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曽根麻央 Monthly Disc Review2026.7_Herbie Hancock : Round Midnight :Monthly Disc Review


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Title : 『Round Midnight: Original Motion Picture Soundtrack』
Artist : Herbie Hancock



みなさんこんにちは、曽根麻央です。
今日は1986年のジャズをテーマにした映画『Round Midnight』から、そのサウンドトラックとしてのアルバムを紹介したいと思います。


パリを舞台に架空のジャズレジェンド「デイル・ターナー」の晩年を描く映画で、ターナー役には60年代以降、実際にヨーロッパに拠点を移し活動していたジャズ・レジェンド、デクスター・ゴードンが担当しているということも面白いですね。
ターナーのキャラクターや物語は、実在のジャズ・ピアニスト、バド・パウエルがパリで活動していた時の記録や、レスター・ヤングのエピソードが元になっているそうです。パウエル自身、薬物やアルコール中毒で寿命を縮めた人物であり、この映画の主人公であるターナーもまた、モダンジャズを作り上げた世代のミュージシャンを悩ませ苦しめた依存症に苦しむ一人として描かれています。ターナーを演じるデクスター・ゴードンも薬物使用の過去からアメリカで仕事が取れず、実際にヨーロッパに移住した経歴の持ち主です。当時の音楽界の問題をクローズアップした映画となっています。


全体の音楽はハービー・ハンコックが監督しており、配信上ではハンコック名義のアルバムとなっています。演奏シーンの音楽は、ハンコックやゴードン、ビリー・ヒギンズ、フレディ・ハバードといった名手が、スクリーンの中でもサウンドトラックの中でも実際に演奏して出演しているような形になります。
今回はあまりストーリーには深く触れず、サウンドトラックをあくまで一つのアルバムとして聴いていこうと思います。


私が幼い頃に観た記憶だと、どうしてもこの80年代の音楽映画特有の、一般の家庭用テレビのスピーカーでは詳細が聴こえてこないミックスが受け入れられず、正直あまり音楽に集中できなかった思い出があったのですが、このサウンドトラックはそんなことはなく、かなり生々しく素晴らしいメンバーの演奏を記録しています。
参加ミュージシャンも素晴らしいですが、やはりサウンドトラックなので各曲ごとにメンバーが入れ替わり立ち替わりしています。


1. "Round Midnight"
ハービー・ハンコック (Piano) / ロン・カーター (Bass) / トニー・ウィリアムス (Drums) / ボビー・マクファーリン (Vocal)
マイルス・デイヴィスのリズムセクションに、シンガーのボビー・マクファーリンが参加しています。
マクファーリンがスキャットでメロディーを歌います。デイヴィスのバンドのアプローチを基調としつつも、ハンコックがオリジナルにはない漂うようなコード進行を新たにつけており、それとベースのロン・カーターが音楽の主導権を交互に保ち合うかのような、絶妙なバランスでのせめぎ合いが際立ちます。
さらに、トニー・ウィリアムスのサウンドもとても鮮明に良い状態で記録されていて、ピアノソロ以降のスウィングの場面でのシンバルの鮮やかなタッチを聴くことができます。


2. "Body and Soul"
ハービー・ハンコック (Piano) / デクスター・ゴードン (Tenor Saxophone) / ピエール・ミシュロ (Bass) / ビリー・ヒギンズ (Drums) / ジョン・マクラフリン (Guitar)
主演のデクスター・ゴードンが吹いているトラック。
基本的に、ゴードンの参加トラックは劇中でのライブハウスの演奏シーンと思っていただいて良いと思います。あくまで予想ですが、ジャズミュージシャンがカメラの前で完璧に当て振りができるとは思えないので、映画の撮影ではおそらく映像と音を同時に収録しつつ、インサートを重ねているように見えます。なので、演奏シーンはほぼライヴ録音と言えるかなと思います。


3. "Bérangère's Nightmare"
ハービー・ハンコック (Piano) / ピエール・ミシュロ (Bass) / ビリー・ヒギンズ (Drums) / ジョン・マクラフリン (Guitar)
ハービーの手で弦をミュートしたサウンドと、ギターのエフェクトが絡む少し奇妙な一曲。おそらくサウンドトラックとしてBGM的な役割の曲だと思います。


4. "Fair Weather"
ハービー・ハンコック (Piano) / ピエール・ミシュロ (Bass) / ビリー・ヒギンズ (Drums) / チェット・ベイカー (Vocal & Trumpet)
なんと、シンガー・トランペッターのチェット・ベイカーが参加しているテイクです。
今日執筆するまでこのトラックの存在を知らなかったのですが、ベイカーとハンコックの共演ってあったんですね!ジャズファンとしてはちょっと熱くなりました。
ハンコックの独特な和声と、意外にもチェットの歌声やトランペットで作る即興のメロディーラインがはまっている気がしました。特にチェットの歌は柔らかいからふわっとしてると思われがちですが、実はとてもチューニングが正しいんです。だからかもしれませんが、複雑な和音にも正しくサウンドしています。
バラード曲で全員の力が抜けていて、まさにマエストロ同士の共演といったものになっています。


5. "Una Noche con Francis"
ハービー・ハンコック (Piano) / デクスター・ゴードン (Tenor Saxophone) / ウェイン・ショーター (Tenor Saxophone) / ボビー・ハッチャーソン (Vibraphone) / ピエール・ミシュロ (Bass) / ビリー・ヒギンズ (Drums)
こちらも意外な組み合わせで、ゴードンとウェイン・ショーターの掛け合いソロが聴けてしまいます。映像なしで耳だけ傾けていると、実は二人のタイム感や音色、アプローチが少し近く、油断しているとどちらの演奏だっけとなってしまいます。
おそらくですが、年齢的にもウェインが影響を受けてきたのではないかと思います。


6. "The Peacocks"
ハービー・ハンコック (Piano) / ウェイン・ショーター (Soprano Saxophone) / ピエール・ミシュロ (Bass) / ビリー・ヒギンズ (Drums)
ピアニスト、ジミー・ロウルズが書いた美しいバラード曲を、ショーターとハンコックの名コンビで演奏しています。


7. "How Long Has This Been Going On?"
ハービー・ハンコック (Piano) / デクスター・ゴードン (Tenor Saxophone) / ロネット・マッキー (Vocal) / ピエール・ミシュロ (Bass) / ビリー・ヒギンズ (Drums) ロネット・マッキー(Lonette McKee)
という、私もこの映画でしかお名前を存じ上げなかった女優さんが素晴らしい歌唱を披露しています。調べると、元々はデトロイト出身のシンガーだったのですが、ミュージカルへの出演を機に俳優として、またフィルムメーカーとして映像の世界にも携わっている多彩な人物のようです。
ニュースクールでフィルム・ディレクティングを勉強したり、バレエを本格的に習ったりと、かなり熱心に多方面の教養を得ようとする人物であるとプロフィールを読んで感じました。実際、こちらの歌唱も素晴らしいです。


8. "Rhythm-a-Ning"
シダー・ウォルトン (Piano) / フレディ・ハバード (Trumpet) / デクスター・ゴードン (Tenor Saxophone) / ロン・カーター (Bass) / トニー・ウィリアムス (Drums)
ピアノがハンコックから交代し、シダー・ウォルトンが参加。そしてトランペットの名手フレディ・ハバードがセッションをしているトラックです。


9. "Still Time"
ハービー・ハンコック (Piano) / デクスター・ゴードン (Soprano Saxophone) / ピエール・ミシュロ (Bass) / ビリー・ヒギンズ (Drums)
ハンコックのオリジナルソング。ゴードンのソプラノサックスはあまりイメージがわかない方も多いのではないでしょうか? 実際私もあまり聴いたことがなかったのですが、とてもストレートにはっきりとしたタンギングで区切るようなアーティキュレーションはテナーの時とあまり変わらず、彼の歌い方を感じることができます。
(※公式のクレジット等ではテナーと表記されていることもありますが、実際の音を聴く限りこれはソプラノです。)


10. "Minuit aux Champs-Elysées"
ハービー・ハンコック (Piano) / ボビー・ハッチャーソン (Vibraphone)
ピアノとヴィブラフォンはとても特別なデュオの形式ですね。以前チック・コリアとゲイリー・バートンの『Crystal Silence』というアルバムをこちらのレビューでも紹介しましたが、その二人とはまた違ったアイデンティティを持つ二人の名手によるデュオです。
ピアノもヴィブラフォンも同じく鍵盤の形をした打楽器の一種ですが、音のアタックと、その後の音の減衰速度が違うので、他の組み合わせとは違ったサウンドのデュオになります。
またヴィブラフォンはファンを回すことでヴィブラートもかけられるので、それもユニークなカラーとなります。


11. "Chan's Song (Never Said)"
ハービー・ハンコック (Piano) / ロン・カーター (Bass) / トニー・ウィリアムス (Drums) / ボビー・マクファーリン (Vocal)
ハンコックとスティーヴィー・ワンダーによる共作。美しく流れるハーモニーと、とても印象に残るメロディーで成り立っています。
マイケル・ブレッカーのアルバム『Nearness of You』での演奏が有名かもしれませんが、こちらのサントラ版がオリジナルのようです。


このように多様なメンバーによる、あらゆるスタイルのジャズが収められたアルバムとなっています。ぜひ聴いてみてください。



文:曽根麻央 Mao Soné



Recommend Disc

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Title :『Round Midnight: Original Motion Picture Soundtrack』
Artist : Herbie Hancock
LABEL : CBS
発売年 : 1986年



アマゾン 


【SONG LIST】

1. Round Midnight
2. Body And Soul
3. Berangere's Nightmare
4. Fair Weather
5. Una Noche Con Francis
6. The Peacocks
7. How Long Has This Been Going On?
8. Rhythm-A-Ning
9. Still Time
10. Minuit Aux Champs-Elysees
11. Chan's Song (Never Said)



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Reviewer information

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曽根麻央 Mao Soné

曽根麻央は2018年にジャズの二刀流として、 2枚組CD『Infinite Creature』でメジャー・デビュー果たしたトランペッター、ピアニスト、作曲家。

 幼少期よりピアノを、8歳でトランペットを始める。9歳で流山市周辺での音楽活動をスタートさせる。18歳で猪俣猛グループに参加し、同年バークリー音楽大学に全額奨学金を授与され渡米。2016年には同大学の修士課程の第1期生として首席(summa cum laude)で卒業。在学中にはタイガー大越、ショーン・ジョーンズ、ハル・クルック等に師事。グラミー賞受賞ピアニスト、ダニーロ・ペレスの設立した教育機関、グローバル・ジャズ・インスティチュートにも在籍し、ダニーロ・ペレス、ジョー・ロバーノ、ジョン・パティトゥッチ、テリ・リン・キャリントン等に師事、また共演。
 これまでにニューポート、モントレー、モントリオール、トロント、ドミニカ等の国際的なジャズ・フェスティバルに出演。
2017年には自己のバンドでニューヨークのブルーノートやワシントンDCのブルース・アレイ等に出演。2018年メジャー・デビュー。2019年には故・児山紀芳の代役でNHK-FM「ジャズ・トゥナイト」の司会を担当。また2020年公開のKevin Hæfelin監督のショート・フィルム「トランペット」の主演・音楽を務めるなど、演奏を超えて様々な活動の場を得ている。

 曽根は国際的に権威ある機関より名誉ある賞を数々受賞している。
2014年度フィラデルフィア『国際トランペット協会(ITG)ジャズ・コンペティション』で優勝。
同年『国際セロニアス・モンク・ジャズ・コンペティション』にて13人のファイナリストに世界中の応募者の中から選出。
2015年に地元・流山市より『ふるさとづくり功労賞』受賞。
2016年アムステルダム『"Keep An Eye" 国際ジャズアワード』にて優勝。

曽根麻央Official Site

My First Jazz Vol.99-矢野沙織:My First Jazz

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Title : 『Word of Mouth』
Artist : Jaco Pastorius


サックス奏者の矢野沙織です。
自分が一枚アルバムを選ぶとしたら、Jaco Pastorius『Word of Mouth』です。
このアルバムは凄く天国的で、多幸感が強く、素晴らしい一枚です。

収録されている中でも特に「John And Mary」という曲。
Jacoの息子さんと娘さんの笑い声が聞こえてきたり、ハミングや歌が入っていたりと
とても幸せを感じられる曲に仕上がっていて
自分が子供を産んで、改めてこの曲に向き合ってみると
当時Jacoがどれだけ子供に愛情を注いでいたか、ということが認識できて涙なしには聴けない、そんなアルバムだなと思います。


矢野沙織






My First Jazz

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Title : 『Word of Mouth』
Artist : Jaco Pastorius
LABEL : Warner Bros. Records
RELEASE : 1981年


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【SONG LIST】
01. Crisis
02. 3 Views Of A Secret
03. Liberty City
04. Chromatic Fantasy
05. Blackbird
06. Word Of Mouth
07. John And Mary




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サックス奏者・矢野沙織とピアニスト・丈青による新プロジェクト"Besties our sounds."が始動!


2024年の初共演以来、共鳴し合う矢野沙織と丈青の二人が"音楽的な美"を体現するために制作された今作。ベーシスト秋田ゴールドマン(SOIL&"PIMP"SESSIONS)、ドラマー小名坂誠哉(PLAYERS x PRAYERS)らが参加。
書き下ろしのオリジナル曲含むジャズカバー曲をライブさながらの一発録りで収録。丈青が惚れ込んだ1901年製ヴィンテージ・スタインウェイ(Model C)による、コンサートホールでの録音が実現。スタインウェイ黄金期の名器が丈青のピアニズムによって奏でられる音色は絶品です。
現代ジャズに放つ2026年衝撃の一枚。CD/LPの2形態でリリースです。




また、リリース記念ライブが大阪・東京の2会場にて開催決定!!


<第 1 弾>
2026 年 6 月 26 日(金)
Billboard Live OSAKA(大阪)
出演 : 丈青(p), 矢野沙織(sax), 秋田ゴールドマン(b), 小名坂誠哉(ds)


<第 2 弾>
2026 年 6 月 30 日(火)
BLUE NOTE PLACE(東京)
出演 : 丈青(p), 矢野沙織(sax)







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【矢野沙織】 
1986年生まれ 東京出身。
9歳のときブラスバンドでアルト・サックスを始める。チャーリー・パーカーに衝撃を受けジャズに傾倒、14歳でビリー・ホリデイの自叙伝に感銘し、自らジャズクラブに出演交渉を行ってライブ活動をスタート。
ジャズの名門SAVOYレーベル日本人アーティスト第2弾として2003年9月、16歳でセンセーショナルなデビューを飾る。モダン・ジャズの起源である"ビ・バップ"に真摯に取り組み、日本にとどまらずニューヨークでもライブを重ねる一方、テレビ朝日系「報道ステーション」テーマ曲に起用され、世に新世代ジャズの到来を知らしめた。

マイルス・デイビスとの活動で知られるジミー・コブが、3rdアルバム『SAKURA STAMP』発売記念ブルーノートツアーで共演した際には、「日本のキャノンボール・アダレイ」と絶賛。ニューヨーク2日間公演でも本場オーディエンスを圧倒し、初のライブ盤として発売。5thアルバム『Groovin' High』では、2度のグラミー・ウイナーに輝いたアレンジの神様スライド・ハンプトンや、ジェームズ・ムーディなど巨匠ディジー・ガレスピーのオールスターズと共演を果たす。以降、ムーディ氏との親交は厚く、カリフォルニアの自宅に招かれての2週間にわたる個人レッスンを受けている。

2007年春、花王"ASIENCE"の新たなアジアンビューティとしてCMに登場。同CMで使用されたオリジナル曲「I & I」を収録した、20歳にして初のベストアルバムは、第22回日本ゴールドディスク大賞 ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞。ジャズの枠を超えて広く注目を集めた。
同年11月、現代最高のオルガニスト、ドクター・ロニ--・スミス・トリオを率いて、通算7枚目となるアルバム『Little Tiny』をリリース。2008年12月には、アレンジに斎藤ネコ氏を迎え、敬愛するビリー・ホリデイの得意としたレパートリーに取り組んだ『GLOOMY SUNDAY』を発売。
そして、矢野沙織の原点とも言える、50年代のジャズ黄金期の楽曲を、ニューヨークで活躍する気鋭のミュージシャンたちを従え、ストレートアヘッドに聴かせる『BEBOP AT THE SAVOY』を2010年に発売。
2012年、10周年イヤーに贈る、原点に帰るファン・リクエストアルバム『Answer』。ゲストに世界的トランペッター日野皓正氏を迎えリリース。
2015年、SOIL&"PIMP"SESSIONSのメンバーである元晴(ts)とタブゾンビ(tp)、パーカッショニストの第一人者である大儀見元氏 率いる日本のキューバンラテンの重鎮バンド"サルサスインゴサ"をゲストに迎え、機軸は"Bebop"にすえながらも、ファンキー・ジャズ、キューバンラテンを盛り込んだアルバム、『Bubble Bubble Bebop』をリリース。
2022年6月、自身のプロジェクト「House of Jaxx」を本格始動。
2023年11月デビュー20周年、ストリングスアレンジに菊地成孔氏を迎え、「The Golden Dawn」をリリース。
2026年6月、 SOIL&"PIMP"SESSIONSのメンバー丈青と共に、ユニット「Besties our sounds. 」を結成。初のアルバム「rose garden 」をリリース。




Latest Album

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Title : 『rose garden』
Artist : Besties our sounds.
LABEL : Kamnabi Records
RELEASE : 2026年6月24日
アマゾン詳細ページへ


【SONG LIST】
01. rose garden
02. Drum Up
03. Fly Me to the Moon
04. I Fall in Love Too Easily
05. Billie's Bounce
06. Sakura
07. Salsa para bebe
08. I will
09. Besties our sounds (piano solo)





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【KKBOX Podcast「My First Jazz」】
JJazz.Netとの連動によるオリジナルコンテンツ。
ジャズ・ミュージシャン本人の音声コメントをお届けしています。
KKBOX Podcast


KKBOX
500以上のメジャー・ローカル音楽レーベル様や権利者様と提携し、9,000万曲の楽曲を配信。
なかでも世界最大数を誇るC-POPを取り揃えているアジア大手の音楽聴き放題サービス。
2022年より日本でも音声コンテンツ/ポッドキャストの提供がスタート!



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Title : 『Sonny Side Up』
Artist : Dizzy Gillespie, Sonny Rollins, Sonny Stitt



みなさんこんにちは、曽根麻央です。
今日は1957年にVerveからノーマン・グランツのプロデュースで録音された『Sonny Side Up』というアルバムを紹介します。
このアルバムは、トランペット奏者でありビバップの創始者の一人でもあるディジー・ガレスピーがリーダーなのですが、タイトルの通り2人の"ソニー"たちがガレスピーの両隣に立ち、テナーサックスで熱いソロを繰り広げる作品になります。


この2人の"ソニー"たちは、40年代後半に圧倒的なリズムとテクニックで即興演奏を展開するスタイル(ビバップ)を築いたチャーリー・パーカーの意志を継いだ2人であることはもちろん、パーカーの死後、そこから各々のスタイルを確立していった人物たちだというのが重要なポイントです。

そのうちの一人、ソニー・スティットは、パーカーが演奏していた内容をより洗練させ、ポスト・ビバップの発展に貢献した人物です。アルトサックスの名手でもありますが、あまりにもパーカーと音色が酷似していたため、テナーに転向したという有名な逸話があります。

そしてもう一人、ソニー・ロリンズ。先月5月に95歳でこの世を去ったレジェンドですが、もちろんパーカーのリズム感やビバップのハーモニー感覚はそのままに、コード進行よりも演奏している曲のテーマやモチーフを深く追い求め、その形を変え、リズムを変えて展開していく、より熟考されたスタイルを持っています。
それまでのジャズ奏者にはなかったソロのアプローチを行い、モダン・ジャズの巨頭としてその名を残しました。


テナーサックスを代表する二人の演奏を、なかなか別の曲や異なるミックスで聴き比べても特徴がわかりにくかったりしますが、同じ曲、同じテンポ、同じミックスで演奏しているからこそ、その違いを鮮明に楽しむことができます。「今はどっちが演奏しているのかな?」と、人物ごとの特徴を思い浮かべながら聴くのもジャズの楽しみ方の一つ。このアルバムはそんな聴き方を教えてくれます。

また、アルバム3曲目(アナログ盤のB面1曲目)では、ピアニストであるレイ・ブライアントのピアノとアレンジをフィーチャーして、ブルースの定番曲「After Hours」を演奏しているのも興味深いです。このアレンジは、以前当レビューでも紹介したブライアントの晩年のアルバム『Plays Blues』にも収録されていて、彼のピアニスト人生を通して演奏されていたアレンジと言えるでしょう。
ブライアントのアレンジはピアノの音域が広く、ベーシストも自由に弾きすぎると音がぶつかってしまうため、そのアレンジをしっかりと理解して動く必要があります。
この『Sonny Side Up』では、実の兄であり「レイ・ブライアント・トリオ」のベーシストでもあるトミー・ブライアントが参加しているため、彼らの阿吽の呼吸の音楽が大きくフィーチャーされているのも嬉しいところです。


1. On the Sunny Side of the Street
1コーラス目のメロディの演奏の仕方が特徴的なアレンジです。G7(13, b9)のコードが吹き伸ばされると、ディジーのキュー(合図)でビバップ化された「On the Sunny Side of the Street」が始まります。オリジナルやルイ・アームストロングの有名なバージョンにはない細かい装飾音符や、8分音符とその裏拍のアクセントがアレンジされていて、パーカーの意志を継いだ人たちの、この時代ならではの演奏になっています。
ソロはスティット、ガレスピー、ロリンズの順番で演奏されていて、最後にガレスピーが歌って締めくくります。ただ歌うのではなく、オリジナルの歌詞を尊重しつつ、よりリズミカルに歌えるように言葉数を増やして韻を踏み、こちらも見事にビバップ化しているのがとても面白いです。ほとんどラップの原型に聞こえるような箇所もあります。
大好きな歌詞なのですが、調べてみても意外ときちんと書き起こしてくれている人が少ないので、ここに載せておきますね。

Grabbing up your hats, coats, boots and everything
Leave your worries on the doorstep 'cause we're going by and by
Just direct your feet, you look neat
On the sunny side of the street

Can't you hear the pitter and the patter
Of the raindrops trickling down your fire escape ladder?
Life could be so fine
Fine as mm... wine

I used to walk, walk in the shade
With my blues on parade
But, I'm not afraid
It's over, Casanova

If I never have one cent
I'll be rich as Rocky-feller
Gold dust at my feet
On the sunny, on the shady, on the sunny side of the street





2. The Eternal Triangle
こちらはガレスピーの書いた曲で、ジャズミュージシャンの共通言語的なフォームである「リズム・チェンジ」(ガーシュウィンの『I Got Rhythm』のコード進行が元になったもの)で書かれています。
ロリンズ、スティットが各々ソロを吹いたのち、二人が交互にソロを回す熱いトレードへと突入します。その後ガレスピーとブライアントがソロを演奏し、さらに最後にはガレスピーとドラムのチャーリー・パーシップのトレードもあるという、ジャズファン必聴の長尺・熱演ジャムセッションです。
ディジーのソロの特徴である、歯切れの良い明るいサウンドとリズムの中に、どこか喋っているかのような、ある意味では不安定なピッチのアンニュイなニュアンスが混ざる唯一無二の圧倒的な演奏が聴けるトラックでもあります。
ベースのトミー・ブライアントとドラムのチャーリー・パーシップが、伴奏としての役割の中でビートの"Follow and Lead"(追いかけ、引っ張る)の駆け引きをしている様子にも注目して聴くとさらに楽しいです。




3. After Hours
言わずと知れたブルースの名曲で、先述の通りブライアントのアレンジです。「スローブルース(スウィング)というのは、ゆっくりな4拍子とも言えるし、速い3拍子とも言える」というドラムの名手メル・ルイスとマックス・ローチのインタビューを以前リズムの歴史に調べていた時に見つけましたが、まさにその言葉を体感できるようなトラックです。




4. I Know That You Know
スティット、ガレスピー、ロリンズの順でソロをとっています。こちらも「The Eternal Triangle」と同様に、3者の特徴が実によく捉えられたトラックです。
特にガレスピーのソロは圧巻で、エンディングまで一瞬も隙のない華やかさがあります。


文:曽根麻央 Mao Soné



Recommend Disc

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Title :『Sonny Side Up』
Artist : Dizzy Gillespie / Sonny Stitt / Sonny Rollins
LABEL : Verve
発売年 : 1959年



アマゾン 


【SONG LIST】

1. On The Sunny Side Of The Street
2. The Eternal Triangle
3. After Hours
4. I Know That You Know



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「Monthly Disc Review」アーカイブ曽根麻央
2020.04『Motherland / Danilo Perez』2020.05『Color Of Soil /タイガー大越』2020.06『Passages / Tom Harrell 』2020.07『Inventions And Dimensions / Herbie Hancock』2020.08『Birth Of The Cool / Miles Davis』2020.09『Chet Baker Sings / Chet Baker』2020.10『SFJAZZ Collective2 / SFJAZZ Collective』2020.11『Money Jungle: Provocative In Blue / Terri Lyne Carrington』2020.12『Three Suites / Duke Ellington』2021.01『Into The Blue / Nicholas Payton』2021.02『Ben And "Sweets" / Ben Webster & "Sweets" Edison』2021.03『Relaxin' With The MilesDavis Quintet / The Miles Davis Quintet 』2021.04『Something More / Buster Williams』2021.05『Booker Little / Booker Little』2021.06『Charms Of The Night Sky / Dave Douglas』2021.07『Play The Blues / Ray Bryant Trio』2021.08『The Sidewinder / Lee Morgan』2021.09『Esta Plena / Miguel Zenón』2021.10『Hub-Tones / Freddie Hubbard』2021.11『Concert By The Sea / Erroll Garner』2021.12『D・N・A Live In Tokyo / 日野皓正』2022.1『The Tony Bennett Bill Evans Album / Tony Bennett / Bill Evans』2022.2『Quiet Kenny / Kenny Dorham』2022.3『Take Five / Dave Brubeck』・2022.4『Old And New Dreams / Old And New Dreams』2022.5『Ella Fitzgerald And Louis Armstrong / Ella And Louis』2022.6『Live from Miami / Nu Deco Ensemble & Aaron Parks』2022.7『Oscar Peterson Trio + One / Oscar Peterson Trio Clark Terry』2022.8『Ugetsu/ Art Blakey & The Jazz Messengers』2022.9『Sun Goddess / Ramsey Lewis』2022.10『Emergence / Roy Hargrove Big Band』2022.11『Speak No Evil / Wayne Shorter』2022.12『The Revival / Cory Henry』2023.1『Complete Communion / Don Cherry』2023.2『Your Mother Should Know: Brad Mehldau Plays The Beatles / Brad Mehldau』2023.3『Without a Net / Wayne Shorter』2023.4『LADY IN LOVE / 中本マリ』2023.5『Songs Of New York / Mel Torme』2023.6『Covers / James Blake』2023.7『Siembra / Willie Colón & Rubén Blades』2023.8『Undercover Live at the Village Vanguard / Kurt Rosenwinkel』2023.09『Toshiko Mariano Quartet / Toshiko Mariano Quartet』2023.10『MAINS / J3PO』2023.11『Knower Forever / Knower』2023.12『Ella Wishes You A Swinging Christmas / Ella Fitzgerald』2024.01『Silence / Charlie Haden with Chet Baker, Enrico Pieranunzi, Billy Higgins』2024.02『Rhapsody in Blue Reimagined / Lara Downes』2024.03『Djesse Vol. 4 / Jacob Collier』2024.04『Voyager / Moonchild』2024.05『Evidence with Don Cherry / Steve Lacy』2024.06『Quietude / Eliane Elias』2024.07『Alone Together / Lee Konitz, Brad Mehldau, Charlie Haden』2024.08『The Rough Dancer And The Cyclical Night (Tango Apasionado) / Astor Piazzolla』2024.09『Potro De Rabia Y Miel / Camarón De La Isla』2024.10『Calle 54 / Various』2024.11『Trumpets Of Michel-ange / Ibrahim Maalouf』2024.12『Sings for Only the Lonely / Frank Sinatra』2025.01『Hero Worship / Hal Crook』2025.02『Undercurrent / Kenny Drew』2025.03『Live In Toronto 1952 / Lennie Tristano Quintet』2025.04『Antidote / Chick Corea & The Spanish Heart Band』2025.05『Hot Five & Hot Seven / Louis Armstrong』2025.06『Panamonk / Danilo Pérez』2025.07『Nat King Cole Sings/George Shearing Plays / Nat King Cole、George Shearing』2025.08『Clifford Brown and Max Roach / Clifford Brown and Max Roach』2025.09『Montreux '77 / Ray Bryant』2025.10『Crystal Silence / Gary Burton & Chick Corea』2025.11『North Sea Jazz Legendary Concerts / Wayne Shorter』2025.12『Merry Christmas / Bing Crosby』2026.01『銀界/山本邦山』2026.02『Flugel / Andris Mattson』2026.03『Live at the Piano / Cory Henry』2026.04『The Melody At Night, With You / Keith Jarrett』2026.05『Ifrikya / Karim Ziadt』

Reviewer information

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曽根麻央 Mao Soné

曽根麻央は2018年にジャズの二刀流として、 2枚組CD『Infinite Creature』でメジャー・デビュー果たしたトランペッター、ピアニスト、作曲家。

 幼少期よりピアノを、8歳でトランペットを始める。9歳で流山市周辺での音楽活動をスタートさせる。18歳で猪俣猛グループに参加し、同年バークリー音楽大学に全額奨学金を授与され渡米。2016年には同大学の修士課程の第1期生として首席(summa cum laude)で卒業。在学中にはタイガー大越、ショーン・ジョーンズ、ハル・クルック等に師事。グラミー賞受賞ピアニスト、ダニーロ・ペレスの設立した教育機関、グローバル・ジャズ・インスティチュートにも在籍し、ダニーロ・ペレス、ジョー・ロバーノ、ジョン・パティトゥッチ、テリ・リン・キャリントン等に師事、また共演。
 これまでにニューポート、モントレー、モントリオール、トロント、ドミニカ等の国際的なジャズ・フェスティバルに出演。
2017年には自己のバンドでニューヨークのブルーノートやワシントンDCのブルース・アレイ等に出演。2018年メジャー・デビュー。2019年には故・児山紀芳の代役でNHK-FM「ジャズ・トゥナイト」の司会を担当。また2020年公開のKevin Hæfelin監督のショート・フィルム「トランペット」の主演・音楽を務めるなど、演奏を超えて様々な活動の場を得ている。

 曽根は国際的に権威ある機関より名誉ある賞を数々受賞している。
2014年度フィラデルフィア『国際トランペット協会(ITG)ジャズ・コンペティション』で優勝。
同年『国際セロニアス・モンク・ジャズ・コンペティション』にて13人のファイナリストに世界中の応募者の中から選出。
2015年に地元・流山市より『ふるさとづくり功労賞』受賞。
2016年アムステルダム『"Keep An Eye" 国際ジャズアワード』にて優勝。

曽根麻央Official Site

My First Jazz Vol.98-渡邉瑠菜:My First Jazz

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Title:『My Song』
Artist:Keith Jarrett European Quartet


シンガーソングライター/サックスプレイヤーの渡邉瑠菜です。

私がご紹介したい"初めてのジャズアルバム"は、Keith Jarrett European Quartet の『My Song』です。

この作品を知ったのは高校生の頃でした。所属していたビッグバンド部に、毎週金曜日教えに来てくださっていたドラムの先生が教えてくれたのがきっかけです。

このアルバム全体を通して流れる、心が締め付けられるようなメロディーと、息を含んだ透明なサウンド。初めて聴いた時の感覚は、今でも忘れられません。この作品で初めて Jan Garbarek の演奏に出会ったのですが、あの音色と歌い方に心を完全に奪われました。

それまで私が知っていたサックスの音とはまったく違っていて大きな衝撃を受けたのを覚えています。私は中学・高校とアルトサックスを吹いていたので、ソプラノサックスやテナーサックスには強い憧れがありました。

他の楽器を吹いちゃいけないなんてルールは無いんですが、彼の音を聴いてからは、アルトサックスでも近いニュアンスが出せないか、ずっと模索する学生時代でした。
中でもタイトル曲の「My Song」と「The Journey Home」は特にお気に入りの楽曲です。

私は音楽一家で育ったわけではなく、中学のビッグバンド部をきっかけにジャズに触れ始めました。それまでは、インストゥルメンタルの音楽をあまり聴いてこなくて、歌詞のあるポップスに心を動かされることが多かったです。歌詞に共感して涙が出たり、前向きになれたり。

でも、歌詞のない音楽にここまで心がきゅーっと揺さぶられて、涙が出る。そんな体験をしたのは、このアルバムが初めてでした。

収録曲の「Mandala」は、実は最初に聴いた時はよくわからなくて、一曲だけ飛ばしていました(笑)。でも、聴き重ねるうちに少しずつこの曲の聴こえ方が変わっていって、その変化も含めてとても印象に残っています。今ではアルバムを通して、すべての曲が大好きです。

中学生の頃からビッグバンドを通してジャズの世界にのめり込んでいった私にとって、"美しくて、儚い音楽に涙が出る"という感覚は、この作品が初めて教えてくれたものでした。

今でもこのアルバムを聴くと、あたたかい気持ちで朝を迎えられます。
自分にとって、おまもりのような大切な作品です。


渡邉瑠菜









My First Jazz

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Title : 『My Song』
Artist : Keith Jarrett European Quartet
LABEL : ECM Records
RELEASE : 1978年

アマゾン詳細ページへ

【SONG LIST】
01. Questar
02. My Song
03. Tabarka
04. Country
05. Mandala
06. The Journey Home




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 ■2026年3月27日に自身初となる1st Album「RETURN TO INNOCENCE」をリリース
 ジャズをルーツにもつ渡邉瑠菜が、インストゥルメンタルから歌ものまで、ジャンルの垣根を越えて描いたアルバム。
全10曲のオリジナルを収録。
クスッと笑ってしまうような愛おしい日常から、つらい気持ちにそっと寄り添う瞬間まで、さまざまな感情を音に閉じ込めた一枚。

RETURN TO INNOCENCE

私にとって、この作品は出発点となるアルバム。
「無垢に帰る」というテーマのもと、勇気を出して踏み出した先にある、何にも変えられない純粋なはじまりの場所を描いた。

それは、いつでも帰ることのできる、決して消えることのないあたたかい居場所。
ファーストアルバムとして、そんな想いを込めて名付けた一枚。




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【渡邉瑠菜(Luna Watanabe)】
2002年11月28日生まれ。 
アーティスト/作詞・作曲・サックス・ボーカル 

サックスプレイヤーとして10代より音楽大学在学中からプロ活動を開始。 
Blue Note Tokyo All Star Jazz Orchestraのメンバーとして、シンガポール公演およびTaipei Jazz Festivalにリードアルトとして出演。 
これまでにINCOGNITO、Chris Potter、Steve Gadd、Larry Carlton、Blue Lab Beats、Manhattan Transferなどのアーティストと共演。 テレビ朝日「題名のない音楽会」に出演。 角松敏生のツアーおよびレコーディングに参加。 「PERSONA5 Special Big Band Tour」への参加、Montreux Jazz Festival 2025に出演。 

第54回 ヤマノ・ビッグバンド・ジャズ・コンテストにて、昭和音楽大学 Lilly Jazz Orchestraとして最優秀賞を受賞。 あわせて、歴代女性初となる個人賞・最優秀ソリスト賞を受賞。 
2024年、かわさきジャズ BRIDGEアーティストに就任。 同年、川崎市文化賞 アゼリア輝賞を受賞。 
富士五湖アンバサダー、山梨アンバサダーを務める。 
 
作詞・作曲・ボーカルを軸としたソロアーティストとしても活動し、 自身初のワンマンライブをBLUE NOTE PLACEにて開催。2026年3月27日に1st Album「RETURN TO INNOCENCE」をリリース。
ジャズをルーツにしながらも、ジャンルにとらわれない楽曲制作と、唯一無二の存在感で活動の幅を広げている。
https://www.lunawatanabe.com/



Latest Album

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Title : RETURN TO INNOCENCE
Artist :渡邉瑠菜
Label :INDEPENDENT
Release : 2026年3月27日

【SONG LIST】
01. 手垢
02. I Keep On
03. 今様色
04. 雪溶け
05. まぁへーきずら
06. 星のまにまに
07. わすれがき
08. おばかっちょ
09. ひつじ雲
10. 帰り路





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【KKBOX Podcast「My First Jazz」】
JJazz.Netとの連動によるオリジナルコンテンツ。
ジャズ・ミュージシャン本人の音声コメントをお届けしています。
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500以上のメジャー・ローカル音楽レーベル様や権利者様と提携し、9,000万曲の楽曲を配信。
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曽根麻央 Monthly Disc Review2026.5_ Karim Ziad : Ifrikya:Monthly Disc Review



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Title : 『Ifrikya』
Artist : Karim Ziad


アルジェリアが誇る名ドラマー、カリム・ジアド(Karim Ziad)のアルバムをご紹介します。


彼は、アルジェリアやモロッコといった北アフリカの伝統的なリズムを、現代の楽器やジャズ・ポップスのメロディーと見事に融合させるアーティストです。その卓越したビートは、民族音楽を深く探求するミュージシャンからも絶大な支持を得ています。


特に「Chaabi(シャアビ)」と呼ばれるアルジェリアのリズムが炸裂する「The Joker」「Gwarir」「Amaliya」の3曲は圧巻です。今回は、その不思議なリズムの仕組みについても少し触れてみましょう。


北アフリカの音楽はアラブ文化と密接に関わっています。聴き込むうちに、フラメンコや中東音楽との繋がりがうっすらと見えてくるはずです。アフリカ、中東、南ヨーロッパ----当時から人々が活発に行き交い、文化を交差させてきた歴史が音の粒から立ち上がってくるかのようです。


シャアビというスタイル自体は1930年代に成立した大衆音楽で、意外にも歴史は新しいのですが、その源流はさらに古く、アンダルシア音楽(Andalusi)やアラブ音楽の詩の形式「ムワシャー(Muwashshah)」にあると言われています。長い年月をかけてフラメンコなどと起源を同じくしながら進化してきた、まさに「歴史の結晶」のような音楽なのです。
シャアビが「難しく」聞こえる理由
我々のように西洋的な音楽教育を受けた耳にとって、シャアビのリズムが複雑に聞こえる最大の理由は、「一番低い音がくる場所が1拍目ではない」ことにあります。
シャアビの最小単位は6拍子(あるいは12拍子)で構成されています。


基本の6拍子:
1 2 3 4 5 6


アクセントの位置(h=高音 / L=低音):
1 2 h 4 L 6 (1小節目)
1 h 3 4 L 6 (2小節目)


手拍子の柱(●):
● 2 h ● L 6 | ● h 3 ● L 6


このように「●」の位置で聴くと均等な4拍子のようにも錯覚しますが、低音(L)が「5」にくるため、重心が後ろに引っ張られるような独特の浮遊感が生まれます。さらに高音(h)や低音が奇数拍を強調するため、高度なポリリズムが自然に形成されるのです。


この「頭拍に重心が来ない」感覚は、ベネズエラのホローポ(Joropo)など、ラテン諸国の3拍子系グルーヴにも共通する魅力です。しかし、それぞれの地域で辿ってきた歴史は異なります。リハーサル現場で我々が「ラテンで!」という指定に「どのラテン?」と困惑してしまうのは、それだけ細分化された豊かな名前と歴史がリズムに宿っているからなのです。


ピックアップ・トラック
M9「The Joker」
まずはこの曲から。ピアノのミュート奏法による小気味よいベースラインに導かれ、アルジェリアの弦楽器マンドールやバンジョーが入ってきた瞬間、シャアビの世界が始まります。ベースラインの最も低い音とバスドラムが鳴る場所が、先ほどの解説でいう「5拍目」です。最初はここを「1」だと勘違いしてしまいそうになりますが、聴き込むうちにリズムの構造が立体的に立ち上がってきます。


M8「Gwarir」
シャアビ入門として最適です。「The Joker」よりテンポが上がり、さらに「1」が見えにくくなります。メロディーがトリッキーな位置にアクセントを置いているため、最初は耳が追いつかないかもしれませんが、一度ハマるとこの上なく心地よいグルーヴに支配されます。


M7「Amaliya」
アルバム最速のシャアビです。高速になると不思議とフラメンコに近い質感が増してきます。大きな拍の波を捉えるのがコツです。終盤のリードボーカルとコーラスによるコール・アンド・レスポンスが圧巻のエンディングまで一気に駆け抜けます。
普段の生活圏ではまず体験できない「3拍子の浮遊感」。アラブ音楽由来の独特な民族情緒を、ぜひこのアルバムで体感してみてください。


文:曽根麻央 Mao Soné



Recommend Disc

karim200.jpeg
Title :『Ifrikya』
Artist : Karim Ziad
LABEL : Act
発売年 : 2008年



アマゾン 


【SONG LIST】

1. Ait Oumrar
2. Ya Rijal
3. Awra
4. Lebnia
5. Alouhid
6. Sandiya
7. Amaliya
8. Gwarir
9. Joker
10. Nesrafet



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「Monthly Disc Review」アーカイブ曽根麻央
2020.04『Motherland / Danilo Perez』2020.05『Color Of Soil /タイガー大越』2020.06『Passages / Tom Harrell 』2020.07『Inventions And Dimensions / Herbie Hancock』2020.08『Birth Of The Cool / Miles Davis』2020.09『Chet Baker Sings / Chet Baker』2020.10『SFJAZZ Collective2 / SFJAZZ Collective』2020.11『Money Jungle: Provocative In Blue / Terri Lyne Carrington』2020.12『Three Suites / Duke Ellington』2021.01『Into The Blue / Nicholas Payton』2021.02『Ben And "Sweets" / Ben Webster & "Sweets" Edison』2021.03『Relaxin' With The MilesDavis Quintet / The Miles Davis Quintet 』2021.04『Something More / Buster Williams』2021.05『Booker Little / Booker Little』2021.06『Charms Of The Night Sky / Dave Douglas』2021.07『Play The Blues / Ray Bryant Trio』2021.08『The Sidewinder / Lee Morgan』2021.09『Esta Plena / Miguel Zenón』2021.10『Hub-Tones / Freddie Hubbard』2021.11『Concert By The Sea / Erroll Garner』2021.12『D・N・A Live In Tokyo / 日野皓正』2022.1『The Tony Bennett Bill Evans Album / Tony Bennett / Bill Evans』2022.2『Quiet Kenny / Kenny Dorham』2022.3『Take Five / Dave Brubeck』・2022.4『Old And New Dreams / Old And New Dreams』2022.5『Ella Fitzgerald And Louis Armstrong / Ella And Louis』2022.6『Live from Miami / Nu Deco Ensemble & Aaron Parks』2022.7『Oscar Peterson Trio + One / Oscar Peterson Trio Clark Terry』2022.8『Ugetsu/ Art Blakey & The Jazz Messengers』2022.9『Sun Goddess / Ramsey Lewis』2022.10『Emergence / Roy Hargrove Big Band』2022.11『Speak No Evil / Wayne Shorter』2022.12『The Revival / Cory Henry』2023.1『Complete Communion / Don Cherry』2023.2『Your Mother Should Know: Brad Mehldau Plays The Beatles / Brad Mehldau』2023.3『Without a Net / Wayne Shorter』2023.4『LADY IN LOVE / 中本マリ』2023.5『Songs Of New York / Mel Torme』2023.6『Covers / James Blake』2023.7『Siembra / Willie Colón & Rubén Blades』2023.8『Undercover Live at the Village Vanguard / Kurt Rosenwinkel』2023.09『Toshiko Mariano Quartet / Toshiko Mariano Quartet』2023.10『MAINS / J3PO』2023.11『Knower Forever / Knower』2023.12『Ella Wishes You A Swinging Christmas / Ella Fitzgerald』2024.01『Silence / Charlie Haden with Chet Baker, Enrico Pieranunzi, Billy Higgins』2024.02『Rhapsody in Blue Reimagined / Lara Downes』2024.03『Djesse Vol. 4 / Jacob Collier』2024.04『Voyager / Moonchild』2024.05『Evidence with Don Cherry / Steve Lacy』2024.06『Quietude / Eliane Elias』2024.07『Alone Together / Lee Konitz, Brad Mehldau, Charlie Haden』2024.08『The Rough Dancer And The Cyclical Night (Tango Apasionado) / Astor Piazzolla』2024.09『Potro De Rabia Y Miel / Camarón De La Isla』2024.10『Calle 54 / Various』2024.11『Trumpets Of Michel-ange / Ibrahim Maalouf』2024.12『Sings for Only the Lonely / Frank Sinatra』2025.01『Hero Worship / Hal Crook』2025.02『Undercurrent / Kenny Drew』2025.03『Live In Toronto 1952 / Lennie Tristano Quintet』2025.04『Antidote / Chick Corea & The Spanish Heart Band』2025.05『Hot Five & Hot Seven / Louis Armstrong』2025.06『Panamonk / Danilo Pérez』2025.07『Nat King Cole Sings/George Shearing Plays / Nat King Cole、George Shearing』2025.08『Clifford Brown and Max Roach / Clifford Brown and Max Roach』2025.09『Montreux '77 / Ray Bryant』2025.10『Crystal Silence / Gary Burton & Chick Corea』2025.11『North Sea Jazz Legendary Concerts / Wayne Shorter』2025.12『Merry Christmas / Bing Crosby』2026.01『銀界/山本邦山』2026.02『Flugel / Andris Mattson』2026.03『Live at the Piano / Cory Henry』2026.04『The Melody At Night, With You / Keith Jarrett』

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曽根麻央 Mao Soné

曽根麻央は2018年にジャズの二刀流として、 2枚組CD『Infinite Creature』でメジャー・デビュー果たしたトランペッター、ピアニスト、作曲家。

 幼少期よりピアノを、8歳でトランペットを始める。9歳で流山市周辺での音楽活動をスタートさせる。18歳で猪俣猛グループに参加し、同年バークリー音楽大学に全額奨学金を授与され渡米。2016年には同大学の修士課程の第1期生として首席(summa cum laude)で卒業。在学中にはタイガー大越、ショーン・ジョーンズ、ハル・クルック等に師事。グラミー賞受賞ピアニスト、ダニーロ・ペレスの設立した教育機関、グローバル・ジャズ・インスティチュートにも在籍し、ダニーロ・ペレス、ジョー・ロバーノ、ジョン・パティトゥッチ、テリ・リン・キャリントン等に師事、また共演。
 これまでにニューポート、モントレー、モントリオール、トロント、ドミニカ等の国際的なジャズ・フェスティバルに出演。
2017年には自己のバンドでニューヨークのブルーノートやワシントンDCのブルース・アレイ等に出演。2018年メジャー・デビュー。2019年には故・児山紀芳の代役でNHK-FM「ジャズ・トゥナイト」の司会を担当。また2020年公開のKevin Hæfelin監督のショート・フィルム「トランペット」の主演・音楽を務めるなど、演奏を超えて様々な活動の場を得ている。

 曽根は国際的に権威ある機関より名誉ある賞を数々受賞している。
2014年度フィラデルフィア『国際トランペット協会(ITG)ジャズ・コンペティション』で優勝。
同年『国際セロニアス・モンク・ジャズ・コンペティション』にて13人のファイナリストに世界中の応募者の中から選出。
2015年に地元・流山市より『ふるさとづくり功労賞』受賞。
2016年アムステルダム『"Keep An Eye" 国際ジャズアワード』にて優勝。

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