Title : 『Piano For Nuria』
Artist : Tete Montoliu Trio
皆さん、こんにちは。ピアニストの草田一駿です。
私の初めてのジャズアルバムは、Tete Montoliu(テテ・モントリュー)Trioの、『Piano For Nuria』です。
このアルバムは、私が大学生の時たまたまサブスクで音楽を探していたときに出会ったアルバムで、Teteが演奏するスタンダードナンバーの「Speak Low」を聴くや否や、すっかりその煌びやかな演奏に心奪われてしまいました。
コロナ渦で緊急事態宣言が出されなかなか外出ができない時に、彼のピアノをコピーして演奏していました。今の私自身の音楽に多大な影響を与えてくれた音楽家のひとりです。
Tete Montoliu は、スペイン出身の盲目のピアニストとして知られ、Lionel Hampton(vib)や Roland Kirk(sax)、Charlie Mariano(sax) といったジャズジャイアンツとの共演でも有名です。
ベースにPeter Trunk、ドラムにAlbert Heathが参加しており、Tete Montoliuのピアノトリオとしての活動を再評価する上でとても重要な作品になっているのではないかと思います。
私がTeteのピアノスタイルに夢中な理由の一つは、彼が曲のテーマを非常にわかりやすく弾くところです。聴いてすぐに「あの曲かな?」と思えます。しかしアドリブ部分になるとある種の狂気とも言えるくらいの、彼にしか出せない個性が炸裂しています。その対比がとても魅力的なんです。
このアルバムに収録されているスタンダードナンバーの「Alone Together」や「Stable Mates」などを聴いてもらえると、わかっていただけるのではないでしょうか。
ぜひ、皆様にもTeteの独特なピアノスタイルを楽しんでもらえると嬉しいです。
草田一駿

感情が溢れ出るエモーショナル・ジャズを展開するピアニスト、草田一駿、3年ぶりのセカンド・アルバムをReBorn Woodから発売!
クラシックピアノを基盤に持ちながら、ジャズやロックの影響を受け、独自の音楽世界を築いてきた彼の最新作が、リボーンウッドより発表される。本作は、ベーシスト 宮地遼、ドラマー 井口なつみ とのトリオ編成による作品。繊細なタッチと大胆な即興が交錯するピアノ、厚みのあるベースライン、リズミカルで鮮やかなドラムが織りなす、自由でありながら緻密なアンサンブルが特徴だ。
『Trionfi』 というタイトルが示すのは「勝利」「祝祭」といった意味。音楽が持つ喜びや熱量が、リスナーの感情を揺さぶるエネルギーとなり、新たな音の旅へと誘う。これまでフジロックフェスティバルへの出演や、ジャズ・クラシック・ポップスを横断する多彩な活動を続けてきた草田が、さらなる進化を遂げた一枚。
【草田一駿】 ピアニスト、作・編曲家
1999年広島県生まれ。5歳よりクラシックピアノを始める。13歳よりジャズやロック等を聴き始め同時に作曲も始める。Seiko Summer Jazz Camp 2016にてBest Composition and Arrangement Award 受賞。2020、2021年に2年連続でフジロックフェスティバルに出演。2022年6月、Playwrightより1st アルバム「Flumina」をリリース、9月に東京・丸の内コットンクラブを含む初の全国7ヶ所リリースツアーを開催。2025年5月、Reborn Woodよりピアノトリオとしての1st アルバム「Trionfi」をリリース。その他著名アーティストとの共演やサポート、レコーディング、CM音楽制作など精力的な音楽活動を行っている。
【KKBOX Podcast「My First Jazz」】
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