feed markRSS
JJazz.Net Blog Title

2023年2月アーカイブ

quietな世界観で多くのファンを持つTHE PIANO ERAと
良質なサウンドを届ける日本のレーベルCORE PORTが共同企画コンサートを開催。

「POLISH PIANISM Concert」ということで、
ポーランド・ピアニズムを体現する二人のピアノ音楽家が出演。
どこまでも透明で美しい、POLISH PIANISM に浸る一日です。

出演はPOLISH PIANISM の代表格ピアニスト、
"スワヴェク・ヤスクウケ"がポーランドからやってきます。
ザ・ピアノエラ 2017 に出演して以来 6 年ぶりの来日です。

そしてもう一人はポーランド国立ショパン音楽大学に留学しクラシック音楽を学び、
quietな独特の世界観で POLISH PIANISM を表現する"横山起朗"。

静謐で美しいピアノの世界。
THE PIANO ERAとCORE PORTという信頼おける2組のプロジェクトによる特別なひととき。
どうぞお聴き逃しなく。



230223.jpg


CORE PORT × THE PIANO ERA spin-off
【POLISH PIANISM Concert】



【日時】
2023年5月13日(sat) 16:30open/17:30start


【出演】
スワヴェク・ヤスクウケ/横山起朗


【場所】
めぐろパーシモンホール 大ホール
〒152-0023 東京都目黒区八雲1-1-1
(東急東横線【都立大学駅】より徒歩7分)


【チケット】
全席指定 6,800円
※学割・子供割(高校生以上の学生は1,000円、小中学生は2,000円を当日会場にてキャッシュバックします。中学生以上は学生証をご提示ください。)
未就学児入場不可


イープラス https://eplus.jp/
ローチケ 0570-084-003 https://l-tike.com
チケットぴあ 0570-02-9999 https://t.pia.jp


※ 車椅子席はノーヴァスアクシスで受付いたします。お電話かメールにてお申し込みください。
 ノーヴァスアクシス 03-6310-9553 contact@novusaxis.com


【お子様のご入場についてのお願い】
ピアノエラでは日本と世界の多様な音楽表現を感じ取って表現意欲を醸成して欲しいという願いから小学生以上を入場可としてます。
また同伴ご家族のことも考え、子供用の席を限定せずに一般販売時は残席からご希望の席を選択できる販売方法をとっております。
一方でピアノコンサートという性質上シンプルな音を長時間着席して聴いていただきますので、我慢しきれないお子様もいらっしゃるかもしれません。
そのような場合は周りのお客様のご迷惑になることもございますので、親御様・御同伴の方は周りの方へのご配慮をいただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
また、そのような場合は席の移動や一時的に離席等のご対応をお願いすることもございますので、ご協力いただくことをご了解の上でチケットご購入をお願いいたします。


【一般発売】2月25日(土)


【information】
DISK GARAGE  050-5533-0888(12:00~15:00) https:/info.diskgarage.com
ノーヴァスアクシス 03-6310-9553 contact@novusaxis.com


【詳細】
http://thepianoera.com/



panel-swavec.jpg


スワヴェク・ヤスクウケ(Sławek Jaskułke)

ポーランドを代表するピアニスト/作曲家。6年ぶりの来日。1979 年、バルト海沿岸でポーランド最北部の街プツク生まれ。ジャズのスタイルとポスト・クラシカル、モダン・コンポジション・シーンにまたがる才能溢れるアーティストとして評価され、ポーランドの文化・国家遺産省から「ポーランド文化功労者」の名誉勲章も授与されている。グランドピアノ、アップライトピアノをその表現方法によって効果的に選びソロ演奏する。ピアノの機能を知り尽くしたその演奏スタイルはモジュレイターのセット、フェルトの使用、調律の調整他で自在に独特のアンビエントな音響世界を作り上げる。ジャズではハービー・ハンコック、マッコイ・タイナー、クラシックではバルトーク、ヒンデミット、ラフマニノフ他に影響を受けているがヒップホップやエレクトロニカ、ポストロック等からも影響を受け、ポーランドの若者に大人気だったパンク・ジャズ・ユニット「ピンク・フロイト」にも活動の初期は参加していた。また、映画音楽での活動やモダン・クラシカルの仕事にも関わっている。2002年の初リーダー作以来、共演を含め既に13枚のアルバムをリリースしている。自身が住んでいるバルト海沿岸ソポトの海をテーマにした『Sea』、眠る時の音楽を聴きたいという娘からのリクエストに応えた『夢の中へ (SENNE)』、ポーランド・ジャズ史上最高の作曲家/映画音楽家クシシュトフ・コメダの作品を再構築した『コメダ RECOMPOSED』、ソポト・ミュージアムの野外庭園で鳥の鳴き声などと共に演奏した『パーク・ライヴ (Park Live)』、ポーランド現代美術シーンの先端を走るラファウ・ブイノフスキのペインティング画とコラボレイトした『ミュージック・オン・キャンバス (Music on canvas)』他名作を数多くリリースしている。新作はワルシャワ名門ライヴ・ハウスでのソロ・ライヴ『ライヴ・アット・ジャスミン (live at Jassmne)』。







panel-yokoyama.jpg


横山起朗(Tatsuro Yokoyama)

1989年生まれ、宮崎県出身。武蔵野音楽大学演奏学科ピアノコース卒業。在学中より、即興演奏に興味を持ちライブハウスなどで活動を行い、演劇への楽曲提供を機に作曲活動を開始する。ピアノを再度学び直すためにポーランド国立ショパン音楽大学へ入学。 クラシック音楽の研鑽を通じ、より静寂を内包した物語性のある音楽を求めるようになり、ワルシャワにて作曲を始めソロピアノのアルバムを制作する。同時期、月刊ショパン(ハンナ社)でのエッセイの連載を行う。帰国後、駐日ポーランド大使館にて催された日本とポーランドの国交復興60周年の式典に招待され自作曲をピアノで演奏し好評を博す。2022年、nagi label を立ち上げ、「音楽と共に平穏を」コンセプトに、音楽に関わるプロダクトの制作やライブやコンサートの企画を展開をしている。ピアノアルバムとしては、"Solo Piano 01:61" "SHE WAS THE SEA" "moonless" "If You Were Closer"を、また太田美帆との共作 "concone" をリリース。現在も宮崎に拠点を置き自身のピアノ音楽表現の他、CMやテレビ番組等の楽曲提供、電子音楽と映像を届ける「nuun」、和楽器を主体に演奏活動を行う「Re:connect」のメンバーとしても活動。また地元の宮崎放送MRTラジオ「be quiet -世界で一番静かなラジオ-」のパーソナリティを務めるなど、幅広く活動する。



My First Jazz Vol.59-渡辺翔太:My First Jazz

Title : 『Footprints Live!』
Artist : Wayne Shorter

footprintsLIVE500.jpg


「僕の初めてのジャズアルバムは2002年にリリースされた Wayne Shorterの『Footprints Live!』です。

このアルバムのメンバーは、リーダーであるサックスのウェイン・ショーター、そしてピアノはダニーノ・ペレス、ベース、ジョン・パティトゥッチ、ドラムスはブライアン・ブレイド。この4人が織りなすサウンドが本当に魅力的で素晴らしいです。

ご存知の通りウェイン・ショーターは、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズから始まり、マイルス・デイヴィスバンド、VSOP、 そしてWeather Report 等、数々のレジェンド達が在籍したバンドで活躍。
特にWeather Reportは、ジャズ変革期にあたり、それまでの往年のスタイルから新しいジャンルの音楽を混ぜ込んでミックスさせてフュージョンに導いていった音楽のパイオニアであるといえます。

そんなウェイン・ショーターが2002年にリリースしたこのライブアルバム。兎に角ウェイン・ショーターのコンポーズ力がすごいんです。他にも類を見ないコードの展開だったり、ハーモニーなボイシング。ショーターは結構ボイシングまで指定していたということを聞いたことがあります。そして構成も素晴らしくどれをとってもオンリーな存在。

アルバムの中でマイルスバンドの演奏で有名な「Footprints」 を演奏しているのですが、ソロを順番にやっていくスタイルではなくて全員が合奏している感じが印象的。

それまでのソロを順番にやっていくっていう概念を、当時、完全に覆され衝撃を受けました。ショーターがソロをしている間も、他のメンバーはどんどん違う景色を構築していき、ダニーロに主導権が渡った時も、空いたスペースにショーターがすごく音数が少ないんですけど音楽を次のチャプターに向かわせるような音を吹くんです。まさに鶴の一声という感じ。
最後にサックスとピアノのDUOになる瞬間があるんですが、その瞬間の音楽が美しすぎてその当時僕は車で大号泣した覚えがあります。

ドラマのブライアン・ブレイドは自身で"Fellowship Band"っていうものもやっているんですけれど、そのコンポーズからでも分かるように、音楽の中に身を委ねてその曲を羽ばたかせるようなプレイをするんです。それが魅力的で、すごく自分を表現しているなと。ここにいるメンバー皆がそうだと思います。

このアルバムは、自分の音楽感がグッと深い方向へといいますか、より音楽が好きになった一枚だと感じています。

ちなみに僕の名前は渡辺翔太なんですけれども、これは僕の父親が"ウェイン・ショーター"が好きだったことから"翔太"になったと聞かされています。」

渡辺翔太



My First Jazz

footprintsLIVE200.jpg

Title : 『Footprints Live!』
Artist : Wayne Shorter
LABEL : Verve Records
発売年 : 2002年



アマゾン詳細ページへ


【SONG LIST】
01.Sanctuary
02.Masquelero
03.Valse Triste
04.Go
05.Aung San Suu Kyi
06.Footprints
07.Atlantis
08.Juju








shotawatanabe600.jpg


渡辺翔太
1988年2月29日名古屋出身。
4歳からピアノを始める。父でありギタリストの渡辺のりおの影響で音楽に興味を持つ。
14歳の頃に作曲を始め、即興演奏に興味をもつ。2003年Donny Schwekendiek氏に師事。2004年から演奏活動を始め、2005年Jazz Funkバンド「赤門」に加入。2010年、noon「Once upon the summer time」に参加。2016年からStereo Champに在籍し、二枚のアルバムをリリース。ものんくる「世界はここにしかないって上手に言って」に参加。2018年、自身初のリーダーアルバム「Awareness」を発表。続いて2019年2nd Album「Folky Talkie」をリリースし、柳楽光隆氏のJapanese Jazz in 2010sに選ばれる。2022年、ベーシストMarty Holoubekとのデュオ作品「Song For The Sun」をリリース。現在、自身のtrioやShota Watanabe&Marty Holoubek Duo、Stereo Champ、Supをはじめ、多方面からのアーティストのサポート、楽曲制作等、精力的に活動中。







Latest Album

sfts200.jpg

Title : 『Song for the Sun』
Artist : 渡辺翔太/Marty Holoubek
LABEL : Days of Delight
NO : DOD-026
RELEASE : 2022.7.21



アマゾン詳細ページへ


【SONG LIST】
01. Changes
02. Kiki Feels Lonely
03. KeiAi
04. 瞬間/Shunkan
05. Song for the Sun
06. Mono
07. Hope
08. Giant Armadillo's Hide Out
09. B Shouga (M.Holoubek)
10. Speak with courage, An Angel Comes to Your Heart


マルチキーボード奏者としてさまざまなシーンで活躍する渡辺翔太と、多彩なフィールドで異彩を放ってきたマーティ・ホロベック。ふたりの若き俊才がコラボレーションの舞台に選んだのは、アコースティック・デュオというシンプルな図式でした。互いの音楽観とプレイヤー像に共感するふたりが、唯一無二の世界を紡いでいきます。






MFJ400.jpg


【KKBOX Podcast「My First Jazz」】
JJazz.Netとの連動によるオリジナルコンテンツ。
ジャズ・ミュージシャン本人の音声コメントをお届けしています。
KKBOX Podcast


KKBOX
500以上のメジャー・ローカル音楽レーベル様や権利者様と提携し、9,000万曲の楽曲を配信。
なかでも世界最大数を誇るC-POPを取り揃えているアジア大手の音楽聴き放題サービス。
2022年より日本でも音声コンテンツ/ポッドキャストの提供がスタート!


mdr1.jpg


こんにちは、トランペッター、ピアニストの曽根麻央です。
今回は今月来日公演を敢行した現在最高のピアニスト、ブラッド・メルドーの新譜『Your Mother Should Know: Brad Mehlau Plays The Beatles』を一緒に聴いていこうと思います。


YOUR MOTHER SHOULD KNOW500.jpg


Title : 『Your Mother Should Know: Brad Mehldau Plays The Beatles』
Artist : Brad Mehldau



私は2/3の東京オペラシティのピアノソロ公演を幸運なことに聴きに行くことができ、音楽家として大きな感銘を受けました。ライブでメルドーを見るのは2014年のトロント・ジャズ・フェスでの「Mehliana」名義での公演以来2回目でした。しかもアコースティック・ピアノはこれが初でしたのでとても楽しみにしていました。
プログラムも前情報も無しのコンサートでしたので 予習ができないですから、何が起こるか全く知らずに会場へ赴きました。会場へ入り様子を伺うと天井の高い神々しいステージの真ん中にピアノが一台だけ置かれていました。ピアノマイクどころか、トークマイクも見当たりません。椅子は違和感を覚えるほどとても低く驚きました。実際本番でのメルドーの膝はピアニストの角度とは思えないほど屈折していました。


メルドーが登場すると深く一礼してピアノに座りました。するとすぐに何かのイントロが始まりました。しばらくすると聴き覚えのあるメロディーが...それが「I Am The Walrus」でした。その後もビートルズの曲を多数演奏して、スタンダードやステーヴィー・ワンダーの曲、そしておそらく自身の曲など、休憩なしトークなしの90分間演奏をして、アンコールを3回受けてこの日の演奏は幕を閉じました。
終わってみると、なんてものを聴いてしまったのかという気分になりました。過去にこれだけの集中力を持って一つのコンサートを達成したジャズ・ピアニストがいたのでしょうか? ジャズでもクラシックでもない、オリジナリティーのあるグルーヴするコンサート・ピアニストのステージを見たという表現が正しいかもしれません。もちろん私はキース・ジャレットやビル・エヴァンスといった名手の絶頂期をライブで見ることは叶いませんでしたので比べようがありませんが、メルドーはおそらくそのレベルかそれ以上のコンサート・ピアニストとなったと感じました。
コンサートが終わり外に出ると偶然仲間の井上銘くんや山本連くん、そして他の同世代の活躍しているミュージシャン達もいて、彼らと同じものを共有できたことにとても嬉しく思いました。


あまり熱狂的なビートルズ信者でない私には、コンサート中は「I Am The Walrus」以外のピートルズはどこかで聴いたことがあるけどタイトルが思い出せない、といった感じでした。私は帰り道になんでこんなにビートルズの曲をプログラムに多数加えたのかが気になり、最近のメルドーの活動を追いかけ、ようやくこのアルバム『Your Mother Should Know: Brad Mehlau Plays The Beatles』をリリース予定だったことがここでわかりました。なるほど、今回の来日公演はこのアルバムのリリースも兼ねていたのかと。その時すでに「I Am The Walrus」と「Your Mother Should Know」に関しては先行配信がされていたので、帰りの車で聴きながらコンサートの余韻に浸りました。


メルドーのソロ・ピアノは大事な音とそうでない音のバランスが最適です。旋律と伴奏とうシンプルな状態だけでなく、対位法がいたるところに使われていて同時に複数のメロディーや副旋律が進行していて、それらが美しく絡み合っています。なので音の情報量は相当なものですが、とても整頓されていて聴いていてシンプルな美しさすら感じてしまいます。


【現在最高のピアニスト、ブラッド・メルドー、完成度の高いソロ演奏】





さてこのアルバムはフランスのパリで2020年にライブ録音されたもののようです。現代最高峰のピアニストによるライブとは思えない完成度の高いソロ演奏に圧倒されるでしょう。また次の段落でも明記していますがビートルズの楽曲の持つ奇妙さと、メルドーの持つ奇妙さ、そして両者の美しさとが絶妙にマッチしていて、とても完成度の高い作品になっています。



01. I Am The Walrus

YouTubeにもある動画インタビューでメルドーは「Rubber Soul」以降のアルバム、「Revolver」「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」「The Beatles ("The White Album")」などには一種の奇妙さがあると語っています。ハーモニーや形式、フレーズの長さや歌詞の議題などに奇妙さがあり、このような奇妙な曲をピアニスト&アレンジャーとしてどう表現するかがとても挑戦的だと語っています。「I Am The Walrus」は『Magical Mystery Tour』に収録されているジョン・レノンの曲で、もちろんこれも奇妙な曲の一つです。コードが全音ずつ下がって行くこの独特の進行はあまりポップスでは見られない進行で、どちらかというとドビュッシーや印象派の作品を彷彿とさせます。メルドーはこの曲を最高のピアノ曲に仕立て上げています。





02. Your Mother Should Know

1曲目からメドレーで繋がっています。メルドーの言葉を借りればビートルズの「スウィング曲」。このアルバムの中でも珍しくメロディーと伴奏に役割がはっきりしているアレンジですが、そうであるからこそメルドーの完璧なピアノコントロールを聴くことができます。


03. I Saw Her Standing There

ビートルズの初期の曲です。左手が正確に8分音符を刻みグルーヴを激しく出していきます。ブルースピアノのようなスタイルですが、土臭さはなく、ブギウギ/モータウン的なグルーヴまでもがメルドーの繊細な世界観へと昇華させられています。


04. For No One

インタールード的に短く演奏されるマッカートニーの曲。こういうシンプルな曲で時たま顔を出すメルドー独特のジャズフレーズが心にしみます。


05. Baby's In Black

レノン&マッカートニーの作品。原曲は3連のグルーヴですが、ゆったりとしたSwingワルツに編曲されています。ゆっくりと徐々に展開して行くアレンジです。


06. She Said, She Said

もともとは8ビートのロック調の曲を美しいバラードに仕立てています。こちらもインタールード的な短い演奏です。


07. Here, There And Everywhere

こちらももともとは8ビートのロック調の曲ですが、まるでジャズスタンダードの古いバラードのようなメロディーラインが特徴的な一曲です。その後途中からまるで何人かものピアニストがバラバラのハーモニーを弾いているかのような錯覚に襲われる不思議なアレンジになっています。


08. If I Needed Someone

こちらは割と原曲の雰囲気とハーモニーがそのまま聴こえてくるところが多くあります。メロディーを一回通して終わる短いアレンジになっています。


09. Maxwell's Silver Hammer

もともとは軽快な跳ねているグルーヴの曲を、少し遅めのスウィング調で演奏しています。ストライド・スタイルも少し取り入れることでジャズの伝統的な味わいも出しつつ、メロディーはビートルズで、ハーモニーはメルドーという奇妙な世界観を作り出しています。


10. Golden Slumbers

原曲はかなり短いですがマッカートニーの美しい曲の一つです。フレーズのアガサが独特でポップスではなかなか見ないスタイルの曲です。メルドーもかなり原曲に近いイントロから入りますが演奏はアルバム一の長尺になっています。コンサートでもかなりインパクトの強いメインの楽曲でした。


11. Life On Mars?

この曲のみDavid Bowieの曲です。転調の仕方やメロディーの発展の仕方やハーモニーが美しくもどこか奇妙で、ビートルズの影響をうけたイギリスのアーティストということでこのラインアップにあってもおかしくない一曲ですね。メルドーの日本公演でも異彩を放った一曲でした。


それではまた次回。


文:曽根麻央 Mao Soné



Recommend Disc

YOUR MOTHER SHOULD KNOW200.jpg

Title : 『Your Mother Should Know: Brad Mehldau Plays The Beatles』
Artist : Brad Mehldau
LABEL : Nonesuch
発売日 : 2023年02月10日

アマゾン詳細ページへ

【SONG LIST】

01.I Am The Walrus
02.Your Mother Should Know
03.I Saw Her Standing There
04.For No One
05.Baby's In Black
06.She Said, She Said
07.Here, There And Everywhere
08.If I Needed Someone
09.Maxwell's Silver Hammer
10.Golden Slumbers
11.Life On Mars?




【曽根麻央LIVE INFO】

曽根麻央のその他情報はウェブサイトへ

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

「Monthly Disc Review」アーカイブ曽根麻央
2020.04『Motherland / Danilo Perez』2020.05『Color Of Soil /タイガー大越』2020.06『Passages / Tom Harrell 』2020.07『Inventions And Dimensions / Herbie Hancock』2020.08『Birth Of The Cool / Miles Davis』2020.09『Chet Baker Sings / Chet Baker』2020.10『SFJAZZ Collective2 / SFJAZZ Collective』2020.11『Money Jungle: Provocative In Blue / Terri Lyne Carrington』2020.12『Three Suites / Duke Ellington』2021.01『Into The Blue / Nicholas Payton』2021.02『Ben And "Sweets" / Ben Webster & "Sweets" Edison』2021.03『Relaxin' With The MilesDavis Quintet / The Miles Davis Quintet 』2021.04『Something More / Buster Williams』2021.05『Booker Little / Booker Little』2021.06『Charms Of The Night Sky / Dave Douglas』2021.07『Play The Blues / Ray Bryant Trio』2021.08『The Sidewinder / Lee Morgan』2021.09『Esta Plena / Miguel Zenón』2021.10『Hub-Tones / Freddie Hubbard』2021.11『Concert By The Sea / Erroll Garner』2021.12『D・N・A Live In Tokyo / 日野皓正』2022.1『The Tony Bennett Bill Evans Album / Tony Bennett / Bill Evans』2022.2『Quiet Kenny / Kenny Dorham』2022.3『Take Five / Dave Brubeck』・2022.4『Old And New Dreams / Old And New Dreams』2022.5『Ella Fitzgerald And Louis Armstrong / Ella And Louis』2022.6『Live from Miami / Nu Deco Ensemble & Aaron Parks』2022.7『Oscar Peterson Trio + One / Oscar Peterson Trio Clark Terry』2022.8『Ugetsu/ Art Blakey & The Jazz Messengers』2022.9『Sun Goddess / Ramsey Lewis』2022.10『Emergence / Roy Hargrove Big Band』2022.11『Speak No Evil / Wayne Shorter』2022.12『The Revival / Cory Henry』2023.1『Complete Communion / Don Cherry』

Reviewer information

maosona_A.png
曽根麻央 Mao Soné

曽根麻央は2018年にジャズの二刀流として、 2枚組CD『Infinite Creature』でメジャー・デビュー果たしたトランペッター、ピアニスト、作曲家。

 幼少期よりピアノを、8歳でトランペットを始める。9歳で流山市周辺での音楽活動をスタートさせる。18歳で猪俣猛グループに参加し、同年バークリー音楽大学に全額奨学金を授与され渡米。2016年には同大学の修士課程の第1期生として首席(summa cum laude)で卒業。在学中にはタイガー大越、ショーン・ジョーンズ、ハル・クルック等に師事。グラミー賞受賞ピアニスト、ダニーロ・ペレスの設立した教育機関、グローバル・ジャズ・インスティチュートにも在籍し、ダニーロ・ペレス、ジョー・ロバーノ、ジョン・パティトゥッチ、テリ・リン・キャリントン等に師事、また共演。
 これまでにニューポート、モントレー、モントリオール、トロント、ドミニカ等の国際的なジャズ・フェスティバルに出演。
2017年には自己のバンドでニューヨークのブルーノートやワシントンDCのブルース・アレイ等に出演。2018年メジャー・デビュー。2019年には故・児山紀芳の代役でNHK-FM「ジャズ・トゥナイト」の司会を担当。また2020年公開のKevin Hæfelin監督のショート・フィルム「トランペット」の主演・音楽を務めるなど、演奏を超えて様々な活動の場を得ている。

 曽根は国際的に権威ある機関より名誉ある賞を数々受賞している。
2014年度フィラデルフィア『国際トランペット協会(ITG)ジャズ・コンペティション』で優勝。
同年『国際セロニアス・モンク・ジャズ・コンペティション』にて13人のファイナリストに世界中の応募者の中から選出。
2015年に地元・流山市より『ふるさとづくり功労賞』受賞。
2016年アムステルダム『"Keep An Eye" 国際ジャズアワード』にて優勝。

曽根麻央Official Site

Millennial JAZZ TOKYO powered by 江戸Jazz @ COTTON CLUB 2023年3月1日:ニュース / NEWS

江戸Jazzライブの2023年第一弾が東京・丸の内COTTON CLUBにて開催決定!
JJazz.Netでお馴染みの面々が出演します。



millenial600.jpg


【Millennial JAZZ TOKYO powered by 江戸Jazz】
『今』のJAZZは、面白い。
ジャズという音楽は、ブルースやラグタイムなど、様々な音楽が融合して生まれた音楽です。
音楽シーンが変化していくにつれて、RockやFunk、R&BやHip-Hopなど、新しい音楽と影響し合い、進化し続けてきました。
今回、集まってくれたミュージシャンは、90年代以降の音楽を幼い頃から肌感覚で吸収してきた、日本が世界に誇る音楽家たちです。
多様化が進む音楽文化の中から、自分だけのアンテナで選び抜いてきた無数の音のカケラを材料にして、磨き上げた技術と感性で形にして、全く新しいステージを私たちに見せ続けてくれています。
彼らが生み出し続けたその煌めきは、ここ数年吹き荒れたコロナ禍という大嵐でも、消せない逞しさを持っていました。
そう。これが、『今』の、『今しか聴けない』ジャズです。
COTTON CLUBという最高の舞台で、
この確かな煌めきがあなたの心にも灯りますように。
きっと、お楽しみいただけると思います。


【日時】
2023年3月1日(水)
[1st.show] open 17:00 / start 18:00
[2nd.show] open 19:45 / start 20:30


【出演】
和田明 / 渡辺翔太 / 古木佳祐 / 工藤明 / 小西遼 / 曽根麻央


【場所】
丸の内 COTTON CLUB
東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビルTOKIA 2F


【料金】
テーブル席 : ¥6,000
ボックスシート・センター (2名席) : ¥8,500
ボックスシート・サイド (2名席) : ¥7,500
ボックスシート・ペア (2名席) : ¥8,000
ペア・シート (2名席) : ¥7,000


チケット購入はこちらから(チケットぴあ)
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2244188


詳細(江戸Jazz)
https://edojazz.jp

アーカイブ