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「ウタウピアノ #1」のリリースパーティー「MY FAVORITE SOUL」@BATICA:ライブ情報 / LIVE INFO

ピアニスト/プロデューサーのSWING-O さん主催の隔月ソウルイベント「My Favorite Soul」。
次回(6/8)はSWING-OさんがナビゲートするJJazz.Netの番組
「RADIO CST ウタウピアノ」のリスナープレゼント用に作ったCD、
『ウタウピアノ #1』のリリースパーティーとして開催決定!

この日は、番組第一回目に出演してくれた木村イオリさん(bohemianvoodoo)と、
5/24~の放送回のゲスト、ブギウギ系のピアニスト荒井伝太さんも出演!
CASIO Sound Traditionクルーも参加するのでかなり楽しめそうです。
また非売品のこのCD『ウタウピアノ #1』を手に入れるチャンスもあるとか。

チルできる平日夜の理想的な音楽空間を是非ご堪能下さい。

■Radio CST ウタウピアノ Powered by CASIO 好評OA中
http://www.jjazz.net/programs/casio/


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【"MY FAVORITE SOUL"
bpm under100 -soul,hiphop,jazz-】
Powerd by CASIO Sound Tradition

SWING-O主催の隔月ソウルイベント それがMy Favorite Soul
全てのDJがBPM100以下で選曲するその空間は
熱すぎずラウンジ過ぎない、まさに平日夜の理想的な音楽空間
毎回豪華なゲストを迎えてのライブ
そしてゲストを交えたSWING-Oが仕切るセッションはその日限りの贅沢な時間
今回はSWING-Oがナビゲートするネットラジオ番組
「ウタウピアノ」のリスナープレゼント用に作ったCD
「ウタウピアノ #1」のリリースパーティーということになりました
ゲストにはそのCDにもSWING-Oとの連弾が収められている木村イオリ
個人的に久々の再会になるブギウギ系のピアニスト荒井伝太
そんな2人のピアニストをお迎えするピアノ三昧な1日となります
ライブを終電前に
オープンマイクなジャムセッションを深夜に用意しております
平日の夜をお好みに合わせて濃厚にお過ごしくださいませ!!!



【タイトル】
"MY FAVORITE SOUL"

【日時】
2017/06/08 (木) OPEN 21:00-all nite

【場所】
BATICA(恵比寿)
http://www.batica.jp/

【出演】
■Special Pianist Guest
荒井伝太
https://bonniebeat.jimdo.com/biography/
木村イオリ
http://www.iorikimura.com/

■Resident DJs:
SWING-O
ROCK-Tee(Woody-Wood Studio)
横山龍助(Rare Drops)
DJ bara(peanuts pro.)
BEat-taku-around(来音食堂)
DJ TATSUTA
NELLO(月歩-Gheppo)
君嶋麻里江
二宮純一(Speacloud)
米元美彦
CHICK-D
Luiger
Satoshi Fukuda(福田録音)
and more...

■Live Paint:KIO(optimystik) and WAIFone

【料金】
charge 2,000yen

【イベント詳細】(BATICA)

菊地成孔 ダブ・セプテット 2017.6.3.sat. - 6.4.sun.@Motion Blue YOKOHAMA :ライブ情報 / LIVE INFO

名うてのプレイヤーの演奏をパードンさんによるダブで聴かせるという
斬新なポスト・モダン・ジャズバンド、菊地成孔 ダブ・セプテット。

なんと今回の2DAYSをもって無期限の活動休止と突如発表されました。
菊地さんのHPによるとこの2DAYSは、4ステージ総て同じセットリストではなく、
2ステージ1セットの2デイズとなり最後に相応しいスペシャルな内容になるとのこと。

このライブでダブセプテットは見納め、彼らの最後の勇姿をぜひお見逃しなく!


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【菊地成孔 ダブ・セプテット】

サックス奏者としてUA、カヒミカリイ、JUJUといったヴォーカリストから、山下洋輔(p)まで幅広い共演歴を誇る菊地成孔。音楽活動においてはもちろん、文学から映画、プロレス、ファッションまでを網羅するクロスカルチャルな著作、発言で常に様々な分野から注目を集めてきた。これまでも"スパンクハッピー"、"DCPRG"、"ペペ トルメント アスカラール"などのサウンドでシーンを賑わせてきた彼が、アコースティック・ジャズ+ダブ・エンジニアというユニークな音楽性でリスナーを刺激し続ける"ダブ・セプテット"名義で登場。「作曲家としても高名なジャズ・ミュージシャンの、過去ほとんどカヴァーされなかった奇形的で美しい50年代式未来派サウンドを再演」することをコンセプトにした同ユニット。現代のテクノロジーと融合した"ポスト・モダン・ジャズ"がどのように響くか、あなたの耳で確かめてほしい。


[Trailer] 菊地成孔 ダブ・セプテット : 2017/6/3 - 6/4 @Motion Blue yokohama



【TITLE】
菊地成孔 ダブ・セプテット

【DATE & SHOWTIMES】
2017.6.3.sat. - 6.4.sun.
■6.3.sat.
[1st] open_3:30pm / showtime_4:45pm
[2nd] open_6:30pm / showtime_7:45pm

■6.4.sun.
[1st] open_3:00pm / showtime_4:15pm
[2nd] open_6:00pm / showtime_7:15pm

※両日ともに入替制の公演となります。
※予約受付順に整理番号を発行します。

【MEMBER】
菊地成孔(sax)、類家心平(tp)、駒野逸美(tb)
坪口昌恭(p,kaoss pad)、鈴木正人(b)、本田珠也(ds)
パードン木村(real time dub effects)

【MUSIC CHARGE】
自由席 ¥6,500(税込)
BOX席 ¥26,000+シート・チャージ ¥6,000 (4名様までご利用可能)
※BOX席はインターネットからのみご予約いただけます。

【PLACE】
Motion Blue YOKOHAMA
〒231-0001
横浜市中区新港一丁目1番2号 横浜赤レンガ倉庫2号館3F
URL: http://www.motionblue.co.jp/about/access/
みなとみらい線「馬車道駅」6番出口より徒歩約6分。


電話でのご予約(11:00am-9:00pm)
045-226-1919


【公演詳細】

Monthly Disc Review2017.5.15:Monthly Disc Review

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Title : 『incomplete voices』
Artist : 橋爪亮督グループ



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橋爪亮督グループの久しぶりの新作。2012年の『ACOUSTIC FLUID』から不動のメンバーは、橋爪亮督(ts, ss)、市野元彦(g)、佐藤浩一(pf)、織原良次(b)、橋本学(ds)。彼らの特徴はなんといっても橋爪の作曲と演奏の透明感、そして完璧にコントロールされた音量で作られるハーモニー感覚だ。


このグループにしては珍しく、リズムとリフ的なコードワークが目を引く一曲目「Still」からアルバムはスタート。そこから繋がる「One Time Dream」や「Synesthesia」はいかにもこのバンドらしいサウンド。橋爪のサックスと市野のギター、そして佐藤の右手は、お互いがお互いの影になるようにうっすらと重なりあう。織原のベースはベースラインというよりも、一つのメロディラインを奏でているよう。主旋律と伴奏という構造ではなく、全員のメロディラインがポリフォニー的に重なりあっていく構造はこのバンドの最大の持ち味だ。
この構造はアンサンブル全体の協調を際立たせるだけでなく、「Line」のように比較的フリーな楽曲では自由度の高い対話へと姿を変える。全員がぴったりとそろうよりも、むしろ微細なずれが混ざることでリズムが動物的にうねっていく。

アルバムの中で印象的だったのは、決して全力で叩くことはなく、常に最適な音量に抑制されていながらも、残響音が消えるまでその弱音を表情豊かに響かせる佐藤のピアノ。そしてお互いの小さなサインを見逃さずに、ぴったりとよりそっていく織原と橋本のリズム隊のコンビネーションだ。アルバムを重ねるごとに橋爪のコンポジションが精美になっているように感じていくのは、メンバーが固定されている事も大きいように思う。イントロでは極めてクールな肌触りなのに、絡まり合うことでじわじわと熱を生み出していけるのは、バンドの練度のたまものだろう。


グループは今年で結成17年目。十分に日本のジャズの一側面を担うベテラングループと言ってもいいだろう。もはや「ECM的」という冠言葉は不要なほど、一つのジャンルを確立した彼らの新たな代表作となるだろう。


文:花木洸 HANAKI hikaru


橋爪亮督 Official Site


【橋爪亮督グループ『incomplete voices』試聴動画】




Recommend Disc

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Title : 『incomplete voices』
Artist : 橋爪亮督グループ
LABEL : APOLLO SOUNDS
NO : APLS1704
RELEASE : 2017.4.26



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【MEMBER】
橋爪亮督: Tenor, Soprano Saxophones
市野元彦: Guitar
佐藤浩一: Piano
織原良次: Fretless Bass
橋本 学: Drums, Percussion


【SONG LIST】
01,Still
02,One Time Dream
03,Synesthesia
04,Song Unknown
05,Line
06,初月
07,4-18
08,July


音楽ライター柳樂光隆氏による人気のムック『Jazz The New Chapter 』の第4弾が2017年3月8日に発売。今回も花木洸が選盤などを担当しています。

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■タイトル:『Jazz The New Chapter 4』
■監修:柳樂光隆
■発売日:2017年3月8日
■出版社: シンコーミュージック

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毎号重版を続ける話題のムック、第4弾が遂に登場!
今や現代の音楽シーンを左右する一大潮流となった"ジャズ"の最突端で今、何が起きているのかを、詳細なテキストと計150枚のディスク評で徹底検証。ジャズを活性化したネオソウルとの蜜月を改めて紐解く一方、ジャズを触媒として生まれた新たな潮流にも目を向け、脈打ち続けるジャズの「今」を深く掘り下げます。


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「Monthly Disc Review」アーカイブ花木 洸

2015.04 ・2015.05 ・2015.06 ・2015.07 ・2015.08 ・2015.09 ・2015.10 ・2015.11 ・2015.12 ・2016.01 ・2016.02 ・2016.03 ・2016.04 ・2016.05 ・2016.06 ・2016.07 ・2016.08 ・2016.09 ・2016.10 ・2016.11 ・2016.12 ・2017.01 ・2017.02 ・2017.03 ・2017.04




Reviewer information

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花木 洸 HANAKI hikaru

東京都出身。音楽愛好家。
幼少期にフリージャズと即興音楽を聴いて育ち、暗中模索の思春期を経てジャズへ。
2014年より柳樂光隆監修『Jazz the New Chapter』シリーズ(シンコーミュージック)
及び関西ジャズ情報誌『WAY OUT WEST』に微力ながら協力。
音楽性迷子による迷子の為の音楽ブログ"maigo-music"管理人です。

花木 洸 Twitter
maigo-music

Selim Slive Elementz LIVE @晴れたら空に豆まいて(東京・代官山):ライブ情報 / LIVE INFO

JJazz.Netの番組「Jazz Today」でいち早くライブを紹介した
ジャズ・ジャーナリスト、小川隆夫がリーダーを務める
マイルス・デイビスをオマージュしたプロジェクト、Selim Slive Elementz。

5/18(木)に東京・代官山の「晴れたら空に豆まいて」でLIVEが行われます。

"マイルスが生きていればこんな音楽をやっていたかもしれない"、
というのがバンドのコンセプト。

バンドリーダー兼ギタリスト、プロデューサーは小川隆夫。
そして同じくマイルスを愛するジャズピアニスト、
平戸祐介をミュージカルディレクター兼キーボーディストとして迎え、
元晴やcro-magnon(クロマニヨン)のメンバーなど、
ジャムバンドとして日頃腕をふるう、気鋭のミュージッシャンがメンバーに名を連ねます。

この日はライブレコーディングも実施!
ということはこの一夜が作品になるということ。
70年代の電化マイルスを彷彿させるセッションを是非体感してください。


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【Selim Slive Elementz LIVE @晴れたら空に豆まいて】

ジャズ・ジャーナリスト小川隆夫とシーンの精鋭達が"マイルス"のスピリッツを現在に伝えるスペシャル・セッション!早くも第2回目の晴れ豆公演が決定!ライブレコーディングも実施します!。


【タイトル】
Selim Slive Elementz LIVE


【日時】
2017年5月18日(木)
開場 18:30 開演19:30


【メンバー】
Selim Slive Elementz
小川隆夫 (g, producer)
平戸祐介 (key, Musical Director)
元晴 [ex.SOIL&"PIMP"SESSIONS] (sax)
栗原健 [mountain mocha kilimanjaro] (sax)
小泉P克人 (el-b)
コスガツヨシ [cro-magnon] (g)
大竹重寿 [cro-magnon] (ds)
西岡ヒデロー [Conguero Tres Hoofers] (per)


【会場】
晴れたら空に豆まいて
150-0034 東京都渋谷区代官山町20-20 モンシェリー代官山B2
URL: access
渋谷駅からお越しの場合 → 東急東横線にて1駅(各駅停車)代官山駅・正面口より徒歩30秒。


【料金】
前4,000- / 4,500- (お土産無/有) 当4,500- +1d
整理番号順入場(晴れ豆予約およびイープラス並列)


【予約】
メールでのご予約

電話でのご予約
03-5456-8880【15:00〜23:00】


【公演詳細】(晴れたら空に豆まいて)



小川隆夫 http://blog.excite.co.jp/ogawatakao/

1950年、東京生まれ。東京医科大学卒業後、81~83年のニューヨーク大学大学院留学中に、アート・ブレイキー、ウイントンとブランフォードのマルサリス兄弟などのミュージシャンをはじめ、主要なジャズ関係者と親交を深める。帰国後、整形外科医として働くかたわら、音楽(とくにジャズ)を中心にした評論、翻訳、インタヴュー、イヴェント・プロデュースを開始。レコード・プロデューサーとしても数多くの作品を制作。著書は『TALKIN' ジャズ×文学』(平野啓一郎との共著、平凡社)、『証言で綴る日本のジャズ』、『同2』(駒草出版)、『マイルス・デイヴィスが語ったすべてのこと』(河出書房新社)、『マイルス・デイヴィスの真実』(講談社+α文庫)など多数。2016年からは、マイルス・ミュージックにオマージュしたバンド、Selim Slive Elements (z)を結成。2017年にはレコーディングも予定している。

bar bossa vol.69:bar bossa

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vol.69 - お客様:石亀政宏さん(夜長茶廊)
【テーマ:これまでの人生でターニングポイントとなった10曲】



いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今月は鳥取の夜長茶廊の石亀政宏さんをゲストに迎えました。


林;いらっしゃいませ。こんばんは。早速ですがお飲み物はどうされますか?


石亀;カイピリーニャを甘めでお願いします!


林;甘めですね。かしこまりました。では簡単なプロフィールと小さい頃の音楽環境を教えていただけますでしょうか。


石亀;鳥取県中部にある倉吉市、1977年生まれです。三人兄弟の長男。
オールディーズが好きな父の影響で、昔の英語のヒット曲が好きな幼少時代でした。その中でもビートルズは確か編修盤のテープだったと思いますが、特に繰り返し聴いていたのを覚えています。「ラブミードゥ」とか、「チケットトゥザライド」とか。あとは家にあったレコード棚の中から、キャロル・キングとか、ニール・ヤングとか、ウェス・モンゴメリーとか、なんだろう? という感じで聴いていたのを覚えてます。


林;うわ、良いですねえ。最初に買ったレコードは?


石亀;こづかいを貯めて初めて買ったのはブルーハーツのシングルテープでした。A面が「電光石火」B面が「ラブレター」でした。 どっちも格好良かったなあ、擦り切れるまで聴きました。初めて買ったアルバムは、すこしうろ覚えですがパーソンズ『ノーモアティアーズ』だったと思います。


林;ブルーハーツとパーソンズ、わかります。その後は?


石亀;中学高校と陸上部に入って長距離を走っていました。高校の時に仲の良かった1つ上の先輩・島田さんがメタルやオルタナ・グランジが好きで、お互いの持ってるCDの貸し借りをしたり、ダビングテープやラジオ録音のテープや衛星放送の音楽番組のビデオを交換したりして熱心に聴いてました。

当時の鳥取には外資系のレコード店はもちろん、新星堂や山野楽器のような国内の販売店も無く。町の小さなCD屋さんの品揃えに頼るしかなかったんです。もちろんインターネットも無く。なので本当に欲しかったレッチリやニルヴァーナ、パールジャムやスマパン、ウィーザーなどのCDは殆ど手に入りません。逆に品揃えがとっても充実していたヘヴィーメタルは、メタリカやメガデスに始まり、古いのから速いのから遅くて重いのまで。日本からブラジル、北欧まで色々聴いてました。

『音楽っていろいろ有るよなあ』 と初めて思ったのはメタルがキッカケです。一口にジャンル括りしてあっても、こんなに細分化され多種多様に好みが分かれるものかと思い知らされました。なので未だに音楽ジャンルの話題になると僕は真っ先にヘヴィーメタルの事を考えます。


林;最初はメタルなんですね。意外ですが、でもメタルへの取り組み方が石亀さんらしいような。


石亀;ラジオから知る音楽も凄く貴重でした。当時特に好きだったのはNHK- FMカヒミカリィさんの「ミュージックパイロット」というラジオ。ネオアコを中心にジャズ、フレンチやブラジル音楽まで。ジョアン・ジルベルトやゲンズブールを初めて知ったのも、ファンタスティック・サムシングやアップルズ・イン・ステレオを知ったのも、このラジオがきっかけでした。 録音したテープを捨てずに未だに残しています。自分でテープ編修し始めたのもこの頃だったと記憶しています。


林;ラジオ、大きいですね。


石亀;上京し都内の大学に入り、すぐに音楽サークルに入りました。 音楽サークルと言っても演奏する訳でなく、リスニングサークルです。好きな音楽の情報交換したり、時々都内の小さなクラブを借りてイベントをしてました。新宿のジャム、下北沢のナイヤビンギやベースメントバー、池尻大橋のカヴァー、渋谷のエッジエンド、ナッツ、宙。 吉祥寺のフォースフロア。高円寺のマーブルトロン。恵比寿のエンジョイハウス、カラーズ。 沢山の場所にお世話になりました。今突然思い出したんですが、そういえば夏合宿もしました。夏、オフシーズンにスキー場の宿泊所を借り切って、全て機材を持ち込んで朝から順番でDJしたり、バーベキューをしたり、だらだらと花火をしたり。体育界ノリが無く、フラットでゆるくって、楽しかったです。
その時にサークルの枠を飛び越えて仲良くなった友人に、 現在になっても濃く繋がれている人が多く嬉しく思います。その後、音楽関連の仕事を続けている方が多い事にも、改めて考えるととっても感慨深いですね。


林;リスニングサークルってあるんですね。知りませんでした。いやあ、でも色んなお店の名前が圧巻です。ユニオンにはいつごろ?


石亀;ディスクユニオンにアルバイトで入ったのはその後のことです。 当時は【お茶の水明大前店】という名前の古いビルの3階、ジャズフロアに入社しました。レコードフロアからスタートし、何年かして新品のCDを扱うフロアに移りました。担当していたスタッフの退職がきっかけでブラジル音楽の小さなコーナーの管理を任され、聴き進めるうちにすっかりのめり込んでしまいました。

当時関連の再発シリーズが新譜として並んでいたこともあり、ムジカ・ロコムンドはもう擦り切れるくらい読み込みました。 その時廃盤になっていたタイトルは近所のジャニスで借りたりして、気になった音源を毎日夢中で聴き進めました。今ふりかえると、この時の小さなブラジルCDコーナーが、数年後から退社するまで働いた新宿本館のラテン・ブラジルフロアに移るきっかけだったと思います。


林;なるほど。


石亀;ディスクユニオンに入って強烈に感じたのは、聴けば聴くほど、知れば知るほどに裾野が広がっていく音楽の底知れない楽しさ。例えば古巣であるラテンブラジルフロアであれば、古いキューバのレコードから最新のブラジル新譜まで、どっちを向いてもまだ知らない音にあふれている事に身震いする思いでした 。

そして今まさに生まれつつある音のなんと多い事! 特にブラジル新譜のリリースタイトルの多さは凄まじいものがありました。それをお客様とシェアする事の楽しさを知りましたし、伝える事の難しさも同時に感じました。『これ良いですよね』のその先、オススメの作法のようなもの。そして、この音をまだ全く聴いた事の無い人にどう伝えれば興味を持ってもらえるだろう?と考え続ける事。すこし飛躍するようですが、今のお店をやる時に凄く役に立つ経験だったと思っています 。


林;これを読んでいる方も石亀さんの接客を覚えている方、多そうですね。お店を始めるきっかけは?


石亀;大学に入ったのをきっかけに上京しましたが、故郷の鳥取にはいつか帰るつもりでいました。帰るとして、さて仕事をどうするか?妻と2人でいつかはお店をやりたいね、と話していましたので帰鳥したタイミングで直ぐに物件探しを始めました。ずっとお店を出したいと思っていた場所をどうしてもお借りする事が出来ず頓挫。その後現在の物件と偶然巡り会うまで結局9ヶ月かかりました。


林;9ヶ月は長いですね。でも良い出会いでしたね。お店のコンセプトは?


石亀;場を拓くとして、コーヒーを出そうと決めてました。でも今のように『インドカレーの食べられる喫茶店』をしようとは思ってもいませんでした。鳥取は水が美味しいんです。野菜も米も魚もお肉も、どれも新鮮で美味しい。ということはここに住む人が、お家で食べている毎日の御飯もおいしいんです。その中で、お店として何を出せば喜んでもらえるか? とあれこれ考え、僕達2人が毎日でも食べたいインドカレーを出す事に決めました。ボツになった案だと、僕が作ったチャーハンをメニューに入れることまで考えてました。

ここに居ますという場を持てたことで思うのは、楽しく繋がってくれる人のなんと多い事。きっかけはなんでも良くって。コーヒーでも、音楽でも、インドカレーでも、それが猫でも、マラソンでも。楽しく繋がってくれた人に、できるだけ大事に答えたい。というのが4年半お店をやって素直に思うところです。


林;地震はどうでしたでしょうか。


石亀;いやあ恐ろしかったです。でもその後ビックリするくらい沢山の方に助けて頂きました。涙が出るくらい嬉しかったです。鳥取は大丈夫だろうと何故か勝手にたかをくくっていました。でも日本という小さな島国には、数多くの断層があるんですから、絶対安全な場所なんてもしかしたら無いのかも、というのが今の正直な気持ちです。その中で先の地震では幸いけがをする人も殆どおらず、これは自然に守られているのかな、とも感じました。ただ夜長茶廊のある、倉吉旧市街の古い町並みはこの数年で多少の様変わりを余儀なくされるだろうと思います。


林;これからの音楽、どうなると石亀さんは思いますか?


石亀;夜長茶廊の音楽会、という名前でアーティストを招いて何度かライヴをする機会を持てました。正直言って、僕はそれまで熱心なライヴファンでは無かったんです。ライヴアルバムより断然スタジオ録音盤が好きでした。一部のサンバの録音を除き愛聴盤も数えるほどでした。

夜長茶廊は小さなお店なので、もしPAを使っても最小限程度。 至近距離で奏でられるほぼ生音に近い音楽は、それぞれ鳥肌の立つような体験でした。その場に来て下さった方が何かを持ち帰る事が出来るような、ささやかだけれど日常に新しくリズムが出るような濃い時間。

音楽がどうなるのか?というのはとっても難しいお題ですが、アナログは必ず残ると思っています。 そこには体験が多く含まれると思うからです。


林;アナログ、残ってほしいですよね。今後はどうされる予定ですか?


石亀;コーヒーと音楽とインドカレーのお店、夜長茶廊。 今後は音楽について楽しみを増やそうと思っています!


林;期待しております。それではみんなが待っている選曲なのですが、まずテーマをいただけますでしょうか。


石亀;「これまでの人生でターニングポイントとなった10曲」です。


林;おお、面白そうですね。


01. Weezer - Undone -- The Sweater Song



石亀;有島博志さんのグランジ特集のラジオで『Buddy Holly』を聴いたのがきっかけでウィーザーを知りました。高3の冬、大学受験の宿代を浮かせて広島駅前のヴァージンメガストアでファーストを購入。 何てちょうどいい僕のための音楽を発見したんだろう、と思ったのを覚えています。うーん、はずかしいですね!


林;「何てちょうどいい僕のための音楽」って素晴らしいフレーズですね。僕もいつか使わせてください(笑)


02. The Apples In Stereo - Tidal Wave



石亀;他のサークルの熱の入った新入生勧誘合戦を尻目に、ポータブルのプレーヤーでやる気無くアップルズや、かせきさいだぁの7インチのレコードをかけていたのが印象的で、"ラヴドルフィン" と言う名前のリスニングサークルに入りました。 現在は屋久島にて【一湊珈琲焙煎所】を営む高田さんは、サークルの創設メンバーで2つ上の先輩です。


林;屋久島でそんなお店があるんですね。これは興味津々です。


03. Nina Simone - Little Girl Blue



石亀;沢山コンピレーションを聴きました。ジャズだとJazz Juice、Blue Brake Beats、Talkin Jazz。Acid Jazzにも夢中でした。「Mood Indigo」 が欲しくて買ったニーナ・シモンのファーストでしたが、この曲が本当にショックで、数え切れないくらい繰り返し聴いたのを覚えています。モダンジャズと括られるものの幅広さも知りました。


林;うわあ、すごい良い曲ですね。明日、買います!


04. Pharaoh Sanders - Love in Us All



石亀;竹村延和さんが初期remixで紹介されてたのがきっかけで、当時ずっと探していました。レコードで手に入れたときの嬉しさは今でも覚えてます。Joe Bonnerのアタックの強いピアノは今聴いてもゾクゾクします 。


林;カッコいいですねえ。ここまで聞いてきて石亀さんの趣味が完璧に把握できました。混沌の中に光る純粋さのような感じですよね。


05. Wayne Shorter feat. Milton Nascimento - Ponta De Areia



石亀;ミルトン・ナシメントに出逢ってなければ、ブラジル音楽にここまでのめり込む事もなかったかも知れません。どこか土の匂いのする不思議な声の魅力、おおらかなスケール感。この後、クルビ・ダ・エスキーナの作品群をはじめミナスの音楽を貪るように聴きました。


林;このアルバムでブラジルに転んだ人、全世界に多そうですね。


06. Elis Regina & Tom Jobim - Aguas de Março



石亀;オリジナルテイクの圧倒的な空気感は本当にショックでした。数々のカバーがありますがチボ・マットのカバー(『SUGAR WATER EP』 SIDE B収録)は好きで良く聴いてました。この動くエリス&トムも楽しそうで良いですね!


林;今でこそ普通に感じますが、ミラクルな演奏ですよね。


07: Maria Rita - Feliz



石亀;現行のブラジル音楽に強く惹かれるきっかけに、マリア・ヒタの存在が大きかったです。彼女にピントが合った事で、気になるアーティストがキラ星のように増えて行きました。その可能性には、もう目が眩むような想いがしたのを覚えています。最新のライヴ盤も素晴らしかったです。


林;なるほどなるほど。でもこのマリア・ヒタ、可愛いですね。


08: Guinga - Cheio de Dedos



石亀;一番好きなガット奏者は?と聞かれたらギンガと答えます。参加ゲストも豪華なファーストより。こうやってリンクを探してみると以前にも増してオフィシャルで音がアップされていて正直驚いています。YouTubeあなどれないですね。


林;ああ、一番がギンガなんですね。もうすごく納得です。良いですよねえ。


09: Emilio Morales - Las perlas de tu boca



石亀;キューバ音楽にも好きな作品がどんどん増えました。 エミリオ・モラレスのアルバム『Con cierto tumbao』は上品すぎず、かといって激しすぎず、ちょうど良い塩梅で愛聴しています。


林;あの新宿のフロアは本当に日本の音楽を豊かにしていると思います。エミリオ・モラレス、チェックしてみます。


10: Paloma - Aca Seca Trío



石亀;ラテンブラジルフロアに勤めた最後の4年位(2009年~13年)、アルゼンチンから届く新譜への注目度が、急激に高まって来たのを今でも覚えています。アンドレス・ベエウサエルトのソロ作『Dos Rios』は個人的にも愛聴していて、昨年は岡山・蔭凉寺(いんりょうじ)にて遂に、アカセカトリオでもライヴを観ることができました。素晴らしい体験でした。


林;石亀さん、聞き方の筋が通ってて、すごくバランス良いですね。鳥取の方が羨ましいです。


石亀さん、今回はお忙しいところ、どうもありがとうございました。鳥取の近くにお住まいの方はもちろん、旅行で行かれる方は是非、夜長茶廊さんに行ってみてください。


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GW真っ只中ですね。休んでいますか? 良い音楽を聴いていますか? 
それではまた来月、こちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

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■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
■品番:UICZ-1646

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【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

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■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

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「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

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bar bossa information
林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

bar bossa
bar bossa
●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
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