Title : 『Soul Station』
Artist : Hank Mobley
サックス奏者、コンポーザーの栗原 健です。
はじめてのジャズアルバムという言葉を聞いて真っ先に思い浮かんだのが、Hank Mobleyの『Soul Station』です。
僕は高校生の頃に同級生とロカビリーやリズム&ブルースのバンドをやりたくてバンドを始めました。ライブでは髪型をリーゼントにして踊りながらサックスを吹く、そんな遊び方が演奏のスタートでした。
サックスをやっていくうちに、ジャズにも興味を持つようになり、音色を意識し始めたときに出会ったのがこのアルバムでした。
この Hank Mobleyの『Soul Station』には、気持ちがざわつくような「If I Should Lose You」、なんて優しくあたたかくも儚い気持ちにさせられる「Remember」などが入っています。
曲や演奏もめちゃくちゃかっこいいのですが、何といってもサックスの音色!これにやられました。柔らかくふわっとした音に纏っている・・・触れるような部分があって、その表面は少しチリチリとザラついていて・・そして音の核にはしっかり芯があって。
当時18.19歳ほどだったと思いますが、これまでに聴いてきたサックスの音色とは全く違っていて、なんていい音なんだろうとやられてしまったんです。
このアルバムでは他にも、美しいハーモニーの中をずっと疾走していくような「This I Dig Of You」や、マイナーブルースの「Dig Dis」。全部いいんですよね。
メンバーも素晴らしく、1960年当時の最強メンバーともいえる、ピアノは Wynton Kelly、ベースは Paul Chambers、ドラムは Art Blakey が参加しています。
テナーサックスの Hank Mobleyが、このスーパースター達を率いて皆とてもいい演奏をするんです。
それから、ジャケットのアートワークがかっこいい! Hank Mobleyが着ている似たようなセーターを探したり、サックスを片手で掲げ上げたりしていましたね(笑)。いい思い出です。
こんな名盤に出会えたことが、僕のサックスとの距離や角度を変えてくれました。皆さんにこのアルバムを紹介できることはとても嬉しいです。聴いてみてください。
Takeshi Kurihara

新たな音の風景を描いたTakeshi Kuriharaの新作「KLAMAUK」が配信リリース!
Takeshi Kuriharaソロアルバムの2作目。作曲、演奏、録音、ミキシング、カバーアートに至るまで全て本人が手がけている。
ただそこにある、置き物のような音楽をテーマに制作した今回のアルバム。前作 『In The Mirror』ではSaxとエフェクターでサウンドを探求していたが、本作ではSax本来の音色を大切にしている。
アルバム中、唯一のコラボ曲である"Little Ghost (feat. Ayana)"は、現在ロンドンで活躍中のシンガー・Ayana/彩菜をフィーチャリングした美しい楽曲。世界のいたるところに棲む精霊のようなものを感じる、あたたかさがある楽曲に仕上がっている。
Takeshi Kurihara / 栗原 健 (Saxophone, Machines)
中学生の頃、50年代の黒人音楽やロカビリーに憧れて土手でサックスを吹き始める。即興と電子楽器を組み合わせたSOLOの他、SOIL&"PIMP"SESSIONS, KYOTO JAZZ SEXTET, 清春などに参加し国内外で演奏。太くアーシーな音色が好評を博している。Saxophoneと機械で新たな音像を探求中。
2025/2/26 2nd ソロアルバム "KLAMAUK" をリリース。
https://linktr.ee/takeshikurihara
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