feed markRSS
JJazz.Net Blog Title

My First Jazz Vol.80-佐藤允彦

41WfFxqIYrL.500.jpg


Title : 『Saxophone Colossus』
Artist : Sonny Rollins


こんにちは。ピアニスト、佐藤允彦です。


僕が最初に出会ったジャズのアルバムは、Sonny Rollinsの『Saxophone Colossus』です。
1956年Prestigeから発売されたものです。
出逢いは1958年1月のある日。僕は高校一年、16歳でした。
場所は東京駅の八重洲口を出て外堀通り扉を渡ったところにある、ママというレコード喫茶です。
扉を押して薄暗い店内に入った途端、大音量のテナーサックスの音に圧倒されました。
15、6人が前方を向いて座り、皆頭を垂れてじーっと聴いています。
正面には水色の背景に左側からロリンズの巨大なシルエットが威圧するように迫ってくるジャケットが照明で浮かび上がり、まるで偉いお坊さんの説教を拝聴している寺院にいるような雰囲気でした。


そのころの僕は、まだジャズの西も東もまったく分からず、ふとした偶然で銀座のクラブで演奏するカルテットのピアニストとして雇われたばかり。
「ジャズってどうやって勉強したらいいんですか?」とリーダーに尋ねたら
「そりゃ、お前、レコード聴くしかねえよ。東京駅の前にママってのがあるからそこで聴け。」と言われたので、でかけてみたのです。


それからは毎日クラブで演奏が始まる前に、2時間ほどひたすら聴き続けました。まだ店の手持ちのLPが少なかった時代で、『Saxophone Colossus』はいつもかかりました。
コーヒー1杯90円、ソーダ水60円でした。


不思議なもので一ヵ月もすると、ロリンズのサキソフォン、トミー・フラナガンのピアノ、ダグ・ワトキンスのベースライン、マックス・ローチのドラミングフィルインなど、丸暗記できるようになりました。
66年経った今でも覚えています。
僕のジャズの原点だと言えるでしょう。


佐藤允彦



My First Jazz

41WfFxqIYrL._200.jpg

Title : 『Saxophone Colossus』
Artist : Sonny Rollins
LABEL : Prestige
RELEASE : 1957年



アマゾン詳細ページへ


【SONG LIST】
01.St. Thomas
02.You Don't Know What Love Is
03.Strode Rode
04.Moritat
05.Blue Seven




41mDuybcH5L._AC_500.jpg

キャリアを代表するソロ・ピアノ集

代官山の喧騒を離れた猿楽橋の袂にある小さなジャズ・バー、LEZARD(レザール)。その30周年を機にピアノが入れ替わった。低音が伸び、高音が輝き、大きくパワーアップ。ピアノの選定にも関わった佐藤允彦が奏でたのは、自作曲の数々とMaurice Ravel, Thelonious Monkのカバー曲。
佐藤自身が「ごく初期の作として好評を得た Palladium が私の代表作として語られ続けることを断ち切るために爆薬を仕込んだ」と言う「Palladium Explosive」、Harvey Masonとの想い出の「Salamander」、Dave Liebmanとの「Moth Ball」、Eddie Gomezとの「風紋」、横浜Jazz isでの「Epistrophy」など長いキャリアから紡がれる名曲たち。







thumbnail_MasahikoSatoh-20241018-61.jpg

佐藤允彦   
1941年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、1966年から1968年にかけて米国バークリー音楽院に留学、作・編曲を学ぶ。
帰国後、1969年に初のリーダー・アルバム『パラジウム』でスイングジャーナル誌「日本ジャズ賞」受賞。その後も、ビッグ・バンドのための作品『四つのジャズコンポジション』(1970年)、『邪馬台賦』(1972年) で二度の芸術祭優秀賞を受賞する。
これまでに数多くのリーダー・アルバムを発表しており、スティーヴ・ガッド、エディ・ゴメスのトリオでレコーディングした『アモーフィズム』の全米発売や、"セレクト・ライブ・アンダー・ザ・スカイ '90"で誕生した『ランドゥーガ』(スイングジャーナル誌「日本ジャズ賞」受賞) のフランスでのリリースなど、国際的にも高い評価を得ている。
また、ベルリン、ドナウエッシンゲン、メールス、モントルーなどのジャズ・フェスティバルへの出演や、アフリカ、オーストラリア、ロシア、中南米などへのコンサート・ツアーと、国内に止まらない広範な活動は常に注目を集めている。
作・編曲家としては、ナンシー・ウイルソン、アート・ファーマー、ヘレン・メリル、中川昌三、伊藤君子をはじめとする様々なアーティストのレコーディングへの参加や、『オーケストラと三人のインプロヴァイザーのための「乱紋」』(1986年)、『WAVE IIIとオーケストラのためのコンチェルト』(1988年) などの実験的作品、「万国博覧会~地方自治体館」(1970年)、「花と緑の博覧会~JT館」(1990年) などのパビリオン音楽、リチャード・デューセンバーグIII世の筆名でのベルエア・ストリングス・シリーズなどを手掛けている。さらに、音楽を担当したテレビ番組、映画、CMは数え切れないほどである。
1997年に自己のプロデュース・レーベル〈BAJ Records〉を創設。バッハ、落語の出囃子、童謡、スタンダードをモティーフとした『戯楽』シリーズを発表、好評を博す。
最近では、バーチャル・シンガーの初音ミクとのコラボレーションで音楽監督を務めるなど、その活躍はますます多面化するばかりである。
1981年から2020年までミュージックカレッジ・メーザーハウスの音楽理論、作・編曲、ピアノ部門主幹講師。1993年、「ジャンル、技量にかかわらず、誰でも参加できる即興演奏」を目指すワークショップ【Randooga】を開始、フリー・インプロヴィゼイションへの簡潔なアプローチ法を提唱している。



Latest Album

41mDuybcH5L._AC_200.jpg

Title : 『Palladium Explosive』
Artist : 佐藤允彦
LABEL : LEZARD by F.S.L.
RELEASE : 2024年11月20日



アマゾン詳細ページへ


【SONG LIST】
01.Palladium-Explosive
02.Salamander
03.Distant Shimmer
04.Epistrophy
05.Lazy Spring
06.Moth Ball
07.Inspired by Habanera
08.Inspired by Pavane
09.Bamboo Shoots
10.風紋





MFJ400.jpg


【KKBOX Podcast「My First Jazz」】
JJazz.Netとの連動によるオリジナルコンテンツ。
ジャズ・ミュージシャン本人の音声コメントをお届けしています。
KKBOX Podcast


KKBOX
500以上のメジャー・ローカル音楽レーベル様や権利者様と提携し、9,000万曲の楽曲を配信。
なかでも世界最大数を誇るC-POPを取り揃えているアジア大手の音楽聴き放題サービス。
2022年より日本でも音声コンテンツ/ポッドキャストの提供がスタート!


アーカイブ