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2014年12月アーカイブ

DJ大塚広子インタビュー:インタビュー / INTERVIEW

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Jazzを中心とした幅広い選曲で知られ、
最近はジャズ喫茶や老舗ジャズクラブ等、リアルジャズシーンでも活躍する女性DJ、大塚広子さん。

この度自身がプロデュースするレーベルを立ち上げ、第一弾となるコンピレーションをリリースされました。
日本の新世代ジャズを切り取った、ありそうでなかった内容です。
メールインタビューでは、このコンピレーション、そして日本の新世代ジャズについてお伺いしました。

2015年1月度のPIT INN「Entertainment Nightly」ではゲストとして大塚さんが登場します。
そちらも是非お聴き下さい。

PIT INN「Entertainment Nightly」 (配信期間:2015年1月7日~2015年2月4日)
//www.jjazz.net/programs/pit-inn/


【大塚広子インタビュー】

Q. まさに今の日本の新しいジャズシーンを捉えたセレクション!
これまでにない一味違うジャズコンピですが、どういうテーマでコンパイルされたのですか?

[大塚広子]
振り返ってみれば今まで日本のジャズ・レーベルのコンパイルMIX CDを出し、その中で過去から今にかけて時代を追ってジャズを勉強させてもらったように思います。この作品が私の10作目になりますが、今回は初心に戻って自分の手で曲を選ぼうと決めました。それと同時に、私のライフワークになっている音源追求のなかで、いま新しいジャズが面白い!という結果に至りました。昔は過去のレコードを探して聴いてプレイしての繰り返しでしたが、最近はミュージシャンとの共演が多くなったこともあり、今の音楽についての感動がすごく大きくて。そんな今起こっていることを、もっともっとたくさんの人に聞いてもらいたいという動機からです。


Q. 未発表曲が数曲ありますが特にオススメの曲があれば教えて下さい。

[大塚広子]
丈青、秋田ゴールドマン、FUYUのデ・ラ・ソウル「Stakes Is High」のカヴァー、丈青、日野"JINO"賢二、FUYUのロイ・ハーグローヴ「Strasbourg / St. Denis」のカヴァー。この二つはライヴ録音の未発表音源でおすすめです。
ほかにも私の大好きな70年代のレコードで、フリージャズ・サックス奏者ジョー・マクフィーの一曲をサイケ・ファンク風に9人ユニットでカヴァーしています。このエネルギーは凄まじくてかっこいいです!どれも私のDJプレイと同じテイストのカヴァー・セレクトで妥協ない選曲ができました。


Q. 大塚さんがプロデュースされた新ユニットRM jazz legacyについて教えて下さい。

[大塚広子]
この作品をつくるにあたって一つの課題がありまして...。単にコンピレーションとしての作品にすることもできましたが、私の過去の作品やDJプレイと同じコンセプトしたかったので、ブラック・ミュージックに共通するグルーヴ感がどうしても必要でそれが大きな課題でした。今回の選曲で多く関わってくれたベーシストの守家巧さんとの話のなかで、この私の課題と彼の音楽性も近いことがわかり、新たな音楽をつくることになりました。
ミュージシャン選定から楽曲のディテールに至るまで意見を出し合って、たとえば、D'Angelo「Spanish Joint」のリズムパターンに、Donald Fagenの『Nightfly 』の雰囲気を重ねたら・・。ジャズ・ミュージシャンの高い技量を活かして、例えばロイ・ハーグローヴ、例えば、ロニー・リストン・スミスのようにサウンド重視にしてみたら・・。という話の結果、人選は存在感あるフロント、類家心平。確実な技量のキーボーディスト坪口昌恭。HipHop以降のクラブシーンでのファーストコール・ドラマー、mabanua。在米10年以上の経験でゴスペル、R&Bシーンを知るギタリスト、田中"TAK"拓也。あったらいいなと思っていた日本発のグルーヴィー・サウンドが出来上がりました。


Q. 新世代ジャズが注目を集めていますが、日本の新世代のジャズを現場で観ていて感じることとは?

[大塚広子]
今まで自分が聴いてきた過去のジャンルの影響をバックグラウンドとして持つミュージシャンが増えてきていることに気づくようになりました。同じように同世代の柳樂光隆さんの監修した21世紀のジャズをフォーカスした「Jazz The New Chaper」といったガイドブックの動きもあり、レコードの聴き方と同じように等身大で今の音楽を聴くことができるようになったのも自分の実感としてあります。ミュージシャンも複数バンドを持ちいろんなジャンルをフレキシブルに行き来するような傾向があるように思います。


Q. 最近注目しているジャズミュージシャンとは?

[大塚広子]
すでに注目されてる若手ドラマー、石若駿がキーボーディスト&ビートメイカーのAaron Choulaiと組んでいるユニット。フィジカルなリズムと若い世代らしい斬新なビートミュージックに期待です。あとはいままで日本ではあまり取り上げられていなかった男性ヴォーカルのジャンルで、河合卓人。グレゴリー・ポーターのようなソウル/ジャズ系にもハマる才能があってこれから楽しみです。


Q. 大塚さんプロデュースの新レーベル"KeyofLIFE+"でやりたい事、
また今後の予定あれば教えて下さい。

[大塚広子]
これらの15曲はたくさん方との出会いで知ることができましたし、そして本作に入れられなかった素晴らしい音楽もまだまだたくさんあります。さらに新しい音楽を入れて今を奏でるmixガイド・シリーズとして広めていけたらと思います。
12/26渋谷THE ROOM、12/27御茶ノ水cafe 104.5 で、リリースパーティー。2/3 ARK HILLS cafe、2/22 六本木アルフィーで、RM jazz legacy の初ライヴを予定しています。

これからも新しい音楽も一緒に楽しめるような提案をしていきたいと思いますので皆様よろしくお願いします!


ありがとうございました。


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【DJ大塚広子プロデュース 次世代ジャズ・コンピレーション】

■タイトル:『PIECE THE NEXT』
■Produce & Director:大塚広子(Hiroko Otsuka)
■発売日:2014年12月17日
■レーベル: Key of Life+
■製品番号:KOL1

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アマゾン詳細ページへ


日本の新世代ジャズをいち早く取り上げた大塚広子新レーベル・キー・オブ・ライフ・プラス第一弾。未発表曲や自らの楽曲提供&プロデュース曲を含めた現在とこれからのJAPAN GUIDE。


[収録曲]

1 GL/JM / 類家心平 4 Piece Band
2 Tokyo Confidential / 挾間美帆 m_unit
3 Rockin' In Rhythm / Orquesta Libre + Suga Dairo + RONxII 
4 Shakey Jake / Takumi Moriya Black Nation
5 Regular / Yasei Collective feat.Shane Endsley (tp) Ben Wendel (ts) from Kneebody
6 Heavy Seas (Live) / Rumba On The Corner
7 grmethod / Kinetic(千葉広樹,服部正嗣)
8 Do Good/ Yasei Collective
9 Stakes Is High / JOSEI ACOUSTIC PIANO TRIO(丈青,秋田ゴールドマン,FUYU)
10 Ameeta / Bennetrhodes(佐野観)
11 Night Flight / RM jazz legacy(類家心平,(tp)守家巧(b),坪口昌恭(p),mabanua(ds),田中 "TAK" 拓也(g))
12 明日への光 / オンセン・トリオ (岩見継吾,栗田妙子,池澤龍作)
13 Rock Out / 西山瞳・トリオ"パララックス"
14 Strasbourg / St. Denis / element3(丈青,日野"JINO"賢二,FUYU)
15 Park / 橋爪亮督グループ


[収録曲の参加ミュージシャン]
丈青、日野"JINO"賢二、秋田ゴールドマン、FUYU、岩見継吾、栗田妙子、池澤龍作、千葉広樹、服部正嗣、類家心平、ハクエイキム、吉岡大輔、鉄井孝司、挟間美帆、スガダイロー、芳垣安洋、青木タイセイ、塩谷博之、藤原大輔、渡辺隆雄、ギデオン・ジュークス、高良久美子、鈴木正人、椎谷求、岡部洋一、スガダイロー、RON×II、坪口昌恭、守家巧、pepe福本、城戸絋志、沼 直也、mabanua、田中TAK拓也、佐野観、橋爪亮督、市野元彦、織原良次、橋本学、佐藤浩一、西山 瞳、坂崎 拓也、清水 勇博、馬場 孝喜、ヤセイコレクティブ (松下マサナオ/中西道彦/斎藤拓郎/別所和洋)、Kneebody(Shane Endsley/Ben Wendel)


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大塚広子 (DJ/ライター)

2004年以降、ワン&オンリーな"JAZZのグルーヴ"を起こすDJとして年間160回以上のDJ経験を積んできた。徹底したアナログ・レコードの音源追求から生まれる説得力、繊細かつ大胆なプレイで多くの音楽好きを唸らせている。渋谷の老舗クラブTheRoomにて13年目に突入した人気イベント「CHAMP」など日本中のパーティーに出演。また音楽評論家やミュージシャンを巻き込んだライブハウスやジャズ喫茶でのイベント・プロデュースなど、世代やジャンルの垣根を越えたその柔軟なセンスで音楽の様々な楽しみ方を提示している。日本のジャズ・レーベルである、「トリオ」(ART UNION)、「somethin'else」(EMI MusicJapan)、「DIW」(DISK UNION)、「VENUS」(Venus Record)のMIXCDと、スウェーデン・ジャズを中心とした、スパイス・オブ・ライフ・レーベルのコンパイル作品「Music For Reading」(ディスクユニオン)を発売。過去リリースCDの売上数は延べ1万枚を超える。2010年、スペインでのDJ招聘、「FUJI ROCK FESTIVAL2010」の出場。2012年、老舗ライヴハウス新宿PIT INNのDJ導入を提案し、菊地成孔と共演(TBSラジオ出演)。BLUE NOTE TOKYOにて日野皓正らとの共演。総動員数3万人に及ぶアジア最大級のジャズ・フェスティバル「東京ジャズ2012」にDJとして初の出演。2013年、ニューヨークでののDJ招聘等。「JAZZ JAPAN」等の雑誌でのアーティストインタビュー、レビュー執筆の他、web連載、ディスク・ガイドブックやCDライナー執筆など音楽ライターしても活躍中

大塚広子 Official Site

「Joe Sample Meets CASIO Privia」:CASIO SPECIAL CONTENTS

「Joe Sample Meets CASIO Privia」

JOE SAMPLEといえば、『ジャズ・クルセイダーズ』での活躍などでもお馴染み
ジャズ・フュージョン界、屈指の大御所ミュージシャン。
残念ながら今年9月にこの世を去りました。

75歳ということでまだまだ今後の活躍が期待されていましたが、
あまりにも突然の死だっただけに驚いた方も多かったと思います。

彼の代表作といえばやっぱり『クルセイダーズ』。
ランディー・クロフォードをボーカルに起用した「Street Life」




ソウルフルかつアーバンで洗練されたメロディー、温もりを感じるサウンド。
いつきいても色褪せないマスターピースです。素晴らしい名作を残してくれました。

実は最近までCasio Priviaを使ってパフォーマンスされていました。
昨年2013年のNAMMショーでのデモンストレーションです。





バリバリにPriviaを弾きこなしています。
偉大なるJAZZミュージシャンとのコラボレーション。
まさに温故知新な1コマですね。

そして、こちらはホテルだか自宅だか、ベッドルーム脇にて。
Casio Privia PX-350を軽快に演奏している貴重な姿。
リラックスしながらも楽しんで演奏する姿が印象的です。





あれ・・・?


部屋録りなのに音が良くないですか?


そうです。

本体についている録音機能を使って
USBにダイレクトでレコーディングしているんですね。
プリセットは"Concert Grand"とのこと。

そして、こちらは"Electric Pianos"。




う~ん...ずっと聴いていたい心地よいサウンドです。


ジャズ・フュージョン界の大御所も選ぶ、CASIOのデジタルピアノのサウンド。
あなたも触れてみて下さい。


R.I.P. Joe Sample



夜ジャズミーティング2014:スタッフの声 / FROM STAFF

ジャズDJが集い、その年を振り返りつつベストディスクを発表するという、年末恒例企画「夜ジャズミーティング」。
今回は今年オープンした「HMV record shop渋谷」にて、初の公開収録を行いました!!

■夜ジャズ.Net
//www.jjazz.net/programs/yorujazz/
(配信期間:2014年12月17日~2015年1月21日)


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メンバーは、東京から現在進行形のジャズを発信するプロジェクト"HEX"を率いる、松浦俊夫さん、
SOIL&"PIMP"SESSIONSの社長、そして夜ジャズクルーのDJ Nicheさん。


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その模様は番組でお楽しみ頂くとしまして、ここでは皆さんの年間ベスト3作品をご紹介。
レギュラーメンバー、沖野修也さんのセレクションも届いております。

2014年はJazz The New Chapterをキーワードに、新世代ジャズが注目された1年でした。
グラスパー以降の次世代ジャズ・シーンへとつながるミュージシャンは誰なのか?
今回のセレクションも非常に興味深いです。

現在「HMV record shop渋谷」ではこれらの作品が展開されています。
是非お店にもお立ち寄り下さい。

[Text:岡村誠樹]


収録協力:HMV record shop渋谷


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【2014年 年間BEST3アルバム】


selected by 須永辰緒


No.1
The Radicle


The Radicle / Tim Deluxe

リリース:2014年3月5日
Beat Records
製品番号:BRC407

昨年も沖野くんが挙げていたUKディープハウス界のベテランらによるビッグ・バンド・プロジェクト「NO LUCKY DAY」というアルバムがありましたが、今年はテックハウスやストリクトリーでディープなダンスミュージックを世に送り出してきたUK中堅ハウサーが"ジャズ"に接近した。これは邂逅ではなく自身のルーツへの回帰であるとのこと。ダンスミュージックとジャズの折衷が良いバランスで調和していたと思う。今年のヘヴィー・ローテーションはS-1「Jas」。








No.2
Early Riser


Early Riser / Taylor McFerrin

リリース:2014年5月14日
Brainfeeder / Beat Records
製品番号:BRC418

ボビー・マクファーリンを父に持つ音楽エリート。ビートメーカーならずマルチな才能を発揮したデビュー・アルバムにはサンダーキャットやロバート・グラスパーなど当代きっての凄腕ミュージシャンが参加。特筆すべきは、彼らはヒップホップやエレクトロなどのビートミュージックを完全に修学し、ジャズの生演奏さえも解体し再構築することに全く抵抗がない世代だということ。そんなバックグランドがオーガニックな唄と相まって不思議なテクスチャーとジャズの奥深さを啓発することに成功している。こういった流れは新・新主流派と呼ばれる時代も近いと思う。




No.3
Thought Of You


The Thought Of You / OTIS BROWN III

リリース:2014年10月1日
ユニバーサルミュージック
製品番号:UCCQ1020

やはりロバート・グラスパー関連。昨年一昨年とグラスパーの作品がランクインしましたが、その影響下はまだ留まらない。オーティス・ブラウンはエスペランザ・スポルディングなどとの共演が有名なドラマー。グラスパーは演奏やアレンジなどで深く関わっている。とはいえスピリチュアルな精神性やラディカルな演奏の核はやはりオーティス本人であり、個性も突出している。セッションのような演奏者との対峙の中で(例えば雨間にひょっこり顔を出す太陽のような)柔和な雰囲気も同居していて不思議な聴後感もある。ジャケットも最高。これはアナログで持っておきたい。










【Tim Deluxe Orchestrates - Jas】



【須永辰緒 プロフィール】
Sunaga t experience =須永辰緒によるソロ・ユニット含むDJ/プロデューサー。 DJとして東京、大阪でレギュラー・パーティーを主宰 。DJプレイでは国内47都道府県を全て踏破。欧州からアジアまで海外公演も多数。MIX CDシリーズ『World Standard』は10作を数え、ライフ・ワークとも言うべきジャズ・コンピレーションアルバム 『須永辰緒の夜ジャズ』は15作以上を継続中。国内から海外レーベルのコンパイルCDも多数制作。多数のリミックスワークに加え自身のソロ・ユニット"Sunaga t experience"としてアルバム4作を発表。最新作は 『夜ジャズDigs Venus Opus1~5』(Venus)『World Standard Crazy Ken Band』(UNIVERSAL)『VEE JAYの夜ジャズ』(ビクター)等。多種コンピレーションの 監修やプロデュース・ワークス、海外リミックス作品含め関連する作品は延べ200作を超えた。日本一忙しい"レコード番長"の動向を各業界が注目している。

須永辰緒 Official Site  




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selected by 松浦俊夫


No.1
No Deal


No Deal / Melanie De Biasio

リリース:2014年4月22日
Hostess Entertainment
製品番号:PIASR690CDX

ベルギーの女性ジャズ・ヴォーカリストのセカンド・アルバムです。厳密には昨年のリリースのようですが、春先に存在を知り、ずっと探して、アナログとCD両方購入しました。歌声に漂うその気だるさはポーティスヘッドMeetsニーナ・シモンといったところ。縁あって、本作のリミックス・アルバムに参加し、The Flowという曲を担当しました。2015年2月にこれもアナログとCD両方リリースされます。








No.2
Magnetica


Magnetica / Quantic

リリース:2014年8月15日
Beat Records
製品番号:BRC415

5年前に南米コロンビアに移住し、現地ミュージシャンとのセッションで作品を作り続けてきたイギリス出身のDJ&プロデューサー、クアンティックの本人名義では8年ぶりになる本作はここ数年のラテン・プロジェクトの集大成ともいえるものでした。ジャズ、ファンク、フォーク、ヒップホップ、レゲエ、そしてダンス・ミュージックと多様な音楽をラテンが飲み込んで吐き出したカラフルな作品の数々。秋に行ったバンドの初来日公演は台風直撃の夜でしたが、会場は超満員のファンで埋め尽くされていました。音楽のパワーを実感した作品でもあります。






No.3
Brasil Bam Bam Bam


Brasil Bam Bam Bam / Sonzeira

リリース:2014年6月11日
ユニバーサルミュージック
製品番号:UCCU1438

ワールドカップ・イヤーにジャイルス・ピータソンが仕掛けたブラジリアン・プロジェクトのアルバム。本作制作中にロスで断片的にアルバムを聴いてからリリースまでの数ヶ月間が待ち遠しかったのを今も覚えています。職業プロデューサーにはマネの出来ないDJ視点のアプローチにはいつも驚かされながらも、つい笑みが出てしまいます。彼のキャラクターが生きた秀作でした。










【MELANIE DE BIASIO - The Flow】



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【松浦俊夫 プロフィール】
1990年、United Future Organization (U.F.O.)を結成。日本におけるクラブカルチャー創世記の礎を築く。12年間で5枚のフルアルバムを世界32ヶ国で発売し、高い評価を得た。独立後も精力的に国内外のクラブやフェスティバルでDJ。さらにイベントのプロデュースやファッション・ブランドなどの音楽監修を手掛ける。2013年、4人の実力派ミュージシャンとともに、東京から世界に向けて現在進行形のジャズを発信するプロジェクト"HEX"を始動。Blue Note Recordsからアルバムをワールドワイド・リリース。InterFM"TOKYO MOON"(毎週木曜24:00)好評オンエア中。

松浦俊夫 Official Site  




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selected by 社長(SOIL&"PIMP"SESSIONS)


No.1
Awakening


Awakening / Daniel Crawford

リリース:2014年9月17日
P-VINE
製品番号:PCD93832

音色、グルーブ、メロディー、展開全てが僕の好み。何よりもライブ感がスゴい。ソロはジワジワラムゼイ系。聞きながら何度も声を出してしまうパターン。飛ばすとこなし。グラスパー以降、あのスタイルの延長線上にいながら、確実に頭一つ、いや五つくらい飛び出た内容。お見事です。間違いなくこれから先の人生でも聞き続ける&プレイし続ける1枚になるでしょう。










No.2
Joined Ends


Joined Ends / Dorian Concept

リリース:2014年10月15日
Ninja Tune / Beat Records
製品番号:BRC440

microKORGをまるでスト2のコントローラーのように弾き倒すその姿はまるで生粋のゲームオタク。本人に聞いたらやはりNintendoとSEGAといった8/16bitマシンにのめり込んでいたそう。そしてもちろんクラシックピアノも子供の頃から習得。MicroKorgを初めて見たときはピアノとゲームの融合だと思ったんだと。その眼鏡の奥に優しそうな瞳を持つオリバー少年は日本のテクノロジー&カルチャーに根っこに育ち、世界を震わせるビートでアルバムを創ったわけです。








No.3
Brasil Bam Bam Bam


Brasil Bam Bam Bam / Sonzeira

リリース:2014年6月11日
ユニバーサルミュージック
製品番号:UCCU1438

いつも自分の音楽のルーツを再確認させてくれるのは、やはりGilles Petersonの選曲であり、彼が世に送り出す作品なんです。もっと言うと彼の言葉でもあります。自然と体が動いて、どうしても途中で聞く事をやめられない奇跡の一曲に、これからどれくらい出会えるのだろう。彼のキュレーションに頼らずに、濃密な音楽生活がありえるのだろうか。自分は誰かのキュレーターになれるのか。そう自問自答を続けて日々を過ごしています。








【Daniel Crawford - The Awakening】



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【社長 プロフィール】
現メンバーでの活動11年目に突入したSOIL&"PIMP"SESSIONSのアジテーター。ジャズの枠組みを超えたパンキッシュでエネルギーに満ちた"SESSION"は世界中で高い評価を受けている。社長のもう一つの顔であるDJのキャリアは19年目に突入。JAZZの影響下にある全ての音楽をジャンルの壁を超えてMIX。SOILのライブ同様にマイクでオーディエンスを煽り、高揚感と多幸感でフロアを包む。また、2014年10月よりJ-WAVEの毎週土曜日深夜にて、ジャズバラエティ番組『V.I.P.』(25:00-27:00)のナビゲーターを務めるなど、ラジオDJとしても活躍中。


SOIL&"PIMP"SESSIONS Official Site  




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selected by 沖野修也(KYOTO JAZZ MASSIVE)


No.1
Thought Of You


The Thought Of You / OTIS BROWN III

リリース:2014年10月1日
ユニバーサルミュージック
製品番号:UCCQ1020

ロバート・グラスパー以降の音楽が注目されるのはいいけれど、グラミー穫る以前から注目してない人が騒ぎ立てるから、新世代のジャズ=ジャズ・ミュージシャンが演奏するR&BやHIP HOPって勘違いされてるような・・・。あれ、エクスペリエンス名義ですからね(怒)!そういう意味ではOTIS BROWNみたいなのが出て来て安心してます。グラスパーも奮い立つ事でしょう。これぞ新世代のジャズ。






No.2
Awakening


Awakening / Daniel Crawford

リリース:2014年9月17日
P-VINE
製品番号:PCD93832

ロバート・グラスパー以降の音楽に注目する人が、非アメリカのサウンドを軽視しているように思えるのは僕の妄想か?DANIEL CRAWFORDはグラスパー好きにも支持されてるけど、アメリカのミュージシャンの中ではヨーロッパのジャズ系のサウンドにもリンクしている数少ない逸材。それが意識的か無意識的かは判らないけれど。








No.3
When The World Was One


When The World Was One / Matthew Halsal

リリース:2014年6月16日
GONDWANA RECORDS
製品番号:GONDCD010

日本人が作るべき和ジャズを、マンチェスターのジャズマンがやっちゃった的な(苦笑)。この人、心は日本人ですね。僕も次のソロは和楽器を導入する予定だったからこういうことされると困るんだよなー。ロバート・グラスパー以降の音楽に盲目的に熱狂する日本人リスナーは、この作品を聴いて座禅でも組みなさい。










【Otis Brown III feat. Jean Baylor "Thought Of You" 】



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【沖野修也(KYOTO JAZZ MASSIVE) プロフィール】
DJ/クリエイティヴ・ディレクター/執筆家/世界唯一の選曲評論家Tokyo Crossover/Jazz Festival発起人。開店以来20年で70万人の動員を誇るThe Room(渋谷)のプロデューサーでもある。KYOTO JAZZ MASSIVE名義でリリースした「ECLIPSE」は、英国国営放送BBCラジオZUBBチャートで3週連続No.1の座を日本人として初めて獲得。これまでDJ/アーティストとして世界35ヶ国130都市に招聘されただけでなく、CNNやBILLBOARD等でも取り上げられた本当の意味で世界標準をクリアできる数少ない日本人音楽家の一人。ここ数年は、音楽で空間の価値を変える"サウンド・ブランディング"の第一人者として、映画館、ホテル、銀行、空港、レストランの音楽設計を手掛けている。2005年には世界初の選曲ガイドブック『DJ 選曲術』(リット―ミュージック)を発表し執筆家としても注目を集める。2011年にフォレスト出版より3冊目となる書籍『フィルター思考で解を導く』を発売。DJが書いたビジネス書として話題となり、Amazonのビジネス書/仕事術のカテゴリーで1位を記録する。同年7月『DESTINY』をリリース。iTunesダンス・チャート1位、総合チャート3位を獲得。現在、有線放送内D-47チャンネルにて"沖野修也 presents Music in The Room"を監修。ホームグラウンドのThe Roomでは月例パーティー"SOUND SANCTUARY"のレジデントDJを務めている。現在、InterFM『JAZZ ain't Jazz』(76.1MHz)にて番組ナビゲーターを担当中(毎週水曜22時~)。

沖野修也 Official Site



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selected by DJ Niche


No.1
JUKE BOX


JUKE BOX / NIKITCH

リリース:2014年3月3日

心のベスト10第一位はこの人!フランスからの新星、Nikitch(ニキッチ)です。本名はNicolas Morantと言うらしいです。アルバムタイトルはJuke BoxということでJuke/Footwork、そしてTrapといったジャンルをミックスして独特の音楽を作り上げています。一番好きなのはLove Will Ever DoというBPM140位の曲。初めて聞いた時、今年イチバンの衝撃を受けました。どうやらもともとクラシックの素養のある人らしくて、やっぱりその辺もメロディー作りに深く影響しているのかもしれません。美しいんですよ、曲が。2014年3月にこのe.p.はリリースされましたが、最新作Moodsもこれまた素晴らしい出来あがり。2015年の活躍が楽しみでなりません。来日切望!






No.2
This Is Her


This Is Her / LAKIM

リリース:2014年2月25日

LAのレーベルSOULECTION(ソウレクション)からのリリース。Lakim(ラキム)はJukeやFootwork、Trapといったあたりのジャンルを軽やかに行き来して正規リリースやブートRemixなど数多くの作品を近年出しています。ファーストアルバム「This Is Her」は2014年2月リリース。僕はBandcampで買いました。推し曲はSuperb。BPM135くらいで、シンプルながらもハッピーなメロディが飽きさせません。今年前半はこればっかり聞いてました。










No.3
Perfect WorldSpeak To Me


Perfect World / Speak To Me / Brisa

リリース:2014年9月28日

2014年ついにブレークスルーを迎えたBRISA君の最新作。音の粒、メロディ、今っぽさ、揃って世界レベルです。「日本人アーティストもここまで出来るのか」と海外のDJに是非感じて欲しい存在。前作「GIMMELUV」あたりからもうすっかりハマってしまいました。Ta-ku的なBass、Juke的アプローチ。そして今回はLONEあたりの影響も感じさせるPerfect World。2015年もシーンで暴れまくって欲しい同世代の星!










【BRISA - Perfect World】



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【DJ Niche プロフィール】
1999年~2003年までJAZZパーティー「on a clear day」をオーガナイズ。2004年「モダンジャズ入門」@オルガンバーを須永辰緒、敷島と共に立ち上げ、夜ジャズムーブメントの基礎を築く。現在は、「夜ジャズ」「SPUNKY!」松浦俊夫プロデュースの「impro」に参加。また最近は「音楽と文化のパトロンになろう」をテーマ に"Patron"名義での活動をスタート。プロデュースワークでは、青木カレン「KAREN」「SHINING」のサウンドプロデュースに参加。REMIX作Smooth Operator(DJ Niche&DJ Shinsuke REMIX)を発表し、「JAZZ&FLOWERS」「Karen-EP」といったCDに収録された。その他青木カレン「THE BEAUTIFUL DAY」にてEnglishman in New York(Niche&Shinsuke Remix)を発表。2010年9月発売のRambling Records/iTunes配信作品「大人の休日~Classic Covers」のプロデュースを担当。ジャズアルバムチャートで最高1位、総合チャートで最高5位を記録した。 2011年5月にはLADY GAGAのジャズカバーアルバム「JAZZY GAGA」を三浦信と共に共同プロデュース。iTunesジャズアルバムチャートで最高3位を記録。2012年8月1日、コンピレーション「JAZZ UP」(Rambling Records)リリース。その他、α-STATION(FM京都)「CLUB α」を2008年2月〜2014年3月まで担当。

DJ Niche tumblr

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音楽レーベル"Mono Creation":CASIO SPECIAL CONTENTS

新レーベル"Mono Creation"


カシオ計算機株式会社と株式会社KADOKAWAが、互いの強みである音楽文化創造に関するノウハウを組み合わせ、
自由なスタイルの音楽を提供するレーベルとして今年9月に立ち上がった"Mono Creation(モノ クリエーション)"

第一弾作品は日本人の心に響くヒップホップをコンセプトに、
ジャジーでメロウな音源を送り出している音楽レーベル、「GOON TRAX」とのコラボレーション!


【「IN YA MELLOW TONE 8.5」 Teaser】



これは「IN YA MELLOW TONE」シリーズで世にMELLOW HIP HOPを根付かせたGOON TRAX初のコラボ作品で、
これまでにGOON TRAXがリリースしてきた、
100作を超える膨大なカタログ群の中から厳選された楽曲をリミックスして構成。
カシオの電子ピアノ「Privia」の機能を存分に活かした、美しいサウンドを聴くことができるそうです。

意外な組み合わせとも思えるPriviaの音とGOON TRAXのサウンドメイク、非常に興味深いコラボレーションですね。

Mono Creationの第一弾作品『Colors of Life by Mono Creation』は、12月22日よりiTunes先行配信。
2015年1月14日にはパッケージ盤もリリース予定です。


■Mono Creation Web
http://www.mono-creation.com/

→Mono Creation instagram http://instagram.com/mono_creation
→Mono Creation Twitter https://twitter.com/mono_creation

「CASIO SPECIAL PROGRAM」収録風景:CASIO SPECIAL CONTENTS

「CASIO SPECIAL PROGRAM」収録風景公開!

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現在お送りしているCASIOとJJazz.Netのコラボレーションによる期間限定のスペシャル・プログラム。
「ジャズ・ピアニストの妹尾美里さんの初めてのナビゲーターが初々しくて癒されます。」、
というメッセージを頂いたりと大変好評です。

「CASIO SPECIAL PROGRAM」 (配信期間:2014年12月1日~2014年12月24日)
//www.jjazz.net/programs/casio-special-program/


番組では平戸祐介さんとの対談をお送りしていますが、収録は「楽器フェア」会場裏手の公園で行いました。
よーく聴くと鳥のさえずりや飛行機の音がしていたり、自転車や散歩しているワンちゃんが横を通ったり(笑)。
天気の良い日だったのでまるでデートのような、ほのぼのとした収録となりました。

そんな収録風景をいくつかご紹介。
妹尾さんのオフショット珍しいのでは?

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CASIO電子楽器サイトはこちら
http://casio.jp/emi/

光ナビゲーションキーボードLK-221無料ダウンロードキャンペーン:CASIO SPECIAL CONTENTS

クリスマスプレゼントにもオススメ、光ナビゲーションキーボード!


お子さんにピアノを、と考えていらっしゃる方沢山いらっしゃると思いますが、
この光ナビゲーションキーボードから興味を持ってもらうというのはいかがでしょうか?


【光ナビゲーションキーボードLK-221】



この光ナビゲーションキーボードは、鍵盤が光って弾くところを教えてくれるので楽しみながら上達できます。
また、童謡やアニメ、クラシック、J-POP等、200曲もの曲が内蔵。
新しい曲を覚えるのにも役立ちそうです。

そして現在、この光ナビゲーションキーボードLK-221をお持ちの方が、
無料で曲をダウンロードできるキャンペーンを実施中!(2015年1月14日(水)まで)

あのヒット映画『アナと雪の女王』より、「レット・イット・ゴー~ありのままで~」や「雪だるまつくろう」など、
子供も大好きなあの人気曲が無料でダウンロードできます。

子供は興味を持てば上達も早いです。
クリスマスプレゼントにもオススメです。


■CASIO光ナビゲーションキーボード LK-221
http://casio.jp/emi/products/key_lighting/lk221/

■LK-221無料ダウンロードキャンペーン
http://music.casio.co.jp/lk221/

CASIO MUSIC STYLE 一体十色:CASIO SPECIAL CONTENTS

CASIO MUSIC STYLE 一体十色とは?


カシオとKADOKAWAによる新レーベル
"Mono Creation(モノ クリエーション)"がいよいよ今月から活動を開始します。

カシオとKADOKAWAの互いの強みである音楽文化創造に関するノウハウを組み合わせ、
既存のスタイルに縛られない自由な発想と音使いで作品を作り出すレーベルです。

カシオはそのレーベルのコンセプトでもある「一体十色」を表現したwebサイトをオープン。
カシオの電子楽器には様々な音色が内蔵されているので、
デジタルピアノ「Privia」のみでバンドやオーケストラ気分が味わえる!

「一体十色」とは、自由に音を楽しむことにもつながりますね。





このコンセプトムービーを観れば一目瞭然。
ここでもカシオのデジタルピアノ「Privia」が活躍しています。


【CASIO MUSIC STYLE 一体十色 web site】
http://casio.jp/emi/sp/musicstyle/


「Privia」を使用した平戸祐介さんの演奏は
JJazz.Netの特別番組「CASIO SPECIAL PROGRAM」で聴くことができます。

//www.jjazz.net/programs/casio-special-program/
「CASIO SPECIAL PROGRAM」
(配信期間:2014年12月1日~2014年12月24日)

平戸祐介生演奏楽曲紹介!:CASIO SPECIAL CONTENTS

平戸祐介さん生演奏楽曲を紹介!

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CASIOとJJazz.Netのコラボレーションによる期間限定のスペシャル・プログラムでは
CASIO「PX-5S」を使用した平戸祐介さんの生演奏をお送りしています。
//www.jjazz.net/programs/casio-special-program/
「CASIO SPECIAL PROGRAM」 (配信期間:2014年12月1日~2014年12月24日)

平戸祐介さんが演奏してくれたのは、いずれもジャズを中心とした名曲ばかり。
せっかくなのでそんな名曲をご紹介。
平戸さんがソロでどう演奏し味付けしているのか、是非番組で聴き比べてみて下さい。


「FOUR」

番組22'10"~


「CAROUSEL」

番組26'34"~


「MOMENTS NOTICE」

番組33'12"~


「ルパン三世:愛のテーマ」

番組37'45"~


CASIO「PX-5S」の音の良さも是非体感して下さい~。


【PX-5S】
独創のサウンド&パフォーマンスで、ライブに最適なプロクオリティの演奏性を実現。電池駆動にも対応し、ストリートやアウトドアでの演奏にも対応。
http://casio.jp/emi/products/privia/px5swe/


CASIO電子楽器サイトはこちら
http://casio.jp/emi/

CASIO SPECIAL PROGRAM始まりました!:CASIO SPECIAL CONTENTS

CASIO SPECIAL PROGRAM始まりました!

casiospecialcontents.png


CASIOとJJazz.Netのコラボレーションによる期間限定のスペシャル・プログラムが更新!
//www.jjazz.net/programs/casio-special-program/
「CASIO SPECIAL PROGRAM」 (配信期間:2014年12月1日~2014年12月24日)

ナビゲーターはジャズ・ピアニストの妹尾美里さん。
ゲストに、先日「楽器フェア」のCASIOブースに出演されたquasimodeのリーダー、
平戸祐介さんをお迎えしています。

妹尾さんと平戸さんは今回が初対面。
この意外な(!?)顔合わせの2人が語るジャズやソロピアノについてのトークははっきりいってレアです。

この対談を聴いていて改めて感じたのが、音楽の自由さ!
特にジャズは譜面に縛られる訳でもなく、テーマを軸にいかに即興で自分らしく表現するか。
そんな2人の音楽に対するまっすぐな姿勢をほのぼのとした空気感の中、知ることができます。

またCASIOのデジタル・ピアノ「PX-5S」を使用した平戸さんの生演奏や
「楽器フェア」のCASIOブースに出演されていたアーティストの楽曲もお送りします。

「CASIO SAPECIAL PROGRAM」は12/24(水)17:00までの期間限定番組です。
是非お聴き下さい。


CASIO電子楽器サイトはこちら
http://casio.jp/emi/


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■妹尾美里

神戸市出身。3歳よりピアノを始め、7歳でウィーン国立音楽大学教授の公開レッスンに特別出場、高く評価される。武蔵野音楽大学器楽学科ピアノ科卒業。クラシックを岡崎よし子氏、伊東京子氏に師事。ミッシェル ペトルチアー二の音楽との出会いをきっかけに自由な自己表現の世界に惹かれ、ジャズに転向。嶋本高之氏に師事。以降、自身で作曲し演奏するスタイルで活動を展開している。

2008年12月 1st アルバム「ROSEBUD」(Jazz Lab.Records)
2009年11月 2nd アルバム「La Vie」(ディスクユニオンDIW the GRACE)
2012年12月 3rd アルバム「HANA〜chatte tricolore〜」(ディスクユニオンDIW the GRACE)
2014年9月 4th アルバム「avec U」(ディスクユニオンDIW the GRACE)をリリース。HMVジャズチャート1位にランクイン。TOKYO MX TV,TBS 番組内にて楽曲使用。

ジャンルを超えたメロディメーカーとして、楽曲に定評がある。2014年にはクールジャパンによる日本の文化を広める、ファッションと若手アーティストのコラボレーション企画にて、桂由美"友禅"ニューヨークコレクションでのソロピアニストに抜擢、ニューヨークでのショーで楽曲演奏が高評価される。現在は東京を拠点にオリジナル音楽での活動を展開。

→妹尾美里 Official Site
http://www.misatosenoo.com/

bar bossa vol.40:bar bossa

bar bossa


vol.40 - お客様:中村信彦&真理子さん(ハンモック・カフェ)
「13年間のカフェでの人と音楽の出逢いがもたらしてくれた曲」



いらっしゃいませ。

bar bossaへようこそ。

今回は姫路のハンモック・カフェの中村信彦&真理子ご夫妻をお迎えしました。

林:いらっしゃいませ。

中村信彦(以下 信彦):こんばんは。
中村真理子(以下 真理子):こんばんは。

林:さて、さっそくですがお飲物をうかがっていいでしょうか。

信彦:はじめてbar bossaさんに訪れたのは2007年でした。その時は確かアルザスの白ワインだったかと思うのですが、今日のおすすめの白ワインをお願いします。

真理子:わたしは、じんわり系の白ワインをください。

林:かしこまりました。では信彦さんにはアルザスのエデルツウィッカーにしますね。エデルツウィッカーってアルザスのいろんな品種が混じったワインで、現地ではカジュアルなデイリー・ワインってイメージもあるんですけど、このAimestentzのは高級感もあって美味しいんです。あと真理子さんにはじんわり系だとちょっと面白いのがありまして、ハンガリーのパンノンハラミというワインなんですけど。

二人:いただきます。

林:小さい頃の音楽体験なんかを教えてもらえますか?

信彦:実家が車海老の養殖場と旧車のレストア工場を営んでいて、音楽とは関係のない環境ではあったのですが、父がオーディオが好きでLAXKITの真空管アンプやオープンリールなど多くのオーディオ機材に囲まれた居間がありました。しかし興味が湧いた頃にはほとんど作動しなかったのですが、小学校から帰ると実家の手伝いをしてから夜にオーディオを分解して修理することが楽しみでした。そしてターンテーブルが動くようになって始めて聴いたのがビートルズの赤盤で、「In My Life」のメロディに胸を締め付けられことをよく覚えています。

林:なるほど。機械好きなのはお父さんの遺伝ですか。

信彦:それから音楽を選曲することにはまってしまい小学校では放送部に入って昼休みの時間に「In My Life」をよく流してました。

林:小学生の時にDJ体験! 初めて買ったCDは?

信彦:はじめて自分で買ったシングルCDは確かチャゲ&飛鳥の「Yah Yah Yah」だったかと思いますが、こっそり学校に持って行って屋上でCDの交換をするのが友人たちの間で流行っていて、その時にちょうど朝ドラの主題歌だったドリカムの「晴れたらいいね」と交換してもらいそっちをずっと聴いていました。

林:チャゲ&飛鳥、ドリカム、正しいですねえ。中学になってはどうでしょうか?

信彦:中学になってからはほとんどビートルズしか聴いていなくて、親のジャケットと革靴をはいて、エレキギターを始めるのですが指が短いことを理由にすぐにやめてしまい、実際は弾き方が悪いだけなんですが...。歌詞だけでも覚えようと友人とカラオケに行ってもビートルズを歌い、いつも盛り上がっている場面を壊してましたね(笑)

林:(笑)

信彦:高校に入ると「UKが好きなんやったら家に来いよ」と友人に薦めてもらったのがOasisでちょうどブリットポップ全盛期にあたり、その友人の家ではケーブルテレビでスペスシャワーTVが観れたので夢中になって観ていました。それからBlurやOcean Colour Scene、Suede、The Charlatansなど良く聴いていました。

林:正に王道ですね。

信彦:インスト音楽との出会いは、親のCD棚にGeorge WinstonのAutumnを見つけてピアノの聡明な美しさに胸を打たれ、George WinstonはFM局にリクエスト曲としてよくFAXしていた思い出があります。ちょうど同時期に弟がドラムを始めたので、バンドがリハーサルができる場所をと思い、実家の養殖場の小屋の一室に防音室を作りました。防音室と言えるほどでもなかったのですが、お金がないなりに材料を集めて空間を作ることは楽しかったですね。しかしながら、数年後に養殖場と併設したレストア工場が原因不明の火事に遭って、楽器も防音室も全て燃えてしまい意気消沈...、以降もっぱらライヴを観る側になりました。

林:スタジオを自作! なんでも作っちゃうんですね。そして火事ですか... 真理子さんはどうでしたか?

真理子:中学の時友達と一緒に始めて行ったライヴがTHE BLUE HEARTSでした。学校に備え付けの電話からチケット予約開始時間をねらってドキドキしながら予約したのを今思い出しました。かなり心酔して思春期真っ只中の初恋とも記憶がかぶります。失恋に終りましたけど初恋はそれでよかったんですよね、きっと。同じ部屋だった年子の姉がBOØWYの氷室京介ファンで必然的に耳にして、5歳離れた兄の部屋からは洋楽の女性ヴォーカルがよく聴こえていました。

林:初ライブがブルーハーツで、お姉さんがボウイ好きで、お兄さんが洋楽ファン。本当に正しい中学生です。そしてお二人のその後は?

信彦:空間を作ることに興味が湧き始め、少し音楽から離れてインテリアと家具を勉強し、実家の影響でカーデザイナーを目指し神戸芸術工科大学のプロダクトデザイン科に進むのですが、自分の技量の無さに挫折してしまい中退。本当の自分は何がしたいのだろうと回想していると、小さいころ寝つけなかった僕を祖父が深夜に連れ出してくれて喫茶店に連れ出してくれたことを思い出します。憧れていたのは静かにジャズが流れる空間で一杯ずつ珈琲を淹れるマスターだと自身に言い聞かせて喫茶店を巡り、飲食店を転々とアルバイトする日々でした。そしてその頃、真理子と出会います。

林:おお、運命が転がり始めましたね。真理子さんは?

真理子:短大の住環境学部に進学し、漠然とインテリアに興味があったので将来は住居系の仕事に就けたらと考えていました。学部の中で家庭科の教員免許を取るための授業がいくつかあり、いちおうと思い栄養調理系と服飾系の講義と実習もサブ的に受けていて、内向的に没頭して制作することが性に合っていると感じました。聴いていた音楽としては90年前後の癒し系へとシフトしていき、Des'ree、The Cardigans、Savage Garden、Enya、とポップスとバラード系を聴いてました。学校帰りにタワーレコードに立ち寄ってPOPを読んで試聴やジャケ買いだったり、友達やバイト先の年上の方に教えてもらったりです、いたって普通ですね...、すみません(笑)。

林:いえいえ。お店を始める上で「普通の感覚」って大切だと思います。

真理子:卒業後は、某メーカーのショールームに就職しシステムキッチンのプラン・提案から、場合によっては現場打ち合わせ、引き渡しまで関わらせてもらいました。OL生活は社交的で忙しく充実していたのですが、料理歴が少ない立場で使い勝手など提案するということに違和感を持ち始めて、面白さはこれからというのに4年ほどで退職し、調理ができる職場を探しました。飲食店への転職を親には心配されましたが、自分らしい何かを作りストレートに表現する生活がしたかったんでしょうね。

林:お二人ともインテリアや箱作りの世界から飲食業界へと入ったんですね。そしてお二人のその後が気になりますが。

真理子:同じ飲食店の職場仲間でしたが、当時一人暮らしをしていたわたしの愛車が、夜間車上荒らしに遭い修理にお願いしたのが信彦の父のレストア工場でした。そこで修理のためのやり取りで初めて姫路・的形へ訪れました。かれこれ13年半ほど前のことです。潮の香り漂う小さな港町で、小山に囲まれ空気が澄み、聞けばかつては塩田が広がる塩作りの名所だったそうです。それから何日たっても的形の青い風景とそこで生き生きと働く姿が忘れられませんでした。

信彦:そうだ、当時まだ年上の先輩のような間柄だったのですが電話がかかってきてすぐに向かいました。その時自分にできることは修理しかないと思って、それ以降メインテナンスも担当し、今でもその車は乗り続けています。その事件があってからというもの真理子とよく話をするようになり、互いにこれから先やりたい事っていうのが、「いつかは自分の店を開きたい」という事だったのです。そして一緒にカフェをしようと思い立ってからというもの、話し合う時間を多くするため、半年後に入籍しました。生まれ育った地で夫婦でカフェを営むことを理想としていたのですが、まだ当時20歳ほどの僕は貯金がなく、実家の一室を借りて二人で生活し、アルバイトを掛け持ちして、材料を購入しては約1年半かけてコンテナを改造し、家族や友人と自分たちの手で店を作り上げていきました。真理子には苦労をかけましたね。

林:車の修理からの関係ですか。「困ったときに助ける→恋愛」というこれまた王道ですね。結婚やお店の場所とかで色々と考えることはありましたか?

真理子:結婚...これまた親に反対されましたが(笑)、今の場所での季節の風景や食材からインスピレーションを受けて、食の流行や情報に流されずにやっていきたかったんですね。今では温かく見守ってくれているわけですけど、最初の5年はこの場所での営業に引け目を感じながら、ふたりでイタリアへ行き現地のカフェ巡りも経て何がいいのか模索の日々でしたね(笑)。これまで抱いていた憧れの存在の方々と出逢えた7年目あたりからでしょうか...。今のように小さいながらも自家焙煎コーヒーと料理やスイーツに、自家採取酵母パン作りと独学ですが広がっていき、自然と好きな味がつながっていく感じになっていきました。

林:なるほど。

真理子:街なかにあるカフェと違って、お客さまはハシゴしづらいのでトータルで楽しめるメニュー構成にもしたくて、わたしたちふたりが分担して作るテイストがひとつのハンモックらしさになればと、ケーキ屋、珈琲屋という専門店のイメージではなくケーキに合う珈琲であったり、ワインと料理、食後の珈琲だったりですね。BGMも含めて窓越しの風景にも季節を感じたり、モノではなくコトを提供するってことでしょうか。まだその理想を追いかけている最中ですけどね。聴く音楽に対しても感覚的に同じ延長線上にありますが、学生時代と変わったのは同じような感覚の人との出会いの数で、信頼する方の選曲や情報を教えてもらったりすることでの影響も大きいですね。

信彦:そうだね。2010年に吉本宏さんに教えてもらったアルゼンチン音楽家カルロス・アギーレをはじめとする音楽の影響でアルゼンチン料理にも興味が湧いて、現地にも二度旅し、自分たちのヴィジョンの広がりを感じました。いつも出会いから日々探求することの大切さを学んでいるような気がします。

林:東京とか大阪とかをあまり意識しないで、直接、イタリアやアルゼンチンに行ってしまう感じがお二人の感性を瑞々しくしているような気がします。ところでみんなに聞いているのですが、これからの音楽はどうなるとお考えでしょうか。

真理子:こんな自分が言うのもおこがましい気もするんですが...、。いま音楽家もリスナーも媒体となり発信できる時代ですので音楽哲学を持った人たちとそのスピリットに共感するコミュニティが、人と音楽を繋げて動かしていくと思います。どんな職業や立場(音楽業界の方であってもそうでない方)であっても、音楽に対する個々の熱意が散らばり、小さくても誰かがその熱意を感じとって混沌とした次代だからこそ純粋な作用が起きることもあると思います。そんな中でシンパシーを感じる人と繋がっていると自分に合った音楽との関わりも出来ますよね。音楽へ求めるものや目的が多様化していますし、たとえば圧縮音源の配信やダウンロードで満足する人もいれば、きめ細かな音のハイレゾ音源を求めたり、一方でアナログ音源で新録を限定枚数リリースというのも個人的には興味あったりします。

林:アナログは今すごくのびてますよね。

真理子:CDにしてもパッケージやライナーノーツを通じて作品の理解を深める愛好家や、また別の意味で時々目と手に触れることによって、なにか音楽が、共に歩む人生の友のように心に寄り添って大切なことを諭してくれるように思うんです。たとえ聴くタイミングがなくても。たとえば、民芸や骨董のように作り手の精神や魂が表に現れている佳い作品を収集する方もいるように、音楽も少数派であるかもしれないけれどそういった作品を求めたり、そのクオリティに気付く人は気付いて裸の耳で感じて買いたくなるのは自然な欲求ですよね。ふとした瞬間に好みの音楽を買える場所や、その内容の感想を分かち合う場所が小さくとも街に残ってほしいですね。人と音楽が繋がるにはフィットした情報や体験、ライフスタイルを通してのセレクトなど、人と空間が繋がって音楽に安心感と豊かさがプラスされるという、ある意味、販売者もリスナーも共に作品を育む感覚でしょうか。そんな余地が人を動かすような気がします。

林:なるほど。

信彦:小さなカフェからの視点になるのですが、CDを店頭で販売していて感じるのは、純粋な心で聴く音楽ファンは増えていくんじゃないかなとも思っています。以前ハンモックカフェでCDコンサートを開催したことがあったのですが、その時に高校生の男の子が来てくれて、「前に買ったアルゼンチン音楽よかった!」とお薦めコンピレーションを喜んでくれたり、あるランチタイムに来て下さった母娘では、お母さんはおそらく70歳くらいだったかと思いますが、「今かかっているピアノの曲は販売していますか?」と尋ねられ娘さんからは「お母さんがCDを買いたいと言ったのは初めてなんです」とおっしゃられました。

林:良いお話ですね。

信彦:地方にいると購入するきっかけがないだけで、カフェや美容院などある程度時間を過ごせる空間で素敵な音楽がかかっていると持って帰りたくなるのだと思います。そういったCDショップに行かなくても買えるような場所が増えれば音楽ソフトの行方も変わってくるのではないでしょうか。音楽配信として高音質のハイレゾは近い将来もっと手軽に聴かれるようになりひとつの基準になるでしょうし音楽ソフトが無くなる可能性もあるかもしれませんが、求める方々がいる限り小ロットでも形として作り続けることが重要なのではないかなと思っています。
パッケージを手にした時の触感やその時の心境、記憶を手繰り寄せてくれるまさに"アルバム"なのですから。カルロス・アギーレさんの言葉なのですが「パッケージはとても大切で音楽が住む家なんだ。」とおっしゃっていたことが今も胸に残っています。それからパッケージ音楽として価値もあらためて考えるようになり、ハンモックレーベルとしての最初の作品は視点を少し変えた形で飾れるように自立するパッケージにもなっています。

林:カルロス・アギーレの「音楽が住む家」って良い言葉ですね。さて、ハンモックレーベルの話が出てきたところで、レーベルについてのお話をお願いできますか。

信彦:音楽は数を持っているよりも一つの音楽にどれだけの想いが詰まっているかが大切だと感じています。今リリースさせていただいた音楽を継続して紹介・販売し、いかに裾野を広げて行けるかを重きを置いていきたいです。レーベルのコンセプトの一つとして何かを始めようと志している方の糧になるような、クリエイティヴな気持ちになれるよう願いも込めて制作しています。聴いた人たちの心のライブラリーにアーカイヴされていくような作品をリリースできればと思っています。

真理子:カフェの営業日は、12時間ほどずっと音楽をかけて聴きながら何かしています。わたしの場合はWeb更新やメールなどもありますがほとんど厨房仕事ですので、BGM用のCD/LP選盤は信彦が大抵してくれてブラインドで音楽が耳に入ってき、仕事の手が止まるほど感動してしまったり、逆にBGMとして違和感を持つこともあったり、その都度互いの好きな音楽についてよく話します。それが飲食の目的で来られたお客さんに与える影響だったり、CDとして販売できるのならその良さをどうやったらお伝えできるかな、とか。カフェがレーベルを始める意味は、そんなリスナー感覚を持ちながら、音楽への造詣が深い方にも聴いて頂けるような制作をしていくことだと思っています。音楽家どうしがインスピレーションを受けて新しい音楽が生まれたり、そんな音楽の出逢いや誕生に関われたら、と考えています。生身の人間の生きた音楽を感じとっていただいたく機会を企画するのも意義あることですし、ライヴ会場では人や環境の相互作用によって奇跡的なエネルギーが湧き出たり、それがよきスパイラルとなっていくことがいま思う目標です。ライヴに限らず、リリースする作品に対してもそうですね。

林:お二人の気持ち、より多くの方に届くと良いですね。それでは選曲の方に移りましょうか。まずテーマですが。

お二人:はい。テーマは「13年間のカフェでの人と音楽の出逢いがもたらしてくれた曲」です。

林:出逢いですか、お二人らしいテーマですね。一曲目は?


1.Ennio Morricone - Metti Una Sera a Cena

信彦:2001年開業前にニューヨークを旅し、小さなレコードショップでCDやレコードを買ってきたのですが、その中の1枚であるエンニオ・モリコーネのイタリアン・サントラ「ある夕食のテーブル」。それからこの曲のカヴァーを数種類集めるようになって、特にNora Orlandiが歌うカヴァーが一番のお気に入り。

林:うわ、良い曲ですねえ。一曲をキーワードにしてカヴァーしているアルバムを集めるのって楽しいですよね。


2.ALDEMARO ROMERO Y SU ONDA NUEVA - ESE MAR ES MIO

信彦:2003年あたり、店での音楽イベントやクラブでラウンジDJをしていました。音楽の世界旅行をテーマにしたアナログオンリーのイベント「HUMMOCK Trip」を開催し、笑顔あふれるシーンの曲。

林:この辺りがお得意なんですね。音楽の世界旅行、信彦さんらしい世界観ですね。次が気になって来ました。


3.Armando Trovajoli - Dramma delle Gelosia

信彦:イタリア音楽繋がりで、吉本宏さんと出会い、吉本さんがDJイベントで選曲されていたこの曲。音楽の多幸感を浴びました。色褪せない名曲です。2005年のことです。

林:こういうロマンティックなアレンジってイタリア人ならではですよね。吉本さんの名前が出て来ましたね。次は誰が出てくるのでしょうか。


4. 高橋ピエール「タイトルのない曲」

信彦:2005年3周年として初めて開催したライヴのアーティスト。ギタリスト高橋ピエールさんを招待しました。当日のライヴでは、アルマンド・トロヴァヨーリの「女性上位時代」や、カエターノ・ヴェローゾの「コラソン・ヴァガボンド」など、ちょうど霧雨が降って幻想的な夜になったことを覚えています。

林:お、高橋さんですか。独特のオリジナルな世界を持った人ですよね。素敵な演奏です。さて次は?


5.Pat Metheny Group - "San Lorenzo" (1977)

信彦:音楽好きのお客さんからの「これ、好きだと思いますよ」とお薦めされた曲。これを機にインスト音楽に深く興味が湧きだし、独特の浮遊感が目の前の情景と重なり耳を傾けていました。2006年あたりのこと。

林:お客さまに音楽をすすめられて「ぴったり」だった時ってすごく嬉しいですよね。これすすめるお客さまがいるハンモックさんも素敵ですね。


6.Carlos "Negro" Aguirre, Interpreta 'Pasarero' en el acto por los 40 años de la UNER

真理子:2010年、現代アルゼンチン音楽に傾倒するきっかけになった1曲。「過ぎゆくもの」という意味のタイトルPasarero。「川は流れていくのもので、人々の苦悩も過ぎゆき、希望をのせる理想的な乗り物」という歌詞から感銘を受け、以後アルゼンチンへと足を運ぶことにもなりました。

林:お、こんな映像があるんですね。良い曲ですよねえ。次はどうでしょうか。


7.中島ノブユキ 『メランコリア』

信彦:2010年、中島ノブユキさんのピアノコンサートのお話をいただき、当時ピアノがなかったのですが物理的な理由でお断りしたくなかったので探し求めた末、ピアノを購入するというきっかけになりました。以降、国内外の素晴らしいピアニストに弾いて頂いています。

林:え、中島さんのためにピアノ買ったんですか。すごいですね... 


8.Guillermo Rizzotto / Y se escucha el rio

信彦:この映像は彼に会いに行った旅でのライヴ会場にてデジタルカメラで撮影したものです。2012年アルゼンチン・ロサリオでの感動の初対面。

林:え、これご自信が撮影したんですか。音がすごく綺麗に録れてますね。演奏も美しいです。ため息ですね。


9.Luz de Agua rosa y dorada

真理子:2012年アルゼンチンの旅にてギジェルモ・リソットと会った数日後に訪れたパラナーにて奇跡的にメンバー3人が集まった場に居合わせました。「本国内でも演奏する機会が少なく、ジャンルに属さない彼らの音楽は知る人ぞ知る存在だ。日本で演奏するべきだ。」と、その場に招待してくれたキケ・シネシとカルロス・アギーレが語ってくれました。日本での生演奏をいつか観てみたいです。

林:日本のアルゼンチン音楽ファンのテーマ曲みたいな存在の曲ですよね。映像が美しいですね。アルゼンチンってこんな感じなんですね。さて最後の曲になりましたが。


10.Kazuma Fujimoto / Shikou Ito "Wavenir"

真理子:最後に、ハンモックレーベルからの紹介をさせてくださいね。これまでの出逢いや感動から、胸が熱くなった音楽に対して出来ることは何か..。リスナー感覚でカフェを営みながら、2014年9月レーベル始動した第一弾作品。ギタリスト藤本一馬とピアニスト伊藤志宏のデュオアルバム。作曲家でもあるふたりが描く"音の対話"に心の想い重なります。

林:「ふたりが描く"音の対話"に心の想い重なります」という言葉が全てを表しているような気がします。たくさんの人に届くと良いですね。


中村ご夫妻、お忙しいところどうもありがとうございました。みなさんも姫路に行かれたときには是非お立ち寄り下さい。そしてCDも是非"買って"下さいね。


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さて、今年ももうあとわずかになりましたね。今年はどんな音楽に出会えましたか? 
来年も良い音楽に出会えると良いですね。良いお年をお迎え下さい。それではまたこちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

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bar bossa
●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
12:00~15:00 lunch time
18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
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