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坪口昌恭(Ortance)メールインタビュー

拡張し、混在するジャズのイメージをとらえるライブシリーズ「Jazz Today」。
今回はエレクトロ・ジャズユニット"東京ザヴィヌルバッハ"を主宰する鍵盤奏者、
坪口昌恭が2018年春に結成した新バンド、"Ortance(オルタンス)"のLIVEをご紹介しています。

【JazzToday - Ortance(坪口昌恭/ 西田修大/大井一彌)LIVE】
放送期間:2018年9月12日(17:00)-2018年10月10日(17:00)
https://www.jjazz.net/programs/toshiba-jazztoday/

Ortance3Men600.jpg

フィールドの異なる2人の気鋭ミュージシャン、ギタリスト、西田修大(吉田ヨウヘイGroup/石若駿SongBookバンド)とドラマー、大井一彌(yahyel /DATS)を迎え、この春始動したOrtance。

まだ作品のリリースはないものの、非常に興味深いこのバンドについて、坪口昌恭さんにメールインタビューしました。


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【坪口昌恭(Ortance) メールインタビュー】


■バンド名"Ortance(オルタンス)"とは?

[坪口昌恭]
画家ポール・セザンヌが大好きで、その奥さんの名前でもあります。フランス語の表記は本来「Hortense」なのですが、発音しやすい造語にしました。もちろんアジサイのことでもあり、花びらかと思いきやガク(萼)であるという特異性を含んだ、女性的で華のあるネーミングにしたかったのです。


■この3人が出会ったきっかけ?バンドを組むことになったいきさつについて教えてください。

[坪口昌恭]
私が全面的に参加してきたRM jazz legacyのリーダー、ベーシスト/プロデューサー守家巧の別セッションで、西田修大、大井一彌と同時に出逢いました。その後大井とは守家巧ソロのレコーディングでも共演。
私をはじめ、西田と大井もそれ以外での共演歴はなく、つまり三人とも微妙に異なるフィールドで活動してきたことが、むしろチャンスだと思いました。異なるルーツを持ちながらも音楽や表現に対するストイックな共通の美意識を確信できたため、結成に至りました。


■(今回番組でお送りしているライブでは)John Coltraneを叔父に持ち、ポストJ Dillaと言わしめるビートセンスを持つLAのミュージシャン、Flying Lotusの名盤『Los Angels』を曲順通りに全曲演奏されています。Flying Lotusの魅力、またカバーされた理由を教えてください。

[坪口昌恭]
Flying Lotusの魅力をいくつか挙げるなら、

・一曲が短く曲間がない。アルバム一枚で一大音絵巻のようになっている。
・様々な音素材(サンプル)が使われており、常にノイズ(サイケ)感がありざらついている。
・ドラムのビートがよれたままGrooveを構築しており、整合性の希薄なポリリズムもある。

そして、カバーする動機としては、エレクトロニカな作風でありながら楽音としてのコード感、メロディにも魅力があること。特に『LA』では驚いたことに12音全てのトーナルが登場し、それも曲が変わる時にはほとんど別のキーに入れ替わるということが起こっていました。
しかも聞き慣れたジャズやポップスのコードではなく、音を間引いたりズラしてあえて調性感をはっきりさせないような工夫が随所にされている。つまりジャズのノウハウでは演奏できそうにないところにこそ可能性を感じたのです。
そして、このカヴァーを経たセンスでオリジナルを作ることによって、今までの自分の作曲癖や習慣にとらわれない新しい作風を生み出すことができると確信したのです。


■今回番組「Jazz Today」でお送りしているライブの聴きどころ、こだわった点などあれば教えてください。

[坪口昌恭]
まずはアルバム『LA』をくそまじめに曲順通り全曲演奏していること。スタジオワーク作品をライブ再現するということで、全く同じ質感にはならないけれど、その分、シンセベースと上物を坪口一人で演奏することのシンクロ性と有機的なディレクション、西田のロックフィールに基づいた楽音とノイズの中間的アプローチ、大井の抜き差しセンス抜群でゴーストノートを廃したストイックなドラミングが、この三人以外では起こりえないであろうサウンドスケープを描くことに成功していると思います。

いわゆるジャズ的な醍醐味とは異なるかもしれませんが、訪れたことのない景色や抽象画を見る、もしくは自ら自由に思い描くような感覚でお楽しみ頂ければ幸いです。


ありがとうございました。


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【Ortance ▶︎ Black Morpho (comp. Masayasu Tzboguchi)】



【Ortance Live 情報】
10.1mono.jpg

【イベントタイトル】
『Harvest Parade〜初日』 ULTIMATE MUZIK?!~for instance×Ortance

【日時】
2018年10月1日(月)
OPEN19:00 /START19:30

【場所】
三軒茶屋GRAPEFRUIT MOON
http://grapefruit-moon.com/

【出演】
for instance
<Gt.白井良明/Dr.オータコージ/Dr.柏倉隆史/Ba.雲丹亀卓人/Key.コイチ> 
・Ortance
<坪口昌恭(Syn / P) 西田修大(G) 大井一彌(Ds)>
DJ 生活と欲望(KAMINARI WORKS)

【MUSIC CHARGE】
前売3,500 当日4,000 (共にDRINK別)

予約(三軒茶屋GRAPEFRUIT MOON)



OrtanceOrtense_pic600.jpg


▶"Ortance" Profile
多彩なキーボードプレイを持ち味としオルタネイティブな現代ジャズを実践してきた坪口、ギターのかっこよさとハイセンスなロックフィールをアピールする西田、ダブ・ステップ以降の音色にこだわったハイパーなドラミングでクラブを沸かせる大井という、フィールドの異なる3人が共通の美意識の元にタッグを組み、テクノをあえて人の手を介しミクスチャーミュージックとして表現することにこだわったユニット「Ortance」、2018年春始動。

Flying Lotusの「LA」全曲カバー以外は全て坪口の作曲であり、シンセサイザーに彩られたアンサンブルの中に、コアな要素としてアコースティック・ピアノのクラシカルな音構造が息づいている。

坪口が自ら担当するシンセベース、楽音だけでなくノイズエフェクトの要素が色濃い西田のギター、マシーナリーだからこその色気を醸し出す大井のドラムなど聴き所満載だが、何より、これまで坪口を印象づけていたジャズ・アブストラクト、ポリリズムといったトリッキーな要素は影を潜め、リスナーが思い思いの映像やストーリーを心に描けるような、深層心理に迫るサウンドスケープを持ち味としている。


▶「Ortance」Member
坪口昌恭(Masayasu Tzboguchi):Synthsizer, Synth.Bass, Piano
http://tzboguchi.com/

西田修大(Shuta Nishida):Guitar, Effect(from 吉田ヨウヘイGroup, 石若駿SongBook)
https://shuta-nishida.tumblr.com/

大井一彌(Kazuya Oi):Drums with Trigger System(from Yahyel, DATS)
https://twitter.com/oioiiioiooi/



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