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vol.21 - デュプレ・バレラと「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」


いらっしゃいませ。

bar bossaへようこそ。

今年の夏は猛暑続きでしたね。身体など壊されてはいませんでしょうか。
まだまだ暑い日が続きますが、やっと秋の気配がしてきましたね。
女性の方は「冬はお洒落が出来るから楽しみだな。今年のコートはどうしようかな。」なんて考えているのではないのでしょうか。

そんな秋にオススメのワインです。

デュプレ・バレラ
デュプレ・バレラ


南仏プロヴァンスの「デュプレ・バレラ」という作り手の赤ワインです。奥様がカナダ人のエマニュエル・デュプレ、ご主人が元地質学者のローラン・バレラ、その二人の名前からとったドメーヌ名です。
このワインはビオディナミーで作られていて、ムールヴェードル主体です。カシスやカカオ、ハーブの香りもあり、なめらかでコクのある、秋にぴったりのワインです。

そして、「秋に聴きたいボサノヴァ」と言えばやっぱり「ジャズ・ミュージシャンが演奏したボサノヴァ」ではないでしょうか。
ボサノヴァはもちろん全世界で愛されているので、色んなミュージシャンが演奏していますが、アメリカのジャズ・ミュージシャンも例外ではありません。
本当にたくさんのジャズ・ミュージシャンがボサノヴァを演奏していますが、今回は「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」です。

まず1曲目はこれです。

Gerry Mulligan & Jane Duboc / Paraiso



バリトン・サックス奏者のジェリー・マリガンは60年代からボサノヴァっぽい演奏はたくさん残していますが、1996年に亡くなる3年前の1993年に女性ボーカリストのジェーン・ドゥボック(ブラジル読みだとジャニ・ドゥボッキ)と本格的なボサノヴァ・アルバムを録音しています。このタイトル曲の「パライゾ」はもちろん、二人のオリジナル曲も多く、ジェリー・マリガンが晩年に本気でボサノヴァに取り組んだのがわかる好アルバムです。

2曲目はこれなんてどうでしょうか。

Bola Sete & Vince Guaraldi / Star Song



後ろでピアノを弾いているヒゲのおじさんはスヌーピーのサントラを担当したので有名なジャズ・ピアニスト、ヴィンス・ガラルディ。前でギターを弾いているのはブラジル人ギター奏者ボラ・セッチです。ヴィンス・ガラルディはボサノヴァが好きだったようで、スヌーピーのサントラには必ず1曲ボサノヴァが入っています。この曲が入っている1963年録音の「Vince Guaraldi, Bola Sete and Friends」は隠れた名盤です。是非!

3曲目はこれです。

Herbie Mann / Deve Ser Amor



フルート奏者のハービー・マンはキャリアの中で何度もブラジル音楽を演奏していますが、この1962年のリオ・デ・ジャネイロ録音が文句なしの最高のアルバムです。この曲では鬼才のギタリスト、バーデン・パウエルが軽い曲なのに素晴らしいバチーダでブラジルならではのグルーヴを感じさせています。ちなみにこのアルバムではアメリカ・デビュー前のセルジオ・メンデスも参加していて、必聴ですよ!

4曲目はボサノヴァ愛好家にファンの多いこれです。

Mitchell & Ruff / E nada mais



ピアニストのドゥワイク・ミッチェルとベーシストのウィリー・ラフのデュオが1966年にブラジルで録音したアルバムからの1曲です。このアルバムはシルヴィア・テリスの元夫カンジーニョや、サンパウロのボサノヴァSSWセルジオ・アウグスト、伝説のグループ、オス・ガトスを率いたドゥルヴァル・フェヘイラ、後のセルジオ・メンデスとの演奏で有名なシコ・バテーラなどが参加しています。

5曲目はボサノヴァ最高峰とも言われるアルバムからです。

Paul Winter with Carlos Lyra / Voce e Eu



サックス奏者ポール・ウィンターがボサノヴァSSWカルロス・リラとブラジル、リオ・デ・ジャネイロで1964年に録音したボサノヴァ名盤からの1曲です。この録音ではカルロス・リラの優しい歌声にポール・ウィンターのサックスがそっと寄り添っています。ドラムはミルトン・バナナ、ベースはセバスチャン・ネト、そしてピアノはセルジオ・メンデスです。ボサノヴァ・ファン必聴です。

6曲目はやっぱりこれで。

Stan Getz & Joao Gilberto



ボサノヴァと言えばこれというくらい全世界的に有名な録音です。アストラッドのヴォーカルは予定されていなかったとか、ジョアンがゲッツのサックスを嫌い「おまえは大バカ野郎だって言ってくれ。」とジョビンに言ってそれをジョビンが「あなたと共演できて、たいへん光栄だと言っています」と翻訳して伝えたとか、色んな伝説がありますが、とにかく名演奏です。サックスにスタン・ゲッツ、ギターとヴォーカルにジョアン・ジルベルト、ピアノはアントニオ・カルロス・ジョビン、そしてゲスト・ヴォーカルでアストラッド・ジルベルト。永遠の名演です。


時間って本当にあっという間に過ぎてしまいますね。そろそろ「クリスマス」とか「お正月」とかのことを考えなきゃいけないなんて、信じられませんね。
それでは、またこちらのお店でお待ちしております。


bar bossa 林 伸次




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林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

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