Title : 『Free For All』
Artist : Art Blakey & The Jazz Messengers
ドラマーの森智大です。
私のはじめてのジャズアルバムは、Art Blakey Jazz Messangersの『Free For All』です。
このアルバムとはバークリー音楽大学時代に出会いました。
Art Blakey Ensembleという授業を取っていて、このアルバムに収録されている曲を演奏するということで、何度も聞きました。
このアルバムを初めて聴いた時はバンドのエネルギー溢れる演奏に度肝を抜かれました。
音量のダイナミクスの幅が広く、1小節、1打で音楽の景色を変えるのがブレイキーのドラマーとしての魅力です。
また、演奏中拍が裏返っていたとしても細かいことは気にせずにガンガンバンドを引っ張るようなブレイキーのドラムは、正しく演奏するのがすべてではなく、もっと自由に演奏していいんだと感じさせてくれます。
このアルバムに収録されているのは4曲で、それぞれの曲の時間が長く、4曲中3曲はドラムが激しい曲で、バラードのような大人しい曲は入っていません。
料理に例えると全部胃もたれしそうなメニューという感じです。
自分のアルバムでは絶対にしない曲構成ですが、かっこよければなんでもいい、料理だと、おいしけりゃなんでもいい!みたいな感じで個人的にはとても好きです。
収録されている全曲が好きなのですが、Pensativaという曲はジャムセッションでもよく演奏されますし、自分もツアーで演奏したことがあるので思い入れがあります。
ジャズメッセンジャーズはコミュニティや学校でもあり、たくさんのジャズミュージシャンがこのバンドから巣立っています。
このアルバムでもトランペットFreddie Hubbard、トロンボーンCurtis Fuller、テナーサックスWayne Shorter、ピアノCedar Walton、ベースReginald Workman、といった、後にジャズ界のスーパースターになるミュージシャンたちが演奏しています。
楽譜を見ず、耳で覚えて演奏することや流行りに乗らず、ビバップ、ハードバップというスタイルを貫くメンタリティは今のNYのジャズシーンでも受け継がれています。
ブレイキーのメンタリティを学び、自分なりの解釈で今後も様々な表現をしていきたいです。
森智大
My First Jazz |
Title : 『Free For All』
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気鋭ドラマー・森智大による、生命力あふれるリーダー作『Prana』
NYを中心に世界で活躍するジャズミュージシャンたちが集結!日本とジャズの本場NYをつなぐドラマー・作曲家、森智大の渾身の一枚。
今回のアルバムのタイトル曲にもなっている『Prana』はエネルギーや生命力といった意味があることから、全体を通して日本とNYそれぞれの場所で、ここ数年様々な学びを得た森によるバイタリティ溢れる作品に仕上がっている。
森智大
1992年福岡県出身。音楽好きの両親の影響で, 3歳よりドラム, 5歳よりピアノを始める。13歳よりジャズバンドを結成し、様々なギグ、音楽フェスティバルに出演。2011年バークリー音楽大学へ入学。2015年卒業後はNYを拠点に活動し、Smalls, Jazz at Lincoln Center, Minton's PlayhouseなどNYの主要ジャズクラブにも出演。これまで3枚のリーダーアルバムをリリースし、NYのミュージシャンと共に定期的に日本ツアーも行っている。演奏だけではなく、大学ジャズ研でのワークショップ、小中学校での授業、オンラインレッスンなど教育活動にも力を入れている。
https://tomohiromori.com/bio
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