Title : 『Rothko Chapel - Morton Feldman/Erik Satie/John Cage』
Artist : KIM KASHKASHIAN, SARAH ROTHENBERG, STEVEN SCHICK, HOUSTON CHAMBER CHOIR, ROBERT SIMPSON
いわゆる現代音楽の入口を探して、
ペルトやライヒに手を伸ばして耳を傾ける。
ジャズやポップスに慣れ親しんだ身としては、
その未体験の音楽に胸の奥の方がザワザワとする。
少しだけ奥に足を踏み入れては立ち止まり、また探り探り歩みを進める。
まだ100%の信頼を置いていないけれども、なんだか気になる。
今のところ、現代音楽との付き合い方はそんな感じだ。
自分の中にそれらの居場所が定まっていないが故に得られる快感、
というようなものを求めての行為だろうか。
この「ROTHKO CHAPEL」も、そんな快感を求めて手に取ってみた。
抽象画家マークロスコの壁画に囲まれ、すべての宗教に開かれ、
祈り、瞑想、対話の空間として設計建築されたという
ロスコ・チャペルの完成式の為に書かれた「ROTHKO CHAPEL」。
約26分に及ぶこの曲は、確実に我々を瞑想状態に誘う。
実際にロスコの作品に囲まれたチャペルの空間を体感し、
そして、祈り、瞑想するには
ヒューストンまで行かなくてはならないのだが、
フェルドマンによって書かれたこの音楽によって、
間違いなく疑似体験が可能だ。
何を祈り、瞑想し、対話をするかは、
個々にゆだねられているものだろうけれども、
残念ながら、祈りと、瞑想と、対話が必要な時代であることを
感じずにはいられない日々だ。
ロスコや、フェルドマン、サティ、ケージという名に惹かれ
手に取ったアルバムだが、
今、「ROTHKO CHAPEL」を聞くことは、
何か大きな意味があるような気がする。
世界は、祈りと、瞑想と、対話を必要としている。
文:平井康二
●Rothko Chapel(ECM)
Recommend Disc |
![]() Title : 『Rothko Chapel - Morton Feldman/Erik Satie/John Cage』
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・2015.4.1 ・2015.5.1 ・2015.6.1 ・2015.7.1 ・2015.8.1 ・2015.9.1 ・2015.10.1 ・2015.11.1
Reviewer information |
![]() 平井康二(cafeイカニカ オーナー) 1967年生まれ。レコード会社、音楽プロダクション、 |
cafeイカニカ
●住所/東京都世田谷区等々力6-40-7 |