2007年春、花王"ASIENCE"の新たなアジアンビューティとしてCMに登場。同CMで使用されたオリジナル曲「I & I」を収録した、20歳にして初のベストアルバムは、第22回日本ゴールドディスク大賞 ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞。ジャズの枠を超えて広く注目を集めた。
同年11月、現代最高のオルガニスト、ドクター・ロニ--・スミス・トリオを率いて、通算7枚目となるアルバム『Little Tiny』をリリース。2008年12月には、アレンジに斎藤ネコ氏を迎え、敬愛するビリー・ホリデイの得意としたレパートリーに取り組んだ『GLOOMY SUNDAY』を発売。
そして、矢野沙織の原点とも言える、50年代のジャズ黄金期の楽曲を、ニューヨークで活躍する気鋭のミュージシャンたちを従え、ストレートアヘッドに聴かせる『BEBOP AT THE SAVOY』を2010年に発売。
2012年、10周年イヤーに贈る、原点に帰るファン・リクエストアルバム『Answer』。ゲストに世界的トランペッター日野皓正氏を迎えリリース。
2015年、SOIL&"PIMP"SESSIONSのメンバーである元晴(ts)とタブゾンビ(tp)、パーカッショニストの第一人者である大儀見元氏 率いる日本のキューバンラテンの重鎮バンド"サルサスインゴサ"をゲストに迎え、機軸は"Bebop"にすえながらも、ファンキー・ジャズ、キューバンラテンを盛り込んだアルバム、『Bubble Bubble Bebop』をリリース。
2022年6月、自身のプロジェクト「House of Jaxx」を本格始動。
2023年11月デビュー20周年、ストリングスアレンジに菊地成孔氏を迎え、「The Golden Dawn」をリリース。
2026年6月、 SOIL&"PIMP"SESSIONSのメンバー丈青と共に、ユニット「Besties our sounds. 」を結成。初のアルバム「rose garden 」をリリース。
Latest Album
Title : 『rose garden』
Artist : Besties our sounds.
LABEL : Kamnabi Records
RELEASE : 2026年6月24日
【SONG LIST】
01. rose garden
02. Drum Up
03. Fly Me to the Moon
04. I Fall in Love Too Easily
05. Billie's Bounce
06. Sakura
07. Salsa para bebe
08. I will
09. Besties our sounds (piano solo)
【KKBOX Podcast「My First Jazz」】
JJazz.Netとの連動によるオリジナルコンテンツ。
ジャズ・ミュージシャン本人の音声コメントをお届けしています。 KKBOX Podcast
Title : 『Sonny Side Up』
Artist : Dizzy Gillespie, Sonny Rollins, Sonny Stitt
みなさんこんにちは、曽根麻央です。
今日は1957年にVerveからノーマン・グランツのプロデュースで録音された『Sonny Side Up』というアルバムを紹介します。
このアルバムは、トランペット奏者でありビバップの創始者の一人でもあるディジー・ガレスピーがリーダーなのですが、タイトルの通り2人の"ソニー"たちがガレスピーの両隣に立ち、テナーサックスで熱いソロを繰り広げる作品になります。
また、アルバム3曲目(アナログ盤のB面1曲目)では、ピアニストであるレイ・ブライアントのピアノとアレンジをフィーチャーして、ブルースの定番曲「After Hours」を演奏しているのも興味深いです。このアレンジは、以前当レビューでも紹介したブライアントの晩年のアルバム『Plays Blues』にも収録されていて、彼のピアニスト人生を通して演奏されていたアレンジと言えるでしょう。
ブライアントのアレンジはピアノの音域が広く、ベーシストも自由に弾きすぎると音がぶつかってしまうため、そのアレンジをしっかりと理解して動く必要があります。
この『Sonny Side Up』では、実の兄であり「レイ・ブライアント・トリオ」のベーシストでもあるトミー・ブライアントが参加しているため、彼らの阿吽の呼吸の音楽が大きくフィーチャーされているのも嬉しいところです。
1. On the Sunny Side of the Street
1コーラス目のメロディの演奏の仕方が特徴的なアレンジです。G7(13, b9)のコードが吹き伸ばされると、ディジーのキュー(合図)でビバップ化された「On the Sunny Side of the Street」が始まります。オリジナルやルイ・アームストロングの有名なバージョンにはない細かい装飾音符や、8分音符とその裏拍のアクセントがアレンジされていて、パーカーの意志を継いだ人たちの、この時代ならではの演奏になっています。
ソロはスティット、ガレスピー、ロリンズの順番で演奏されていて、最後にガレスピーが歌って締めくくります。ただ歌うのではなく、オリジナルの歌詞を尊重しつつ、よりリズミカルに歌えるように言葉数を増やして韻を踏み、こちらも見事にビバップ化しているのがとても面白いです。ほとんどラップの原型に聞こえるような箇所もあります。
大好きな歌詞なのですが、調べてみても意外ときちんと書き起こしてくれている人が少ないので、ここに載せておきますね。
Grabbing up your hats, coats, boots and everything
Leave your worries on the doorstep 'cause we're going by and by
Just direct your feet, you look neat
On the sunny side of the street
Can't you hear the pitter and the patter
Of the raindrops trickling down your fire escape ladder?
Life could be so fine
Fine as mm... wine
I used to walk, walk in the shade
With my blues on parade
But, I'm not afraid
It's over, Casanova
If I never have one cent
I'll be rich as Rocky-feller
Gold dust at my feet
On the sunny, on the shady, on the sunny side of the street
2. The Eternal Triangle
こちらはガレスピーの書いた曲で、ジャズミュージシャンの共通言語的なフォームである「リズム・チェンジ」(ガーシュウィンの『I Got Rhythm』のコード進行が元になったもの)で書かれています。
ロリンズ、スティットが各々ソロを吹いたのち、二人が交互にソロを回す熱いトレードへと突入します。その後ガレスピーとブライアントがソロを演奏し、さらに最後にはガレスピーとドラムのチャーリー・パーシップのトレードもあるという、ジャズファン必聴の長尺・熱演ジャムセッションです。
ディジーのソロの特徴である、歯切れの良い明るいサウンドとリズムの中に、どこか喋っているかのような、ある意味では不安定なピッチのアンニュイなニュアンスが混ざる唯一無二の圧倒的な演奏が聴けるトラックでもあります。
ベースのトミー・ブライアントとドラムのチャーリー・パーシップが、伴奏としての役割の中でビートの"Follow and Lead"(追いかけ、引っ張る)の駆け引きをしている様子にも注目して聴くとさらに楽しいです。
3. After Hours
言わずと知れたブルースの名曲で、先述の通りブライアントのアレンジです。「スローブルース(スウィング)というのは、ゆっくりな4拍子とも言えるし、速い3拍子とも言える」というドラムの名手メル・ルイスとマックス・ローチのインタビューを以前リズムの歴史に調べていた時に見つけましたが、まさにその言葉を体感できるようなトラックです。
4. I Know That You Know
スティット、ガレスピー、ロリンズの順でソロをとっています。こちらも「The Eternal Triangle」と同様に、3者の特徴が実によく捉えられたトラックです。
特にガレスピーのソロは圧巻で、エンディングまで一瞬も隙のない華やかさがあります。
文:曽根麻央 Mao Soné
Recommend Disc
Title :『Sonny Side Up』
Artist : Dizzy Gillespie / Sonny Stitt / Sonny Rollins
LABEL : Verve
発売年 : 1959年
【SONG LIST】
1. On The Sunny Side Of The Street
2. The Eternal Triangle
3. After Hours
4. I Know That You Know
【渡邉瑠菜(Luna Watanabe)】
2002年11月28日生まれ。
アーティスト/作詞・作曲・サックス・ボーカル
サックスプレイヤーとして10代より音楽大学在学中からプロ活動を開始。
Blue Note Tokyo All Star Jazz Orchestraのメンバーとして、シンガポール公演およびTaipei Jazz Festivalにリードアルトとして出演。
これまでにINCOGNITO、Chris Potter、Steve Gadd、Larry Carlton、Blue Lab Beats、Manhattan Transferなどのアーティストと共演。 テレビ朝日「題名のない音楽会」に出演。 角松敏生のツアーおよびレコーディングに参加。 「PERSONA5 Special Big Band Tour」への参加、Montreux Jazz Festival 2025に出演。
第54回 ヤマノ・ビッグバンド・ジャズ・コンテストにて、昭和音楽大学 Lilly Jazz Orchestraとして最優秀賞を受賞。 あわせて、歴代女性初となる個人賞・最優秀ソリスト賞を受賞。
2024年、かわさきジャズ BRIDGEアーティストに就任。 同年、川崎市文化賞 アゼリア輝賞を受賞。
富士五湖アンバサダー、山梨アンバサダーを務める。
作詞・作曲・ボーカルを軸としたソロアーティストとしても活動し、 自身初のワンマンライブをBLUE NOTE PLACEにて開催。2026年3月27日に1st Album「RETURN TO INNOCENCE」をリリース。
ジャズをルーツにしながらも、ジャンルにとらわれない楽曲制作と、唯一無二の存在感で活動の幅を広げている。 https://www.lunawatanabe.com/
Latest Album
Title : RETURN TO INNOCENCE
Artist :渡邉瑠菜
Label :INDEPENDENT
Release : 2026年3月27日
今までのやり方を全て捨ててエレクトロの要素をたくさん取り入れたことで、自然な流れで「song」として形となっていたんです。そうなると必然的に歌詞が必要になっていき、そしてシンガーが必要になっていった。この作品はシンガーが中心のプロジェクトになるかもしれないと感じました。
そして歌う人をイメージし始めた。MARO や Michael Mayo が参加することが決まった瞬間に徐々に歌詞が湧き出てきました。
例えば「Gloria」の歌詞は完全に仏教的なもので、ハート・スートラからインスピレーションを受けています。仏教のお経の中でも最も美しいもののひとつと思っています。これは自分のパートナーGloriaに捧げる内容になっていますが、それはMAROが歌うことを想像することで降りてきた歌詞でもあります。
Michael Mayoとは Ben Wendelの「High Heart」で共演して以来の友人です。宇宙一のヴォーカリストだと私は思っています。彼のように歌える人は他にいないでしょう。ボビー・マクファーリンかジェイコブ・コリアーか、、、
楽器のように声を操るし、ハーモニーの知識があります。無理難題を彼にリクエストしてもやってのけてしまうんだ。
MAROもだけど、彼らの声のトーンが素晴らしいですね。Michael Mayoは特にジャズのバックグラウンド、またゴスペルの要素もある。彼がそれらを駆使して提案する音楽が素晴らしいんです。
シンプルで適切な音を使って、テクニカルで複雑なサウンドを奏でる才能があります。
[Nenashi] 私も Michael Mayo が大好きでライブに行きました。オンラインでプライベートレッスンを受けたこともあります。
シャイがおっしゃる通り声が楽器ですよね。まるでMIDI鍵盤を鳴らしているように正確で素晴らしいです。
タイトル:『The Guesthouse』
アーティスト:Shai Maestro
発売日:2025年3月6日
レーベル:naïve records
【SONG LIST】
1. The Time Bender
2. Nature Boy - ft. Immanuel Wilkins
3. Gloria - ft. MARO
4. Moon of Knives
5. Strange Magic ft. Michael Mayo
6. Refuge
7. GG's Metamorphosis
8. Sleepwalking Roses
9. A Little Thank You Note
10. The Lion And Me ft. Alon Lotringer
11. The Guesthouse's Old Piano