Title : 『Mingus Ah Um』
Artist : Charles Mingus
ジャズ・トロンボーン奏者の治田七海です。
私のMy First Jazz、おすすめのジャズアルバムは、Charles Mingus のアルバム『Mingus Ah Um』です。
これは私が中学生の頃に先輩に連れていってもらった早稲田にあるナッティというジャズ喫茶で流れていて知ったアルバムです。
その喫茶店は私語厳禁で、爆音でジャズがかかっているという昔ながらのジャズを楽しむお店でした。そんな爆音で流れるミンガスの音楽に、私は全身の血が吹き立つのを感じて腰が抜けそうになりまして、一気に魅力に取り込まれました。
それまでのジャズのサウンドをベースに置きつつ、彼の音楽を前面に押し出してこんなにも新しいサウンドを創ることができるのかと、ひどく驚いたのを覚えています。
一曲の中で数えきれないほどの出来事が起こっているのに、決して雑多に聴こえない、オルガナイズされたミンガスの音楽。そして彼のリーダーシップには脱帽です。
また、ユニソンの美しさやトロンボーンの楽器の可能性を教えてくれたのもこのアルバムです。
「Fables Of Faubus」という曲は、彼が人種差別に反対してそれを表明するためにレコーディングして発表した曲だそうです。音楽の持つ力を信じて、音楽を通して、間違っていることを間違っていると表現したミンガスはかっこいいなと思います。
いたるところに散らばる彼のセンスと美しい作曲とアレンジ、そしてバンドサウンドをぜひ皆さんにも楽しんでいただきたいです!
治田七海

ジャズ界期待の新星トロンボーン奏者 治田七海 待望のアメリカ・デビュー作!
17歳でSeiko Summer Jazz Camp最優秀賞に輝いた札幌出身の治田七海はコロナが収束した2023年にMichigan State University に特待生として留学。それからわずか1年半の間に今や全米が注目するトロンボーン奏者として数々のコンテストに優勝するなど大活躍をしている。その彼女がいよいよアメリカ・デビューを飾る。
治田七海
2001年生まれ、北海道出身。8歳の時、通っていた小学校の金管バンドでトロンボーンに出会う。中学生になると札幌を中心にライヴ活動をスタート。17歳で「Seiko Summer Jazz Camp 2019」に参加し、Most Outstanding Student Award(最優秀賞)を受賞する。2022年11月、1st作品『II』(MUSIC STYLIST)でアルバム・デビュー。2023年夏から、ミシガン州立大学に特待生として留学。ヤマハ・ヤング・パフォーミング・アーティスト賞、ミシガン・ジャズ・フェスティバル賞、カール・フォンタナ・ジャズ・トロンボーン・ソリスト・コンペティション優勝、そしてカイ・ワインディング・ジャズ・トロンボーン・アンサンブル・コンペティションで優勝したディーズ率いるアンサンブルの一員としての栄誉を獲得し続けている。 現在は大学生活とともにミシガン州を拠点にライヴ活動を精力的に展開している。
https://ameblo.jp/atomu-08-28/
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