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【THE PIANO ERA 2022】が開催されます!:ライブ情報 / LIVE INFO

JJazz.Netでも度々ご紹介してきたピアノに焦点を当てた贅沢なフェスティバル「THE PIANO ERA」。
コロナ禍の影響で開催が伸ばされていましたが、待望の開催決定です!


5 回目を迎える今回は、アメリカ、アルゼンチン、ブラジル、台湾、日本から、
ジャンルを超越した独自のピアノ音楽を創造するアーティスト 6 組が出演。
ずらり注目のラインナップです。


秋が深まっていく11月、ピアノの調べに思い切り浸ってみては如何でしょうか?


※以下、詳細をチェック!


【jpg】THE PIANO ERA 2022_main visual illustration.jpeg


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おかえりなさい、ピアノの世紀へ。
世界から日本から、ピアノ音楽の現在と未来に出会う二日間。
隔年開催しているピアノ世紀の到来を告げるフェスティバル、
コロナ禍の影響で3年ぶり5回目の開催決定。


誰もが親しみのあるもっともポピュラーな楽器のひとつ、『ピアノ』をキーワードに、
ジャンルでくくらずにオリジナリティ溢れるピアノ音楽を創造し演奏するピアニストたちを国内外から招聘し一挙に紹介
する "THE PIANO ERA(ザ・ピアノエラ)"。近年メキメキと拡張し躍動を続ける " 今聴くべき世界の「ピアノ音楽の
現在」" にフォーカスし、世界で多様に発展しているピアノ音楽の " 今 " を体感できるともに、ピアノから放たれる、
弾く者の音から染み出る音楽性や個性、生まれ育った文化や地域性までも感じ取ろうという画期的なフェスティバル。
5 回目を迎える今回は、アメリカ、アルゼンチン、ブラジル、台湾、日本から、
ジャンルを超越した独自のピアノ音楽を創造するアーティスト 6 組が出演します。
いま誰もが体感すべきピアノ音楽、ピアニストの魅力に出会える二日間です。


【日 時】
11月19日(土) 16:15開場/17:00開演 | 11月20日(日) 15:45開場/16:30開演


【出 演】
<11月19日(土)> 
タチアナ・パーハ&アンドレス・ベエウサエルト(ブラジル、アルゼンチン)
Cicada(台湾)
haruka nakamura(日本)

<11月20日(日)>
テリー・ライリー (USA)
ダン・テファー "Natural Machines"(USA)
高木正勝(日本)


【会 場】
めぐろパーシモンホール 大ホール


【チケット】
単日券:7,800 円/ 2 日通し券:14,800 円
先得 2 日通し券 (プログラム発表前に販売する 2 日通し券):12,000 円
(※学生(高校生以上)は 1,000 円、子供(中学生以下)は 3,000 円を当日会場にてキャッシュバックします。要学生証提示。単日券のみ対象。)


【プレイガイド】
イープラス eplus.jp|ローソンチケット l-tike.com 0570-084-003|チケットぴあ t.pia.jp 0570-02-9999|めぐろパーシモンホール persimmon.or.jp 03-5701-2904 (10:00-19:00)
※めぐろパーシモンホールは単日券のみ取扱
※先得2日通し券・オフィシャル先行はディスクガレージチケットサイト『GET TICKET』にて取扱


【問い合わせ】
ディスクガレージ 050-5533-0888|ノーヴァスアクシス 03-6310-9553

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(以下、オフィシャルガイドより)

11 月19 日(土)day1 は『ピアノと声とアンサンブルの美しさに浸る一日』。


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タチアナ・パーハ&アンドレス・ベエウサエルトは現代ブラジル最高峰の知性派シンガーとアルゼンチン音楽シーンを代表するピアニストのデュオ。11年前に唯一のデュオ名義アルバム『Aqui』を発表。現代南米音楽シーンを象徴する傑作として、世界中の音楽家たちに影響を与え続けている。その後活動をしていなかった伝説のデュオがザ・ピアノエラ 2022で世界が注目する奇跡的な再会を果たします。


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台湾のCicada(シカーダ)。ピアノエラ史上日本以外のアジアから初出演となります。台湾の自然と文化をpf, Vn, Vc, G のアコースティックアンサンブルで表現、ポスト・クラシカルのクールさとアジアのウェットさが同居する魅力的な音楽世界が心に染み入り捉えます。今秋公開、平野啓一郎原作・石川慶監督の今秋公開の映画『ある男』の音楽を務めることも話題になりそうです。


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haruka nakamura は2015 年以来2度目の出演。長い間旅をしながら音楽を続けてきたが、昨年居を故郷の北国に移して新たな生活環境の中で創作を続ける。今回はザ・ピアノエラ2022 のための特別セットリストを披露。田辺玄(orbe) × Meadow の二人をフィーチャーして出演します。7 年前からどのような音楽変遷を経てきたのかを追想するのも楽しみです。


11 月20 日(日)day2 は『ピアノ表現の可能性と内から湧き出るエネルギーの洪水を浴びる奇跡の一日』。


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御歳87 歳、真のリビング・レジェンド、テリー・ライリーがいよいよピアノエラに降臨。2 年前から日本に居を移し幸せなことに演奏に触れる機会が増えましたが、ザ・ピアノエラ2022 では最近では珍しいグランドピアノを演奏、純正調ピアノのために書かれた楽曲の演奏を予定しています。ファンならずとも体験する全ての人の人生の宝になる貴重な機会となることは間違いありません。


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ダン・テファーはリー・コニッツとのコラボレーションやバッハ楽曲の表現者としても活躍していますが、ザ・ピアノエラ2022 ではピアノ表現の可能性を提示する自然の歩む道と機械の歩む道の" 交差点" を音楽で探る画期的プロジェクト「ナチュラル・マシーン」を披露します。演奏は全て即興。テファーが弾いた即興演奏を彼が作ったコンピュータープログラムがリアルタイムに感知し、独自のアルゴリズムで対話するように自動演奏ピアノDisklavier に演奏を促します。それを受けてダンがまた即興で音を重ねる、1 台のグランドピアノで表現される、幻の手との見たことのない連弾二重奏。加えて今演奏している即興連弾楽曲の骨組みを可視化してリアルタイムで映像投影、音程や強弱、リズムやハーモニーなど音楽のある側面を映像化して表現します。人間とテクノロジーの融合を通じて未来の音楽の可能性を提示する画期的プロジェクトです。


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高木正勝は唯一第1 回から連続出演。自分のマインドや生活環境に素直に音を出し表現を重ねる日々を続けながら、多数のサントラやCM 音楽を手がける。特に細田守監督作品『おおかみ子どもの雨と雪』『バケモノの子』『未来のミライ』や昨年のNHK 連続テレビ小説『おかえりモネ』の音楽が強いインパクトと高い評価を得ていて今や彼の音楽を聴かない日はないほど。一昨年に父になった彼がピアノに向かい今どんな音を奏でるのか楽しみです。

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ザ・ピアノエラ 2022
http://www.thepianoera.com/

My First Jazz Vol.54-Shiho:My First Jazz

Title : 『Helen Merrill With Clifford Brown』
Artist : Helen Merrill

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「私の初めてのジャズ・アルバムはヘレン・メリルの 『Helen Merrill with clifford Brown』です。名盤中の名盤ですね。

私はもともとクラシックピアノを習いに行っていたのですが、クラシックピアノって一応譜面通りに弾くっていうのが決まりですよね。私はその譜面通りに弾くということを理解していなかったわけではないんですが結構好きなことをやったりしていたら先生が「もしかしたらShihoはジャズが向いているかもしれない」と言い、高校生の時にジャズ・ピアノを習いに行ったんです。このアルバムは確かその時に買ったんだと思います。

ジャズのことも全く分からず、どのアルバムを買おうか迷ったんですけれども、 やはりCMの中で使われていた「You'd Be So Nice To Come Home To」が頭に残っており、ジャズといえばやっぱりあれかしら?と思いこのアルバムを初めて買いました。

とにかく収録されている楽曲が素晴らしくて、しかもクインシー・ジョーンズがアレンジしているんですよね。確かヘレン・メリルもクリフォード・ブラウンもみんなまだ20代。

全曲本当に渋いプレイ&アレンジ。またヘレンの声が素敵すぎて、時間だったら"夜"、"片手にお酒"、みたいなシチュエーションが似合うアルバムだと思いました。

そしてジャズピアノで一番最初に弾いてみたのが、このアルバムに入っている「What's New」という曲。この曲は、別れた恋人にしばらくぶりに会って「どうしてるの?」って言いながらも、自分はまだ相手のことが好きなんだ、そんな思いを胸に秘めている大人のラブソング。この曲のアレンジがまた本当に素敵なので絶対聴いてほしい一曲です。

この作品に出会う前は、ロックやポップ、ソウル、ヘヴィーメタルなどは聴いていましたが、このアルバムはちょっと大人になった気がしました。そういう意味では私にとってはいつまでたってもこのアルバムが一番の衝撃だったかなと思います。今でも本当に大好きな1枚です。」

Shiho


My First Jazz

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Title : 『Helen Merrill With Clifford Brown』
Artist : Helen Merrill
LABEL : EmArcy
発売年 : 1955年



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【SONG LIST】
01.Don't Explain
02.You'd Be So Nice To Come Home To
03.What's New
04.Falling In Love With Love
05.Yesterdays
06.Born To Be Blue
07.'S Wonderful








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Shiho
ジャズボーカリスト。

2001年に日本人として初の米国コンコードレーベル(日本国内はビクター)よりFried PrideのボーカリストとしてCDデビュー。

類いまれな歌唱力を武器に2016年12月のFried Pride活動終了まで、ブルーノートやビルボードライブを中心に全国各地のジャズライブハウスや東京Jazz、福岡中州Jazzなど多くのジャズイベントに出演。

海外でもジャズの本場である米国ブルーノート・ニューヨーク公演や、世界最大のJazz Fessであるジャカルタの「International Java Jazz fess」をはじめライブハウスやイベントに多数出演し、一躍国内トップジャズボーカリストの仲間入りを果たした。

Fried Prideの活動を通じ、頭突きで瓦を割る女性(武田梨奈)で話題になったセゾンカードのCMソング、2016年秋にはルクセンブルクにてオーケストラとの共演、TV音楽番組ナビゲーター(BSフジ)、ミュージカル「RENT」など舞台にも出演しその才能を多彩に発揮するなど、「ボーカリストShiho」としての知名度を上げた。

解散後はソロ・ジャズボーカリストとしてライブ活動中心に現在も国内外で積極的に行っている中、新たなチャレンジとして武田真治(Sax)、TJO(DJ)とEDMユニットでも活動し「ULTRAJAPAN 2017」出演、その後も武田真治とのコンビで和田アキ子50周年記念として日本武道館で開催した「ワダフェス」にも出演した。

2017年11月アンリ・ルクセンブルク大公国大公殿下(国家元首)訪日時にて安倍首相主催の晩餐会にルクセンブルクで活躍する日本人として招待を受け出席した。

2022.9/14、2ndソロアルバム『COLOR』リリース。






COTTON CLUB公演決定!

2022年10月14日(金)
[1st.show] open 5:00pm / start 6:00pm
[2nd.show] open 7:45pm / start 8:30pm

MEMBER
Shiho (vo)
桑原あい (p)
川村竜 (b)
山内陽一朗 (ds)

【Guest:fox capture plan】
岸本亮 (p)
カワイヒデヒロ (b)
井上司 (ds)

公演詳細(COTTON CLUB)



Latest Album

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Title : 『COLOR』
Artist : Shiho
LABEL : キングレコード
NO : KICJ-859
RELEASE : 2022.9.14



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【SONG LIST】
01. Music & Life
02. As If You Read My Mind feat.桑原あい
03. Holiday feat.J.A.M piano trio from SOIL&"PIMP"SESSIONS
04. 刀と煙
05. Got To Get You Into My Life feat.fox capture plan
06. You're My World feat.Keiko Lee
07. Is This Love feat.Shinji Takeda
08. Beautiful Evergreen feat.fox capture plan
09. Chatterboxes feat.牧山純子
10. Happy Song feat.HAMOJIN





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【KKBOX Podcast「My First Jazz」】
JJazz.Netとの連動によるオリジナルコンテンツ。
ジャズ・ミュージシャン本人の音声コメントをお届けしています。
KKBOX Podcast


KKBOX
500以上のメジャー・ローカル音楽レーベル様や権利者様と提携し、9,000万曲の楽曲を配信。
なかでも世界最大数を誇るC-POPを取り揃えているアジア大手の音楽聴き放題サービス。
2022年より日本でも音声コンテンツ/ポッドキャストの提供がスタート!


曽根麻央 Monthly Disc Review2022.9_Ramsey Lewis : Sun Goddess:Monthly Disc Review

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みなさんこんにちは、トランペッター&ピアニストの曽根麻央です。
今週は日本のジャズシンガーの中でもレジェンド級の存在、
中本マリさんのツアーで関西〜名古屋方面にきています。お近くの方は是非お越しください。

9/15 高槻J K.RUSH
9/16 大津Bochi Bochi
9/17 桑名ado on top
9/18 桑名 ado on top (昼公演)
9/19 名古屋Star Eyes

そして今月来月は、今年発売したアルバム『Brightness of the Lives』のコンサートがあります。

9/23 @ 流山生涯学習センター
https://teket.jp/3138/14458

10/21 @ ヤマハリゾート葛城北の丸(掛川)
hhttps://www.yamaharesort.co.jp/katsuragi-kitanomaru/info/040.php

10/23 @ 浜松アクトシティー大ホール
https://hamamatsujazzweek.com/2022/01/


また現在配信中のソロ演奏シリーズ『曽根麻央プレイズ・スタンダード』の一環で、名古屋に10/24(月)ソロ公演で伺います!場所は金山のMr. Kenny'sです。
https://teket.jp/3138/14458


この様に徐々にライブシーンが通常に回り始めた喜びを感じつつ充実した日々を送っていたところ、とんでもない訃報が届いてしまいました。

ラムゼイ・ルイス。偉大なR&B~ジャズピアニストで数多くのヒットソングに携わった人です。僕はこの人のライブ映像を小学生の時に何回も見て、その凄まじいライブパフォーマンスに憧れていました。YouTubeにその映像を見つけたので是非聞いてみて下さい。




【クールでファンキーなピアノスタイル】

ラムゼイ・ルイスのピアノは輝く明るめのタッチとゴスペルやR&Bに根ざしたリズミカルでグルーヴィーな演奏が特徴です。ライブ映像をみてもわかるのですが、ファンキーな曲を演奏していてもとても落ち着いていて、軸がブレないというか、じっくりとストーリーが展開されている印象をえます。この様なクールでファンキーなピアノの演奏スタイルは、ラムゼイ・ルイスなしには完成しなかったといってよいでしょう。

さてこのSun Goddessは調べるとルイスとドラマー、モーリス・ホワイトのリユニオン作品だそうです。モーリス・ホワイトというとあの有名なEarth, Wind & Fireのリーダーとして有名でリードトラックの「Sun Goddess」をはじめ、Earth, Wind & Fireのメンバーが演奏に参加しています。
僕が書くまでもない名盤ですが、新ためてこのアルバムの魅力に気付けたらと思います。


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Title : 『Sun Goddess』
Artist : Ramsey Lewis



01. Sun Goddess




この8分間は録音の歴史上最高にグルーヴィーな瞬間であると言えるでしょう。ルイスの代表的名演奏です。ギターのカッティングが聴こえてきて、ドラムのbass drumが胸に響きます。ラムゼイ・ルイスは最初フェンダー・ローズでシンプルなパターンを繰り返し弾きながらグルーヴを高めます。その後かの有名な美しいメロディーが流れてきます。メロディーの間のルイスの合いの手も非常に歌心あり、感情をくすぐられます。その後一瞬イントロのギターカッティングの上で、ルイスが暴れます(笑)。これがまたちょうどよい長さでカッコ良いです。このトラックは構成のバランスも最高なのです。その後すぐにテナーソロに入り、イントロのコード進行の上で音楽が進んでいきます。同じ進行の上でソロがルイスに渡されます。リズムがとても歯切れよく心地よいソロが展開されます。フレーズはいたってシンプルでコードに沿ったものですが、それが自然と聴き手を徐々に音楽の中に引っ張り込んでしまいます。ソロが最高潮に達したところですぐさまメロディーに戻るのもシンプルな作りでとても良いですね。エンディングに近づくにつれディレイのかかったローズの音になっていき、フレーズが徐々に複雑になりかけたところでフェイドアウトして終わります。


02. Living for the City

スティーヴィー・ワンダーの楽曲。フェンダー・ローズでメロディーを弾きながら左手でブルージーなコンピングを繰り広げるのは本当に見事ですね。ブラスセクションがとてもインパクトある曲になっています。後ろのストリングスも特徴的ですね。ピアノソロ中は音程をグニャっとさせて独特の緊張感を音楽に与えています。


03. Love Song

これはルイスのオリジナル曲。ルイスのアコースティックピアノをフィーチャーした曲。イントロのストリングスがこれも非常に特徴的ですね。 ルイスのピアノの音はこの上なく明るく、すべての音をかき分けて頂点に立つ様な音です。しかし、耳に突き刺さることはなく、優しさがある素敵なピアノのタッチです。ソロではフェンダー・ローズに戻り、グルーヴィーなソロを1コードの上で展開しつつ、徐々にホーンセクションなどが絡んできているのもかっこいいです。


04. Jungle Strut

この曲ではアップライトベースがとても特徴的なラインを弾いて、それが基本となり展開していきます。言葉とそれに呼応するシンセの音が特徴的な音楽です。


05. Hot Dawgit

映画音楽の様なブルージーなギター・イントロに続いて、リリカルなメロディーが展開されます。短いシンプルな曲です。


06. Tambura

ノイズの様なパーカッションとシンセが特徴的な出だしを作り出しています。ここまで聴いて改めて気づいたのですが、このアルバムは各楽曲のイントロの掴みが素晴らしいですね。聴き手に何だこれ、かっこいい、と思わせる工夫が特にイントロや出だしになされていて、そこから派生するグルーヴが安定して永続的に続くため体が自然と踊り出す、そんなアルバムなのかもしれません。


07. Gemini Rising

これまでの楽曲に比べるとかなり暗い混沌としたコンテンポラリーなサウンドでイントロが始まります。本編自体は少し軽快なグルーヴです。シンンセサイザーがメロディーを担当していて他の楽曲とかなり印象が変わります。アップライトベースも特徴的です。ルイスのソロではスウィングにグルーヴが変わります。恐らくCleveland Eatonがベースだと思いますが、非常に理想的なウォークベースを展開していて、スウィングのリズムをリードしています。それにルイスのソロも徐々に高まり彼のジャズ奏者としての優れた一面を聴くことができます。ベースソロではドラムが徐々にカオスになり、シンセも加わって混沌としたイントロのサウンドに戻り曲が終わります。



それではまた次回。


文:曽根麻央 Mao Soné



Recommend Disc

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Title : 『Sun Goddess』
Artist : Ramsey Lewis
LABEL : Columbia
発売年 : 1974年

アマゾン詳細ページへ

【SONG LIST】

01.Sun Goddess
02.Living For The City
03.Love Song
04.Jungle Strut
05.Hot Dawgit
06.Tambura
07.Gemini Rising




【曽根麻央LIVE INFO】

9/15 (Thu) @ JK Rush, Takatsuki
Mari Nakamoto Tour
​​
9/17 (Sat) night @ Ado On Space, Kuwana
Mari Nakamoto Tour
​​
9/16 (Fri) @ Bochi Bochi, Otsu
Mari Nakamoto Tour
​​
9/18 (Sat) @ Ado On Space, Kuwana
Mari Nakamoto Tour
​​
9/19 (Mon) @ Star Eyes, Nagoya
Mari Nakamoto Tour
​​
9/23 (Fri) @ 流山生涯学習センター
Brightness of the Lives (feat. May Inoue, Ren Yamamoto, Hiro Kimura & Takafumi Nikaido)

9/24 (Sat) @ Cabin, Honatsugi
Mao Sone, Takafumi Nikaido, Yuji Ito

9/25 (Sun) @ Body & Soul
Mao Sone, Yuji Ito, Hiro Kimura, Takafumi Nikaido

9/26 (Mon) @ Apple, Yokohama
​Tetsuo Koizumi, Takafumi Nikaido, Mao Sone

9/28 (Wed) @ Nardis, Kashiwa
Mao Sone Trio (feat. Yuji Ito & Hiro Kimura)

9/29 (Thu) @ 築地 Blue Mood
中村梅雀(eb)、井上銘(gt)、曽根麻央(keys&tp)、高橋直希(ds)

10/1 (Sat) @ 取手市民会館大ホール
宮本貴奈ダブル・トライアングル featuring 曽根麻央、中林俊哉&KOTETSU

10/2 (Sun) @ 蒲郡ジャズフェスティバル
Yucco Miller Quartet

10/3 (Mon) @ Nardis (柏)
Mao Soné Trio with Yuji Ito & Hiro Kimura

10/5 (Wed) @ Apple (横浜)
TBA

10/7 (Fri) @ Cabin (本厚木)
丈青 and more

10/8 (Sat) @ 関内ホール【横浜ジャズプロムナード】
Reborn Wood Sessions

10/9 (Sun) @ Cabin (本厚木)
Mao Soné SOLO

曽根麻央のその他情報はウェブサイトへ

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「Monthly Disc Review」アーカイブ曽根麻央
2020.04『Motherland / Danilo Perez』2020.05『Color Of Soil /タイガー大越』2020.06『Passages / Tom Harrell 』2020.07『Inventions And Dimensions / Herbie Hancock』2020.08『Birth Of The Cool / Miles Davis』2020.09『Chet Baker Sings / Chet Baker』2020.10『SFJAZZ Collective2 / SFJAZZ Collective』2020.11『Money Jungle: Provocative In Blue / Terri Lyne Carrington』2020.12『Three Suites / Duke Ellington』2021.01『Into The Blue / Nicholas Payton』2021.02『Ben And "Sweets" / Ben Webster & "Sweets" Edison』2021.03『Relaxin' With The MilesDavis Quintet / The Miles Davis Quintet 』2021.04『Something More / Buster Williams』2021.05『Booker Little / Booker Little』2021.06『Charms Of The Night Sky / Dave Douglas』2021.07『Play The Blues / Ray Bryant Trio』2021.08『The Sidewinder / Lee Morgan』2021.09『Esta Plena / Miguel Zenón』2021.10『Hub-Tones / Freddie Hubbard』2021.11『Concert By The Sea / Erroll Garner』2021.12『D・N・A Live In Tokyo / 日野皓正』2022.1『The Tony Bennett Bill Evans Album / Tony Bennett / Bill Evans』2022.2『Quiet Kenny / Kenny Dorham』2022.3『Take Five / Dave Brubeck』・2022.4『Old And New Dreams / Old And New Dreams』2022.5『Ella Fitzgerald And Louis Armstrong / Ella And Louis』2022.6『Live from Miami / Nu Deco Ensemble & Aaron Parks』2022.7『Oscar Peterson Trio + One / Oscar Peterson Trio Clark Terry』2022.8『Ugetsu/ Art Blakey & The Jazz Messengers』

Reviewer information

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曽根麻央 Mao Soné

曽根麻央は2018年にジャズの二刀流として、 2枚組CD『Infinite Creature』でメジャー・デビュー果たしたトランペッター、ピアニスト、作曲家。

 幼少期よりピアノを、8歳でトランペットを始める。9歳で流山市周辺での音楽活動をスタートさせる。18歳で猪俣猛グループに参加し、同年バークリー音楽大学に全額奨学金を授与され渡米。2016年には同大学の修士課程の第1期生として首席(summa cum laude)で卒業。在学中にはタイガー大越、ショーン・ジョーンズ、ハル・クルック等に師事。グラミー賞受賞ピアニスト、ダニーロ・ペレスの設立した教育機関、グローバル・ジャズ・インスティチュートにも在籍し、ダニーロ・ペレス、ジョー・ロバーノ、ジョン・パティトゥッチ、テリ・リン・キャリントン等に師事、また共演。
 これまでにニューポート、モントレー、モントリオール、トロント、ドミニカ等の国際的なジャズ・フェスティバルに出演。
2017年には自己のバンドでニューヨークのブルーノートやワシントンDCのブルース・アレイ等に出演。2018年メジャー・デビュー。2019年には故・児山紀芳の代役でNHK-FM「ジャズ・トゥナイト」の司会を担当。また2020年公開のKevin Hæfelin監督のショート・フィルム「トランペット」の主演・音楽を務めるなど、演奏を超えて様々な活動の場を得ている。

 曽根は国際的に権威ある機関より名誉ある賞を数々受賞している。
2014年度フィラデルフィア『国際トランペット協会(ITG)ジャズ・コンペティション』で優勝。
同年『国際セロニアス・モンク・ジャズ・コンペティション』にて13人のファイナリストに世界中の応募者の中から選出。
2015年に地元・流山市より『ふるさとづくり功労賞』受賞。
2016年アムステルダム『"Keep An Eye" 国際ジャズアワード』にて優勝。

曽根麻央Official Site

My First Jazz Vol.53-加藤真亜沙:My First Jazz

Title : 『Portrait in Jazz』
Artist : Bill Evans Trio

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「私の初めてのジャズアルバムはビル・エヴァンスの『Portrait in Jazz』です。私がこのアルバムに出会ったのは高校3年の夏。 それまではクラシックの作曲とクラシックのピアノをずっとやってきており、その当時は大学はクラシックの作曲科に進学しようと思っていました。

ある時作曲で煮詰まった時に、当時ピアノの先生をしていた私の母親に、自分の知らない面白いコードやハーモニーはどこで見つけられるだろうかと質問したところ、「ビル・エヴァンス でも聴いてみたら?」と言われました。それで家のレコード棚からこのアルバムを引っ張り出し聴いたところ、衝撃を受けました。それまで聴いたことのなかった音、自分には身近ではなかった音がたくさん詰まっていて、ジャズかっこいい!と思ったのを覚えています。

その当時は"ジャズ"という音楽について無知で、メロディーを弾いた後にベースなりピアノのソロがあって、ソロをしてない人は伴奏をして、そしてまたメロディーに戻ってきて曲が終わる。そういうジャズの基本のようなことすらよく分かっていなかったんです。
でも、とりあえずビル・エヴァンスの演奏がかっこいいから、彼の弾いている曲を最初から最後まで全部覚えたいと思い完コピして、レコードをかけながら一緒に弾いて練習するということを繰り返し行っていました。

ジャズは大抵はベースがソロをしてる時はピアノは伴奏をし、ピアノがソロをしている時はベースは4ビートを刻んだり、伴奏をしていますが、このアルバムはベースとピアノの関係性が典型的なピアノトリオのスタイルとはちょっと違いました。特にこの中に収録されている「枯葉」は最初はベースのソロから始まるのですが、そのベースソロの裏でビル・エヴァンス がやっていることは ほとんどソロしてるみたい。スコット・ラファロとビル・エヴァンスがコールアンドレスポンスのように会話をしているような感じでそれがまためちゃくちゃかっこよかった。

よく考えたら当時18歳だったジャズビギナーの私が最初にTranscriptionとして手をつける題材ではあまりなかったかと思うんですが、そんなの関係なく真似して弾いていました。

このアルバムがきっかけで高校3年の夏までやっていた作曲の勉強は 一旦止め、本格的にジャズの世界へ足を踏み入れることになり、そしてその1年半後、NYの「ニュースクール大学」へ 留学することになる訳です 。
私の人生においても運命的な アルバムだったのかなと思います。」

加藤真亜沙


My First Jazz

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Title : 『Portrait in Jazz』
Artist : Bill Evans Trio
LABEL : Riverside Records
発売年 : 1960年



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【SONG LIST】
01.Come Rain Or Come Shine
02.Autumn Leaves
03.Witchcraft
04.When I Fall In Love
05.Peri's Scope
06.What Is This Thing Called Love?
07.Spring Is Here
08.Someday My Prince Will Come
09.Blue In Green








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加藤真亜沙
ピアニスト・作編曲家。
愛知県出身。第63回グラミー賞ノミネート作品であるレミー・ルブフのアルバム"Assembly of Shadows"にピアニストとして参加。幼少よりクラシックピアノと作曲を学び、高校在学中にビル・エヴァンスの音楽に出会いジャズに傾倒。
2009年渡米。奨学金のもと、ニュースクール大学にてケヴィン・ヘイズ、アーロン・ゴールドバーグ、ロバート・サディン、レジー・ワークマン等に師事。在学中より演奏活動を行う。同大学を2013年に卒業後、奨学金を得てジュリアード音楽院ジャズ科修士課程に入学しケニー・バロンに師事。
2012年「ASCAP Foundation Young Jazz Composer Awards」、2014年「ASCAP Foundation Herb Alpert Young Jazz Composer Award」を受賞。「モントルー・ジャズ・ソロ・ピアノ・コンペティション・イン・かわさき2014」準優勝。2016年にデビューアルバム「Tales from The Trees / アンモーンの樹」を発表。色彩感覚溢れた完成度の高いアルバムはシーンで話題となった。新進気鋭の作曲家を紹介するニューヨークのイベント「Jazz Composers' Showcase」にも選出され、名門ジャズクラブや各地フェスティヴァルに出演するなどJAZZの本場ニューヨークを拠点に活動を続けている。





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COTTON CLUB公演決定!

2022年9月12日(月)
open 6:00pm / start 7:00pm
※1日1.showになります。

MEMBER
加藤真亜沙 (p,vo)
広瀬未来 (tp,flh)
西口明宏 (ts)
土井徳浩 (fl,cl,ss,bcl)
和田充弘 (tb)
中林薫平 (b)
小田桐和寛 (ds)
Kan (per)

公演詳細(COTTON CLUB)



Latest Album

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Title : 『SOLUNA』
Artist : 加藤真亜沙
LABEL : SOMETHIN'COOL
NO : SCOL1064
RELEASE : 2022.9.21



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【SONG LIST】
01. Sol
02. Ishonsho Abe Intro
03. Ishonsho Abe
04. Kinmok-Sailor / キンモクセイラー
05. Hokora / 祠
06. Uragami
07. Sylphide of The Watermill / 水車小屋のシルフィード
08. Petals of Soluna





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【KKBOX Podcast「My First Jazz」】
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曽根麻央 Monthly Disc Review2022.8_Art Blakey & The Jazz Messengers : Ugetsu:Monthly Disc Review

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みなさんこんにちは、トランペッター&ピアニストの曽根麻央です。
今回はアート・ブレイキー&ジャズメッセンジャーズの代表作『Ugetsu』をご紹介しようと思います。

ポスト・ビバップの最高峰として各プレイヤーの熱演を聞く事は出来るだけでなく、ビバップ誕生から20年という月日が経過した事でアレンジやアンサンブルのあり方もバンドとして一つの頂点を極めたと言ってよい作品でしょう。


本編の前に一つ紹介させてください。僕のソロプロジェクト『Mao Sone Plays Standards』の第3作目「Luminous (Piano Solo Ver.)」が公開されました。ぜひたくさん聴いてください。


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【Luminous (Piano Solo Ver.) / 曽根麻央】(各配信サイト)
https://ultravybe.lnk.to/Luminous_p


また東京のコットンクラブではこのシリーズを記念したライブが9/2(金)にあります。



【MAO SONÉ "Plays Standards" with DAVID BRYANT & TAKANA MIYAMOTO】





"ジャズ二刀流"と称される若き才能と2人のピアニスト
スタンダード曲の数々を贅沢な内容で届ける一夜


【SCHEDULE】
2022 9.2 fri.
[1st.show] open 5:00pm / start 6:00pm
[2nd.show] open 7:45pm / start 8:30pm


【MEMBER】
曽根麻央 (p,tp)
【Guest】
デヴィッド・ブライアント (p,key)、 宮本貴奈 (p,key)


【詳細】
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/mao-sone/




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Title : 『Ugetsu』
Artist : Art Blakey & The Jazz Messengers


【バンドとして一つの頂点を極めたアート・ブレイキー&ジャズメッセンジャーズの作品】

さてこの『Ugetsu』は1963年のNYバードランドで収録されたライブアルバムです。
日本を意識したタイトルと選曲になっており、当時から日本での人気を感じさせます。

ブレイキーがアルバムの途中で「次の曲はUGETSUといい、日本語でファンタジーという意味です」と紹介しています。おそらく「雨月物語」という1953年には映画化もされている日本の古典から言葉がきていると思います。海外のこの映画の紹介文を読むと「romantic fantasy drama」と紹介されていますので、雨月物語からの意訳かと思われます。「Ugetsu」というシダー・ウォルトンのタイトル曲は後に「Fantasy in D」とタイトルを改められます。

下記メンバーと曲です。



Art Blakey - drums
Freddie Hubbard - trumpet
Curtis Fuller - trombone
Wayne Shorter - tenor sax
Cedar Walton - piano
Reggie Workman - bass

オリジナルLP
One By One (Wayne Shorter)
Ugetsu (Cedar Walton)
Time Off (Curtis Fuller)
Ping-Pong (Wayne Shorter)
I Didn't Know What Time It Was (Richard Rodgers, Lorenz Hart)
On the Ginza (Wayne Shorter)

ボーナストラック
Eva (Wayne Shorter)
The High Priest (Curtis Fuller)
The Theme (Miles Davis)



50年代後期のメッセンジャーズはリー・モーガン&ベニー・ゴルソンの2菅編成サウンドに、ボビー・ティモンズのブルージーでファンキーなピアノに支えられ、ベニー・ゴルソンの類まれな作曲能力によってヒット曲にも恵まれていました。その後フロントがフレディー・ハバードとウェイン・ショーター、そしてカーティス・フラーの3菅編成に拡張されアンサンブルの可能性が増しました。

リズムセクションもシダー・ウォルトンとレジー・ワークマンに代わり、より複雑で繊細なハーモニーを取り入れることが出来るように。メンバーのキャラクターと演奏に合わせるようにウェイン・ショーターというジャズ史上最高の作曲家が名曲を生み出していきました。

レーベルもブルー・ノートからリヴァー・サイドに移った新生メッセンジャーズの初期のアルバムと言ってよいでしょう。





01. One By One

「Art Blakey and the Jazz Messengers」というアナウンスとともに有名なイントロが聴こえてきます。ジャズファンはこれだけでテンションが上がるに違いありません。「One By One」はウェイン・ショーターのファンキーなAABA構成のジャズ曲で、その構成はベニー・ゴルソンやボビー・ティモンズが作り上げたメッセンジャーズ伝統のものに近いと思います。

「Whisper Not」や「Dat Dare」という過去の作品を聴いてもその雰囲気と共通点がわかるでしょう。ブルージーなメロディー、さりげない転調、ピアニッシモからフォルテッシモの大胆なダイナミックス、そしてリーダー・ブレイキーのドラム・フィル、これらはメッセンジャーズの色です。しかし今回は3菅ですからさらに音に広がりがあります。

メロディーが入って最初の1-2小節は通常の音量で完璧な3本ユニゾンなのですが、3-4小節目は狭い音域での3声のハーモニー、そして5-7小節目にはトランペットがオクターブ上のユニゾンというように、徐々に音域も広がりを効かせて音量じゃなく楽器の組み合わせでダイナミックスを表現します。ところがBセクションに入るとフォルテッシモでオクターブユニゾンのメロディーが聴こえてきて、それがドラムのクラッシュとともに急にピアニッシモになり、同じ音域のユニゾンに戻ります。楽器の組み合わせと音量効果を合わせ技で使ったとても効果的なアレンジです。

3菅編成となると誰かがソロをしている後ろでも2本の管楽器でバックグラウンドが演奏できるのでまるでビッグバンドをきているような感覚になります。


02. Ugetsu

シダー・ウォルトンの名曲で「Fantasy in D」としても有名な曲です。12小節のメインテーマが2回トランペットで演奏され、16小節のA7susのVampセクションが毎回挟まれるAAB構成の曲です。

Vampセクションについては以前も詳しく書いたのですが、同じようなコードやリズムパターン、ベースパターンが複数回繰り返されるセクションをいい、ラテン音楽によく見られる形態のことです。50年代からは特にジャズもラテンの影響を受け始め曲にvampセクションがつくことが増えました。コード進行が目まぐるしく変化するビバップの曲に対し、コードの変化が少ないためソリストの自由度と熱量が増していくのがわかると思います。このフレディーのソロは歴史的名演と言えるでしょう。





03. Time Off

軽快なテンポの32小節の曲。ブレイキーらしいヒットがテーマ中に散りばめられ、その間を埋めるようにタムの音が埋められています。これはカーティス・フラーの曲ですがメッセンジャーズのメンバーは本当にブレイキーのスタイルに合わせて曲を作ることが非常にうまいです。各ソロもよくまとまっていてとても聴きやすい一曲になっています。


04. Ping-Pong

非常に特徴のあるドラムパターンから成る楽曲。形式も複雑化していてショーターの曲作りの素晴らしさを体感できる一曲。ドラムパターンの上にハーモニーが聴こえてきて、そのパターンの上で演奏される8小節のメロディーがAセクション。Aセクションに続いて展開される激しく転調を繰り返す12小節のセクションがBセクションとなっていて、これが2回繰り返されます。その後音楽のクライマックスを締め受くるCセクションが8小節繰り返されAに戻るという、ABABCAという奇妙な構成の楽曲です。

一見つかみどころのない、流れるようなメロディーのように聴こえますが、モティーフがはっきりしてそれを展開させているためストーリーが統一された楽曲と言えるでしょう。卓球玉が目まぐるしく転がっていくようなメロディーから始まり、その後に続くモティーフがずっと展開されていきます。ジャズ作曲史上その構成の枠を打破した見事な楽曲と言えるでしょう。


05. I Didn't Know What Time It Was

ジャズ・スタンダード曲。ショーターをフィーチャーしたバラードで演奏されています。こちらもただ単にバラードを演奏しているだけでなく、メッセンジャーらしいダイナミックスのある演奏になっています。


06. On the Ginza

「日本のショッピングタウン」銀座の街をテーマに展開される軽快なショーターの曲。3菅の持つバラエティー豊かなサウンドをとてもよく表現している曲です。各8小節ずつのABCセクションで構成される曲です。各セクションとも共通したモティーフを共有していて曲に統一性があるのはショーターの特徴です。


BONUS. Eva

ボーナストラックですがこの楽曲だけは特に取り上げたいのです。ジャズで作曲を志す人はぜひ研究してほしい名曲です。おそらくこれがこの曲の唯一のバージョンなのが非常に残念に感じています。

ジャズのスタンダードと成るポテンシャルのある曲なのですが、多作であるウェイン・ショーターらしい話です。まずメロディーが非常に美しく、メッセンジャーズのもつダイナミックスも活かせるバラードです。6小節のイントロのついたABABの構成の曲です。バラードですが全てのセクションが3菅編成で統一されていて、そのハーモニーも見事に書かれています。ぜひ聴いてみてください。





それではまた次回。


文:曽根麻央 Mao Soné






Recommend Disc

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Title : 『Ugetsu』
Artist : Art Blakey & The Jazz Messengers
LABEL : Riverside Records
発売年 : 1963年

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【SONG LIST】

01.One By One
02.Ugetsu
03.Time Off
04.Ping-Pong
05.I Didn't Know What Time It Was
06.On The Ginza
07.Eva
08.The High Priest
09.IThe Theme




【曽根麻央LIVE INFO】

8/20 (Sat) @ Nagareyama-city Shogai Gakushu Center
Mizuki Shikimachi & Mao Sone

8/21 (Sun) @ Cabin, Hon-atsugi
Mao Sone, Yoshiki Takahashi, Hayato Yamazaki

​​8/22 (Mon) @ TBA
​TBA
​​
8/24 (Wed) @ Apple, Yokohama
Kurena Ishikawa & Mao Sone
​​
8/27 (Sat) @ No Room For Squares, Shimokitazawa
Mao Sone & Yuji Ito
​​
8/28 (Sun) @ Yatsugatake Jazz Festival
​Yucco Miller
​​
8/29 (Mon) @ Mr, Kelly's, Osaka
​Yucco Miller
​​
8/30 (Tue) @ Star Eyes, Nagoya
​Yucco Miller
​​
8/31 (Tue) @ Star Eyes, Nagoya
​Yucco Miller

9/2 (Fri) @ Cotton Club, Tokyo
Mao Sone "Plays Standars"
with David Bryant & Takana Miyamoto

​​9/24 (Sat) @ Cabin, Honatsugi
Mao Sone, Takafumi Nikaido, Yuji Ito

9/25 (Sun) @ Body & Soul
Mao Sone
​​
9/26 (Mon) @ Apple, Yokohama
​Tetsuo Koizumi, Takafumi Nikaido, Mao Sone
​​
9/28 (Wed) @ Nardis, Kashiwa
Mao Sone Trio (feat. Yuji Ito & Hiro Kimura)
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9/8 (Thu) @ Cotton Clun, Tokyo
Eri Chichibu
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9/10 (Sat) @ giee, Kokubunji
Mari Nakamoto
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9/12 (Mon) @ TBA
TBA
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9/14 (Wed) @ Jazz Live Bar GLOVER, Osaka
Mari Nakamoto Tour
​​
9/15 (Thu) @ JK Rush, Takatsuki
Mari Nakamoto Tour


曽根麻央のその他情報はウェブサイトへ

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「Monthly Disc Review」アーカイブ曽根麻央
2020.04『Motherland / Danilo Perez』2020.05『Color Of Soil /タイガー大越』2020.06『Passages / Tom Harrell 』2020.07『Inventions And Dimensions / Herbie Hancock』2020.08『Birth Of The Cool / Miles Davis』2020.09『Chet Baker Sings / Chet Baker』2020.10『SFJAZZ Collective2 / SFJAZZ Collective』2020.11『Money Jungle: Provocative In Blue / Terri Lyne Carrington』2020.12『Three Suites / Duke Ellington』2021.01『Into The Blue / Nicholas Payton』2021.02『Ben And "Sweets" / Ben Webster & "Sweets" Edison』2021.03『Relaxin' With The MilesDavis Quintet / The Miles Davis Quintet 』2021.04『Something More / Buster Williams』2021.05『Booker Little / Booker Little』2021.06『Charms Of The Night Sky / Dave Douglas』2021.07『Play The Blues / Ray Bryant Trio』2021.08『The Sidewinder / Lee Morgan』2021.09『Esta Plena / Miguel Zenón』2021.10『Hub-Tones / Freddie Hubbard』2021.11『Concert By The Sea / Erroll Garner』2021.12『D・N・A Live In Tokyo / 日野皓正』2022.1『The Tony Bennett Bill Evans Album / Tony Bennett / Bill Evans』2022.2『Quiet Kenny / Kenny Dorham』2022.3『Take Five / Dave Brubeck』・2022.4『Old And New Dreams / Old And New Dreams』2022.5『Ella Fitzgerald And Louis Armstrong / Ella And Louis』2022.6『Live from Miami / Nu Deco Ensemble & Aaron Parks』2022.7『Oscar Peterson Trio + One / Oscar Peterson Trio Clark Terry』

Reviewer information

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曽根麻央 Mao Soné

曽根麻央は2018年にジャズの二刀流として、 2枚組CD『Infinite Creature』でメジャー・デビュー果たしたトランペッター、ピアニスト、作曲家。

 幼少期よりピアノを、8歳でトランペットを始める。9歳で流山市周辺での音楽活動をスタートさせる。18歳で猪俣猛グループに参加し、同年バークリー音楽大学に全額奨学金を授与され渡米。2016年には同大学の修士課程の第1期生として首席(summa cum laude)で卒業。在学中にはタイガー大越、ショーン・ジョーンズ、ハル・クルック等に師事。グラミー賞受賞ピアニスト、ダニーロ・ペレスの設立した教育機関、グローバル・ジャズ・インスティチュートにも在籍し、ダニーロ・ペレス、ジョー・ロバーノ、ジョン・パティトゥッチ、テリ・リン・キャリントン等に師事、また共演。
 これまでにニューポート、モントレー、モントリオール、トロント、ドミニカ等の国際的なジャズ・フェスティバルに出演。
2017年には自己のバンドでニューヨークのブルーノートやワシントンDCのブルース・アレイ等に出演。2018年メジャー・デビュー。2019年には故・児山紀芳の代役でNHK-FM「ジャズ・トゥナイト」の司会を担当。また2020年公開のKevin Hæfelin監督のショート・フィルム「トランペット」の主演・音楽を務めるなど、演奏を超えて様々な活動の場を得ている。

 曽根は国際的に権威ある機関より名誉ある賞を数々受賞している。
2014年度フィラデルフィア『国際トランペット協会(ITG)ジャズ・コンペティション』で優勝。
同年『国際セロニアス・モンク・ジャズ・コンペティション』にて13人のファイナリストに世界中の応募者の中から選出。
2015年に地元・流山市より『ふるさとづくり功労賞』受賞。
2016年アムステルダム『"Keep An Eye" 国際ジャズアワード』にて優勝。

曽根麻央Official Site

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