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JJazz.Net Blog Title

2018年9月アーカイブ

My First Jazz Vol.6-Mei Inoue:My First Jazz

Title : 『Live!』
Artist : Pat Martino

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「タバコを吸うマルティーノが写るこのジャケットが凄くかっこいいなと思いました。この人一体どんな音楽をやるんだろうなと。

自分がジャズに夢中になるきっかけとなった一枚です。ジャケットのイメージ通り、70年代という混沌とした時代の渦巻くエネルギーが凝縮されている一枚だと思います。はじめてジャズの曲のコピーにチャレンジしたのがこのアルバムに収録されている『Sunny』でした。マルティーノの異常なまでの集中力とストイックな意志の強さ。もはやそれが彼にとってはナチュラルな状態なのかもしれませんが、音楽家として自分の精神的な核を見失いそうになった時に、このアルバムはいつも僕の背中を押してくれます。

高校生の頃、母が早い時間から並んでくれて最前列で観たコットンクラブでのライブ体験は、いまだに大きな衝撃として心の中にあります。終演後、自分のレスポールを持って行ってサインをお願いしました。とても丁寧に、そしてはっきりとした力強い字でサインしてくれ、更に「この上からスプレーでコーティングしなさい。そしたら消えないよ。」と、優しくて強い握手とともに言ってくれました。彼の演奏とサイン、そして握手が全て通じているように感じて、高校生ながらジャズはその人となりを凄く感じやすい音楽だなと感じました。

この道に進もうと確信させてくれた、自分にとってはかけがえのない大切な思い出です。」

井上銘

井上銘Official


【Pat Martino - Live! - - Sunny】




My First Jazz

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Title : 『Live!』
Artist : Pat Martino
LABEL : Muse Records
発売年 : 1972年



アマゾン詳細ページへ


【SONG LIST】
01.Special Door
02.The Great Stream 
03.Sunny



今回のイベントを記念して作成したJJazz.NetオリジナルGOODSが完成。
「jazz west coast」Tシャツ、iPhoneケース、ポーチのご紹介です。まずTシャツ・・・

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1950年代、アメリカのロサンゼルスを中心とする西海岸一帯で盛り上がったジャズのスタイル「West Coast」例えば、ご存知デイヴ・ブルーベックの「TAKE FIVE」はそんなシーンから産まれた楽曲だったりします。今回は温故知新のイベントのテーマである「STANDARD」「West Coast」と、当時のアメリカ西海岸のレーベルをオマージュして重ねたデザインになります。


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纐纈歩美がインスパイアされたWEST COASTで活躍したジャズメン達・・・ Art Pepper・Gerry Mulligan・Paul Desmond・Lee Konitzの名前もプリントされています。イラストは、フランスを拠点に活動するアーティストai akiyamaさんに、元ネタに限りなく近いイメージでお願いしました。プリントは、MAX FREE PRINTさんにお願いしたUSAボディにシルクスクリーン2色刷りのハンドメイドです。


そしてポーチ・・・こちらにはChet Bakerのドローイングが。ちょっとした小物入れにナイスなサイズ。JAZZ好きな女性には特おススメです。
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さらにiphoneケース(黒・黄)も同時発売します。
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スタッフのこだわりが詰まったジャズ好きにおススメのラインナップ。
9/17(月)会場で数量限定で発売します。
Ayumi Koketsu plays Standards -JJazz.Net温故知新スペシャル-

是非チェックして下さい。



坪口昌恭(Ortance)メールインタビュー:インタビュー / INTERVIEW

拡張し、混在するジャズのイメージをとらえるライブシリーズ「Jazz Today」。
今回はエレクトロ・ジャズユニット"東京ザヴィヌルバッハ"を主宰する鍵盤奏者、
坪口昌恭が2018年春に結成した新バンド、"Ortance(オルタンス)"のLIVEをご紹介しています。

【JazzToday - Ortance(坪口昌恭/ 西田修大/大井一彌)LIVE】
放送期間:2018年9月12日(17:00)-2018年10月10日(17:00)
https://www.jjazz.net/programs/toshiba-jazztoday/

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フィールドの異なる2人の気鋭ミュージシャン、ギタリスト、西田修大(中村佳穂Band/石若駿SongBookバンド)とドラマー、大井一彌(yahyel /DATS)を迎え、この春始動したOrtance。

まだ作品のリリースはないものの、非常に興味深いこのバンドについて、坪口昌恭さんにメールインタビューしました。


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【坪口昌恭(Ortance) メールインタビュー】


■バンド名"Ortance(オルタンス)"とは?

[坪口昌恭]
画家ポール・セザンヌが大好きで、その奥さんの名前でもあります。フランス語の表記は本来「Hortense」なのですが、発音しやすい造語にしました。もちろんアジサイのことでもあり、花びらかと思いきやガク(萼)であるという特異性を含んだ、女性的で華のあるネーミングにしたかったのです。


■この3人が出会ったきっかけ?バンドを組むことになったいきさつについて教えてください。

[坪口昌恭]
私が全面的に参加してきたRM jazz legacyのリーダー、ベーシスト/プロデューサー守家巧の別セッションで、西田修大、大井一彌と同時に出逢いました。その後大井とは守家巧ソロのレコーディングでも共演。
私をはじめ、西田と大井もそれ以外での共演歴はなく、つまり三人とも微妙に異なるフィールドで活動してきたことが、むしろチャンスだと思いました。異なるルーツを持ちながらも音楽や表現に対するストイックな共通の美意識を確信できたため、結成に至りました。


■(今回番組でお送りしているライブでは)John Coltraneを叔父に持ち、ポストJ Dillaと言わしめるビートセンスを持つLAのミュージシャン、Flying Lotusの名盤『Los Angels』を曲順通りに全曲演奏されています。Flying Lotusの魅力、またカバーされた理由を教えてください。

[坪口昌恭]
Flying Lotusの魅力をいくつか挙げるなら、

・一曲が短く曲間がない。アルバム一枚で一大音絵巻のようになっている。
・様々な音素材(サンプル)が使われており、常にノイズ(サイケ)感がありざらついている。
・ドラムのビートがよれたままGrooveを構築しており、整合性の希薄なポリリズムもある。

そして、カバーする動機としては、エレクトロニカな作風でありながら楽音としてのコード感、メロディにも魅力があること。特に『LA』では驚いたことに12音全てのトーナルが登場し、それも曲が変わる時にはほとんど別のキーに入れ替わるということが起こっていました。
しかも聞き慣れたジャズやポップスのコードではなく、音を間引いたりズラしてあえて調性感をはっきりさせないような工夫が随所にされている。つまりジャズのノウハウでは演奏できそうにないところにこそ可能性を感じたのです。
そして、このカヴァーを経たセンスでオリジナルを作ることによって、今までの自分の作曲癖や習慣にとらわれない新しい作風を生み出すことができると確信したのです。


■今回番組「Jazz Today」でお送りしているライブの聴きどころ、こだわった点などあれば教えてください。

[坪口昌恭]
まずはアルバム『LA』をくそまじめに曲順通り全曲演奏していること。スタジオワーク作品をライブ再現するということで、全く同じ質感にはならないけれど、その分、シンセベースと上物を坪口一人で演奏することのシンクロ性と有機的なディレクション、西田のロックフィールに基づいた楽音とノイズの中間的アプローチ、大井の抜き差しセンス抜群でゴーストノートを廃したストイックなドラミングが、この三人以外では起こりえないであろうサウンドスケープを描くことに成功していると思います。

いわゆるジャズ的な醍醐味とは異なるかもしれませんが、訪れたことのない景色や抽象画を見る、もしくは自ら自由に思い描くような感覚でお楽しみ頂ければ幸いです。


ありがとうございました。


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【Ortance ▶︎ Black Morpho (comp. Masayasu Tzboguchi)】



【Ortance Live 情報】
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【イベントタイトル】
『Harvest Parade〜初日』 ULTIMATE MUZIK?!~for instance×Ortance

【日時】
2018年10月1日(月)
OPEN19:00 /START19:30

【場所】
三軒茶屋GRAPEFRUIT MOON
http://grapefruit-moon.com/

【出演】
for instance
<Gt.白井良明/Dr.オータコージ/Dr.柏倉隆史/Ba.雲丹亀卓人/Key.コイチ> 
・Ortance
<坪口昌恭(Syn / P) 西田修大(G) 大井一彌(Ds)>
DJ 生活と欲望(KAMINARI WORKS)

【MUSIC CHARGE】
前売3,500 当日4,000 (共にDRINK別)

予約(三軒茶屋GRAPEFRUIT MOON)



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▶"Ortance" Profile
多彩なキーボードプレイを持ち味としオルタネイティブな現代ジャズを実践してきた坪口、ギターのかっこよさとハイセンスなロックフィールをアピールする西田、ダブ・ステップ以降の音色にこだわったハイパーなドラミングでクラブを沸かせる大井という、フィールドの異なる3人が共通の美意識の元にタッグを組み、テクノをあえて人の手を介しミクスチャーミュージックとして表現することにこだわったユニット「Ortance」、2018年春始動。

Flying Lotusの「LA」全曲カバー以外は全て坪口の作曲であり、シンセサイザーに彩られたアンサンブルの中に、コアな要素としてアコースティック・ピアノのクラシカルな音構造が息づいている。

坪口が自ら担当するシンセベース、楽音だけでなくノイズエフェクトの要素が色濃い西田のギター、マシーナリーだからこその色気を醸し出す大井のドラムなど聴き所満載だが、何より、これまで坪口を印象づけていたジャズ・アブストラクト、ポリリズムといったトリッキーな要素は影を潜め、リスナーが思い思いの映像やストーリーを心に描けるような、深層心理に迫るサウンドスケープを持ち味としている。


▶「Ortance」Member
坪口昌恭(Masayasu Tzboguchi):Synthsizer, Synth.Bass, Piano
http://tzboguchi.com/

西田修大(Shuta Nishida):Guitar, Effect(from 中村佳穂Band, 石若駿SongBook)
https://shuta-nishida.tumblr.com/

大井一彌(Kazuya Oi):Drums with Trigger System(from Yahyel, DATS)
https://twitter.com/oioiiioiooi/



毎回好評の新宿ピットインご招待企画。
今回はかなりエッジの効いた公演Kit Downes Quartetをピックアップ。

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いわゆるチャーチ・オルガンを使ったユニークな演奏が注目されるKit Downes。今年1月にはECMからアルバム「Obsidian」をリリース。そんな彼が今回来日ギグで披露するのはカルテット編成。Kit Downes(P)西口明宏(Ts)清水昭好(B)則武諒Ds)そしてゲストに巻上公一(Vo)、さらに長きに活動を共にするポーラ・レイ・ギブソン(Vo)。フリー系やECMが好きなリスナーには特におすすめしたい注目の公演です。

■Kit Downes Quartet
メンバー:Kit Downes(P)西口明宏(Ts)清水昭好(B)則武諒Ds) ゲスト:巻上公一(Vo)ポーラ・レイ・ギブソン(Vo)
日時:9月23日 開場19:30 開演20:00 ¥3,000+税(1DRINK付)
会場:新宿PIT INN

>>インビテーション応募ページはコチラ


■Kit Downes「Obsidian」


■ENEMY - live in Birmingham


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-Kit Downes プロフィール-

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キットは、チャーチオルガン(パイプオルガン)を使ったユニークな演奏を披露するピアニスト。
サックス奏者のトム・チャレンジャー、チェロのルーシー・レールトン、作曲家シヴァ・フェシャレキ、バンド「ENEMY」とのコラボレーションでも活躍している。
現在は主にヴァイオリニストのエイダン・オローク、作曲家のマックス・ド・ウォーデナー、歌手のジョゼーネ・クラーク、オリ・スティエレの「キリング・ポピュース」
歌手/写真家のポーラ・レイ・ギブソンと共に活動しており、 ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージックで指導する。 2018年ECM Recordsからソロオルガン作品集「Obsidian」をリリース。

Kit Downes ⇒ オフィシャルサイト
Kit Downes ⇒ Twitter

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