2011年に『スガダイローの肖像・弐』でポニーキャニオンからメジャーデビューを果たし、2012年には初のソロ・ピアノ作品『春風』、志人との共作アルバム『詩種』、2013年自己のトリオにて『刃文』、2014年『山下洋輔×スガダイロー』『GOLDEN FISH』、2015年『Suga Dairo Solo Piano at Velvetsun』をVelvetsun Productsよりリリース。
再生ボタンを押して、バンドインした瞬間からもうカッコいい。ユニゾンするサックスとトランペットが往年の名盤を思わせる一方で、後ろにはスペイシーなエレピが鳴り、ドラムとベースの刻むアクセントは明らかに現代のものだ。いわゆる90年代のコンテンポラリー・ジャズとも違う、もっとストレートなジャズをそのまま現代にアップデートしたようなこのバンドのサウンドに一気に惚れてしまった。スタンダードの「The Shadow of Your Smile」を除く全曲が彼の筆による楽曲だが、TAKAO(prelude)~TAKAO(climb & descent)のようなスケールの大きい曲もあれば、どストレートな4ビート曲もあったりとアレンジの幅には驚かされる。中でもトランペッターとして知られる市原ひかりがボーカルで参加したHealは絶品だ。楽曲によってエレクトリックにもアコースティックにもなるバック陣の、音色も含めて適所に適音を置いていくセンスが素晴らしい。この連載でも以前取り上げたピアノの宮川純は、ここでも生のピアノとエレクトリックなサウンドを巧みに使い分けバンドをリードしている。ストレート・アヘッドなジャズのサウンドに加えて、明らかにジャズだけではないエッセンスを取り込んで完璧に着こなすこの世代のバランス感覚にはやっぱり驚かされる。
【SONG LIST】
01. I Started Having Second Thoughts
02. TAKAO (prelude)
03. TAKAO (climb & descent)
04. Personal Legend
05. Heal
06. Yume o Mireba Wakatteiru
07. Tsuyu
08. (Tsuyu) Ake
09. Surveying
10. Lose Control
11. The Shadow of Your Smile
Track 1~10
composed and arranged by David Negrete
Track5 Lilycs by Hikari Ichihara
Track11 composed by Johnny Mandel
arranged by David Negrete
この連載の筆者、花木洸が先日発売になりました『Jazz The New Chapter 3』で編集・選盤・レビュー記事などを担当。ブラック・ミュージックの最先端からUKジャズ、ネクスト・ジャズ・ファンク、ラージアンサンブル等ここにしかない記事・インタビューが盛り沢山となっています。
■タイトル:『Jazz The New Chapter 3』
■監修:柳樂光隆
■発売日:2015年9月10日
■出版社: シンコーミュージック
今日においてはジャズこそが時代を牽引し、ディアンジェロやフライング・ロータスなど海外の最先端アーティストから、ceroなど日本のポップ・シーンにも大きな影響を与えている。この状況を予言し、新時代の到来を告げた「Jazz The New Chapter(ジャズ・ザ・ニュー・チャプター)」の第3弾がいよいよ登場。2014年の刊行時より刷数を重ね、SNS上でも未だ話題沸騰中の第1弾・第2弾に続き、2015年9月末に〈Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN〉が開催されるなど、かつてない活況を迎えているジャズの次なる未来は、ニューチャプターが切り拓く!
東京都出身。音楽愛好家。
幼少期にフリージャズと即興音楽を聴いて育ち、暗中模索の思春期を経てジャズへ。
2014年より柳樂光隆監修『Jazz the New Chapter』シリーズ(シンコーミュージック)
及び関西ジャズ情報誌『WAY OUT WEST』に微力ながら協力。
音楽性迷子による迷子の為の音楽ブログ"maigo-music"管理人です。
沼田;中2でまた札幌に戻り、ようやくミニコンポを入手。早々にW君から「スミスの新しいアルバムがでるからお前買わないとやばいよ」という手紙が届いて(QUEEN IS DEADでした)、ためしに買ってみたら全然良くないし分かんなくて。でも中2にとっての3000円ってかなりでかいですよね。あいつがわかって俺が理解できないのは釈然としない&元を取るぞ!ってつもりで聞きまくってたらあるときいつの間にか大好きになってました。
沼田;新宿リキッドで毎月行っていたイベントで夜中2:30にかかる曲!「Seems like there's a hole in my dreams~」ってところでミラーボールがバシッと点いて満員の客がおのおの歌っている光景は「THE 多幸感」って感じでたまらなくて、田舎で高校時代にはじめて聴いたこの曲大好きな人がこんなにいるんだなあ、ずーっと続けばいいのにと毎度なんだか泣いてました。17歳のきゅんとした感情にいつでも戻れる曲!と同時におっさんになったなあと再確認する曲です!
沼田;そんなに考えることはないさ 初めに感じたままでいいさ
そのままでジューブン素敵さ 本当のことだけでいいさ
さあ笑ってごらん HA・HA・HA・HA・HA
My Baby I LIKE YOU I LIKE YOU I LOVE YOU
My My My My Baby I LIKE YOU
Yes,I DO LIKE YOU
清志郎のこの歌詞に何度救われたことか。&考え無しに行動する自分へのエクスキューズ曲。清志郎がそういってるんだからしょうがないじゃないですか。
CD2:
Mette Henriette (sax)
Eivind Lonning (tp)
Henrik Norstebo (tb)
Andreas Rokseth (bandoneon)
Johan Lindvall (p)
Sara Ovinge (vln)
Karin Hellqvist (vln)
Odd Hannisdal (vln)
Bendik Bjornstad Foss (viola)
Ingvild Nesdal Sandnes (violoncello)
Katrine Schiott (violincello)
Per Zanussi (b)
Per Oddvar Johansen (ds, saw)
【SONG LIST】
CD1:
01. so
02. .oOo.
03. the taboo
04. all ears
05. but careful
06. beneath you
07. once
08. we were to
09. 3 - 4 5
10. hi dive
11. a void
12. the lost one
13. in circles
14. I do
15. O
CD2:
01. passé
02. pearl rafter
03. veils ever after
04. unfold
05. wildheart
06. strangers by midday
07. late à la carte
08. so it is
09. true
10. this will pass too
11. but we did
12. I
13. breathe
14. off the beat
15. wind on rocks
16. bare blacker rum
17. & the silver fox
18. behold
19. better unheard (yet to be hold)