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林正樹インタビュー ~『林正樹 STEWMAHN / Crossmodal』

Salle Gavaeuや菊地成孔とペペ・トルメントアスカラールなど、数多くのミュージシャンから引っ張りだこの人気ピアニスト林正樹。忙しくても、自分のプロジェクト活動はしっかりやっています!2008年リリースの傑作ソロアルバム『Flight for the 21st』。そしてこの度、初のリーダーバンド「林正樹 STEWMAHN」がついにアルバムをリリースします!

なんと10年前に結成されていたこのバンド。林さんのピアノを中心に、サックス、ディジュリドゥーなどあらゆる吹奏楽器を操るオーストラリア出身のアンディ・ベヴァン、ジャズのみならず邦楽界にも精通する打楽器奏者・堀越彰、クラシックからクラブミュージックまで幅広い音楽を網羅するコントラバスの西嶋徹のカルテットです。

バンド名、STEWMAHN(ストゥーマン)の名前の由来は、「シチュー(混合)」と「四柱」、そしてメンバー4人のイニシャルを組み合わせた造語だそう。トリッキーでありながら美しい旋律がそのように感じさせない林さんの楽曲。絶妙のバンドアンサンブル。多彩なトーンが詰まった作品です。


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林正樹インタビュー

■「STEWMAHN」結成から今回の1stアルバム『Crossmodal』発表まで10年の月日が経過しています。バンド結成とアルバム制作のきっかけ、経緯をそれぞれ教えてください。

STEWMAHNを結成する少し前に「Zephyr」という曲を作曲したのですが、この曲は日本人としての自分が音楽で何を表現できるのか、その当時自分の進むべき道を認識させてくれた大切な曲なんです。この「Zephyr」を表現してもらえるメンバーは、アンディ、堀越さん、西嶋さんしかいないとピンと来ました。10年前にこのメンバーの組み合わせを思いついた事は、今でも自分自身感心しています(笑)。
この曲はアレンジをたびたび変えて演奏してきましたが、今回のレコーディングでは今までのアレンジを全て忘れて、約束事なしの即興的アプローチで演奏を行いました。音源に残すタイミングは今だったんだと確信できるテイクが録れました。


■アルバムタイトルについて教えてください。

4人の音楽美意識が重なり合い、すれ違い、そしてSTEWMAHNの音楽が産まれる。そんな気持ちを込めてつけました。


■メンバーそれぞれの演奏に対する印象を教えてください。

今回は全て僕が作った楽曲を収録していますが、メンバー全員が楽曲を大切に考えて演奏してくれているのを実感しています。曲に込めた世界観は崩さず、だけど最大限に広げてくれる。
アンディは僕のわがままを聞いてくれて、とてもサックス、フルート、ディジュリドゥーなどなどたくさんの楽器を持ち替えて演奏してもらっているし、ベースの西嶋さんにはバイオリンも弾いてもらっています。僕が考えるトリッキーなリズムパターンも見事に昇華してしまう堀越さん。独自の美しい音色をもった素晴らしい演奏家たちです。


■このバンドのために作った楽曲はありますか?その場合、どのようなことを考えて作りましたか?

はい、あります。STEWMAHNの場合は、アンディが持ち替える特殊な楽器をイメージして作曲する場合が多いです。例えばアンディが持っているハーモニックフルートと呼ばれる創作楽器、これはCの倍音列をコントロールして演奏される楽器なのですが、この楽器をうまく利用するために考えて作った「STEWMAHN」。バンドのテーマソングみたいになっています。オーストラリアのアボリジニの楽器、ディジュリドゥー、この楽器をイメージして作った曲「ROBOTMAHN」などがあります。
そういえばアンディは日本で活動する唯一のオーストラリア出身ディジュリドゥー奏者なんですよ。


■今一番気に入っているピアニストとその理由を教えてください。

僕の中の3大ピアニスト、Bobo Stenson, Keith Jarrett, Egbert Gismonti この3人は不動ですが、最近はブラジルのAndre Mehmari もよく聞きます。マルチインストゥルメンタルプレイヤーでもあり、僕と違って音楽の素養がもの凄い高い。ジスモンチからブラジルの土着性を薄めた感じというと聞こえは悪いかもしれませんが、作曲センスを含めとても好きです。同世代なので特に刺激を受けますね。4月に来日するみたいです。


■「STEWMAHN」をはじめ、今後の活動について教えてください。

まずは3月4日南青山マンダラでのCD発売記念ライブを皮切りに、水戸、静岡、名古屋、京都、大阪、敦賀へのツアーも行います。
STEWMAHN以外だと、年内にソロピアノ2作目のレコーディングが出来ればいいなと思っています。ソロのレパートリーも増えて来ました。
後はたびたび共演させてもらってるピアニスト田中信正さんとの活動(JJazz.Net「Jazz Today」で3/9よりご紹介!)も形に残せたらいいなと思っています。応援よろしくお願いします!

[Interview:樋口亨]


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『Crossmodal』予告 ムービー



のびやかで、おおらかで、繊細で、そして強靱。
林正樹のつくりだす音楽には、朝の日差しをいっぱいに浴びた大草原がよく似合う。
村井康司(音楽評論家)



■タイトル:『Crossmodal』
■アーティスト:林正樹 STEWMAHN
■発売日:2011年3月14日(月)
■レーベル:エアプレーンレーベル
■カタログ番号:APX1006
■価格:2,500円(税込)


林正樹 プロフィール】

1978年12月東京生まれ。
5才よりピアノを始め、中学入学後ポピュラー音楽に目覚め、独学で音楽理論の勉強を始める。
その後、佐藤允彦、大徳俊幸、国府弘子らに師事し、ピアノ、作曲、編曲などを学ぶ。
97年12月に、民謡歌手の伊藤多喜雄のバンドで南米ツアー、国内ツアーに参加し、プロ活動を始める。
現在は自作曲を中心に演奏するソロピアノでの活動や、自己のカルテット「STEWMAHN」、さがゆきとの「KOKOPELLI」の他に「West/Rock/Woods」「Salle Gaveau」「菊地成孔&ペペ・トルメントアスカラール」「クアトロシエントス」ピアノトリオ「宴」「エリック宮城 EM Band」「SPICK & SPIN」「Archaic」など多数のバンドに在籍中。
サーカス、長谷川きよし、古澤巌、小松亮太、中西俊博、伊藤君子、ROLLY、川井郁子、中川英二郎をはじめ、多方面のアーティストと共演。
最近では韓国人のチェリスト、ソン・ヨンフンと「クアトロシエンス」との韓国、香港でのコンサートや、「Salle Gaveau」のヨーロッパツアーなど活動の場所を国外にも広げている。
リーダー及び参加アルバムも多数あり、自己のユニットで聴かれるその作曲、編曲能力はジャンルを超え各界で高く評価されている。
2008年4月にオリジナル曲を集めた初のピアノソロアルバム『Flight for the 21st』を発売。
2009年NHK「ドキュメント20min」のテーマ音楽を担当。
2011年3月に「林正樹STEWMAHN」の1stアルバム『Crossmodal』をリリース。


CD発売記念ライブツアー

3月4日(金) 南青山MANDALA 03-5474-0411
開場18時30分 開演19時30分 3,800円(1ドリンク付)

3月6日(日) 水戸 自由が丘スタヂオ 029-221-5538
開場18時30分 開演19時30分 3,000円

3月31日(木) 静岡 Lifetime 054-250-0131
開場18時30分 開演19時30分 前売3,000円(1ドリンク付) 当日3,500円

4月1日(金) 名古屋Jazz inn LOVELY 052-951-6085
開場18時00分 開演19時30分 4,000円

4月2日(土) 大阪 浄願寺(大阪市旭区今市) 06-6951-2598
開場17時30分 開演18時00分

4月3日(日) 京都RAG 075-241-0446
開場18時00分 開演19時00分 前売3,500円 当日4,000円

4月4日(月) 福井県敦賀 cafe キトテノワ 0770-21-0220
開場18時30分 開演19時00分 3,000円

5月8日(日) 柏 Studio wuu 04-7164-9651
開場18時00分 開演19時00分 前売/予約3,000円 当日3,500円
4月4日(月) 福井県敦賀 cafe キトテノワ 0770-21-0220
開場18時30分 開演19時00分 3,000円

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