Title : 『Ella And Basie!』
Artist : Ella Fitzgerald / Count Basie
LABEL : Verve Records
発売年 : 1963年
【SONG LIST】
01.Honeysuckle Rose
02.'Deed I Do
03.Into Each Life Some Rain Must Fall
04.Them There Eyes
05.Dream A Little Dream Of Me
06.Tea For Two
07.Satin Doll
08.I'm Beginning To See The Light
09.Shiny Stockings
10.My Last Affair
11.Ain't Misbehavin'
12.On The Sunny Side Of The Street
クリスマスになると、アメリカではほぼ全家庭で観られて愛されているスヌーピーのクリスマスの名作アニメ。ガラルディの名サントラ『A Charlie Brown Christmas』が彩ります。日本ではスヌーピーの音楽はあまり知られていないかも知れませんが、米では国民的に愛される大ヒット作で、なんと歴代のジャズアルバムの中でも第二位なんだそうです。私もいつも年末になると聴いていました。
Sugar Rum Cherry (Dance Of The Sugar Plum Fairy) - 金平糖の精の踊り
アフロビートの上でサックスが少し怪しげにメロディーを奏でるこのアレンジ。テナーソロの後ろではやはりトランペットx2とトロンボーンx1の3本で和音を、しかもプランジャーを使用してバックグラウンドを奏でているのがとても効果的ですね。
The Volga Vouty (Russian Dance) -ロシアの踊り
トランペットとトロンボーンの印象的なハイノートのイントロに続き、サックスの高音でのクラスター和音(音と音が乖離しておらず、密なサウンドがする)が特徴的なアレンジ。サックスの高音クラスター和音もエリントン楽団独特のサウンドです。その後はトランペットx2とトロンボーンx1の3本で和音を、しかもプランジャーを使用してバックグラウンドを奏でているのも以前登場したテクニックですね。そしてそれに応えるサックスのユニゾンもあります。ここまでくると大分エリントンのビッグバンドの特徴が見えてきたのではないでしょうか?
Danse of the Floreadores (Waltz of the Flowers) - 花のワルツ
原曲は華やかで軽やかなワルツを、スウィングのアレンジにしています。力強くフルオーケストラで奏でられるメロディーとその複雑なハーモニーはまさにエリントン・サウンドを象徴するものです。まるでブラス・シンセサイザーのように、ブラスの塊のサウンドはこのバンド唯一無二のトレンドではないでしょうか?
他にも『Far East Suite』や『The Ellington Suites』など自身で作曲した組曲を収録しているアルバムも大変オススメです。『Far East Suite』には名曲「Isfahan」も収録されています。『The Ellington Suites』はエリザベス女王に捧げられた組曲も入っていてその中の「Sunset And The Mocking Bird」という曲もいかにもエリントンらしい美しさのある曲で大好きです。是非聴いてみてください。
KYOTO JAZZ MASSIVE名義でリリースした「ECLIPSE」は、英国国営放送BBCラジオZUBBチャートで3週連続No.1の座を日本人として初めて射止めた。
著書に『DJ 選曲術』や『クラブ・ジャズ入門』、自伝『職業、DJ、25年』等がある。
2013年11月にはバーニーズ ニューヨーク新宿店で初のイラストレーション展を開催。
2017年6月、ジャズ・プロジェクト、Kyoto Jazz Sextetのセカンド・アルバム『UNITY』をブルーノートより発表。
同年フジ・ロック・フェスティバル~Field Of Hevenステージにも出演を果たす。
2018年10月にスウェーデンのレーベルLocal Talkより「RISING (RON TRENT Remix)/KYOTO JAZZ SEXTET」、11月に「MISSION (JAXX MADICINE REMIX)/KYOTO JAZZ SEXTET」を、更には11月3日には、HMV recordより『You've Got To Have Freedom/Mission (Unreleased Version)/KYOTO JAZZ SEXTET』をリリース。
現在、InterFM『JAZZ ain't Jazz』にて番組ナビゲーターを担当中(毎週日曜日16時)。
有線放送内I-12チャンネルにて"沖野修也 presents Music in The Room"を監修。
GQ JAPANオフィシャル・ブロガー。
Takahiro Izumikawa『Life Is Your Thoughts』 、Nubya Garcia 『Source』、Shabaka & The Ancestors 『We Are Sent Here By History』、STR4TA『Aspects』、Christian McBride 『The Movement Revisited』、Jeff Parker 『Suite For Max Brown』、Nduduzo Makhathini『Modes Of Communication: Letters From The Underworlds』、Immanuel Wilkins『Omega』 、Matthew Halsall 『Salute To The Sun』、Lakecia Benjamin 『Pursuance: The Coltranes』、Diogo Strausz 『Pausa』、 Keith Jarrett『Budapest Concert』、Kamaal Williams『Wu Hen』、Yusseff Dayes『What Kinda Music』、 Lady Blackbird『Blackbird』、 Derrick Hodge『Color Of Noize』、 Charles Tolliver 『Connect』、Adrian Younge & Ali Shaheed Muhammad『Jazz Is Dead 1』、 Ben Wendel『High Heart』、Sam Gendel『Satin Doll』、 Gil Scott-Heron x Makaya McCraven『We're New Again』 、V.A.『Blue Note Re:imagined』ほか多数。
1.HAIM/Woman in music ptⅢ(COLUMBIA)
チョリソーを男性のシンボルに見立て、怒れる3姉妹が真正面から女性被害問題に立ち向かうジャケットが印象的なこのアルバムが今年のベスト。「Summer Girl」はどこかルー・リードの『ワイルドサイドを歩け』を彷彿させる。L.A.のインディーロックにカテゴライズされると思いますが、たまたまyoutubeで見つけました。現場や録音がメインのいつもの音楽生活だったとしたらこの曲には辿り着かなかったと思う。そういう意味では巣篭もり生活も悪くなかったかな。
2.BRUNO MAJOR/To let a good thing die (Harbour)
2020年は配信がメインのDJプレイだったからこそ『リズム設定』は敢えて無視してメロディや歌詞にフォーカス、SSW系やソウルのボーカル作品も多く買えた。ビンテージのアナログ機材で録音しているのかな?とにかく音質が抜群で粒立ちのひとつひとつが愛おしい。番組で紹介した曲の冒頭に耳を澄まして下さい。圧倒的な優しさの歌声に癒された。
Title : 『Nothing Unspoken Under the Sun』
Artist : 松丸契 Kei Matsumaru
LABEL : SOMETHIN'COOL
NO : SCOL1045
RELEASE : 2020.12.9
【SONG LIST】
01. harim tok (for West Papua)
02. ignorance is bliss
03. 虫籠と少年
04. interlude | ˈkænsl̩?
05. it say, no sé
06. 霖雨
07. 夏は短い
08. interlude | kji̥ɕikã̠ɴ
09. 暮色の宴
10. when we meet again
松丸契 Kei Matsumaru
サックス奏者。1995年千葉生まれ。パプアニューギニア出身。2014年に全額奨学金でバークリー音楽大学に入学、2018年に首席で卒業。2017年度ヤマハ音楽奨学生に選ばれ、2018年に第47回Downbeat Competitionで自身のトリオ・オリジナル曲で全米1位を獲得するなど権威ある賞を多数受賞。2019年にデビューアルバム「THINKKAISM」をリリース。ドラマー石若駿率いるバンド「SMTK」では2019年に東京ジャズフェスティバルやTOKYO LAB等の企画に参加し、2020年の春に1st EPと1stアルバムを続けて発表。2020年11月に自身のカルテットでの新作「Nothing Unspoken Under the Sun」をリリース。現在都内を中心に様々な場で活動中。