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【わたしとOMA SOUND】Vol.7 石田衛

【わたしとOMA SOUND】
Vol.7 石田衛(p)


日本のジャズレジェンド、オマさんこと鈴木勲さんが才能ある若手を発掘、輩出してきた異色のバンド、"OMA SOUND"。ゆかりあるメンバーに「わたしとOMA SOUND」というテーマでコメントを寄せていただきました。


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「私が今まで出会った沢山のミュージシャンの中でも真の意味で創造的であると言える数少ない方の一人に鈴木勲さん(オマさん)がいます。あそこまで個性豊かな人間というのは、そんなに多くはいないでしょう。

オマさんの個性はその作曲、演奏、あの際立った音色、絶妙なバンドコントロール、衣装、などによく表れています。

「THE THING」というオマさんの曲を聴いてみて下さい。あのスピード感を持った印象的な謎のメロディーを。オマさんのベースラインに耳を傾けてみて下さい。 ハーモニーを根幹を支えるというベースの役割を果たしつつ(時にはそこを飛び越えて)、果敢にソリストのメロディーにカウンターを入れたり鼓舞するラインを。オマさんのあの際立った音色を聴いてみて下さい。人の心に直接訴えかけるバラードを。 オマサウンドのライブを見てみて下さい。何が起こるか分からない緊張感だらけのパフォーマンスを。あの衣装はどうでしょう。 「コレ俺が縫ったんだぞぉー!」というカラフルなスカートと色違いのタイツを穿いていながら、奇をてらっているようには写らない出で立ち。唯一無二という言葉が具現化したのが鈴木勲という人なのでしょう。

私がオマさんに最初に会ったのは青山にあったオージャスという毎週水曜日にジャムをやっていた店で多分1998年頃だったと思います。その店の入り口には大きい水槽があって巨大なアロワナが泳いでいたのですが、オマさんはそのアロワナにライターの火を見せて驚かして遊んでいました!そしてジャムセッションが始まると、オマさんのあまりにも強力なベースサウンドに完全にノックアウトされてしまったのを覚えています。

次にオマさんに会ったのは吉祥寺のサムタイムで2005年、その時はオマサウンドで初めて演奏しました。テナーの森田修史が紹介してくれて、スガダイローさんのトラをしたという訳です。この日はフレットレスベースの織原良次がオマサウンドに加入して初のライブでもありました。このライブの為にリハーサルをしましたが、その進め方が興味深いものでした。通常ジャズのリハーサルは(バンドによって多少の違いがあれど)、譜面を使ってメロディーやハーモニー、リズムやキックを確認していきますが、オマサウンドでは譜面はほとんど使わず耳で曲を把握して覚える事を要求されたのです。

そして2011年からオマサウンドのピアニストとして4年ほど演奏してきましたが、その間色々な事が起こりました。

一つ印象深いエピソードを。
鰺ヶ沢という青森県の日本海側の小さな町でオマさんと駅前のスーパーマーケットに行った時の事です。買い物するオマさんを見つけた地元の女子高生たちが何とサインを貰いに来たのです。

鰺ヶ沢の高校生がジャズを聴くのか!という訳では無く、彼女たちはオマさんを全く知らずにサインを貰いに来たのでした。何か良く分からないけど、凄い人がいるぞと。

4年間オマサウンドで演奏していますが、オマさんの音楽的な進化と尽きる事のない好奇心に毎回驚かされています。勉強した既に知っている事を演奏するのでは無く、その時自らの中から聴こえた音を演奏しようとする姿勢にも感銘を受けます。ああ、それは私自身に最も必要な事なんだ。

あれは何年前の事だったか、ツアー中の車でオスカー・ピーターソンのCDをかけてそれとユニゾンで口笛を吹いていたら、オマさんが一言「もう覚えてしまった音楽をまた聴いても面白くないだろう」と言いました。何ともオマさんをよく表した言葉だと思います。」

石田衛


JJazz.NetのSHOPページでは特別番組「鈴木勲 OMA SOUND を語る」の貴重なインタビューをパッケージし、販売しています。番組では紹介できなかったエピソードが収録されている他、OMA SOUND年表もセットになっています。

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【わたしとOMA SOUND】アーカイブ
vol.1 織原良次 ・vol.2 小沼ようすけ ・vol.3 斉藤良 ・vol.4 力武誠 ・vol.5 石崎忍 ・vol.6 纐纈雅代


 
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【石田衛】(p)
1978年5月1日生まれ。幼少の頃より父親の影響でジャズに親しみ、トランペットを手にする。 当時のアイドルはサッチモことルイ・アームストロング。中学生の頃にオスカー・ピーターソンを聴きピアノに転向。高校時ジャムセッションで和泉聡志(g)、高橋信之介(ds),堀秀彰(pf)らに出会い刺激を受ける。大学入学と同時に他大のジャズ研に入り、セッションを重ね、演奏活動を開始する。2001年には横浜ジャズプロムナードコンペに西本康朗(as)バンドで出場しグランプリを受賞。その後、演奏活動を本格的に行うようになり、現在、太田朱美(fl)、原朋直(tp)、等のグループに参加する傍ら、自己のトリオでも活動している。。


【今後の予定】

10/8(木)
浅草 SMILE
石田 衛(pf) 池田 篤(as)
start 20:00 MC ¥2500

10/9(金)
御茶ノ水 NARU
大野 えり(vo) 石田 衛(pf) 佐藤 ハチ 恭彦(b)

高田馬場 COTTON CLUB
花金 ミッドナイトジャム
深夜24:00-翌朝4:30
中島あきは(as)石田衛(p)楠井五月(b)

10/11(日)
関内 ADLIB
海野 俊輔(ds) 西口 明宏(ts) 石田 衛(pf) 中林 薫平(b)

10/12(月)
水戸 CORTEZ
加納 奈実(as,ss) 石田 衛(pf) 杉本 智和(b) 則武 諒(ds)

10/13(火)
銀座 CYGNUS
SAI(vo) 石田 衛(pf) 増原 巌(b)

10/15(木)
新宿 PEARL BAR
斉田 佳子(vo) 石田 衛(pf)

10/17(土)
御茶ノ水 NARU
坂崎 拓也(b) 石田 衛(pf) 山田 玲(ds)

10/18(日)
新宿 PIT INN
本田 珠也(ds) 守谷 美由貴(as) 石田 衛(pf) 須川 崇志(b)

10/20(火)
入谷 なってるハウス
ON THE MOUNTAIN
芳垣 安洋(ds) 石田 衛(pf) 岩見 継吾(b)

10/22(木)
小岩 FULL HOUSE
田中 千賀(vo) 石田 衛(pf) 吉峯 勇二郎(b) 柵木雄斗(ds)

10/23(金)
吉祥寺 SOMETIME
Raymond McMorrin(ts) 羽毛田 耕士(tp) 石田 衛(pf) 小澤 基良(b) 井上 功一(ds)

10/24(土)
柏 NARDIS
加納 奈美(as) 石田 衛(pf)

10/25(日)
渋谷音楽祭 道玄坂 路上
鈴木 勲(b) 石川 広行(tp) 松井 宏樹(as) 石田 衛(key) 吉良 創太(ds)

10/30(金)
町田 NICA'S
植松 孝夫(ts) 石田 衛(pf) 田中 洋平(b) 坪井 洋(ds)

10/31(土)
高山 CAFE quruli
石田 衛(pf) solo
open 19:00 start 19:30 MC ¥2500(当日 ¥3000)


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