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THE BRAND NEW HEAVIES インタビュー

今年はACID JAZZ RECORDSの25周年。
それに合わせたかのようにインコグニートのブルーイが初のソロ作を出し、6/19には、omarが新作を発表、
そして同じくアシッド・ジャズ黎明期からシーンを支えたTHE BRAND NEW HEAVIESも、
5月に黄金期のヴォーカリスト、エンディア・ダベンポートを迎えた約7年振りとなる新作『Forward』をリリース!

そんなTHE BRAND NEW HEAVIESが先日来日。
DJ KAWASAKIさんの番組「WHISKY MODE」の為、短い滞在期間にも関わらず、
ウイスキー好きのサイモン(g)とアンドリュー(b)が快く取材を受けてくれました。

次回の「WHISKY MODE」(6/19-7/17)で生声はお届けするとして、
彼らとの貴重なインタビューをご紹介します。

[JJazz.Net 岡村誠樹]


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【THE BRAND NEW HEAVIESインタビュー】

■Q. 日本は久しぶりですか?また日本で楽しみにしている事は何ですか?

[アンドリュー]
2011年11月のBillboard Liveで来たのが最後です。だからすごく久々ではないですね。フライトが非常に長くて日本に到着するまで時間がかかるけれども本当に日本は大好きで、デザインやお客さんのエネルギーが最高にいいので毎回楽しみにしています。

[サイモン]
日本と僕らのバンドの間には 確実に恋愛関係みたいなものがあって毎回楽しみにしています。そしてお店の名前がおかしい(笑)。すごい不思議な名前のお店とかがあって、それがいつも笑わせてくれる。あと、夜が明るい。渋谷とか昼間みたいなのでいつも驚きです。




■Q. 2013年はACID JAZZ RECORDSの25周年。TBNHが当時から意識していた事とは?

[サイモン]
特に最初からゴールを作っていたわけではなく、こんなふうにやろうとしていた意図はなかった。
本当に好きな音楽をただ演奏していただけで、近所に小さいクラブがあって、そこがファンクミュージックをたくさんかけていて、今はわりとよくどこでも聴くけど、当時ファンキーな音楽をかけてるクラブは非常に珍しかった。

それは当時レア・グルーヴって言われていた音楽なんだけれども、その音がすごく好きで、それを「皆でやろうぜ」って言って、ただやってきただけ。

その当時から今も変わらず「やりたいこと」、「やるべきこと」をやって進んできただけで、アメリカの音楽の影響を受けながら、僕らは音楽という名前の海みたいな広いところに、ポツンと一滴おちたような存在だと思っています。一歩一歩進んできたから30年間近くもやってこれたんだと思う。

[アンドリュー]
そう。僕らは本当に好きな事をやろうよ、と言ってやってきただけで、レコード会社との契約を狙っていたわけではない。もともと彫刻家やアーティストになりたかったし。

例えば短編のフィルムを撮ったり、映像作家になりたいと考えていたので、音楽をやろうと思っていなかったんだ。でも、計画せずともここまで来れた事は非常にラッキーだと思っています。




Q. あの当時と決定的に違うのはインターネットの存在。TBNHにとってインターネットの存在は大きいですか?またメリットを感じていますか?

[サイモン]
まず最初にこの質問してくれてありがとう。これまでに、「25年前と今ではどういう風に音楽業界は変わりましたか?」って質問がやたらとくるんだけど、そう言っても「インターネット」としか言い様がないから、そこをすっとばして「インターネットがあることについてどう思う?」と質問してくれたことに感謝します。

とにかく革命だと思うし、素晴らしいことだと思う。誰でもチャンスがあって自分の作った音楽を、より広くの人達に配信できて、人の心を動かせることが出来るというのは本当に素晴らしいことだと思う。

でも逆に言うとロック・スターがいないよね。それが良い悪いじゃなくて、いわゆるスターと言われるアーティストの寿命がすごく短くなったよね。

[アンドリュー]
そう、スターの寿命が短いぶん、しょっちゅう出さないと困る(笑)。僕らも年に1枚くらいのペースでアルバムを出して行かないといけないかもしれない。とにかく速くて情報量がものすごく多いから。でも良い悪いは別として、音楽は重音符が鳴っているだけのものだからね。

メリットは"あまりお金がかからない"という事。すべてがデジタルになることによって、以前だったらレコード会社のヘルプがなければアルバムが作れないという事があったけれど、今はプロモーションやアルバム制作に実際お金がなくても、レコード会社がいなくても、作品が作れるという意味では非常に大きなメリットだね。




Q. スタジオ・アルバムとしては7年振りとなる新作『Forward』をリリースされましたが、コンセプトやテーマについて教えて下さい。

[アンドリュー]
とにかく早く終わらせたかった(笑)。この前のリリースが2006年で、そこから7年経ってるし。ただ、音楽的にどうこうしようっていうのはなくて、TBNHらしい音というのは既に出来上がっていて、ドラムがたくさん入っていて、ベースがあって・・・。アガるようなバイブスを持った、いわゆるTBNHサウンドがあるからそれらをとにかくまとめて、"アルバムとして終わらせる"ということに、とにかくフォーカスしました。

[サイモン]
そしてしばらくの間、スタッフを全員入れ替えてたんだ。ビジネスサイドのトラブルがいくつかあって、前の前のマネージャーらにはひどく傷つけられた。
そういうことにメンバーがフォーカスしなければいけない状況があって、しばらく音楽のほうに集中できなかったんだ。
やっと(ダメなマネーシャーがやめたところに)今のマネージャーが見つかって、音楽に集中しようよ、というところでアルバム制作が始まったんだよ。

[アンドリュー]
アルバムの制作を始めてから全ての曲ができたわけではなくて、ものによっては10年前に作って寝かせてあった曲をもう一度引っ張りだして作り直したものもあるので、ここ10年くらいから遡って、これまでの日記(経験)をひとつひとつまとめていったようなアルバムだと思うよ。

[サイモン]
レヴューとかを見ると「最高傑作」と言われているみたいで、それは嬉しいけれど僕らにとってはそういう感じでもなく一つ一つの事にベストを尽くしていったんだ。

[アンドリュー]
インプロヴィゼーションがライブでも多いから、1回ギグをやることで新しい曲がどんどん出来ていくから、素材としてはもう5,000曲くらいあるんじゃないかな。
だからコンセプチュアルというよりは、「とにかくまとめよう」、「早く終わらせよう」、というのが今回の作品かな。




Q. 最後に今後の予定、そして(予定されている新作)『Heavy Rhyme Experience vol.2』についても教えて下さい。

[サイモン]
とりあえずこのアルバムのプロモーションとツアーを、戻ってからもやると思います。ツアーも既に1年先まで決まっているわけじゃないから、何か予定がきたり、ギグがくればツアーをやっていく予定です。

『Heavy Rhyme Experience vol.2』の話も確かにあるんだけど、ビジネス方面だとか、色んなアーティストが関わるから契約が大変なんだよね・・・。

でも、ヒップホップとライブミュージックを融合させたのは僕らが最初と言えると思うので、それ以前にも何人かのアーティストはいたけれど、いわゆるラッパーの人たちと生音を合わせたのは僕らが初だから、それに関しては胸を張ってもいいんじゃないかな。

『Heavy Rhyme Experience vol.2』のアイデアはいくつかあるけれど、アメリカでしかできないとずっと思っているというのはひとつある。ニューヨークに行って一週間くらいでババっと、やれたらいいんだけど、それまでの準備がとても大変なんだよね。

アイデアでいうと、この前アメリカでレコード屋に行った時、そこで流していたビデオをみたら日本のラッパーがMCバトルをやってて、あ、別にアメリカ人じゃなくてもいいんだ。と思って。
ラッパーってどこにでもいるし、ヨーロッパ・バージョンやドイツ・バージョン、そしてアジアバージョンの作品も作れるかもしれないね、という話はしていたんだよね。

[アンドリュー]
ひとつやらなきゃいけないのは純粋な(完璧な)ファンクのアルバムを作りたい。僕らが本当に好きな曲だけを、誰のこととかも考えずに、こうやったら売れるとか商業的なことも一切考えずに、ボーカルも入れずに楽器だけでやりたいよね。って話をしていたんだ。

よくサウンド・チェックやリハの時に、ただ楽器をかき鳴らして音を作るんだけど、ああいうジャム・セッションみたいのを一度ちゃんと録ってアルバムにしてみようか?というアイデアはある。

もしそれを録ったらインストゥルメンタルのバージョンを一枚作って、そこに日本人とか他の国のラップを絡ませてダブル・アルバムにしちゃったら面白いかもね。


ありがとうございました。




【The Brand New Heavies feat N'Dea Davenport - Sunlight (official video)】

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『Forward / THE BRAND NEW HEAVIES』

Forward


Forward / THE BRAND NEW HEAVIES

リリース:2013年5月8日
P-VINE
製品番号:PCD93686

黄金期のヴォーカリスト、エンディア・ダベンポートを迎え、ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズが新作アルバムを完成! ロンドン発、アシッド・ジャズの先駆者にして90 年代のアメリカのR&B シーンでも世界的ヒットを飛ばしたザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ。「ネヴァー・ストップ」、「ドリーム・オン・ドリーマー」、「ユー・アー・ザ・ユニバース」など黄金時代の名曲を思い起こさずに入られない内容の新作アルバムが遂に完成!あのエンディア・ダベンポートもヴォーカルに復帰し、"あの頃感"満載の1 枚に!当時聴いていたリスナーには期待を裏切らない作品であり、当時を知らない若いリスナーには新鮮に響く素晴らしい作品が誕生!!あらためて音楽の素晴らしさ、楽しさを教えてくれる1 枚です!!


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【THE BRAND NEW HEAVIES】

ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズは過去20 年間に渡ってジャズ、ファンク、ソウルのような様々な音楽をブレンドし、世界中のダンス・ミュージックシーンに多大な影響を与えてきた。結成当時からメンバーは変わらない。ヤン・キンケード、(ドラム/ キーボード)、サイモン・バーソロミュー(ギター)、アンドリュー・レヴィ(ベース)の3 人からなる。彼らの音楽はシーン自体に影響を与え、「アシッド・ジャズ」と呼ばれるようになった。バンド名ははソウルのゴッドファザーにして「ミニスター・オブ・ニュー・スーパー・ヘヴィー・ファンク」ことジェイムス・ブラウンへのオマージュである。1988 年に「Got To Give」でCooltempo というレーベルからデビュー。まだアシッド・ジャズレーベルと契約を結んで『ブラン・ニュー・ヘヴィーズ』をリリースする前だった。その後アメリカ人のシンガー、エンディア・ダベンポートと出会う。ユーリズミックスのデイヴ・スチュワートはエンディアにソロアルバムの契約を提示したが、彼女はこのオファーを断り、ブラン・ニュー・ヘヴィーズと繋がった。これが彼らの黄金時代の始まりである。デビュー・アルバムは、エンディアのヴォーカルを追加して1992 年に全世界で再発された。「ネヴァー・ストップ」、「ステイ・ディス・ウェイ」、「ドリーム・カム・トゥルー」など大ヒット曲が収録されていた。その後、ヒップホップのラッパーを迎えた『ヘヴィー・ライム・エクスペリエンス:ヴォリューム1』、をリリース。94 年のアルバム『ブラザー・シスター』の後、エンディアはバンドを離脱。97 年にはアルバム『シェルター』を発表。ライブ盤、リミックス盤など多くのアルバムをリリース。そして2013 年に満を持してエンディア・ダベンポートを再び迎え入れ新作アルバム『フォワード』をリリース!


レーベルサイト(P-VINE)


THE BRAND NEW HEAVIES Official Site

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