーアまで。
東京にいながらにしてバイーアの風を感じられる、ほのぼのとした二人の会話をお楽しみください。

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■Moreno Veloso × Saigenji 対談■ INTERVIEW 2011.10/26@JJazz.Net

Saigenji(以下:S)
「今回のJAPAN TOURはどうだった?」

Moreno Veloso(以下:M)
「オハヨウゴザイマス(二人笑)
とても良かったよ。今回は今までで一番長い滞在なんだ」

S「本当?一ヵ月ぐらい?」

M「21日間かな。日本が好きなんだ」

S「日本でのソロLIVEはいつから始めたの?」

M「3年前。人生で最初のLIVE公演がここ日本だったんだ。
  実はソロライブは日本でだけなんだ。他ではやった事がなかった(笑)」

S「ソロパフォーマンスは好き?」

M「そうだね。楽しんでるよ。面白い」

S「あなたの"Praça 11 (プラッサオンゼ)" でのライブアルバム(※来日記念盤「Moreno Veloso Solo in Tokyo」)を聴きましたけど、とても良い作品ですね」

M「ありがとう。あれは、少しまだ荒削りだったけどね。あの時はまだソロLIVEというものがどういうものか分かっていなかったんだ。作品自体は良いんじゃないかな?」

S「とても良いと思うよ」

M「けど、本当は一人で演奏するのは寂しいんだ。一人で旅行するのは好きじゃないし、友達と一緒なのが良いよね。でも今回は中原仁さんやひろみ、ブラジルからサウンド・エンジニアのイゴール、沢山の友人がいるからいいよ。
それに昨日はあなたがステージに立ってくれた。独りじゃないよ。とっても良かった!ありがとうサイゲンジ!」

S「ハハハ(笑)ありがとう」

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M「とても楽しかったよ」

S「僕もすごく楽しかった。人生で初めてステージでエレキ・ギターを弾いたしね(笑)」

M「そうね、そしてソロを弾いてもらっちゃったよね。とっても良いソロ演奏だったよ」

S「ありがとう。楽しい時間だったね」

M「僕一人だけの時よりもすごく良いものが生まれたと思うよ」

S「本当?」

M「そう。友人と一緒にステージに立ち、新しいチャレンジを共有できるしね。今まで「赤とんぼ」は歌ったことがなかったんだ。初めてだったけど、ありがとう。本当に美しいハーモニーだよね」

S「そうだね。僕この曲好きなんだ」

M「僕も好きだよ。少し切ない雰囲気だけど、美しい曲」

S「そうだよね。この曲のメロディーはミナス音楽に似てる。だから、ブラジル音楽と上手く調和するよね。この曲好きだな」

M「僕もそう。「Ponta de Areia(ポンタ・ヂ・ アレイア)」のようだよね」
(※Ponta de Areia:ミルトン・ナシメントで知られるミナス音楽を代表する楽曲)

「Ponta De Areia - Milton Nascimento」


S(「Ponta de Areia(ポンタ・ヂ・ アレイア)」と「夕焼け」を歌い比べる)
(笑)
「ペンタトニック・ミュージック(五音音階の音楽)ね」

M「そう、ペンタトニック!そういえば(昨日のLIVEでは)フルートも演奏してくれたよね。あれとても良かった」

S「そうなんだよ。僕はケーナを9歳の頃から吹いているんだ。最初に演奏し始めたのは「El Cóndor Pasa(コンドルは飛んでいく)」のようなアンデスの曲。ペルーとかボリビアのね」

M「BEAUTIFUL!!とても素晴らしい演奏だったよ!どうりでねー」

S「あのバージョンはあなたのお父さんのを聴いて知ったんだよ」

M「そうだね。彼が作った。同じく美しかった。いすれにせよ、昨日はとても素敵な歌声を聴かせてもらったよ」

S「本当に?どうもありがとう」

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-This Is BAHIA!!-


S「そうだ!リオからバイーアに引っ越ししたんだってね?」


M「そう2年前。妻と子供、家族揃ってバイーアに越したんだ。なぜなら妻がそこで仕事しないといけなかったから。
僕は再び自分が生まれたバイーアの街に戻ってこれることを喜んだし、そこでの生活を楽しんでいるよ。祖父母も近くに住んでいるし、いとこや親戚、そして素晴らしいミュージシャンが沢山住んでる。
そんなこともあって、音楽も少し影響を受けているんじゃないかな。
今、ペドロ・サーと共同プロデュースで新しい作品を録っていて、既にほぼ終えてるんだけどね。
その新作の中身を父に聴かせたんだ、「どう思う?ってね」。すると彼は「うーん、これはバイーアの音だね。バイーアに住んでレコーディングした音もかなり影響をうけているんだね」って、僕はそうとは思わなかったんだけど、父に言われてうなずけたんだ。今はバイーアのミュージシャンや人々との生活を楽しんでいるよ」


S「僕はモレーノのギター演奏からも、すごくバイーアを感じたよ」


M「そう?ありがとう(笑)」


S「そして(モレーノが演奏した)パンデイロの音も、リオ・デ・ジャネイロじゃないよね」


M「そう。リオじゃないよね」


S「とてもバイーアを感じた。"空気"や"海"・・・」


M「そうそう。"空気"や"海"・・・」


S「そして"テンポ"・・・」


M「そう"テンポ"!This Is BAHIA!(まさしくバイーア)」


S「ハハハ(笑)This Is BAHIA!確かに!いい場所だよね」


M「だね」
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-Music Is A Universal Language-



S「モレーノの友達でもある、高野(寛)、嶺川貴子、コーネリアス・・・
とても良質な音楽を発信する沢山の日本人ミュージシャンと仲が良いけど、
モレーノの音楽やその周りのミュージシャンの音楽は、共通する感覚を持ち合わせていると思うんだけど」


M「そうだね」


S「とてもいい事だよね。ブラジルでは、モレーノやモレーノの仲の良いミュージシャンのような存在は独特なものなの?」


M「そう、とても特別な音楽。すごく人気があるわけではないけど、沢山の人が興味を持ってくれている。
ブラジルの僕の仲の良いミュージシャンや同世代のミュージシャンは素晴らしい良質の音楽を奏でる人達なので、彼等の一員でいられる事を僕はとても嬉しく思っているよ。
それは他の場所でも同じで、例えば日本でも、この音楽は素敵な人たちと同じ想いを共有できる。
高野さんや貴子、コーネリアスやみんな・・・そして、サイゲンジともね!」


S「ありがとう(笑)初めてあなたの1stアルバム『モレーノ+2』を聴いたのは、僕が22か23か24歳の時、
とてもセンセーショナルだったんだよ。僕や友達の間でね」


M「どうもありがとう」


S「僕たちはブラジル音楽を演奏していて「このCDはチェックしないと!」という感じ。
もう、「うぉー」みたいなね(笑)とっても新しさを感じたんだよね。
そんなにエキセントリックというわけではないけれど、美しい歌や曲が含まれていて、
けど、音は新しいし作曲法も新しいし、とても衝撃的だったんだよ。僕や僕らの世代でね」


M「ありがとう。それは良かった」


S「(ジョークとして)僕もいい事を言おうと思えば出来るんだよ。(笑)」


M,S(笑)


M「音楽はとてもユニバーサルなものだと思うんだよね。音楽を通して容易に世界中の人と繋がることができる。それをブラジルで感じるんだよね。ポルトガル語はブラジル以外ではそんなに話されていないけれど、音楽はとてもユニバーサルな言語。世界中のとても遠い所にも届く。たまに予想もしていなかった事がおきる、クリッシー・ハインドのように。彼女はイギリスに住んでいるシンガーだけれど、元々はアメリカのオハイオ出身で、彼女が僕のアルバム『Máquina de Escrever Musica(タイプライター・ミュージック)』を聴いて、こんな内容の手紙が来たんだ。


「アルバムとても良かったです。私と一緒にツアーをしましょう」って。


それで、僕とカシンとドメニコ、そしてクリッシー・ハインド(笑)でツアーをしたんだよ」
(※クリッシー・ハインド:イギリスのバンド、プリテンダーズのボーカル)


S「それスゴイね!(爆笑)」


M「僕らは6ヶ所か7ヶ所、一緒にLIVEを行ったんだよ」


S「アメリカで?」


M「そう、あと、ブラジルとアルゼンチン。彼女とのライブはとても素晴らしかった、もちろん友達にもなれたし」


S「すごいね」


M「予想もしていなかったことだったけどね。けどすごく良かった」


S「よかったですね」

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Photo by Ryo Mitamura

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-That Was A Revolution!!-


S「では最後の質問。
あなたのボーカルスタイルは、ジョアン・ジルベルトを彷彿させるんだけど」


M「もちろん。僕らはとても影響をうけているよ。もちろん父親を通してね。特に彼はとても直接的に。
それだけではなく、チェット・ベイカーやビリー・ホリデーの歌い方もジルベルトは既にそれらを聴いていて好きだったと思う。
それは異なる種類の歌い方で、チェット・ベイカーの前は、人々は皆、大きな声で、マイクなしで、地声のみで唄っていた。オペラとかのようにね。
(ささやくような声で)けど、何人かはマイクの近くで、優しく美しく歌い」


S(ささやくような声で)「それでそれで」


M「チェット・ベイカーのようにね。それは僕にとって革命だったんだ」


S「なるほど」


M「だけど、ジルベルトは、時々オルランド・シルヴァの真似も出来た。
オルランドはブラジルの古いシンガーだけど。ジルベルトは彼の真似が本当にうまかったけど、でもオルランド・シルヴァはさっき話した、大きな声でコンサートホールをいっぱいに出来る様な声をしていた」


S「その事を本で読んだよ。「HISTORY OF BOSSA NOVA」ルイ・カストロのね」


M「ジルベルトはマネできたけど、本当はマイクの近くで、やさしく的確に歌う事が好きだったんだと思う。それは美しく、そして革命的だったよ。
そして僕もそのスタイルだと思う。(笑)」


S「僕はそのスタイルとても好きだよ」


M「ありがとう」


-お二人の人柄がよく分かる素敵な対談でした~。
そんな対談風景を撮影。

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サイゲンジさんの顔を見たモレーノさんも変顔!!

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-最後に、ブラジルで一番好きなスポットをお伺いしました

Moreno Veloso
「むずかしいけど、僕が生まれて今住んでいるサルバドールが一番好きな場所かな。
そこの空気、エネルギー、テンポ、町の人々の笑い声、それら全てを気に入っている。
それ以外でも美しい場所はいっぱいあるけどね。リオデジャネイロみたいにね。

音楽の視点から言うと、リオ グランデ ド スル州のポルトアレグレ。
素晴らしい町だね。たくさんの素晴らしいミュージシャンがそこでは素晴らしい演奏をしているよ。
南にある美しい島、フロリアノポリスもいいよね。

ブラジルはとっても大きな国だからね。

一番北にある、パラー州のベレンでは一番美味しい食べ物と、一番美しいポルトガル語が聞けるよ。
ベレンの人々は、何故だか心にしみるようなポルトガル語を話す。とても洗練されている人々だよ。
リオとサンパウロでは違ったポルトガル語を使っているけれど、彼等のポルトガル語はパーフェクトだ。
食べ物も人も空気もその周りを流れる川も、風も全てが素晴らしい。
毎日雨が降って、町は清められ、気温も温かいし、本当に好きだよ」


                                  INTERVIEW 2011.10/26@JJazz.Net


モレーノ・ヴェローゾ ソロツアー 公式サイト

ブログ「中原仁のCOTIDIANO」モレーノ・ヴェローゾ ツアー日記)


■Moreno Veloso(モレーノ・ヴェローゾ)■
1972年11月22日、ブラジル・バイーア州サルヴァドール生まれ、カエターノ・ヴェローゾの長男。9歳のとき、カエターノのアルバム『コーリス、ノー ミス』に参加、親子で共作した「Um Canto de Afoxé para o Bloco do Ilê」(バイーアのブロコ・アフロ、イレ・アイェ讃歌)を歌ったのがレコーディング・デビュー。大学で物理学を専攻し、幼なじみのペドロ・サー(ギター),カシン(ベース),ドメニコ(ドラムス)ら同世代の友人たちとリオのライヴ・シーンで活動を始 め、伝説のエキスペリメンタル・ポップ・バンド、グッドナイト・ヴァルソーヴィアを結成。1996年、アート・リンゼイのバンド・メンバーとして初来日した。近年はアドリアーナ・カルカニョットとの共作、共演をはじめ、コンポーザーとしてガル・コスタ、ホベルタ・サー、ニーナ・ベッカーらの女性歌手に曲を提 供。父カエターノのアルバム『セー』(2006年)『セー・ライヴ』(2007年)『ジー・イ・ジー』(2009年)『MTVアオ・ヴィーヴォ:ジー・ イ・ジー』(2011年)のプロデューサーも担当。
日本の音楽家との交流も深く、高野寛、小山田圭吾(コーネリアス)、嶺川貴子、Saigenji、Akiko、安田寿之らとライヴやレコーディングで共演。2007年の来日の際は、Akikoとモレーノ=ドメニコ=カシンのユニットで「Fuji Rock」にも出演した。
ギター、チェロ、パンデイロなどのパーカッションを演奏するマルチ・インストゥルメンタル・プレイヤー、繊細な歌声のヴォーカリスト、そしてコンポー ザー、プロデューサーとして活躍しているが、その音楽性と脱力のたたずまいは、あくまで自然体。故郷バイーアの風土に根ざしたサンバの歌/演奏/ダンスも 見もの、聴きものである。

Moreno Veloso facebook

Moreno Veloso Solo in Tokyo


Moreno Veloso Solo in Tokyo / Moreno Veloso

リリース:2011年10月5日
ARTENIA / HAPPINESS RECORDS
製品番号:HRCD-042



■Saigenji(サイゲンジ)■
1975年広島生まれ。沖縄~香港~沖縄~東京育ち。
9才の時に「コンドルは飛んでいく」に感銘を受けケーナを始める。南米の民族音楽フォルクロ-レやブラジル音楽を中心にsoulやjazzなどありとあらゆる音楽を飲み込み、肉体的に吐き出すギタリスト&ボイスパフォーマー、インプロヴァイザ-、ソングライタ-。その圧倒的なエネルギ-に満ち溢れたパフォーマンス、卓越した技術とセンスに裏付けられた存在感は観た者全てを虜にする。独自の観点から生み出される作詞作曲も多方面で高い評価を受けている。

Saigenji official site

Another Window


Another Window / Saigenji

リリース:2010年9月9日
HAPPINESS RECORDS
製品番号:HRCD037

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