みなさんこんにちは、マルチインストゥルメンタリストの曽根麻央です。
今、僕がプロデュースしたアルバムCity Pop Rendez-Vousのツアー中で、昨日岡山公園が無事終了し、本日15日は名古屋Mr. Kenny's、そして明日16日は浜松Hermit Dolphinで公演があります。
詳しくは僕のウェブサイトをチェックしていただきたいのですが、このCity Pop Rendez-Vousをまだ聴いていない方も是非、アルバムを聴いて欲しいです!
曽根麻央スケジュール
https://maosone.com/gigs.jp
CITY POP RENDEZ-VOUS
https://amzn.asia/d/9LyV113
さて、今日は僕の大好きなjazz/popユニット、Knowerの今年リリースされたアルバム
『Knower Forever』を紹介したいなと思います。
Title : 『Knower Forever』
Artist : Knower
Knowerはドラマー、ルイス・コールとシンガー、ジェネヴィーヴ・アルターディの2人からなるLAのユニットで、2010年ごろからYouTubeに音楽をアップロードし始め、すぐにその知名度をあげました。
ちょうど2010年からアメリカに留学していた私もその頃から彼らの音楽に夢中でした。
特にこのトラックは音大生の間でも話題になりました。
今のサウンドに比べるとかなり打ち込み色が強くクリーンなサウンドかなと思います。
それに比べ、『Knower Forever』を含む近年のサウンドは、あえて宅レコ感とドラムのモノラルレコード感が強くなり、昔のゲームボーイのビットシンセの様な音色など、チープな音を最大限に効果的に使用することにより、Knowerサウンドを確率したものになっている気がします。
それがホームビデオの様な粗めのMV映像と上手く一体化しており、素晴らしい作品になっています。
レコーディング風景も実はアップされており、基本自宅で同時録音でした。
こちらはM2の「I'm The President」の映像ですが、このレコーディングスタイルが今のKnowerサウンドを作り上げてるといってよいでしょう。
1. Knower Forever
オーケストラオンリーの映画音楽の様なルイス・コールの作品。
シンプルなテーマに半音階の伴奏で始まり、半音階がテーマになったりしているうちに徐々に混沌となり、それがピークに達し曲が終わります。
2. I'm The President
Knowerのユーモラスな面とタイトなグルーヴが見事に合わさった楽曲。
このアルバムのリードトラックに当たる曲かと思います。
Paul Cornishの見事なアップライトピアノソロが収録されています。
このソロはトランスクライブがYouTubeに上がっていました。
3. The Abyss
ベースにMononeon、キーボードにRai Thistlethwayteを迎えた最高にファンキーな楽曲。
途中ルイス・コールのドラムソロと、Rai Thistlethwayteのキーボードソロがフィーチャーされています。
4. Real Nice Moment
アナログシンセの様な不安定なピッチの音色で幕を開ける、ポップな作品。
Paul Cornishのジャズ的なボイシングを思いっきり使い、レイドバックして少し気だるさもある雰囲気のピアノソロが素晴らしです。
5. It's All Nothing Until It's Everything
激しいビートが初めから展開されます。
Rai Thistlethwayteのソロが途中フィーチャーされていて、このアルバムのクライマックスの一つになっています。
このソロはトランスクライブがYouTubeに上がっていました。
素晴らしくタイトでアイディアも豊富です。僕も来週のお休みで練習しようと思います(笑)。
6. Nightmare
シンセブラスのサウンドと、Mononeonが作り出すグルーヴが特徴的なトラック。
こちらも途中のclavi solo(恐らくJacob Mann?)が素晴らしいです。
7. Same Smile, Different Face
ジェネヴィーヴ・アルターディの素晴らしい歌唱が聞けるトラックで、このアルバム随一の美しいpopバラードとなっています。
ルイス・コールの作曲で本人はピアノで参加しています。
8. Do Hot Girls Like Chords
このアルバム一のロックなトラックで、Adam Ratnerのギターソロがフィーチャーされています。
9. Ride That Dolphin
こちらもポップな作品の一つ。途中2:12過ぎからコーラスとキーボードのアレンジが素晴らしく心つかまれます。
10. It Will Get Real
このアルバムに僕が出会うきっかけを作ってくれた曲で、素晴らしいトラックです。
J-WAVEで偶然流れていて、これはなんだ!となりました。
こちらもRai Thistlethwayteのキーボードソロがフィーチャーされていて、シンセの波形が少しずつソロ中に変化していて、音色へのこだわりも素晴らしいソロになっています。Sam Gendelのサックスもフィーチャーされています。
彼のサックスソロは金管と言うより、リードシンセなのかなと一瞬耳を疑うほど、Knowerとの親和性が高いサックス奏者です。
11. Crash The Car
美しいバラード曲。こちらもジェネヴィーヴ・アルターディの素晴らしい歌唱が聴けます。
名ジャズ・サックス奏者David Binneyがフィーチャーされています。
それではまた次回。
文:曽根麻央 Mao Soné
曽根麻央『プレイズ・スタンダード』
トランペット/ピアノの"ジャズ二刀流"として話題の曽根麻央がソロピアノで紡ぐスタンダードソング集が全国発売決定!
往年のジャズの名曲をフレッシュな感性で解釈。
抒情性と気品に彩られた曽根のジャズ・ミュージシャン、ピアニストとしてのアティテュードが表現されている作品に仕上がった。
曽根麻央『プレイズ・スタンダード』
1.Reflections in D
2.Serenade
3.In Your Own Sweet Way
4.The Star-Crossed Lovers
5.Wave
6.Stella by Starlight
7.All The Things You Are
8.Luminous (Piano Solo Ver.)
9.I Loves You, Porgy
10.Lady Luck11.Danny Boy
12.Home (Piano Solo Ver.)
13.Some Other Time
14.Ask Me Now
15.The Days of Wine And Roses
16.What A Wonderful World
Mao Soné (piano, trumpet)
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・2020.04『Motherland / Danilo Perez』・2020.05『Color Of Soil /タイガー大越』・2020.06『Passages / Tom Harrell 』・2020.07『Inventions And Dimensions / Herbie Hancock』・2020.08『Birth Of The Cool / Miles Davis』・2020.09『Chet Baker Sings / Chet Baker』・2020.10『SFJAZZ Collective2 / SFJAZZ Collective』・2020.11『Money Jungle: Provocative In Blue / Terri Lyne Carrington』・2020.12『Three Suites / Duke Ellington』・2021.01『Into The Blue / Nicholas Payton』・2021.02『Ben And "Sweets" / Ben Webster & "Sweets" Edison』・2021.03『Relaxin' With The MilesDavis Quintet / The Miles Davis Quintet 』・2021.04『Something More / Buster Williams』・2021.05『Booker Little / Booker Little』・2021.06『Charms Of The Night Sky / Dave Douglas』・2021.07『Play The Blues / Ray Bryant Trio』・2021.08『The Sidewinder / Lee Morgan』・2021.09『Esta Plena / Miguel Zenón』・2021.10『Hub-Tones / Freddie Hubbard』・2021.11『Concert By The Sea / Erroll Garner』・2021.12『D・N・A Live In Tokyo / 日野皓正』・2022.1『The Tony Bennett Bill Evans Album / Tony Bennett / Bill Evans』・2022.2『Quiet Kenny / Kenny Dorham』・2022.3『Take Five / Dave Brubeck』・2022.4『Old And New Dreams / Old And New Dreams』・2022.5『Ella Fitzgerald And Louis Armstrong / Ella And Louis』・2022.6『Live from Miami / Nu Deco Ensemble & Aaron Parks』・2022.7『Oscar Peterson Trio + One / Oscar Peterson Trio Clark Terry』・2022.8『Ugetsu/ Art Blakey & The Jazz Messengers』・2022.9『Sun Goddess / Ramsey Lewis』・2022.10『Emergence / Roy Hargrove Big Band』・2022.11『Speak No Evil / Wayne Shorter』 ・2022.12『The Revival / Cory Henry』・2023.1『Complete Communion / Don Cherry』・2023.2『Your Mother Should Know: Brad Mehldau Plays The Beatles / Brad Mehldau』・2023.3『Without a Net / Wayne Shorter』・2023.4『LADY IN LOVE / 中本マリ』・2023.5『Songs Of New York / Mel Torme』・2023.6『Covers / James Blake』・2023.7『Siembra / Willie Colón & Rubén Blades』・2023.8『Undercover Live at the Village Vanguard / Kurt Rosenwinkel』・2023.09『Toshiko Mariano Quartet / Toshiko Mariano Quartet』・2023.10『MAINS / J3PO』
Reviewer information |
曽根麻央 Mao Soné 曽根麻央は2018年にジャズの二刀流として、 2枚組CD『Infinite Creature』でメジャー・デビュー果たしたトランペッター、ピアニスト、作曲家。 幼少期よりピアノを、8歳でトランペットを始める。9歳で流山市周辺での音楽活動をスタートさせる。18歳で猪俣猛グループに参加し、同年バークリー音楽大学に全額奨学金を授与され渡米。2016年には同大学の修士課程の第1期生として首席(summa cum laude)で卒業。在学中にはタイガー大越、ショーン・ジョーンズ、ハル・クルック等に師事。グラミー賞受賞ピアニスト、ダニーロ・ペレスの設立した教育機関、グローバル・ジャズ・インスティチュートにも在籍し、ダニーロ・ペレス、ジョー・ロバーノ、ジョン・パティトゥッチ、テリ・リン・キャリントン等に師事、また共演。 曽根は国際的に権威ある機関より名誉ある賞を数々受賞している。 |