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2015年10月アーカイブ

JJazz.Net番組「Color of Life」公開収録 @CAY 2015年11月3日(祝)開催!:ニュース / NEWS

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【三井不動産レジデンシャル presents 「Color of Life」公開収録@CAY】

Chocolat & Akitoがナビゲートする番組「Color of Life」の公開収録イベントをCAYにて開催。
ゲストを迎えてのトークと心地良い音楽。いつもの生活をちょっと素敵にしてくれるイベントです。



夫婦デュオ、Chocolat & AkitoがナビゲートするJJazz.Netの人気番組「Color of Life」
番組初の公開収録イベントをCAYにて開催します。

リラックスした雰囲気の中、トークとライブを交えお送りするこのイベント。
番組と同じく、暮らしに寄り添うテーマをピックアップして二人の日常の風景をご紹介、
会場の皆さんの質問にもお答えします。

ゲストは、猫と相撲を愛するボサノヴァ、サンバ・カンソン歌手、吉田慶子さん。
日常を楽しむ秘訣をおうかがいします。
また当日はChocolatさんレシピによる食事メニューも予定。

爽やかな秋の日に、良質な音楽と共に心地良い時間をお届けします。
番組の世界感を是非生で体感して下さい。


【日時】
2015年11月3日(火・祝)
開場:15:00 開演:16:15(19:30終演予定)

【出演】
Chocolat & Akito
GUEST:吉田慶子

DJ:丸山 雅生(dessinee shop / production dessinee)

【会場】
CAY(スパイラルB1F)
〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23
TEL:03-3498-1171
東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」B1出口前
もしくはB3出口より渋谷方向へ1分。
※B3出口にはエレベーター・エスカレーターが有ります。
ACCESS MAP

【応募締切】
第二次募集:2015年10月30日(金)11:00
※第一次募集は既に終了しております。
当選された方には当選メールをお送りしています。

※ご応募いただいた中から抽選でこの公開収録イベントにご招待いたします。
 なお、ご当選は当選メールにて代えさせていただきます。
※チケット販売はありません。
※飲食代は自身のご負担となります。


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【Chocolat & Akito】

ショコラと片寄明人(GREAT3)によって2005年に結成された夫婦デュオ。明と暗、清濁併せ呑んだ、その独特な詩世界を美しい旋律で綴り、同年に「Chocolat & Akito」でデビュー。2007年に2nd「Tropical」、2012年には3rdアルバム「Duet」を発表。2016年初頭には、カリフォルニアのThe Mattson 2と共演した4thアルバムが、Rallye Labelよりリリース予定。一糸乱れぬハーモニーで、胸しめつけるメロディーを聴かせるライブは必見。ライブ会場でしか購入できない新曲CDR付Chocolat & Akito ZINEもVol.5まで好評発売中。現在JJazz.Net番組「Color of Life」にてナビゲーターを担当。

片寄明人
プロデューサーとして、DAOKO、Czecho No Republic、フジファブリック、テスラは泣かない。、GO!GO!7188、など数多くのミュージシャンを手がける他、2012年には9年ぶりにGREAT3を再始動、「GREAT3」「愛の関係」と2枚のアルバムを立て続けにリリースした。

ショコラ
97年「ブルーでハッピーがいい」でデビュー。アクセサリーブランド「Corchea」デザイナー、CMナレーターとしても活躍中。またデビュー15周年を記念したソロ90'sベストアルバム「No Regrets」も発売中。

Chocolat & Akito facebook



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【吉田慶子】

ブラジル音楽、特にボサノヴァに魅せられ1998年より東北のライブハウスを中心に歌い始める。繊細でいて深みのある歌声はまるでボサノヴァそのものと同化したかのような神秘性すら感じさせる。レパートリーはボサノヴァだけでなく古いサンバ・カンソンにまで及びブラジル音楽の財産を慈しむ姿勢がそのままサウンドに表われている稀有な存在のアーティスト。2000年にブラジルに滞在、BWANA TRIOのドラマーTataのもとでブラジル音楽を学ぶ。 翌年、滞在中にTataと録音したファーストアルバム「愛しいひと」を発表。ブラジル・ディスク大賞邦人第4位入賞。2003年からはふくしまFM「一枚の写真から」のパーソナリティとしても活躍した。 2005年に同番組と連動した2nd『一枚の写真からライブコレクションvol.1』をリリース(ゲスト:ショーロ・クラブ、長谷川きよし)、大きな反響を呼び2006年にはvol.2発売(ゲスト:ショーロ・クラブ、パトリック・ヌジェ)。以降も『コモ・ア・プランタ~ひそやかなボサノヴァ』(2007年)、『パレードのあとで~ナラ・レオンを歌う』(2009年)をリリース。自主制作盤では『サンバ・カンソン』(2007)、『soneto』(2013)を黒木千波留とのデュオでリリース。作家の北村薫が自身の小説にモデルとして登場させるなど、ジャンルを越えてファンが多い。

吉田慶子 サイト






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【Restrant Bar CAY】

こころとおなかを満たす 食と音楽のライブ空間

香ばしく燻したお肉料理や、ボリュームたっぷりのサラダ、パエリア、自家製バーガー、小皿料理など盛り沢山なメニューと、世界中の美味しいワインをお手軽価格でご用意しています。

【営業時間】月〜金11:30〜25:00/土12:00〜25:00/日・祝日12:00〜23:00

ランチタイム 
(月〜金)11:30〜17:00 (L.O16:30)/(土・日・祝日)12:00〜17:00 (L.O16:30)
カフェタイム 
(月〜土)11:30〜25:00 ※土12:00〜/(日・祝日)12:00〜23:00
ディナータイム
(月〜土)18:00〜25:00 (23:30 FOOD L.O / 24:30 DRINK L.O.)
(日・祝日)18:00〜23:00 (22:00 FOOD L.O / 22:30 DRINK L.O.)

【住所】
〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23 スパイラルB1F

Restaurant Bar CAY

須永辰緒DJ30周年記念PARTY! 新木場 ageHa@STUDIO COAST:ライブ情報 / LIVE INFO

「夜ジャズ.Net」でお馴染み、DJ須永辰緒さんのDJ30周年記念PARTYが、
11月27日(金)新木場 ageHa@STUDIO COASTにて開催されます。

何がすごいって出演ラインナップを見てもらえれば一目瞭然。
これだけの規模でこれだけの面々が出演するイベント、きっと他にないです。
須永さん本人のコメントはこちら

須永さんのこの30年(ほんとは30年とちょっと)をぎゅっと凝縮した一夜。
DOC HOLIDAY時代から知っている人も、organa barに通っていた人も、
「It's You」で踊った人も「夜ジャズ」がきっかけでジャズに触れた人も、
当日はみんなで盛り上がりましょう!


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【須永辰緒DJ30周年記念PARTY!】

レコード番長・須永辰緒のDJ30周年を祝し、総勢50組の豪華アーティスト達が集結!!
1985年より日本のクラブ・シーンの第一線に立ち続け、欧州からアジアまで海外公演も多数行う「レコード番長」こと、DJ須永辰緒。その長い歴史の中で、これまで共に活躍してきたゆかりの深いアーティスト総勢50組が、30周年をお祝いする。

主な出演者は「クレイジーケンバンド」「エゴラッピン」「Zeebra」「大沢伸一」「沖野修也」「小西康陽」「田中知之(FPM)」「MURO」など。また、ショーダンサー、ドラァグ・クイーンが会場を彩り、"酒場放浪記"でお馴染みの「吉田類」もトークショーで参加する。

この豪華なラインナップで、前売料金はなんと3,500円というお祝い価格。さらに会場内特設ブースでは「STARBUCKS®ボトル缶コーヒー」もプレゼント!チケット取扱いは、ローソンチケットやHMV渋谷店の他にも、「HYSTERIC GLAMOURコラボTシャツ」や、「Amadana Musicレコードプレイヤー」とのお得なセットも販売中。いずれも数量限定なので、早めの入手がオススメ。

日本のトップDJ達が繰り広げる最大級の"お祝い"パーティーで、プレミアムな夜を遊び尽くそう!!


【日時】
2015年11月27日(金)
OPEN/START 23:00〜

【会場】
新木場 ageHa@STUDIO COAST
東京都江東区新木場2-2-10
TEL. 03-5534-2525
JR京葉線・りんかい線 東京メトロ有楽町線
新木場駅から徒歩5分
ACCESS

【出演】
<LIVE>
■クレイジーケンバンド ■EGO-WRAPPIN' AND THE GOSSIP OF JAXX ■Sunaga t Experience SPECIAL BAND(Tres-men+TRI4TH HORNS) feat. akiko, arvin homa aya, ECD, Zeebra, 中塚武, BOO, RINO LATINA II, YOU THE ROCK★

<DJ>
■須永辰緒(Sunaga t Experience) ■伊藤陽一郎 a.k.a. AKAKAGE ■大沢伸一 ■大貫憲章 ■沖野修也(Kyoto Jazz Massive) ■沖野好洋(Kyoto Jazz Massive/ESPECIAL RECORDS) ■DJ KAWASAKI ■Q'HEY ■クボタタケシ ■KO KIMURA ■小西康陽 ■小林径 ■社長(SOIL&"PIMP"SESSIONS) ■DJ JIN (RHYMESTER/breakthrough) ■SHINCO(スチャダラパー) ■鈴木雅尭(April Set/Premium Cuts) ■高木完  ■高宮永徹 ■vinylDJ 竹花 英二(Jazzbrothers) ■DJ DIRTYKRATES a.k.a. ZEEBRA ■田中知之(FPM) ■DJ NORI(KONTACTO)  ■DJ HISAYA a.k.a Diggin' Journalist ■DJ PMX ■松浦俊夫(HEX) ■DJ Marcy ■DJ MAYURI ■MURO ■Yama a.k.a. Sahib ■Watusi(COLDFEET) ■秋吉健太 ■櫻井喜次郎(Tres-men) ■Nao Nomura ■DJ Niche ■吉永祐介

<TALK LIVE>
吉田類

<GOGO GIRLS>
Aqua Dolce / Coco Flame / Haruka Delsole / MISS CABARETTA / Norie / Yuumi

<DRAG QUEENS>
BAMBI / JASMINE / MAKO / REGINE

【料金】
前売券 ¥3,500(税込) / 当日 ¥4,000(税込)

【前売りチケット】
<限定2,000枚>下記にて好評発売中!
■ローソンチケット http://l-tike.com/sunaga-t/ TEL: 0570-084-003 <Lコード: 75572>
■HMV record shop 渋谷 TEL: 03-5784-1390
■HYSTERIC GLAMOUR×須永辰緒DJ30周年 コラボTシャツ+前売りチケットセット ¥10,000(税別)
全国のHYSTERIC GLAMOUR店舗、 HYSTERIC GLAMOURオンラインストアにて販売中(限定300セット)
■Amadana Music レコードプレイヤー1台+前売りチケットセット ¥18,500(税込)
UNIVERSAL MUSIC STORE にて販売中(限定50セット)

【来場者プレゼント】
会場内のスターバックス特設ブースにて「スターバックス® ブラックコーヒー パイクプレイス® ロースト」をプレゼント!!

【主催】
須永辰緒DJ30周年記念PARTY実行委員会

【お問い合わせ】
info@ste30.com(須永辰緒DJ30周年記念PARTY実行委員会)

【協賛】
OCEANUS / STARBUCKS® / HYSTERIC GLAMOUR / Amadana Music / 株式会社 西原商会 / override

【協力】
TokyoWalker / Walkerplus

【注意】
※20歳未満の方のご入場は一切お断りさせて頂きます。
入場の際全ての方にIDチェックをさせて頂きますので、顔写真付きの身分証明書(生年月日記載)をお持ち下さい(コピー不可)。ご本人様と確認出来ない場合にはご入場をお断りする場合がございます。※出演者は、予期せず変更となる場合がございますので、あらかじめご了承下さい。

●イベント・オフィシャルサイト
http://ste30.com

●fecebook
https://www.facebook.com/ste30party
※出演者からのお祝いコメントを毎日公開中!!

Monthly Disc Review2015.10.15:Monthly Disc Review

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Title : 『Pendulum』
Artist : 林正樹



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林正樹というピアニストの活動を一言で説明するのは難しい。僕の記憶としては渡辺貞夫、菊地成孔といったジャズマン、あるいは椎名林檎、小野リサまで実に幅広く活動しているピアニストそして作曲家が林正樹だ。今月取り上げるのはそんな彼のソロ・アルバム。


「コンポーズ」を主眼に置いた、とされるこの作品は、アルバムの最初から最後までくつろいだ雰囲気で溶けていくような音楽。ピアニストとしての派手なテクニックや凝ったハーモニーは一切感じさせることは無いが、一音一音をどこまでも大切に、丁寧に紡いでいく中には計り知れないほどの技術とピアニズムを感じる。気が付くとともすれば単調に聴こえてしまいそうなこの作品に僕はすっかり聴き入ってしまった。


作品を彩るメンバーは、藤本一馬、アントニオ・ロウレイロ、徳澤青弦など、どこかジャンルに縛られない印象の音楽家達。ベースやドラムといったリズム楽器を排し徹底されたメロディへのこだわりは、くつろいだ雰囲気を持ちながらも、何か一つ欠けただけで成立しなくなってしまうような、そんな危うさももっている。残響の一つ一つからピアノのペダルを踏む音まで何も零すこと無く録音された音も素晴らしい。Fumitake Tamuraのエレクトロニクスも、前面には出ずアンサンブルに影をつけていくような不思議な役割を果たしている。驚きは演奏者のエゴが全く感じられない事。そして粛々と紡がれていく音楽には様々なルーツが感じられるけれど、どこまでも無国籍。無国籍なのになんだか昔からずっと近くにあった音楽のような、そんな不思議な親近感を持っている。


『Pendulum(=振り子)』と名付けられたこのアルバムは、そのタイトルに反してそこだけ時間が止まったような佇まい。描いているのは昼かもしれないし、夜かもしれない。夏かもしれないし、冬かもしれない。古い友人の事かもしれないし、昔観た映画のことかもしれない。音楽を聴いていたはずなのに、いつの間にか僕の中には沢山の情景が浮かび上がっては消えていく。

きっと5年後も10年後も僕はこの音楽に寄り添って生きているような気がする。


文:花木洸 HANAKI hikaru





【林正樹《Pendulum》】






Recommend Disc

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Title : 『Pendulum』
Artist : 林正樹
LABEL : SPIRAL RECORDS
NO : XQAW-1108
RELEASE : 2015.9.2

アマゾン詳細ページへ


【MEMBER】
林正樹(piano)
Antonio Loureiro(Vibraphone, Voice)
Joana Queiroz(clarinet)
藤本一馬(Guitar)
徳澤青弦(Cello)
Fumitake Tamura(Electronics)


【SONG LIST】
1. Flying Leaves
2. Bluegray Road
3. Initiate
4. Kobold
5. Teal
6. Shadowgraph
7. Paisiello St.
8. Ripple
9. Thirteenth Night
10. Butt
11. Jasper
12. Pendulum
* All Composed and Arranged by Masaki Hayashi



この連載の筆者、花木洸が先日発売になりました『Jazz The New Chapter 3』で編集・選盤・レビュー記事などを担当。ブラック・ミュージックの最先端からUKジャズ、ネクスト・ジャズ・ファンク、ラージアンサンブル等ここにしかない記事・インタビューが盛り沢山となっています。


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■タイトル:『Jazz The New Chapter 3』
■監修:柳樂光隆
■発売日:2015年9月10日
■出版社: シンコーミュージック

アマゾン詳細ページへ


今日においてはジャズこそが時代を牽引し、ディアンジェロやフライング・ロータスなど海外の最先端アーティストから、ceroなど日本のポップ・シーンにも大きな影響を与えている。この状況を予言し、新時代の到来を告げた「Jazz The New Chapter(ジャズ・ザ・ニュー・チャプター)」の第3弾がいよいよ登場。2014年の刊行時より刷数を重ね、SNS上でも未だ話題沸騰中の第1弾・第2弾に続き、2015年9月末に〈Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN〉が開催されるなど、かつてない活況を迎えているジャズの次なる未来は、ニューチャプターが切り拓く!


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「Monthly Disc Review」アーカイブ花木 洸

2015.04 ・2015.05 ・2015.06 ・2015.07 ・2015.08 ・2015.09




Reviewer information

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花木 洸 HANAKI hikaru

東京都出身。音楽愛好家。
幼少期にフリージャズと即興音楽を聴いて育ち、暗中模索の思春期を経てジャズへ。
2014年より柳樂光隆監修『Jazz the New Chapter』シリーズ(シンコーミュージック)
及び関西ジャズ情報誌『WAY OUT WEST』に微力ながら協力。
音楽性迷子による迷子の為の音楽ブログ"maigo-music"管理人です。

花木 洸 Twitter
maigo-music

【わたしとOMA SOUND】Vol.8 加藤一平:わたしとOMA SOUND

【わたしとOMA SOUND】
Vol.8 加藤一平(g)


日本のジャズレジェンド、オマさんこと鈴木勲さんが才能ある若手を発掘、輩出してきた異色のバンド、"OMA SOUND"。ゆかりあるメンバーに「わたしとOMA SOUND」というテーマでコメントを寄せていただきました。


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「7年前の自分が26歳の時にヴォーカリストのTOKUさんが鈴木勲さんに紹介してくれてライブ飛び入りして「とりあえず合格」って言って貰えて、次の週に鈴木勲さんと2人でスタジオ練習してたらヒョンな事から大ゲンカの怒鳴り合い罵り合いになって絶交!...したと思ったらその4年後くらいに鈴木勲さんから「ギター探してんだけどやる気あるか?」って電話くれて、そのまま現在までOMASOUNDで演奏させて頂いております。

最初の頃は1曲やるたんびに説教されて「ホイホイ言う事なんか聞かねぇぞ!」って心の中で無駄な意地張りながら食いしばって3年経った今では毎回超ハッピーにヤらせて頂いております。

でも今でも鈴木勲さんの音はスーパーヘビー級ボクサーみたいに重くて速いし、徒手空拳なのに音が謎のモジュレートしてたり色々不可解だったりして、音で身体が吹っ飛ばされそうになります。

早く鈴木勲さんよりカッコイイ音出したい。」

加藤一平


JJazz.NetのSHOPページでは特別番組「鈴木勲 OMA SOUND を語る」の貴重なインタビューをパッケージし、販売しています。番組では紹介できなかったエピソードが収録されている他、OMA SOUND年表もセットになっています。

JJazz.Net SHOP



 
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【加藤一平】(g)
ギタリスト。1982年東京生まれ。埼玉県飯能市 私立自由の森学園中学校・高等学校 卒。専門学校 ESPミュージカルアカデミー・ギタークラフト科 卒。好きなもの : 睡眠、ラーメン、肉、チョコ、アイス、ピック収集。20歳のときにギターを始める。独学。都内各所のセッションで腕を磨く。23歳の時、NYに半年滞在。ジャムセッション、ライブにて腕を磨く。帰国後、鈴木勲(b)、日野皓正(tp)、Han Bennink(ds)、中牟礼貞則(g)、不破大輔(b、ダンドリスト)、坂田明(as)、梅津和時(as、cl)、dj honda(DJ)、coba(accordion)、KILLER-BONG (DJ、rap、MPC)等と共演。 現在の参加バンドは、『 鈴木勲 OMA SOUND 』『 日野皓正バンド』『 渋さ知らズ 』『 Fuwa works (from 渋さ知らズ) 』『 谷保典 Tabletop Guitars 』などボーダーレスに多数。


【今後の予定】

10月21日(水)
愛知県名古屋 クアトロ『渋さ知らズ』

10月22日(木)
大阪府梅田 クアトロ『渋さ知らズ』

10月23日(金)
京都府 KBSホール BOROFESTA 2015『渋さ知らズ』

10月24日(土)
香川県善通寺市 第54回四国学院大学祭 『渋さ知らズ』

10月25日(日)
第10回 渋谷音楽祭 2015』 『鈴木勲 OMA SOUND』
鈴木勲(b)、松井宏樹(as)、加藤一平(g)、板垣光弘(p)、吉良創太(ds) 


LIVE情報


加藤一平 Official Blog

【THE PIANO ERA 2015】 ザ・ピアノエラ 2015 11月28日(土)、11月29日(日)開催:ライブ情報 / LIVE INFO

おかえりなさい、ピアノの世紀へ。

世界から日本から、ピアノ音楽の現在と未来に出会う二日間。


ピアノ世紀の到来を告げるフェスティバル【THE PIANO ERA 2015】2年ぶりに開催です。

極上の音響空間で、国内外の素晴らしいアーティスト達の演奏をじかに体験できる貴重な機会。

是非、会場へ足を運んで下さい。


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【日 時】
11月28日(土) 17:15 open 18:00start | 11月29日(日) 15:45 open 16:30start


【出 演】

<11月28日(土)> 
阿部海太郎
高木正勝
haruka nakamura PIANO ENSEMBLE

<11月29日(日)>
Andres Beeuwsaert (from Argentina)
Henning Schmiedt (from Germany)
Tatiana Parra / Vardan Ovsepian


【会 場】
めぐろパーシモンホール 大ホール


【チケット】
前売 6,800円 当日 7,800円|2日通し券 13,000円(前売りのみ) (全席指定/未就学児入場不可)


【プレイガイド】
イープラス eplus.jp|ローソンチケット l-tike.com 0570-084-003|チケットぴあ t.pia.jp 0570-02-9999|めぐろパーシモンホール persimmon.or.jp 03-5701-2904 (10:00-19:00)


【問い合わせ】
ディスクガレージ 050-5533-0888|ノーヴァスアクシス 03-6310-9553


【主催・企画・制作】
NRT novus axis 


【共催】
公益財団法人 目黒区芸術文化振興財団 


【制作協力】
DISK GARAGE 


【協力】
RYU Edith Grove Kentec


詳しくは、thepianoera.com
THE PIANO ERA official TWITTER

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"TOUCH OF JAZZ"アルバム - 市川愛 セレクト:TOUCH OF JAZZ

青木カレンがナビゲートする番組「TOUCH OF JAZZ」では、毎回ゲストの方に
自身の「TOUCH OF JAZZした作品=ジャズに触れた作品」をご紹介いただいています。


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今回のゲストは、ジャズシンガーの市川愛さん。

鎌倉のジャズクラブ、DAPHNEでジャズに出会い、そこからジャズの扉をあけていった愛さん。
自分にフィットするものを探す、というのはジャズに限らず大切なことですよね。


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『Trio Sud / Sylvain Luc』


「鎌倉にあるJAZZ CLUB DAPHNEが、JAZZという音楽との出会い。でも、アルバムとなるとフランス人のギタリストSylvain Lucの『Trio Sud』かなと思う。大学でJAZZ研に入って、鎌倉ダフネ以外に、自分の生活圏でJAZZライブハウスはないものかと想い、モーションブルー横浜に初めてライブを観に行ったんです。その時に休憩時間に流れていたのがこのアルバムだったんですよね。 この時は彼のギターの音色と、グルーブ感と、楽曲に心を鷲掴みされた感があって、すぐに調べて買いました。

JazzもだけどBrazilっぽさも感じるアルバムで、飽きない。

今考えると、私のアルバムのプロデュースを1枚目のデビューの時から3枚目までギタリスト平岡遊一郎さんにお願いしていることにも繋がるのかもしれない。新プロジェクトitelluもギターカルテットだし。(笑)JAZZシンガーとしてデビューする前からやっているポップスバンドDa Luaもギター、ベース、ボーカルのトリオ!今気づきました。

とはいえ、やりたいことが多過ぎて、これから私の活動がどんな風に広がって行くかは未知数ですが、今のところ私の声は、ギターと混ざるようにできている気がするんです。

それはもしかしたら初期にSylvain Lucに出会ったからかもしれない(言い過ぎ)。」

市川愛






■タイトル:『Trio Sud』
■アーティスト:Sylvain Luc
■オリジナル発売年:2002年

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【Sylvain Luc - Jordu】




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■タイトル:『PLANETS』
■アーティスト:itellu
■発売日:2015年8月5日
■レーベル:APOLLO SOUNDS
■製品番号:APLS-1509

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[収録曲]

01. Jet
02. 惑星
03. コルクの中で
04. Altogether Alone
05. Undo
06. Homecoming
07. Shielded by the Winter
08. When the Moon is Square
09. サブマリン
10. Among


[メンバー]
市川愛 (vo)
金澤悠人 (g)
片野吾郎 (b)
桃井裕範 (ds)
大林武司 (p)

人気シンガー市川愛が同世代のジャズミュージシャン達と新バンドを結成!バンド名はitellu(イテル)。全曲オリジナルのポップスアルバムをリリース!市川愛がバークリー音楽大学へ留学した際に同期だったギタリスト金澤悠人が、同じ頃にNYのシティカレッジへ留学していたドラマー桃井裕範を紹介。金澤が日本に一時帰国して演奏活動をする際に一緒にライブを行う。ベーシストにはDa luaというバンドでも市川と活動を共にする片野吾郎が参加。その時のライブの手応えが良くこの4人によるバンド結成へと至る。桃井の楽曲を中心に各メンバーがオリジナル曲を持ち寄りリハーサルを重ね、2015年の1月にレコーディングが行われる。レコーディングにはNew Century Jazz Quintetや黒田卓也のバンドでも活躍する若手ピアニスト大林武司が参加。普段はジャズのフィールドで活躍するメンバー達が、オリジナルのポップスを演奏する事により、耳心地のよいメロディと高度な演奏が融合する独特のサウンドが生まれた。アメリカでの経験と日本での活動を経た若手ミュージシャン達の瑞々しさ溢れる新しい音楽。itelluの記念すべきファーストアルバムを是非お聴きください!




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【市川愛(ICHIKAWA AI)】
神奈川県藤沢生まれ、5歳よりピアノ、バイオリン、声楽を始める。慶応義塾大学在学中、鎌倉Jazz Club Daphneと出会いジャズに惹かれ、2009年秋Berklee College of Musicに奨学金を得て留学。 NY、ボストンのジャズバーで歌う。2010年の秋には、姉妹校であるギリシャにあるNakas Music Conservatoryにてオペラ歌手のレッスンを受け、トロンボーン奏者Antonis Andreouのバンドにボーカル参加。2012年5月に卒業、日本に帰国し活動を開始。小野リサ、伊藤君子らとの活動で幅広く知られるギタリスト平岡遊一郎をプロデューサーに迎え、10月に1st Solo Album "The standards I've met"を全国発売。発売と同時にタワーレコードの「いまどきのいい女」に掲載される。ポップなオリジナルバンド"Da Lua"の2nd Albumであり初のFull Albumとなる"Full Moon"が2012年12月14日に全国発売。そして待望のsolo 2nd Album "Haven't we met"が 2013年10月2日に発売される。菊地成孔/大谷能生によるジャズドミュニスターズへの参加、平戸祐介ソロツアーに参加等、活動の幅は多岐に渡る。
時に切なく、時に元気に、ジャンルに捕われず人の心に純粋に響く唄を歌う。

市川愛 Official Site
http://ai-ichikawa.com/

【わたしとOMA SOUND】Vol.7 石田衛:わたしとOMA SOUND

【わたしとOMA SOUND】
Vol.7 石田衛(p)


日本のジャズレジェンド、オマさんこと鈴木勲さんが才能ある若手を発掘、輩出してきた異色のバンド、"OMA SOUND"。ゆかりあるメンバーに「わたしとOMA SOUND」というテーマでコメントを寄せていただきました。


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「私が今まで出会った沢山のミュージシャンの中でも真の意味で創造的であると言える数少ない方の一人に鈴木勲さん(オマさん)がいます。あそこまで個性豊かな人間というのは、そんなに多くはいないでしょう。

オマさんの個性はその作曲、演奏、あの際立った音色、絶妙なバンドコントロール、衣装、などによく表れています。

「THE THING」というオマさんの曲を聴いてみて下さい。あのスピード感を持った印象的な謎のメロディーを。オマさんのベースラインに耳を傾けてみて下さい。 ハーモニーを根幹を支えるというベースの役割を果たしつつ(時にはそこを飛び越えて)、果敢にソリストのメロディーにカウンターを入れたり鼓舞するラインを。オマさんのあの際立った音色を聴いてみて下さい。人の心に直接訴えかけるバラードを。 オマサウンドのライブを見てみて下さい。何が起こるか分からない緊張感だらけのパフォーマンスを。あの衣装はどうでしょう。 「コレ俺が縫ったんだぞぉー!」というカラフルなスカートと色違いのタイツを穿いていながら、奇をてらっているようには写らない出で立ち。唯一無二という言葉が具現化したのが鈴木勲という人なのでしょう。

私がオマさんに最初に会ったのは青山にあったオージャスという毎週水曜日にジャムをやっていた店で多分1998年頃だったと思います。その店の入り口には大きい水槽があって巨大なアロワナが泳いでいたのですが、オマさんはそのアロワナにライターの火を見せて驚かして遊んでいました!そしてジャムセッションが始まると、オマさんのあまりにも強力なベースサウンドに完全にノックアウトされてしまったのを覚えています。

次にオマさんに会ったのは吉祥寺のサムタイムで2005年、その時はオマサウンドで初めて演奏しました。テナーの森田修史が紹介してくれて、スガダイローさんのトラをしたという訳です。この日はフレットレスベースの織原良次がオマサウンドに加入して初のライブでもありました。このライブの為にリハーサルをしましたが、その進め方が興味深いものでした。通常ジャズのリハーサルは(バンドによって多少の違いがあれど)、譜面を使ってメロディーやハーモニー、リズムやキックを確認していきますが、オマサウンドでは譜面はほとんど使わず耳で曲を把握して覚える事を要求されたのです。

そして2011年からオマサウンドのピアニストとして4年ほど演奏してきましたが、その間色々な事が起こりました。

一つ印象深いエピソードを。
鰺ヶ沢という青森県の日本海側の小さな町でオマさんと駅前のスーパーマーケットに行った時の事です。買い物するオマさんを見つけた地元の女子高生たちが何とサインを貰いに来たのです。

鰺ヶ沢の高校生がジャズを聴くのか!という訳では無く、彼女たちはオマさんを全く知らずにサインを貰いに来たのでした。何か良く分からないけど、凄い人がいるぞと。

4年間オマサウンドで演奏していますが、オマさんの音楽的な進化と尽きる事のない好奇心に毎回驚かされています。勉強した既に知っている事を演奏するのでは無く、その時自らの中から聴こえた音を演奏しようとする姿勢にも感銘を受けます。ああ、それは私自身に最も必要な事なんだ。

あれは何年前の事だったか、ツアー中の車でオスカー・ピーターソンのCDをかけてそれとユニゾンで口笛を吹いていたら、オマさんが一言「もう覚えてしまった音楽をまた聴いても面白くないだろう」と言いました。何ともオマさんをよく表した言葉だと思います。」

石田衛


JJazz.NetのSHOPページでは特別番組「鈴木勲 OMA SOUND を語る」の貴重なインタビューをパッケージし、販売しています。番組では紹介できなかったエピソードが収録されている他、OMA SOUND年表もセットになっています。

JJazz.Net SHOP


【わたしとOMA SOUND】アーカイブ
vol.1 織原良次 ・vol.2 小沼ようすけ ・vol.3 斉藤良 ・vol.4 力武誠 ・vol.5 石崎忍 ・vol.6 纐纈雅代


 
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【石田衛】(p)
1978年5月1日生まれ。幼少の頃より父親の影響でジャズに親しみ、トランペットを手にする。 当時のアイドルはサッチモことルイ・アームストロング。中学生の頃にオスカー・ピーターソンを聴きピアノに転向。高校時ジャムセッションで和泉聡志(g)、高橋信之介(ds),堀秀彰(pf)らに出会い刺激を受ける。大学入学と同時に他大のジャズ研に入り、セッションを重ね、演奏活動を開始する。2001年には横浜ジャズプロムナードコンペに西本康朗(as)バンドで出場しグランプリを受賞。その後、演奏活動を本格的に行うようになり、現在、太田朱美(fl)、原朋直(tp)、等のグループに参加する傍ら、自己のトリオでも活動している。。


【今後の予定】

10/8(木)
浅草 SMILE
石田 衛(pf) 池田 篤(as)
start 20:00 MC ¥2500

10/9(金)
御茶ノ水 NARU
大野 えり(vo) 石田 衛(pf) 佐藤 ハチ 恭彦(b)

高田馬場 COTTON CLUB
花金 ミッドナイトジャム
深夜24:00-翌朝4:30
中島あきは(as)石田衛(p)楠井五月(b)

10/11(日)
関内 ADLIB
海野 俊輔(ds) 西口 明宏(ts) 石田 衛(pf) 中林 薫平(b)

10/12(月)
水戸 CORTEZ
加納 奈実(as,ss) 石田 衛(pf) 杉本 智和(b) 則武 諒(ds)

10/13(火)
銀座 CYGNUS
SAI(vo) 石田 衛(pf) 増原 巌(b)

10/15(木)
新宿 PEARL BAR
斉田 佳子(vo) 石田 衛(pf)

10/17(土)
御茶ノ水 NARU
坂崎 拓也(b) 石田 衛(pf) 山田 玲(ds)

10/18(日)
新宿 PIT INN
本田 珠也(ds) 守谷 美由貴(as) 石田 衛(pf) 須川 崇志(b)

10/20(火)
入谷 なってるハウス
ON THE MOUNTAIN
芳垣 安洋(ds) 石田 衛(pf) 岩見 継吾(b)

10/22(木)
小岩 FULL HOUSE
田中 千賀(vo) 石田 衛(pf) 吉峯 勇二郎(b) 柵木雄斗(ds)

10/23(金)
吉祥寺 SOMETIME
Raymond McMorrin(ts) 羽毛田 耕士(tp) 石田 衛(pf) 小澤 基良(b) 井上 功一(ds)

10/24(土)
柏 NARDIS
加納 奈美(as) 石田 衛(pf)

10/25(日)
渋谷音楽祭 道玄坂 路上
鈴木 勲(b) 石川 広行(tp) 松井 宏樹(as) 石田 衛(key) 吉良 創太(ds)

10/30(金)
町田 NICA'S
植松 孝夫(ts) 石田 衛(pf) 田中 洋平(b) 坪井 洋(ds)

10/31(土)
高山 CAFE quruli
石田 衛(pf) solo
open 19:00 start 19:30 MC ¥2500(当日 ¥3000)


LIVE情報


石田衛 Official Site

Monthly Disc Review2015.1001:Monthly Disc Review

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Title : 『Eight Winds』
Artist : Sokratis Sinopoulos Quartet



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今から20年くらい前、池澤夏樹の「ギリシアの誘惑」というエッセイを読み、
青いエーゲ海が見たくなり、ギリシャに行ってみようかと真剣に考えていた。
けれども、なぜかその前にハワイや竹富島の海を訪ねてしまい、
青い海はしばらくいいかな、という心境になり、
以来、ギリシャのことは頭の隅に追いやってしまった。

月日が経って、現在のギリシャはどうやら観光に訪れるには
ふさわしくない状態に陥っているようで、
青いエーゲ海よりもデフォルト(債務不履行)の国というイメージに。

そんなギリシャに、lyraという楽器がある。
古代ギリシャの竪琴で、古くはハープのように
指で弾くものであったらしいが、現代のlyraは弓で弾く楽器だ。

今回、ECMからSokratis Sinopoulos Quartet 『Eight Winds』という一枚がリリースされた。
そうSokratisだ、ソクラティス。(歴史の教科書に出てくるソクラテスはsokratesと綴る)
ギリシャでは珍しくない名前なのかもしれないが、
その名前だけでなんだか興味がそそられる。

ECMの作品を通じて、ヨーロッパ諸国の民族楽器や
その音楽に初めて触れるという機会を得ることは多いのだが、
今回もlyraの音色に初めて出会う。

Sokratis Sinopoulosの奏でるlyraは、
オリエンタルに響くこともあれば、
アイリッシュフィドルのようにも聞こえたりと、
各楽曲によって様々な表情を見せる。

しかし、なによりも驚くのは、この古代からの楽器lyraが、
ジャズアプローチのPiano Trioに取り込まれ、
Quartet編成となって演奏されると
極めて現代的な音楽として2015年の今に響き渡るということだ。
単なる、いにしえの民族楽器の響きを楽しむというレベルではなく、
現在進行形のアートフォームとしての存在感がそこにはある。
それは、ジャズが最もコンテンポラリーな音楽フォームであることの証明でもあろう。


こういう未知の音楽体験を得られるが故、ECMのカタログを追いかけることになるのだ。


古代からの楽器が現代的なアートフォームに向かい入れられることによって得られる
極めてコンテンポラリーな空気感は、
同じくECM作品ではoudを奏でるAnouar Brahemも同様で、
機会があれば、是非、こちらも一聴を。


「ギリシアの誘惑」から20年以上が経った今、lyraの音色によって
再びギリシャへ想いを馳せることになったのだけれど、
やはりデフォルトの危機に揺れる国へ出向くのは現実的ではない。
しばらくは、このSokratisの作品を聞きながら
lyraの音色がアテネの街角に響く様を
想像して過ごすこととしようか。


文:平井康二


【Sokratis Sinopoulos Quartet - Thrace】






●Sokratis Sinopoulos facebook
https://www.facebook.com/sokratissinopoulos





Recommend Disc

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Title : 『Eight Winds』
Artist : Sokratis Sinopoulos Quartet
LABEL : ECM(2407)
RELEASE : 2015.8.28

アマゾン詳細ページへ


【MEMBER】
Sokratis Sinopoulos: lyra
Yann Keerim: piano
Dimitris Tsekouras: bass
Dimitris Emanouil: drums


【SONG LIST】
01. Eight Winds
02. Yerma
03. 21st March
04. Thrace
05. Aegean Sea
06. In Circles
07. Lyric
08. Street Dance
09. Forever
10. 21st March (Variation)
11. Stillness
12. Eight Winds (Variation)


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「Monthly Disc Review 平井康二」アーカイブ平井康二

2015.4.1 ・2015.5.1 ・2015.6.1 ・2015.7.1 ・2015.8.1 ・2015.9.1




Reviewer information

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平井康二(cafeイカニカ オーナー)

1967年生まれ。レコード会社、音楽プロダクション、
音楽出版社、自主レーベル主宰など、約20年に渡り、
音楽業界にて仕事をする。
2009年、cafeイカニカをオープン
おいしいごはんと良い音楽を提供するべく日々精進。


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cafeイカニカ

●住所/東京都世田谷区等々力6-40-7
●TEL/03-6411-6998
●営業時間/12:00~18:00(毎週水、木曜日定休)
お店の情報はこちら

bar bossa vol.50:bar bossa

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vol.50 - お客様:林下英治さん(HADEN BOOKS)


【テーマ:僕の人生を変えた女の人の歌】





いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今回はヘイデンブックスの林下英治さんをお迎えしました。


林;こんばんは。お飲物はどうしましょうか?


林下;まずは、リースリング(白ワイン)をお願いします。


林;品種指定ですね(笑)。


林下;僕にとってリースリングは飲みはじめの潤滑油のような、辛口なのに甘さ、優しさを感じる、スタートするのにはうってつけのアルコールなのです。


林;なるほど。それでは、ジュリアン・メイエのリースリングをどうぞ。では、林下さんの簡単なプロフィールを教えていただけますか。


林下;1977年9月20日、青森県三沢市という、太平洋沿いにある小さなところです。人口4万人ちょっとなのですが、MISAWA AIR BASE(三沢空軍基地)という基地があって、今思えば、青森県の中でもちょっと異質な市ではなかったのかな、と思います。


林;三沢なんですね。音楽は小さい頃はどういうものを聞いていましたか?


林下;畑に囲まれた街中から外れたところに実家はあったので、街に出る時や塾に通う時にはいつも、母親が運転する車中で、母が好きだったと思われる、井上陽水、小椋佳さん、来生たかお、安全地帯、が流れていたことを覚えています。僕自身がはじめて買ったのはカセットで小泉今日子さんの「Celebration」で、幼稚園6歳か、小学校1年生の時だと、記憶しています。今、調べてみてビックリしたのですが、アルバムタイトルにもなっている「Celebration」が 作詞:田代 マサシ / 作曲:鈴木 雅之 でした!この曲に関しては、まったく覚えていないのですが、、、カセットのジャケットと貼っていたポスターが全体的に真っ赤で「まっ赤な女の子」の「まっ赤な、まっ赤な女の子↑」と"子"の部分が声を高く上げるのが、とてもかわいらしく、楽しくして、真似をしていたことも、良く覚えています。


林;子! ですよね。


林下;小学6年生の時に、両親が新築の家を建てたのをきっかけに?!貯金していたお年玉で、パイオニアのステレオセットを買ったことを覚えています。当時、中森明菜さんがCMをしていたコンポだったと思います。たぶん、16万円くらの高価なヤツです。それで聴いていたのは、何と!ビートルズでした。当時、仲良くしていた恵美子ちゃんのお兄さんが、東京の大学を卒業して、地元の市役所に就職したらしく、お兄さんが家にいない間に、こっそりと色々とレコードを見せてくれて。でも、お兄さんには内緒でこっそりと部屋に入り込んでいるので、バレたらまずい、ということで、レコードは見せてくれるだけで、聴かせてはくれなかったんですね。でも、本当に色々とレコードを見せてくれて、、、。そして、中学生になってから、いろいろと見せてもらっていたレコードのジャケットを頼りに、CDを買い始めるようになりました。合わせて、父親がレコードをそこまで多くはなかったのですが、持っていたので、こっそり聴かせてもらっていたのが、森山良子さんやベッツイ&クリスや、サウンド・オブ・ミュージックなど、でした。


林;ご両親の趣味が、意外と林下さんに影響を与えていそうな気がしてきました。良いですねえ...


林下;ですが、高校生の頃に、クラブに行き始めるようになって、ヒップホップやR&Bを聴くようになりました。さっき話したように、人口4万人の小さな青森県三沢市でしたが、MISAWA AIR BASE(三沢空軍基地)という基地があったので、街にはクラブが3,4件あって、街から外れたところに住んでいた僕は下宿している友人のところでテスト勉強をする、という名目で外泊をして、週末はクラブに行っていました。その時、聴いていたのは、女性だと、アリーヤやブランディー、メアリーJブライジ、TLC、男性だとクリスクロスやウォーレンG、ノートリアスBIGやスヌープドギードック、ブラックシープ、アトライブコールドクエスト、ファーサイド、だったと思います。


林;おお、突然! さすが三沢!


林下;高校生の頃は、実際に接したことがあって、かっこいいと思える職業が「美容師」だったんですね。だから、僕は好きでよく通っていた美容室に就職して、シャンプーボーイや受付の仕事をしながら、通信教育を受けながら美容師になりたいと思って、僕自身はそう決めていたのですが、高校の三者面談でそのことを伝えると両親と担任の先生に猛反対を受けてしまい。。。両親は車を買ってあげるから、当時開校したばかりの公立の大学に進むか、手に職でも、美容師ではなく、寿司職人になりなさい、といわれ、両親の知り合いの寿司割烹の店でアルバイトをさせられ、伯父さんが教官として働く自動車学校に通わされ、免許をとりました。それに対して、担任の先生からは「この子は一度。東京に行って来たほうがいいですよ。私が責任をとって、大学に入れてみせますから」と、両親に言い放ってくれて、大して成績も良くなかったのですが、僕一人に対して、指定校推薦を二校も出してくれて、、、結果、東京に行くことになりまして、東京での遊楽生活がスタートしました。


林;担任の先生って意外と生徒の人生を左右させるものなんですね。


林下;大学に行くために東京に行く、という意識ではなく、東京に行くために大学に入学した、という意識が強かったので、自動的に大学には通わずに(4年間で100日も行っていなかったような気がします)、大学1年生の時の成績が本当に酷かったみたいで、僕。翌年の指定校推薦の枠が僕のせいで無くなった、という後輩たちには申し訳ないことをしてしまいました。

で、大学に行かずに何をしていたのかというと、焼肉屋でアルバイトなどをしていました。生まれ育った場所が太平洋沿いだったということ、高校3年生の頃のアルバイトが寿司割烹の店、ということもあり、日々の主食が魚貝、水産物中心だったので、肉に飢えていたのでしょうね。上京してすぐにオープニングスタッフとして入った焼肉屋の店長が本当にいい加減な人で、、、アルバイトのスタッフはどんどん辞めていくし、店長は休憩中にパチンコ屋に行って戻ってこなくなるし、、、そこで真面目に?!働いていた僕はオーナーに気に入られたのか、はたまた使われていただけなのか、気がついたら副店長みたいになっていて、鍵を開けるところから、レジ閉め、入金までするようになっていて、ランチから夜まで、正社員のようでした。しまいには、オーナーが新しく始めたスナックの金庫番として。。。焼肉屋の仕事の後は、深夜にスナックで、ボーイとして店長が店の売り上げをポケットに入れないように、金庫番をしていました。スナックの営業は2時か3時まで、その後は始発まで、店のカラオケで歌いながら、毎日違うお客さんのボトルから少しづつ、ウィスキーやブランデー、焼酎を飲みながら過ごす、という生活を。はたちの頃までしていました。


林;その頃の経験がかなり林下さんを作り上げていると僕はみました(笑)。


林下;今思えば、その頃が一番収入があったと思います。そのお金で、洋服や本、CDやレコードを思う存分、買いあさっていたと思います。そうした時に、自分の進路を、好きなモノや事を考えた時に、ふっと「雑誌の編集者」だと思いついたんです。振り返れば、多感な中学生・高校生の頃に実家が本屋ということもあって、本が雑誌がすぐ近くにあったんですね、特に雑誌は僕にとってテレビよりもラジオよりも信頼出来る、細やかな情報源でした。当時、読んでいたのは男性誌だと「メンズノンノ」「チェックメイト」「ポパイ」「アサヤン」、女性誌だと「キューティー」「オリーブ」「ゾラ」などでした。


林;そこでまた突然、雑誌ですか!


林下;大学2年生の頃に【 パレットクラブ・PALETTE CLUB 】というスクールにも通いはじめていました。イラストレーターの故ペーター佐藤さん、原田治さん、安西水丸さん、当時マガジンハウスのアートディレクターをしていた新谷雅弘さんの4人により発足したスクールで僕は1期生か2期生として通っていたのですが、当時、開設したばかりのそのスクールには編集者養成コースもあって(現在はイラストレーター養成コースのみ)、僕にとって勉強にはなりませんでしたが、とても刺激的な場所でしたね。通い始めたのと同時期に「メンズノンノ」の読者モニターというのに応募したら、運良く受かって、それがきっかけで、当時の副編集長だった古林さんに見込まれたのか、ライター見習いとして「メンズノンノ」のカルチャーページで、取材や記事を書かせてもらうことが出来ました。そのまま集英社の社員になったら、という言葉を真に受け、就職試験を受けたのですが、学力のなかった僕は見事に大敗。じゃあ、そのままフリーランスにライターになったら、と勧められたものの、本当にライター業だけで生活していくことが出来るのだろうか、と考えあぐねているときに、結果、14年間勤めることとなる「SWITCH」や「COYOTE」などを発行する出版社スイッチ・パブリッシングに、大学4年生の秋に、アルバイト入社することが出来たのです。
 大学4年生の秋にアルバイト入社した出版社に、そのまま35歳まで14年間勤めることになるのですが、そこでは1冊の本が、雑誌が出来るまでの全ての過程を見て、経験して、仕事をさせてもらったと感謝しています。特に、後半7年間はその出版社が直営の本屋とカフェを立ち上げるタイミングで、本屋とカフェの店長を7年間勤めました。出版社に入ったのに、なんで僕はコーヒーを淹れたり、カレーを仕込んだりしているんだろう、とアレッと思うこともあったのですが、雑誌の編集長をする感覚で、その場所のプロデューサー・オーガナイザーとして、通常の本屋とカフェ営業に加え、トークイベントやライブ、個展などを企画出来たり、あと、雑誌や本を編集し販売している時には見えていなかった実際の読者の方の存在を意識出来たり、知る事が出来たのは、とても勉強になりました。


林;なるほど。そういう経緯だったんですね。ヘイデンブックスのこともお話いただけますか。


林下;現在は、東京・南青山に 音と言葉 " ヘイデンブックス " HADEN BOOKS:by Green Land という場所を営みはじめて、この9月で2年になります。本屋にカフェスペースを併設していることもあり、ブックカフェという敬称で紹介されることも多いのですが、僕自身、飲食店としてのカフェを運営しているという意識はないかもしれません。長年、書籍や雑誌を作っている現場にいた経験を生かして、空間という媒体を作った意識で、音=音楽、言葉=本という表現を中心に、作家やミュージシャン、アーティストと称される人たちと、それを求めたり、そうなりたいと目指す人たちが、同じ場所で、話したり、交流したりする空間=サロンとして、おもしろがってもらえたらいいな、と思っています。なので、積極的に個展を開催したり、展示会を開いたり、ライブを企画したり。広くはない店に、アップライトのピアノを置いたのも、僕自身は全くピアノは弾けませんが、普段からピアノを弾いたり、楽器を持っている人などが、突発的に演奏を始めたり、などと。面白い光景を目の当たりすることも多くありますね。


林;良いですねえ。


林下;場所を作る、開く、ということは、自分自身の美意識を見せつける、ということではなく、醸す程度にとどめておいて、それに欲発された、おもしろがってくれる方々に、いかにおもしろがってもらえるのか。もてなすことが出来るのか。ギャラリーとしての機能も果たしていますが、僕の場所は正式な正当なギャラリーではないので、あくまで、展示をされている作家の方や、その展示を観に来ていただいている方々に、どう気持ちよくなってもらえるのか。おもてなしの心で、サービス業として、日々営んでいるような気がします。店を作る、につづいて、続ける、ことの大切さとしては、自分自身の美意識(好き嫌い)をはっきりと持ちつつ、これらは見せずに醸す程度にする。そして、時代や面白がって来てくださるお客さんを店や自分自身の映し鏡として柔軟に、姿というか、店の雰囲気を、変えていく。今という時代とうまく共鳴していうことが、続ける、ということにおいて大切ではないかな、と思っています。


林;みんなにこれからの音楽のことを質問しているのですが、どうお考えですか?


林下;僕は本屋でもあるので、お店では、新刊や古書を仕入れ、販売しています。店の名前を 音と言葉 " ヘイデンブックス " HADEN BOOKS:by Green Land  としたのは、音楽も販売したかったからです。
アーティスト本人からCDやレコードを預かって販売したり、ライブを企画して開催したりしているのですが、本と同じく、音楽も、どんどんデジタル化してきて、プロダクトとしてのアナログ(CDやレコード)は売れにくくなっていることも日々、目の当たりにしています。写真に関しても、アナログからデジタルに移行して、デジタル写真がこれほどまで主流になるなんて、思ってもいませんでした。ただ、実際にデジタルの気軽さ、速さ、便利さ、などは普段の生活の中で、とても役に立っていると思います。

僕自身が出来る、提案出来る役目として、アナログとデジタルの両方の良さを知っている中間の世代として、アナログとデジタルの使い分け方、みたいなものを音楽に関しても、本に関しても、伝えることなのかな、と思っています。ノスタルジックな音楽や文学に関しては、耳ざわりや手触りの良さを実感できる、アナログや単行本が良いし、普段の生活の中で持ち歩くのに便利な、移動中や旅先などでは、ダウンロードで音楽をその場やシチュエーションに応じて、編集するようにダウンロードすればよいし、文庫本を買う代わりに、電子書籍で、今読みたい、今勧められたものを、その場で購読するのも良いし。

ただ、僕個人としては、作り手の顔と実際の作品(商品)を知ったうえで、より深い愛着が生まれると思っているので、ライブ会場でCDを買ったり、本屋さんで、たまたま手に取ろうとした本の横にあった、初めて目にするタイトルや作家名に興味を持って買ってみる、など、人の温もりや偶然性を楽しむ、みたいな。そんなゆとりを増やしたり、提案出来るような人や場所を続けていきたいと思っていますし、そんな音楽や本の在り方を望む人たちは、これからものすごく増えることもないと思いますが、急激に減り続けることもないと思うので、これからの音楽の在り方を理解しつつ、これまでに感じてきたアナログな音楽や本の良さを、じわじわとじりじりと伝え続けていきたいと思います。


林;これからのことなんかも教えていただけますか。


林下;音と言葉 " ヘイデンブックス " HADEN BOOKS:by Green Land をオープンして2年になります。36歳でオープンして、38歳で軌道にのせる。というライフプランはなんとか達成出来ました。あわせて、オープンする時に思い描いていたのが、40歳になったら個人から企業にする、ということ。青森出身の田舎者が東京・青山に個人で場所を開く、というストーリーは僕自身も、まわりにいる方々も面白がってもらえて「本当に出来るんだ!」ということがわかったので、次は僕自身が店の外に出て行くという環境を整えたい。僕がいなくても、店の営業が出来たり、僕目当てで来ていただいてるお客さまにとって、もっと魅力的なスタッフを何人か雇えたり。
元々、編集者なので、一つの場所に留まって、送っていただいたり、紹介していただく表現や情報の中から選び取る、というだけではなく、自分自身がロケハンに行ったり、取材をしに行くような感覚で、東京だけでなく日本各地に点在する魅力的な人たちに会いに行きたい。そして、もし共感出来たら、その表現を広げる、繋げる、橋渡しのような役目を、今いる場所、音と言葉 " ヘイデンブックス " HADEN BOOKS:by Green Land から発信していきたいと思っています。そして、旅する " 音と言葉 " ヘイデンブックス " HADEN BOOKS:by Green Land " として、日本各地を巡業していけたら、と願っています。


林;素敵ですね。林下さんの「旅」期待しております。それでは、みんなが待っている10曲ですが、テーマは何でしょうか?


林下;「僕の人生を変えた女の人の歌」です。

前職の出版社勤務時代に「この仕事に就けて、よかったなぁ〜」と思う瞬間がいくつもあったのですが、その極みが「好きになった人や興味を持った人に、自分から声を掛けたり会いに行ったり、紹介してもらえる!」ことだったんですね。もともと、そもそも、ファンのひとりにすぎないのですが。好きになった人(表現者)を自分が世に伝えていく、というのが編集者・出版社の務めだと思っていたので、ラブレターを書くように連絡を取って会いにいったり、時には押し掛けたり(楽屋に挨拶、という程度ですが)、、、。積極的に動いて、ご本人やマネジャーを通じて、自分の想いを伝えてきました。今もそれは続けて、続いているのですが、これは恋愛感情にとても近いような気がするんですね。「好きだ!好きだ~!」と言い続けていると、、、。今では、友人知人がその方をお店に連れて来てくださったり。そうやって出会った、僕の人生を変えてくれた、豊かにしてくれたといっても過言ではない。そんな女性シンガーを10人紹介しますね。


01. いきのこり●ぼくら / 青葉市子

林下;初めて会った当時、青葉市子さんはまだ、たしか21歳でした。初めて会った日がそのまま前職の場所でのライブ開催日だったのですが、生で聴いて「二十代のシンガーソングライターでここまでの世界観を確立出来るんだ!」と衝撃を覚えた唯一無二の存在です。圧倒的なギターのテクニック。包み込まれたかと思うと、ギュっと突き放したりする歌詞とメロディ、その多様性。その後、公私ともに仲良くなって、しばらく会えない期間にリリースされたこの曲を聴いた時は「市子さんはやっぱり宇宙まで創ってしまった!」と感激した。20代の表現者ではダントツ!安心と信頼の出来るアーティストです。


林;PVがこれまた良いですねえ。


02. ワルツ〜他人の顔 / CHORO CLUB with 松田美緒

林下;松田美緒さんは日本だけでなく、中南米でも勢力的にライブやコンサートを行っているワールドクラスの女性シンガー。ネイティブなポルトガル語やギリシャ語で歌う彼女の歌もとてもすばらしいのですが、ここ数年は日本語の歌も歌っていて。のびやかに、ていねいに、美しく日本語を歌で伝えてくれる。僕は彼女が歌う、この「他人の顔」を聴いて、もっともっと日本語の歌を、日本の古い、美しい歌を歌って欲しいと思っていて、


林;彼女が歌うと日本語がもう一度洗い直された感覚がしますね。不思議です。


03. 夜と雨のワルツ / 畠山美由紀

林下;畠山美由紀さんの歌は僕にとって、もしかして畠山さんのファンの皆さんにとっても「僕ら世代の演歌」ではないのかな、と確信しているんですね。歌謡曲でなくて演歌。しみじみと聴き入って、ずっしり響いてきて、口ずさみたくなる、まさに演歌。中島ノブユキさんによるこの曲は特にモダンでインテリジェンスな演歌だと僕は思っていて、ライヴでこの曲を聴いた時も、まさに「畠山美由紀劇場」を観ているようで、メロメロに狂わされてしまいました。同じ東北の血が過多にそう思わせているのかもしれませんが。


林;この感覚は「東北の血」なんですね。


04. ドント・ノー・ホワイ / 原田知世 feat ジェシー・ハリス

林下;原田知世さんとは同郷青森県出身の友人でもある伊藤ゴローさんなどを通じて出会いました。もともと、ずっとファンで追いかけてきた知世さんですが、女優としての知世さんとシンガーとしての知世さんが伊藤ゴローさんと一緒に音楽をすることによって、どんどん馴染み合っているのでは、と思っていて。このカヴァー曲はその幸せな感じが溢れている、今の知世さんを象徴するようで、幸せに溢れた最高の一曲です。そして、大好きです。


林;原田知世さんってずっと「原田知世」で、彼女以外に原田知世はありえない、希有な存在です。


05. 「エーデルワイス / yuri-koda(甲田益也子(dip in the pool)x宮内優里)

林下;2010年から3年間、Ed TSUWAKI さんと一緒にクリスマスイヴにイべントを企画開催していたのですが。その企画では、Edさんがキュレーションしたアーティストを迎えてのクリスマスコンサートも開催していたんですね。これは、2011年12月24日にご一緒した甲田益也子さんと宮内優里さんの一晩限りのユニット " yuri-koda " の貴重なコンサート映像です。甲田さんが「エーデルワイス」を小西康陽さんのアルバムの中で歌われていて、とても素晴らしかったので「ぜひ!聴きたいです。リクエストします!」と言ったら叶えてくださった、僕にとっては思い出深い一曲です。いつか、また、再結成コンサートをクリスマスイヴに開催出来たら、と願っています。


林;それはすごいですね。また是非、開催してください!


06. Yakiimo / Simone White

林下;シモーヌ・ホワイトさんは " ヘイデンブックス " としては初の海外アーティストのライブを開催していただいた、記念すべき人でもあるんですね。とてもセンシティブな方だと聴いていたので、お会いする前はかなりドキドキしていたのですが、実際にお会いして、ご一緒してみると、この曲「やきいも」のように、とてもチャームングでユーモアがあって、好奇心旺盛な、優しい人で、やっぱり惚れちゃいましたね。今でも交流は続いていて、ぜひ次回も!来日公演の場所としてヘイデンブックスを指名してくださって、ギター弾き語りのコンサートをみなさんに観て聴いていただけたらと願っています。


林;林下さんにはそういうセンシティブなアーティストの何かをとらえる何かがあるんだと思いますよ!


07: A Case of You / 寺尾紗穂

林下;寺尾紗穂さんが歌う、ジョニ・ミッチェルの「A Case of You」。さすがだなぁ〜、と思ったのは、寺尾さん自身が訳して日本語で歌っているんですね。これまでにもたくさんのアーティストがカヴァーしてきたと思うのですが、プリンスより、ジェイムス・ブレイクよりも、寺尾紗穂さんが歌う「A Case of You」が僕は大好きです。自身で訳して、弾いて、歌っている時点で、もうそれは寺尾紗穂さんのオリジナル曲になっているんですよね。とにかく美しい、みずみずしい時間です。


林;なんかすごいカヴァーですね。寺尾紗穂さん、実はご実家が僕の自宅のすぐ近所で、たまに子供と一緒の姿を見かけます。


08: 胸の小箱 / 浜田真理子

林下;浜田真理子さんの歌を教えてくれたのが、僕にとっては最初で最後の信頼出来るバーテンダーでありシニアソムリエの鬼塚さんという方だったんです。彼との出会いがなかったら、僕は「毎晩お酒を愉しむことも、浜田真理子さんという日本のブルースシンガーの存在も知らないままだったかもしれない。」そのことを先日、浜田真理子さんご本人に直接話す機会がありました。「ご縁ですね」と喜んでくれて、前売り券がソールドアウトだったライブに席を用意してくれて、お会い出来た翌日に、生で歌まで聴かせていただけた。今一番、ヘイデンブックスでライヴをご一緒したい、僕にとっては日本のブルース・シンガーのレジェンドです。


林;そういう人との出会いで、アーティストを知っていくというのが、本当に林下さんらしいエピソードです。


09: ヘブン / ふちがみとふなと

林下;ふちがみとふなと。熊本で本屋とカフェ " 橙書店/Orange " を女ひとりで営む、友人でもある田尻久子さんから「林下さん、一緒に見ましょう」と見せられたのがこの ふちがみとふなと のライヴ映像だったんですね。旅先の本屋で「そんな〜、まさか〜」という衝撃を覚えたことを今でもクッキリ・ハッキリと覚えています。人生の酸いと甘さを、儚さと憂いを、庶民的に、ア−ティステックに歌う ふちがみさん と奏でる ふなとさん。知らないと人生損します!と言い伝えたくなるような、僕にとってはそんな偉大な存在です。


林;すいません。僕も知りませんでした。すごく迫ってくるものがありますね。うわー、すごいです。


10: 100% / 小泉今日子

林下;幼稚園生の頃から38歳になる今まで。そこまで長く、同じままの気持ちで好きな女の人は小泉今日子さん、しかいない僕です。アイドルを経て、歌手として、女優として、文筆家として、常に第一線で活躍しつづける小泉今日子さんが今なおアイドルでもある、というのがこの曲を聴いていると、とてもよくわかるんです。ワクワクしてきて、どうにもならない気持ちになる。100%を満たしてくれる、永遠のアイドル=理想の恋人、小泉今日子さんです。


林;理想の恋人なんですね。そうでしたか。林下さんと何度も話し込んだ気がするのですが、知りませんでした。聞いてみるものですね。


林下さん、お忙しいところ、どうもありがとうございました。
ヘイデンブックスさん、すごく素敵なお店ですよ。みなさん是非、行ってみて下さい。


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もうすっかり秋ですね。
最近はハロウィンがすっかり日本に定着しましたが、そんな予定もありそうですね。
それでは、また来月、こちらのお店でお待ちしております。


bar bossa 林伸次


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林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

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●TEL/03-5458-4185
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12:00~15:00 lunch time
18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
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