Title : 『Footprints Live!』
Artist : Wayne Shorter
「僕の初めてのジャズアルバムは2002年にリリースされた Wayne Shorterの『Footprints Live!』です。
このアルバムのメンバーは、リーダーであるサックスのウェイン・ショーター、そしてピアノはダニーノ・ペレス、ベース、ジョン・パティトゥッチ、ドラムスはブライアン・ブレイド。この4人が織りなすサウンドが本当に魅力的で素晴らしいです。
ご存知の通りウェイン・ショーターは、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズから始まり、マイルス・デイヴィスバンド、VSOP、 そしてWeather Report 等、数々のレジェンド達が在籍したバンドで活躍。
特にWeather Reportは、ジャズ変革期にあたり、それまでの往年のスタイルから新しいジャンルの音楽を混ぜ込んでミックスさせてフュージョンに導いていった音楽のパイオニアであるといえます。
そんなウェイン・ショーターが2002年にリリースしたこのライブアルバム。兎に角ウェイン・ショーターのコンポーズ力がすごいんです。他にも類を見ないコードの展開だったり、ハーモニーなボイシング。ショーターは結構ボイシングまで指定していたということを聞いたことがあります。そして構成も素晴らしくどれをとってもオンリーな存在。
アルバムの中でマイルスバンドの演奏で有名な「Footprints」 を演奏しているのですが、ソロを順番にやっていくスタイルではなくて全員が合奏している感じが印象的。
それまでのソロを順番にやっていくっていう概念を、当時、完全に覆され衝撃を受けました。ショーターがソロをしている間も、他のメンバーはどんどん違う景色を構築していき、ダニーロに主導権が渡った時も、空いたスペースにショーターがすごく音数が少ないんですけど音楽を次のチャプターに向かわせるような音を吹くんです。まさに鶴の一声という感じ。
最後にサックスとピアノのDUOになる瞬間があるんですが、その瞬間の音楽が美しすぎてその当時僕は車で大号泣した覚えがあります。
ドラマのブライアン・ブレイドは自身で"Fellowship Band"っていうものもやっているんですけれど、そのコンポーズからでも分かるように、音楽の中に身を委ねてその曲を羽ばたかせるようなプレイをするんです。それが魅力的で、すごく自分を表現しているなと。ここにいるメンバー皆がそうだと思います。
このアルバムは、自分の音楽感がグッと深い方向へといいますか、より音楽が好きになった一枚だと感じています。
ちなみに僕の名前は渡辺翔太なんですけれども、これは僕の父親が"ウェイン・ショーター"が好きだったことから"翔太"になったと聞かされています。」
渡辺翔太
渡辺翔太
1988年2月29日名古屋出身。
4歳からピアノを始める。父でありギタリストの渡辺のりおの影響で音楽に興味を持つ。
14歳の頃に作曲を始め、即興演奏に興味をもつ。2003年Donny Schwekendiek氏に師事。2004年から演奏活動を始め、2005年Jazz Funkバンド「赤門」に加入。2010年、noon「Once upon the summer time」に参加。2016年からStereo Champに在籍し、二枚のアルバムをリリース。ものんくる「世界はここにしかないって上手に言って」に参加。2018年、自身初のリーダーアルバム「Awareness」を発表。続いて2019年2nd Album「Folky Talkie」をリリースし、柳楽光隆氏のJapanese Jazz in 2010sに選ばれる。2022年、ベーシストMarty Holoubekとのデュオ作品「Song For The Sun」をリリース。現在、自身のtrioやShota Watanabe&Marty Holoubek Duo、Stereo Champ、Supをはじめ、多方面からのアーティストのサポート、楽曲制作等、精力的に活動中。
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