feed markRSS
JJazz.Net Blog Title

2016年2月アーカイブ

『Rhapsody』リリース記念ニコライ・ヘス来日ジャパンツアー:ライブ情報 / LIVE INFO

デンマークのピアニスト、ニコライ・ヘスのジャパンツアーが決定しました。ニューアルバム『Rhapsody』は、デンマークの静寂の画家ヴィルヘルム・ハンマースホイの絵画をテーマにニコライ・ヘスが曲を書き下ろしたコンセプチュアルな意欲作。緊張と静寂に包まれた演奏は、世界一美しい音を作り上げるオスロの名匠コングスハウクの手によって、録音・ミックスされ、さらに磨きのかかった、美しい作品に仕上がっています。そんなアルバムのリリースを記念した今回の貴重な来日ツアー、是非お見逃しなく!


【ニコライ・ヘス『Rhapsody』発売記念来日ツアー】


%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88+2016-01-20+1.18.24_R.jpg

【メンバー】
ニコライ・ヘス(p) 
イェンス・スコウ・オルセン(b)  
池長一美(ds)


【日程】
2016年3月4日 (金) 18:30 open/ 19:00 start
[会場] 京都NAM HALL 京都市左京区岡崎天王町54-2 NYビル地下一階
[料金] 前売¥4,000 当日¥4,500
[予約] CORTEZ http://sisloux.info Tel: 080-5710-9526(Sister Lour Creation)

2016年3月5日 (土) 16:00 open / 17:00 1st start / 18:30 2nd start
[会場] 神戸中華会館(東亜ホール) 神戸市中央区下山手通2丁目13-9
[料金] ¥1,000(予約不可、前売りのみ)
[予約] Kobe Modern Jazz Club 078-334-3668

2016年3月7日 (月) 19:30 open/ 20:00 start
[会場] 新宿ピットイン 新宿区新宿2-12-4 アコード新宿B1F
[料金] 前売¥4,500 当日¥5,000
[予約] 新宿ピットイン Tel: 03-3354-2024 
2月1日(月)前売(予約)開始   予約番号順に優先入場

2016年3月8日 (火) 19:30 open/ 19:45 start
[会場] 吉祥寺サムタイム 武蔵野市吉祥寺本町1-11-31 B1F
[料金] チャージ¥4,000 当日¥5,000
[予約] 吉祥寺サムタイム Tel: 0422-21-6336 


●ツアー詳細情報は、こちら

African Flower / Nikolaj Hess feat. Marilyn Mazur レコーディング風景

New Album

Rhapsody+ddcj4018_R.jpg

Title : 『ラプソディ - ハンマースホイの印象 』
Artist : ニコライ・ヘス フィーチャリング マリリン・マズール
LABEL : Cloud
RELEASE : 2016.2.24

アマゾン詳細ページへ

【SONG LIST】
01. Lay Lady Lay
02. Ørken
03. I Hear a Rhapsody
04. African Flower
05. Meadow
06. Marsh
07. Clouds
08. Griegs Birds
09. Swing
10. Throughout
11. Smile




□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


Nikolaj Hess Shinjuku 1_R.jpg
Nikolaj Hess(ニコライ・ヘス)
ピアニスト、コンポーザー、プロデューサー。1967年デンマーク生まれ。ニューヨークとコペンハーゲンを拠点に活動。コペンハーゲン音楽院准教授。デンマーク王立音楽院客員教授。その他、パリ、ニューヨーク、南アフリカなどの大学で客員教授を勤める。これまでに100を超えるリーダー作、共同名義作品を発表。共演した主なミュージシャンはクリスチャン・マクブライド、リー・コニッツなど数え切れない。キャロライン・ヘンダーソンなどデンマークを代表する女性ボーカル作品を数多くプロデュース。近年では3×Hess"Music for Mum and Dad"で2014年デンマーク最優秀アルバム賞を受賞。音楽を担当した『Meeres Stille』が2015年ロンドン国際映画祭作曲賞でノミネートされるなど多方面において幅広い活動を行う。

rabbitoo 2nd album『the torch』発売記念TOUR:ライブ情報 / LIVE INFO

ポスト・ロックやエレクトロニカを踏まえた"ジャズの来るべきかたち"。
ジャズ・ギタリスト、市野元彦率いるユニット、rabbitoo!

待望の 2nd album『the touch』がリリース!
今作は前作のジャズ~ポストロック的ミニマルな路線を更に突き進み、
大胆な音響的アピローチが印象的な内容となっています。

そして早くもこのアルバムのリリースツアーが決定!
都内以外では珍しいのでこの機会に是非足をお運び下さい。


rabbitoo2016tour.jpg


【rabbitoo 2nd album『the torch』発売記念TOUR】

【メンバー】
市野元彦 Motohiko Ichino / guitar, keyboards
藤原大輔 Daisuke Fujiwara / tenor saxophone, synthesizer, electronics
佐藤浩一 Koichi Sato / keyboards, synthesizer, piano
千葉広樹 Hiroki Chiba / contrabass, electric bass, electronics
田中徳崇 Noritaka Tanaka / drums


【日程】
2016年2月28日 (日) 17:30 open/ 18:00 start
[会場] 水戸 CORTEZ 茨城県水戸市けやき台3丁目28番5
[料金] ¥3,500 (+ drink order)
[予約] CORTEZ http://cortez.jp/ TEL 029-291-3095
e-mail : cortez@tea.ocn.ne.jp


2016年3月2日 (水) 19:00 open/ 19:30 start
[会場] K.D Japon 名古屋市中区千代田5丁目12-7
[料金] 予約 ¥2,500/ 当日 ¥3,000 (+ drink order)
[予約] K.D Japon http://www2.odn.ne.jp/kdjapon/ TEL 052-251-0324
e-mail : kdjapon@gmail.com


2016年3月3日 (木) 17:00 open/ 19:00 start
[会場] 大阪 Royal Horse 大阪市北区兎我野町15-13
[料金] S ¥3,000/ A ¥2,500/ barcounter ¥1,500 (+ 1drink 1food order)
[予約] Royal Horse http://www.royal-horse.jp/ TEL06-6312-8958 / 06-6312-8959
e-mail : info@royal-horse.jp


2016年3月4日 (金) 19:00 open&DJ/ 20:00 live start

LIVE...rabbitoo/ラフレシア
DJ...nishi hiroshi/ICHIROTA
FOOD...Deco's Kitchen

[会場] 岡山 Blue Blues 岡山市北区表町3丁目12-12
千日センター街ビル2F
[料金] 前売 ¥3,000/ 当日 ¥3,500 (+ drink order)
[予約] Deco's Kitchen TEL 086-221-5335
e-mail : decoluna0209@gmail.com


2016年3月6日 (日) 19:30 open/ 20:00 start
[会場] 富山 音楽酒家 村門 富山市上本町6-1 3F
[料金] 予約 ¥3,000/ 当日 ¥3,500 (+ drink order)
[予約] 富山 音楽酒家 村門 http://murakado.jp/ TEL 076-421-7751
e-mail : info@murakado.jp


2016年3月23日 (水) 19:00 open/ 20:00 start
[会場] フクモリ マーチエキュート神田万世橋店 東京都千代田区神田須田町 1-25-4
[料金] ¥2,500 (1 drink付)/ ¥4,000 (new CD, 1 drink付)
[予約] フクモリ マーチエキュート神田万世橋店 http://fuku-mori.jp/manseibashi
TEL 03-6206-8381 e-mail : info@fuku-mori.jp

rabbitoo 2nd album『the torch』発売記念TOUR詳細


rabbitoo / 渦巻 snail slime





New Album

the_torch-200.jpg

Title : 『the torch』
Artist : rabbitoo
LABEL : SONG X JAZZ(SONG X 036)
RELEASE : 2016.2.24

SONG X SHOP


【SONG LIST】
01. バターランプの頂きにて
02. 火のこどもたち
03. MET-ROPE-OPLE
04. やがて星は泥の眠りから醒める
05. 影に満ちて梟は雪のように眠る
06. Nodding Robo Labo
07. 15 Arrows  
08. 渦巻
09. pool




□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

rabbitooA600.jpg

rabbitoo http://rabbitoo.com/
ジャズや即興、テクノ、ロック、エレクトロニカなど様々なシーンで活動する5人のミュージシャンにより2011年に結成。多様なバックグラウンドを持つ彼らが共有hubであるジャズの語法を基本に創り上げたのは、ミニマリズムと音響的アプローチ、複合拍子と不整脈、緻密なコンポジションと即興性とが交差・融合した新しいハイブリッド・ミュージック。定期的なライブ活動で着実に支持を集め、2014年1stアルバム『national anthem of unknown country』(SONG X JAZZ)をリリース。

Monthly Disc Review2016.02.15:Monthly Disc Review

mdr1.jpg


Title : 『Dreamii』
Artist : Mika Mimura



mika mimura500.jpg




今月紹介するのはニューヨークを拠点に活動するマリンバ奏者:三村未佳のアルバム。先日行われたマルチ・カルチュラル・バンド"Banda Magda"の来日公演にもバンドメンバーとしてNYから来日していた。これは大阪出身、そしてバークリーへと渡った彼女の2枚目のオリジナル・アルバムとなる。残念ながら日本での認知度は高くないが、アメリカではBLUE NOTE & JAPAN FOUNDATIONの企画でBLUE NOTE N.Y.でピアニストの百々徹を招いてライブをするほどの実力者だ。


バンド・メンバーはSnarky Puppyのリーダー兼ベーシストのMichael League、Banda MagdaのボーカルMagda Giannikou、自身のバンドRodriguez Brothersで先日発表されたグラミーにもノミネートされたトランペッターMichael Rodriguez、Kendrick ScottらとACTから作品を出しているRomain Collin、Snarky PuppyとBanda Magda両方に所属する日本人パーカッショニスト小川慶太、彼女の出身地である大阪のピアニスト名倉学、グラミーウィナーのドラマーMark Walker、ビブラフォンの重鎮とも言えるWarren Wolfなど実に様々。


全曲が彼女のオリジナル曲で、バンドの編成も曲によって様々。Snarky PuppyやBanda Magdaがそうであるように、ジャズだけではなく様々なジャンルが交錯している音楽だ。スウィングからラテン、スケールの大きなバラードまで曲調やアレンジは様々ながら、彼女の不思議な人懐っこさをもったコンポジションと確かなバランス感覚でもって統一感のある仕上がりになっている。中でもWarren Wolfのビブラフォンとの"Rhapsody in The Moon"やMark Wallkerのドラムとの"M..."、名倉学との"Dear Grandma and Grandpa"といった各楽器とのデュオの演奏では、普段耳にする機会の少ないビブラフォンやマリンバといった楽器の面白さを再発見させられた。


一口にジャズやラテンとは言い切れないような、色んな音楽が混ざって新しい音楽が生まれているその最前線に彼女もまたいるのだと感じずにはいられない。


文:花木洸 HANAKI hikaru


【Mika Mimura "Dreamii"】




Recommend Disc

dreamii200.jpg

Title : 『Dreamii』
Artist : Mika Mimura
LABEL : Independent
NO : KSM002
RELEASE : 2016.2.2

アマゾン詳細ページへ


【diskunionでの購入はこちら】


【MEMBER】
Mika Mimura(marimba)
Michael Leagus(g)
Magda Giannikou(accodion)
Warren Wolf(vib)
Mark Walker(ds)
Keita Ogawa(perc)
Michael Rodriguez(tp)
Bob Lanzette(g)
Justin Stanton(b)
Romain Collin(p)
Manabu Nakura(p)


【SONG LIST】
01. W (New York Serenade)
02. Object
03. Dream Team
04. Rhapsody in the Moon
05. Shining
06. Marvelous's Romance
07. Treasure
08. M...
09. Iroha
10. Faith
11. Reverie
12. Dear Grandma and Grandpa


この連載の筆者、花木洸が先日発売になりました『Jazz The New Chapter 3』で編集・選盤・レビュー記事などを担当。ブラック・ミュージックの最先端からUKジャズ、ネクスト・ジャズ・ファンク、ラージアンサンブル等ここにしかない記事・インタビューが盛り沢山となっています。


Jazz The New Chapter 3_R.jpg

■タイトル:『Jazz The New Chapter 3』
■監修:柳樂光隆
■発売日:2015年9月10日
■出版社: シンコーミュージック

アマゾン詳細ページへ


今日においてはジャズこそが時代を牽引し、ディアンジェロやフライング・ロータスなど海外の最先端アーティストから、ceroなど日本のポップ・シーンにも大きな影響を与えている。この状況を予言し、新時代の到来を告げた「Jazz The New Chapter(ジャズ・ザ・ニュー・チャプター)」の第3弾がいよいよ登場。2014年の刊行時より刷数を重ね、SNS上でも未だ話題沸騰中の第1弾・第2弾に続き、2015年9月末に〈Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN〉が開催されるなど、かつてない活況を迎えているジャズの次なる未来は、ニューチャプターが切り拓く!


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「Monthly Disc Review」アーカイブ花木 洸

2015.04 ・2015.05 ・2015.06 ・2015.07 ・2015.08 ・2015.09 ・2015.10 ・2015.11 ・2015.12 ・2016.01




Reviewer information

hikaru500.jpg

花木 洸 HANAKI hikaru

東京都出身。音楽愛好家。
幼少期にフリージャズと即興音楽を聴いて育ち、暗中模索の思春期を経てジャズへ。
2014年より柳樂光隆監修『Jazz the New Chapter』シリーズ(シンコーミュージック)
及び関西ジャズ情報誌『WAY OUT WEST』に微力ながら協力。
音楽性迷子による迷子の為の音楽ブログ"maigo-music"管理人です。

花木 洸 Twitter
maigo-music

"TOUCH OF JAZZ"アルバム - 石若駿 セレクト:TOUCH OF JAZZ

青木カレンがナビゲートする番組「TOUCH OF JAZZ」では、毎回ゲストの方に
自身の「TOUCH OF JAZZした作品=ジャズに触れた作品」を紹介いただいています。


j-1087_img_1.jpg


今回のゲストは、注目の若手ドラマー、石若駿さん。

番組でもうかがい知ることができますが、幼少の頃からジャズ偏差値が高い!
同世代よりも10~20歳ぐらい年上の人と音楽的な話は合うそうです。

ジャズに触れた1枚として選んでくれたのは小中学生の頃のクリスマスプレゼント!
ティーンエイジだったドラマー、トニー・ウィリアムスの演奏を聴きながら
自分の位置を感じていたのかもしれませんね。


--------------------------------------------------------------------------------------------------

『E.S.P / Miles Davis』


「小6か中1の頃のクリスマスプレゼントでした。初めてのマイルススタジオ盤との出会いがこの『E.S.P』。自分的に凄く新しく聴こえたジャズでした。一時期、毎日の目覚ましミュージックにもしていたほど。

メンバー一人一人の演奏を細かく聴く楽しみを覚えたのもこのアルバム。ドラマーのトニー・ウィリアムスは当時は18歳くらいでしょうか。12、13歳の僕は、18歳になったらこのトニーくらい叩けるようになりたいなぁと目標にもしていました。いつのまにかどんどん僕も歳を重ねて、現在年下のトニーにまた色んなことを教えてもらっている今日この頃です。

録り音も凄く好きで、奏者みんなが気持ち良く演奏してる気がします。
ちなみに、クリスマスプレゼントは同時に『キリマンジャロの娘』というアルバムも入っていました。マイルスを好きになったきっかけでもあるアルバム達です。」

石若駿


■タイトル:『E.S.P.』
■アーティスト:Miles Davis
■発売年:1965年

ESP500.jpg

アマゾン詳細ページへ






【Miles Davis - E.S.P】




□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□



New Album

cleanup200+.jpg

Title : 『CLEANUP』
Artist : 石若駿
LABEL : SOMETHIN'COOL
RELEASE : 2015.12.16

アマゾン詳細ページへ


【MEMBER】
石若駿 Shun Ishiwaka (ds)
吉本章紘 Akihiro Yoshimoto (ts, ss)
中島朱葉 Akiha Nakashima (as)
井上銘 May Inoue (g)
アーロン・チューライ Aaron Choulai (p)
高橋佑成 Yusei Takahashi (p)
須川崇志 Takashi Sugawa (b)
金澤英明 Hideaki Kanazawa (b)

【SONG LIST】
01. The Way To Nikolaschka
02. Dejavu #1
03. Darkness Burger
04. A View From Dan Dan
05. Cleanup
06. Professor F
07. Ano Ba 
08. Dejavu #2
09. Into The Sea Urchin
10. Big Saaac.
11. Siren
12. Wake Mo Wakarazu Aruku Toki
13. Tanabata #1






□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


ishiwaka450.jpg


【石若駿】
1992年生まれ、札幌出身。10歳のときに来日中のハービー・ハンコックに見出され、その後15歳にして日野皓正(tp)バンドに抜擢。東京藝術大学付属高校を経て同大学打楽器科へ進学。在学中よりファーストコール・ドラマーとして数々のバンドのレコーディング、ライブに参加。またアニメ「坂道のアポロン」では主人公・千太郎のドラムモーションと演奏を担当。2015年東京ジャズにおいては、沖野修也率いるKyoto Jazz Sextetにて出演し、リチャード・スペイヴン(ds)と披露したツイン・ドラム・ソロがテレビでもOAされ話題となっている。ジャズ演奏の傍ら今年藝大打楽器科を首席で卒業。ジャズ界、クラシック打楽器界、そしてポップス界、誰しもがその後の動向に注目する中、初のフル・リーダー作発表となる。

石若駿

bar bossa vol.54:bar bossa

barbossabanner201507.jpg


vol.54 - お客様:庄野雄治さん(aalto cofee)


【テーマ:14ℊをはじめようと思ったときこんな店にしようと思った曲】



いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今回は徳島のaalto cofee(アアルトコーヒー)の庄野雄治さんをお迎えしました。


林;こんばんは。早速ですが、お飲物はどうしましょうか?


庄野;日本のビールを。小瓶で。褐色のボトルがいいな。


林;なるほど。庄野さんってバーではそういう注文をするんですね。うちは日本のビールはCOEDOというものを扱ってまして、じゃあCOEDOの白にしますね。さて、庄野さんはお生まれは僕と同じなんですよね。


庄野;1969年7月7日徳島市生まれです。


林;あ、僕8月7日だから1ヶ月違いですね。小さい頃の音楽のことを教えてもらえますか。


庄野;小学1年生でオルガン教室に行って、1年でやめました。はじめて買ったシングルは「哀・戦士」アルバムは『A LONG VACATION』ですね。


林;お、ロンバケ! 他には。


庄野;叔母が音楽好きでとにかくビートルズをよく聴かされたのですが、ちっとも良さがわからず今に至ります。ビートルズとストーンズを通らないで音楽を聴いてきました。


林;また庄野さんらしいというか... 中学以降はどうでしょうか?


庄野;中学校で佐野元春と甲斐バンドに嵌りました。NHKのラジオ番組サウンドストリートの影響かしら。高校のときにバンドを。ルースターズ、エコーズ、ロケッツのカバーでボウイが全盛のときにひかれました。宝島やビックリハウスを読む田舎ではイケていると思っている自意識過剰な友人の少ない学生でした。そのわりにどうしてバンドなんてやれてたのかは謎です。


林;僕もバンドやってたんで、たぶんすれ違ってたんでしょうね。さて高校卒業後は?


庄野;名古屋の大学に行き軽音サークルに行ったのですがあまりの体育会系な感じに1日でやめ、後ろの席になった男前のサッカー少年をだましバンドを組みました。DOLLのバンドメンバー募集で知り合ったギターとドラムと4人でなぜか名古屋のクアトロでライブやってました。なぜかボーカルギター。詩と曲を作っていたという理由とまったく楽器の才能がなかったためです。


林;庄野さん、僕も全く同じです。楽器の才能がなくて詩と曲を作るとそうなりますよね。その後は?


庄野;大学を卒業後徳島の旅行会社に就職しました。小中の同級生と再会し、ふたりで宅録をはじめる。DAVID MARKというグループ、なぜか2014年に自主でCDを作りました。これは恵文社などで販売していただいています。


林;徳島で勤めながら自主制作CDですか。珍しいパターンですね。で、お店はどういうきっかけで始めたんですか?


庄野;36歳のときに妻と娘(生まれたばかり)のときに開業しました。10年以上自分には合わない会社員という組織にいたのが嫌で(子供と同じ理由です)30 歳を越えた手になんの職もない男が出来ることを考えて、なんとなくできそうだと思いはじめました。はじめた瞬間大間違いだと気付きましたが。10坪の小さな借りた店舗。日銭がほしいので11席の小さな喫茶も併設しました。

自家焙煎と言う文字はNG、なに屋かわからない変な店でした。一円でも赤字になったらやめてやろうとはじめたら10年間僅かですが右肩上がりでなんとかなってます。詳しい話は近刊「誰もいない場所を探している」で(笑)。


林;あ、庄野さんの「誰もいない場所を探している」を読めば詳しくわかるんですね。お店をやりたいという人、是非、チェックしてみて下さい。さて、これみんなに聞いているのですが、これからの音楽はどうなると思いますか?


庄野;コーヒーも本も同じだと思うのですが(その3つにしか興味がないので)必要な人に届けるのではなく、必要だと気付いてない人に届けるということに重点を置けばどうにでもなると思っています。


林;え? どういうことですか?


庄野;要はマニアの話など聞かずにセブンイレブンのコーヒーを飲み始めた人、西野カナを聴いている人、ライトノベルズを読んでいる人、可能性のある人たちを否定したり馬鹿にしたりする人たちがカッコ悪いんだっていう感じになれば未来は明るいと思います。

ジャンルを殺すのはいつの時代もジャンルの信望者ですから。レコード、デジタル、ライブ。結局美しいメロディー、揺れるベースライン、痺れるギターリフ、踊るドラムは誰かの耳に心に残ると思います。残れば誰かに伝えるでしょう。音楽の未来はずっと一緒。小林秀雄のいう通り「人類のなかに進化なんてない、ただ変化しているだけだ」音楽もそうだと思っています。


林;なるほど。庄野さんの哲学がわかりました。さて、これからはどうされるご予定ですか?


庄野;とりあえず徳島っていう地方都市で革命を起こします。同志がひとりいます。3人目のメンバーにどうですか。


林;僕ですか? 何かありましたら声をかけてください。他には?


庄野;文は書きます。芥川賞とると言っちゃったので。って1編たりとも小説書いたことないですが。でもなんだかとれそうな気がしています(笑)。

コーヒーはずっと焙煎します。それが私の背骨で唯一人に認めてもらえたものなので。欲してくださる人が一人もいなくなるまでは焙煎し続けます。


林;芥川賞とる宣言の後に、焙煎は続けるって良いですねえ。期待しております。では、みんなが待っている選曲に移りますが、テーマは何でしょうか?


庄野;「14ℊをはじめようと思ったときこんな店にしようと思った曲」です。真面目な話、地方都市で足りないのは文化だと思っています。アウトバウンドの小林君に内装什器のデレクションをしてもらえる話になって、すごい店にしなければとガチガチのカッコいい店にしなければいけないと思ったのだけれど、東京のように文化があって細分化した場所でいきていくような店ではダメだなあと思い、雑多なものを受け入れた上でなにかしらわからぬ品のある店にしたいと思いました。

それを言葉にするとうまく伝わらないので施工業者さんをはじめかかわる人に音楽を聴いてもらいました。こんな感じの場所を作りたいんだって。

性急で切なくてカッコよくて揺れて美しい場所。そんな10曲です。


林;音楽を施工業者の人たちに聴かせたんですね。それは期待します。


01. Luna - California (All the Way)

庄野;私の半分はルーリードで出来ている。そしてここにも同じ人がいた。はじめてギャラクシー500を聴いたときに自分がいたと思った。そしてLUNAを聴いたときに歓喜の声を上げながら泣いた。セカンドのこの曲を聴いたとき私は救われた。


林;おお、庄野さん、こういう趣味なんですね。カッコいいですね。期待がふくらんできました!


02. ニーネ タイ料理

庄野;最初渋谷のタワーレコードでファーストアルバムを買った。ボーナストラックで入っていた小沢健二の恋しくてのカバーに震えた。そうか音楽は自由でいいんだ。って音楽以外もそうかも。好きなものを好きっていいんだって教えてもらった。タイ料理タイ料理って。


林;庄野さんの選曲、もしかして全部知らないアーティストかもって気がしてきました。曲もですが、歌詞もすごく良いですね。


03. Gil Scott Heron - Me and the Devil

庄野;元祖ラッパーでおなじみの(そうなのか)ギル。なんだかね、歳をとってもカッコいいって。しかも昔のことをやるのではなくしっかりその時代の空気を感じ、どう考えてもその時代の最先端の若者の200倍はカッコいい。カッコいいっていうのはこういうことなんだと教えてもらった。


林;ギル・スコットヘロン! 進化し続けますよね。こうありたいものです。


04. Pavement - Elevate Me Later

庄野;なんだろう言葉っていうのかな。永遠のマスターピース。ビートルズやストーンズ聴いてるヒマがあるのならペイブメント聴けよ。技術よりもセンス。センスを具現化するための技術。技術というものの多様性を知った曲。


林;なるほど、ペイブメントの「センスを具現化するための技術」。庄野さんらしい言葉です。


05. Pedro Luis e A Parede.flv - Moto Boy

庄野;林さんの店だしブラジルも1曲くらいはと思い選んだ曲。彼らのレコードを2枚持っている。ブラジル人らしい。そして彼らを聴いてヒップホップはやめようと思った。持って生まれたものが違いすぎる。だからなに?じゃない。そういうことだよ。


林;確かにブラジル人のこういうセンスを耳にすると、「持って生まれたものが違いすぎる」っていう感想を持ってしまいますね。確かに。


06. BOaT - ネガティブコンディション

庄野;ナショナリズムがないでおなじみの私があえて言う。日本のバンドで一番素晴らしい。そして一番素晴らしいアルバムに入っている曲。音楽は楽しいほうがいい。


林;庄野さん、本当にいろんな音楽をチェックしているんですね。施工業者の方たち、楽しんだろうなあって思います。


07: 前奏曲 作品28の15「雨だれ」 ショパン

庄野;どんな音楽を聴くときも歌詞カードを見ないし解説も読まない。だから何を言ってるかわからないし、例えばこの曲がどんなに優れているかなど全く知らない。クラシックなどつまらぬものだと思っている、ショパンだってフーンって思う曲が殆どだ。だけど気付くと別れの曲とこの曲を聴く自分がいる。そしてホルヘ・ボレットの演奏が好きだ。彼がどんな人かは知らないけれど。


林;また庄野さんらしいコメントを。


08: NUMBER GIRL - OMOIDE IN MY HEAD - last live

庄野;CD版ではダメだ。ライブのピッチじゃなければ。はやいJAM。でもJAMにはやい曲はない。ならばこの曲は私の理想の曲ではないか。3コードさえあれば世界を変えることが出来る。そう信じていたころに聴いていれば世界を変えることが出来たかもしれない。


林;「はやいJAM。でもJAMにはやい曲はない。ならばこの曲は私の理想の曲ではないか」に心を奪われました。


09: Belle & Sebastian Little Lou, Ugly Jack, Prophet John

庄野;美しいメロディーと美しい声。それがここにある。


林;「私の半分はルーリードでできている」という言葉がよくわかる選曲です。


10: the MODERN LOVERS "Government Center" 1972

庄野;モダーンラバーズってバンド名をつけられるジョナサン・リッチマン。これ以上かっこいいクレジットってあるのかなあ。ロックンロールはどこまでいっても彼らには敵わないよ。だってジョナサンリッチマン&モダンラバーズだもん。


林;あ、そう言われてみれば、modern loversの意味、考えたことがなかったです。そうかあ。そしてこれを最後の曲にする庄野さん。これはみんな徳島に行って、この曲たちをイメージした14ℊに行かなきゃですね。僕も行きましたが、すごく良いお店ですよ。あと、お店に出ている庄野さんの奥さまが綺麗です。

庄野さん、お忙しいところ、どうもありがとうございました。
これを読んでくれている方、是非、徳島のaalto coffeeと14ℊに行ってみて下さい。


aalto coffee
aalto coffee twitter
14ℊ facebook

【誰もいない場所を探している】

daremoinai450.jpg

■タイトル:『誰もいない場所を探している』
■著者:庄野 雄治
■発売日:2015年10月27日
■出版社: mille books
■金額:¥972 単行本

アマゾン詳細ページへ


凡人には凡人の生き方がある。一流でも二流でも三流でもない、普通の人が地方でお店を続けていくために本当に必要なこと。コーヒー業界が冬の時代に、何の経験もないまま徳島でコーヒー屋を始めたアアルトコーヒー・庄野雄治。夢も希望もなかった男が、楽しく幸せに暮らしていくために実践した37のアイデア。地方でお店を始めたい普通の人、必読の1冊です!『飲食業の経験もなく、ましてお金も人脈も才能もない私でも、何とかフリーランスで十年生き延びることができた。もがき苦しんで、いっぱい間違い失敗してきたからこそわかったことがたくさんある。生まれてこの方、世界と折り合いをつけることができず、日々格闘している私のような人間でも何とかやっていけるんだよ、と伝えたい。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


今年は暖冬ということでしたが、やっと本格的に寒くなってきましたね。音楽を愛するお店、世界にはまだまだたくさんありますね。それではまたこちらのお店でお待ちしております。


bar bossa 林伸次


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


【バーのマスターはなぜネクタイをしているのか? 僕が渋谷でワインバーを続けられた理由】
バーのマスターはなぜネクタイをしているのか? 僕が渋谷でワインバーを続けられた理由

Amazon商品ページはこちら


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 ・vol.2 ・vol.3 ・vol.4 ・vol.5 ・vol.6 ・vol.7 ・vol.8 ・vol.9 ・vol.10 ・vol.11 ・vol.12 ・vol.13 ・vol.14 ・vol.15 ・vol.16 ・vol.17 ・vol.18 ・vol.19 ・vol.20 ・vol.21 ・vol.22 ・vol.23 ・vol.24 ・vol.25 ・vol.26 ・vol.27 ・vol.28 ・vol.29 ・vol.30 ・vol.31 ・vol.32 ・vol.33 ・vol.34 ・vol.35 ・vol.36 ・vol.37 ・vol.38 ・vol.39 ・vol.40 ・vol.41 ・vol.42 ・vol.43 ・vol.44 ・vol.45 ・vol.46 ・vol.47 ・vol.48 ・vol.49 ・vol.50 ・vol.51 ・vol.52 ・vol.53


bar bossa information
林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

bar bossa
bar bossa
●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
12:00~15:00 lunch time
18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
お店の情報はこちら

Monthly Disc Review2016.02.01:Monthly Disc Review

mdr1.jpg


Title : 『Musique de nuit:夜の音楽』
Artist : Ballake Sissoko & Vincent Segal



Musique de nuit500_.jpg


ある年の夏の午後に、カフェの常連さんから
'平井さん、これ知ってます?'とiPhoneで動画を見せてもらった。
どこかの教会で、演奏する二人。
一人はチェロ、もう一人はアフリカの民族衣装のようなものを纏い見知らぬ楽器を奏でる。
後に、それは"コラ"という楽器だと知る。
ある程度は、幅広くジャンルを跨いで
音楽に触れて来たつもりであったのだけれど、
チェロとコラのデュオは初めての出会いだった。


Vincent Segalがチェロ、Ballake Sissokoがコラ、
二人が教会で演奏するその姿はなんとも格好良く、
始めて聞くコラという楽器の音色にも魅了され、すぐにCDをオーダーしたのだった。
『CHAMBER MUSIC』というタイトルのその作品は、
それから夏の定番となり、カフェの空気を震わせることになる。


2015年の暮れに、再びBallake SissokoとVincent Segalの
作品がリリースされている情報を得る。
前作『CHAMBER MUSIC』は、本国フランスで2009年にリリースされ
大ヒットしたようで、日本でも来日公演をするくらいに、
一部の音楽ファンには広く受け入れられていたのだけれど、
今回は、前回に比べると周囲の反応は少しトーンダウンしているのだろうか。
正直、情報が少ない。ようやく手にした二作目は、
『Musique de nuit 』"夜の音楽"という。
前作が夏の午後のイメージであったので、今回はその逆を行く。
アフリカに日本の様な冬という概念は無いのだろうけど、こちらが手にした季節は冬だ。


さて、肝心の中身に入る前に、
まず、月夜のイラストのジャケットが良い。
アルバム前半の4曲は、そのイラストが描く通りに、屋上で録音されている。
マリにあるSissokoの自宅の屋上らしい。
録音は2015年の1月14日~16日とあるから、
丁度、この原稿を書いている今から1年前だ。
屋外での録音の為、風の音や遠くに街の喧騒が聞こえる。
そこに、コラとチェロが響き、あたかも自分もマリの街にいるような感覚に導いてくれる。
これはなんとも気持ちの良い感覚だ。
しかし、聴き進むうちに、前作とは何かが違う感じがする。
ただ、心地よいだけではない、何かがそこにある。
前作の、"昼下がりの非日常の美しい快楽"、というものとは違う
何か力強いメッセージが聞き取れる、といった感じだろうか。
二人を取り巻く環境がそうさせたのか、
または他に何か原因があるのか、理由は定かではないが、
その力強さは、心地よさだけではない深みを作品に付与している。
タイトル通り、夜、月明かりで聴くと間違いない。


文:平井康二


【Ballaké Sissoko & Vincent Segal - Making of 'Musique de Nuit'】






『Musique de nuit / Ballake Sissoko & Vincent Segal』(NØ FØRMAT)





Recommend Disc

Musique de nuit200_.jpg

Title : 『Musique de nuit:夜の音楽』
Artist : Ballake Sissoko & Vincent Segal
LABEL : Plankton(VIVO269)
RELEASE : 2015.11.29

アマゾン詳細ページへ


【MEMBER】
Ballake Sissoko (Kora)
Vincent Segal (cello)

【SONG LIST】
01. Niandou ニアンドウ
02. Passa Quatro パッサ・クアトロ
03. Balazando バラザンド
04. N'kapalema ン・カパレマ
05. Diabaro ディアバロ
06. Super Etoile スーパー・スター
07. Prelude プレリュード
08. Samba Tomora サンバ・トモラ
09. Musique de nuit 夜の音楽


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「Monthly Disc Review 平井康二」アーカイブ平井康二

2015.4.1 ・2015.5.1 ・2015.6.1 ・2015.7.1 ・2015.8.1 ・2015.9.1 ・2015.10.1 ・2015.11.1 ・2015.12.1 ・2016.1.1




Reviewer information

hiraiA400.jpg

平井康二(cafeイカニカ)

1967年生まれ。レコード会社、音楽プロダクション、
音楽出版社、自主レーベル主宰など、約20年に渡り、
音楽業界にて仕事をする。
2009年、cafeイカニカをオープン
おいしいごはんと良い音楽を提供するべく日々精進。


logo2015.ai.jpg

cafeイカニカ

●住所/東京都世田谷区等々力6-40-7
●TEL/03-6411-6998
●営業時間/12:00~18:00(毎週水、木曜日定休)
お店の情報はこちら

アーカイブ