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音楽から解き放たれるために──21世紀のサウンド・リサイクル

RIOW ARAImarterなどなど、かっちょいい音楽をリリースしているレーベル、corde
その主宰者でありライターの原雅明さんが、非常に興味深い本を出されました。
様々な意味で転換期を迎えている音楽の今後についての考察です!

[Text:樋口亨]


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音楽から解き放たれるために──21世紀のサウンド・リサイクル

原 雅明 著

ISBN:978-4-8459-0939-1
定価:本体価格1900円+税
仕様:四六判変形/336ページ
発売日:2009年11月20日
発行:フィルムアート社


ジャズじゃないジャズ、解体したヒップホップ、逸脱したエレクトロニック・ミュージック。音楽の最深部をさまざまな側面から提示してきた著者の、時代と社会の変容を鋭く捉えた、初の単著となる音楽論集!

閉塞した状況の中、それでも、音楽を聴き続けるために。

「音楽産業というモデルはもう終了したんだ。終わりだよ。新しいモデルを模索しなくてはいけないんだ。もし続けたいのなら、再び築かなくてはいけない」
──ショーン・ブース(オウテカ)

00年代も終わりに近づく現在、音楽をめぐる状況は怒濤の転換期に直面しています。物流や価値観の明らかな変容によって引き起こされた、CDの売れ行きの減少傾向、デジタル配信の一般化、流通業者とレコード店の危機......。
本書は、こうした、従来の音楽モデルの破綻と解体という、2000年代に音楽が直面した見過ごすわけにはいかない変化のただ中で、音楽史のエポックメイキングであった90年代半ばを起点とし、この約15年間の間に一体何が起きたのか、どのような変遷を音楽シーンは辿ったのかを、真摯に追究する音楽と社会の関係性を探るリアルな音楽論です。
またその一方で著者は、音楽をサウンドとして聴取し、その大きなアーカイヴを共有し循環させることで生まれる、音楽の新しい聴き方・感じ方の胚胎を鋭く捉え、その先に広がる可能性を見据えることの重要さを説きます。

■本書のための書き下ろし論考「word and sound」所収!
■様々な雑誌媒体で発表してきた原稿、及びライナーノーツ等の、新旧幅広い既出原稿を網羅。
■ さらに、当時のシーン概略とディスクガイドを足し、「1冊で90年代から現在までのヒップホップ、ジャズ、エレクトロニック・ミュージックをめぐる状況がわかる」入門書的役割も!
■ 表紙写真はDJシャドウのジャケットでもお馴染みのカメラマンB+、装幀:佐々木暁

【著者プロフィール】
原 雅明(はら・まさあき)
ライター、レーベル・マネージャー(corde.co.jp)、時々DJ。ヒップホップ、ジャズ、エレクトロニック・ミュージック等のアンダーグラウンド音楽シーンの紹介にたずさわり、『サウンド&レコーディング・マガジン』『ミュージック・マガジン』『スタジオ・ボイス』等々、さまざまな雑誌に寄稿。90年代中盤から10年余りの間、インディペンデント・レーベル〈soup-disk〉を、2005年からは〈disques corde〉としてレーベル運営をするほか、海外アーティストの招聘、イヴェント企画も行なう。近年はアメリカ西海岸、LAの音楽シーンの紹介に力を注ぐ。現在は、LAのネットラジオ局DublabとCreative Commonsによるアートプロジェクト〈INTO INFINITY〉(intoinfinity.org)の日本でのプロデュースを担当。

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