Title : 『Organic Music Society』
Artist : Don Cherry
皆さんこんにちは。サックス奏者の纐纈之雅代です。
私のおすすめジャズアルバムは、Don Cherryの『Organic Music Society』。1972年、スウェーデンのレーベルCaprice から発売されたものです。
このアルバムに出会ったきっかけは、私は Ornette Colemanというサックス奏者を好んでよく聴いていて、彼のアルトに絶妙なバランスで絡み合う Don Cherryの存在に興味を持ちました。彼のリーダー作品を探るうちにこの作品に出会いました。
私はもともと、16,17歳の頃から民族音楽や伝統儀式など人間の根源的な音楽に興味があったので、このアルバムがすんなりと心に入ってきました。
Don Cherryは、Ornette Coleman、Albert AylerらとN.Y.で活動しながらも自分自身の音楽を創造し続けるための豊かな場所を求めてスウェーデンに移住しました。このアルバムはその頃の集大成の作品です。
「N.Y.ではその日の食事を得るために演奏していて、サバイバルな厳しい生活だった。常に創造し、売り出す必要があった」と述べています。
スウェーデンに移住したDon Cherryは、自然と一体となりました。世界の民族音楽や、根源的な音に立ち返って霊性の高い、平和で愛に満ちた演奏をこのアルバムでは聴くことができます。
私は Don Cherryのこのような音楽への姿勢に共感する部分がたくさんあります。また、彼のバンドリーダーとしての在り方に心惹かれるものがあります。
ジャズ、で多く聴かれがちな誰か一人が場を支配する類のものではなく、全員が伸び伸びと、歓喜に満ち溢れ祝福された演奏をしています。
私のバンドサウンドの理想がここにあります。
最後に、アルバムジャケットはDon Cherryの妻によって描かれています。
太陽、木々、山々、ダンスする女性、笛を吹く人、鳥、象、ラクダ、アヒル、、、などを見ているだけで穏やかで温かいハッピーな気持ちになります。
纐纈之雅代

サックス奏者 纐纈之雅代率いる新ユニット「如意ン棒」がアルバムリリース!
唯一無二の存在として音楽シーンに輝く"インディのクイーン" 纐纈之雅代(2024年10月より名義を纐纈雅代から改名)。前作のリーダーアルバム『Band of Eden』はジャズの聖地・新宿PitInnで行われた熱狂を取り込んだライヴレコーディングであったが、最新アルバム『如意ン棒~ぜんぶ、流れ星のせい~』では日本屈指の名スタジオ、キング関口台スタジオを舞台に、前作にも増して趣深く、また4人の情念を爆発させた賜物が超新星の如く誕生した。日本の気鋭ミュージシャンたちを次々と紹介するジャズ・レーベルSomethin' Coolから待望のリリース。今作は、日夜多忙を極める潮田雄一(ギター)、落合康介(ベース,馬頭琴)、宮坂遼太郎(パーカッション)と、初めて顔を合わせた4人が一切のリハーサルを介さずに臨んだ模様をライヴ収録。ジャズ・スタンダード2曲「セントルイス・ブルース」「ロンリー・ウーマン」、纐纈オリジナル6曲、集団即興2曲。これが「如意ン棒」の "ジャズを超えたジャズ" オルタナ・ジャズだ。
纐纈之雅代(Masayo Koketsu)
幼少期より2人の姉と共に、ピアノを弾き、歌を歌い、クラシック、歌謡曲、ロックなど、音楽に親しみながら暮らす。15歳でチャーリー・パーカーのレコードに出会い、ジャズのフィーリング、音色の奥深さ、普遍さに衝撃を受けて、以来、音とは?自己とは?死とは?生きるとは?愛とは?魂とは?の果てしない旅が始まる。国内外の様々なアーティストと即興演奏を重ねながら、現在にいたる。
http://masayokoketsu.com/
【KKBOX Podcast「My First Jazz」】
JJazz.Netとの連動によるオリジナルコンテンツ。
ジャズ・ミュージシャン本人の音声コメントをお届けしています。
KKBOX Podcast
KKBOX
500以上のメジャー・ローカル音楽レーベル様や権利者様と提携し、9,000万曲の楽曲を配信。
なかでも世界最大数を誇るC-POPを取り揃えているアジア大手の音楽聴き放題サービス。
2022年より日本でも音声コンテンツ/ポッドキャストの提供がスタート!