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2022年10月アーカイブ

My First Jazz Vol.55-永武幹子:My First Jazz

Title : 『Blues Etude』
Artist : Oscar Peterson

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「私の初めてのジャズ・アルバムはOscar Peterson (オスカー・ピーターソン)の『Blues Etude』です。これは1965年と1966年にレコーディングされたアルバムで、ベースがRay Brown(レイ・ブラウン)とSam Jones (サム・ジョーンズ)、そしてドラムスがLouis Hayes(ルイ・ヘイス)です。

ピーターソンのトリオとしては、レイ・ブラウンとEd Thigpen(エド・シグペン)のタッグによるピアノトリオが有名ですが 、この時はエド・シグペンが脱退してルイ・ヘイスに、そしてレイ・ブラウンからサム・ジョーンズに代わる時期でしたのでこのトリオとしてはフレッシュな録音となります。

当時は私もオスカー・ピーターソンを聴くということで、ほぼ彼のピアノにしか耳がいきませんでした。ベースが誰とか二人ベースがいるなど、よく分かっていませんでしたが、今改めて聴くとレイ・ブラウンそしてサム・ジョーンズの二人によるウッド・ベースならではの温かい音色や、ルイ・ヘイスとの関係によるご機嫌なスイング感など格好よく、やはりすごく良いトリオだなと思います。

そして何よりオスカー・ピーターソンによるピアノの早弾きなんだけども歌心溢れるプレイというのはやはり当時とても衝撃的で、さらにブルージーでありバラードも素敵ですごく格好良いピアニストだなと感じました。

このアルバムにはオスカー・ピーターソンの曲やスタンダード曲が入っていますが、 私が一番好きでよく聴いていた曲は「Blues Etude」です。 少し変形ブルースという感じなのですが、 とても軽快なオスカー・ピーターソンらしい楽曲となっています 。そして「If I Were A Bell」や「Let's Fall In Love」といったスタンダード曲のテーマ自体もちろんかっこいいんですが、イントロやセカンドリフなど、新たにオスカーピーターソンのアレンジによって付け加えられており、それもこのアルバムの聴きどころのひとつだと思います。

私がこのアルバムを初めて聴いたのはおそらく大学時代。モダンジャズ研究会の部室だったと記憶しています。当時は何も知らなかったのでビル・エヴァンスやオスカー・ピーターソンのアルバムを聴き、そのハーモニーやアドリブなのにこんなに早く弾けるんだ!等、とても衝撃的だったのを憶えています。
今聴いてもやはりオスカー・ピーターソンはどこを切り取っても格好良く、 軽快にスイングするピアニストなので彼のプレイ、そしてこの作品に出会えて本当によかったと思っています。」

永武幹子



My First Jazz

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Title : 『Blues Etude』
Artist : Oscar Peterson
LABEL : Limelight
発売年 : 1966年



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【SONG LIST】
01.Blues Etude
02.Shelley's World
03.Let's Fall In Love
04.The Shadow Of Your Smile Love Theme From The ''Sandpiper''
05.If I Were A Bell
06.Stella By Starlight
07.Bossa Beguine
08.L'Impossible
09.I Know You Oh So Well








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永武幹子
千葉県船橋市に生まれる。
5歳よりクラシックピアノを始め、ヤマハ音楽教室で寄島清美氏に師事、
演奏技術だけでなく、即興演奏や作曲の基礎を学ぶ。
中学時代は法田中学校ブラスバンド部に所属し、トランペットを担当。
早稲田大学法学部入学後、同大学モダンジャズ研究会、ハイソサエティオーケストラに入り、ジャズに目覚める。
大学0Gのジャズピアニスト清水くるみ氏に師事。その間、さまざまなセッションに加わる。
大学卒業と同時にプロになることを決意し、ジャズピアニストとして演奏に専念。
現在は、増尾好秋(guitar)MAGATAMA、酒井俊(vocal)グループ、
守谷美由貴(a.sax&s.sax)ベースレストリオなどに参加する他、
自身のピアノトリオ"永武幹子Trio", "J.J.Soul"や加納奈実(a.sax&s.sax)とのDuoユニット"Jabuticaba"をメインに、
東京都内のジャズクラブやライブハウスを中心に活動している。
これまでの共演者としては、
井上信平、植松孝夫、梶原まり子、酒井俊、坂井紅介、鈴木勲、竹内直、中牟礼貞則、橋本信二、林栄一、廣木光一、
藤井信雄、古野光昭、本田珠也、増尾好秋、峰厚介、森山威男、山口真文、芳垣安洋、吉野弘志、Akira Tana、
Arthur Hnatek 他 (敬称略、五十音順)







Latest Album

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Title : 『SOLO』
Artist : 永武幹子
LABEL : Owl Wing Record
NO : OWR044
RELEASE : 2022.9.14



アマゾン詳細ページへ


【SONG LIST】
01. My Shining Hour
02. Invitation
03. Limbo
04. These Foolish Things
05. I'll Walk Alone
06. Green Chimneys
07. Prelude to a Kiss
08. Rockin' Chair
09. Tea for Two
10. Impro -Invitation to My Songs-
11. Just Simple Things
12. Go Down the River
13. ENGAWA





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【KKBOX Podcast「My First Jazz」】
JJazz.Netとの連動によるオリジナルコンテンツ。
ジャズ・ミュージシャン本人の音声コメントをお届けしています。
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曽根麻央 Monthly Disc Review2022.10_Roy Hargrove Big Band : Emergence:Monthly Disc Review

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皆さんこんにちは。トランペッター、ピアニストの曽根麻央です。
10月も中旬に差しかかり肌寒い日が多くなってきました。皆様におかれましては体調のほどいかがでしょうか?僕は元気にツアーの多い秋を駆け抜けています。
今回は熊本からディスク・レビューを書いています。

今日はレジェンド・トランペッター、ロイ・ハーグローヴが2009年に残したビッグバンド・アルバム、『Emergence』を聴いていきたいと思います。死後にリリースされたものを除けば、ラスト・リーダー作となっています。


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Title : 『Emergence』
Artist : Roy Hargrove Big Band

【現代を代表するトランペッター、Roy Hargroveのラスト・リーダー作】

 ロイ・ハーグローヴは間違いなく現代を代表するトランペッターでしたが、2018年に惜しまれながらこの世をさりました。残念ながら彼の絶頂期の演奏をライヴで聴くことは僕はありませんでしたが、それでも彼のソウルフルで温かい音色と歯切れ良いリズム、そして美しいメロディー・ラインは亡くなる直前まで彼と共にありました。NYCのSmallsというライヴ・ハウスに僕が学生時代に遊びにいき、ジャム・セッションに参加していると、ロイが急に現れて完璧な2コーラスを吹いてまたどこかへまた去っていく、これがたまらなくカッコよく憧れでした。

 ジャム・セッションといえば...ブルーノート東京と僕が毎月開催しているジャム・セッション・イベントがあるので是非チェックしてみてください。我こそはという参加者、ミュージシャンが切磋琢磨する様子を楽しみに来るリスナーさん歓迎です!ブルーノート東京の系列店で御茶ノ水にあるCafe104.5で主に開催しています。次回は11/17です。

Cafe104.5


 『Emergence』は2009年リリースの近年のアルバムだけあってとても良い音で収録されています。ロイのトランペットの音色も明るく収録されています。場面によっては録音ブースの隅まで音が響き渡っていたことが分かる部屋の残響音も集音されていて、ロイのパワフルな一面も存分に味わうことができるライヴ感もあるアルバムになっています。左からサックス・セクション、真ん中にトロンボーン・セクション、右側にトランペット・セクションが聴こえてきますので、恐らくトラディショナルなビッグ・バンドのレコーディングの配置で収録されたのかと思います。ロイはのトランペットはおおよそセンターから聴こえてきます。これを現代的なステレオ・イメージで聴くことが出来るのもこのアルバムの魅力かと思います。

01. Velera

ロイ・ハーグローヴ・ビッグバンドのオープニング曲としてよく演奏されていた美しいバラード曲です。10小節、8小節、10小節のA-B-Aフォームの曲で、独特のハーモニーと変則的な小節数が浮遊感を演出します。トランペット・セクションがピックアップのメロディーを演奏するとすぐにフル・オーケストレーションで1コーラス曲が奏でられます。ロイはフリューゲルホルンで2コーラス目のAセクションでソロをとります。バラードでのフリューゲルホルンの演奏はロイの魅力を最も味わえる場面です。




02. Ms. Garvey, Ms. Garvey

ファンキーなシャッフル・スウィングの曲です。1コーラス目にトロンボーンとバリトン・サックスのユニゾンでメロディーが演奏され、2コーラス目にはこれにロイが加わりつつ、オーケストラがハーモニーやカウンターポイント(対位法:主旋律と対になるような副旋律)を演奏します。その後もう1コーラス分アレンジャーズ・コーラスがあり、その後各セクションから一人ずつフィーチャーしてのソロとなります。アレンジャーズ・コーラスはシャウト・コーラスとも呼ばれ、ビッグバンドをアレンジした編曲家が元のコード進行の上に独自のメロディーを新たに書き、オーケストレーションした場面のことを指します。ソロはバリトン・サックス、ロイのトランペット、トロンボーンと受け継がれます。このロイのソロも力強く、ファンキーで、カッコいいです。




03. My Funny Valentine

ロイのフリューゲルがフィーチャーされた誰もが知るスタンダード曲のカバー。出だしは少しだけスタン・ケントンの『コンテンポラリー・コンセプト』に収録されている「Stella By Starlight」に影響をうけたのを個人的に感じました。


04. Mambo For Roy

Dマイナーのブルース形式の快速なテンポで展開されるラテンの曲。ここでロイのトランペットも最高潮のソロを展開し、ハイノートを見事にヒットさせ続けます。ロイ、フルート、そしてピアノ・ソロと曲が展開しメロディーに戻ると、曲が一旦終わったかのように見せかけ、本編より遅いチャチャのリズムでエンディングが演奏されます。この時のロイもソウルフルな演奏で聴く人を虜にします。全体を通してロイのフリューゲルホルンがフィーチャーされており、丁寧にメロディーを吹いておりとても美しいです。


05. Requiem

アメリカの古きよきポップスのような出だしからイントロが始まりますが、いざ曲が始まるとアフリカン・ビートが満載で、モーダルな曲調となります。2分前後にロイと同時にソロを取っているトランペッターはおそらくダレン・バレットだと思います。


06. September In The Rain

ロイの名アレンジのひとつだと思います。誰が聞いても楽しいミディアムテンポのスウィングでアレンジされた、有名な「September in the Rain」のカヴァーです。インパクトのあるイントロの後、ロイが1コーラス、ハーマン・ミュート越しにメロディーを演奏します。その後フル・オーケストラのシャウトコーラスを半コーラス挟み、ベースソロとなります。その次のコーラスでは前半でアルト・サックス、トランペット、トロンボーンの3管編成のシャウト・コーラスがあり、途中からトロンボーン・セクションに主旋律が移りバックグラウンドとしてサックス・セクションがハーモニーを奏で、その後ブラス(トランペット+トロンボーン)とサックス・セクションの対比となり、最終的にピアノ・ソロに着地する見事なオーケストレーションを展開します。ピアノ・ソロはシンプルに、そしてリズミカルに心地よく演奏されます。その後ビッグバンド全体でユニゾン、そしてそれを追随するドラム・ソロというトレイド・セクションに入ります。

日本ではこのようなセクションを「フォーバース」と呼んだりしますが、アメリカではこの様な場面を「Trade」と言います。そしてロイが歌で「September in the Rain」のメロディーを歌い上げ、ロイの歌にメンバーが呼応する「Call & Response」の場面があり曲が幕を閉じます。実にバラエティに富んだアレンジで、このアルバムのクライマックスといえる名演奏です。




07. Everytime We Say Goodbye

Roberta Gambariniというイタリアのジャズ・シンガーをフィーチャーしたアレンジ。前半はバラードでじっくりと、後半はロイのソロがスウィング・ワルツで軽快に演奏されます。


08. La Puerta

同じくRoberta Gambariniをフィーチャーしたボレロ調の楽しい曲。ロイのフリューゲルホルンは短いソロながらも再び冴える一曲です。ビッグバンド自体のサウンドもとても太く一体感のある演奏でとても素晴らしいです。


09. Roy Allan

ロイ・ハーグローヴの代表曲のビッグバンド・アレンジ・ヴァージョン。Even 16 feelが心地よく、メロディーとハーモニーがとても洗練されていてロイらしい一曲です。ここまでの曲は割とオーソドックスなハーモニーで構成された曲が多いので、ここでこのようなコンテンポラリー・サウンドの登場はとても新鮮に感じられます。そしてロイのトランペットソロもMambo for Royで聴けたような熱量があり素晴らしいです。


10. Tschpiso

この曲は全体的にロイのトランペットがフィーチャーされた曲で、パッと聴くと「ルパン三世」や「グレート・プリテンダー」や「スパイファミリー」なんかの日本のアニメのサウンドトラックで使われそうなグルーヴとハーモニーの一曲になっています。


11. Trust

サックスのユニゾンが徐々に膨れ上がり繊細なハーモニーを織り出すバラード曲。ロイのトランペットの柔らかい音色がよく収録されていて素晴らしいです。一瞬フリューゲルホルンを演奏しているかのような柔らかい音色から徐々にハリのあるトランペットの音に変化してくソロは必聴です。

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さて私自身は7月よりジャズ・スタンダードの数々をソロで収録し、毎月2曲ずつサブスクで配信するプロジェクト『Mao Sone Plays Standards』を継続しております。

詳しくはこちら

今月10/24(月)には名古屋のMr. Kenny'sで『Mao Sone Plays Standards』のソロ公演を開催しますので名古屋の皆様、お待ちしております!
予約フォーム(Mr. Kenny's)



それではまた次回。


文:曽根麻央 Mao Soné



Recommend Disc

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Title : 『Emergence』
Artist : Roy Hargrove Big Band
LABEL : EmArcy
発売年 : 2009年

アマゾン詳細ページへ

【SONG LIST】

01.Velera
02.Ms. Garvey, Ms. Garvey
03.My Funny Valentine
04.Mambo For Roy
05.Requiem
06.September In The Rain
07.Every Time We Say Goodbye
08.La Puerta
09.Roy Allan
10.Tschpiso
11.Trust




【曽根麻央LIVE INFO】

10/16 (Sun) @ 菊陽町図書館ホール (熊本)
Travel Brass

10/17 (Mon) @ 宮崎市立大淀小学校 (宮崎)
Travel Brass
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10/18 (Tue) @TBA
Travel Brass
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10/19 (Wed) @ Velera (赤坂)
Mao Soné Trio with Yuji Ito & Hiro Kimura

10/21 (Fri) @ 葛城 北の丸(ハママツ・ジャズ・ウィーク関連イベント)
Brightness of the Lives with 井上銘、山本連、木村紘、二階堂貴文
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10/23 (Sun) @ アクトシティー大ホール(浜松ヤマハ・ジャズ・フェスティバル)
Brightness of the Lives with 井上銘、山本連、木村紘、二階堂貴文 & 馬場智章

10/24 (Mon) @ Mr Kenny's (名古屋)
Mao Soné Solo "Plays Standards"

10/25 (Tue) @ 大和市立柳橋小学校 (神奈川)
Travel Brass
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10/26 (Wed) @ 名古屋市立植田小学校
Travel Brass
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10/27 (Thu) @ 浜松市立葵西小学校
Travel Brass
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10/30 (Sun) @ 御船町カルチャーセンター(熊本)
Travel Brass

10/31 (Mon) @ 福岡県 粕屋西小学校
Travel Brass

曽根麻央のその他情報はウェブサイトへ

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「Monthly Disc Review」アーカイブ曽根麻央
2020.04『Motherland / Danilo Perez』2020.05『Color Of Soil /タイガー大越』2020.06『Passages / Tom Harrell 』2020.07『Inventions And Dimensions / Herbie Hancock』2020.08『Birth Of The Cool / Miles Davis』2020.09『Chet Baker Sings / Chet Baker』2020.10『SFJAZZ Collective2 / SFJAZZ Collective』2020.11『Money Jungle: Provocative In Blue / Terri Lyne Carrington』2020.12『Three Suites / Duke Ellington』2021.01『Into The Blue / Nicholas Payton』2021.02『Ben And "Sweets" / Ben Webster & "Sweets" Edison』2021.03『Relaxin' With The MilesDavis Quintet / The Miles Davis Quintet 』2021.04『Something More / Buster Williams』2021.05『Booker Little / Booker Little』2021.06『Charms Of The Night Sky / Dave Douglas』2021.07『Play The Blues / Ray Bryant Trio』2021.08『The Sidewinder / Lee Morgan』2021.09『Esta Plena / Miguel Zenón』2021.10『Hub-Tones / Freddie Hubbard』2021.11『Concert By The Sea / Erroll Garner』2021.12『D・N・A Live In Tokyo / 日野皓正』2022.1『The Tony Bennett Bill Evans Album / Tony Bennett / Bill Evans』2022.2『Quiet Kenny / Kenny Dorham』2022.3『Take Five / Dave Brubeck』・2022.4『Old And New Dreams / Old And New Dreams』2022.5『Ella Fitzgerald And Louis Armstrong / Ella And Louis』2022.6『Live from Miami / Nu Deco Ensemble & Aaron Parks』2022.7『Oscar Peterson Trio + One / Oscar Peterson Trio Clark Terry』2022.8『Ugetsu/ Art Blakey & The Jazz Messengers』2022.9『Sun Goddess / Ramsey Lewis』

Reviewer information

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曽根麻央 Mao Soné

曽根麻央は2018年にジャズの二刀流として、 2枚組CD『Infinite Creature』でメジャー・デビュー果たしたトランペッター、ピアニスト、作曲家。

 幼少期よりピアノを、8歳でトランペットを始める。9歳で流山市周辺での音楽活動をスタートさせる。18歳で猪俣猛グループに参加し、同年バークリー音楽大学に全額奨学金を授与され渡米。2016年には同大学の修士課程の第1期生として首席(summa cum laude)で卒業。在学中にはタイガー大越、ショーン・ジョーンズ、ハル・クルック等に師事。グラミー賞受賞ピアニスト、ダニーロ・ペレスの設立した教育機関、グローバル・ジャズ・インスティチュートにも在籍し、ダニーロ・ペレス、ジョー・ロバーノ、ジョン・パティトゥッチ、テリ・リン・キャリントン等に師事、また共演。
 これまでにニューポート、モントレー、モントリオール、トロント、ドミニカ等の国際的なジャズ・フェスティバルに出演。
2017年には自己のバンドでニューヨークのブルーノートやワシントンDCのブルース・アレイ等に出演。2018年メジャー・デビュー。2019年には故・児山紀芳の代役でNHK-FM「ジャズ・トゥナイト」の司会を担当。また2020年公開のKevin Hæfelin監督のショート・フィルム「トランペット」の主演・音楽を務めるなど、演奏を超えて様々な活動の場を得ている。

 曽根は国際的に権威ある機関より名誉ある賞を数々受賞している。
2014年度フィラデルフィア『国際トランペット協会(ITG)ジャズ・コンペティション』で優勝。
同年『国際セロニアス・モンク・ジャズ・コンペティション』にて13人のファイナリストに世界中の応募者の中から選出。
2015年に地元・流山市より『ふるさとづくり功労賞』受賞。
2016年アムステルダム『"Keep An Eye" 国際ジャズアワード』にて優勝。

曽根麻央Official Site

【THE PIANO ERA 2022】が開催されます!:ライブ情報 / LIVE INFO

JJazz.Netでも度々ご紹介してきたピアノに焦点を当てた贅沢なフェスティバル「THE PIANO ERA」。
コロナ禍の影響で開催が伸ばされていましたが、待望の開催決定です!


5 回目を迎える今回は、アメリカ、アルゼンチン、ブラジル、台湾、日本から、
ジャンルを超越した独自のピアノ音楽を創造するアーティスト 6 組が出演。
ずらり注目のラインナップです。


秋が深まっていく11月、ピアノの調べに思い切り浸ってみては如何でしょうか?


※以下、詳細をチェック!


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おかえりなさい、ピアノの世紀へ。
世界から日本から、ピアノ音楽の現在と未来に出会う二日間。
隔年開催しているピアノ世紀の到来を告げるフェスティバル、
コロナ禍の影響で3年ぶり5回目の開催決定。


誰もが親しみのあるもっともポピュラーな楽器のひとつ、『ピアノ』をキーワードに、
ジャンルでくくらずにオリジナリティ溢れるピアノ音楽を創造し演奏するピアニストたちを国内外から招聘し一挙に紹介
する "THE PIANO ERA(ザ・ピアノエラ)"。近年メキメキと拡張し躍動を続ける " 今聴くべき世界の「ピアノ音楽の
現在」" にフォーカスし、世界で多様に発展しているピアノ音楽の " 今 " を体感できるともに、ピアノから放たれる、
弾く者の音から染み出る音楽性や個性、生まれ育った文化や地域性までも感じ取ろうという画期的なフェスティバル。
5 回目を迎える今回は、アメリカ、アルゼンチン、ブラジル、台湾、日本から、
ジャンルを超越した独自のピアノ音楽を創造するアーティスト 6 組が出演します。
いま誰もが体感すべきピアノ音楽、ピアニストの魅力に出会える二日間です。


【日 時】
11月19日(土) 16:15開場/17:00開演 | 11月20日(日) 15:45開場/16:30開演


【出 演】
<11月19日(土)> 
タチアナ・パーハ&アンドレス・ベエウサエルト(ブラジル、アルゼンチン)
Cicada(台湾)
haruka nakamura(日本)

<11月20日(日)>
テリー・ライリー (USA)
ダン・テファー "Natural Machines"(USA)
高木正勝(日本)


【会 場】
めぐろパーシモンホール 大ホール


【チケット】
単日券:7,800 円/ 2 日通し券:14,800 円
先得 2 日通し券 (プログラム発表前に販売する 2 日通し券):12,000 円
(※学生(高校生以上)は 1,000 円、子供(中学生以下)は 3,000 円を当日会場にてキャッシュバックします。要学生証提示。単日券のみ対象。)


【プレイガイド】
イープラス eplus.jp|ローソンチケット l-tike.com 0570-084-003|チケットぴあ t.pia.jp 0570-02-9999|めぐろパーシモンホール persimmon.or.jp 03-5701-2904 (10:00-19:00)
※めぐろパーシモンホールは単日券のみ取扱
※先得2日通し券・オフィシャル先行はディスクガレージチケットサイト『GET TICKET』にて取扱


【問い合わせ】
ディスクガレージ 050-5533-0888|ノーヴァスアクシス 03-6310-9553

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(以下、オフィシャルガイドより)

11 月19 日(土)day1 は『ピアノと声とアンサンブルの美しさに浸る一日』。


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タチアナ・パーハ&アンドレス・ベエウサエルトは現代ブラジル最高峰の知性派シンガーとアルゼンチン音楽シーンを代表するピアニストのデュオ。11年前に唯一のデュオ名義アルバム『Aqui』を発表。現代南米音楽シーンを象徴する傑作として、世界中の音楽家たちに影響を与え続けている。その後活動をしていなかった伝説のデュオがザ・ピアノエラ 2022で世界が注目する奇跡的な再会を果たします。


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台湾のCicada(シカーダ)。ピアノエラ史上日本以外のアジアから初出演となります。台湾の自然と文化をpf, Vn, Vc, G のアコースティックアンサンブルで表現、ポスト・クラシカルのクールさとアジアのウェットさが同居する魅力的な音楽世界が心に染み入り捉えます。今秋公開、平野啓一郎原作・石川慶監督の今秋公開の映画『ある男』の音楽を務めることも話題になりそうです。


harukanakamura.jpg
haruka nakamura は2015 年以来2度目の出演。長い間旅をしながら音楽を続けてきたが、昨年居を故郷の北国に移して新たな生活環境の中で創作を続ける。今回はザ・ピアノエラ2022 のための特別セットリストを披露。田辺玄(orbe) × Meadow の二人をフィーチャーして出演します。7 年前からどのような音楽変遷を経てきたのかを追想するのも楽しみです。


11 月20 日(日)day2 は『ピアノ表現の可能性と内から湧き出るエネルギーの洪水を浴びる奇跡の一日』。


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御歳87 歳、真のリビング・レジェンド、テリー・ライリーがいよいよピアノエラに降臨。2 年前から日本に居を移し幸せなことに演奏に触れる機会が増えましたが、ザ・ピアノエラ2022 では最近では珍しいグランドピアノを演奏、純正調ピアノのために書かれた楽曲の演奏を予定しています。ファンならずとも体験する全ての人の人生の宝になる貴重な機会となることは間違いありません。


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ダン・テファーはリー・コニッツとのコラボレーションやバッハ楽曲の表現者としても活躍していますが、ザ・ピアノエラ2022 ではピアノ表現の可能性を提示する自然の歩む道と機械の歩む道の" 交差点" を音楽で探る画期的プロジェクト「ナチュラル・マシーン」を披露します。演奏は全て即興。テファーが弾いた即興演奏を彼が作ったコンピュータープログラムがリアルタイムに感知し、独自のアルゴリズムで対話するように自動演奏ピアノDisklavier に演奏を促します。それを受けてダンがまた即興で音を重ねる、1 台のグランドピアノで表現される、幻の手との見たことのない連弾二重奏。加えて今演奏している即興連弾楽曲の骨組みを可視化してリアルタイムで映像投影、音程や強弱、リズムやハーモニーなど音楽のある側面を映像化して表現します。人間とテクノロジーの融合を通じて未来の音楽の可能性を提示する画期的プロジェクトです。


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高木正勝は唯一第1 回から連続出演。自分のマインドや生活環境に素直に音を出し表現を重ねる日々を続けながら、多数のサントラやCM 音楽を手がける。特に細田守監督作品『おおかみ子どもの雨と雪』『バケモノの子』『未来のミライ』や昨年のNHK 連続テレビ小説『おかえりモネ』の音楽が強いインパクトと高い評価を得ていて今や彼の音楽を聴かない日はないほど。一昨年に父になった彼がピアノに向かい今どんな音を奏でるのか楽しみです。

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ザ・ピアノエラ 2022
http://www.thepianoera.com/

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