Title : 『Double Rift』
Artist : CRCK/LCKS
小西遼、小田朋美、井上銘、越智俊介、石若駿からなるバンド、CRCK/LCKS(読み:クラックラックス)の3枚目となるミニアルバム。
不均等な日本語を心地よく聴かせるセンスは今作でも抜群で、楽曲の構成がさっぱりとシンプルになったことがその点をより浮かび上がらせている。1stアルバムでは園子温の「スカル」に曲をつけたものが収録されていたが、今作でも「O.K.」、「たとえ・ばさ」では俳人の佐藤文香が、「病室でハミング」では詩人の文月悠光が作詞を担当し、一見音楽のために書かれたのかわからない詞を巧妙にリズムに載せていくさまには感嘆する。
その一方で楽曲の中の色彩感覚はより豊かになり、1作目のインタビューのときには彼らが「2日で録った」ということに驚いたが、今作ではそこからグッと深くまでより細やかな音の配置がなされたように感じた。小西遼が作曲を担当した「Skit」、「zero」ではプレイヤーとしての彼らをまた新しい切り口で見せつけているのも印象的だ・
各々が誰かの曲を演奏している感覚はどんどん希薄になり、何かと何かが混ざって面白くなった音楽というよりも、一つの新しい音楽としての完成度はさらに高まっているCRCK/LCKSに「各方面で活躍する気鋭のプレイヤーが集ったバンド」という肩書きはもう不要だな、と思った。
文:花木洸 HANAKI hikaru
CRCK/LCKS(クラックラックス)「No Goodbye」 MV
●CRCK/LCKS
音楽ライター柳樂光隆氏による人気のムック『Jazz The New Chapter 』の第5弾が2018年6月19日に発売。今回も花木洸が参加しています。
■タイトル:『Jazz The New Chapter 5』
■監修:柳樂光隆
■発売日:2018年6月19日
■出版社: シンコーミュージック
現在進行形のジャズを読み解くムック、第5弾が登場! !
カマシ・ワシントンの「Heaven & Earth」から始まる現代ジャズの手引き。本書では彼を出発点にLAヒップホップとジャズの関係、サックス奏者たちの進化、そして、ジャズの歴史やクラシッ ク音楽とジャズの関係をもとに「ジャズとは何か?」を考察する。
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Reviewer information |
花木 洸 HANAKI hikaru 東京都出身。音楽愛好家。 |