feed markRSS
JJazz.Net Blog Title

2016年11月アーカイブ

■即興演奏だからこそ生まれる『瞬間の奇跡』を、もっと多くの人に。"JAZZ SUMMIT TOKYO"

"JAZZ SUMMIT TOKYO"とは、90 年代生まれのニュージェネレーションによる『ジャズ』を中心としたアート・フェスティバル。1992年生まれの中山 拓海・石若 駿・江﨑 文武・額田 大志の4人が中心となって企画・運営。2015年春、新宿PIT INNでのキックオフ・イベントを皮切りに、過去6回を開催。

昨年8月のSUMMER FESTIVALではクラウドファウンディングサイト「Ready for」で100万円を超える支援を達成し、六本木Superdeluxeを舞台に初の大型フェスを敢行。寺久保エレナ、馬場智章、桑原あいといった世界レベルで活躍するジャズ・ミュージシャンに加え、ものんくるやSrv.Vinciといった幅広いジャンルのアーティストが競演しました。

jazzsummit_2_R.jpg
JAZZ SUMMIT TOKYO Vol.4 SUMMER FESTIVAL photo by MAHAYA TAKARA 

■ 出演アーティスト同士がイベント限りのユニットを結成する「Vol.7 WINTER FESTIVAL」

第7 回目となる今回は、キックオフ・イベントを開催した老舗ジャズライブハウス・新宿PIT INNに回帰。 オーセンティックなジャズプレイヤー、そしてジャズのエッセンスを持ちながら様々なジャンルで活動しているアーティストがユニットを組み、VJと共に化学反応を起こします。


出演アーティストは・・・


Nao Kawamura(Vo)
R&BやJAZZをルーツに、表情のあるヴォーカルで独自の世界観を創り出すシンガー。2016年4月に渋谷JZ Bratにてワンマンライブを開催。2016年 7月にはFUJI ROCK FESTIVAL '16 "ROOKIE A GO-GO"に出演。SuchmosやSANABAGUN.、リベラルaka岩間俊樹やWONKでのコーラスやフィーチャリングに参加。

澤近立景(Gt)
ジャズをベースに様々なスタイルでの演奏や作編曲を得意とするギタリスト、アレンジャー、コンポーザー。2013年 柴田淳 Billboard / Blue Note Tour。2014年 上間綾乃 Tour / 情熱大陸フェス に出演。Nao Kawamura、Yordan Markov ブルガリア五重奏団、宮﨑 薫、Pot Heads Plusなどに参加中。

勝矢匠(B)
歌心を大事にした自由奔放なグルーヴを武器に様々なジャンルで活動。大学在学中には早稲田大学ハイソサエティオーケストラにてレギュラーベーシストを務め、山野ビッグバンドジャズコンテスト、太田市ビッグバンドジャズコンテストにて二年連続優勝。Nao Kawamura Bandに参加しフジロックに出演。

山田玲(Ds)
猪俣猛氏、本田珠也氏、Gene Jackson氏に師事し、18歳よりプロ活動を開始する。様々な音楽シーンで活動するドラマー。 現在は主に、前田憲男(pf),秋満義孝(pf),大西順子(pf),熊谷ヤスマサ(pf),松本茜( pf),大野俊三(tp),今津雅仁(ts),浜崎航(ts),平井庸一(gt),中山拓海(as),TOKU( vo,flgh)などのバンドに参加。

高岩遼(Vo)
8人編成生ヒップホップチーム『SANABAGUN.』と、三年間で3000ステージを超える路上ライブにて今年アルバムリリースが決定したロックンロールバンド『ザ・スロットル』の歌手・フロントマンであり、13人の若手アーティスト・クリエイターの表現者集団『 SWINGERZ』の総長。今世界が注目するストリートの次世代スター。

Ermhoi(electronics)
ジャズポップバンド「Mr.Elephants」の紅一点ヴォーカル、エリンのソロ名義。幼少期よりジャズと洋楽インディーに親しみ、自身の打ち込みをベースに楽曲を制作する。2014年設立のファッションブランド「maison de F」のコレクション音楽も手がける。2015年の六本木スーパーデラックスでのワンマンには 100 人以上の観客を動員。

山田丈造(Tp)
9歳から札幌ジュニアジャズオーケストラに参加し、Herbie Hancock、日野皓正らとのセッションを経験、同バンドでシドニーのオペラハウスに出演。2015年から2年連続で、カナダで行われる大型フェス"Toronto Jazz Festival"に出演。現在はGatos Meeting、"カラスは真っ白"、冷牟田竜之プロデュースに参加。

桑原あい(Pf)
これまでに4枚のアルバムをリリースし、タワーレコードジャズチャート1位、JAZZ JAPAN AWARD2013アルバム・オブ・ザ・イヤー:ニュー・スター部門、JAPAN TIMES上半期ベストアルバム<ジャズ部門>など受賞多数。第12回東京JAZZフェスティバル、米西海岸4都市ツアーなど国内外を問わず精力的に演奏活動を行う。

宮本貴史(VJ)
作曲及びコンピュータ音楽を莱孝之、今井慎太郎、古川聖、高橋裕ら各氏に師事。5th Shanghai Conservatory of music's electronic music weekにてcreative works賞を受賞。 その他The New York City Electroacoustic Music Festival 2016をはじめ入選多数。VJとして、Sinus Ton2016にて今井慎太郎と共演。メディアアーティストグループ「Tokyo Media Interaction」代表。

江﨑文武(Pf)
エクスペリメンタル・ソウルバンドWONK キーボーディスト。東京藝術大学音楽学部在学中から、アニメーション音楽・商業映画の作曲(ジャズ、クラシック)に携わり、世界各地で上映・受賞を果たす。2015年公開 映画『なつやすみの巨匠』では音楽監督を務めた。 東京藝術大学安宅賞を受賞。JAZZ SUMMIT TOKYOディレクター。

中山拓海(A.Sax)
国立音楽大学首席卒業。矢田部賞受賞。これまでに秋吉敏子氏、山下洋輔氏、小曽根真氏等と共演。多国籍ジャズ・オーケストラ"AYJO"のコンサートマスターとして、ASEAN5ヶ国と日本にてツアーを行う。2016年、アゼルバイジャンで開催されたバクージャズフェスティバルに自身のバンド"たくみの悪巧み"で出演。 JAZZ SUMMIT TOKYOディレクター。


jazzsummit_LOGO_R.jpg

JAZZ SUMMIT TOKYO Vol.7 WINTER FESTIVAL 2016
日時:2016年12月3日(土)19:30 開場/20:00開演 場所:新宿PIT INN(新宿区新宿2-12-4アコード新宿 B1)
料金:チケット前売¥3,000+税 当日¥3,500+税 主催:JAZZ SUMMIT TOKYO実行委員会
協賛:石森楽器/山野楽器店/ボニードラム/bf jazz/リットーミュージック/Jazz The New Chapter/ほか20社以上(敬称略)
詳細・予約:http://www.jazzsummit.net/winterfestival/

夜ジャズミーティング2016 公開収録決定!:ニュース / NEWS

須永辰緒ナビゲート「夜ジャズ.Net」の年末恒例企画、「夜ジャズミーティング」が今年も開催!
(昨年の様子はこちら

毎回ジャズ~クラブシーンの重要人物が集まり、
自身の年間ベスト作品を紹介しながらその年を振り返るというこの人気企画。
今年も「HMV record shop 渋谷」で公開収録を行います。

出演はお馴染みの須永辰緒さん、松浦俊夫さんに加え、
今回初登場なのが音楽ジャーナリスト/ライターとして知られ、自身のレーベル運営や
非営利ネットラジオ局の日本ブランチ dublab.jpも手掛けられている原雅明さん。
興味深い鼎談、そして公開収録となりそうです。

今年のジャズ/クラブシーンについて。そしてそれぞれが選ぶ2016年ベスト作品は何なのか?
観覧は無料ですので是非気軽にお越しください。

yorujazzmeeting600.jpg


【夜ジャズミーティング2016 公開収録】
ジャズをキーワードにしたインターネットラジオJJazz.Netで須永辰緒がナビゲーターを務める番組「夜ジャズ.Net」。番組では年末の恒例企画としてその年を振り返りつつ、自身の年間ベスト作品を紹介する「夜ジャズミーティング」を開催しています。昨年に続き今年も「HMV record shop 渋谷」にて公開収録を行います!ジャズ~クラブシーンの重要人物が会するこの機会をお見逃しなく。

【日時】
12/16(金)20:00~(21:00終了予定)

【会場】
HMV record shop 渋谷 1F
東京都渋谷区宇田川町36-2 ノア渋谷1F 渋谷駅ハチ公口改札から徒歩7分 東急ハンズ向かい
HMV record shop 渋谷

【内容】
インターネットラジオ、JJazz.Netで須永辰緒がナビゲーターを務める番組「夜ジャズ.Net」の公開収録

【出演者】
須永辰緒、松浦俊夫、原雅明

【参加方法】
観覧無料


■参考リンク
須永辰緒 Officail Web
松浦俊夫 Officail Web
原雅明(rings)
HMV record shop 渋谷 Officail Web
JJazz.Net

オーストラリアの伝説的バンド"THE NECKS" 待望の初来日ツアー決定!!:ライブ情報 / LIVE INFO

今年活動30周年、全世界でカリスマ的な人気を誇る即興音楽界の最高峰グループ、THE NECKS。

アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアの30周年記念公演はソールドアウト続出ということで
日本での初来日ツアーにも期待が高まります!

波打つように変化していく生演奏によるミニマルサウンド。
本当に楽しみです。


thenecks600.jpg


【THE NECKS初来日ツアー】

今年最後のビッグニュース!!
オーストラリアの伝説的カリスマバンド"THE NECKS" 待望の初来日ツアー決定!!



【日程】
東京公演
2016年12月14日(水)
会場:Shibuya WWW X
時間:開場 19:00 / 開演 20:00
料金:前売り 3,800円 / 当日 4,300円
(税込/ドリンク代別/オールスタンディング)
お問合せ:WWW X 03-5458-7688


大阪公演
2016年12月15日(木)
会場:心斎橋CONPASS
時間:開場 19:00 / 開演 19:30
料金:前売り 3,800円 / 当日 4,300円
(税込/ドリンク代別/オールスタンディング)
お問合せ:CONPASS 06-6243-1666


滋賀公演
2016年12月17日(土)
会場:酒游舘(近江八幡)
時間:開場 16:30 / 開演 17:00
料金:前売り 3,800円 / 当日 4,300円
(税込/ドリンク代別/地酒のみお代わり自由/限定100席/着席)
お問合せ:酒游舘 E-MAIL sakedelic@shuyukan.com
Tel 0748-32-2054 (10:30AM-5:00PM)


【The Necks - Live in Concert】



THE NECKS
http://www.thenecks.com/

Monthly Disc Review2016.11.15:Monthly Disc Review

mdr1.jpg


Title : 『Manhattan』
Artist : 大林武司トリオ



ohbayashitakeshi500.jpg


今月のレビューはピアニスト大林武司の新作『Manhattan』。近年はJose JamesのバンドやNew Century Jazz Quintet、最近ではトランペッター黒田卓也の新作『ジグザガー』、そして「報道ステーション」のテーマ曲を手掛けた在NY日本人ジャズマンのスペシャルバンド「J-Squad」のメンバーでも活躍している。


アルバムは8曲を2つのトリオで均等に分けており、一方が大林の師でもあるベテランTerri Lyne Carrington(ds)とTamir Shmerling(b)によるトリオ、もう一方がJose JamesバンドのNate Smith(ds)とNew Century~で活動を共にする中村恭士(b)によるトリオだ。Tamir Shmerlingとの組み合わせは、この連載で6月に紹介した森智大『Grand Slam』でも聴くことが出来る。


シンプルなビートの上に様々な音色のレイヤーを重ねていく「WORLD PEACE」からアルバムは始まる。2曲目から続くエレクトリックな質感の曲をテリ・リンとタミアが、そして5曲目「In Walked Bim」から始まるオーソドックスなピアノ・トリオ・スタイルの曲をグルーヴの印象の強いネイト・スミスが担当しているのも興味深い。どんなスタイルでも当たり前にフィットしていくというのは、もはや現代のジャズ・ミュージシャンにとっては当たり前のことになっている。一方でグルーヴする最先端のビートであっても、スウィングする4ビートであっても大林のピアノのスタイルは一貫してとてもなめらかで、独特のタッチの中に彼より一世代上のロバート・グラスパーが、そしてそのさらに上の世代のマルグリュー・ミラーが見え隠れする。音色やリズムの質感が違っていても、核となるスタイルが彼の中で確立されているから、大林のピアノには説得力があるのだろう。


Jose Jamesや黒田卓也のバンドではシンセサイザーを豪快に操ってネオ・ソウルやヒップホップの空気を演出する一方で、New Century Jazz QuintetやJ-Squadでは流麗なストレート・アヘッドなジャズのピアノを聴かせたりと、大林の持つ2つの側面、その間にピッタリとハマるピースがこのアルバムだと感じた。


文:花木洸 HANAKI hikaru


大林武司Facebook


【Takeshi Ohbayashi Trio "Manhattan" TRIAL (SOUNDCLOUD)】
https://soundcloud.com/somethincool/manhattan



Recommend Disc

ohbayashitakeshi200.jpg

Title : 『Manhattan』
Artist : 大林武司トリオ (Takeshi Ohbayashi Trio)
LABEL : SOMETHIN' COOL
NO : SCOL-1016
RELEASE : 2016.11.9

アマゾン詳細ページへ


【MEMBER】
大林武司 Takeshi Ohbayashi (p, synth)
テリ・リン・キャリントン Terri Lyne Carrington (ds)
ネイト・スミス Nate Smith (ds)
タミヤ・シュマーリング Tamir Shmerling (b)
中村恭士 Yasushi Nakamura (b)


【SONG LIST】
01. World Peace
02. Cill My Landlord
03. Heart
04. Cyclic Ridge 2
05. In Walked Bim
06. One For Sonny
07. Untitled Bossa
08. Steal Heel


この連載の筆者、花木洸が先日発売になりました『Jazz The New Chapter 3』で編集・選盤・レビュー記事などを担当。ブラック・ミュージックの最先端からUKジャズ、ネクスト・ジャズ・ファンク、ラージアンサンブル等ここにしかない記事・インタビューが盛り沢山となっています。


Jazz The New Chapter 3_R.jpg

■タイトル:『Jazz The New Chapter 3』
■監修:柳樂光隆
■発売日:2015年9月10日
■出版社: シンコーミュージック

アマゾン詳細ページへ


今日においてはジャズこそが時代を牽引し、ディアンジェロやフライング・ロータスなど海外の最先端アーティストから、ceroなど日本のポップ・シーンにも大きな影響を与えている。この状況を予言し、新時代の到来を告げた「Jazz The New Chapter(ジャズ・ザ・ニュー・チャプター)」の第3弾がいよいよ登場。2014年の刊行時より刷数を重ね、SNS上でも未だ話題沸騰中の第1弾・第2弾に続き、2015年9月末に〈Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN〉が開催されるなど、かつてない活況を迎えているジャズの次なる未来は、ニューチャプターが切り拓く!


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「Monthly Disc Review」アーカイブ花木 洸

2015.04 ・2015.05 ・2015.06 ・2015.07 ・2015.08 ・2015.09 ・2015.10 ・2015.11 ・2015.12 ・2016.01 ・2016.02 ・2016.03 ・2016.04 ・2016.05 ・2016.06 ・2016.07 ・2016.08 ・2016.09 ・2016.10




Reviewer information

hikaru500.jpg

花木 洸 HANAKI hikaru

東京都出身。音楽愛好家。
幼少期にフリージャズと即興音楽を聴いて育ち、暗中模索の思春期を経てジャズへ。
2014年より柳樂光隆監修『Jazz the New Chapter』シリーズ(シンコーミュージック)
及び関西ジャズ情報誌『WAY OUT WEST』に微力ながら協力。
音楽性迷子による迷子の為の音楽ブログ"maigo-music"管理人です。

花木 洸 Twitter
maigo-music

アンドレ・メマーリ・トリオ ジャパン・ツアー2016 開催決定!:ライブ情報 / LIVE INFO

ブラジルが生んだ現代最高峰のピアニスト/作曲家、アンドレ・メマーリのトリオ編成による日本ツアーが12月に開催決定です。

RyoMitamura_IMG_3729_430.jpg

まだ30代の若さながら、ブラジル、南米を代表するピアニストとしての評価を確立しているアンドレ・メマーリ。リーダー名義の日本ツアーは3年ぶり/4回目。伊藤ゴロー、藤本一馬のアルバムにゲスト参加するなど、日本の音楽家からも賞賛を集め、南米音楽ファンはもちろん、ジャズやクラシックなど幅広いジャンルで注目を集める存在となっている彼のステージは必見です。
今年10月にアントニオ・ロウレイロとの合作アルバム『メマーリロウレイロ・デュオ』をリリース、好評を博しているタイミングでの来日で、トリオ編成では初。
サンバ100周年を記念するプロジェクト「サンバ100年の歩み」の一貫として、駐日ブラジル大使館の後援により開催される各公演とのことでその歴史を彩った名曲のカヴァーなども演奏予定とのこと。是非この機会に彼の音楽に触れてみてください

■アンドレ・メマーリ・トリオ ジャパン・ツアー2016■

出演:
André Mehmari (piano)
Neymar Dias (double bass)
Sérgio Reze (drums)

主催・制作: NRT(maritmo株式会社)
後援: 駐日ブラジル大使館
岡山公演制作: moderado music
協力: novus axis、pianohouse.mmg、PaPiTaMuSiCa、ラティーナ


12/5(Mon) 愛知 THE BOTTOM LINE NAGOYA
開場19:00 開演19:30
予約5,000円 当日5,500円(全席自由/入場時ドリンク代別途要)

会場:
THE BOTTOM LINE NAGOYA
名古屋市千種区今池4丁目7番11号
地下鉄今池駅3番出口前
052-741-1620
www.bottomline.co.jp/


12/6(Tue) 岡山 蔭凉寺(いんりょうじ)
開場19:00 開演20:00
予約 6,000円 当日6,500円(全席自由)

会場:
蔭凉寺
岡山市北区中央町10-28
※会場への直接のお問い合せはご遠慮下さい。

予約・問い合わせ:
メール予約 moderado music (moderadomusic@gmail.com)


12/7 (Wed) 東京・渋谷 伝承ホール
開場18:30 開演19:00
前売6,000円 当日6,500円
(指定席券/未就学児入場不可)

会場:
渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール
渋谷区桜丘町23-21
03-5458-7685

チケット予約:
Live Pocketにてオンライン販売
https://t.livepocket.jp/e/mehmari2016



【André Mehmari プロフィール】
1977年ブラジル、リオデジャネイロ生まれ。5歳より音楽を専門的に学び、10歳より独学でジャズ、即興音楽を学び作曲も始める。15歳の頃には音楽院でオルガン、ピアノを教えはじめる。95年サンパウロ州立大学の音楽コンクールBrazilian Popular Music (MPB)部門で優勝。97年にはクラシック部門でも優勝。全26の楽器を演奏、多重録音によるソロアルバム『Canto』を制作、2002年にリリース。05年7月ブラジル人歌手のジョイスと共に初来日。2011年にリーダー名義の日本ツアーを2回行う。2013年、フェスティバル<THE PIANO ERA>の招聘により再来日。東京公演の録音はアルバム『Tokyo Solo』としてNRTよりリリース/NKCD1012)。福岡・神戸・名古屋・山形でもソロ・ピアノ公演を行う。2015年、本ツアーと同メンバーによるトリオ編成のアルバム『As Estações na Cantareira』をリリース。最新作はアントニオ・ロウレイロとのデュオ名義作『MehmariLoureiro duo』(NKCD1016)。自身のレーベル<Estúdio Monteverdi>をメインにコンスタントに作品を発表、リーダー作は20枚近く。マリア・ベターニアやイヴァン・リンスなどトップ・ミュージシャンとの共演も多い。伊藤ゴロー、藤本一馬などの作品にもゲスト参加するなど日本の音楽家からの信奉も厚い。数多くの楽器を演奏するマルチ・ミュージシャンであり、プロデューサー、レコーディング/マスタリング・エンジニアとしての仕事も多く、世界でも稀に見るマルチな才能の持ち主である。

マルガリータ・ベンクトソン来日ツアー決定!:ライブ情報 / LIVE INFO

北欧一美しい歌声を持つと言われる
スウェーデンのジャズヴォーカリスト、マルガリータ・ベンクトソン。
5年振りとなる来日公演が決定しました!

またその来日に合わせ、スタンダードの名曲を集めたバラードをリリース。
スペシャル・ゲストにスウェーデンを代表するピアニストの一人、
マティアス・アルゴットソンを迎え、スタンダードの名曲の数々をしっとりと歌い上げています。

秋の夜長にぴったりのこの作品を聴いて、来日公演を待ちましょう。


Margareta Bengtson.jpg


■マルガリータ・ベンクトソン 2016 スケジュール■

11月28日(月)金沢本多の森ホール
マルガリータ・ベンクトソン&Her Quintet
開演:19:00


11月29日(火)富山オーバードホール
マルガリータ・ベンクトソン&Her Quintet
開演:19:00


11月30日(水)厚木市文化会館
マルガリータ・ベンクトソン&Her Quintet
開演:18:30


12月1日(木) 中野サンプラザホール
マルガリータ・ベンクトソン&Her Quintet
開演:18:30


12月2日(金) 中野サンプラザホール
マルガリータ・ベンクトソン&Her Quintet
開演:18:30


12月6日(火) オリックス劇場(大阪)
Arrow Jazz Orchestra Special Guest with Peter Asplund
開演:18:30


12月7日(水) 京都コンサートホール 大ホール(B)
Arrow Jazz Orchestra Special Guest with Peter Asplund
開演:18:30


12月8日(木) 神戸国際会館 こくさいホール
Arrow Jazz Orchestra Special Guest with Peter Asplund
開演:18:30

※この公演に関する問い合わせ
MIN-ONインフォメーションセンター 03-3226-9999


来日公演詳細(Spice of Life)




SOL_SV-0036Margareta500.jpg


7年振りとなる本作品「バラード」は彼女の5年振りの来日記念盤であり、目にも耳にも美しいマルガリータの魅力をスタンダードの名バラードとともにお届けするジャズ・ファンにとって必携の一枚である。北欧の澄み切った空気のように澄んだ歌声のバラード集はマルガリータとマティアスの魅力を凝縮した作品となった。


■タイトル:『Ballads』
■アーティスト:Margareta Bengtson with special guest Mathias Algotsson
■発売日:2016年10月26日
■レーベル: Spice of Life
■品番:SOLSV-0036

アマゾン詳細ページへ



bar bossa vol.63:bar bossa

barbossabanner201507.jpg


vol.63 - お客様:花田勝暁さん(LATINA)


【テーマ:前向きに生きようと思えた個人的な10曲】



いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

今月はLATINAの編集長、花田勝暁さんをゲストに向かえました。


林;こんばんは。まずお飲物はどうしましょうか?


花田;季節のフルーツのカクテルをお願いできますか。


林;かしこまりました。では今は梨の新高があるのでそれにしますね。


花田;お願いします。


林;それでは早速ですがお生まれと小さい頃の簡単な音楽環境みたいなものを教えてもらえますか。


花田;青森県の五所川原市というところで、1982年に生まれました。姉が2人いるのですが、姉たちが習っていたので、小学校に上がったくらいからピアノを習っていました。近所にピアノ教室をやっている先生がいたんですが、習い始める時に約束してもらったのは、発表会には出なくていいよねってことでした。もうその頃にはすでに人前に出るのが嫌だったんですね。性格って変わらないですね。


林;(笑)初めて買ったCDは何ですか?


花田;父がCDコンポを買ってきたので、自分でCDを買おうと思って初めてお小遣いで買ったのは、ウッチャンナンチャンの番組で結成されたユニットのシングルCDでした。小学校3年生か4年生の頃です。あんまり発展しない話で申し訳ないくらいですが。


林;確かにうまくリアクションが返せない選択ですね。他はどういうのを聴いてましたか?


花田;長女とは5歳離れているんですが、長女は音楽が好きで、長女の聴いているものを一緒に聴いていました。最初はヒット・チャートのポップスであまり覚えていないですが、僕が小学校高学年の時に、長女が小沢健二を中心に渋谷系にはまりだして、そこからは僕ものめり込んで音楽を聴くようになりました。渋谷系のアーティストのインタビューで海外のアーティストの名前がよく出てくるので、同時代の洋楽を聴くようになりました。小6の時に最初に買った洋楽雑誌は、今でも手元にあります。


林;なるほど。お姉さんが77年生まれということはちょうど渋谷系ど真ん中ですね。花田さん、ちょっと趣味が年齢より上だなあと思っていたら、そういう経緯があるんですね。中学に入ってどうなりましたか?


花田;中学校に上がったくらいに、ピアノ教室をやめて、ギター教室に通って、ギターを習い始めました。ギターを弾くというのでバンドに誘われたりもしましたが、当時、ディスコガイド本片手に、古い洋楽名盤を取り寄せて聴くという中学生で、やりたい曲が違うので、結局バンドをやることはありませんでした。それは高校生になってもそうでした。でも、宅録には興味があって、カセットのMTRとか録音できるMDプレイヤーを買って、録音したりはしていました。


林;あ、ピアノ以外にギターも習ったんですね。


花田;中学生の時にクロスビートとロッキンオンを愛読して、スタジオボイスを買っては内容はよくわからないけどずっと眺めていました。高校生の時はロッキンオン、ロッキンオンジャパン、ミュージック・マガジンを読んでいました。


林;中学でそれはマセてますね。どのあたりを聴いてました?


花田;中高校生の時に、古い名盤じゃなくて、リアルタイムに聞いていたのは、ブリティッシュ・ポップ/グランジからシカゴ音響派/コーネリアス・フィッシュマンズという感じです。でもやっぱり古いものの方が好きで、ビートルズ、ビーチボーイズ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドがヒーローでした。これらの音楽を自分がほぼ聴かなくなる日が来るとは思わなかったです。当時、自分自身の宅録音源のユニット名(笑)には「banana&apples」と名付けていて(ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのあのジャケと、ビートルズのレーベルのこと)、1stアルバムのタイトルは『ピーチ』(ビーチボーイズのビーチから)にしようと決めていました。


林;(笑)音楽のことがわからない人だと、すごく「果物好き」だと思われちゃいますね。高校はどうでしたか?


花田;進路についてというか、大学で何を勉強するかということは、本当にすごく真剣に悩んで。ぼくは本当に田舎で育って、そうすると、東京にこんなに沢山の仕事があるってことは全然知らずに育つんです。

親は、田舎でも普通に存在する医者とか教師とかになってほしいという感じで、なるべく可能性も潰さない為に高校で文理選択で理系を選んでいたりした自分もいたんですが、悩んで悩んで、当時好きなレコーディング・エンジニアがいたり、シカゴ音響派の全盛期だったりして、「ぼくはレコーディング・エンジニアになりたい」と思って、音響設計学科という珍しい学科を受験しました。楽に入れるところではないんですが、勉強は真面目にしていたので、模試の判定とか学校の先生や数学塾の先生からは通ると思われていたんですが、本番に弱くて受験に失敗しました。

それで、当時、2番目の姉が住んでいた京都に行って、1年間真面目に浪人して、模試の成績では受かりそうだったんですが、また本番に弱くて失敗して、後期で滑り止めで受けた同じ学部の情報系の学科に入りました。


林;レコーディング・エンジニア志望が情報系の学科に入ったんですね。


花田;そういう大学だったので、パソコンで打ち込みで音楽を作るサークルがあって、そこに入って自分1人で完結するスタイルで音楽を作って、サークルの発表会で発表したりしていました。学内のイベントの音楽とか作ってました。エレクトロニカとか、フォークトロニカを聞いていて、そんな真似事を。VOCALOIDとかがが出始める前でした。すごくはまっていましたが、ブラジルに留学することにして、研修にかかる時間も多くなって、イベント用に頼まれて作るだけになっていきました。


林;おっとブラジルが突然、登場しましたね。その辺りを詳しく教えてもらえますか?


花田;まず、ブラジル音楽との出会いですが、高3の時です。当時、カエターノ・ヴェローゾやマリーザ・モンチのアルバムが、愛読していたミュージック・マガジンで高い評価を得ていたり、好きだったシカゴ音響派の人たちが影響を受けた音楽家としてブラジルの音楽家の名前を挙げていて、興味を持ちました。


林;なるほど。


花田;当時それぞれ最新作だったカエターノ『リーヴロ』とマリーザの『アモール、アイ・ラヴ・ユー』は本当によく聴いていて、通学のバスの中でウォークマンで聞きながら、一緒に乗っている人に、どうにかこのアルバムを聴いてもらいたいなあと思っていました。「人間スピーカーになりたい」って思っていました。ブラジル音楽との出会いは、サンバやボサノヴァではなく、ロックの延長上で聴き始めたMPBでした。


林;あ、僕もMPBからです。


花田;そういうわけで、大学生になってからもブラジル音楽も沢山聴いていた中で、ブラジルに1年間インターン留学できる制度のポスターを見かけたんです。高校の英語の先生が「20歳までに留学した方がいい」って言っていた言葉が気にかかっていたのと、英語圏以外に留学したいなあという思いがあったので、ブラジルに行くのもいいなと思いました。応募して、研修を経てブラジルのリオに行きました。学校ではポルトガル語を勉強してないですし、研修での語学研修の割合も少ないので、言葉は、ほぼ上達しない状況で出発しました。初めての海外経験がリオでの1年間だったんですが、そこでとても新鮮な経験ばかりしました。


林;うわー、すごいですね。


花田;リオでの生活のことをブログとかSNSに書いていたんですが、当時からラティーナに寄稿されていた佐々木俊広さんというライターの方がリオに来ている時に、コパカバーナのホーダ・ヂ・サンバを見ている時に偶然知り合って、佐々木さんが僕やそのブログのことを、当時ラティーナで編集とブラジル担当をしていた船津亮平さんに伝えてくださったことが、ラティーナで働かせてもらえることにつながりました。


林;そんなきっかけですか。それは面白いですね。


花田;留学から戻って大学4年生の春でしたが、その年の秋には東京に部屋を借りて福岡から東京に引っ越して、ラティーナでアルバイトして働いていました。

「20歳までに留学した方がいい」って言っていた先生の真意としては、語学の面で上達が違うからって意味だったのかと思いますが、ぼくがブラジルに行って得た経験って何だったんでしょう。その後の進路にあまりにも大きな影響があるので...。


林;ブラジルって人の人生を変えますね。


花田;語学についての面だけでも、何語でもいいですが、日本語以外の言語で情報を得られるって、プラスなことだと思います。精神的な面でも、離れた国のことを寂しく思ったり、離れた国の人が気にかけてくれたりするってことで、人生が多層的にもなるかもしれません。ここではないところに、自分の思い出の場所や人があるってことが、人生に悪い影響を与えるってことはないと思います。日本以外でも生きられると思うと、日本の生活で弱ってしまった時にも、踏ん張ってみようと思えるじゃないでしょうか。


林;ああ、それは素敵な考え方ですね。ここではないところに、別の自分の場所があるって確かに人生を豊かにします。さて、これはみんなに聞いているのですが、これからの音楽はどうなると思いますか? 


花田;ぼくは、音楽業界が良かった時というのを知らない世代なんです...。望みとしては、ぼく自身は90年代のワールド・ミュージック・ブームっていうものは体験してはいないですが、「ワールド・ミュージック」を聴いているってことが、また、素敵なライフスタイルの姿であるって状況が戻ってくればいいなと思っています。自分の文章ではブラジル音楽を紹介することが圧倒的に多いですが、ブラジル音楽に限らず、世界各地の音楽を聴くことがもっと普通のことになってほしいと思っています。


林;本当にそうですね。お仕事期待しております。これからはどうされるご予定ですか? 


花田;あまり予定という予定もないですが、ラティーナの編集をしている限り、より良い音楽雑誌を目指して、頑張りたいと思っています。ぼくはやっぱり、世界中から色んな才能がどんどん登場する「ワールド・ミュージック」が今後も一番面白い音楽の1つであり続けると思っていて。さっきも言いましたが、「ワールド・ミュージック」を聞いていることがもっと普通のことになって、ラティーナを読んでいることも、もっと普通のことになればいいなあと思います。あと、仕事と離れたところでは、博士論文を完成させたいのが目下の目標です。


林;なんだか花田さんらしい真面目なご予定ですね。それでは選曲に移りましょうか。テーマは何でしょうか?


花田;「前向きに生きようと思えた個人的な10曲」です。


林;前向きに生きようと思えた曲ですか。楽しみですね。


01. Nick Drake(ニック・ドレイク)「Time Has Told Me」(1970)

花田;26歳で夭折したイギリスの天才シンガーソングライターの残した歌に、音楽を本格的に聴き始めてすぐに出会い、この歌はそれから10余年自分の心の支えとなったんでした。「〜〜時がぼくにこうも教えてくれた/これ以上求めていけない/ぼくらの大海原も/いつかそのうち岸辺に辿り着ける//だからぼくは自分がほんとうになりたくないものへと/自分自身を追い込むような生き方をやめることにしよう/自分がほんとうは愛したくないものを/愛さざるをえなくなるような生き方をやめることにしよう〜〜」という歌詞です。


林;ニック・ドレイクが1曲目ですか。ラティーナ読者は驚いてそうですが、花田さん、お好きそうですね。


02. Joy Division(ジョイ・ディビジョン)「Love Will Tear Us Apart」(1988)

花田;人生で一番繰り返しクリップを見た曲なのではないかと思います。PVが特別なんかすごいわけじゃないんですが、ヴォーカルのイアン・カーティスに見入ってしまって。当時、ロッキング・オンの渋谷陽一さんのやっている「ミュージック・サテライト」というBSのテレビ番組があって、それを姉がいつも録画してくれていてその中で紹介されたこの曲のクリップを、中学生時代繰り返し繰り返し見ていました。ブラーとかオアシスのPVが流れる中で、とりわけこの曲がすごく引っかりました。曲の内容は、愛がまた2人を引き裂くってことで、中学生には全く無縁の内容なんですが。イアン・カーティスも23歳で夭折してしまったミュージシャンです。


林;中学生の時にジョイ・ディヴィジョンにはまったっていうのも青森では浮いていたのではと想像します。今度、お姉さんの話を聞かせてください(笑)。


03. Robert Wyatt(ロバート・ワイアット)「Free Will and Testament」(1997)

花田;ソフト・マシーンのドラマー兼ヴォーカリストだったのが、事故によりドラマーとしての生命は絶たれたが、その後は、独特の魅力を持ったヴォーカルスタイルのシンガーソングライターとして活動しているロバート・ワイアット。彼の作品は後追いでも集めて、広く触れましたが、リリース時に聴いたこのアルバムが、ぼくにとって一番聴いたアルバムとなりました。「自由意志および遺言」というタイトルの曲で、今読み返しても、歌詞の意味は不可解な部分が多いですが、この澄んだ歌声に耳を澄ましている時間は、とても特別な時間でした。


林;こういう選曲だとロバート・ワイアットももちろんお好きそうですね。今回の花田さんの選曲を聞いて、「ラティーナ、買ってみようかな」って感じている人、多そうです。


04. Velvet Underground(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)「Sunday Morning」

花田;ヴェルヴェッツ関連から何か選ばないと嘘のような気がしたので1曲選びます。ビートルズと、ビーチ・ボーイズと、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドは、思春期の僕にとっての教科書で、とりわけヴェルヴェット・アンダーグラウンドに憧れていました。テレビジョンやギャラクシー500だとか、ヴェルヴェッツに影響を受けたヴェルヴェッツ・チルドレンの音楽も大好きでした。


林;こういう音楽の世界観って誰も指摘しないけど、天才ルー・リードがある日突然この世界に描いたすごい感覚だと思います。


05. Caetano Veloso(カエターノ・ヴェローゾ)「Força Estranha」(2011)

花田;タイトルは「奇妙な力」と訳せばいいんでしょうか。人から人へ命が受け継がれている様を歌った歌だと思っています。3.11の後、何の力もない自分と向き合いながら、この曲を聴いて、どうにか力を振り絞っていました。オリジナルは、カエターノ・ヴェローゾではなく、ホベルト・カルロスです。


林;カエターノは何か選ぶとは想像していたのですが、こういう曲なんですね。「力」、不思議な言葉ですが、強い言葉です。


06. Gonzaguinha (ゴンザギーニャ)「O que é, o que é (Viver e não ter a vergonha de ser feliz」(1982)

花田;「人生は美しい」と歌う人生讃歌のサンバ名曲です。「永遠に学び続けることの美しさ(A beleza de ser um eterno aprendiz)」というフレーズがあるのですが、「見習い(aprendiz)」という単語が、一番好きなポルトガル語です。自分の生まれた年の歌だけれど、ブラジルのサンバ系のコンサートでは、今現在、アンコールで最も歌われる回数が多い曲の1つなのではないかと思います。


林;うわ、またまた花田さんらしい言葉を。そうですね。僕たちはずっと学び続けるべきですね。


07: Saigenji「風の轍」(2008)

花田;どんなにダメな人生だったとしても、そういうのを全部含めて肯定してくれる歌で、何度も助けられました。「〜〜生かされている、すべてに//深く息を吸い込んで/風の歌を感じただけ/この奇跡をぼくはずっと守っていく//少しずつでも進んでゆける それがわかった/もう迷わない/なぜならぼくは息をしている/重ねた日々は無駄じゃなかった/なぜならここにいるから」という歌詞ですが、「息をしているだけでそれでいいじゃない」ってことに、この歌を聴くと納得してしまいます。Saigenjiさんには、この歌で紅白に出て欲しいと願ってやみません。


林;紅白にというのすごくわかります。大晦日に、日本語を話す色んな人たちに聞いてほしい歌ですね。


08: ラブクライ(Labcry)「Brave And Strong」(2001)

花田;2000年くらいから関西の「うたもの」バンドが全国的に注目されて、ぼくも羅針盤や空気公団や、このラブクライが大好きになりました。そのブームの時期が、ちょうど京都で浪人生をやっていた1年に重なり、関西のうたものバンドのライブを見られる機会もたくさんありました。羅針盤や空気公団やラブクライの歌には、優しさに溢れた歌がたくさんありました。


林;ああ、京都時代って1年ではありながら花田さんにとって日本の独特の関西文化に触れる時期だったんですね。青森から京都に行くとかなりカルチャーショックでしたでしょうね。


09: 中島ノブユキ「その一歩を踏み出す」(2015)

花田;どんな一歩を踏み出すのも臆病なぼくですが、本当に動けなくなっている時にこの曲を聴くと、何とか一歩前に踏み出そうと思えてしてしまう。音楽の不思議な力を感じる曲です。一体どこからこの説得力のある音楽が生まれてくるのか。中島さんの神秘です。


林;美しいですね。本当に音楽の力強さを感じてしまいます。音楽がこの世界にあって良かったって実感します。


10: 伊藤志宏 3 cello variation 「ペンギンは蝶の夢を見る」(2014)

花田;夢の中で飛ぶことと、実際に飛ぶこと。どちらが価値のあることなのだろうかと考えることがあります。お金を出せは宇宙に行ける日もそう遠くはないようです。伊藤志宏さんには「ペンギンは飛べない」という名曲もあるのですが、飛ぶことを夢見ながら海を泳ぎ続けるペンギンは、とても幸せなんじゃないかと思うのです。


林;今、わかりました。花田さん、ラティーナも論文も大切かと思いますが、自分のための文章を書きましょう。詩でしょうか小説でしょうか。その花田さんの世界観を表現する日を待ってます。

花田さん、お忙しいところどうもありがとうございました。音楽を届けるお仕事の今後、期待しております。


花田勝暁 twitter

ラティーナ公式HP


さて、カボチャ祭りも終わり、いよいよ年末となりましたね。そろそろ2016年を振り返る特集をメディアの人たちも動き出すころですね。忙しい時期ですが、良い音楽をきいて楽しんでくださいね。
それではまた来月もこちらのお店でお待ちしております。

bar bossa 林伸次


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


■Bar bossa林さんが選曲したコンピレーションアルバムが11/16リリース!

barbossa500.jpg

■タイトル:『Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa』
■アーティスト:V.A
■発売日:2016年11月16日
■レーベル: ユニバーサル ミュージック
■品番:UICZ-1646

アマゾン詳細ページへ


【収録曲】
1.Blossom Dearie / It Might As Well Be Spring
2.Bill Evans / Soiree
3.Paul Desmond / Emily
4.Bill Evans Trio / Elegia
5.Quincy Jones and His Orchestra / Dreamsville
6.Gerry Mulligan / Night Lights
7.Vince Guaraldi Trio / Great Pumpkin Waltz
8.Cal Tjader / Just Friends
9.Shirley Scott/Can't Get Over The Bossa Nova
10.Blossom Dearie / Give Him The Ooh-La-La
11.Burt Bacharach / I'll Never Fall In Love Again
12.NICK De CARO and orchestra / I'M GONNA MAKE YOU LOVE ME
13.Blossom Dearie / Sweet Surprise
14.Beach Boys / Caroline No
15.Burt Bacharach / Alfie
16.Milton Nascimento / Catavento
17.Earl Klugh / The April Fools
18.Danilo Perez/Another Autumn


【林 伸次 近著】

barbossa_cover450.jpg

■タイトル:『バーのマスターは「おかわり」をすすめない 飲食店経営がいつだってこんなに楽しい理由』
■著者:林 伸次
■発売日:2016年9月9日
■出版社: DU BOOKS
■金額:¥1,728 単行本

アマゾン詳細ページへ


「このビール、ぬるいんだけど」とお客さまに言われたら、あなたならどう対応しますか?
その都度悩んで、自ら回答を見つけてきた渋谷のバーのマスターの約20年。
楽しく経営を続けられたのには理由がある!

「バーの重たい扉の向こうには、お客さま、店主、お酒......その他たくさんの物語が詰まっています。ぜひ、あなたもその物語に参加してみてください。」
――本文より


「bar bossa」アーカイブ

vol.1 「モニカ・サウマーゾ」 ・vol.2 高木洋介 ・vol.3 「クリスマス・ソングのボサノヴァ」 ・vol.4 柳樂光隆 ・vol.5 「1960年代当時のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.6 松原繁久 ・vol.7 「1970年代から1980年代までのブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.8 中村ムネユキ ・vol.9 「現代のブラジルのボサノヴァ女性シンガー特集」 ・vol.10 江利川侑介 ・vol.11 「エレンコ・レーベル」 ・vol.12 田仲昌之 ・vol.13 「ルミアール・ヂスコス」 ・vol.14 定成寛 ・vol.15 寺田俊彦 ・vol.16 白尾嘉規 ・vol.17 「畠山美由紀『rain falls』 プロデューサー中島ノブユキ インタビュー」 ・vol.18 山本勇樹 ・vol.19 「ジノンさん ルシッド・フォールについて」 ・vol.20 大場俊輔 ・vol.21 「ブラジル人と演奏しているアメリカのジャズ・ミュージシャン特集」 ・vol.22 武藤サツキ ・vol.23 「Lucid Fall (The Best of)」 ・vol.24 筒井奈々 ・vol.25 「THE PIANO ERA2013」 ・vol.26 山上周平 ・vol.27 ジノン ・vol.28 東野龍一郎 ・vol.29 林伸次 ・vol.30 中村智昭 ・vol.31 齊藤外志雄 ・vol.32 染谷大陽 ・vol.33 稲葉昌太 ・vol.34 小嶋佐和子 ・vol.35 石郷岡学 ・vol.36 原田雅之 ・vol.37 松本研二 ・vol.38 塚田耕司 ・vol.39 岩間洋介 ・vol.40 中村信彦&真理子 ・vol.41 白尾嘉規 ・vol.42 田仲昌之 ・vol.43 山本勇樹 ・vol.44 新川忠 ・vol.45 川嶋繁良 ・vol.46 田村示音 ・vol.47 山崎雄康 ・vol.48 上川大助 ・vol.49 町田和宏 ・vol.50 林下英治 ・vol.51 シュート・アロー ・vol.52 高橋悠 ・vol.53 沼田学 ・vol.54 庄野雄治 ・vol.55 山本のりこ ・vol.56 渡部徹 ・vol.57 小栗誠史 ・vol.58 相澤歩 ・vol.59 土田義周 ・vol.60 榎本善一郎 ・vol.61 町田洋子 ・vol.62 影山敏彦


bar bossa information
林 伸次
1969年徳島生まれ。
レコファン(中古レコード店)、バッカーナ&サバス東京(ブラジリアン・レストラン)、
フェアグランド(ショット・バー)を経た後、1997年渋谷にBAR BOSSAをオープンする。
2001年ネット上でBOSSA RECRDSをオープン。
著書に『ボサノヴァ(アノニマスタジオ)』。
選曲CD、CDライナー執筆多数。
連載『カフェ&レストラン(旭屋出版)』。

bar bossa
bar bossa
●東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
●TEL/03-5458-4185
●営業時間/月~土
18:00~24:00 bar time
●定休日/日、祝
お店の情報はこちら

アーカイブ