feed markRSS
JJazz.Net Blog Title

My First Jazz Vol.72-川嶋哲郎

Title : 『Easy Living』
Artist : Sonny Rollins

41rvyv2PneL._AC_500.jpg


こんにちは。テナーサックス奏者の川嶋哲郎です。
私が最初に始めた楽器は実はピアノです。
小学校の頃はずっとピアノをやっていましたが、譜面を読むのが苦手で、、中学校に入ってからトランペットに転向しました。
ずっと吹いていたかったのですが、今度は高い音が出なくて、、出すのが大変なんですよね。その後サックスに"やむなく"転向しました。
せっかくサックスという楽器を吹くことになったので、一番すごい人を聴いてみたいなと思い、私は富山出身なのでその市に一軒だけあった「ふくろやレコード」というところで、LPを3枚、小遣いで買いました。
J. R. Monteroseと、John Coltraneと、Sonny Rollins。
中でも、Sonny Rollinsの『Easy Living』が気に入って、いつかこんな風に演奏できたらと思って過ごしていました。

この作品の一曲目に入っているのが、Stevie Wonderの「Isn't She Lovely」です。私はこの曲がとても気に入って、Sonny Rollinsっていい曲書くな~っていましたが、実はStevie Wonderの曲だったと後から分かりました。
おそらくSonny Rollinsがこの曲をとりあげたことによって、皆が演奏するスタンダードとなっていったと思っています。

ある人から聞いた話では、ジャズは難しい曲や手法が多く勉強も必要だったりするので
Sonny Rollinsの奥さんが「もう少し分かりやすく、皆が知っている曲を」という提案があったとかなかったとか。
ご自身が積極的にこの曲を選曲したかは分かりませんが、この事は、私の制作活動にも影響するほどの逸話ではあります。
自分が最高だと思って選曲・演奏する曲が、自分の良さをすべて伝えられるのか?客観的にリスナー目線で見ると違うのではないかということですね。
ロリンズ本人がひょっとしたら実験的にやってみたような演奏だとして、それを聴いた私が心から感動し、こうやって音楽を続けている。
今、制作活動をしていても、自分本位にならずに人の意見を聞きながら客観的に自分を表現出来るようにしていく。それがとても大事だと思わせてくれる素敵な作品です。
私にとってバイブルで宝物です。皆さんもぜひ聴いてみてください。

川嶋哲郎






My First Jazz

41rvyv2PneL._AC_200.jpg
Title : 『Easy Living』
Artist : Sonny Rollins
LABEL : Ojc
発売年 : 1978年



アマゾン詳細ページへ


【SONG LIST】
01.Isn't She Lovely
02.Down The Line
03.My One And Only Love
04.Arroz Con Pollo
05.Easy Living
06.Hear What I'm Saying




img_kawashima500.jpg


日本を代表するテナーサックス・プレイヤー川嶋哲郎の作曲、アレンジによるオリジナル作品集


日本を代表するテナーサックス・プレイヤー川嶋哲郎の全曲自作、編曲によるオリジナルアルバム。
「組曲エモーション」を含む全9曲、1時間は弦楽四重奏+木管アンサンブル+パーカッションによる独自の構成。
初めて香月SAYAKAのチャカ・ストリング・カルテットと組み、自身の演奏でフルート、クラリネット、バス・クラリネットをオーバーダビングした壮大なインナー・アンサンブル。
18人の木管ジャズ・オーケストラを擁した前作「ウォーター・ソング」を超えて即興演奏家としての根本を見つめる。
ソロ、デュオ、カルテット、ライブ作品など多彩なライフワークの集大成。






MFJ_蟾晏カ句憧譛・kawashima.jpg

川嶋哲郎
1966年富山県生まれ。幼少期よりピアノとトランペット、高校時代にサックスを始め、大学在学中に独学でジャズを学ぶ。
27歳の時、会社員からプロに転向し、大坂昌彦、原朋直、日野皓正、大西順子、日野元彦、綾戸智絵など日本を代表する数々の演奏家のグループに在籍した。
現在、森山威男グループ、寺井尚子との共演、フルノーツや、山下洋輔ビッグバンドの活動の他、自己のカルテット、ライフワークのソロ、デュオライブなどを精力的に行っている。
テナーサックス・ソプラノサックス、フルート奏者として、アメリカ、アフリカ、ヨーロッパ、アジア各国で多数の演奏家と共演する等、国際的にも表現の場を広げる。ジャズと様々な日本の伝統文化との融合にも尽力し、ジャズプレイヤーの枠を大きく超え日本人即興音楽家として独特な活動を続けている。
現在、洗足学園音楽大学に講師として講座を受け持つ他、Jazzlife誌にて「気ままにジャズエチュード」を連載中。
最新アルバムは「water song」に引き続き全曲自作・自編曲の、弦楽四重奏+木管アンサンブル+パーカッションによるオリジナル作品集「A WALK IN LIFE」。
https://tetsurokawashima.com/




Latest Album

img_kawashima200.jpg
Title ︓『A Walk in Life』
Artist : 川嶋哲郎
LABEL : SPACE SHOWER MUSIC
RELEASE : 2024.3.13



アマゾン詳細ページへ


【SONG LIST】
01.Dear Days
02.A Walk in Life
03.Sunrise Flight
04.Suite Emotion Desire
05.Suite Emotion Pathos
06.Suite Emotion Modulation
07.Suite Emotion Aspiration
08.Sunset Voyage
09.Llanos Wind






MFJ400.jpg


【KKBOX Podcast「My First Jazz」】
JJazz.Netとの連動によるオリジナルコンテンツ。
ジャズ・ミュージシャン本人の音声コメントをお届けしています。
KKBOX Podcast


KKBOX
500以上のメジャー・ローカル音楽レーベル様や権利者様と提携し、9,000万曲の楽曲を配信。
なかでも世界最大数を誇るC-POPを取り揃えているアジア大手の音楽聴き放題サービス。
2022年より日本でも音声コンテンツ/ポッドキャストの提供がスタート!


アーカイブ