「キースの名盤中の名盤。高校の時に知人に聴かせてもらって衝撃を受けて以来、私のバイブル的アルバムです。劇場の透き通った空気感と、みずみずしいサウンド感。ソロピアノで全曲即興。ピアノ一台でこんなに表現できるなんて。「Less is more」とはまさにこのアルバムのことです。当時はコンセプトが新しすぎて、「ケルン(リクエスト)お断り」の張り紙があるジャズ喫茶もあったとか。」
Title : 『Gershwin Connection』
Artist : Dave Grusin
Title : 『The Köln Concert』
Artist : Keith Jarrett
LABEL : ECM Records
発売年 : 1975年
【SONG LIST】
01.Köln, January 24, 1975, Pt. I(LIVE)
02.Köln, January 24, 1975, Pt. II A(LIVE)
03.Köln, January 24, 1975, Pt. II B(LIVE)
04.Köln, January 24, 1975, Pt. II C(LIVE)
My First Jazz
Title : 『The Gershwin Connection』
Artist : Dave Grusin
LABEL : GRP
発売年 : 1991年
【SONG LIST】
01.That Certain Feeling
02.Soon
03.Fascinating Rhythm
04.Prelude II
05.How Long Has This Been Going On?
06.There's A Boat Dat's Leavin' Soon For New York
07.My Man's Gone Now
08.Maybe
09.Our Love Is Here To Stay
10.'S Wonderful
11.I've Got Plenty O' Nuthin'
12.Nice Work If You Can Get It
13.Medley: Bess You Is My Woman/I Loves You Porgy
さて今回は現代の中規模編成のジャズの名盤ということで、SFJAZZ Collectiveの『2』というアルバムを取り上げます。このアルバムのアレンジや演奏を聴いていきましょう。また中規模編成の歴史的なアルバム『Birth Of Cool』については以前書きましたので、そういった過去の類似作品と現代の作品の違いも感じ取っていただけると嬉しいです。
MIGUEL ZENON(as,fl)
JOSHUA REDMAN(ts,ss)
NICHOLAS PAYTON(tp)
ISAAC SMITH(tb)
BOBBY HUTCHERSON(vib,marimba)
RENEE ROSNES(p)
MATT PENMAN(b)
ERIC HARLAND(ds)
5. 2 And 2
ミゲル・セノン作曲。不思議な感じのするヴァイブラフォンとピアノのイントロから、エリック・ハーランドによってグルーブが提示されます。オリジナルの譜面がどう書いてあるのかわからないのですが、おそらく6/4+9/8拍子の繰り返しです。ミゲル・セノンのソロもこの拍子の上で成り立っています。ミゲル・セノンは僕が最も好きなアーティストの1人なのです。この人は楽器のテクニックやサックスの音色はもちろんですが、リズムに関するアイディアは他の追随を許さない才能の持ち主です。
話が逸れますが、ミゲル・セノン・ビッグバンドの2014年の作品『Identities Are Changeable』では、リズムのアイディアをさらに発展させて、ポリリズムを使って、非常に複雑な関係性のある違う拍子やテンポを行ったり来たりすることで、独自の世界を突き進んでいます。
続くジョシュアのソロは(変拍子は何通りも書き方や捉え方があるため、実際の記譜はわかりませんが)4/4+3/4+4/4 ×3回 4/4+6/4 の拍子で進行していきます。その後のエリックのドラムソロは元の6/4+9/8。
7. Africa
ジョン・コルトレーン作曲、ギル・ゴールドスタイン編曲。こちらはジョシュア・レッドマンのフィーチャー曲。ボビー・ハッチャーソンのいかにもアフリカらしいマリンバの演奏から入ります。マリンバの演奏が最高潮に達して「Africa」のグルーブが聴こえてきます。ジョシュアのソロも聴いていてワクワクします 。いわゆるモード曲ですが、その中でジョシュアがフレーズを発展させている様がとても素晴らしいです。
それに続くエリック・ハーランドのドラムソロも、エリックの独特の歯切れ良い心地の良い音色が体に入ってきてとても気持ち良いです。エンディングはまたボビー・ハッチャーソンがイントロと似た雰囲気を作って終わります。ボビーのアフリカのようなマリンバから始まって終わるこのスタイルは、実は「SFJAZZ Collective」の1枚目の「Lingala」という曲でも聴けます。全然違う雰囲気になっているので、面白いので聴き比べてみてください。
8. Development
エリック・ハーランド作曲。このアルバムで僕が個人的に一番好きなのはこの曲かもしれないです。リリカルなメロディーで歌いやすく、とてもポップです。Aセクションは4拍子なのですが、Bセクションは7拍子となっています。Bセクションはあくまで個人的な感想ですが、Geri Allenの「Drummer's Song」に似た雰囲気がありますね。