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2015年2月アーカイブ

丈青×スガダイロー "極楽鳥花":ライブ情報 / LIVE INFO

【※チケットは完売しました】

丈青×スガダイロー。
この意外な?組み合わせに心躍る方は絶対観た方が良いです。

今の日本のジャズシーンにおいて異色の輝きを放つ2人のピアニストによるDUO公演。
クラシック・スペースの会場には、SteinwayとYAMAHA、2台のピアノがおかれ、
ほぼ生音に近い環境で演奏を聴かせてくれます。

するどい切れ味が持ち味のダイローさんですが、
この公演ではクラシカルで爽やかな一面もみせてくれるのではないでしょうか?

2人共"鈴木勲OMA SOUND"を経験(!!)。その後の活躍は皆さんご存知の通りですね。
間違いなく今後のジャズシーンを牽引する2人のピアニストの邂逅。
これは注目です。


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【丈青×スガダイロー "極楽鳥花"】

2014年10月、初のソロピアノ作『I See You While Playing The Piano』をSPIRAL RECORDSよりリリースした丈青と、VELVETSUN PRODUCTSよりスガダイロートリオ最新アルバム『GOLDEN FISH』を発売したスガダイロー、互いに新境地を切り開く作品を世に放った現代日本ジャズシーンを代表する2人のピアニストが、この度クラシックスペース笹塚Blue-TにてピアノDUOでの共演を行います。
アート・ブレイキーのバンドなどで世界的に活躍したジャズゴッドファーザー鈴木勳OMA SOUNDが輩出した2人の奇才ピアニストの奇跡の逢瀬!!2大巨頭の極上の旋律をどうぞお見逃しなく!!

<日時>
2015年4月5日(日)
1部:開場15時30分/開演16時30分 
2部:開場18時/開演18時45分 
※入替制

<出演>
丈青
スガダイロー 

<場所>
笹塚Blue-T(ホテルブーゲンビリア新宿1F)
http://www.blue-t.jp/
東京都渋谷区笹塚1-61-8 ホテルブーゲンビリア新宿1F 

<料金>
一部・二部 通し券:5,000円
いずれか一部のみ:3,800円
(いずれも1ドリンク+軽食付)

<チケットご予約方法>
2015年2月27日(金)12:30よりPassMarketにて予約受付を開始致します。
http://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01a2vzx9k382.html
※予約受付順のご入場となります。
※当日券販売有無はFacebookページとTwitterにて告知します。

<詳細>
"極楽鳥花"公式サイト
Twitter:https://twitter.com/info_strelitzia
Facebookページ:https://www.facebook.com/gokurakuchoka

企画制作:"極楽鳥花" 制作委員会 石渡久美子
制作協力:ノイズ中村(VELVETSUN PRODUCTS)
音響:高橋清志(PIT INN)
照明:渡辺敬之
フライヤーデザイン:chieko hara ( chienoix ) praha



■丈青
1975年生まれ広島県広島市出身。3歳からピアノにふれクラシックを学ぶ。同時にブラックミュージックをはじめとする多岐にわたる音楽に親しみ、その語法を独学で習得。1997年に本格的にジャズピアニストとしての道を歩むことを決意。「鈴木勲OMA SOUND」への参加を期にジャズシーンに広くその名が知れ渡り、日野皓正や梅津和時とも共演を重ねる。2003年にはSOIL&"PIMP"SESSIONSに加入、ビクターエンタテイメントからメジャーデビューを果たす。2007年には同バンドから派生したピアノトリオJ.A.Mを結成。2014年10月、初のソロピアノ作『I See You While Playing The Piano』をSPIRAL RECORDSよりリリース。
丈青 Official Web


■スガダイロー
1974年生まれ神奈川県鎌倉市出身。洗足学園ジャズコースで山下洋輔に師事、卒業後は米バークリー音楽大学に留学。帰国後「渋さ知らズ」や「鈴木勲OMA SOUND」で活躍し、坂田明や小山彰太とも共演を重ねる。2008年、初リーダーアルバム『スガダイローの肖像』(ゲストボーカルで二階堂和美が3曲参加)を発表。自己のトリオでの活動のほか、向井秀徳、七尾旅人、U-zhaan、MERZBOWらと即興対決を行う。2011年に『スガダイローの肖像・弐』でポニーキャニオンからメジャーデビュー。2014年には、山下洋輔との真剣対決を収録したライブ盤『山下洋輔×スガダイロー』をリリースし、『題名のない音楽会』(テレビ朝日系)でも特集された。2014年10月スガダイロートリオ最新アルバム『GOLDEN FISH』を発売。
スガダイロー Official Web

New Century Jazz Quintet 3月に来日公演決定!:インタビュー / INTERVIEW

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天才ドラマーとして注目を集めるユリシス・オーウェンズ・ジュニアと、
日本人ピアニスト、大林武司を中心に結成された日米混合ユニット、New Century Jazz Quintet。
(ユリシスは、クリスチャン・マクブライドから信頼される今やNYで一番忙しいといわれるドラマー、
大林武司さんはNYを拠点に活躍、日本人トランペッター黒田卓也さんやJUJUさんのライブでもお馴染みですね。)

昨年はデビューアルバムのリリースや、大盛況で終えた発売記念ジャパンツアーなど話題となりました。
そんなNew Century Quintetが3月に再び日本公演を行います!
今のNYの息吹を感じる新世代ジャズ、是非体感して下さい。

多忙な大林武司さんを滞在先のドーハ(カタール)でキャッチ。
今回の来日公演についてメールインタビューでお答えいただきました。


【大林武司 メールインタビュー】

■ちょうどドーハに滞在されているタイミングでこのメールをお送りしていますが、
ドーハには演奏で行かれているのですか?そちらのジャズシーンはどんなですか?

[大林武司]
カタールの首都ドーハにニューヨークのJazz at Lincoln Center監修のJazz at Lincoln Center Dohaというジャズクラブがあり、ニューヨークの自分のピアノトリオと一緒にドーハに行き6週間滞在してジャズクラブでライブをしたり、カタールでのジャズの普及活動や教育活動をしています。3年前にJazz at Lincoln Center Dohaがカタール最初の本格ジャズクラブとしてオープンしてからはジャズがようやく認知されだして、それから少しずつジャズシーンが発展しているように思えます。カタール政府の支援もあって世界中から素晴らしい芸術家がドーハに移住して活動しており、中東の民族楽器を演奏する音楽家やカタール交響楽団の音楽家とジャズを通じてコラボする機会があったりもしました。


■昨年6月にデビュー作をリリース、7月には日本ツアー。
お披露目となった日本でのライブはいかがでしたか?印象的な出来事ありましたか?

[大林武司]
7月の日本ツアーはお陰様で初日から最終日までどの公演も非常に盛り上がりました!最高でした!ツアー全体を通じて幅広い年齢層のお客様にお越し頂き、ジャズを初めて聴いたという方々から往年のジャズファンの方々まで皆様目を輝かせてCDサイン会に参加して下さったことがとても嬉しかったです。メンバー一丸となって全力投球で演奏したエネルギーをお客様も暖かい拍手や歓声で返して下さったりと、ツアー全公演どれも本場ニューヨークのライブに近い雰囲気でした。


■今回の来日公演ではティムの代わりにアルトはブラクストン・クックが参加しますね。
彼について教えて下さい。

[大林武司]
ブラクストンを最初にNYCで聴いた時にはまるでチャーリーパーカーのようなスピード感と歌心にびっくりしました。若くしてクリスチャンスコットのバンドメンバーに抜擢されて世界ツアーに参加するなどしてジャズシーンに頭角を表して来ています。ジュリアード音楽院にてしっかりと学んだジャズのルーツをR&Bを融合させたリーダーアルバムも発表しており、彼の音楽性やプレイスタイルに温故知新という言葉を大切にされている部分がニューセンチュリージャズクインテットのコンセプトと共通していると思いますまたブラクストンは比較的珍しい 銀のサックスで演奏しており、個人的には銀のサックスならではの音色が個性的で大好きです。


■昨年に続きNCJQとして2回目の来日公演。今回の公演はどんな感じになりそうですか?

[大林武司]
昨年と同じくメンバー全員で 全力投球で熱いライブにしていきたいと思っています!今回の来日公演の為に書き下ろしたオリジナルやジャズスタンダードのアレンジも数々演奏しますのでどうぞお聴き逃し無く!


■最後に日本公演後の今後の予定を教えて下さい。

[大林武司]
NCJQとしては2ndアルバムを3月末にレコーディングをして夏に発表と日本ツアーをして、秋冬にはアメリカツアーの予定です。またNCJQと平行してリーダートリオプロジェクトを始動して、この春にはニューヨークのブルーノートで公演予定です。サイドメンとしても後日公表予定のエキサイティングなニューアルバムやツアーの予定が多々ありますので是非ホームページやブログ、フェイスブックより応援頂けると幸いです!


【New Century Jazz Quintet, AWESOME LIVE Performance in Japan 2014】




【New Century Jazz Quintet 来日公演】


<日時>
2015年3月17日(火)& 3月18日(水)
[1st.show] open 5:00pm / start 6:30pm
[2nd.show] open 8:00pm / start 9:00pm

<出演>
Ulysses Owens Jr. (ds), 大林武司 (p), 中村恭士 (b), Benny Benack (tp), Braxton Cook (sax)
※今回アルトサックスはブラクストン・クックとなります。

<場所>
COTTON CLUB
〒100-6402 東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビルTOKIA 2F
TEL 03-3215-1555
営業時間 (5:00pm - 11:00pm ※土・日・祝のみ4:00pm - 10:30pm)
予約&お問い合せ受付時間 (11:00am - 10:30pm ※土・日・祝のみ11:00am - 9:00pm)

<料金>
[自由席] テーブル席 : ¥6,000
[指定席]
BOX A (4名席) : ¥8,000
BOX B (2名席) : ¥7,500
BOX S (2名席) : ¥7,500
SEAT C (2名席) : ¥7,000

<予約>
COTTON CLUB予約ページ

<詳細>
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/new-century-jazz-quintet/


【New Century Jazz Quintet 追加公演決定!】

3月19日(木)
茨城県ひたちなか市ブリックスホール
時間:午後7時開場、7時半開演
料金:4,000円(税抜)*チケットはMusic Shop Sekiyama
電話:029-273-6803
http://www.sekiyamainc.co.jp/contents/access/access.html


3月20日(金)
茨城県日立市 ホテルテラスザスクエア日立 TRAX
時間:午後6時半開場、午後7時半開演
料金:5,000円(税込、ワンドリンク付)*チケットは前売り制
電話:0294-22-5531
http://square-hitachi.jp/restaurant/trax.htm


『デビューアルバム『Time Is Now』

■タイトル:『Time Is Now』
■アーティスト:New Century Jazz Quintet
■発売日:2014年6月25日
■レーベル:Spice of Life
■製品番号:SOLNS-2

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[収録曲]

01. New Century
02. Tongue Twister
03. London Town
04. Decisions
05. Festi-vibe
06. Pure Imagination
07. Language of Flowers
08. El Gran Arado
09. Infinit10. Yasugaloo


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New Century Jazz Quintet
Benny Benack/ベニー・ベナック(Tp)
Tim Green/ティム・グリーン(As)
Yasushi Nakamura/中村恭士(B)
Takeshi Ohbayashi/大林武司(P)
Ulysses Owens Jr./ユリシス・オーウェンズ・ジュニア(D)

天才ドラマーとして注目を集めるユリシス・オーウェンズ・ジュニアと俊英ピアニストとして期待されている大林武司が中心となって、ニューヨークで活躍する有能な若手ミュージシャンが、「ジャズの歴史に深く根付きつつ若い感性でジャズの今を表現していく」をコンセプトに掲げ結成された日米ハイブリッド・バンドが生まれた。それがNew Century Jazz Quintetだ。2014年6月25日にアルバム"Time Is Now"で待望のデビュー!

大林武司 オフィシャルサイト

今回「AIRPORT」(放送期間:2015.2/18-3/18)では、
東京生まれ現在パリ在住のアーティスト、マイア・バルーをフィーチャー。
彼女は昨年、日本の伝承歌、民謡と最新型のエレクトロサウンドをハイブリッドにミックスしたニューアルバム『KODAMA』をリリースしました。今、国という枠組みを超えボーダレスに活動するアーティストの一人。

そんなマイア・バルーと共振し合うアーティストとして同一ライン上に上がってきたアーティストはラッパーのShing02。日本と海外を行き来するアーティスト同士、今の時代に感じていることをざっくばらんに語ってもらいました。



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Shing02:マイアは今回のアルバムを作るにあたり古くから日本に残る民謡をアレンジして歌ってるけど、現代の日本語の使われ方についてはどう思ってる?例えばポップスや演歌やラップ・・・言葉がありふれてるよね。そんな中で自分はどういう風に日本語を使って、どういう風に意識してる?


マイア・バルー:私がやっている民謡に関しては、もともとは昔の日本語や方言で書かれてて。日本語のサウンドって独特で面白いなって思う。擬音語とか、とても音楽的じゃない?今回のアルバムにはそういう歌もあって。「ソーラン節」「津軽じょんがら節」とか。けど、今の日本語の使われ方といっても、すっごく進化しているから知らないことが多いかな。


Shing02:変化が速いよね?


マイア・バルー:今はインターネットとかツイッターとか、インスタントに伝えるようになっているじゃない。でも歌の歌詞って真逆というか、ひとつのフレーズ、ひとつの詞でどれだけの想像力を働かせられるかがポイントで、歌の強さってそこだと思う。喋れば長くかかることを、歌では伝えられると思う。ラップはメロディーにのっからないからまたちょっと違うよね?


Shing02:そうだね。でも逆に、そうやって歌える人が、ラッパーはある意味羨ましいと思ってる。小節稼げるしね(笑)。そういう音楽的な違いはあって言葉数は違っても結局ストーリーテリングだと思うんだよね。シンプルなものやディープなもの、込めるものによるけどね。きちんとヒップホップの文化わかってやっている人は、自分はジャーナリストくらいの気分でやってると思うから。で、最近ますますテクノロジーが溢れてきていることとか、コミュニケーションが手短に効率よくなってるのは、英語でもそうだしね。でも、その中でミスコミュニケーションが生まれたり、人がくっついて離れることも珍しくないわけで。そういう中から新しい言語体系が生まれてきていて。実際にヒップホップはストリートのスラング文化で、ある意味「暗号」。それは方言とかも一緒で。言葉の縄張りだと思う。そしてそういうものがメインストリームに使われていくようになる。初めは馬鹿にしたりふざけて言ってることが、いつのまにか辞書に載るような言葉になっちゃう。そういったアンダーグラウンドから吸い上げられていくボキャブラリーっていうものもあるから一概に言葉を崩したり曲げたり好き勝手やることが駄目かっていうと、違って、実は今までもずーっとそうやって変化してきたのかもしれない。ただ、加速しているってことと、テクノロジーのヘルプのおかげってこと。それによって人間味が失われているから危惧しているだけであって。頼りすぎてきちんと会話できないとか、使い分けができなくなることとか、ね。


マイア・バルー:そういうのは怖いとこだよね。


Shing02:だからそういう意味では言葉を大切にしたいって気持ちもわからなくはない。特に日本語って、目上、タメ口、喋り方とか、使い分けを気にするよね。僕たちはたまたま日本を出たり入ったりする視点を持ち合わせているけれど、外から見たら、日本語がいかに繊細で、暗黙なルールがあるか分かる。でも中にいると気が付かないよね?


マイア・バルー:日本語はね、なにが独特かって曖昧な言葉だって思う。「いいえ」って言葉使わないよね。「う~ん」って言ったりして、それって言葉なの?って思うもの。「いいえ」って使わない言葉どころか、NOとすら言わない民族であって、文化なんだなって。


Shing02:いわゆる「和を以て貴しとなす」っていうのが根底にある民族で、それが裏目に出ることも多々あるけれど、どちらかというと文化の礎になってると思う。迷惑とか礼儀とかを重んじているよね。使う言葉も、基本的に相手を思いやっている言葉が多い。


マイア・バルー:民族性が出てるよね。


Shing02:そう。だって国境が地続きではなく、ひとつの言語しか喋ってない国って、あまりないじゃない?それが教育とかメディアとかにも影響していると思うんです。大半の人達はそのルールの中で、日本という考え方の中で、使っている。中にいると外国のことは拒絶しているというか、通用しないじゃない。


マイア・バルー:必要ないもんね。外の文化が。


Shing02:そう。必要ないって言える立場でもあるよね。けれど、実際にはこれだけ人も物量も情報も行き来してるから、そうも言ってられない。


マイア・バルー:どの国もそうだけど、他国ともコミュニケートしていかなきゃいけないよね。


Shing02:抱えている問題は同じだったりするわけだから、他の国のアドバイスを聞いてもいいよね。だからまだ言語的に鎖国っていう部分はあって、自国の言語と文化を大切にすることは良いことだと思うけれど、言葉というよりは考え方をオープンにしてもいいのかなとは思う。


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Shing02:マイアは個人的にはどうやってサバイブしていきたい?音楽をやっていく身として。


マイア・バルー:業界のことは無視できないし、音楽はひとりじゃできないけれど、好きなことするのは大事。そこで、やりたいことをどれだけ今の時代の流れに乗せていけるかは大きな課題かな。
今の自分の方向性・・・日本の民謡をモダンにアレンジっていうのは大変なチョイスをしたなと思うけれど。


Shing02:いや、僕は最高だと思うけどね。人がしないことをするっていうのは。


マイア・バルー:うん、でも浸透するには時間かかるじゃない?辛抱強くいくっきゃないかな。


Shing02:時間をかけていいものを作る事自体が、大事なことになってきたよね。


マイア・バルー:インスタントにできちゃう時代だからこそね。あとは、ライブでどれだけ見せていけるかに力を入れていきたい。


Shing02:僕は大きな矛盾を抱えていると思うけれど、これだけ情報がボーダレスになって、一瞬で伝えることができて交流が生まれていい面もたくさんある時代の中で、アーティストの死活問題として、自分の付加価値をキープするということは大事。わざわざお金を払って聴いてもらうためには、結局人と同じことじゃなく個性がないと本末転倒だと思うから。やりたいことをやり続けることはシンプルだけど、一番ラディカルな行為なんじゃないかと。アップ&ダウンある中でも自分の信念を形に落とし込んでゆくというか。色んなテーマがあって、皆様々な事を言いたいと思うけれど、アーティストの仕事ってなんでもかんでも答えを提供する事じゃなくて、どちらかというとヒントをあげる立場というか。ちょっとずつヒントをドロップして、そこにたどり着かせるほうが喜びが多いと思う。そうじゃないと成長がないからね。


マイア・バルー:ひとりひとり感じ方が違うわけで、なるべく自由に感じてほしいよね。


Shing02:僕も色んなことをクリエイトしている友達が沢山いるから、自分は音楽を作ってるからといってスペシャルとは思わない。そういう人たちと繋がって意識を変えたり高めたりしたいと常に思っているよ。



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このトークセッションの続きは「AIRPORT」(放送期間:2015.2/18-3/18)で聴くことができます。
是非そちらもチェックして下さい。

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【Shing02】
環太平洋を拠点に活動するMC / プロデューサー。これまでに「絵夢詩ノススメ」「緑黄色人種」「400」「歪曲」を発表し、発案したfaderboardを取り入れたKosmic Renaissanceなど、国内外のコラボレーションをこなす。世界中のプロデューサーやミュージシャンとの競演を重ねながら、現代音楽としてのヒップホップを体現する。近年はミックスCD「FTTB」「LIVE FROM ANNEN ANNEX」シリーズを発表、DJ $HINとアルバム「1200 Ways」をリリースし、日本語盤の「有事通信」も控えている。2014年には「Bustin'」を監督、公開し、2015年は短編四作目となる「The Divider」が控えている。Shing02 Official Site


Virtuoso / Shing02 x DJ BAKU x Reatmo



次世代コンテンツコンソーシアム VIVIFY プロジェクト第1弾360°動画閲覧アプリ "Q" リリース。
Shing02・DJ BAKU・REATMOによる新曲『Virtuoso』を 360°バーチャルリアリティーMVで収録。
「Q」とは? 次世代コンテンツコンソーシアム「VIVIFY(ヴィヴィファイ)」が第1弾企画として、理化学研究所所属の社会神経科学者"藤井直敬博士"とのコラボレーションによる 360°VR(ヴァーチャルリアリティー:仮想現実)体験できるiPhone用アプリケーション。詳しくは、http://vivify-technology.com/



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【マイア・バルー】
東京生まれ、パリ育ちのシンガー&マルチミュージシャン。仏人の歌手の父と江戸っ子の母の下、小さい頃から世界中を巡り様々な音楽を吸収。ブラジル漫遊中に聴いた音色に感銘を受けたのをきっかけにフルートを始め、独自のスタイル獲得する。音楽活動は東京で始まり、ロック、アフリカ、ブラジル系、DJやダンサーやシャンソン歌手の伴奏などジャンル問わずにセッションを重ねる。 18歳の頃、ネオちんどんバンド、「かぼちゃ商会」と運命的な出会いをし急遽サックスを独習、担当した。 その後「ちんどんブラス金魚」のメンバーとしてサックスとフルートを演奏、かつ作曲と編曲を手がける。 2005年より『CABARET SHINJUKU』(日本の個性派ミュージシャンをフランスに 紹介し日仏音楽の橋渡しをするイベント)のプロデューサーを務め、 参加アーティスト大集合の初プロデュースオムニバスアルバム、 "KUSAMAKURA"がフランス、カナダ、日本で発売。 坂本龍一のレーベル、『コモンズ』からオムニバスアルバム"にほんのうた"に参加。 2007年春からAbu(e.bass)と駒澤れお(African percussion)と共に主に歌手としてソロ活動を開始し。 2009年にはJ-WAVE/TOKIO HOT 100 awards,EARTH DAY TOKYO、FUJI ROCK などに出演。 2010年、佐藤タイジ[THEATRE BROOK]をプロデューサーに迎えたアルバム「地球をとってよ!」が全国発売&配信開始。また、イベント「地球をとってよ!」はOKI、ダブルフェイマス、Shing02、Buffalo Daughterらを迎えて続けられた。パルコのコーポレートキャンペーン「Love human」に出演し、パルコ劇場での初のホールコンサートはSOLD OUT。清水靖晃、 Arto Lindsay、Cyro Baptista, Kip Hanrahanなど世界の巨匠とライブやコラボレートをする。 2011年よりフランスに拠点を移しMartin Meissonnier氏をプロデューサーに迎え日本の民謡と電子音をミックスした新しいプロジェクトを開始。新譜"KODAMA"はイギリス、フランス、日本でリリース。アコースティック/エレクトロバンドと共にヨーロッパ中心に活躍中。マイア・バルー Official Site


ニューアルバム『KODAMA』
伝統音楽をパーカッシヴなエレクトロ・サウンドでシャッフルさせ、時空を越えて響かせるハイブリッドな音。ピエール・バルーを父に持つマイアのフランス最新録音。プロデュースはマルタン・メソニエ。日本先行発売。

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■タイトル:『KOTODAMA』
■発売日:2014年12月3日
■レーベル: コアポート
■製品番号:RPOP-10007


【マイア・バルー LIVE情報】
ニューアルバム『KODAMA』リリース・イベント
MAIA BAROUH LIVE

■2015年4月2日(木) 渋谷WWW
  OPEN 18:30 /START 19:30
  CHARGE ADV.\4,000 / DOOR. \4,500 (共にドリンク代別)
■出演
  マイア・バルー (vocal, flute)
  ミン・ファン (keyboard)
  アントニー・フレノー (drums)
  駒澤れお (percussion)
  ミッシェル・ミチナ (chorus)
■チケットご予約 2014年12月6日(土)より
  チケットぴあ (http://t.pia.jp/) 0570-02-9999 (Pコード:248-763)
  ローソンチケット (http://l-tike.com) (Lコード:71703)
  イープラス (http://eplus.jp/) PC・携帯共通
■お問い合わせ
  渋谷WWW  tel.03-5458-7685 (http://www-shibuya.jp)
  コアポート  tel.042-328-2160 (平日12:00-18:00)
■主催:コアポート/協力:ラミュゼ、ニキータプラス

"TOUCH OF JAZZ"アルバム - たなかりか セレクト:TOUCH OF JAZZ

青木カレンがナビゲートする番組「TOUCH OF JAZZ」では、毎回ゲストの方に
自身の「TOUCH OF JAZZした作品=ジャズに触れた作品」をご紹介いただいています。


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今回のゲストはカレンさんとは公私共に仲の良いジャズシンガー、たなかりかさん。

ACID JAZZやSOULを好んで聴かれていた学生時代に出会った1枚を教えていただきました。
まさにTOUCH OF JAZZしたアルバムですね。


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『Unforgettable With Love / Natalie Cole』

「学生時代に軽音楽部に入っていて、その時はACID JAZZやSOULばかり歌っていたのですが、ソウルシンガーとばかり思っていたナタリー・コールがジャズアルバムを出したんです。ジャズは少し古臭くて堅苦しいものだと想像していたんだけど、「こういう風にジャズを歌うんだ?」とジャズとの距離が一気に近づいたアルバムです。ジャズだけどソウルっぽさも感じて。そういう風に歌いたいとその頃は思っていたんです。
所謂スウィング・ジャズのアルバムですごく聴きこんだというのは実はこの作品が初めてでした。ナタリー・コールからジャズのスタンダードを知ったんです。だから私のレパートリーもこのアルバムに入っている曲が多いかも(笑)。そういう意味ではジャズの原点ともいえる1枚です。」

たなかりか

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■タイトル:『Unforgettable With Love』
■アーティスト:Natalie Cole

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【Natalie Cole - Thou Swell】




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たなかりかニューアルバム

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■タイトル:『Flowers for Blossom』
■アーティスト:たなかりか
■発売日:2015年1月21日
■レーベル:ポニーキャニオン After Beat
■製品番号:PCCY-50071

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[収録曲]

1 I Hear Music (B. Lane/ F. Loesser) アイ・ヒア・ミュージック
2 If I Were a Bell (F. Loesser) イフ・アイ・ワー・ア・ベル
3 Tea For Two (V. Youmans/ I. Caesar) 二人でお茶を
4 Give Him the Ooh-La-La (C. Porter) ギヴ・ヒム・ジ・ウララ
5 Lover Man (J. Davis/ R. Ramirez/ J. Sherman) ラヴァー・マン
6 Thou Swell (R. Rodgers/ L. Hart) ゾウ・スウェル
7 Doop-Doo-De-Doop (A Doodlin' Song) (C. Coleman/ C. Leigh) ドゥドゥディドゥ(ア・ドゥードゥリン・ソング)
8 Like Someone in Love (J. van Heusen/ J. Burke) ライク・サムワン・イン・ラヴ
9 The Surrey with the Fringe on Top (R. Rodgers/ O. Hammerstein II) 飾りのついた四輪馬車
10 I'm Shadowing You (B. Dearie) アイム・シャドーイング・ユー
11 Just in Time (J. Styne/ B. Comden/ A. Green) ジャスト・イン・タイム
12 You Are There (J. Mandel/ D. Frishberg) ユー・アー・ゼア

all songs arranged by Shikou Ito

(メンバー)
たなかりか(vocal)  Rika Tanaka
伊藤志宏(piano)  Shikou Ito
鉄井孝司(bass)  Koji Tetsui
橋本学(drums)  Manabu Hashimoto
田辺充邦(guitar)  Mitsukuni Tanabe
服部恵 (vibraphone)  Megumi Hattori

純真無垢な唄声で今も高い人気を誇るブロッサム・ディアリーへのオマージュ!
人気ピアニスト・アレンジャーの伊藤志宏がブロッサムのエッセンスとたなかりかのフレッシュさを見事に1枚のアルバムに溶け込ませた!

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【たなかりか】(ジャズ・ヴォーカリスト)
広島県出身。大学と共に関西に移り住み歌を始める。大学卒業後は商社で働きながら関西を中心にライブハウス・ホテルなどで活動を始める。2001年「神戸ジャズボーカルクイーンコンテスト」準グランプリ獲得。その後、会社を退職しプロへ転向。2004年ファーストアルバム「On Green Dolphin Street」をリリースし 全国ツアーを行う。その後は、関西 を拠点に九州から北海道まで日本全国で活動中。2009年7月ポニーキャニオンよりアルバム「Colors」でメジャーデビュー。2011年2月メジャー第二弾「When She Flows」リリース。2012年4月にはメジャー第三弾 として全編日本語のJ-Popのジャズカバーアルバム「Japanese Songbook」をリリース。2011年4月より積和不動産中部のCM音楽に起用される。またそれと同時にZIP-FM「積和不動産中部 JAZZIN' R'S BAR」でDJもつとめ ている。ライブパフォーマンスにも定評がありライブハウスはいつも満席。若い女性から中高年の男性まで幅広い層に支持されている。 今、最も注目の実力派ボーカリスト。


たなかりか オフィシャルサイト→http://tanakarika.net/

PASCAL SCHUMACHER "LEFT TOKYO RIGHT" JAPAN TOUR 2015:ライブ情報 / LIVE INFO

ルクセンブルクを代表する天才ヴィブラフォン奏者パスカル・シューマッハ。
今年3月に行われたジェフ・ニーヴとのデュオ公演も記憶に新しいですが、
日本をテーマにした新作を携えての来日ツアーが決定しています。

今回はパスカル率いるカルテットに加え、類家心平、西口明宏、坂上領という日本の気鋭プレイヤーも参戦。
これは要注目です。

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【PASCAL SCHUMACHER "LEFT TOKYO RIGHT" JAPAN TOUR 2015】

澄み切った音色と、繊細さと力強さを備えたハーモニー。21世紀ジャズ・ヴィブラフォンの旗手、パスカル・シューマッハがニュー・アルバム『レフト・トーキョー・ライト』を携えて来日する。日本に長期滞在しながら作曲した「伝統的な日本と現代的な日本の印象」を収めた新作には、坂本龍一「メリークリスマス、Mr.ローレンス」のカバーも収録。1979年ルクセンブルクに生まれ、2000年代初頭から本格的な活動を開始。エンヤを始めとする欧州の名門レーベルに数々のアルバムを残し、2012年にはドイツのグラミー賞といわれるエコー・ジャズ賞を受賞した。昨年はホセ・ジェイムズとの共演で知られるジェフ・ニーヴとのデュオで来日したが、今年は気鋭ミュージシャンとのカルテット編成に、日本で注目されている若手ホーンプレイヤーたちをゲストに迎えたステージ。リリシズムとパッションが渦まく"究極のコンテンポラリー・ヨーロッパ・ジャズ meets ジャパン"を満喫したい。


【2月17日(火) Cotton Club】
[1st.show] open 5:00pm / start 6:30pm
[2nd.show] open 8:00pm / start 9:00pm

<出演>
Pascal Schumacher (vib), Franz von Chossy (p), Pol Belardi (b), Jens Düppe (ds)
ゲスト: 類家心平(tp), 坂上領 (fl), 西口明宏 (sax)

<場所>
COTTON CLUB
〒100-6402 東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビルTOKIA 2F
TEL 03-3215-1555
営業時間 (5:00pm - 11:00pm ※土・日・祝のみ4:00pm - 10:30pm)
予約&お問い合せ受付時間 (11:00am - 10:30pm ※土・日・祝のみ11:00am - 9:00pm)

<料金>
[自由席] テーブル席 : ¥5,000
[指定席]
BOX A (4名席) : ¥7,000
BOX B (2名席) : ¥6,500
BOX S (2名席) : ¥6,500
SEAT C (2名席) : ¥6,000

<予約>
COTTON CLUB予約ページ

<詳細>
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/pascal-schumacher/


【2月19日(木) Motion Blue Yokohama】
open 6:00pm / showtime 7:30pm

<出演>
Pascal Schumacher (vib), Franz von Chossy (p), Pol Belardi (b), Jens Düppe (ds)
ゲスト: 類家心平(tp), 坂上領 (fl), 西口明宏 (sax)

<場所>
Motion Blue Yokohama
横浜市中区新港一丁目1番2号 横浜赤レンガ倉庫2号館3F
予約電話番号 045-226-1919

<料金>
自由席 ¥5,000(税込)
BOX席 ¥20,000+シート・チャージ ¥5,000 (4名様までご利用可能)

<予約>
Motion Blue Yokohama予約ページ

<詳細>
http://www.motionblue.co.jp/artists/pascal_schumacher/index.html


【EPK Pascal Schumacher - Left Tokyo Right (Laborie Jazz)】




【Pascal Schumacherニューアルバム『Left Tokyo Right』】

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■タイトル:『Left Tokyo Right』
■アーティスト:Pascal Schumacher
■発売日:2015年2月8日
■レーベル: AGATE / Inpartmaint
■製品番号:AGIP-3548

詳細/購入はこちら
http://www.inpartmaint.com/site/12051/(INPARTMAINT)


[収録曲]
1. NAMBU-TEKI
2. SAKURA SAN
3. ICHIGAYA
4. LILIA
5. LEFT TOKYO RIGHT
6. DECOY
7. MERRY CHRISTMAS MR. LAWRENCE
8. WABI-SABI
9. MATCHA DESIRE


「レフト・東京・ライト」が僕の新しいソロアルバムの名前だ。ライトは浅草、寺社、着物の女性、太鼓のような伝統的な"古い"日本を表している。レフトは秋葉原、渋谷、ネオン街、J-Popのようなスーパーモダンな"新しい"、"派手な"日本。僕はこの二面性の強い文化が好きなんだ。日本社会はヨーロッパに比べて、モダニズムと伝統的な要素を上手に共存させていると思う。そのことに僕はとても強烈な印象を受けたし、そのコントラストにとても惹き付けられている」
(パスカル・シューマッハ)

パスカル・シューマッハは、2012年の初来日以来、毎年、来日公演をおこなっている。更には休暇でも日本を訪れ、東京を拠点に京都、長野などを旅して日本の街や自然に親しんでいる。

この作品には、日本文化に触れた影響で加味された彼独自の解釈によるオリエンタリズム、"侘・寂"の見地からのミニマリズムの追求、調和と混沌など、レギュラーカルテットで磨き上げてきた精緻な音のアートを下地に、様々な要素が加えられ、これまでの彼の作品以上の多様性を見せている。自身のカルテット名義で5枚の作品を発表しているが、今作で初めて自身名義の作品となるのも、このような多様性がバンドサウンドとは別の表現の方向であり、ミルトン・ナシメントと坂本龍一による2曲を除いて、東京で作曲した彼自身の楽曲を収めた、都市の印象を表した作品となっているからであろう。今作の録音は気心の知れたレギュラーカルテット(フランツ・ヴォン・ショシー、ジェンス・デュッペ、ポール・ベラルディ)とおこなわれているが、彼らが良き理解者としてパスカルのヴィジョンの具現化を助けている。ゲストプレイヤーのアリエノール・マンセップのハープによる「さくらさん」のイントロは日本人が好きな桜の花の散る風景(何事も永遠には続かないという不完全の美学=侘び)をイメージさせるし、マジック・マリークのフルートは篠笛(竹で作られた日本古来からの横笛)の音を連想させる。ヴェルネリ・ポーヨラ(tp)とシルヴァン・リフレ(sax, cl)のスピリチュアルな響きと熱量は、エンジニアのヨアヒム・オラヤによる創造的はサウンドデザインも手伝い、楽曲の心象風景に壮大な響きを与えることに貢献している。


Pascal Schumacher http://www.pascalschumacher.com/

bar bossa vol.42:bar bossa

bar bossa


vol.42 - お客様:田仲昌之さん(fete musique.)


【注目の音楽】



いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今回は話題の新レーベル「fete musique.(フエト・ミュージック)」のオーナー田仲昌之さんをお迎えしました。

林(以下H):いらっしゃいませ。早速ですがお飲物をうかがいましょうか。

田仲(以下N):モヒートをお願いします。

H:かしこまりました。田仲さんといえば、RONDADEで数々の話題作を制作していますが、まずはRONDADEの話を教えていただけますか。

T:RONDADEは2006年からスタートしていままで音楽作品としては12アーティスト22タイトルをリリースしています。自分がRONDADEと関わり始めたのはARAKI Shinの1枚目のアルバム「A Song Book」の制作を始めたころ(2007年)だったと思います。 10年ほどやっていた渋谷FMの番組の制作を辞めたところでもう少し違った角度で音楽の現場と関わってみたいと言う思いもあって 友人の佐久間さんが始めたRONDADEにスタッフとして参加し始めました。 RONDADEは当初、音楽、アート、出版、広告、イベント等それぞれをフィールドにしている人間達が集まってモノ創りをする(今で言う) クリエイティブ集団を目指していました。その最初のアウトプットが音楽レーベルとしての活動でした。 パンクの持つ初期的衝動と現代アートが持つ時代に斬り込むエッジ感。それらを併せ持った音楽レーベルと言ったことがコンセプトでした。(言葉にするととってもチープに聞こえてしまいますが....笑)

H:いえいえ(笑)

T:ECMやNonesuchと言ったレーベルそのものに強烈な個性を持ったレーベルが国内には皆無だったのでそんな個性的な音楽レーベルを 運営出来ればと考えていました。普段、J-POPやROCKなどを聴いている人達に対してRONDADEの音源はどう響いていくのかと言った問い掛けの意味も強くありました。ただRONDADEからリリースされる作品はどれもジャンル分けが難しいらしく、特に大手CDショップなどではJ-POPやROCKのコーナーには置いて貰えることはあまり有りませんでした。しかしその後ポストクラシカルなどが流行ったこともあって RONDADEの作品に目を向けてくれる人達が増えました。現在では作品22タイトル全てにコンスタントにセールスが有りますし、海外からの反応もかなりあります。爆発的なヒットは無いですが(笑)スローペースながらもRONDADEと言うレーベルが世の中に浸透してきているのかな?と言った印象はあります。

H:海外からの反応、多そうですよね。さて、今回、立ち上げられたレーベルですが。

T:今回、RONDADEでは無く新たにfete musique.を立ち上げようと思った理由はやはりAOKI,hayatoとharuka nakamuraと言う2人のアーティストとの出会いが大きいです。ハルカくんと初めて出会ったのは実は音楽の現場ではなく共通の友人が開いた食事会でした。 共通の友人が偶然その場に居合わせたハルカくんを紹介してくれました。自分も彼の音楽を以前から聴いていましたし、ハルカくんもRONDADEのことは知っていてくれたのですがお互いに何かそういったタイミングで知り合ったこともあってすぐに打ち解けた関係になりました。お互いにいろいろと話しをしていくうちにハルカくんがRONDADEの作品をとてもリスペクトしてくれていることを知りました。 上手くタイミングが合えばRONDADEからも作品をリリース出来たらと2人では話したりもしてました。 青木さんの音楽を初めて聴いたのは吉祥寺にあるOUTBOUNDと言うお店の店内でBGMとしてかかっているのを耳にした時でした。すぐにお店のスタッフの方に問い合わせてその場で販売されていたCDを購入しました。それから自宅でもヘッドフォンステレオでも 青木さんの作品をヘビーローテーションで聴くようになりました。ライヴにも何度か足を運ぶようになりいちファンとして作品やライヴを楽しんでいました。

H:どちらも、いかにも街中現場主義的な田仲さんらしい出会いかたですね(笑)

T:そんな中、ハルカくんから西荻窪にある「雨と休日」さんの3周年記念のライヴで青木さんと共演することを聞きました。共通点が余りに見当たらないこの2人の組合せに驚きと同時にどんな音楽が生み出されるのか楽しみになりました。 残念ながら最初のライヴを観ることは出来なかったのですが何度目かのリハーサルに立ち会わせてもらいました。まだまだお互いに探り合ってのセッションでしたが2人が出し合う音の1音1音に2人の相性の良さを感じました。そして何より2人が奏でるサウンドに情緒を感じました。セッションを聴いてすぐにこれは音源として残すべきだと思い、2人にはすぐにCDを制作しようと提案しました。 当初は2人の作品をRONDADEからリリースすることも考えたりもしましたがRONDADEのイメージと2人が奏でるサウンドとはかなり方向性が違うなと感じていました。 青木さんもハルカくんもソロとしての作品とは差別化を計りたいと言う考えもあったし自分としても2人と同じ様にRONDADEとは違うコンセプトとやり方で活動したいとの思いが強くあってfete musique.を立ち上げることにしました。

H:先に音源ありきだったんですね。でも、よくこんな時代にレーベルを立ち上げようと思いましたね。

T:確かに音楽が売れない時代ですが決して音楽が聴かれなくなってしまった訳では無いですよね。 ただ音楽が売れなくなってしまったのはここ20年くらい僕等も含めた音楽を送り出す側が『音楽』そのものを大切に扱ってこなかったことに原因があると思っています。音楽雑誌至上主義だったり、音楽データの形式が統一出来なかったり、AKB商法だったり。 音楽の質よりも手っ取り早くどれだけ多くの消費を生みだせるか?と言ったことが最優先されてしまっている音楽業界の状況に音楽リスナーの人達はみんな疲弊しているように感じています。だから単純に自分達はもっと『音楽』そのものを大切に扱い丁寧にリスナーの人達に送り届けられるようなレーベルを目指すことが必要なんだと感じています。

H:なるほど。レーベルの名前の意味を教えていただけますか?

T:レーベル名の"fete musique(フエト・ミュージック)"の由来は村上春樹の小説「ノルウェイの森」の扉に書かれていた「多くの祭り(フエト)のために」という一文から引用しました。フランス語のfête(フェト)にはお祭りとか祝祭とか言った意味があってレーベルを立上げることを決めた直後に何気なく広げた「ノルウェイの森」のこの一文と偶然出会いその瞬間に決めました。 言葉の響きも意味もとても気に入っています。

H:多くの祭りのために、ですか。良い言葉ですね。それでは、最近はものすごく話題になって品切れにもなってましたが、第一弾のアルバムのことについて教えていただけますでしょうか。

T:fete musique.の最初の作品でもあるAOKI,hayatoとharuka nakamuraの1stアルバム『FOLKLORE』は去年の秋にリリースしました。 まるでロードムービーのように旅することで出会った人々、見えた風景、経過していった時間、溢れ出す感情を2人は旅を重ねながら奏でてきました。『FOLKLORE』はこれからも続いていく2人の旅の途中経過を記録した作品です。今回、録音は2人だけで行っています。セッションを重ねながら1曲づつ楽曲を構築していくと言った作業をライヴと並行して2年近く掛けて行ってきました。 マスタリングは2人のリクエストでWater Water Camelの田辺玄さんにお願いしました。 アルバムのデザインやアートワークは全て青木さんが手掛けました。ジャケットになっているボックスの仕様も青木さんのアイデアでYAECAやCLASKA等の商品の紙箱を制作している竹内紙器さんにお願いしました。ジャケットそのものも今回の作品の1部として感じて欲しいという思いもあってジャケット自体のサイズ感、風合い、手触り等にも拘って作りました。 ボックスを開けてCDを取り出し音楽を聴くと言った一連の所作も作品の中での重要な要素だと考えています。

H:もう本当に「採算度外視」という言葉通りの凝りに凝ったボックスジャケットですよね。これからのCDの未来を色々と考えさせられました。さて、これからはどうされるご予定でしょうか。

T:今後はまずは『FOLKLORE』をもっとたくさんの人達に聴いてもらえるようにすることが第一だと考えています。 去年までのCDの販売はライヴ会場と雨と休日さんのみで販売していましたが今年からはCDショップに限定せず自分達が『FOLKLORE』を販売してもらいたいと思うお店にアプローチをして作品を評価して貰えればその店舗さんに販売をお願いしようと考えています。 そして先ほども言ったように2人の旅はまだ今後も続く予定なのでまた旅を記録していく作業をしていきたいと思っています。次回はゲストにも加わってもらって外に向かって拡がるような内容の作品を創れればと話したりもしています。 レーベルとしてはリリース時期はまだ未定ですがThe Yong Groupの木之下渉クンのソロ作品をリリースしたいと思っています。

H:おお、木之下くんも予定してるんですね。楽しみです。それでは、選曲に移りましょうか。
テーマは「今、田仲さんが注目の音楽」ですね。


ARAKI Shin - Reflection Of Your Flowers

T:1曲目はARAKI Shinの『A Song Book』からの楽曲。やはりこのアルバムには最初に関わった作品と言うことで自分なりにとても思い入れがあります。荒木くんともとても長い付き合いになりました。いまではharuka nakamura PIANO ENSEMBLEのメンバーとしても活躍しています。また彼の新しい作品を聴いてみたいです。

H:せつない曲ですねえ。こういう曲の制作に関われるって羨ましいです。


Iwamura Ryuta - February 20/C-dur(ハ長調)

T:次もRONDADEからの作品でIwamura Ryuta「Sunday Impression」からの楽曲。このアルバムはバッハの平均律クラヴィーア曲集のように、12の鍵盤(1オクターヴ)を、半音ずつ上がっていき、毎週1つの調で1曲、12週かけて作り上げた内容になっています。 岩村クン自身が日曜日に純粋に自分とピアノと向き合う為に作った楽曲たちです。

H:テーマが先にあるのに、とても自然な美しい曲ですね。


Dakota Suite & Quentin Sirjacq - as long as forever is (part II)

T:スロウコア/サッドコアといったジャンルを確立した"静寂"を音楽で表現するバンドdakota suiteと数々の映画やドキュメンタリー番組の音楽を手掛けてきたフランス人ピアニストQuentin Sirjacqがコラボレーションした楽曲です。 実は以前dakota suiteのアルバムをRONDADEでディストリビューションする計画があって彼等とは何度か話し合いを持ったことがありました。 結局残念ながら契約することは叶いませんでしたが今でも彼等の作品を聴くとあの時彼等と一緒に作品が創れたらなと思います。

H:そんなお話があったんですね。田仲さんが扱っているジャンルは現在の日本の音楽とは違って、簡単に国境を越えてしまいますね。


The Album Leaf - Always For You

T:ポストロック/エレクトロニカ・シーンで人気を博するマルチ・インストゥルメンタリスト、Jimmy Lavalleのソロ・プロジェクト。 ヘッドフォンステレオで聴くものが無くなると必ず聴いているのが彼等のアルバムです。 なぜか不思議と彼等のアルバムは聴き飽きることがないのです。そしていつも何だかのインスピレーションを与えてくれる。自分にとってはとっても重要なバンドです。

H:サブ・ポップなんですね。僕はこの辺り、全くノーチェックで。いやあ、でもすごくカッコいいですね。


Kings of Convenience - La Blogothèque | ARTE Concert

T:フランスのWebサイトLa BlogothequeでのKings of Convenience のLiveが収録された映像です。全編で約26分あります(笑)。 本当に完成度が高いライヴなので可能であれば最初から最後までこの2人のパフォーマンスを楽しんで頂けばと思い無茶を承知で紹介させてもらいました。

H:おおお! 彼らのライブってこんな親密な感じなんですね。これは紹介したくなる気持ちわかります。


Zach Condon & Kocani Orkestar - Sunday Smile~siki siki baba

T:Beirutと言うバンドのフロントマンであるZach CondonとマケドニアのジプシーブラスバンドKocani Orkestarがパリのキャバレーでセッションを行った際の熱狂のライヴ映像です。 この映像を初めて観たとき、余りの音楽の力強さに感動し涙が出ました。

H:うわ、僕もちょっと涙腺、危ないです。これ、ほんと「音楽の力」のようなものを感じますね。素晴らしいです。


David Moore / Bing & Ruth - Take Away Show #102

T:Bing & RuthはNYのピアニストDavid Mooreが率いる11人編成のミニマル音楽集団です。 一聴すると現代音楽~アンビエント~ポストクラシカル的な世界感ですが自分にはパンク的な要素を彼等のサウンドから感じてしまいます。

H:確かに何かパンクを感じますね。田仲さん、さすがにいろんなの聴いてますね。

T:AOKI,hayatoとharuka nakamuraそれぞれの音源も1曲づつ紹介したと思います。


morning inkyo with AOKI,hayato

T:蔵前にある中川ちえさんのお店「in-kyo」さんでの映像に青木さんの音楽がBGMとして挿入されています。 青木さんのサウンドはこの映像の様に日々の暮らしの何気ない一瞬一瞬がスケッチされてるように感じます。

H:この映像も良いですねえ。確かに「日々の瞬間」を切り取っている感じがします。


haruka nakamura PIANO ENSEMBLE feat.CANTUS - 光

T:昨年末にリリースされたアルバム、haruka nakamura PIANO ENSEMBLE「音楽ある風景」から聖歌隊CANTUSをフィーチャーした楽曲。 きっと自分は10年先も20年先もこのアルバムを聴いているんだだろうなと思います。 そんな作品と出会えたことがとても嬉しいです。

H:これ、ジャーナリストの佐々木俊尚さんが突然、好きだってツイートして話題になってましたね。いやあ、本当に美しいです。

T:そして最後はAOKI, hayato と haruka nakamura の1stアルバム「FOLKLORE」からの1曲。


days / AOKI, hayato と haruka nakamura

T:例えばこの音楽を偶然耳にしてくれた人たちが『FOLKLORE』を手にしてくれて普段の生活の中で2人の音楽を聴いてる。 いろいろな人たちの生活の中にこの音楽が溶けていく瞬間を想像するとやはりグッときてしまいます。 レーベルをやることの醍醐味はやはりそういうところなのかも知れないと思いました。

H:僕は今、田仲さんのその音楽への思いにグッと来てます。たくさんの人に届くと良いですね。 田仲さん、今回はお忙しいところ、どうもありがとうございました。 みなさん、是非、フエト・ミュージック、チェックしてみてください。


●fete musique. HP→ http://fete-musique.tokyo.jp/
●fete musique. twitter→ https://twitter.com/fete_musique

●購入はこちら→ 『FOLKLORE / AOKI, hayato と haruka nakamura』(雨と休日)


2月、もうしっかりと寒いですね。みなさん風邪などひいてないでしょうか。 良い音楽に出会えると、心も温まりますよね。 それではまた来月、こちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


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林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

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