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JJazz.Net Blog Title

2023年6月アーカイブ

My First Jazz Vol.63-安藤康平(MELRAW):My First Jazz

Title : 『Straight Ahead』
Artist : Count Basie

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「ジャズに触れた最初の1枚。厳密に言うといつ頃聞いたかというのは定かでありませんが、今回は僕が中学、高校、大学 と、ずっとビッグバンドの部活に参加していた中で、"これが ジャズ なんだ"という風に認知した、最初に出会った ビッグバンドのアルバムを紹介します。

それはカウント・ベイシー楽団の『Straight Ahead』です。基礎中の基礎と言いますか 、ビッグバンドをやってる人であれば誰でも触れるカウント・ベイシー楽団の1968年の作品です。

ベイシーといえば、ファンの中では"オールド・ベイシー"、"ニュー・ベイシー"なんて言われますが、50年代以降のベイシー楽団は、いろんな魅力的なアレンジャーが手がけた楽曲を演奏しています。

このアルバムは、"サミー・ネスティコ"という名作曲家のスコアを演奏しています。とにかくキャッチー。当時僕はまだビバップとかカルテットの作品を全然聴けなくて、そんな中ジャズ作品の中では珍しくキャッチーで、すっと聴くことができたのがこのアルバムでした。いろんな曲が入っていますが、マーシャル・ロイヤルの名演が楽しめる『Lonely Street』の渋いバラードは当時苦手であまり聴けなかったのですが、今聴くとめちゃくちゃいいですね。

いわゆる"ザ・ビッグバンド"みたいなものもあり、"ブルージー"なのもあり、"バラード"あり、"速い曲"あり、と何でもあり"全部のせ"、みたいなアルバムになっていますが、ビッグバンドというものにあんまり触れた事のない方にはここからビッグバンドの魅力にどっぷりはまってもらいたいオススメの1枚です。」

安藤康平






My First Jazz

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Title : 『Straight Ahead』
Artist : Count Basie
LABEL : Dot Records
発売年 : 1968年



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【SONG LIST】
01.Basie - Straight Ahead
02.It's Oh, So Nice
03.Lonely Street
04.Fun Time
05.Magic Flea
06.Switch In Time
07.Hay Burner
08.That Warm Feeling
09.The Queen Bee







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MELRAW(安藤康平)率いる新バンドの1stアルバム!!

KING GNU/millennium paradeなどでも活躍し、ソロプロジェクトMELRAWとしても活動する安藤康平を中心に日本のジャズシーン、ポップスシーンには欠かせない渡辺翔太、古木佳祐、橋本現輝というミュージシャンが集ったスーパーカルテットが待望のデビューアルバムをリリース!









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安藤康平(MELRAW)
Sax, Gt, MPCなどを中心に数多くの楽器を操るマルチインストゥルメンタリスト・プロデューサー。
ソロプロジェクト、日本ジャズシーンの最前線で活動する一方でKING GNU、Vaundy、Chara、KIRINJI、TENDREなど数多くのメジャーアーティストの制作、ライブに参加。
KING GNU常田大希が主宰する大型プロジェクト"millennium parade"のメンバーとして、オリコンランキング1位を記録。NHK紅白歌合戦への出演を成功させる。
またKANDYTOWN、唾奇、Shurkn Papなど数多くのHIPHOPアーティストともコラボレーションを実現しており、2023年には日本最大のHIPHOPフェス"POP YOURS"に出演。
またJAZZ回帰プロジェクトとして渡辺翔太、古木佳祐、橋本現輝らと"4Aces"を始動。
ジャンルを跨いでシーンを繋ぐそのサウンドは日本のミュージックシーンになくてはならない存在となりつつある。







Latest Album

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Title : 『4ACES』
Artist : 4ACES
LABEL : Brilliant Works
NO : BRWS-005
RELEASE : 2023.5.3



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【SONG LIST】
01. Introduction - 4Aces
02. Ascension
03. S.K.O.
04. あめのひ
05. Beer Like Water
06. Someday We'll All Be Free
07. Overdrive Heads
08. いつの日か、また会う日まで
09. 4ACESのテーマ
10. Prayer






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【KKBOX Podcast「My First Jazz」】
JJazz.Netとの連動によるオリジナルコンテンツ。
ジャズ・ミュージシャン本人の音声コメントをお届けしています。
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500以上のメジャー・ローカル音楽レーベル様や権利者様と提携し、9,000万曲の楽曲を配信。
なかでも世界最大数を誇るC-POPを取り揃えているアジア大手の音楽聴き放題サービス。
2022年より日本でも音声コンテンツ/ポッドキャストの提供がスタート!


曽根麻央 Monthly Disc Review2023.6_James Blake : Covers:Monthly Disc Review

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こんにちは、曽根麻央です。
今日は2020年にリリースされたJames Blakeによるカヴァー・アルバムを紹介しようと思います。

その前に一つお知らせがありまして...

この度、曽根麻央が新しいレーベル"claudia"を立ち上げました!

実は今日まで、僕がコロナ渦中に立ち上げた会社では音源、CM制作、劇版アレンジなど様々なプロダクションを行ってきました。
その中のひとつの目標として掲げていたことが新規レーベルのローンチでした。

これから色々なアーティストとコラボしたいと期待しているところですが、 早速その記念すべき第一弾として『CITY POP RENDEZ-VOUS / Airi』が7/12に全国発売されます。 今世界からも注目を集めるシティ・ポップをアコースティックな編成で再発掘、再構築した作品です。

シンガーにAiri をむかえ、彼女の歌い方で素敵にこれらの曲の世界観を表現してくれました! 是非この夏一番聴いていただきたい一枚になっています。
Amazon等で先行予約開始中、今夏のレコードイベントCITY POP on VINYL 2023 8/5(土)~での7インチ発表も決定しています!

どうぞレーベルとこれからの発展するクリエイティブな作品を温かく見守って頂ければ幸いです!


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【CD販売/配信リンク】
https://ultravybe.lnk.to/citypoprendez-vous


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Title : 『Covers』
Artist : James Blake



【ジャンルとしての"JAZZ"にも共通項を発見できる作品、James Blake『Covers』】


ということで、今日ご紹介するのはJames Blakeです。

彼はイギリスを中心に主にエレクトロニックやR&B、Popのフィールドで活躍しているアーティストですが、今回のカヴァー・アルバムは既に有名な楽曲を彼の独自の歌い回しとアレンジで曲の世界観を深めていくという、まるでジャズ・アルバムの様になっていて、是非ジャズ・ファン、オーディオ・ファンにも聴いてもらいたい一枚です。

編成もシンプルで基本的にピアノと歌の弾き語り。
もちろん彼の得意分野であるエレクトロニックっぽい編成もちらっと顔を出しますが、基本シンプルな編成に留めているので、改めて演奏家として、歌手としてのこのアーティストの素晴らしさを体感できるアルバムになっています。構成も短く20分ほどで聴き終えてしまうので、あっという間です。

まずJames Blakeの歌ですが、決して張りあげることはなく落ち着いて聴けるのが嬉しいところです。ただその声にはメッセージがあり、人々をあっという間に惹きつけてしまう魅力がありインパクトがあります。低音から高音まで見事に、精度の高い表現が可能です。

ピアノはシンプルな伴奏に止まっている曲も多いですが、ハーモニーの展開の仕方や、ダイナミクスの付け方、歌への寄り添い方は見事です。しかし一方で「Atomosphire」では大胆にピアノでグリッサンドを使った特徴的なトラックを聴かせてくれていますし、「Never Dreamed You'd Leave in Summer」ではダイナミックなプレイになっています。「When We're Older」ではクラシカル的なアプローチで曲全体を彩っています。

01. When The Party's Over

2019年のBillie Eilish のカヴァー。ピアノと歌の構成で終始シンプルな印象。
彼の素朴でありながら説得力のある素晴らしさ=実力をまさに体感できるトラックです。


02. Atmosphere

1988年のイギリスのロックバンドJoy Divisionのカヴァー。ピアノに独特なエフェクトがかかっていてイントロから印象的。するとパーカッションの様な音が4分音符を刻み本編へと入っていきシンセサイザーも加わり、という具合で彼の大胆緻密に配置されたエレクトロな魅力を味わえる一曲です。ピアノでグリッサンドを用いてCメージャースケールを大胆に使う部分などはとりわけ特徴的なトラックとしてリスナーに印象付けることに成功しています。




03. Never Dreamed You'd Leave In Summer

1971年のStevie Wonderのカヴァー。カヴァーが多いことでも知られるStevie Wonderですが、こんなスティービーのカヴァーを聴いたことがあるでしょうか。
トラックの最後ではJames Blakeのピアニストとしての魅力も余すところなく発揮、ダイナミックなプレイを聴くことができます。




04. Godspeed

2016年のFrank Oceanのカヴァー。歌い出だしは鳥肌が立つほどの歌唱。
Frank Oceanをカヴァーするという視点にもこのアルバムの意義を感じます。James Blakeによる少しフェイクしたメロディーのインパクトも味わい深いです。


05. When We're Older

ここで一曲登場するのがJames Blakeのオリジナル。特徴的なクラシカルなフルレンジのピアノ伴奏に誘われる様に曲が展開していきます。オーバーダブした歌が聴きどころでしょうか。改めて音のバランス、トータルクオリティーの高さに驚かされます。




06. The First Time Ever I Saw Your Face

アルバムの中で一番古い年代から選曲されたのが意外なことに1957年の作品、1972年のRoberta Flackの演奏で有名になった 「The First Time Ever I Saw Your Face」です。間違いなくJames Blakeの名唱が収められたトラックと言えます。

敢えてこういうクラシカルな切り口で終始James Blakeの世界観を語る、というスタイルにリスナーはさらに、どっぷり引き込まれてしまうんだろうなーと思いながらリピートボタンを押す次第です。




さて今回はジャンルとしての"JAZZ"にも共通項を発見できた作品、James Blakeの「Covers 」をご紹介しました。ぜひ気に入っているオーディオで一度聴いてみてください。

それではまた次回のレビューで!


文:曽根麻央 Mao Soné



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中本マリさんの10数年ぶりの新作が6/8に発売されました。
私・曽根麻央がプロデューサー/アレンジャーを担当し、マリさんの70~80年代の名盤『Lady In Love』『Aphrodite』『Moods Of A Lady』から11曲をセレクト!セルフ・カヴァー・アルバムとなっています。

ツアーもしますのでお近くの会場まで見に来てください!


中本マリ『Muse 1』 
6/8発売
Mari Nakamoto - vocal
Mao Sone - piano, fender rhodes, wurlitzer, clavinet, organ, prophet 6, trumpet & harpejji
Yuji Ito - bass
Kan - percussions






Recommend Disc

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Title : 『Covers』
Artist : James Blake
LABEL : Republic Records
発売年 : 2020年

アマゾン詳細ページへ

【SONG LIST】

01.When The Party's Over
02.Atmosphere
03.Never Dreamed You'd Leave In Summer
04.Godspeed
05.When We're Older
06.The First Time Ever I Saw Your Face




【曽根麻央LIVE INFO】


曽根麻央のその他情報はウェブサイトへ

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「Monthly Disc Review」アーカイブ曽根麻央
2020.04『Motherland / Danilo Perez』2020.05『Color Of Soil /タイガー大越』2020.06『Passages / Tom Harrell 』2020.07『Inventions And Dimensions / Herbie Hancock』2020.08『Birth Of The Cool / Miles Davis』2020.09『Chet Baker Sings / Chet Baker』2020.10『SFJAZZ Collective2 / SFJAZZ Collective』2020.11『Money Jungle: Provocative In Blue / Terri Lyne Carrington』2020.12『Three Suites / Duke Ellington』2021.01『Into The Blue / Nicholas Payton』2021.02『Ben And "Sweets" / Ben Webster & "Sweets" Edison』2021.03『Relaxin' With The MilesDavis Quintet / The Miles Davis Quintet 』2021.04『Something More / Buster Williams』2021.05『Booker Little / Booker Little』2021.06『Charms Of The Night Sky / Dave Douglas』2021.07『Play The Blues / Ray Bryant Trio』2021.08『The Sidewinder / Lee Morgan』2021.09『Esta Plena / Miguel Zenón』2021.10『Hub-Tones / Freddie Hubbard』2021.11『Concert By The Sea / Erroll Garner』2021.12『D・N・A Live In Tokyo / 日野皓正』2022.1『The Tony Bennett Bill Evans Album / Tony Bennett / Bill Evans』2022.2『Quiet Kenny / Kenny Dorham』2022.3『Take Five / Dave Brubeck』・2022.4『Old And New Dreams / Old And New Dreams』2022.5『Ella Fitzgerald And Louis Armstrong / Ella And Louis』2022.6『Live from Miami / Nu Deco Ensemble & Aaron Parks』2022.7『Oscar Peterson Trio + One / Oscar Peterson Trio Clark Terry』2022.8『Ugetsu/ Art Blakey & The Jazz Messengers』2022.9『Sun Goddess / Ramsey Lewis』2022.10『Emergence / Roy Hargrove Big Band』2022.11『Speak No Evil / Wayne Shorter』2022.12『The Revival / Cory Henry』2023.1『Complete Communion / Don Cherry』2023.2『Your Mother Should Know: Brad Mehldau Plays The Beatles / Brad Mehldau』2023.3『Without a Net / Wayne Shorter』2023.4『LADY IN LOVE / 中本マリ』2023.5『Songs Of New York / Mel Torme』



Reviewer information

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曽根麻央 Mao Soné

曽根麻央は2018年にジャズの二刀流として、 2枚組CD『Infinite Creature』でメジャー・デビュー果たしたトランペッター、ピアニスト、作曲家。

 幼少期よりピアノを、8歳でトランペットを始める。9歳で流山市周辺での音楽活動をスタートさせる。18歳で猪俣猛グループに参加し、同年バークリー音楽大学に全額奨学金を授与され渡米。2016年には同大学の修士課程の第1期生として首席(summa cum laude)で卒業。在学中にはタイガー大越、ショーン・ジョーンズ、ハル・クルック等に師事。グラミー賞受賞ピアニスト、ダニーロ・ペレスの設立した教育機関、グローバル・ジャズ・インスティチュートにも在籍し、ダニーロ・ペレス、ジョー・ロバーノ、ジョン・パティトゥッチ、テリ・リン・キャリントン等に師事、また共演。
 これまでにニューポート、モントレー、モントリオール、トロント、ドミニカ等の国際的なジャズ・フェスティバルに出演。
2017年には自己のバンドでニューヨークのブルーノートやワシントンDCのブルース・アレイ等に出演。2018年メジャー・デビュー。2019年には故・児山紀芳の代役でNHK-FM「ジャズ・トゥナイト」の司会を担当。また2020年公開のKevin Hæfelin監督のショート・フィルム「トランペット」の主演・音楽を務めるなど、演奏を超えて様々な活動の場を得ている。

 曽根は国際的に権威ある機関より名誉ある賞を数々受賞している。
2014年度フィラデルフィア『国際トランペット協会(ITG)ジャズ・コンペティション』で優勝。
同年『国際セロニアス・モンク・ジャズ・コンペティション』にて13人のファイナリストに世界中の応募者の中から選出。
2015年に地元・流山市より『ふるさとづくり功労賞』受賞。
2016年アムステルダム『"Keep An Eye" 国際ジャズアワード』にて優勝。

曽根麻央Official Site

「日野皓正と黒田卓也」日本を代表するJAZZトランペッター同士の貴重な対談番組が実現!

1967年初リーダーアルバムを発表し、1969年には当時ジャズ史上最高のモダン・コンボであった「日野=菊地クインテット」でアルバム発表。1975年には拠点をN.Yへ。一大「ヒノテルブーム」が巻き起こり数々の名盤を誕生させた、レジェンド日野皓正

1980年兵庫県生まれ。2003年渡ニューヨーク。報道ステーションのOPテーマや、ホセ・ジェイムズのバンドメンバー、MISIAの楽曲アレンジなど、実に多彩なキャリアを持ちながら、ジャズシーンの最前線でワールドワイドに活躍する気鋭のトランペッター黒田卓也

長きに渡り海外を拠点に活動してきた2人が今回、来日タイミングが偶然にも重なり対談番組が実現。マイルス・デイヴィス、ブルー・ミッチェル、クリフォード・ブラウン、サッチモ ... ジャズ・ジャイアンツ達とのこぼれ話や、マル秘エピソードが飛び交う世代を超えたトランペッター同士の熱い音楽談義。さらには、スペシャルなセッションも実現。これは必聴です!


6月17日(土)FM山形(11時〜11時55分)、6月18日(日)FM福井(19時〜19時55分)ほか、順次JFN系列FM局にて放送予定。



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「Let's Talk 'bout Jazz~ヒノテル×クロタクの音楽武者修行~」


70年代~現在のジャズ・シーンを2人はどう見てきたのだろう?

日本を飛び出し、世界という舞台で自分自身を探求する2人にとってのジャズとは?

そして今の若い人たちに伝えたいこととは?

世界を舞台に多くの人々を魅了する2人の音楽と語り、

そしてそれぞれが持参したトランペットでの即興セッションもお届けします。


日野皓正 HP:https://terumasahino.com/
黒田卓也 HP:https://www.takuyakuroda.com/


【特別番組概要】
◆番組名:Let's Talk 'bout JAZZ~ヒノテル×クロタクの音楽武者修行~
◆出演者:日野皓正、黒田卓也
◆番組形態:60分番組(放送局により55分番組)
◆放送局:JFN系FM局で順次放送予定  ※各局タイムテーブルでご確認ください
*オンエア地域では、radikoからスマートフォン、PCでも聴取可能です。 https://radiko.jp/
○上記の放送エリア内にお住いの方 ⇒無料でお聴き頂けます。※放送後1週間以内であれば、聴き逃し配信もあります。
○放送エリア外にお住いの方 ⇒「ラジコプレミアム(有料)」に登録することで、全国のFM・AMラジオ放送を聴くことができます。放送後1週間以内であれば、聴き逃し配信もあり。

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