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sense of quiet presents "THE PIANO ERA" 2013 / ザ・ピアノエラ2013

THE PIANO ERA


JJazz.Netで人気のある企画の一つに「ピアノ」特集があります。驚くことに、ひとつの楽器とそれが奏でる音楽が、いつでも変わることなく求められているのです。

ピアノは、特に西洋音楽ではミュージシャンにとって基本となる楽器といえるでしょう。ミュージシャンシップをアカデミックに学ぶ現場では、ピアノは必ずと言っていいほど使用されています。

ピアノ音楽が人気のある理由の一つに、ピアノをよく知るピアニストがミュージシャンシップをより深く備えている場合があり、必然的にその音楽が多彩になるという点もあるのではないでしょうか。

「sense of Quiet」が「ピアノ」とその音楽に焦点を当てた"THE PIANO ERA" 2013 というイベントを開催します。その出演者たちは、国内外の素晴らしいピアニストであると同時に、素晴らしく個性的な音楽を生み出すミュージシャンです。

「sense of Quiet」視点でのピアノ音楽を存分に触れることのできるチャンス。
お見逃し、お聴き逃しなく。

[TEXT:樋口亨]



sense of quiet presents "THE PIANO ERA" 2013 / ザ・ピアノエラ2013


おかえりなさい、ピアノの世紀へ。
世界から日本から、ピアノ音楽の現在と未来に出会う二日間。
ピアノ世紀の到来を告げるフェスティバル、開催。

現代におけるもっともポピュラーな楽器のひとつ、ピアノ。楽器としての能力の高さと長い歴史から、その人気は揺るぎないものとなっており、2013年現在、日本でピアノ教室のレッスンを受けている人口は200万人という数字もあるほど(※ヤマハ調べ http://www.itmedia.co.jp/mobile/0302/12/n_pianoh.html)。過去に演奏経験があり、また独学でピアノに親しんでいる人口も考えると、この楽器がいかに愛されているか、驚くべきほどです。
とはいえ「ピアノ音楽」については、その豊富なファン層に見合う幅広さ、自由度が充分に発展してきたといえるでしょうか。<クラシック><ジャズ><ロック>etc...といったジャンルの枠組みに、近年のピアノ音楽はともすれば因われがちであったようにも思います。もう一方の人気楽器であるギターやギター音楽のイメージが、こんにち一言で表せないほど拡がりをみせているのと対照的に、「ピアノ音楽」がもつイメージは画一的で、30-40年前からほとんど変化していないとさえいえるのではないでしょうか。

しかしここ数年、さまざまジャンルを越境するピアノ音楽、ピアニストたちの存在が注目されるようになってきました。ポスト・クラシカルと呼ばれるキーワードでクラシックとエレクトロニカが接近したり、フォークロア音楽をピアノで表現するアーティストがさまざまな国で同時多発的に現れだしたり、その土地、そしてそのアーティストならではの個性的な音楽家の登場が注目されはじめています。
"THE PIANO ERA"では、そうしたさまざまな個性をもつ7名のピアノ音楽家を招聘することで、拡張し、躍動する「ピアノ音楽の現在」にフォーカスします。

海外からは、
ブラジル若手No.1ピアニストとしての不動の評価を得、今まさにアーティストとして充実期を迎えている、アンドレ・メマーリ。
アルゼンチンの鬼才であり、キャリアを通じて南米音楽の再構築を追求するネオ・フォルクローレシーンの女流作曲家/ピアニスト、ノラ・サルモリア。
トム・ヨークも絶賛するポスト・クラシカル期待のドイツのピアニスト、ニルス・フラーム。

日本からは、
矢野顕子がピアニストとしての凄みを見せます。普段のコンサートでは聴けなかった意外な楽曲に挑戦!?
そして、ジェーン・バーキンのワールドツアーの音楽監督やNHK大河ドラマ「八重の桜」のサウンドトラックを担当するなど八面六臂の活躍を続ける、作曲家・ピアニストの中島ノブユキ。
普遍的で深遠な、同時にカラフルでPOPな映像と、やはり自ら制作する音楽との双方に質の高い融合により世界的に注目を集めているアーティスト、高木正勝。
映画「白夜行」のサウンドトラックを始め映画・TV・CM音楽で多彩に活躍し、今年発表した美しくダイナミックなピアノソロアルバム「夢の途中」が注目されている女性作曲家・ピアニスト、平井真美子。

ピアノに日々触れている人はもちろん、いま誰もが触れるべきピアノ音楽、ピアニストの魅力に出会える二日間です。


11月30日(土) 17:15開場 / 18:00開演
<出演>
矢野顕子
アンドレ・メマーリ /André Mehmari (from Brazil)
ノラ・サルモリア /Nora Sarmoria (from Argentina)

12月01日(日) 15:45開場 / 16:30開演
<出演>
中島ノブユキ
ニルス・フラーム /Nils Frahm (from Germany)
高木正勝
平井真美子

<会場>
めぐろパーシモンホール 大ホール

<料金>
前売 6,500円(当日 7,500円)/二日通し券 12,000円 (全席指定/未就学児入場不可/二日通し券は両日同じ席です)
チケットぴあ http://t.pia.jp 0570-02-9999 [Pコード:各日券211-298 / 二日通し券780-684]
ローソンチケット http://l-tike.com 0570-084-003 [Lコード:各日券74312 / 二日通し券74321]
イープラス http://eplus.jp/
めぐろパーシモンホール 03-5701-2904 (10:00-19:00) http://www.persimmon.or.jp/
※めぐろパーシモンホールでは各日券のみ取り扱い

<問い合わせ>
ノーヴァスアクシス 03-6310-9553

<主催・企画・制作>
NRT/novus axis 

<共催>
公益財団法人 目黒区芸術文化振興財団 

<制作協力>
DISK GARAGE

<協力>
Takagi Klavier / niis / RYU / Edith Grove / 株式会社インパートメント 

<招聘>
DUM DUM LLP

<オフィシャルサイト> 
http://www.novusaxis.com/thepianoera2013.html


アンドレ・メマーリ (ブラジル)/ André Mehmari (Brazil)
http://www.andremehmari.com.br/
André Mehmari

1977年ブラジル、リオ・デ・ジャネイロで生まれる。5歳より音楽を専門的に学び、10歳より独学でジャズ、即興音楽を学び作曲も始める。その頃からプロとしてピアノ、オルガンのコンサートに出演。15歳の頃には音楽院でオルガン、ピアノを教えるようになる。95年サンパウロ州立大学に入学。同年、大学の音楽コンクールBrazilian Popular Music(MPB)部門で優勝。97年にはクラシック部門でも優勝。98年ブラジルで最も有名なMPBコンペティションで優勝し、その報酬としてデビューCDを録音する機会を得る。99年自宅のスタジオで、全26の楽器を演奏、多重録音によるソロアルバム『Canto』を制作、2002年にリリース。05年7月ブラジル人歌手のジョイスと共に初来日。08年自身で運営するレーベル<Estúdio monteverdi>から『...de arbores e valsas』をリリース。曲毎にゲストを迎えつつ、自身が多数の楽器を演奏し多重録音した作品が話題となる。現在は自宅スタジオで録音、ミックス、マスタリング、リリースまで全てを自身で行って創作活動をしている。


ノラ・サルモリア (アルゼンチン)/ Nora Sarmoria (Argentina)
http://www.norasarmoria.com.ar/
Nora Sarmoria

1968年生まれ。ブラジルにおけるエルメート・パスコアルにも比肩するアルゼンチンの鬼才であり、現代アルゼンチン音楽を代表するシンガー、ピアニスト、作曲家のひとり。ジャズピアノをEdgardo Beilínに師事、アルゼンチンカトリック大学にて作曲を学び、ブエノスアイレス芸術学校にてクラシック・ピアノを学ぶ。95年に初作となるアルバム『Vulevo Uno』を発表、日本でも大きな話題を呼び現在までに11枚のリーダー作をリリース(12枚目となる新作『Silencio Intenso』を今年末に発表予定)。ピアニストのリリアン・サバ、鍵盤打楽器奏者のマルコス・カベサスとのデュオ・アルバムや、南米の名曲を含むレパートリーを独自にアレンジした小オーケストラ=オルケスタ・スダメリカナ名義での活動など、その活動は幅広い。広汎な音楽的背景をのぞかせつつも「ノラ・サルモリア流」としか形容できない圧倒的な世界観は日本の音楽家にもファンが多い。<アルゼンチン音響派>とカルロス・アギーレなどコンテンポラリー・フォルクローレを繋ぐ、この国が誇るパフォーマーの一人にして、最高にユニークな作曲家でもある。


ニルス・フラーム (ドイツ)/ Nils Frahm (Germany)
http://www.durtonstudio.com/projects/detail/project/63
Nils Frahm

1982年生まれ。ドイツ/ベルリンで活動するピアニスト。幼い頃はチャイコフスキー最後の門下生であるNahum Brodskiに師事。 2009年にはピーター・ブロデリックがプロデュースした『The Bells』、友人のクリスマス・プレゼントととして制作した『Wintermusik』をリリース。その後エフタークラングのレコーディングやツアーに参加。 そして2011年のアルバム『Felt』でGUARDIAN/MOJO /CLASH/DROWNED IN SOUNDで高い評価を受け、最も期待される若手ピアニストの一人として注目される。2012年リリースのミニ・アルバム『Screws』では左手の親指にボルト4本を埋め込むという大怪我を負ってしまった彼が思い付いた"9本の指による9曲の短い楽曲制作"。1日1曲ずつレコーディングして完成した楽曲は、ゆっくりと丁寧に動かす指のタッチや鍵盤がこすれるノイズ、そして彼の息づかいさえも聴き手に伝わるようなパーソナリティーに溢れた作品。


矢野顕子 / Yano Akiko
http://www.akikoyano.com/
矢野顕子

青森市で過ごした幼少時より、ピアノを始める。青山学院高等部在学中よりジャズクラブ等で演奏、1972年頃よりティンパン・アレイ系のセッションメンバーとして活動を始め、ニューミュージック黎明期の欠かせない顔となる。1976年、ローウェル・ジョージをはじめリトル・フィートのメンバーと共にLAにてレコーディングを行った「JAPANESE GIRL」でソロデビュー。以来、YMOとの共演、 ピアノ弾き語りの「出前コンサート」、ブルーノート東京や野外フェスへの出演、レイ・ハラカミとのユニット「yanokami」、森山良子とのユニット「やもり」、ジャズピアニストの上原ひろみとのユニットなど、幅広いミュージシャン達との交流を持ち、 ユ ニークな活動を続けている。2012年、近年のライブ音源を集めたベスト盤「荒野の呼び声-東京録音-」をリリース。今年2月に、故・忌野清志郎の楽曲をカバーしたアルバム「矢野顕子、忌野清志郎を歌う」を、8月にはリラックマとのコラボレーションシングル「リラックマのわたし」を発表した。


中島ノブユキ / Nakajima Nobuyuki
http://www.nobuyukinakajima.com/
中島ノブユキ

作曲家 / ピアニスト作/編曲家・ピアニストとして様々なフィールドで活動。菊地成孔、持田香織、畠山美由紀、ゴンチチらの作品に参加する。またタップダンサー熊谷和徳と東京フィルハーモニー交響楽団が共演する「REVOLUCION」の音楽監修/作曲、オーケストレーションを担当。ソロアルバムとして『エテパルマ』『パッサカイユ』『メランコリア』『カンチェラーレ』を発表。映画「人間失格」(荒戸源次郎 監督作品)、アニメーション「たまゆら」(佐藤順一 監督作品)の音楽を担当。また「旅のチカラ」(NHK-BSプレミアム)のテーマ音楽を作曲する。近年はジェーン・バーキンのワールドツアー「 Jane Birkin sings Serge Gainsbourg via Japan」に音楽監督/ピアニストとして参加、世界数十ヶ国を回る。ジェーン・バーキンと制作した作品(Jane Birkin + Nobuyuki Nakajima 名義)を2012年8月発表。2013年度 NHK大河ドラマ「八重の桜」の音楽を担当。


高木正勝 / Takagi Masakatsu
http://www.takagimasakatsu.com/
高木正勝

映像作家/音楽家。1979年生まれ、京都府在住。自ら撮影した映像の加工やアニメーションによる映像制作と、長く親しんでいるピアノやコンピュータを使った音楽制作の両方を手掛けるアーティスト。国内外のレーベルからのCDやDVDリリース、美術館での展覧会や世界各地でのコンサートなど、分野に限定されない多様な活動を展開している。オリジナル作品制作だけでなく、デヴィッド・シルヴィアンのワールドツアーへの参加、UAやYUKIのミュージック・ビデオの演出や、芸術人類学研究所、理化学研究所、Audi、NOKIAとの共同制作など、コラボレーション作品も多数。2009年のNewsweek日本版で、「世界が尊敬する日本人100人」の1人に選ばれるなど、世界的な注目を集めるアーティスト。2012年公開の映画「おおかみこどもの雨と雪」(監督: 細田守)の劇伴を手掛ける。2013年、アフリカ開発会議(TICAD Ⅴ)関連企画としてエチオピアを訪問・取材し、新作映像作品『うたがき』を発表。


平井真美子 / Hirai Mamiko
http://www.hirai-mamiko.com/
平井真美子

ピアニスト/作曲家。桐朋学園大学音楽部ピアノ科卒業。クラシック出身の高い演奏力と知識に加え、広い音楽経験・見聞と生来の直感力を武器に音楽を紡ぐ。日々折々の想いをメロディーにトランスレートして書き綴り続ける"Piano Diary"をライフワークとする。誰にでも去来したことがある想いをトレースするかのような美しく親しみやすく前向きなメロディー。静的でも動的でもある生きたメロディー。そこに命を吹き込む明晰な心情理解力と演奏表現力が他分野のクリエイターの厚い信頼を得、映画『白夜行』を始め、映画・CM・TV番組を中心に多くの音楽制作を手掛ける。オリジナルアルバムは、2007年にファースト・ピアノソロアルバム『Piano Diary』、2013年にセカンド・ピアノソロアルバム『夢の途中』を発表。2012年、新進気鋭のアーティストに贈られる、アメリカのS&R Washington Awardを受賞。

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