青木カレンがナビゲートする番組「TOUCH OF JAZZ」では、毎回ゲストの方に
自身の「TOUCH OF JAZZした作品=ジャズに触れた作品」を紹介いただいています。
今回のゲストは、日本を代表するジャズピアニストの一人、片倉真由子さん。
同じくジャズピアニストのお母様のコレクションの中でも
一番のお気に入りであり、ジャズにのめりこんでいくきっかけとなった1枚。
ハンプトン・ホーズからフィニアス・ニューボーンをオススメしてくれたというエピソードは
ジャズ一家ならではですね。
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『THE TRIO VOL.1 / Hampton Hawes』
「実家に母親のハンプトン・ホーズのコレクションがあり、毎日聴くのが日課のようになっていましたが、中でも聴いたのがこの1枚です。恐らく、ジャズピアニストを志す直接のきっかけになった1枚だと思います。
「どうしてこの音楽は聴いているとこんなに気持ちがいいんだろう」と思った記憶があります。その頃はもちろんジャズのアーティキュレーションやフレージングなど何も知りませんでしたから、本当に私の本能に働きかけてくれた音楽です。この人のタッチやニュアンスが高校生だった私に強烈な印象を与えてくれたおかげで、今でも私のジャズに対する美学はこのCDにあります。様々なジャズを聴いていますが、やっぱり私はこの音楽に戻って来ます。
余談ですが、母親に「お母さん、私はハンプトン・ホーズというピアニストがとても好き」と言ったらとても嬉しそうな顔をして「あら!そうなの。じゃあきっとこの人も好きになるね」と言って懐からフィニアス・ニューボーンのCDを出されたのを憶えています。こうしてますますジャズにのめり込んでいきました。」
片倉真由子
■タイトル:『THE TRIO VOL.1』
■アーティスト:Hampton Hawes
■オリジナル発売年:1955年
【Hampton Hawes - Blues the Most】
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【片倉真由子】
1980年、宮城県仙台市出身。幼少よりクラシックピアノを始める。洗足学園短期大学入学と同時にジャズピアノに転向、ピアノを今泉正明氏に師事。同大学を首席で卒業後、2002年、バークリー音楽大学より奨学金を受け、入学する。在学中より、ボストン市内のライブハウスで、クリス1チャンスコット, デイヴサントロらと演奏を重ねる。2004年、piano achievement awardを受理し、卒業する。卒業後は、ディックオーツ, ジェリーバーガンジーらと演奏を重ね、また、2004年8月に行われたLitchfield Jazz Festivalに、デイヴサントロのピアニストとして出演する。2005年9月、ジュリアード音楽院入学。ピアノをケニーバロンに、アンサンブルをカールアレン, ベンウォルフに師事。在学中より、ハンクジョーンズ, ドナルドハリソン, カールアレン, ベンウォルフ, エディーヘンダーソン, ビクターゴーインズ ,ドミニクファリナッチらと共演する。2006年、Mary Lou Williams Women In Jazz Piano Competitionで優勝し、翌年5月に、同ジャズフェスティバルに自己のトリオを率いて出演する。また、2006年9月に開催されたThelonious Monk International Jazz Piano Competitionのセミファイナリストに選ばれる。現在は自己のトリオをはじめ、山口真文カルテット、大坂昌彦グループ、伊藤君子グループ、竹内直カルテット、the MOSTなどのメンバーとして活動中。2009年9月には、リーダーアルバム「インスピレーション」をリリース。第43回スイングジャーナル社主催の「ジャズディスク大賞」において、ニュースター賞を受賞。2010年9月、セカンドアルバム「フェイス」をリリース。