ジャズアラウンドの重要人物が集いその年を振り返りつつベストディスクを発表するという年末恒例企画「夜ジャズミーティング」。
2018年は、原 雅明さんがやられているネットラジオ、dublab.jpとのコラボレートという事で普段生配信しているexite cafeにて収録を行いました。
■夜ジャズ.Net
http://www.jjazz.net/programs/yorujazz/
(配信期間:2018年12月19日~2019年1月23日)
今年はインターネットラジオと地上波のFM 局でDJを担当する3名、松浦俊夫(Gilles Peterson's Worldwide FM "WW TOKYO"/InterFM897 / Radio NEO "TOKYO MOON")、原 雅明(dublab.jp /Kiss FM KOBE"dublab.jp KOBE Collective"、須永辰緒(Jazz.Net""夜ジャズ.Net"/α-Station"YORUJAZZ.NET")でお送りします。
詳しくは番組でお楽しみ頂くとしまして、ここでは皆さんの年間ベスト3作品をご紹介。
この模様は後日、webマガジン「excite ism(エキサイト・イズム)」で映像でもお楽しみいただけます!そちらもチェックしてみてください。
収録協力:excite / excite ism
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【2018年 年間BEST3アルバム】
selected by 原 雅明
今年は昨年以上にジャズで惹かれる作品がたくさんありました。ベストに挙げたい作品がどんどんリリースされてくるので困りものです(素晴らしいことなんですが)。いろいろある中から、「夜ジャズ.Net」ではこの3枚を選びました。
ドラマーとしてはもちろん、作曲家としても活躍するアントニオ・サンチェスは、昨年はドラムとエレクトロニクスだけのハードコアな『Bad Hombre』を、今年はヴィンス・メンドーサ&WDRビッグバンドとの『Channels of Energy』をリリースしてますます振れ幅が拡がってますが、『Lines In The Sand』は近年の活動の集大成的なスリリングで懐深い作品です。
シャイ・マエストロのトリオで今年来日もしたイスラエル出身のベーシスト、ノーム・ウィーゼンバーグのソロ・デビュー作は、ベーシストのソロというよりも、アレンジャー、作曲家としての彼の素晴らしさが、楽曲、演奏の至る所に伺えます。シャイも参加してますが、彼が弾くフェンダー・ローズがまるでレイ・ハラカミのように聞こえる瞬間があります。
手前味噌ですが、自分のレーベルringから紹介した一枚を。続々と新しい才能が登場するイスラエルのジャズ・シーンでこれから核になっていくであろうニタイ・ハーシュコビッツやアミール・ブレスラーらミュージシャンと、バターリング・トリオのプロデューサー、リジョイサーが進めるプロジェクトTime Groveのデビュー作『More Than One Thing』。
2018 Years Best-原 雅明- |
![]() Title : 『Lines in the Sand』 Title : 『Roads Diverge』 Title : 『More Than One Thing』 |

【原 雅明 プロフィール】
編集者を経て、音楽ジャーナリスト/ライターとして本格的な執筆活動を始める。HEADZの設立と雑誌FADERの創刊などを手がけ、Tortoiseをはじめとする海外アーティストの招聘、Low End Theoryなどの音楽イヴェント、ワークショップの開催も手がけてきた。現在は各種音楽雑誌、ライナーノーツ等に寄稿の傍ら、レーベルringsのプロデューサーを務め、rei harakamiの主要アルバムの再発なども実現している。Red Bull Radioの番組「Tokyo Tangents」の選曲/DJも担当。また、LAの非営利ネットラジオ局dublabの日本ブランチ dublab.jpの運営やDJ/選曲活動も通して、都市や街と音楽との新たなマッチングにも関心を寄せる。
近著:『Jazz Thing ジャズという何か----ジャズが追い求めたサウンドをめぐって 』(DU BOOKS)。
https://www.ringstokyo.com
https://dublab.jp
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selected by 松浦俊夫
2018年は私自身の30年の音楽キャリアとルーツを振る機会に溢れた思い出深い1年になりました。
私が10代半ばで出会った初めてのジャズ・アルバムマイルス・ディヴィス『Kind of Blue』がリリースされた翌年(1960年)に同アルバムの録音メンバーによって行われたヨーロッパ・ツアー。コルトレーンがグループを去る直前の貴重であり、また圧倒的な演奏が素晴らしい音質で聴けた感動は言葉になりません。
ノーマン・グランツのイントロダクションからSo Whatへ、深夜のナイトクラブに大音量で鳴り響く楽曲で無心でダンスする人々を眺めながら身体じゅうに熱いものがこみ上げてきた春の日はその中のまさにハイライトでした。ジャズの最前線で活躍するミュージシャンたちが集結した奇跡のスーパー・グループ、そして初の自己名義のアルバムを今年の3枚とさせてもらいます。
2018 Years Best-松浦俊夫- |
![]() Title : 『The Final Tour』 Title : 『Collagically Speaking』 Title : 『LOVEPLAYDANCE』 |

【松浦俊夫 プロフィール】
1990年、United Future Organization (U.F.O.)を結成。日本におけるクラブカルチャー創世記の礎を築く。12年間で5枚のフルアルバムを世界32ヶ国で発売し、高い評価を得た。独立後も精力的に国内外のクラブやフェスティバルでDJ。さらにイベントのプロデュースやファッション・ブランドなどの音楽監修を手掛ける。2018年イギリスの若手ミュージシャンらをフィーチャーしたプロジェクトToshio Matsuura Groupのアルバムをワールドワイド・リリース。InterFM897"TOKYO MOON"(毎週水曜17:00)Gilles Peterson's Worldwide FM"WW TOKYO" (第1&3月曜19:00) 好評オンエア中。
松浦俊夫 Official Site
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selected by 須永辰緒
『ASHLEY HENRY&The RE:ensemble / Easter EP 』
収録曲の「World is yours」はNasのトラックをピアノトリオで構築。今年一番多くプレイしたし、正直たまげた。ピアノトリオの可能性を広げてくれた気がします。J DILLによる影響下として最良のトラックがジャズのフィールドにまで浸透していることを確信。
『CHRIS DAVE AND THE DRUMHEDZ / ST』
昨今の新進気鋭のジャズアルバムでは高い確率でクレジットされることと、早くから将来を嘱望されていたドラマーの話題作だけど、その内容の濃さと構成の妙に、一枚を通して聴かせるアルバムでした。
『TOM MISCH/Geography』
20歳。自主レーベル。この若者はこの2018年に幾ら稼いだのだろうか?ビートメーカーという最近のキーワードはマルチプレイヤーを多く抱える日本にも波及していますが、UKフォークという言葉も浮上させましたし、そういった「フック」を融合させるアイディア溢れるプロデューサー的な手腕は来年以降も注目ですね。
2018 Years Best-須永辰緒- |
![]() Title : 『EASTER EP』 Title : 『S.T.』 Title : 『Geography』 |
【須永辰緒 プロフィール】
Sunaga t experience =須永辰緒によるソロ・ユニット含むDJ/プロデューサー。 DJとして東京、大阪でレギュラー・パーティーを主宰 。DJプレイでは国内47都道府県を全て踏破。欧州からアジアまで海外公演も多数。MIX CDシリーズ『World Standard』は10作を数え、ライフ・ワークとも言うべきジャズ・コンピレーションアルバム 『須永辰緒の夜ジャズ』は15作以上を継続中。国内から海外レーベルのコンパイルCDも多数制作。多数のリミックスワークに加え自身のソロ・ユニット"Sunaga t experience"としてアルバム5作を発表。最新作『STE』はDJ生活30周年を記念。ゆかりのあるアーティストをジャンルや国境を超えてフィーチャーしBLUE NOTEよりリリース。多種コンピレーションの 監修やプロデュース・ワークス、海外リミックス作品含め関連する作品は延べ200作を超えた。日本一忙しい"レコード番長"の動向を各業界が注目している。
須永辰緒 Official Site
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