
左から Chris Peters(1st Part,Bass) James Gillen(2nd Part,Trumpet)
Davin Kingston(4th Part,Guitar) Grant Heineman(3rd Part, Brushes)
9月に開催された富士五湖ジャズフェスのために来日し、約一ヶ月もの間、日本に滞在しながら各地で素晴らしいパフォーマンスを披露した、ボーカル・ジャズカルテット、The Bean Tones。
The Beach Boys、やThe Four Freshmen などの40~50年代のボーカル・トラディションを継承しながらも独自のサウンドが人気を集める彼らに、グループ結成の経緯や楽曲制作について伺いました!
(なお、インタビュー時、Davinさんは先に帰国)
[Interview:黒沢綾]
[取材協力:annita artworks / 台東デザイナーズビレッジ]
[通訳:谷ジョー]
The Bean Tones インタビュー
■皆さん初来日!そして(インタビュー時)一ヶ月ほど日本に滞在中ですね。
日本に訪れる前のイメージと、訪れてからの印象を聞かせて下さい。
[The Bean Tones - Chris Peters]
僕は高校時代に日本語を勉強したことがあります。来日前に知っていたのは、クリスマスにKFCを食べる流行りがあるということ(笑)!日本に来てからはコンビニが気に入ったよ。そして日本の人たちもとても大好きになった!
[The Bean Tones - James Gillen]
日本の美しい自然、街並みは想像していた通りです。富士山の素晴らしさや、東京が楽しくユニークな街だということを知ることができました。
[The Bean Tones - Grant Heineman]
ミュージシャン友人から、日本が素晴らしい場所だということは聞いていました。実際、その通りでした。
ライブのお客さんはとてもフレンドリーで、手紙やお菓子をくれたりもしました。アメリカではそういう事はほとんどないので感動しましたね。
そして日本の人々は常に相手を尊重し、親切です。周りの人に愛をもって接する人達だと強く感じましたね。
■今回、日本のメディアでは初めてのインタビューです!
[The Bean Tones]
ハイ、さいこうデス!
■笑!では最初に、The Bean Tones 結成についてお伺いします。
2018年、バークリー音楽大学在学中に結成とのこと。
当初から4人とも40年代、50年代の古いボーカルジャズのスタイルに傾倒していたのですか?
[The Bean Tones - Grant Heineman]
私は古いバーバーショップのスタイルが高校時代から好きでした。大学に入ったらそのような4人組のボーカルグループを作ろうと。The Four Freshmen のような4人組をね。彼らのハーモニーのファンでしたから。
ジャズのアレンジャーとしての経験をいかして、バーバーショップのハーモニーを作り上げることに夢中になりました。
■結成のきっかけはどのような経緯だったのでしょう?
[The Bean Tones - Chris Peters]
そもそもの始まりは、僕ChrisとGrantが大学の寮でルームメイトだったことです。僕らがThe Four Freshmenに夢中だったので、こんなグループを作りたいとSNSでメンバーを募集しました。
50年代の古いボーカルスタイルと18歳ほどの僕ら。そのミスマッチがきっと面白いだろうと思ったのです。その結果、JamesとDavinが仲間になりました。
結成1年目は、大学で一緒に歌うときに会うだけの仲でしたが、1年経った頃には4人とも同じ寮に住んでいました。笑
■仲の良さが伺えますね!皆さんまだまだお若いですが、今までどんな音楽を聴いてきたのですが?
[The Bean Tones - Chris Peters]
全員共通してThe Four Freshmenが好きだという前提で、、
私Chrisは Jonas Brothers が大好き!Grantはジャズ。超が付くジャズ・ガイで、カウントベイシーが特に好きだよね。JamesはBillie JoeとQueen、クラシック・ロックが大好き。Davinはポップミュージックが好きなんだ。
そんな感じで4人とも嗜好がそれぞれ違うから、ユニークな化学反応が生まれているとも言えるんだ。
■なるほど。今日のステージを拝見してそれぞれのバックグラウンドを感じていました。
[The Bean Tones]
アリガトウゴザイマース!!
■そういえば、ライブで使っている個性的なマイクについて教えて下さい。
[The Bean Tones]
Ear Trumpet という素晴らしいメーカーのマイクで、最初はDavinがクリスマスに両親からプレゼントしてもらったものなんだ。50年代ブルーグラスやカントリーミュージックでよく使われるものだけど、僕たちはそれをジャズに取り入れてみた。
ミュージックビデオを撮る際にも見栄えが良く、今はライブ用と2台使っています。
■The Four Freshmenという大きな存在。もちろんリスペクトを前提として「今」この時代にこういった音楽を奏でるThe Bean Tonesらしさ、彼らとの区別化についてどう考えていますか?
[The Bean Tones - Grant Heineman]
The Four Freshmenとは似た方向ではあるけれど、僕たちはそれぞれのシンガーの長所をフィーチャーした作曲やアレンジができる強みがあると考えます。
僕Grantはアレンジャー、ピアニストでもあるので、他のメンバーにハイライトが当たるような編曲を凝らしています。
Chrisは声質がとても良いし音域が広い、同じようにJamesは低めの声が魅了的です。それらにスポットが当たるようにアレンジをします。加えて、Chrisはドラムが好きだからソロを作ったり、Jamesにはトランペットのパートを作ったり。それぞれ得意な分野があるからね。
■ The Bean Tonesのレパートリーはどれくらいあるのですか?
[The Bean Tones - Chris Peters]
ライブでは24〜26曲をプログラムしていますが、常に40曲ほどは用意しています。
新しくアレンジをしながら入れ替えています。バーバーショップやジャズスタンダードからね。
ちなみに僕自身はJonas Brothersの曲を60曲ほど歌えるんだけど、まだ採用されないんだ・・(泣笑)
■次回作の構想はありますか?
[The Bean Tones - Grant Heineman]
もちろん!今はクリスマスアルバムのために動いています。オリジナルのクリスマスソングと、トラディショナルやスタンダードを収録したアルバムにする予定です。
そしてレコード盤でのリリースや、来年はツアーも視野に入れています。今はそれぞれ単独での音楽活動もしているけれど、来年はグループの活動が多くなると思います。
■この日本滞在中に、忙しい間を塗ってレコーディングしていたと小耳に挟みました。
[The Bean Tones - Chris Peters]
そう!NOAHスタジオ吉祥寺に行ったよ!例のEar Trumpetを持参してね。
Davinのプロデュース、Grantのアレンジでピアノを録音したんだ。もともとあった楽曲を完成させるためにね。
■日本からみなさんを応援するにはどうしたらいいでしょう?
[The Bean Tones - Chris Peters]
日本ではみんなSNSを活用しているよね!それらで僕たちの歌をシェアしてくれると嬉しいな!
WEB SITEではニュースレターの登録やTシャツ販売もしているし、オリジナルソングの楽譜も販売しています。
そしてライブの合間や公演後のファンとの交流の時間を大切にして、そういう場を持つようにしているので来てもらえることが一番かな。
■ありがとうございます!それでは最後に日本のファンにメッセージをお願いします!
[The Bean Tones]
にほんじんがダイスキですー!
どの場所へ行っても、僕たちを歓迎してくれてありがとうございます!
ライブに来てくれた人にも感謝していますし、一緒に歌ってくれた人には驚かされました。
必ずまた戻ってきたいと思います!
招致してくれたjjazz.netさん、サックスの三四郎さん、色々な場所へ連れて行ってくれてありがとうございました。
日本は僕にとってナンバーワンの国!
■ありがとうございました!
| ALBUM情報 |
|
|
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

The Bean Tones
クラシックから現代音楽まで幅広いジャンルのオリジナルアレンジやカバーを演奏するボーカル・ジャズ・カルテット。2018年、バークリー音楽大学在学中に結成され、当時はバーバーショップ・カルテットとしてスタート。その後、ボーカル・ジャズ・アレンジを主に演奏。現在はロサンゼルスを拠点に活動。
The Four FreshmenやThe Hi-Lo'sといったグループに影響を受けつつも、独特なカリスマ性のあるサウンドと40年代、50年代のボーカルの伝統を融合させ、新たな聴衆に向けて刺激的なサウンドを生み出しています。
https://www.beantones.com

黒沢綾 (Singer,Pianist)
幼少よりクラシックピアノ、作曲、クラシック声楽を学ぶ。尚美学園大学JAZZ&POPSコースに入学後、自然な流れでジャズに傾倒。在学中よりプロとして活動をスタート。同コースを首席で卒業。以降、都内近郊でジャズシンガーとして着実にキャリアを重ねながらオリジナル曲を制作。2009年アルバム『うららか』、2013年『Twill』をリリース。ソングライターとして確かな実績を持つ。また上田力率いる【Jobim my Love】プロジェクトに10年以上ヴォイスアーティストとして参加。南米音楽への造詣を深める。ジャズの形式を用いた自由な音楽性、歓びに満ちたサウンドスケープをモットーとする。透明感あるクリスタルヴォイス、また楽器としての声による即興的なアプローチを得意とすることからヴォイス・プレイヤーとしてジャズ・コンテンポラリー作品に参加。参加作品は、栗林すみれ『Pieces of Color』、千葉史絵『Beautiful Days』、岸淑香『feat.手』等。またparis matchのコーラスを2011年から務め、Billboard Live TOKYOをはじめコンサートやツアーに参加。相撲と着物とジャズをこよなく愛す和洋折衷シンガー。
現在、インターネットラジオ・ステーションJJazz.Netの番組ナビゲーターをつとめる。
https://ayakurosawa.me/


RSS

























