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2013年5月アーカイブ

THE BRAND NEW HEAVIES インタビュー:インタビュー / INTERVIEW

今年はACID JAZZ RECORDSの25周年。
それに合わせたかのようにインコグニートのブルーイが初のソロ作を出し、6/19には、omarが新作を発表、
そして同じくアシッド・ジャズ黎明期からシーンを支えたTHE BRAND NEW HEAVIESも、
5月に黄金期のヴォーカリスト、エンディア・ダベンポートを迎えた約7年振りとなる新作『Forward』をリリース!

そんなTHE BRAND NEW HEAVIESが先日来日。
DJ KAWASAKIさんの番組「WHISKY MODE」の為、短い滞在期間にも関わらず、
ウイスキー好きのサイモン(g)とアンドリュー(b)が快く取材を受けてくれました。

次回の「WHISKY MODE」(6/19-7/17)で生声はお届けするとして、
彼らとの貴重なインタビューをご紹介します。

[JJazz.Net 岡村誠樹]


THEBRANDNEWHEAVIES600.jpg

【THE BRAND NEW HEAVIESインタビュー】

■Q. 日本は久しぶりですか?また日本で楽しみにしている事は何ですか?

[アンドリュー]
2011年11月のBillboard Liveで来たのが最後です。だからすごく久々ではないですね。フライトが非常に長くて日本に到着するまで時間がかかるけれども本当に日本は大好きで、デザインやお客さんのエネルギーが最高にいいので毎回楽しみにしています。

[サイモン]
日本と僕らのバンドの間には 確実に恋愛関係みたいなものがあって毎回楽しみにしています。そしてお店の名前がおかしい(笑)。すごい不思議な名前のお店とかがあって、それがいつも笑わせてくれる。あと、夜が明るい。渋谷とか昼間みたいなのでいつも驚きです。




■Q. 2013年はACID JAZZ RECORDSの25周年。TBNHが当時から意識していた事とは?

[サイモン]
特に最初からゴールを作っていたわけではなく、こんなふうにやろうとしていた意図はなかった。
本当に好きな音楽をただ演奏していただけで、近所に小さいクラブがあって、そこがファンクミュージックをたくさんかけていて、今はわりとよくどこでも聴くけど、当時ファンキーな音楽をかけてるクラブは非常に珍しかった。

それは当時レア・グルーヴって言われていた音楽なんだけれども、その音がすごく好きで、それを「皆でやろうぜ」って言って、ただやってきただけ。

その当時から今も変わらず「やりたいこと」、「やるべきこと」をやって進んできただけで、アメリカの音楽の影響を受けながら、僕らは音楽という名前の海みたいな広いところに、ポツンと一滴おちたような存在だと思っています。一歩一歩進んできたから30年間近くもやってこれたんだと思う。

[アンドリュー]
そう。僕らは本当に好きな事をやろうよ、と言ってやってきただけで、レコード会社との契約を狙っていたわけではない。もともと彫刻家やアーティストになりたかったし。

例えば短編のフィルムを撮ったり、映像作家になりたいと考えていたので、音楽をやろうと思っていなかったんだ。でも、計画せずともここまで来れた事は非常にラッキーだと思っています。




Q. あの当時と決定的に違うのはインターネットの存在。TBNHにとってインターネットの存在は大きいですか?またメリットを感じていますか?

[サイモン]
まず最初にこの質問してくれてありがとう。これまでに、「25年前と今ではどういう風に音楽業界は変わりましたか?」って質問がやたらとくるんだけど、そう言っても「インターネット」としか言い様がないから、そこをすっとばして「インターネットがあることについてどう思う?」と質問してくれたことに感謝します。

とにかく革命だと思うし、素晴らしいことだと思う。誰でもチャンスがあって自分の作った音楽を、より広くの人達に配信できて、人の心を動かせることが出来るというのは本当に素晴らしいことだと思う。

でも逆に言うとロック・スターがいないよね。それが良い悪いじゃなくて、いわゆるスターと言われるアーティストの寿命がすごく短くなったよね。

[アンドリュー]
そう、スターの寿命が短いぶん、しょっちゅう出さないと困る(笑)。僕らも年に1枚くらいのペースでアルバムを出して行かないといけないかもしれない。とにかく速くて情報量がものすごく多いから。でも良い悪いは別として、音楽は重音符が鳴っているだけのものだからね。

メリットは"あまりお金がかからない"という事。すべてがデジタルになることによって、以前だったらレコード会社のヘルプがなければアルバムが作れないという事があったけれど、今はプロモーションやアルバム制作に実際お金がなくても、レコード会社がいなくても、作品が作れるという意味では非常に大きなメリットだね。




Q. スタジオ・アルバムとしては7年振りとなる新作『Forward』をリリースされましたが、コンセプトやテーマについて教えて下さい。

[アンドリュー]
とにかく早く終わらせたかった(笑)。この前のリリースが2006年で、そこから7年経ってるし。ただ、音楽的にどうこうしようっていうのはなくて、TBNHらしい音というのは既に出来上がっていて、ドラムがたくさん入っていて、ベースがあって・・・。アガるようなバイブスを持った、いわゆるTBNHサウンドがあるからそれらをとにかくまとめて、"アルバムとして終わらせる"ということに、とにかくフォーカスしました。

[サイモン]
そしてしばらくの間、スタッフを全員入れ替えてたんだ。ビジネスサイドのトラブルがいくつかあって、前の前のマネージャーらにはひどく傷つけられた。
そういうことにメンバーがフォーカスしなければいけない状況があって、しばらく音楽のほうに集中できなかったんだ。
やっと(ダメなマネーシャーがやめたところに)今のマネージャーが見つかって、音楽に集中しようよ、というところでアルバム制作が始まったんだよ。

[アンドリュー]
アルバムの制作を始めてから全ての曲ができたわけではなくて、ものによっては10年前に作って寝かせてあった曲をもう一度引っ張りだして作り直したものもあるので、ここ10年くらいから遡って、これまでの日記(経験)をひとつひとつまとめていったようなアルバムだと思うよ。

[サイモン]
レヴューとかを見ると「最高傑作」と言われているみたいで、それは嬉しいけれど僕らにとってはそういう感じでもなく一つ一つの事にベストを尽くしていったんだ。

[アンドリュー]
インプロヴィゼーションがライブでも多いから、1回ギグをやることで新しい曲がどんどん出来ていくから、素材としてはもう5,000曲くらいあるんじゃないかな。
だからコンセプチュアルというよりは、「とにかくまとめよう」、「早く終わらせよう」、というのが今回の作品かな。




Q. 最後に今後の予定、そして(予定されている新作)『Heavy Rhyme Experience vol.2』についても教えて下さい。

[サイモン]
とりあえずこのアルバムのプロモーションとツアーを、戻ってからもやると思います。ツアーも既に1年先まで決まっているわけじゃないから、何か予定がきたり、ギグがくればツアーをやっていく予定です。

『Heavy Rhyme Experience vol.2』の話も確かにあるんだけど、ビジネス方面だとか、色んなアーティストが関わるから契約が大変なんだよね・・・。

でも、ヒップホップとライブミュージックを融合させたのは僕らが最初と言えると思うので、それ以前にも何人かのアーティストはいたけれど、いわゆるラッパーの人たちと生音を合わせたのは僕らが初だから、それに関しては胸を張ってもいいんじゃないかな。

『Heavy Rhyme Experience vol.2』のアイデアはいくつかあるけれど、アメリカでしかできないとずっと思っているというのはひとつある。ニューヨークに行って一週間くらいでババっと、やれたらいいんだけど、それまでの準備がとても大変なんだよね。

アイデアでいうと、この前アメリカでレコード屋に行った時、そこで流していたビデオをみたら日本のラッパーがMCバトルをやってて、あ、別にアメリカ人じゃなくてもいいんだ。と思って。
ラッパーってどこにでもいるし、ヨーロッパ・バージョンやドイツ・バージョン、そしてアジアバージョンの作品も作れるかもしれないね、という話はしていたんだよね。

[アンドリュー]
ひとつやらなきゃいけないのは純粋な(完璧な)ファンクのアルバムを作りたい。僕らが本当に好きな曲だけを、誰のこととかも考えずに、こうやったら売れるとか商業的なことも一切考えずに、ボーカルも入れずに楽器だけでやりたいよね。って話をしていたんだ。

よくサウンド・チェックやリハの時に、ただ楽器をかき鳴らして音を作るんだけど、ああいうジャム・セッションみたいのを一度ちゃんと録ってアルバムにしてみようか?というアイデアはある。

もしそれを録ったらインストゥルメンタルのバージョンを一枚作って、そこに日本人とか他の国のラップを絡ませてダブル・アルバムにしちゃったら面白いかもね。


ありがとうございました。




【The Brand New Heavies feat N'Dea Davenport - Sunlight (official video)】

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『Forward / THE BRAND NEW HEAVIES』

Forward


Forward / THE BRAND NEW HEAVIES

リリース:2013年5月8日
P-VINE
製品番号:PCD93686

黄金期のヴォーカリスト、エンディア・ダベンポートを迎え、ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズが新作アルバムを完成! ロンドン発、アシッド・ジャズの先駆者にして90 年代のアメリカのR&B シーンでも世界的ヒットを飛ばしたザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ。「ネヴァー・ストップ」、「ドリーム・オン・ドリーマー」、「ユー・アー・ザ・ユニバース」など黄金時代の名曲を思い起こさずに入られない内容の新作アルバムが遂に完成!あのエンディア・ダベンポートもヴォーカルに復帰し、"あの頃感"満載の1 枚に!当時聴いていたリスナーには期待を裏切らない作品であり、当時を知らない若いリスナーには新鮮に響く素晴らしい作品が誕生!!あらためて音楽の素晴らしさ、楽しさを教えてくれる1 枚です!!


THEBRANDNEWHEAVIES_A600.jpg


【THE BRAND NEW HEAVIES】

ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズは過去20 年間に渡ってジャズ、ファンク、ソウルのような様々な音楽をブレンドし、世界中のダンス・ミュージックシーンに多大な影響を与えてきた。結成当時からメンバーは変わらない。ヤン・キンケード、(ドラム/ キーボード)、サイモン・バーソロミュー(ギター)、アンドリュー・レヴィ(ベース)の3 人からなる。彼らの音楽はシーン自体に影響を与え、「アシッド・ジャズ」と呼ばれるようになった。バンド名ははソウルのゴッドファザーにして「ミニスター・オブ・ニュー・スーパー・ヘヴィー・ファンク」ことジェイムス・ブラウンへのオマージュである。1988 年に「Got To Give」でCooltempo というレーベルからデビュー。まだアシッド・ジャズレーベルと契約を結んで『ブラン・ニュー・ヘヴィーズ』をリリースする前だった。その後アメリカ人のシンガー、エンディア・ダベンポートと出会う。ユーリズミックスのデイヴ・スチュワートはエンディアにソロアルバムの契約を提示したが、彼女はこのオファーを断り、ブラン・ニュー・ヘヴィーズと繋がった。これが彼らの黄金時代の始まりである。デビュー・アルバムは、エンディアのヴォーカルを追加して1992 年に全世界で再発された。「ネヴァー・ストップ」、「ステイ・ディス・ウェイ」、「ドリーム・カム・トゥルー」など大ヒット曲が収録されていた。その後、ヒップホップのラッパーを迎えた『ヘヴィー・ライム・エクスペリエンス:ヴォリューム1』、をリリース。94 年のアルバム『ブラザー・シスター』の後、エンディアはバンドを離脱。97 年にはアルバム『シェルター』を発表。ライブ盤、リミックス盤など多くのアルバムをリリース。そして2013 年に満を持してエンディア・ダベンポートを再び迎え入れ新作アルバム『フォワード』をリリース!


レーベルサイト(P-VINE)


THE BRAND NEW HEAVIES Official Site

bar bossa vol.14:bar bossa

bar bossa


vol.14 - お客様:定成寛さん「橋渡しのジャズ」


いらっしゃいませ。bar bossaへようこそ。

月の後半はお客様をお迎えして「俺がコンピCDを作るんだったらこうするね」という趣旨で選曲していただきます。今回はジャズ評論家の定成寛さんにお越しいただきました。

林(以下H)「いらっしゃいませ。」

定成(以下S)「こんばんは。ええと、ホットワインとチョコをいただけますか?」

H「かしこまりました。定成さん、いつもこれですよね。さてさて、今回の選曲のテーマはどうなりましたか?」

S「いや実は・・・林さんからのご依頼メールに選曲のことが書いてあって『いかにもサダナリさんって感じ』として挙げられていたのが、申し訳ないんですがまったく私の趣味とは異なっていて(苦笑)。昭和の和ジャズとか、海外の勘違い日本とか書かれていましたよね?確かにどちらもいま人気があって、そういうものをマニアックに紹介する若手ライターとかDJってとても多いんですが、実は私はちょっと違うんですね。そこでハタと考えてみると、林さんとじっくりと音楽遍歴を話したことがなかった。もう15年以上、お店にお邪魔しているのに(笑)。」

H「あ、ごめんなさい。僕はもういつもの定成さんの会話から勝手にそっちだって勘違いしてました。」

S「1990年代の前半、まだジャズが"オシャレな音楽"と言われる前夜に、新宿のジャズ・スクールに通っていて、大ベテランのテナー・サックス奏者の弟子だったんですよ。演奏習って、理論習って、ジャズの歴史も教えて貰って...『シーメ』とか『ノーミ』とか、『チャンカー』とかフツーに使ってましたよ(笑)。いわゆる"ドジャズ"の人間ですよ。年齢的には20代の後半で、一応サラリーマンでもありました。ちなみに当時の担当楽器はバリトン・サックスです。軽自動車よりも高くてローンの支払いに3年かかりました。」

H「え? バリトン・サックス吹いてたんですか?」

S「ところが演奏の方ではまったく芽が出なくて(苦笑)。'97年の夏のボーナスでパソコンを買って、ジャズ入門者向けのホームページを始めたんです。これが演奏の100倍くらいウケてしまって(笑)。雑誌や新聞に20回くらい紹介されて、自宅に取材まで来て、2001年に単行本になって、さらにその本がラジオやテレビ番組になって、自分で構成と司会までして・・・。同じ頃、勤めていた会社、古い電線会社なんですが、そこで派閥争いに巻き込まれてクタクタになって・・・10年以上勤めていて丸の内の本社で役職にも就いていたんですが、辞めてしまったんです。自分で会社を作って、そこからライター活動が本格化します。35、36歳くらいでした。ここで冒頭の『実は私はちょっと違う』に戻りますが、元々が新宿の場末でサックス吹いてた人間ですから、モダン・ジャズの王道が染みついているんですよ。でも、まぁ、中学、高校、大学とニューウェイヴの洗礼というか、元パンクという過去もありますので(笑)、クラブ・ジャズも当然気になる。ところがどうも"その中間"というサウンドがあるらしい、ということに気づきまして、そしてそれに夢中になった! 例えばこんな曲です。ビリー・ハーパー(ts)の『クロケット・バレー』を聴いてください。1975年の作品です。」

Billy Harper - Croquet Ballet



S「フォーマット的には完全に普通のモダン・ジャズでしょう? でも若い人が聴いてもグッと来る、というか『なんだこれ?!』と思うでしょう。しかもビリー・ハーパーって"幻の"でもなんでもなくて、私の年齢を下限としてある世代以上のジャズ・ファンにとってはそこそこ有名な人なんですよ。まぁ、ちょっと二流っぽかったのと弱小レーベルだったんで、2013年においては歴史の彼方という感じですが、本当に冒頭の"ブロウ"-しゃくりあげるような奏法をそう呼ぶんですが-は日本人の琴線に触れる何かがあります。」

H「ビリー・ハーパーですかあ。今回は元レコード屋店員としては『名前は知ってるしジャケは知ってるけど聴いてない特集』になりそうな予感です。」

S「いきなり結論っぽくなりますが、ジャズ・ファンならばどんなにサエないオッサンでも『名盤』、『定番』として知っているのに、若い音楽ファンには知られていない死ぬほどカッコイイ曲なんていくらでもありますよ。例えばアーチー・シェップ(ts)の1972年のアルバム『アッティカ・ブルース』からタイトル・チューンと『ブルース・フォー・ジョージ・ジャクソン』を聴いて下さい。」

Archie Shepp - Attica Blues

Archie Shepp - Blues For Brother George Jackson



H「なるほど。アーチー・シェップってもっと普通のジャズだけの人だと思ってました。カッコイイですね。」

S「もうソウルなんだかジャズなんだか。でもジャズ界では"超名盤"で誰でも知っています。オープニングということでちょっと派手めに行きましたが、もう少し聴きやすくて楽しいレオ・パーカー(brs)の『ロウ・ブラウン』をどうぞ。これは1961年です。」

LEO PARKER - Low Brown



S「ちょっとゴスペル・ジャズっぽいですね。バリトン・サックスがメインなので一所懸命コピーしましたよ。実はこのアルバム、かの有名なブルーノートのしかも4000番台という超黄金期の作品なんです。でも楽器がバリトン・サックスなのと、レオが30代で早世しているのであまり話題にならない。こういうジャズを紹介することこそ意味があるのではないかと。」

H「あ、これもたまにジャケ見ますね。4000番台ですかあ。基本のはずなんですね。カッコイイですねえ。」

S「でもみんな手にとらないし、聴いてないんじゃないかな(苦笑)。にぎやかなのが続いたので、スローナンバー&林さんにプレゼントです。これもブルーノートのしかも4100番台、1962年の作品ですが、アイク・ケベック(ts)で『ロイエ』をどうぞ。ジャズ界では"深夜のボサノヴァ"と呼ばれています。」

Ike Quebec Quintet - Loie



S「この曲のレコーディングから2カ月後に、アイクは44歳で亡くなっています。死因は肺ガン。この曲を聴いたのはもう25年くらい前で、『一体どうやったらこんな静謐なテナーが吹けるんだ!』と驚きましたが、肺ガンで余命2カ月だったというのはなんとも・・・。しかしこの通り、ブルーノートだって真剣に聴いたら一生かかりますよ(笑)。有名盤以外にも何十枚、何百枚と優れた作品がある。そしてブルーノート以外に、プレスティッジだって、リヴァーサイドだって、ヴァーヴだってある。"和ジャズ"とかの前に、本気でモダン・ジャズを聴いてみろ!と(笑)。」

H「これは僕もジャズの人がボサノヴァやってるのを聴きまくった時にチェックしました。定成さん、ブラジルもすごく聴いてるしこういうのも聴くし大変ですね。」

S「さすがにアイクはここ20年くらいで広く聴かれるようになったかもしれません。でも'80年代までは日本では過小評価されていて・・・。何曲かご紹介したところでちょっとまとめますが、ジャズを聴こうと思うとマイルス・デイヴィス(tp)とか、ビル・エヴァンス(p)とか、有名人の代表作を買って、何回か聴いて・・・という人が多いと思います。逆に若い人だと、ネットや雑誌の影響でいきなり和モノ、キワモノ、"幻の名盤初CD化"-正直言って玉石混淆です。注意して下さい。-をコレクター感覚で集めて・・・。でもどちらもそれだけでは長続きしないですよ。雰囲気、気分、ムードで終わってしまう。私は10代後半から聴き始めて、そろそろ30年になりますが、いまでも毎日新しい発見があります。何十年も聴き続ける-ついでに言うと堅実にそれを仕事にしている。-秘訣は"三本柱"ですね。マイルスの名盤を、それこそもう500回目のリピートで『やっぱりいいな』と思うこともあるし、まぁ、確かに和モノやキワモノで『これは!』という名盤に出会うこともある。そして最もこだわっている、"いまはあまり話題にならない、60、70年代の中堅奏者の名演"。一時流行った"カフェ・ミュージック"とも違うし、DJ系とも微妙に異なる。まぁ、『ちょっと面白いジャズ』としか言いようがないですが(笑)。この3つです。」

H「なるほど」

S「しかしこうなると『一生かかってどこまで聴けるんだろうか?』と心配になって来ますよ。でも長い間、本当にジャズが好きで聴き続けている人が追いかけているのは、3つめに挙げたような地味なプレイヤーやアルバムじゃないかなぁ・・・。 いまマイルスとエヴァンスの名前が出ましたが、彼らだって聴きようによってはクラブ・サウンドですよ。1969年の名盤『イン・ア・サイレント・ウェイ』から『シュー~ピースフル』をどうぞ」

Miles Davis - Shhh-Peaceful



H「おおお、マイルスはこれですかあ。やっと定成さんのセンスがつかめてきました。でも若い男子に受けそうですよね。」

S「マイルスは1991年に自伝的な映画『ディンゴ』を自演しているんですが-これも観た人は少ないかも-そこでもこんなサウンドを演っていましたね。本人はこういう音が一番好きだったんじゃないかな。1曲18分ありますが、まぁ、これと対峙するココロを持つものがジャズ・ファンというか(苦笑)。しかしアンビエント系というか、早すぎた音響系みたいでしょう? 約45年前ですよ。でもこの曲もアルバムもベテランのジャズ・ファンならみんな知ってるんですけれどね。このサウンドに呼応した動きは実は当時の日本にもあって、続けてご紹介します。菊地雅章(p)が担当した東京映画『ヘアピン・サーカス』のサントラから。貴重な予告編と続けてご覧ください。これは1972年です。」

ヘアピン・サーカス トレイラー

ヘアピン・サーカス



H「お、僕はこういうの詳しいのが定成さんの真骨頂だと思ってました。良いですねえ。CTIのデオダート的と言いますか。」

S「ふふふ、こういう日本のジャズをどんどん紹介出来れば嬉しいですね。苦労して探してますよ。うーん、確かにデオダードも感じますね。ちなみにCTIはあとで出てきます。『ヘアピン・サーカス』が出たところでライターの仕事について少々。今は『ジャズジャパン』という月刊誌でいろいろと書かせてもらっています。『日本映画の中のモダン・ジャズを改めて紹介する』という企画があって、まずこの『ヘアピン・サーカス』を紹介しまして、文末にこの作品の魅力として『ジャズ、映画、そしてジャズ』と熱くまとめたんです。そうしたら編集長もデザイナーさんもそのフレーズが気に入ってしまって(笑)、そのまま不定期連載のタイトルになってしまった。そのあとは日活の『野良猫ロック』シリーズとジャズ・ロックの同時代性とか、川島雄三監督と黛敏郎のコラボレーションについて書きました。あと、新作映画のレビューも準連載で書いています。実は映画の方が専門...かもしれない(苦笑)。日本映画史、特に監督研究が専門分野なんですが、モダン・ジャズと日本映画の両方をガッツリ書く人が少ないもので、そんな企画があるとあちこちから声を掛けて頂いています。ちなみに筑摩書房の言語系の雑誌で、純粋に-ジャズ抜きで-日本映画史の研究記事を連載していたこともあります。」

S「あと超長期連載になっているのが携帯サイトの『ハーフノート・ジャズ』の週刊コラムです。2001年の秋からなので、もう今年で12年目になります。1年に50週書くので、もう600回書いているかな。ここ数年は月末にやっている「ジャズナンデモQ&A」が楽しみで(笑)。」

S「読者の人の発想はスゴイですよ。名質問ベスト2は『マイルス・デイヴィスは下手なんですか?』と、『ベテランのジャズ・ファンは何であんなにエラそうなんですか?』です(爆笑)。」

H「(爆笑)」

S「曲に戻りましょう。さきほどビル・エヴァンスも聴きようによってはクラブ・サウンドと言いましたが、例えば1970年のアルバム『フロム・レフト・トゥ・ライト』。このアルバムもベテランのジャズ・ファンには有名で、しかも『エレピブームに合わせて、エヴァンスが嫌々多重録音をやれられた珍盤』と言われていましたが、いま聴くと最高ですよ。最近ではヲノサトル(key)さんがカヴァーしていますね。ぜひとも1曲ご紹介したかったのですが、エヴァンスは大人の事情でお聴かせ出来ないので(苦笑)、やはりヲノさんがカヴァーしているデイヴ・グルーシン(p)のサントラ曲『ザ・コンドルのテーマ』をどうぞ。これは'75年ですね。」

Dave Grusin - 3 Days Of The Condor



H「『フロム・レフト・トゥ・ライト』は僕も若い頃買って痺れました。大人の事情ですか(笑)。デイヴ・グルーシンは定成さんお好きそうですね。良いですねえ。」

S「グルーシンはさっきお願いした"ホットワインとチョコ"ですよ。若いころは辛い酒ばかり呑んで『ケッ!グルーシンなんてフュージョン野郎じゃん!』と馬鹿にしてました。でも最近は、甘いお酒でこういうサウンドを聴くのが快感で(笑)。ほんとにカッコイイでしょう。しかし、ここまで来るとジャズと言っていいのかどうか。でもそもそもこんなに音楽を聴くようになったのは、3、4歳の頃から家の中でずーーーっとラジオがついていたのがきっかけで、ヒット曲よりも、繰り返しかかる番組のテーマ曲に興味を持ったのが今に繋がっています。カミさんからは『もしずっと落語がかかっていたら今頃名人になってる』と言われましたが(笑)。4歳くらいに聴いた曲ならば、いまでもアレンジも含めて覚えていますよ。1曲だけ、ジャズじゃない曲もいいですか? ラジオ歴45年で最も印象深い曲。中学生時代のラジオ・ドラマのテーマで、ロイ・バッド(key)の『ゲット・カーター』です。」

Roy Budd - Get Carter



S「1971年のイギリス映画『狙撃者』のテーマなんですが、1970年代の終わりにFM東京でやっていた『あいつ』というラジオ・ドラマで使われていて、出演者は日下武史たったひとりで・・・思い出しただけで震えて来ます。」

H「おおお、定成さんらしい感じが出て来ましたねえ。」

S「私も歳をとったのか、こんな感じの1970年代のサウンドがいま一番気になりますね。冒頭からお話ししている通り、『ある世代は普通に知っていて、しかもものすごく素晴らしいもので、しかし若い世代は知らない』というものを紹介するのが仕事なので、'70年代関連はある意味、宝の山ですよ。もちろんキワモノ、ゲテモノのたぐいじゃないですよ。'70年代に広く享受されていた、評価されていた優れた音楽や映画は、もっと紹介されるべきです。ちょっと興奮してしまいましたが、いま一番多くの人に聴いて欲しい曲を紹介して終わりにしましょうか。ミルト・ジャクソン(vib)の『サンフラワー』です。1972年、白い枠のない全面写真の、第二期CTIとでも呼べばいいのかな。何千枚、何万曲とジャズを聴いた私が一番感動した1曲です。」

Milt Jackson - Sunflower



S「これも"幻のナントカ"じゃなくて、当時の『スイング・ジャーナル』にはバカデカイ広告が出ていて、私自身あちこちのジャズ喫茶で大音量で聴かせてもらっています。年配のジャズ・ファンなら『あぁ、アレね』という有名作なんですが・・・。そういうものを引き継いで行く"パイプ役"が私なのかなぁ。あとはジャズとロックと映画の丁度中間で橋渡しをしている感じもありますね。今日はあえて話題に出しませんでしたが、ブラジル音楽との繋がりもよく書いています。まぁ、それは長くなるのでまたの機会に。」

H「確かにこのアルバムは中古レコード屋さんのフュージョン・コーナーの定番だからそうとう売れてそうだけど、今は誰も語らないアルバムの代表のようなものですね。」

S「さっきヲノサトルさんの名前が出ましたが、これからの音楽は、こういう40年間、50年間の名曲の結晶みたいなサウンドが演奏される、カヴァーでもいいし、オリジナルならばなおいいですが、そんな時代になるといいですね。お話しした通り、私は演奏者としてはサッパリだったので、サウンドの方はヲノさんとか、菊地成孔氏とかにお任せして、原稿の方でがんばりますよ(笑)。」

H「いやあ、定成さん、もっともっとクールな人だと思ってたのに、なんだか熱くてすごく良かったです。今回のテーマは『橋渡しのジャズ』でしたね。あ、エルメートとジスモンチ好きの奥様にもよろしくお伝え下さい。」




定成さん、お忙しいところどうもありがとうございました。
ホント開店当時からずっとお店に来ていただいているのに、全く音楽の話をしていなかったんだなと今さらながら不思議な気持ちになっています。実は定成さん、韓国についても詳しくて、韓国語もぺらぺらというもうワケのわからない経歴の方なんですよね。

そろそろ梅雨が始まる時期ですね。雨が降る日に自分の部屋でこんなジャズを聴くのも素敵ですね。

それではまたこちらのお店でお待ちしております。


bar bossa 林 伸次




定成 寛(さだなり・ひろし)
1965年東京生まれ。音楽・映画ライター。大学卒業後、古河電気工業株式会社に入社。電線工場での生産管理業務、工場建設プロジェクト、本社での企画管理業務などを経て、ジャズ、ロックと日本映画史を専門とした文筆業に転ずる。映画監督・川島雄三(1918-1963)の研究家でもある。著書に『二十一世紀ジャズ読本』(ブックマン社)、『プロが教える通信のすべてがわかる本』(ナツメ社)ほか。連載多数。
https://twitter.com/h_sadanari




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bar bossa information
林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

bar bossa
bar bossa
●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
 12:00~15:00 lunch time
 18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
お店の情報はこちら

ものんくる(角田隆太&吉田沙良) インタビュー:インタビュー / INTERVIEW

2011年1月に活動を開始したばかりの新人ながら、ビッグバンドスタイルのジャズと日本語ポップスをブレンドした他にはないサウンドで、耳の早いリスナーの注目を既に集めていたグループ、ものんくる。
メンバー全員がほぼ20代という新世代グループが、5月22日に実質上のファースト・フル・アルバム『飛ぶものたち、這うものたち、歌うものたち』をリリースしました。
プロデューサーは、鬼才、菊地成孔。
氏曰く、「ギル・エヴァンスのビッグバンドやカーラ・ブレイのオーケストラ、チャーリー・ヘイデンのリベレイション・ミュージック・オーケストラなどを思い起こさせる、完成度の高いモダンアレンジ・サウンドで、全曲のクオリティが高い」というお墨付きです。
めくるめくビッグバンド・アレンジの中でも映える歌声で、物語のような日本語の歌詞を絶妙な温度で聴かせてくれます。
一聴して、洗練された新しいアコースティック・ポップ・ミュージックという印象を受けるのですが、これからお届けするインタビューでは、それだけではない、想像できなかったルーツやメッセージを発見することができました。

グループの中心人物のお二人、作詞作曲編曲・ベースを担当している角田隆太さんとボーカルの吉田沙良さんにお話を伺いました。


ものんくる『飛ぶものたち、這うものたち、歌うものたち』
飛ぶものたち、這うものたち、歌うものたち

■タイトル:『飛ぶものたち、這うものたち、歌うものたち』
■アーティスト:ものんくる
■発売日:2013年5月22日
■レーベル:Airplane label
■カタログ番号:AP1049
■価格:2,625円(税込)
■アルバム詳細:http://airplanelabel.shop-pro.jp/?pid=57523301


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ものんくる(角田隆太&吉田沙良) インタビュー

■お二人の出会いを教えて下さい。

[角田隆太] 他の人のバンドのメンバーとして集められた際に出会いました。

[吉田沙良] 私はまだ大学生の頃でした。

[角田隆太] 僕は大学を卒業して1年目でしたね。


■その後、どうして一緒にバンドをやることになったのですか?

[角田隆太] 楽しかったんですよね。

[吉田沙良] ちょうど、私がメインのCDを作ってみないかという提案を大学から頂いて。でも、一緒に録りたいメンバーがいないなーと思っていて。その頃さっきの他の人のバンドで角田さんたちと一緒にライブする機会があって、この人達となら一緒にやりたいなと思いました。それで、私から声をかけたのが始まりです。角田さんがすごく素敵なオリジナル曲を書くので、それを録音したところから、ものんくるが始まりました。


■それは何年前ですか?

[角田隆太] 2年前ですね。2011年1月に結成してその年に最初のミニアルバムを(SG Worksより)リリースしました。


■何度も質問されているかもしれませんが、「ものんくる」という言葉に何か意味はあるのですか?

[角田隆太] 伊丹十三さんが監修していた「ものんくる」という雑誌があるという話を聞いて、その響きが気に入って頂いちゃいました。なので、それ自体に特に意味は無いんです。


■ものんくるの音楽は、モダンなビッグバンド・アレンジと日本語の歌詞による日本の歌の世界観がミックスした、新しいアコースティック・ポップ・ミュージックという風によく言われていると思うんですが、結成当初からそのようなスタイルだったんですか?

[角田隆太] 最初は管楽器が2人しかいなかったのでビッグバンドではなかったですけど、サウンドはそれほど変わっていないですね。


■ものんくるサウンドの源を少し知りたいなと思うのですが、音楽にハマったきっかけは何ですか?

[角田隆太] 一番最初にすごくいいなと思ったのは、aikoでしたね。友達の家にあった『桜の木の下』というアルバムを聴いて、音楽スゲーと思いましたね。その時は小学生だったので具体的に何がいいかはわからなかったんですけど、音楽を聴いていて幸せになったという経験が初めてでした。


■その時は何か楽器は演奏していたんですか?

[角田隆太] やってなかったです。


■じゃあ、普通に聞いていて衝撃を受けたんですね。

[角田隆太] それからずっとこのアルバムだけを聴いていました。


■楽器を始めたのはいつですか?

[角田隆太] 中学生の時に友達とかもやり始めたし、クラシックギターを習いました。それで中学3年生の時に友だちにバンドに誘われたんですが、ギターが既にいたのでベースをやることになりました。よくある展開ですね(笑)。


■そのバンドは何を演奏していたんですか?

[角田隆太] オリジナルのメロディック・ハードコアです。


■メロコアだ!オリジナルで(笑)。全くそんな片鱗を感じさせないんですけど(笑)。

[角田隆太] あ、そうですかね(笑)。


■僕の中で、ものんくるのサウンドからどんどん離れていっています(笑)。aikoの方がまだ近い。

[角田隆太] 確かに(笑)。


■しばらくバンドは続くんですか?

[角田隆太] 大学2年生までメロコアやってましたね。で、大学1年生の時に、また友達に誘われてビッグバンドサークルに入るんですよ。


■メロコアをやっていた人がビッグバンドサークルに入るんだ!何で(笑)?

[角田隆太] その友だちが好きだったんで(笑)。仲良くなりたかったんですよね。


■あるある。

[角田隆太] ありますよね(笑)?


■じゃあ、大学でビッグバンドに入ってアップライトベースを始めたんですね。それまでは全くジャズは聴いていないですよね?

[角田隆太] 聴いていなかったですね。


■そこから聴き始めて、4年後に卒業してすぐに、ものんくるがあるんでしょ?何か早いね(笑)!

[角田隆太&吉田沙良] 笑

[角田隆太] 僕としてはメロコアやっているのとあんまり変わらない気持ちでやっているんですけどね。


■まじで!?例えばどの点ですか?

[角田隆太] ボーカルが声を張って、、、

[吉田沙良] エモさです。(笑)


■あー!なるほどね~!確かにボーカルがピークでは声を張ってるのが聴けますね。ものんくるの曲は1曲の中にピークが2回3回と来るアレンジですよね。それはメロコアから影響を受けているんですか(笑)?

[角田隆太] あ、そうですね。メロコアは1曲の間ずっと張っていますからね。それが(ものんくるでは)ちょっと凹んだりして繰り返すみたいな(笑)。


■沙良さんの音楽にハマったきっかけはいかがですか?

[吉田沙良] 物心ついた時からずっと、歌を歌いたい子で、歌手になるのが最初から夢でした。ちっちゃい時から歌うのが好きでしたね。


■その頃特に好きだった曲などありますか??

[吉田沙良] 3歳とか4歳だったので全然覚えていないんです。物心ついたのが小学校3年生の時だったので、それまではポワポワ生きていました(笑)。物心ついてからは、お姉ちゃんが聴いていた音楽を一緒に聴いてますます歌うことが好きになったんですけど、特に誰かみたいになりたいというのはなかったです。お姉ちゃんの影響で宇多田ヒカルとかミスチルとかを聴いていました。


■小学校3年生でその頃かぁ。僕は成人していましたよ(笑)。渋谷系とかサバービアとかは知ってる?

[吉田沙良] さ・ばー・び・あ??


■笑

[角田隆太] わかんないですね。


■で、沙良さんもバンドを始めるんですか?

[吉田沙良] バンドは全然やったことがなくて、ものんくるが初めてです。それまでは、とにかく歌うことが好きだったので、中学校で合唱部に入ってコンクールに出たり、部活でミュージカルに出たりしていました。


■その影響は、ものんくるのドラマチックな歌から感じますね。

[吉田沙良] どうやったらプロになれるのかをずっと考えた結果、クラシックを高校で学ぼうと思って桐朋学園で声楽を習いました。でもその頃からクラシックが好きじゃなかったんで、、、


■笑

[吉田沙良] 基礎を習うために入ったので好きではなくって。隠れて自分で曲を作ってピアノで弾き語りをしたりしてポップスをやっていました。それで、クラシックはもういいだろうと思って、やったことのない音楽をやってみたいなと思って洗足学園音楽大学のジャズ科に入学しました。


■なるほど。

[吉田沙良] そこで初めてジャズを聞いてかっこいいな~、と思いました。ジャズってバンドを組まなくてもその辺にいる人たちでセッションしてライブしてってできるし。そんなことをしていたら角田さんと出会いました。


■じゃあ、学外の活動で出会ったんですね。ふたりともジャズとは大学で出会うんですね。ジャズは好きですか?

[吉田沙良] 高校生の時に自分で曲を作ってライブをしていたんですけど、自分の曲が好きじゃなかったんですよ(笑)。でもライブをしたいし歌いたいから作ってやってたんですけど、ジャズと出会って、こんなにいい曲がすでにあるじゃないかと。その曲達を自分なりに吸収してライブでやっていいんだ、という環境に初めて出会ってすごく楽しくなりました。


■そりゃもう、もってこいだよね。

[吉田沙良] (笑)。ジャズっていうツールが面白いなあと思って。

[角田隆太] ジャズは人間的な音楽という気がしますね。他の音楽だったら前もって準備してちょっとかっこつけたりできるけど、ジャズはそういうことは一切できないし、人間的な駆け引きで成立していくような感じのところが面白いですね。


■好きなジャズミュージシャンはいますか?

[吉田沙良] わたしは、、、、誰だっけ?


■笑

[角田隆太] グレッチェン・パーラト(笑)。

[吉田沙良] (笑)。あと、、、、

[角田隆太] カーメン・マクレエ(笑)。

[吉田沙良] そう、カーメン・マクレエ(笑)。全部忘れる(笑)。


■角田さんはいかがでしょう?

[角田隆太] ハービー・ハンコックです。


■ちょっと意外ですね。

[角田隆太] ブチ切れちゃうところが好きですね(笑)。


■なんだ、角田さん、そういう所あるんですね(笑)。

[角田隆太] そうですね(笑)。


■わかりました。ものんくるの聴き方がちょっと変わります(笑)。

[角田隆太&吉田沙良] 笑

[レーベル担当者A氏」僕もちょっとわかった(笑)。やっぱエモいんですね。

[角田隆太] そうなんです。


■はみだしたり、過激な方面に行くエネルギーに魅了されるんですね。

[角田隆太] そうなんです。


■それで沙良さんは声を張らされてるんだ(笑)。

[角田隆太&吉田沙良] 笑


■沙良さん、ものんくるの歌は大変ですか?

[吉田沙良] 大変とは思ったことはないですけど、今回のアルバムが出来上がるまでは、曲をちゃんと飲み込めたと思ったことは一回もなくて、ライブでも毎回チャレンジという気持ちでずっとやっていました。


■そうですよね。かなり難しいメロディーもありますもんね。

[吉田沙良] でも、私もいろいろな音楽を通ってきたけど、ものんくるの音楽が一番しっくり来ているので、難しいというのが全然嫌ではないですね。


■アルバムのことについて聞かせてください。このタイトル『飛ぶものたち、這うものたち、歌うものたち』というのは何か意味があるのですか?

[角田隆太] これは、プロデューサーの菊地(成孔)さんがつけました。


■あ、じゃあ質問してもわからないですね。

[角田隆太] わかりません(笑)。


■これはものんくるのことなのかな?

[レーベル担当者A氏」ものんくるのことです。


■飛ぶものたち、は何なんだろう?

[レーベル担当者A氏」菊地さんのメルマガに、ものんくるにはフラミンゴのような飛翔力があって、吉田さんの事は手足が長くてベリーショートなので、美しい鳥のようだと書いてありました。そのイメージじゃないかなと思いますね。


■なるほど。ライブで要確認ですね(笑)。はじめてレコーディングにプロデューサーを迎えての作業はいかがでしたか?

[角田隆太] 菊地さんは基本的に勝手にやっていいよという感じだったので自分たちで進めていって、行き詰まったときに天の声を頂くという感じでした。


■角田さんが作曲して沙良さんに歌詞とメロディーを渡す際には、かなりのディレクションがあるのですか?

[吉田沙良] 歌い方のディレクションはないです。

[角田隆太] (エアーギターをしながら)まず僕が自分で歌って、それを聴いてもらう感じです。


■あ、ギターで。ものんくるの曲をギターで弾き語るんですか?

[角田隆太] ま、できてないんですけど(笑)。間違えたとか言いながら(笑)。

[吉田沙良] それを聴いて、その場で歌ってみる感じです。


■作詞も角田さんですが、歌の世界観を共有したりするんですか?

[吉田沙良] 歌ってくれている時に聴いて理解します。私が気になったところは質問するという感じです。

[角田隆太] 本当に話したいことは話すけど、全体として話すことはないですね。


■作詞のインスピレーションは何ですか?実体験ですか?

[角田隆太] 実体験ではないです。イメージですね。


■好きな本はなんですか?本は読むほうですか?

[角田隆太] 本は読みますね。今読んでいるのはヘンリー・ソローの『森の生活』です。


■どういう内容なんですか?

[角田隆太] 南北戦争が終わった頃に森で生活した話が綴られています。面白いですよ。


■自然についての話が出てきたというわけではないですが、歌詞を聴いていると、人知の及ばないものに対する畏怖だったり、あはれとか無常だったりという言葉が浮かんできました。「消えていく」という言葉が度々出てくるように思います。

[角田隆太] 小説を読むとしたら泉鏡花とかなので、そういう所はあるかもしれませんね。


■歌詞を聴いていて質問したくなったのですが、今の世の中についてどう思いますか?

[角田隆太] このアルバムを作っていた時期は、原発がかなりやばそうだな、っていう時期でした。収録曲のうち「春を夢見る」以外は全部 3.11の後に作ったものです。そういう意味でかなり 3.11が影響していると思います。今は一時期よりもましになったのかもしれないですけど、ネズミがかじって電源が落ちるとか、いつどうなっちゃうかわからないところがあって、どうしようかなといつも思っています。


■いつどうなるかわからない、というようなところは音楽から感じます。沙良さんはいかがですか?

[吉田沙良] 全く同じ気持ちです。


■むかついていますか(笑)?

[吉田沙良] むかついてはいないですけど、言葉で言うのは難しいですね。思うものはたくさんあります。むかつくというより悲しい。


■長いスパンで物事を考えることを忘れている、というところに僕はむかついています。このアルバムには、長いスパンで考えることが大事というメッセージも含まれている気がして個人的には嬉しかったです。

[角田隆太] そこはすごくありますね。人間の命のサイクルを超えたスパン。


■歌について、歌うことについてどう思われますか?

[角田隆太] インストで重要なことも伝えられるなと思うんですけど、歌にしか伝えられないこともやっぱりあって。特に3.11後に発信するっていう時に、インストをやっているだけではいけないような気もするというか。ちゃんと言葉にして人に伝わる形にして勝負をしたいなと思いました。


■3.11はこのアルバムにかなり大きな影響を与えているんですね。

[角田隆太] めっちゃそうですね。


■沙良さんはいかがですか?

[吉田沙良] 私は楽器になりたいと思っていて。歌詞のない楽器が羨ましいな、とずっと思っていて。なので、ものんくるの歌詞に出会うまでは、歌で歌詞を伝えるということにあんまり気を使っていなかったというか考えてこなかったというか。ものんくるの歌詞を見て、「あぁ、歌わなきゃいけないな」って思いました。


■ものんくるは歌があってこそ、と思います。では最後に、夢や目標を教えて下さい。

[吉田沙良] 私は、NHKのEテレで、ものんくるの曲とかが流れるようになりたいです。

[角田隆太&吉田沙良] ものんくるとしての目標は、普通すぎて申し訳ありませんが、ツアーで全国に演奏しに行きたいなと思っています。


[Interview:樋口亨]




『飛ぶものたち、這うものたち、歌うものたち』発売記念ライブ

6月2日(日)@モーション・ブルー・ヨコハマ

開場16:00 開演17:30 & 19:30
詳細


6月13日(木)@青山CAY

Open 18:00 ~ 菊地成孔 DJ / Start 20:00 ~ ものんくるライブ
詳細




ものんくる
ものんくる

運命の年である2011年1月に角田と吉田を中心に結成。
早くも同年10月にはSG Worksよりファーストミニアルバムをリリース。
翌年1月に行われたmotion bulue yokohamaでの単独ライブは、結成1周年にして400名余を導引した伝説のライブとなった。
Airplane Labelから実質上のデビュー・フルアルバムである本作のリリースが決定後、その年の12月に菊地のイベント「モダンジャズ・ディスコティーク」並びにTBSラジオ「菊地成孔の粋な夜電波」出演~紹介されるや否や大きな反響を呼ぶ。

ものんくるオフィシャルサイトhttp://mononcle.aikotoba.jp/
吉田沙良オフィシャルサイト:http://sarayoshidavocal.wix.com/otameshi

WHISKY MODE Vol.45ゲスト - JAZZ COLLECTIVE:WHISKY MODE

今回の「WHISKY MODE」ゲストはJAZZ COLLECTIVEのリーダー、廣瀬貴雄さん。

普段からウイスキーをよく飲まれるそうで、中でもラフロイグがお好きだそうです。
まずは、ザ・マッカラン ファインオークのハイボールで乾杯。


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Photo by daisuke ishizaka


■今回PICK UPしたウイスキー:ザ・マッカラン ファインオーク12年■

スコットランドの名門「ザ・マッカラン蒸溜所」がおくるマッカランの新シリーズ!
マッカランの特徴である"シェリー樽原酒"をはじめ、3種類の異なる樽で熟成させた原酒を絶妙なバランスでバッティング。シェリー樽"由来の華やかさを残しつつ、ライトでスムーズな飲み口です。また、ハイボールにすると一層華やかさが引き立ちます。

ザ・マッカラン ファインオーク12年プレゼント:応募はこちらからどうぞ


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Photo by daisuke ishizaka

■廣瀬貴雄(JAZZ COLLECTIVE) × ザ・マッカラン ファインオーク12年■
「あまやかな香りの広がりがすごく上質。美味しいです。」by 廣瀬貴雄(JAZZ COLLECTIVE)


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Photo by daisuke ishizaka

JAZZ COLLECTIVEといえば、沖野修也さんや松浦俊夫さん、
そしてパトリック・フォージ等、海外の著名DJもプレイするなど、国内外問わず注目のジャズバンド。
結成するきっかけは渋谷のTHE ROOMだったということで、当時の話を聞かせてくれました。興味深いです。

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Photo by daisuke ishizaka

オーセンティックなジャズ、そしてクラブミュージックにも精通する廣瀬さん。
トロンボーンとの二管編成の若手ジャズ・バンド、他に浮かびません。

ジャズDJが彼らに熱い視線を送るように、JAZZ COLLECTIVEはDJやクラブを意識したサウンドメイクが特徴。
詳しくは番組をお聴きください~。


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Photo by daisuke ishizaka


今回はKAWASAKIさん初のベストアルバム『NAKED ~ DJ KAWASAKI Complete BEST』のリリースを記念し、
このアルバムに収録されている楽曲を中心にご紹介しています。
1曲目はbirdさんをフィーチャーした新曲。COMA-CHIさんに続き、2作目の日本語詞による楽曲です。
美メロ・ジャパニーズ・ハウス!

KAWASAKIさんアトマイザーをシュッと。

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Photo by daisuke ishizaka


【ザ・マッカラン ファインオーク12年の世界観に通じる楽曲】
→「Sweet Escape feat. eli (ex.love tambourines) / JAZZ COLLECTIVE」
「最初に甘さと爽やかさが広がるこのザ・マッカラン ファインオークの香り。その印象がこの曲のイントロ部分とリンクするんです。ストリングスの感じも含め、ストーリーが広がっていく感じがぴったりだと思います。」
by 廣瀬貴雄(JAZZ COLLECTIVE)


【今回のテーマ「Jazz Meets Club Music」に合う楽曲】
→「Prelude / JAZZ COLLECTIVE」
「ジャズとクラブミュージックがただそこで会う、ということだけでなく、ここから将来に向かって新しく広がっていって欲しい、という想いを込めて、前触れや予兆という意味のこの曲をセレクトしました。」
by 廣瀬貴雄(JAZZ COLLECTIVE)


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■WHISKY MOMENT■

4月から始まった新コーナー!
素敵な女性ボーカリスト3名が交替で登場。ウイスキーの似合うシーンをイメージして選曲してくれます。

orange pekoeのナガシマトモコさんに続いて登場してくれたのは、ジャズ・ボーカリスト、青木カレンさん!
以前この番組に出演してからWHISKYを飲んでいるそうです。嬉しいですねぇ~。

お久しぶりということで、まずは乾杯です。

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Photo by daisuke ishizaka

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Photo by daisuke ishizaka


今回は、テーマの「Jazz Meets Club Music」にちなみ、華やかで踊れる曲を
ご自身の楽曲の中からセレクトしてくれました。

夏を感じさせる華やかな曲多いです。ハイボールと合いそ~。



M1: 「SHINING(produced by 中塚武) / 青木カレン」

SHINING


SHINING / 青木カレン

リリース:2008年6月11日
Rambling RECORDS
製品番号:RBCS2277

2006年、ジャズ/クラブ・ジャズ・シーンに彗星の如く現れたNu Diva=青木カレン。『Tokyo J'z Trippin'』、『Groovin' Jazz Night Presents Karen』に続く待望の3rdアルバムが完成。中塚武、Shima & ShikouDUOプロデュースによるオリジナル曲、松浦俊夫、Indigo Jam Unit、Jabberloop、Nativeらによるスタンドード、カヴァー、そして、quasimodeのインスト曲のカレン・ヴォーカル・ヴァージョン、さらにはSaigenjiとのデュエット曲も収録した超強力盤!






M2: 「Sam The Samba Man / 青木カレン」

By My Side


By My Side / 青木カレン

リリース:2010年2月17日
PONY CANYON
製品番号:PCCY50068

イタリアン・ジャズ・レーベル"Norma Blu"第9弾作品にして初の日本人アーティスト、青木カレンのアルバムを発表。プロデューサーのパウロ・スコッティが日本を代表するシンガー青木カレンをポジティヴで軽やかで、華やかなサウンドとアレンジで包んだオシャレな1枚。全編イタリア録音で、サウンド・プロデューサーにジャズ・ライフ・セクステットのステファノ・セラフィニを迎え、ポップなジャズを聴かせます。








M3: 「LOVE FOR SALE feat indigo jam unit / 青木カレン」

SHINING


SHINING / 青木カレン

リリース:2008年6月11日
Rambling RECORDS
製品番号:RBCS2277








 










ナガシマトモコさん、青木カレンさんに続く、3人目の女性ボーカリストは誰なのか?
次回のこのコーナーもお楽しみに~。

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番組では皆さんから頂いたメッセージやリクエストもご紹介しています。
抽選でゲストとのサイン入り写真+ウイスキーをプレゼント!
メッセージ&リクエストお待ちしております~。

応募はこちらからどうぞ

収録風景等、番組のfacebookページにもたくさん掲載しています。
そちらも是非チェックしてみて下さいね~。

「WHISKY MODE」facebookページ

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【DJ KAWASAKI初のコンプリート・ベストアルバム、
『NAKED ~ DJ KAWASAKI Complete BEST』5月29日(水)リリース!】

タイトル : 『NAKED ~ DJ KAWASAKI Complete BEST』
発売日 : 2013.05.29(Wed) Release
製品番号 : TOCT-29148
価格 : ¥2,300 (tax.in)

iTunes ダンス・シングルチャートで、前人未到の8曲連続No.1を獲得!
birdをフィーチャーした書き下ろし新曲「Shining」収録!
ジャパニーズ・ハウス・ムーブメントを作ったDJ KAWASAKI 初のコンプリート・ベストアルバム!!

NAKED ~ DJ KAWASAKI COMPLETE BEST


NAKED ~ DJ KAWASAKI COMPLETE BEST

リリース:2013年5月29日
ユニバーサル ミュージック (e)
製品番号:TOCT29148

デビューアルバム『Beautiful』(2006年)から『BLACK & GOLD』(2012年)までの全楽曲より、iTunes ダンス・シングルチャートNo.1を獲得した楽曲などを選りすぐり、さらに書き下ろしの新曲、未発表Ver.までも加え収録した、DJ KAWASAKI初のオールタイム・ベスト!!新曲のフィーチャリング・ヴォーカルにはbirdが参加!DJ KAWASAKIの名曲が新たに誕生!ジャケットは、デビュー盤でモデルの藤井リナを起用し、"モデル・ジャケ"の先駆けとなった米原康正氏による最新フォトセッション!デビューから現在までの全てがわかる究極のベスト盤!




アルバム詳細(EXTRA FREEDOM)


【DJ KAWASAKI Complete Best『NAKED』Release Tour決定!】strong>
06/08(土) 神戸 / troopcafe
06/22(土) 大阪 / Grand Cafe
06/28(金) 大分 / FREEDOM
06/29(土) 高崎 / CANOES BAR TAKASAKI
07/05(金) 那覇 / LOVEBALL
07/06(土) 石垣 / GRAND SLAM
07/12(金) 仙台 / DINING BASE fam.
07/13(土) 京都 / COLLAGE
07/19(金) 松本 / MOLE HOLE
07/27(土) 盛岡 / players cafe
07/28(日) 宮崎 / CORNER
08/02(金) 渋谷 / TRUMP ROOM
08/09(金) 熊本 / 2110.(two one one zero)
08/10(土) 福岡 / complex@MILLS
08/13(火) 岡山 / MARS
08/24(土) 宇都宮 / PACELAB π
08/26(月) 山形 / Angelina
09/28(土) 松山 / club BIBROS

and more!
他地方都市、随時ブッキング中。

ツアー詳細(EXTRA FREEDOM)


【沖野修也、DJ KAWASAKIがシングルモルトの世界をテーマにセレクトしたコンピレーションCD】

Magic


WHISKY MODE~A COLLECTION OF CLUB JAZZ / CROSSOVER / SOULFUL HOUSE CLASSICS~

リリース:Now On Sale
ewe records
製品番号:EWSP-0001

シングルモルトウイスキー"の世界観をテーマに、沖野修也、そしてDJ KAWASAKIが("クラブ・ジャズ/クロスオーバー・ミュージック"を)セレクトしたコンピレーションCD。JAZZTRONIK、吉澤はじめの楽曲から、沖野修也自身の楽曲もセレクトした、音楽×ウイスキーの至極のコンピレーションアルバム。共通するのはその多様性と、良質な世界観・・・。個性的な表情を見せるシングルモルトとクラブジャズ/クロスオーバーミュージックが共鳴し合うひととき、(家でも外でも楽しめる)新しいライフスタイルを提案します。

コンピレーションCD「WHISKY MODE」特別ページ


DJ KAWASAKI Official Site




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『Prelude / JAZZ COLLECTIVE』

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Prelude / JAZZ COLLECTIVE

リリース:2013年4月24日
OCTAVE/JAZZ COLLECTIVE
製品番号:OTCD3117

2004年の結成以来東京のクラブ・シーンで活動を続け、2012年4月リリースのファースト・フル・アルバム『JAZZ COLLECTIVE』ではヨーロッパ、アメリカ、カナダ、アジアなど世界中から注目を集めたジャズ/クロス・オーヴァー・バンド、JAZZ COLLECTIVEのセカンド・アルバム。












【JAZZ COLLECTIVE プロフィール】

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クラブシーンを席巻するjazz / crossover band"JAZZ COLLECTIVE"2004年、当時渋谷のThe ROOMで"SOFA"やその他のイヴェントで活躍していたミュージシャンで結成。2005年11月より渋谷The RoomでSynergeticsを開催。2006年1月DA LATAでも活躍中LondonのDJ、 Patrick Forgeの番組Patrick Forge's Cosmic Jam Radio Show(UK)でmini album"jazz collective"がとりあげられたのをきっかけに様々な国のラジオでもオンエアされる。2007年4月より渋谷The Roomで オーガナイズパーティーの DUAL JAZZ を開催し注目を集める。2008年 7月 ロシアの沿海地方 ウラジオストクで行われた Second Pacific Economic Congress に招かれ、中国の雑技、韓国のテコンドー、ロシアの音楽、舞踏など世界の文化とともに "日本を代表する芸能"として紹介され好評を博す。11月 H.M.V.独占盤コンピレーション「JAZZ FLOOR -JAPANESE CLUB JAZZ FOR REAL PEAPLE-」に参加。2009年 コンピレーション「Nu-Jazz Clash vol.1」に参加。2011年 "生音ジャズ2@新木場 ageHa"に出演し好評を博す。

JAZZ COLLECTIVEはクラブ・ミュージックを根本から見直し高いクオリティーでの音楽を提供するため数多くのDJやクリエーターとコンタクトをとり研究、演奏活動を行っている。彼等の活動は国際的に、高い評価を受けている。

JAZZ COLLECTIVE Official Site


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【青木カレン プロフィール】

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幼少を海外で過ごし、慶応大学在学中本格的にアーティスト活動を開始。ライブ・ツアー活動をメインに、BS Asahi TVのジャズ音楽番組のメインキャスト、ラジオのcross fm、Love FM、インターFM、神戸Kiss FM、ラジオ高崎、FM熊本などでナビゲーターを務める。アルバム2作品がジャズ専門誌ADLIBの「アドリブアワード(クラブ/ダンス部門)」受賞。2010年ベストドレッサー賞の新人部門であるベストデビュタント賞を授賞。2011年6月公開の織田裕二主演の大人気映画「アンダルシア 女神の報復」の挿入歌を担当。NHK Eテレ「3か月トピック英会話」~魅惑のスタンダード・ジャズ編~に出演し話題に。2012年夏、初のニューヨーク公演を成功させる。同年秋、フジテレビ系ドラマ「結婚しない」の挿入歌を担当。2012年9月には舘ひろしのアルバムにデュエット曲「銀座の恋の物語」が収録され、NHKの音楽番組SONGSに出演。2012年12月、映画音楽の名曲をジャズ・アレンジしたラブ・ソング集、アルバム「トランキュリティ」をリリース。
現代女性の先導となり、心の癒しとなるメッセージを唱い続ける、今最も美しいディーバ。


青木カレン Official Site

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【TEAM WHISKY MODE】
PHOTOGRAPHER : DAISUKE ISHIZAKA
NARRATOR : MAKI SUGIMOTO
ARTIST MANAGEMENT : ERI MORI
PROMOTER : TOSHIHIRO ASAI
DIRECTOR : SATOSHI HIROSHIMA

produced by JJazz.Net

Jukka Eskola Orquesta Bossa interview:インタビュー / INTERVIEW

ザ・ファイブ・コーナーズ・クインテットのリーダー、
ユッカ・エスコラによるボサノヴァ・プロジェクト(=Jukka Eskola Orquesta Bossa)が始動。

このプロジェクトと同名の新作は「夜ジャズ.Net」でお馴染み、
DJの須永辰緒さんが共同プロデューサーとして名を連ねる他、Jill-Decoy associationのchihiRoさんも参加。
まさに日本とフィンランドの懸け橋となる、注目のボサノヴァ・プロジェクトです。

そんなユッカ・エスコラのインタビューをご紹介。
質問は須永辰緒さんです。


→Jukka Eskola Orquesta Bossa特集。
「夜ジャズ.Net」(2013.5/15-6/19 OA)


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【Jukka Eskola インタビュー】

■Q. 今回のボサノヴァプロジェクトに関して。

私は古いボサノヴァ・アルバム(主に60'Sおよび同時期にリンクしたアメリカのジャズミュージシャン残したヴィンテージ音源)をずっと愛聴しています。私の演奏するトランペットでのプレイは主にジャズやジャズサンバに影響されていますがブラジル音楽に関してはエキスパートではありませんでした。

このプロジェクトは実際異なるプロジェクトから始まりました。弦楽重奏を含むビッグバンドとのコンサートをヘルシンキのコンサート用にアレンジを加えリハーサルなどをしていたのですがこの編成で得た体験はジャズの熱気よりももっとクール(*ジャズでいうところの"クール"よりも"穏やかな"といった語感)というなイメージが湧いてきたのです。そうしてその体験をボサノヴァ・プロジェクトに向けて動かしたらどうなるか?というアイディアが浮かんできたのです。

私が中心となる2管楽器+リズムセクション(ドラム、ベースおよびギター)を加え伝統的なボサノヴァを実践しつつも少しポップ•フィールドにタッチしながらアレンジをしました。フィンランドの伝説的アレンジャーであるルシ・ランペラ氏も共感してくれて共同作業も行いました。また私たちはブラジル音楽の要が歌であるということを理解していたのでマナーに沿った沢山の歌もののトラックを用意したり有意義な創作活動が出来たのです。それが非常に刺激的になり、さらには一歩進めてプロジェクトをレコーディングすることを思いついたのです。彼は直ちにプロデューサーとしてプロジェクトに参加して欲しいと考えドラマー/プロデューサーである元T.F.C.Q.のメンバー、テッポ・マキネンに連絡を取った所、彼も無類のボサノヴァ・ファンであることからスムーズにプロジェクトのスタートを切る事ができました。さらには以前から日本で親交の深い友人であるDJ須永辰緒氏と連絡を取り、アイディアを出し合いまずは日本でのリリースという形の構想も出来上がりました。

アルバム用に7曲の新しいオリジナルのジャズ・サンバを作曲アレンジ、さらには私たちが愛聴しているお馴染みの3曲のカバーを加え構成されています。「フロム・ザ・ホット・アフタヌーン」はミルトン・ナシメントによるクラシックス。私はポール・デスモンドのCTIからリリースされたアルバムのバージョンが好きで、フェイバリット・ソングの一曲でもあります。

さらに私はボーカリストを日本でのアルバム・バージョンに起用したい考えを持っていました。日本での録音は私と須永辰緒氏で行いました。結果的にそれは非常に素晴らしく、2人の異なるボーカリストはアルバム上で重要な役割を担っています。「ウィーン」はフィンランドのシンガーソング・ライターの曲です。オリジナルは勿論フィンランド語ですが、私はその歌唱、アレンジが非常に好きでずっとその新バージョンを作りたかった。この日本語で歌われるそれはパーフェクトでchihiRoの歌声は素晴らしく、成果は予想を上回る完成度になっています。もう1曲はA.Cジョビン作によるスタンダード「喧嘩にさようなら」こちらは日本盤のボーナス・トラックとして制作しました。ケイスィー・コスタの歌唱はワールドワイドの観点から見ても高い水準を誇っています。本当に素晴らしい才能です。




Q. パーソネルについて。

録音メンバーは主に北欧でトップのボサノヴァ/ジャズミュージシャン達で構成されています。Jaska Lukkarinen(d)はいま北欧で最も忙しいジャズ・ドラマーでしょう。またさらに、完璧なブラジル音楽を習得しているドラマーのひとりでもあります。Ville Herrala(b)も北欧で精力的に活動するコントラバス奏者です。彼は絶対音感の持ち主でメンバーの信頼も厚く高い技術を備えています。Peter Engberg(g)は、ジャズとボサノヴァ共に高い演奏技術でマスターする、おそらく欧州No.1のアコースティック・ギター・プレーヤーです。アコースティック・ギターの役割が非常なブラジル音楽を習得する為にブラジルに何度も渡り音楽院などで研鑽を積みました。私の幾つものユニットでのメンバーでもあり旧友のPetri Puolitaivalはアルト・サックス、バス・フルート、アルト・フルートおよびフルートをプレイします。フルートはブラジル音楽にとっても重要なセクションなので彼の参加も必然でした。

アルバムには弦楽四重奏としてプロトン・ストリングス・カルテットにも参加してもらいました。それらがこのアルバムユニークな個性とし、さらにはオーセンティックなボサノヴァをリ・ロードする作業のうえでストリングはこのアルバムサウンドにとって不可欠な要素でもあります。

そして重要なのはアルバムの共同プロデューサー、テッポ・マキネンの存在です。彼はフィンランド史上、不出世の偉大なドラマーであるだけでなく作曲やアレンジ、PCによるプログラミング技術他の非常に多くの才能を持ち数々のユニットでセールス面でも大ヒットを記録し、フィンランドで史上最も才能のある音楽家のうちの1人とも言われています。欧州を飛び出し、アメリカやアジアなどでもその活動は広く知られていることでしょう。テッポはこのアルバムではパーカッションおよびピアノ(!)を演奏しています。




Q. 日本のファンへのメッセージ

私は日本のファンは世界一だと思っています。それはT.F.C.Q.での幾度かの来日や自己ユニットでも来日で接した音楽ファンの関心の高さ、マナーなども含め音楽に対する情熱によるヴァイヴを感じているです。日本はジャズのパラダイスだ、と形容するジャズミュージシャンも少なくありません。そういった日本のリスナーが私の新プロジェクト「Jukka Eskola Orquesta Bossa」を幅広く聞いてくれることを期待しています。さらにはこのオーケストラで日本でのライブをお見せできたらいいなと思っています。See you soon!


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『Jukka Eskola Orquesta Bossa / Jukka Eskola Orquesta Bossa』

Jukka Eskola Orquesta Bossa


Jukka Eskola Orquesta Bossa

リリース:2013年5月15日
Zounds!
製品番号:ZS003

ザ・ファイブ・コーナーズ・クインテットのリーダー奏者ユッカ・エスコラ、テッポ・マキネン。日本からはDJ須永辰緒が共同プロデューサーとして名を連ねる、日本=フィンランドの友好の架け橋『Jukka Eskola Orquesta Bossa』が完成。世界に先駆けてまずは日本だけのリリースが決定。ほぼインストゥルメンタルでジャズとブラジル音楽へのオマージュを綴ったジャズサンバ集ながら、2曲だけ収録のボーカル・トラックには日本からchihiRo(ジルデコイ・アソシエーション)、何もかもが規格外の超新星ボサノバ・シンガー、ケイシー ・コスタが参加。ギター、パーカッションを加えたセクステット編成にヘルシンキの弦楽4重奏楽団も加わった10人編成。湖の国フィンランドから清冽で凛とした壮大なスケールの・ボサノヴァアルバムが登場した


【Jukka Eskola(ユッカ・エスコラ)】

ジャズトランペット奏者/アレンジャー/プロデューサー。
1978年生まれ。フィンランドを飛び出しコンテンポラリージャズ・シーンで最も成功したプロジェクト、ザ・ファイブ・コーナーズ・クインテットのリーダー。その成功を経てソロ活動や数々のプロジェクトなどにより欧州を代表するトランぺット奏者の一人としてシーンを牽引し続けている。フィンランドのヘルシンキに所在する名門シベリウス音楽院でジャズを専攻し以降キャリアは15年に及ぶ。ザ・ファイブ・コーナーズ・クインテット、リッキーティック・ビッグバンド、ジミ・テナー・バンド、ジョー・スタンス、ニュー・スピリット・オブ・ヘルシンキなどでもアンサンブルの中心として活躍。2007年に北欧の権威あるジャズ・アワード、ポリ・ジャズ・フェスティバルでは「ベスト•アーティスト・オブ•イヤー」に選出される。2010年のリリース「ランペラ=エスコラ」では9重奏楽団の共同リーダーとして作品を発表し大いに注目が集まり世界中のジャズ・ファンからの注目を浴びた。自身及びバンドメンバーとしての作品に加えて、スタジオ・ミュージシャンとしてほぼ200枚以上のアルバムにも参加。さらには多くの国際的なフェスティヴァルにも数多く招かれ、マリア・シュナイダー、ジミー・スミス、デービッド・リーブマン、トニー・アレン、パティ・オースティン、ピーター・アースキンなど、と共演。さらに現在はフィンランドを代表するジャズイベントのオウル・ジャズ・フェスティバル用の芸術監督として辣腕を奮っている。


山中千尋、8月新作リリース&9月に全国ホールツアー開催決定!!:ライブ情報 / LIVE INFO

JJazz.Netでもお馴染み、N.Y.在住のJAZZピアニスト山中千尋。
8月にクラシックの名曲を超絶アレンジした最新作『モルト・カンタービレ』をリリース。

アレンジに定評のある彼女だけに、
クラシックを取り上げたという今回の新作楽しみです。

そして9月からはこの新作を引っさげての全国ホールツアーも決定。
今から夏が待ち遠しいですね。

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【山中千尋NYトリオ 全国ホールツアー2013~モルト・カンタービレ】
-あのクラシックの名曲が、想像を超えるジャズになる!-


ニューヨーク在住のJAZZピアニスト山中千尋が、8月に待望の最新フル・アルバム『モルト・カンタービレ』をリリースし、9月にそのお披露目となる全国ホールツアーを敢行することが決定しました!

昨年リリースしたアルバム『ビコーズ』は、ザ・ビートルズの斬新なアレンジで大きな話題を呼びました。今回、山中千尋が取り組むのは「クラシック」!「エリーゼのために」「トルコ行進曲」など、誰もがどこかで聴いたことのあるクラシック定番の名曲達を、想像を超えた超絶ジャズ・アレンジで披露します。

桐朋学園大学卒業までクラシック・ピアノを専攻し、独自の発想力とアレンジ力に定評のある山中千尋だからこそ可能なかつてないクラシックのジャズ・アレンジは、ジャズ・ファン、クラシック・ファン共に必聴です!

自身のニューヨーク・トリオを率いての全国ホールツアーは、9月14日の大阪公演を皮切りに、全国8公演を予定。東京の紀尾井ホール、渋谷さくらホールのチケットが5/24に先行販売開始となり、その他の会場も随時発売いたします。


【山中千尋NYトリオ 全国ホールツアー2013~モルト・カンタービレ】

9/14(土)大阪 サンケイホールブリーゼ
9/16(月・祝)名古屋 しらかわホール
9/17(火)富山 富山県民小劇場オルビス
9/19(木)東京 町田市民ホール
9/20(金)東京 紀尾井ホール
9/21(土)静岡 静岡音楽館AOI
9/22(日)群馬 太田市新田文化会館 エアリスホール
9/23(月・祝)東京 渋谷区文化総合センター大和田さくらホール


ツアー詳細(プランクトン特設ページ)


<総合問合せ>
プランクトン 
03-3498-2881
http://www.plankton.co.jp/chihiro/


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【山中千尋】(ピアニスト)

群馬県桐生市出身、ニューヨーク在住。桐朋学園大学音楽学部を経て、名門バークリー音楽大学に留学し主席で卒業。2001年に澤野工房より日本CDデビュー。2003年にTVドキュメンタリー「情熱大陸」に出演し、その国際的活動が日本でも広く知られるところとなった。2005年にユニバーサルミュージックよりメジャー・デビュー。これまでリリースしたアルバムはすべて国内のあらゆるJAZZチャートで1位を獲得し、第23回日本ゴールドディスク大賞、スイングジャーナル誌ジャズディスク大賞、NISSAN presents JAZZ JAPAN AWARDなど権威ある賞を多数受賞。2012年には異なるコンセプトを持つ3作品を発表、さらに初の全国ホールツアーも成功させ、今まさに活動の絶頂期を迎えている。

山中千尋オフィシャルサイト

山中千尋レーベルサイト(ユニバーサル・ミュージック)

lisn 「香りを聞くひととき」 vol.3 - 最終回:lisn

lisn 香りを「聞く」


こんにちは。インセンス専門店リスンです。

空の青も、木々の緑も、目に入るものすべてがキラキラとまばゆく、初夏というよりも本格的な夏の到来を感じます。一日の日の長さにも、刻一刻と夏の足音が近づいています。夕暮れの空を見上げる時間が、日に日に遅くなり、ちょっと寄り道して帰ろうかな、なんて気分にもなりますね。

お花屋さんが開いている時間ならば、好きな花を選んでみるのはいかがでしょう。花束じゃなく、たった一輪。まるで火が灯ったかのように、日々の空間がぱっと華やいだ空気に包まれます。ささやかだけど、こんな心の潤いこそ本物の贅沢ですよね。

でも、たった一輪の花を買う気持ちの余裕がない時には、一本のインセンスに火を灯します。

今回ご紹介するインセンス、FROM WHITE TO RED(フロム・ホワイト・トゥー・レッド)はローズとグリーンの香り。バラの生花のような瑞々しく青々としたフローラル。もちろんバラの華麗なたたずまいも感じられ、その存在感は一輪で生けられた、凛としたバラの姿を彷彿とさせます。(まるで『星の王子さま』のお話に出てくる、いじっぱりで繊細な、あのバラの花のようですね)


FROM WHITE TO RED / フロム ホワイト トゥー レッド
香り:ローズとグリーン

軽やかで存在感のあるグリーンローズの香り。


FROM WHITE TO RED


FROM WHITE TO REDのイメージストーリーは、、、


どこまでも続く白い世界が、

波を打つように赤に変わる。

だんだんと迫ってくる赤。

ふと自分の足下を見ると、

真っ赤な花が咲き乱れていた。


ささやかだけれど大切なことがあります。
毎日のあわただしい生活の中で見失ってしまうほど、ささやかなこと。
でも、たとえば一輪の花を生けることでそのことに気づくことができる。心がやわらかくなり、感度が上がります。(疲れて凝り固まっている心では、空間の色が変わったことに、きっと気づかないでしょう)

音楽もインセンスの香りも、感じることにはじまります。


ご紹介した香りを含む、5種類の香りが入ったインセンスアソートメントを毎回プレゼントしています。このページの下にある「応募する」ボタンをクリックするか、「プレゼントページ」からご応募いただけます。
皆さまの香りについてのエピソードやご感想もぜひお寄せください。たくさんのご応募お待ちしています!




音楽から香りを、香りから音楽を感じる。
目には見えず、かたちもない。けれど確かに、ひとりひとりの記憶の奥底へ、遠く静かに響き渡る感覚。

三ヶ月間お付き合いいただき、ありがとうございました。
これからも、音と香りに満たされた空間で、皆様のやわらかく細い感覚が刺激され、スパークしていきますように。


リスン青山




今回ご紹介したインセンス「FROM WHITE TO RED」を含む
5種類の香りが入ったインセンス・アソートメントを抽選で3名様にプレゼントします!



応募する





lisn information

日本には古くから香りを「聞く」という美しい表現があります。

その【聞く:Listen】の発音記号をロゴマークにした「リスン」。

文化や言葉の違うところでも世界中の多くの人たちが説明や背景を知らなくても

楽しめる香りやデザインで満ちています。

リスン京都

リスン京都


〒600-8411京都市下京区烏丸通四条下ルCOCON

TEL:075-353-6466  FAX:075-353-6467

incense@lisn.co.jp

11:00~20:00 年中無休



リスン青山

リスン青山


〒150-0001渋谷区神宮前5-47-13-202

TEL:03-5469-5006  FAX:03-5469-5007

aoyama@lisn.co.jp

10:00~19:00 水曜日定休



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bar bossa vol.13:bar bossa

bar bossa


vol.13 - ピエモンテのピノ・ネロとルミアール・ヂスコス


いらっしゃいませ。

bar bossaへようこそ。

GWはどうでしたか?
途中すっきりしない天気もありましたが、旅やスポーツ、ライブやデート、色々とみなさん楽しめたのではないでしょうか。

すっかり初夏の日差しになってきましたが、そんな季節にオススメのワインがあります。

ピエモンテのピノ・ネロ
ピエモンテのピノ・ネロ


イタリアのスプマンテ。ピエモンテのピノ・ネロです。
ピノ・ネロはピノ・ノワールのイタリア語です。淡いロゼ色の細かい泡が喉に優しい初夏らしいスパークリングワインです。

ちなみにこのワインはビオロジックで作られています。最近「ビオワイン」とひとことでよく言われますが、「ビオロジック」と「ビオディナミ」と2種類あります。ビオロジックは1991年にEUで定められた有機農法で、ビオディナミはオーストリアのルドルフ・シュタイナー(1861年~1925年)が提唱した農法で、無農薬などは同じですが、さらに月の満ち欠けにあわせて農作業をするという決まりがあります。


それでは音楽の話に移りましょう。
今日はLumiar Discos(ルミアール・ヂスコス)というレーベルを紹介します。
このレーベルはAlmir Chediak(アルミール・シェジアッキ)というギタリストが始めました。
最初はボサノヴァの楽譜を出す出版社としてスタートしました。その楽譜はジョビン本人のお墨付きを得たことでも有名で、日本でも全冊そろえているという人がたくさんいます。


Lumiar Discos


そして、その後、その楽譜の延長線として、一人のブラジルの作曲家の曲を色んなアーティストが演奏するという、いわゆる「ソングブック」シリーズのCDをたくさんリリースしました。参加しているアーティストはすごく豪華でジョビンやカエターノ、ガル・コスタやドナートといった有名どころが、この小さいインディーズ・レーベルのためにたくさんの録音を残しました。
そう、「残しました」と過去形にしたのは理由があります。このアルミール・シェジアッキは2003年に強盗に襲われて他界しました。これからさらに興味深い活動をしそうな人だっただけにとても残念です。


Caetano Veloso - Meu Barracao (Noel Rosa)



この曲はノエル・ホーザという1910生まれで1937年に他界したリオ・デ・ジャネイロの天才作曲家のソングブック集からの1曲です。カエターノの口笛入り弾き語りのファンってたくさんいますよね。ここにもありますよ。

ed mota - samurai



ジャヴァンのような現代の作曲家のソングブック集もあります。エヂ・モッタというブラジルのファンク・スターがジャヴァンの名曲「サムライ」をさらに素敵に演奏しています。

NANA e DANILO CAYMMI - SO TINHA DE SER COM VOCE



もちろんアントニオ・カルロス・ジョビンのソングブック集もリリースされています。これはナナとダニーロのカイーミ姉弟の素敵なリラックスした演奏です。

ROSA PASSOS - FIM DE SONHO



ジョアン・ドナートのソングブック集も結構興味深いメンツが演奏しています。これは以前こちらでも紹介した「スカートをはいたジョアン・ジルベルト」ホーザ・パッソスの演奏です。

Tom Jobim - Tres Apitos (Noel Rosa)



これはアントニオ・カルロス・ジョビンの前述したノエル・ホーザのソングブック集からなのですが、実はジョビン、生前にこのレーベルにアルバム1枚分録音を残しているという噂があります。聞きたいものです。


どうでしたか?
ブラジル、リオ・デ・ジャネイロには1950年代当時のような「ボサノヴァ、サロン文化」というのがまだしっかりと残っていて、それを象徴するようなインディーズ・レーベル、ルミアール・ヂスコスを紹介いたしました。

そろそろ夏が近づいて来ましたね。
ボサノヴァが似合う季節です。

それではまたこちらのお店でお待ちしております。


bar bossa 林伸次


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 ・vol.2 ・vol.3 ・vol.4 ・vol.5 ・vol.6 ・vol.7 ・vol.8 ・vol.9 ・vol.10 ・vol.11 ・vol.12


bar bossa information
林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

bar bossa
bar bossa
●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
 12:00~15:00 lunch time
 18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
お店の情報はこちら

ギジェルモ・リソット ジャパン・ツアー 2013「ソロ・ギターラ」:ライブ情報 / LIVE INFO

アルゼンチン出身の若手ギタリスト、Guillermo Rizzotto(ギジェルモ・リソット)。
昨年国内盤化された『ソロ・ギターラ』は決して派手ではないけれど、繊細で美しいソロ・ギターだけの世界。
それは懐かしさや異国の情景を思い起こさせると共に、自分と向き合うには最適の一枚でした。

そんなギジェルモ・リソット、今年4月には待望の新作『情景の記憶~ソロ・ギターラ II』をリリース。
これに合わせ初来日ツアーが決定しています。

静寂を宿した美しいギターの響き、是非生で体感して下さい。

[Text:岡村誠樹]


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ギジェルモ・リソット ジャパン・ツアー 2013「ソロ・ギターラ」

アルゼンチンの伝統音楽を心に宿し、新たな解釈で継承する若き"印象主義"ギタリスト、ギジェルモ・リソットが初来日。爪弾かれる弦の響きひとつひとつに、甘美であたたかな想いが宿った、美しきギターの調べ。アルゼンチン・フォルクローレをルーツに、自身の内面世界を投影した、繊細で静寂を宿した美しき音楽が、今、あなたの目の前で。


5月31日(金)
東京・下北沢 富士見丘教会
(東京都世田谷区代沢2-32-2)
開場18:30 / 開演19:30 料金:予約3,200円 / 当日3,700円(予約番号順のご入場となります)
問:インパートメントTel.03-5467-7277 メール予約:ticket@inpartmaint.com

6月1日(土)
福岡
papparayray(パッパライライ)(福岡市中央区赤坂2-2-22)
開場18:30 / 開演19:30 料金:予約3,000円 / 当日3,500円(全席自由 / 1ドリンク別途)
オンライン予約:RePublik メール予約:reservation@republik.jp

6月2日(日)
熊本
TSUTAYA MUSIC CAFE MORRICONE(fecebook)(熊本市中央区上通町1番1号 NK第1ビル1階)
開場18:00 / 開演19:00 料金:予約3,000円 / 当日3,500円(全席自由 / 1ドリンク別途)
オンライン予約:LONGSIXBRIDGE

6月6日(木)
名古屋 カフェ・ドゥフィ
(愛知県名古屋市中区新栄3-17-11)
開場18:30 / 開演20:00 料金:予約3,000円 / 当日3,500円(全席自由 / 1ドリンク別途)
電話予約&問:Cafe Dufi Tel.052-263-6511

6月7日(金)
倉吉
夜長茶廊(鳥取県倉吉市西町2698)
~ 夜長茶廊 はじめてのライブ ~
開場18:00 / 開演19:30 料金:予約2,500円 / 当日3,00円(1ドリンク別途 / 30席限定)
予約&問:夜長茶廊 Tel. 0858-22-2083

6月8日(土)
姫路
ハンモック・カフェ(兵庫県姫路市的形町的形磯1864)
~ HUMMOCK Cafe 11th Anniversary Concert ~
開場18:00 / 開演19:00 料金:前売3,500円 / 当日4,000円(全席指定 / 1Drink+1Food付)
BGM選曲:吉本宏(bar buenos aires)
【スペシャル・ワークショップ「Paisaje:Landscape ~ アルゼンチン・フォルクローレの風景」】
開催16:30 ~ 17:30(同会場にて)
料金:ワークショップ+ライヴ通し料金 前売4,500円 当日5,000円(1Drink+1Food付)
予約&問:HUMMOCK Cafe Tel.079-254-1400 メール予約 : hummockcafe0525@yahoo.co.jp

6月9日(日)
岡山 日本福音ルーテル岡山教会
(岡山県岡山市北区広瀬町3-13)
開場17:30 / 開演18:00 料金:予約3,000円 / 当日3,500円(全席自由)
【スペシャル・ワークショップ「Paisaje:Landscape ~ アルゼンチン・フォルクローレの風景」】
開催16:00 ~ 17:00(同会場にて)
料金:ワークショップ+ライヴ通し料金 前売4,000円 当日4,500円
メール予約:moderado music moderadomusic@gmail.com

6月14日(金)
東京
渋谷 サラヴァ東京(東京都渋谷区松濤1-29-1 クロスロードビル B1F)
~ Guillermo Rizzotto Concert in bar buenos aires ~
開場19:00 / 開演20:00 料金:前売3,500円 / 当日4,000円(全席自由 / 1Drink付)
音楽選曲:bar buenos aires(吉本宏・山本勇樹・河野洋志)
予約:サラヴァ東京のHP内の予約フォームよりお願いいたします。

6月16日(日)
北海道 びほろエコハウス
(北海道網走郡美幌町美禽258-2 みどりの村敷地内)
開場14:00 / 開演15:00 料金:前売3,000円 / 当日3,500円(全席自由)
予約&問:CAFE + ZAKKA 森音 Tel.0152-72-2177


■ツアー詳細(インパートメントHP)


情景の記憶~ソロ・ギターラII


情景の記憶~ソロ・ギターラII / Guillermo Rizzotto

リリース:2013年4月18日
Rip Curl Recordings / Inpartmaint inc.
製品番号:RCIP0188

アルゼンチンの伝統音楽を心に宿し、新たな解釈で継承する若き"印象主義"ギタリスト、ギジェルモ・リソット。まるであなたの傍らで演奏しているよう。やさしく繊細な音色に、思わず目を閉じて聴き入ってしまう、静寂を宿した美しきギター・ソロ・アルバム。2012年国内盤化され異例のセールスを記録した名作『ソロ・ギターラ』に続く、新たなる傑作の誕生です。








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【Guillermo Rizzotto(ギジェルモ・リソット)】

アルゼンチンの伝統音楽を心に宿し、新たな解釈で継承する若き"印象主義"ギタリスト、ギジェルモ・リソット。1980年生まれ、アルゼンチン・サンタフェ州ロサリオ出身、ギタリスト、作曲家、編曲家、プロデューサー。12歳でギターを始め、19歳で地元のロサリオ音楽学校を卒業し、プロとして活動を始める。2006年に、10年以上の書きためた作品から吟味した初のオリジナル・ソロ・アルバム『Solo guitarra』を発表。その後スペイン、バルセロナへ移住し、自身のレーベル「Olga Records」を主宰。歌手デビッド・デ・グレゴリオとの共作『Brillo』(08年)、フルート奏者パブロ・ヒメネスとの共作『El paso del tiempo』(09年)、『La otra orilla』(12年)を発表。日本では、長らく入手困難だった『ソロ・ギターラ』が2012年春に国内盤としてリリース。南米音楽~フォルクローレのリスナーはもとより、クラシック・ギターのファンにまで幅広く支持され、異例のロングセラーを記録し一躍注目の存在となった。2013年4月18日、待望の新作『情景の記憶(ソロ・ギターラ II)』がリリースされるのに併せ、5月~6月には待望の初来日ツアーの開催が決定した。

"TOUCH OF JAZZ"アルバム - Maya Hatchセレクト:TOUCH OF JAZZ

番組「TOUCH OF JAZZ」では、毎回ゲストの方に
自身の「TOUCH OF JAZZした作品=ジャズに触れた作品」をご紹介いただいています。


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今回は、ジャズ・ボーカリスト、マヤ・ハッチさんのセレクション。

「大好きで、何度も何度も繰り返し聴いてはコピーした。」
この番組に登場してくれた皆さんの共通点でもありますが、
ジャズにのめりこんでいく時、必ずこうなるようです。

マヤさんの場合はエラ・フィッツジェラルドだったようですね。



『Ella And Basie / Ella Fitzgerald/Count Basie』


「エラ・フィッツジェラルドとカウント・ベイシーオーケストラがコラボしたこのアルバムですね。めちゃくちゃスイングしていてとってもかっこいいんです。高校生の時に、ヘビー・ローテーションで、何度も何度も何度も何度も聴いて(笑)彼女の全部をコピーしました。声で遊んでいるかのようで楽しくなる。私にとってのスイングってここからはじまったんです。
「TOUCH OF JAZZ」したというか、私がジャズを歌えるようになったのはきっとこのアルバムのおかげ。エラは私の原点なんですが、特にこの作品が好きで、彼女のソロの部分(スキャット)は何度も聴いたし、今でも同じように歌う事ができる(笑)。とにかく楽しいアルバムです。」 Maya Hatch


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■タイトル:『Ella And Basie』
■アーティスト:Ella Fitzgerald/Count Basie

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【Ella Fitzgerald "Jazz in Montreux '79 "Honeysuckle Rose"】



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Maya Hatch最新作

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■タイトル:『Li'l Darlin 』
■アーティスト:Maya Hatch
■発売日:2012年9月26日
■レーベル: スパイス・オブ・ライフ
■製品番号:PBCM61045

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【Maya Hatch】

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1985年8月18日、アメリカワシントン州・オリンピアにて母が持ち込んだカセットデッキから流れるスティービー・ワンダーの音楽に包まれながら産まれる。母から日系、父から欧米系(イギリス、ドイツ、スコットランド)の血を受け継いだマヤ・ハッチは、幼い頃から多文化間交流の大切さを身をもって学んできた。彼女にとって音楽とは、人と人とをつなぐ最適な方法なのである。
1993年8歳の時「サダコ・ピース・クラブ」(広島の原爆体験をテーマにした『禎子と千羽鶴』を作曲し、平和活動を行っているMichiko I. Pumpianさん主宰の児童合唱団)に参加。1996年に地元シアトルの小学校を卒業し、家族とともに日本へ渡り4年間を東京で過ごす。そこで弱冠12歳にしてNHKのスタジオ収録に参加、2年間ヴォーカリストを務めた。同時期に地域の劇団主催のミュージカル「赤毛のアン」「FAME」でリード役に抜擢され、歌と舞台で活躍する。
13歳の時、TBS系列のバラエティ番組「チャンスの殿堂!」に歌手メジャーデビューを目指して応募し、約14,000人の中から選び抜かれた4人のうちのひとりとして6ヶ月間に渡りお茶の間に登場した。放送局の都合により番組が途中で打ち切られてしまったため最優秀候補者は選ばれずじまいに終わったが、この体験を経てプロの歌手を志すようになる。
その後アメリカに帰国。父に連れられてシアトル中心に活動するウェストコースト屈指のジャズシンガー、グレタ・マタッサのステージを体験。ジャズとの衝撃的な出会いだった。その歌唱力に深く感動したマヤ・ハッチは、のちにマタッサの個人レッスンを受け始めることになる。高校2 年生のとき同校の栄誉あるジャズボーカルグループに入団し、シアトルの著名なジャズライブハウスやレストランで出演したかたわら、国内のジャズフェスティバルに多数参加し数々の受賞を経験した。特筆すべきはエリオットベイ・ジャズフェスティバルでの「最優秀ミュージシャン賞」(2004年)、レノ・インターナショナルジャズフェスティバルでの「最優秀ミュージシャンシップ賞」(2003、04年)、ライオネル・ハンプトンジャズフェスティバルで開催されたアルトソロボーカルコンペティションでの2位受賞(2004年)。
2002年の夏、全米から選ばれた3人の特待生のうちのヴォーカリストとしてイアーショットジャズ奨学金を受け、セントラム・バド・シャンクジャズワークショップに参加。その年のボーカル生を代表する2名に選ばれ、お披露目ライブも敢行。前年おなじワークショップに参加していたaward-winningピアニスト、ジェラルド・クレイトンとの出会いはここから始まり、8年後(2009年)にマヤ・ハッチのデビューアルバムのピアニストを務めることになる。
ニューヨーク州・ニューヨークのニュースクール大学に入学。ジャズプログラムでは歌を専攻し、ジェーン・アイラ・ブルーム、チコ・ハミルトン、ジュニア・マンスなどの著名なジャズミュージシャンの手ほどきを受け、ユージーン・ラングカレッジでは教育学を専攻した。2009年5月に両学部を卒業。
2009年6月にニューヨークのアヴァター・スタジオにて音楽ディレクター、編曲にアトランタで国際的に活躍中のピアニスト宮本貴奈を迎え、伴奏はピアノ、ジェラルド・クレイトン。ベース、ベン・ウイリアムス。ドラムス、クインシー・デイヴィスという現在ニューヨークで大活躍している若手ミュージシャンを起用してデビューレコーディングを行い。2009年11月にCD「マイ・フーリッシュ・ハート」で待望のデビューを果たした。
2010年4月から2011年3月の1年間、BSフジの人気番組「Beポンキッキ」に、マヤは歌のお姉さんとしてレギュラー出演。2010年春よりニューヨークから日本に拠点を移し、東京を中心にコンサート活動をスタート、本格的なシンガーとして一躍注目を集める。2011年の秋にはLUX Super Rich/ラックス・スーパー・リッチ・シャンプーのTVコマーシャルソングにマヤが起用される。そのCMソングが話題となり、ロングバージョン版が「グロー・ユア・ビューティー/Grow Your Beauty」という楽曲で、「Jazz Now」というCDに収録され同年12月21日にEMI Music Japanから発売された。
2012年3月からは日本唯一のヴォーカリスト&フリューゲルホーンプレーヤーTOKU率いる新たなヴォーカリーズコーラスユニット"H.I.T." (Hatch, Ito, TOKU)のメンバーとしてTOKU(Vo,Flh)、伊藤大輔(Vo)と活躍始動。
2012年9月26日に発売される3年振りの新作「リル・ダーリン/Li'l Darlin'」はデビュー盤と同じくニューヨークのアバター・スタジオで今年の4月に録音された。参加メンバーは、ピアニストに2年連続してグラミー賞にノミネートされたジャズ界の若きプリンス、ジェラルド・クレイトン。2009年のセロニアス・モンク・コンペティションで優勝した若き天才ベーシスト、ベン・ウイリアムス。ベンと共にパット・メセニー・トリオのメンバーに抜擢された注目のドラマー、ジャマイアー・ウイリアムス。ウイントン・マルサリスが「トランペットの未来であり、世界が探し求めるトランペッターの一人である!」と絶賛するキーヨン・ハロルド。更にアレンジメントとミュージック・ディレクターはジャマイアー・ウイリアムス、キーヨン・ハロルド、そしてマヤ・ハッチと同じニュースクールを卒業後、美しいメロディーとコードワークの巧みさで注目を集めるピアニスト、作曲家、アレンジャーのウォーレン・フィールズが担当。まさにニューヨークが誇る若き才能が集合した話題作が完成した。スタンダードの名曲の数々を現代的センスとR&Bフレイバーを加味したアレンジメントで斬新な作品となった第2弾CDでますます注目を集めるジャズ界期待の星である。


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