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Binocular(Makiko Hirabayashi / Flemming Agerskov) Japan Tour 2012

今年もコペンハーゲンのジャズフェスティバルに参加されたピアニストの南博さんから、
「この秋、知り合いのコペンハーゲンのバンドと日本で一緒にLIVEをするんです」と教えて頂いたのがこちら。

コペンハーゲンを拠点にヨーロッパで活躍するピアニスト、平林牧子と、デンマークのフリューゲル・ホルン&トランペット奏者のフレミング・アゲルスコフによるDUO、"ビノキュラー"(双眼鏡)。

今回の来日公演では、ゲストにイタリア人アコーディオン奏者、フランチェスコ・カリも参加します。

そんなビノキュラーの平林牧子さんからメッセージが届きました。
Binocularの音楽そして今回の日本公演について。

[JJazz.Net 岡村誠樹]

pressebillede 2 Binocular by Stephen Freiheit L600.jpg


【平林牧子(Binocular)メッセージ】

今回来日するビノキュラ-というバンドは、デンマ-クのトランペッタ-、Flemming Agerskovと私が始めたユニットです。

2006年ころから自己のバンドとしては主にピアノトリオで活動してきたのですが、ハーモニ-やアレンジメント、フォ-ムなどに制限されない音楽にも挑戦してみたいという気持ちがあって、実験的に始めたものです。Flemmingは、知り合ってもう20年以上経ちますが、他のバンドで共演したこともあり、彼がとてもオ-プンであること、ハ-モニ-に関しても、トナリティ-のあるものからないものまで幅広い知識を持っていることを知っていたので、週一度会ってはいろいろなアイディアを試したり、音楽について話したりということを続けました。2009年の冬だったと思います。

アイディアというのはたとえば5度のインタ-ヴァルだけを使って即興するとかいったコンセプトであったり、ひとつのメロディ-、リズムであったり、ビジュアルなイメ-ジであったりするのですが、なるべく始めのうちは楽譜にしないようにしていました。
2010年に二人ともデンマ-クのArts Councilから奨学金を得たので、私の昔からの夢であったオスロのレインボ-・スタジオで録音をしようという話になったのです。Flemmingは自己のアルバムをレインボ-で録音した経験があったので、あの有名なJan Erik Kongshaugに連絡を取ってくれて、トントン拍子で話が進み、12月の末に録音が決まりました。

さらに音色にバラエティ-が欲しかったので、クラシックからジャズまで、作曲家、アレンジャ-としても活躍しているアコ-ディオン奏者、Francesco Caliに声をかけました。彼はイタリア人で、Flemmingの北欧のムードと対象的な部分もあって、音楽的にも表情が豊かになったと思います。
クリスマス・ラッシュで、パスポ-トを忘れたFlemmingが空港に間に合わず、フライトに乗り損ねるというハプニングがありましたが、どうにか22日の朝みんなでレインボ-・スタジオの素晴らしい空間に立つことができました。ドラムやベ-スがないだけに、それぞれの楽器の音そのものがものをいう音楽なので、レインボ-・スタジオで録音する経験ができたのはとても大きかったと思います。

演奏を重ねるうちにだんだんとまたフォ-ム、アレンジメントといったものが自然にできてくるのですが、プロジェクトを始めたときのアイディアを忘れずに、常に無限な可能性があるんだという気持ちで演奏をすることを心がけています。

10月13日にTokyo TUCでダブル・コンサ-トを行う、南博GO THEREの南さんとは、実はバ-クリ-に同じ時にいたのですが、重なった時期が短かったせいもああって、知り合ったのはそのかなり後で、彼がデンマ-クに来るようになったころからです。彼がバンドを組んで一緒にやっているデンマ-クのミュ-ジシャン達とも知り合いであったり一緒に仕事をしたりしているので、自然とお互いにコンタクトをとってコンサ-トを聞きに行ったりするようになりました。最近は彼の本を読ませていただいて、私の人生とかなり重なった部分があることに驚いています。彼は、とても個性的なピアニストで、デンマ-クでもかなり革新的なことをやっているミュ-ジシャンたちと組んでやっています。ダブル・コンサ-トのあとはセッションをすることになっているのですが、彼のバンドのメンバ-もみな素晴らしいミュ-ジシャンが揃っているので、とても楽しみです。


【Binocular(From Denmark) Japan Tour 2012】

ジャズ・オ-ディオ・ディスク大賞金賞で旋風を巻き起こした平林牧子。フレミング・アゲルスコフとの華麗なるプロジェクト、Binocularで再来日!幽玄なるフリューゲル・ホーンが柔らかな空気を彩り艶のあるアコーディオンがアクセントを加える。そして音楽全体を支えるのは平林牧子の静謐で精細なピアノ。新たな地平を開く北欧アーティスト達の詩的な世界をご堪能あれ!


<日時>
2012年10月10日(水) モーション・ブルー・ヨコハマ
045-226-1919 http://www.motionblue.co.jp/

2012年10月11日(木) 門司港ホテル イベントホール・スパーツィオ
093-332-2589 http://www3.ocn.ne.jp/~smokin/

2012年10月13日(土) Tokyo TUC
平林牧子/Binocular & 南博/Go There! スペシャル・ダブル・コンサート
03-3866-8393 http://www.tokyotuc.com/

2012年10月14日(日) 新宿PIT INN
03-3354-2024 http://www.pit-inn.com/



『Binocular / Binocular』
Binocular


Binocular / Binocular

Now On Sale
Stunt Records
製品番号:STUCD11092

コペンハーゲンを中心にヨーロッパで活躍するマキコ・ヒラバヤシが、デンマーク・ジャズの雄"Stunt Records"から発売するアルバム第2弾!その音色に抜群の定評があるデンマークのフリューゲル・ホルン&トランペット奏者、フレミング・アゲルスコフとの「Binocular(双眼鏡)」と題された双頭リーダー・アルバム。アゲルスコフは独自に日本の美学と文化を学んできた日本通でもあり、今年の春に行われたデンマークのアーティストによる日本支援チャリティー・コンサートにも、平林牧子とともに参加。録音はオスロの名スタジオ、レインボー・スタジオ。美しいジャケットからも連想されるような透き通る高音質録音もGood。


pressebillede 1 BonocularA_600 by Stephen Freiheit L.jpg

【Binocular(Makiko Hirabayashi / Flemming Agerskov)】


コペンハ-ゲンを拠点にヨ-ロッパで活躍するピアニスト、マキコ・ヒラバヤシ(平林牧子)と、その音色に抜群の定評があるデンマ-クのトランペット、フリュ-ゲル・ホルン奏者、フレミング・アゲルスコフによるデュオ プロジェクト。ゲスト・ミュ-ジシャンとして、イタリア人アコ-ディオン奏者、フランチェスコ・カリが参加している。バンド名と同じくBinocular(双眼鏡)と題されたアルバムが、2011年にデンマ-ク・ジャズの雄 Stunt Recordsよりリリ-スされ、曲のオリジナリティ-、詩的でで幽玄な世界、シンプルでありながら、型にはまらない、自由な演奏などが高く評価されている。アルバムは、オスロ、レインボ-・スタジオにおいて、数々のECM名盤を製作しているJan Erik Kongshaugによって録音され、繊細な北欧のトランペットの響き、陰影豊かで奥行きの深いピアノ、そしてメランコリックでファンタジックなアコ-ディオンのプレイを見事に捉えている。


■マキコ・ヒラバヤシ (ピアノ)
東京に生まれ(1966)、4歳からピアノを始める。中学から5年間香港で過ごし、多種の文化に触れながら育つ。20歳で奨学金を得てバ-クリ-音楽大学に進み、インプロヴィゼ-ション、ジャズハ-モニ-などを勉強する。卒業後1990年にデンマ-ク・コペンハ-ゲンに拠点を移し、ジャズピアニスト、作曲家としての活動を始める。クァルテット、シスタ-ズのメンバ-として、1995年ヨ-ロッパジャズコンテスト(ベルギ-)で、ベストアレンジメント賞、パブリックアワ-ドを受賞し、総合3位。2006年、自己のトリオ(マリリン・マズ-ル(dr)、クラウス・ホウマン(b))による初のリ-ダ-作がドイツの名門ジャズレ-ベル、エンヤからリリ-スされる。2作目、ハイド・アンド・シ-クが、2009年度 "ジャズ批評"誌ジャズ・オ-ディオ・ディスク大賞とジャズ・メロディ-大賞でダブル金賞受賞。トリオのほか、クインテット"Grey To Blue"、デュオ "ビノキュラ-"などのプロジェクトを手がける。自己のトリオで、デンマ-ク、スウェ-デン、ドイツ、オ-ストリア、ルクセンブルグ、日本をツア-、サイドマンとして、スペイン、ブラジル、南アフリカ、ベルギ-、ノル-ウェイ、オランダ、ラトビア共和国などで演奏した経験を持つ。


■フレミング・アゲルスコフ (トランペット/フリュ-ゲル・ホルン)
デンマ-ク、ホステブロ-に生まれる(1963)。ユスク・コンサ-バトリ-でトランペットを勉強した後、1年間日本、京都に住み、日本文学、音楽に興味を持つ。1991年、デンマ-クにおけるトランペッタ-のコンペティションで1位。Martin France,Julian Arguelles を含む自己コンボで、1999年にFace To Faceを発表。2001年にグル-プ、Takuanのメンバ-としてデンマ-クのグラミ-賞を受賞。100枚以上のアルバムに参加し、Eliane Elias,Egberto Gismonti,Jon Balke,Marc Johnson,Ian Ballamy,Marilyn Mazur,Josefine Cronholm,Lee Konitz,Ray Charles,Bob Brookmeyer,CVJoergensen,Fredrik Lundin などと共演した経験を持つ。


■フランチェスコ・カリ (アコ-ディオン)
イタリア、キャタニアに生まれる(1966)。キャタニア、V.Bellini コンサ-バトリ-で、ピアノ、作曲の勉強をした後、2000年以来コペンハ-ベンに拠点を移し、アコ-ディオン奏者、ピアニスト、作曲家、アレンジャ-として活動する。2000年、Pépinières Européennes pour Jeunes Artistes 優勝。2003年、International Choral Composer's Competitionで第3位。自己バンド、キャタニア・クインテットでアルバム2作を発表(1999,2008)するほか、サイドマンとして、Band Au Neon,Jakob Fischer Quartet, Torben Westergaards Oktober,Cathrine Legardh Quintet など、数々のグル-プに参加。2005年に、国連 Human Rights Day のために、讃美歌を作曲。2007年にDanish National Chamber Orchestraのために作曲、ピアニストとしてコンサ-トにも出演。

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